JP6779580B2 - 緊急車両走行警報システム - Google Patents
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また、特許文献2には、緊急車両に少なくともVICS(VehicleInformation and Communication System;道路交通情報通信システム)送信手段を搭載し、前記緊急車両は、出動時、VICS信号受信手段を備えたカーナビゲーション機器を搭載した一般車両に対して、前記緊急車両の接近を知らせるために、前記緊急車両の走行情報を前記VICS送信手段から送信し、これを受信した前記一般車両が徐行、別道路への通行などの対策を事前に行なうことを可能とした緊急車両走行通報システムが開示されている。そして、前記一般車両がVICS受信手段を備えたカーナビゲーション機器を備え、前記緊急車両の前記VICS送信手段から送信された前記位置情報を前記VICS受信手段で受信し、前記カーナビゲーション機器の表示装置上に、前記緊急車両の位置を画面表示するようにしている。
さらに、特許文献3には、緊急車両が発する緊急車両の位置を特定するための電波を受信する受信手段をさらに備え、前記回避地点特定手段は、前記受信手段で受信した電波に基づいて前記緊急車両が走行している緊急車両走行地点を特定し、この緊急車両走行地点を前記回避地点とする地図データ更新システムが開示されている。この緊急車両の発信電波を受信する受信装置は、緊急車両が自車位置を本部に報告するために発信している緊急車両の現在位置を示す情報を含む電波を受信している。
本発明の緊急車両走行警報システム1の説明をするに当たり、住宅などが水に浸かることを「浸水」、田畑や道路などが水に浸ることを「冠水」と一般的に云われているが、本明細書においては、「浸水」と「冠水」とを住宅などや田畑や道路などが水に浸ることを意味する同義語として扱い、以下の説明においては特に断らない限り「冠水」というものとする。
図1に示す緊急車両走行警報システム1は、緊急車両10が備える情報提供部12と複数の閉域通信網14a,14b,・・・,14mとを備えており、各部の間は通信網で接続されている。すなわち、閉域通信網14a〜14mと情報提供部12とは、インターネット通信網や公衆通信網からなるワイヤレスの広域通信網13で接続される。
閉域通信網14a〜14mは、緊急車両走行警報システム1が扱う地域をm分割して、m分割した地域毎に設置されている。すなわち、緊急車両走行警報システム1が扱う全地域をカバーする閉域通信網14a〜14mが設置される。閉域通信網は、専用の通信回線を利用する通信網であり、データを途中で傍受されたり改ざんされるおそれを防止できる通信網である。
図2は、子機20が現実に設置された位置を示す地図であり、少なくともエリアAの範囲を管轄する親機30がエリアAの中央のブロックA−5に設置されており、エリアAのブロックA−1〜A−9に16台の子機20−1〜20−16が設置されている。16台の子機20−1〜20−16は、ブロックA−1〜A−9におけるブロック間の道路およびブロック間の交差点に配置されている。
子機20は図4に示すように、マイクロコントローラ21、位置測位装置23、警告表示器24、閉域通信網通信I/F25とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置26を備えている。マイクロコントローラ21は、子機20の動作を統括制御する制御手段であり、時計機能を有している。具体的には、マイクロコントローラ21は、子機20が設置された地点の位置情報をテンポラリメモリに書き込む。この場合、子機20の位置情報は、子機20における位置測位装置23がGPS(Global Positioning System)等を使用して測位した位置情報、あるいは、直接入力した子機20の位置情報とされる。また、図示しないスイッチがオンされて電源装置26から電源が投入された際には、子機20を初期化する。そして、位置情報の取得が終了した際に、テンポラリメモリに書き込まれている当該子機20の位置情報に、当該子機20に割り当てられている一意の子機IDを付加して、閉域通信網通信I/F25から親機へ送信する。また、マイクロコントローラ21の制御の基で、閉域通信網通信I/F25を介して親機30から警告情報を含む警告指示を受信した場合は、受信した警告情報に応じた警告表示を警告表示器24を点灯させることにより行う。これにより、子機20を観察することで、災害の起きている現場に災害の情報を確実に通知することができるようになる。警告表示器24は、発光ダイオード(LED)などの発光デバイスによって構成できる。なお、電源装置26は大容量キャパシタあるいは2次電池と、充電用の太陽光パネルとから構成することができる。
親機30は図5に示すように、マイクロコントローラ31、広域通信網通信I/F32、閉域通信網通信I/F33、記憶装置35とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置34を備えている。マイクロコントローラ31は、前述した図6に示す構成と同様とされ、CPU41、ROM42、RAM43、I/O44を備え、これらをバス45で接続して構成されているが、ROM42には親機30用の制御プログラムが記憶されている。マイクロコントローラ31では、ROM42に記憶されている親機30用の制御プログラムをCPU41が実行することにより、親機30の動作を統括制御している。すなわち、マイクロコントローラ31におけるCPU41は、閉域通信網通信I/F33を介して子機20から送信された子機ID付きの位置情報を受信して記憶装置35に書き込む。そして、CPU41は、子機20から受信した子機ID付きの位置情報を、広域通信網通信I/F32を介して情報提供部12へ送信する。また、情報提供部12から受信した警告指示を、自機の閉域通信網に属する子機20に送信する。なお、電源装置34は、商用電源を所定電圧の直流電圧に降圧する電源装置とされている。また、電源装置34は、商用電源に替えて使用電力容量に合わせた大容量キャパシタあるいは2次電池と、充電用の太陽光パネルとから構成するようにしてもよい。
図7(a)に示す構成の情報提供部12では、親機30から広域通信網13を介して送られてきたデータが広域通信網通信I/F12dを介して受信されて、情報配信サーバー12aに渡される。情報配信サーバー12aは、受信したデータが子機ID付きの位置情報であった場合は、その位置情報を子機IDと関連付けてデータベース部12cの親機・子機登録情報DB(DB:データベース)53に書き込む。この位置情報は、地図上の座標を示している。
データベース部12cのエリアコードDB51には、子機20が設置されているエリアのコードを含む本発明の実施例にかかる緊急車両走行警報システム1が適用されるエリアのコードが格納されており、警告種別DB52には警告種別のデータが格納されている。情報配信サーバー12a内に設けられているデータ処理装置50は、情報配信サーバー12aが緊急車両10の位置情報と警告情報とを受け取ると、緊急車両10が接近中であることの警告を現場に設置されている子機20の警告表示器24に表示させるための警告指示を作成する。この場合、データ処理装置50は、今まで受け取った緊急車両10の位置情報から緊急車両10の進行方向を予測して、予測された進行方向における所定範囲のエリアを決定する。データ処理装置50は、受け取った警告情報に、決定された所定範囲のエリアに位置する子機20の子機IDを付加した警告指示を作成し、この警告指示を情報配信サーバー10aに渡す。情報配信サーバー10aは、決定されたエリアに位置する子機20の警告表示器24で緊急車両10が接近中であることの警告表示を行わせる警告指示を配信する。情報配信サーバー10aが配信する警告指示の配信先は、決定された所定範囲のエリアに位置する子機20が属する閉域通信網の親機30と特定される。
図14に示す視線誘導標100には、子機20の構成を備える端末装置が一体化されることにより、視線誘導標100が子機20として機能するようになる。図14に示すように、視線誘導標100は、円筒状の屈曲可能なポール部120と円盤状の基部113とを備え、基部113の作用により自立可能とされている。ポール部120の上部には警告表示器124が設けられている。警告表示器124は、円筒状の発光する液晶表示器や有機EL表示器等の表示器とされており、その表面上に視線誘導標として機能させるための反射ガラスや反射シート反射部が設けられている。警告表示器124のマーク・文字表示部130には、マークや図形もしくは文字を表示することができ、警告表示は警告や警報を表すマーク、図形や文字を発光表示することにより行われる。
図15(a)〜(c)に示す警告表示の例は図形あるいは文字、回転赤色灯により警告表示を行う例であり、データ処理装置50が、警告種別DB52から読み出した警告種別に応じて作成された警告情報に基づく警告表示とされている。図15(a)は、緊急車両10の接近中を緊急車両の図形を表示することで表す警告表示であり、警告表示器124のマーク・文字表示部130に回転赤色灯を備えた緊急車両の図形が表示される。図15(b)は、緊急車両10の接近中を文字を表示することで表す警告表示であり、警告表示器124のマーク・文字表示部130に「緊急車両接近中」の文字が表示される。図15(c)は、緊急車両10の接近中を回転赤色灯を点灯することで表す警告表示であり、警告表示器124のマーク・文字表示部130に赤色灯が回転する様子を模擬した回転赤色灯の表示が行われる。あるいは、ポール部120の上部の内部に内蔵させた回転赤色灯を点灯させてもよい。なお、マーク・文字表示部130における文字・図形の色および背景色の色調およびコントラストを、警告表示される内容に応じて変更するようにしてもよい。
図10に示すデータ処理サーバー処理は、データ処理サーバー12bの電源が投入されたときに起動する。起動されるとステップS30でCPU71は、前回からt時間経過したか否かを判断する。ここで、前回からt時間経過していないとCPU71が判断した場合(NO)は、前回からt時間経過するまでステップS30で待機される。前回からt時間(1分ないし数分)経過したとCPU71が判断した場合(YES)は、ステップS31で進みCPU71は位置測位装置12fから緊急車両10の現在位置の位置情報を取得する。次いで、ステップS32へ進みCPU71は、取得した緊急車両10の位置情報が前回から移動しており、緊急車両10が緊急の用務のために走行していると判断した場合は、現場に緊急車両10が走行していることを通知するために、子機20の警告表示器24で緊急車両10が接近中であることの警告表示を行わせるための警告情報を作成する。警告情報が作成されると、ステップS33にてCPU71は作成された警告情報と取得した緊急車両10の位置情報とを情報配信サーバー10aへ転送する。ステップS33の処理が終了するとステップS30に戻り、ステップS30ないしステップS33の処理が繰り返し行われる。データ処理サーバー処理は、データ処理サーバー12bの電源がオフされた際に終了する。
図11に示すデータ処理装置処理は、データ処理装置50の電源が投入されたときに起動する。起動されるとステップS40でCPU71は、データ処理サーバー12bから警告情報と緊急車両10の位置情報とを受信したか否かを判断する。ここで、データ処理サーバー12bから受信していないとCPU71が判断した場合(NO)はステップS40で受信されるまで待機される。また、データ処理サーバー12bから受信したとCPU71が判断した場合(YES)はステップS41へ進む。ステップS41にてCPU71は、受信した緊急車両10の今までの位置情報から緊急車両10の進行方向を予測して、予測された進行方向における所定範囲のエリアを決定する。そして、CPU71は親機・子機登録情報DB53を参照して決定された所定範囲のエリアに位置する子機20の子機IDを抽出する。次いで、ステップS42でCPU71は、受信した警告情報に、決定された所定範囲のエリアに位置する子機20の子機IDを付加した親機30への警告指示を作成する。
図12に示す情報配信サーバー処理は、情報配信サーバー12aの電源が投入されたときに起動する。起動されるとステップS50でCPU61は、データ処理装置50において、親機30へ配信する警告指示が作成されたか否かを判断する。ここで、親機30への警告指示が作成されていないとCPU61が判断した場合(NO)は、警告指示が作成されるまでステップS50で待機される。また、親機30への警告指示が作成されたとCPU61が判断した場合(YES)は、ステップS51に進む。ステップS51でCPU61は、データ処理装置50が作成した警告指示を、親機・子機登録情報DB53を参照して警告指示に含まれる子機IDの子機20が属する親機30へ配信する。この場合、ステップS42で作成された警告指示は、ステップS41で抽出された子機IDの子機20が属する閉域通信網の親機30へ配信され、ステップS44で作成された警告指示がある場合は、ステップS43で抽出された前回の警告指示から除かれた子機IDの子機20が属する閉域通信網の親機30へ配信される。ステップS51の処理が終了すると、ステップS50に戻りステップS50,ステップS51の処理が繰り返し行われる。情報配信サーバー処理は、情報配信サーバー12aの電源がオフされた時に終了する。
図13に示す端末装置300は、マイクロコントローラ301、位置測位装置303、警告表示器304、閉域通信網通信I/F305、広域通信網通信I/F306とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置308を備えている。マイクロコントローラ301は、端末装置300の動作を統括制御する制御手段であり、時計機能を有している。具体的には、マイクロコントローラ301は、マイクロコントローラ301に記憶されている端末装置300用の制御プログラムを実行することにより、子機20の機能を備える端末装置300として動作する。すなわち、端末装置300が設置された地点の位置情報をテンポラリメモリに書き込む。この場合、端末装置300の位置情報は、位置測位装置303がGPS等を使用して測位した位置情報、あるいは、直接入力した端末装置300の位置情報とされる。また、図示しないスイッチがオンされて電源装置308から電源が投入された際には、端末装置300を初期化する。そして、位置情報の取得が終了した際に、テンポラリメモリに書き込まれている当該端末装置300の位置情報に、当該端末装置300に割り当てられている一意の子機IDを付加して、閉域通信網通信I/F305を介して送信する。
これらの図に示すように、本発明の緊急車両走行警報システム1の第1実施例にかかる子機20を実現する視線誘導標400は、円筒状の縦に細長い樹脂製の円筒状ケース410と、円筒状ケース410の下端に装着される樹脂製あるいは金属製の基部113とから構成され、円筒状ケース410と基部113からなるケース内に端末装置401が内蔵されている。視線誘導標400は、道路付属物とされる視線誘導標として機能し、基部113は、接着やボルトによって道路等に固定することができる。また、基部113の内部に水や砂をつめて設置することもでき、この場合は、視線誘導標400を道路上等に置くだけで子機20として利用することができる。また、図20に示す構成の端末装置300を端末装置401とすることにより、親機30としても利用することができる。これにより、視線誘導標400は必要な時だけ(例えば、大雨警報時)設置して、その後は撤去する等柔軟に対応できるようになる。視線誘導標400の縦方向の長さL1は約300mm〜1200mmとされ、基部113の外径R1は約200mmとされる。
さらに図18に示すように、基部113の底面に嵌め込まれる厚さの薄い円盤状の基部底板413bの上面には、マイクロコントローラ418a、位置測位装置418b、広域通信網通信I/F418c、閉域通信網通信I/F418d、二次電池418eからなる回路部418が接着やネジ止め等で固定されている。回路部418の各部間はバスで接続されている。なお、広域通信網用アンテナ部415aと広域通信網通信I/F418cとが通線417aで接続され、閉域通信網用アンテナ部415bと閉域通信網通信I/F418dとが通線417bで接続され、GPSアンテナ412と位置測位装置418bとが通線で接続されている。なお、広域通信網通信I/F418cは、インターネット通信や公衆通信に対応しており、閉域通信網通信I/F418dは、無線LANなどのワイヤレスの閉域通信網に対応している。
また、以上説明した本発明の実施例にかかる緊急車両走行警報システムにおいて、所定のエリアに設置された子機に警告表示を行わせる際に、当該子機が属する閉域通信網が複数ある場合は、それぞれの閉域通信網の親機に警告指示を送信する。
また、以上説明した本発明の実施例の緊急車両走行警報システムにおける位置測位装置を備える子機においては、GPSに限らず、設置された位置の座標を位置測位装置が、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムを使用して測位するようにしてもよい。
Claims (2)
- 警告指示を受信可能な通信部と、該通信部において受信した警告指示における警告情報に応じた警告表示を行う警告表示器とを少なくとも有し、設置された所定の地点の位置情報と一意の個体識別番号である子機IDを送出する複数の子機と、
所定の地域内に設置された複数の前記子機が属し、属する複数の前記子機から送出された前記位置情報および前記子機IDを受信して情報提供部に送信すると共に、該情報提供部から受信した警告指示を属する複数の前記子機に送信する親機と、
該親機から送信された前記位置情報および前記子機IDとを受信してデータベース部に記憶すると共に、現在いる位置の位置情報を取得し、取得した位置情報に対応する前記子機の子機IDを抽出し、さらに、子機の警告表示器に警告表示を行わせる警告情報に抽出した前記子機IDの情報を付加した警告指示を作成して、抽出した前記子機IDの子機が属する前記親機へ送信する前記情報提供部を備える緊急車両とを備え、
前記情報提供部では、前記データベース部に記憶された子機の位置情報および子機IDを参照して、取得した位置情報に対応する位置に設置されている子機を特定して、当該子機の子機IDを抽出するようにしたことを特徴とする緊急車両走行警報システム。 - 前記親機は、属する複数の前記子機から送出された前記子機IDを受信して記憶装置に記憶し、該情報提供部から受信した前記警告指示に含まれる子機IDが前記記憶装置に記憶されている前記子機IDと一致する場合に、前記警告指示を属する複数の前記子機に送信するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の緊急車両走行警報システム。
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