JP7127398B2 - インクジェット記録方法及び活性光線硬化型インクジェットインクセット - Google Patents
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Description
さらに、白色インクの代わりに、非吸収性記録媒体の表面を均一にするためにクリアインクを用いる場合もある。
この場合、ゲル化剤の量が少なすぎると液滴の合一化を防ぐことができなくなり、ゲル化剤の量が多すぎるとゲル化剤が表面に過剰に析出し、液滴が十分にレベリングしない。
しかしながら、酸化チタンは有色インクの顔料に比べて極性が高く、ゲル化剤との相互作用がしにくく、ゲル化剤が表面に析出しやすい。そのため、酸素阻害を受けにくく、硬化性が良いため、有色インクに比べて硬化収縮してしまい、白インクを下地にした際に、上層の有色インクとの層間の密着性が悪いという問題があった。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくとも酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
前記第1のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
前記第1のインクジェットインク及び第2のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170未満であるモノマーAを含有し、
前記第1のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分の添加量が、前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。
2.活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくとも酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
前記第1のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
前記第1のインクジェットインク及び前記第2のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170以上であるモノマーBを含有し、
前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分の添加量が、前記第1のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。
前記酸化チタンに表面修飾された前記アルミナの量が、表面修飾前(又は未処理)の前記酸化チタンに対して、0.3~0.8質量%の範囲内であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
一般式(G1): R1-CO-R2
一般式(G2): R3-COO-R4
〔式中、R1~R4は、それぞれ独立に、炭素数9~25の範囲内の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素を表す。〕
前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくともゲル化剤を含有し色材を含有しない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
前記第3のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
前記第2のインクジェットインク及び前記第3のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170未満であるモノマーAを含有し、
前記第3のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分の添加量が、前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。
10.活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくともゲル化剤を含有し色材を含有しない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
前記第3のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
前記第2のインクジェットインク及び前記第3のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170以上であるモノマーBを含有し、
前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分の添加量が、前記第3のインクジェットインクの前記モノマーBに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。
一般式(G1): R1-CO-R2
一般式(G2): R3-COO-R4
〔式中、R1~R4は、それぞれ独立に、炭素数9~25の範囲内の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素を表す。〕
少なくとも酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインクセット。
少なくともゲル化剤を含有し色材を含有しない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインクセット。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインク、すなわち白色インクを印字して下部印字層を形成した後に、当該下部印字層上に、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインク、すなわち有色インクを印字して上部印字層を形成し、下部印字層及び上部印字層を、酸素濃度10%以下で一括して光照射し、酸素濃度を低下させることにより、有色インクの硬化性を向上させることができ、有色インクの硬化収縮度合と白色インクの硬化収縮度合を同等にすることができる。その結果、白色インクを含有する下部印字層と、有色インクを含有する上部印字層との間の密着性を向上させることができる。
また、本発明の他のインクジェット記録方法は、活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、ゲル化剤を含有し、色材を含まない第3のインクジェットインク(以下、単に第3のインクともいう。)と、酸化チタン以外の色材を含む第2のインクジェットインクであり、前記第3のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とすることを特徴とする。すなわち、本発明の他のインクジェット記録方法では、クリアインクを下塗りに用いた場合でも、上層の有色インクとの層間の密着性が良好となる。
これらの特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
また、本発明の他のインクジェット記録方法に用いる活性光線硬化型インクジェットインクセットは、ゲル化剤を含有し、色材を含まない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含む第2のインクジェットインクと、を備えることを特徴とする。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録方法は、活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクであり、前記第1のインクを印字して下部印字層を形成する工程と、前記下部印字層上に、前記第2のインクを印字して上部印字層を形成する工程と、前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備える。そして、前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とする。
すなわち、第1の実施形態に係るインクジェット記録方法では、下部印字層として、酸化チタンを含有する白色インクである第1のインクを用い、第2の実施形態に係るインクジェット記録方法では、下部印字層として前記第1のインクの代わりに、色材を含まないクリアインクである第3のインクを用いた方法であり、その他は、基本的に第1の実施形態に係るインクジェット記録方法と同様である。
当該第2の実施形態に係るインクジェット記録方法においても、下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、活性光線照射時の酸素濃度を10%以下とすることにより、第2のインクの酸素阻害を受けにくくし、第2のインクの硬化性を向上させることができる。その結果、第2のインクの硬化伸縮度合を第3のインクと同等にすることができ、上部印字層及び下部印字層の間の密着性を向上させることができる。また、酸素濃度を下げることで、より少ない光量でも第2及び第3のインクを十分に硬化させることができる。
下部印字層を形成する工程では、第1又は第3のインクを記録媒体上に印字(着弾)させて下部印字層を形成する。
このとき、第1又は第3のインク液滴は、記録媒体上の形成すべき画像に応じた位置に着弾させることが必須となる。
上部印字層を形成する工程では、前記下部印字層上に、第2のインクを印字(着弾)して上部印字層を形成する。
下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程では、下部印字層及び上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる。そして、活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とする。
活性光線照射時の酸素濃度を10%以下と低濃度とすることにより、第2のインクの酸素阻害を受けにくくし、第2のインクの硬化性を向上させることができる。その結果、第2のインクの硬化伸縮度合を第1のインク又は第3のインクと同等にすることができ、上部印字層及び下部印字層の間の密着性を向上させることができる。また、酸素濃度を下げることで、より少ない光量でも第1及び第2のインク又は第2及び第3のインクを十分に硬化させることができる。
図1に示すように、インクジェット記録装置100は、記録媒体200を搬送する搬送部120と、搬送される記録媒体200上にインクを吐出するインクジェットヘッド110と、インクに活性光線を照射する照射部130と、照射部130によって活性光線を照射するときの、記録媒体200のインクが着弾した表面を取り囲む雰囲気の酸素濃度を調整する酸素濃度調整部140と、を備える。
酸素濃度調整部140は、外部の排気装置等に接続されて、記録媒体の表面近傍の気体を吸引し排気可能な排気管141と、窒素ガス発生装置などの酸素濃度が低いガスを発生する装置に接続されて、記録媒体の表面近傍に酸素濃度が低い気体を供給できる、排気管141の下流側に設けられた供給管142と、を備える構成とすることができる。このとき、排気管141からの排気量及び供給管142からのガスの供給量を調整して、上記雰囲気の酸素濃度を0.1~10.0体積%の範囲内とすることができる。なお、図1では、排気管141と供給管142とが連続している構成となっているが、上記酸素濃度への調整が可能な限りにおいて、両者は互いに離れた構成としてもよい。また、供給管142は照射部130の近傍にあることが好ましく、例えば、照射部130と連続して設けてもよい。また、排気管141及び供給管142は必須の構成ではなく、例えば、図2に示すように供給管142のみの構成でも良い。
本発明の第1及び第2の実施形態に係るインクジェット記録方法に用いる記録媒体は、本発明に係る第1、第2及び第3のインクによって画像を形成することができればよく、例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート及びポリブタジエンテレフタレートを含むプラスチックで構成される非吸収性の記録媒体、金属類及びガラス等の非吸収性の無機記録媒体、及び紙類等(例えば、印刷用コート紙及び印刷用コート紙B等)とすることができる。その中でも、オーバーコート液によるコーティングが求められている紙類のOKトップコートやマリコート等に好ましく用いることができる。
本発明の第1の実施形態に係る活性光線硬化型インクジェットインクセット(以下、単にインクセットともいう。)は、前記第1の実施形態に係るインクジェット記録方法に用いる活性光線硬化型インクジェットインクセットであって、酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクと、を備える。
また、本発明の第2の実施形態に係る活性光線硬化型インクジェットインクセット(以下、単にインクセットともいう。)は、前記第2の実施形態に係るインクジェット記録方法に用いる活性光線硬化型インクジェットインクセットであって、ゲル化剤を含有し、色材を含まない第3のインクと、酸化チタン以外の色材を含む第2のインクと、を備える。
すなわち、第1の実施形態に係るインクセットは、酸化チタンを含有する白色インクである第1のインクを備えており、前記第2の実施形態に係るインクセットは、前記第1の実施形態に係るインクセットにおいて第1のインクの代わりに、ゲル化剤を含有し色材を含まない第3のインク、すなわちクリアインクを備えたインクセットであり、その他の第2のインクの構成は第1の実施形態に係るインクセットと同様の構成である。
第1~第3のインクは、光重合性化合物及び光重合開始剤を含有することが好ましい。
また、少なくとも第1のインク及び第3のインクがゲル化剤を含有していることが好ましく、さらに第1~第3のインクの全てがゲル化剤を含有することが好ましい。
第1のインクは、白色顔料として酸化チタンを含有し、酸化チタンの50質量%以上がルチル型二酸化チタンであることが好ましい。本発明に適用する酸化チタンとしては、アルミナ、シリカ、亜鉛、ジルコニア、有機物等により表面修飾(表面処理)が施されていることが好ましく、特にアルミナにより表面修飾されていることが好ましい。
酸化チタンをアルミナにより表面修飾するための具体的な方法としては例えば以下の方法が挙げられる。
まず、酸化チタンを水に分散させスラリーとする。このとき、分散剤を添加してもよい。また、この酸化チタンスラリーとは別にアルミン酸ソーダ(アルミン酸ナトリウム(Na[Al(OH)4]))水溶液に希硫酸水溶液を滴下して、pHを10.5~11.8に調節し、アルミニウム化合物溶液を調製する。次いで、アルミニウム化合物溶液に上記で得られた酸化チタンスラリーの添加混合を開始する。混合時は撹拌機を用いて撹拌をし、酸化チタンスラリー添加後も撹拌を継続して酸化アルミニウム水和物の二酸化チタン表面への沈着を行う。この後、希硫酸水溶液を用いて、中和処理を行い、スラリーのpHを8.15に調節する。表面処理後のスラリーは、メンブレンフィルターにて濾過、洗浄し、採取したケーキ(濾過物)を乾燥し、市販の自動式乳鉢を用いて解砕を行い、表面修飾された酸化チタン顔料粉末を得る。
前記酸化チタンに表面修飾されたアルミナの表面修飾量は、誘導プラズマ発光分析装置(I.C.P.)によるアルミニウム元素の分析結果に基づき、酸化チタンに対するアルミナの量の比の値(Al2O3/TiO2)より求めることができる。
(1)第1のインクにメタノールを加え、得られた溶液を遠沈管に入れ、遠心分離装置で20000rpmで1時間かけ、固体と溶液とに分ける。
(2)乾燥させた固体を、密閉式マイクロ波分解装置により、濃硝酸/濃塩酸(モル比1/10)の混酸で分解し、溶液化する。
(3)(2)で得られた濃硝酸/濃塩酸溶液中のナトリウムイオン量を、ICP-AES(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 SPS3520UV)により測定し、固体成分のナトリウムイオン量を求める。
(4)同様に、(1)で得られた溶液のナトリウムイオン量を上記ICP-AESにより測定し、溶液成分のナトリウムイオン量を求める。
(5)前記(3)で求めた固体成分のナトリウムイオン量と、前記(4)で求めた溶液成分のナトリウムイオン量とを合算して「第1のインク中のナトリウムイオン量」とする。
本発明に係る第2のインクは、酸化チタン以外の色材を含有する。
酸化チタン以外の色材である有色の色材として、染料又は顔料を制限なく用いることができるが、顔料を適用することがインクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐光性に優れることから好ましい。顔料は、特に限定されないが、例えば、カラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料又は無機顔料が挙げられる。
Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(以上、DIC社製);Colortex Yellow 301、314、315、316、P-624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA-414、U263、Finecol Yellow T-13、T-05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P-625、102、H-1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、ColortexBlue516、517、518、519、A818、P-908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(以上、山陽色素社製);Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP-S(以上、東洋インキ社製)、Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG-02、Hostapeam BlueB2G(以上、ヘキストインダストリー社製);Novoperm P-HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント製);カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(以上、三菱化学製)等が挙げられる。
第1のインクの顔料である酸化チタン、第2のインクが色材として顔料を適用する際に、第1及び第2のインクの調製に用いる分散方法として、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーター、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等により行うことができる。
本発明に係る第1及び第2のインクには、顔料の分散性を高めるために、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤の例には、ヒドロキシ基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及びステアリルアミンアセテート等が挙げられる。分散剤の市販品の例には、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズ等が挙げられる。
本発明に係る第1のインクはゲル化剤を含有し、第1のインク中の前記ゲル化剤が、第2のインクのゲル化剤に対して、50~90質量%の範囲内で含有されていることが、下部印字層と、上部印字層の硬化収縮具合を同程度にすることができ、下部印字層及び上部印字層間の密着性がより良好となる点で好ましい。
また、本発明に係る第3のインクはゲル化剤を含有し、第3のインク中の前記ゲル化剤が、第2のインクのゲル化剤に対して、50~90質量%の範囲内で含有されていることが、下部印字層と、上部印字層の硬化収縮具合を同程度にすることができ、下部印字層及び上部印字層間の密着性がより良好となる点で好ましい。
また、第1のインク中のゲル化剤は、当該第1のインク全質量に対して、0.4~2.4質量%の範囲内であることが好ましく、第3のインク中のゲル化剤も、当該第3のインク全質量に対して、0.4~2.4質量%の範囲内であることが好ましい。
ゲル化剤の含有量が0.4質量%以上であると、第1のインク又は第3のインクのピニング性を十分に高め、より高精細な画像を形成することができる。ゲル化剤の含有量が2.4質量%以下であると、形成した画像の表面からのゲル化剤の析出を抑制でき、形成画像の密着性を向上させることができる。
一般式(G2):R3-COO-R4
上記一般式(G1)又は(G2)において、R1~R4は、それぞれ独立に、炭素数が9~25の範囲内である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表す。炭化水素基は、アルキル基であることが好ましい。
本発明に係る光重合性化合物は、活性光線により重合し、インクを硬化する作用を有する。
光重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマー又はこれらの混合物のいずれであってもよい。光重合性化合物は、本発明に係るインク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
本発明に適用可能なラジカル重合性化合物としては、不飽和カルボン酸エステルであることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
さらに、第1のインク中の前記モノマーAに由来する成分の添加量が、前記第2のインクの前記モノマーAに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることが好ましい。また、第3のインクも、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170未満であるモノマーAを含有し、前記第3のインク中の前記モノマーAに由来する成分の添加量が、前記第2のインクの前記モノマーAに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることが好ましい。さらに、第2のインク中の前記モノマーBに由来する成分の添加量が、前記第1のインク又は前記第3のインクの前記モノマーBに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることが好ましい。
このように、第1のインク又は第3のインク中のモノマーAに由来する成分の添加量、及び、第2のインク中のモノマーBに由来する成分の添加量を前記範囲内とすることによって、下部印字層と、上部印字層の硬化収縮具合を同程度にすることができ、下部印字層及び上部印字層間の密着性がより良好となる
このようなモノマーAの市販品としては、3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(EM2381、長興化学社製、アクリル当量156.8667)、トリプロピレングリコールジアクリレート(APG-200、新中村化学社製、アクリル当量150.2000)等が挙げられ、これらの中でも、3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートが好ましい。
このようなモノマーBの市販品としては、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(A-400、新中村化学社製、アクリル当量254.0000)等が挙げられ、これらの中でも、ポリエチレングリコール#400ジアクリレートが好ましい。
本発明に適用可能なカチオン重合性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物及びオキセタン化合物等を挙げることができる。
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物等が含まれる。これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性や密着性などを考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明に係る光重合開始剤としては、本発明に係る第1~第3のインクが、光重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含有するときは光ラジカル重合開始剤、光重合性化合物としてカチオン重合性化合物を含有するときは、光カチオン重合開始剤を適用することが好ましい。
ラジカル光重合開始剤には、分子内結合開裂型の光重合開始剤と分子内水素引き抜き型の光重合開始剤とがある。
本発明においては、光カチオン重合開始剤として、光酸発生剤を適用することが好ましい。
本発明のインクセットにおいては、第1~第3のインクにおける光重合開始剤の含有量は、活性光線や光重合性化合物の種類などにもよるが、0.01~10質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る第1~第3のインクには、必要に応じて光重合開始剤助剤や重合禁止剤などをさらに含んでもよい。光重合開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミン及びN,N-ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。中でも、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
本発明のインクセットを構成する第1~第3のインクには、必要に応じて他の成分をさらに含んでもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。
添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、及びゴム系樹脂等が含まれる。
インクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点からは、本発明に係る各インクの80℃における粘度は、3~20mPa・sの範囲内であることが好ましく、8~13mPa・sの範囲内であることがより好ましい。また、着弾して常温に降温した際にインクを十分にゲル化させる観点からは、本発明に係るインクの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。
本発明の第1及び第2の実施形態に係るインクセットが用いられる、活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置について説明する。
インクヘッドからインクを吐出する際の、インクヘッド内のインクの温度は、インクの吐出性を高めるためには、インクのゲル化温度よりも10~30℃の範囲内の高い温度に設定されることが好ましい。
トリプロピレングリコールジアクリレートの71質量部及び分散剤としてアジスパーPB824(味の素ファインテクノ株式会社)の9質量部をステンレス鋼製のビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間撹拌して前記分散剤を溶解させた。
次いで、得られた分散剤溶液を室温まで冷却した後、黒色顔料としてPigment Black 7(#52;三菱化学株式会社)の20質量部を加えて混合液を調製した。
次いで、当該混合液を直径0.5mmのジルコニアビーズ200gとともにガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて5時間分散処理した。分散液からジルコニアビーズを除去して、黒色(K)分散液を調製した。
上記黒色分散液の調製において、黒色顔料に代えて、白色顔料として酸化チタン(TCR-52;堺化学工業株式会社)を用い、その添加量を60質量部に変更した以外は同様にして、白色(W)分散液1を調製した。
下記表I及び表IIに記載の組成(単位は質量%)で、黒色分散液、白色分散液1、光重合性化合物(モノマーA、モノマーB)、重合開始剤、界面活性剤、重合禁止剤及びゲル化剤を混合し、80℃に加熱した状態で撹拌した。
次いで、加熱した状態で、混合液をテフロン(登録商標)製の3μmのメンブレンフィルター(アドバンテック東洋株式会社)を用いて濾過して、下記表に記載の構成からなる黒色インクK1-1、K1-2、K2-1~K2-6、白色インクW1-1、W1-2、W2-1~W2-6、W3-1~W3-8、及びクリアインクC1-1、C2-1~C2-6、C3-1~C3-8を調製した。
・EM2381:3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリル当量(分子量/アクリル基数)=156.8667(長興化学社製)
・APG-200:トリプロピレングリコールジアクリレート、アクリル当量(分子量/アクリル基数)=150.2000(新中村化学社製)
・A-400:ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、アクリル当量(分子量/アクリル基数)=254.0000(新中村化学社製)
・IRGACURE TPO(BASF社製)
・IRGACURE 819(BASF社製)
・BYK UV3500(ビックケミー・ジャパン社製)
・Irgastab UV10(BASF社製)
・WEP2(日油社製)
・EMALEX EG-di-S(日本エマルジョン社製)
調製した有色インクである黒色インクK1-1、K1-2、K2-1~K2-6と、白色インクW1-1、W1-2、W2-1~W2-6、W3-1~W3-8からそれぞれ組み合わせて構成される各インクセットを、コニカミノルタインクジェットヘッド(KM1048)に導入した。また、有色インクである黒色インクK1-1、K1-2、K2-1~K2-6、クリアインクC1-1、C2-1~C2-6、C3-1~C3-8を組み合わせて構成される各インクセットを、同様にして前記コニカミノルタインクジェットヘッド(KM1048)に導入した。
(画像1の形成)
印字基材としてOKトップコート(印刷用紙)の上に、印字幅100nm×100nm、解像度720×720dpiの条件で白色インクW1-1をベタ画像で印字した後、黒色インクK1-1を同様にベタ画像で印字し、UV照射光源として京セラ製LEDランプを使用し350mJのエネルギーで、酸素濃度5%条件下で、印字した白色インク及び黒色インクに紫外線を一括照射して硬化させ、画像1を形成した。
前記画像1の形成において、紫外線照射時の酸素濃度を下記表IIIに示すとおりに変更した以外は同様にして画像2~4を形成した。
前記画像1の形成において、白色インクW1-1をW1-2に変更し、黒色インクK1-1をK1-2に変更し、紫外線照射時の酸素濃度を下記表IIIに示すとおりに変更した以外は同様にして画像5~8を形成した。
前記画像1の形成において、白色インクW1-1をクリアインクC1-1に変更し、紫外線照射時の酸素濃度を下記表IIIに示すとおりに変更した以外は同様にして画像101~104を形成した。
(画像11~16の形成)
前記画像1の形成において、白色インクW1-1を下記表IVに示すとおりに変更し、紫外線照射時の酸素濃度を10%とした以外は同様にして、画像11~16を形成した。
前記画像101の形成において、クリアインクC1-1を下記表IVに示すとおりに変更し、紫外線照射時の酸素濃度を10%とした以外は同様にして画像111~116を形成した。
(画像21~26の形成)
前記画像11の形成において、白色インクW2-1をW1-1とし、黒色インクK1-1を下記表Vに示すとおりに変更した以外は同様にして画像21~26を形成した。
前記画像111の形成において、クリアインクC2-1をC1-1とし、黒色インクK1-1を下記表VIに示すとおりに変更した以外は同様にして画像121~126を形成した。
(画像31~36の形成)
前記画像1の形成において、白色インクW1-1を下記表VIに示すとおりに変更し、紫外線照射時の酸素濃度を10%とした以外は同様にして、画像31~36を形成した。
前記画像101の形成において、クリアインクC1-1を下記表VIに示すとおりに変更し、紫外線照射時の酸素濃度を10%とした以外は同様にして、画像131~136を形成した。
(画像41~45の形成)
前記画像31の形成において、白色インクW3-1を下記表VIIに示すとおりに変更した以外は同様にして画像41~45を形成した。
前記画像131の形成において、クリアインクC3-1を下記表VIIに示すとおりに変更した以外は同様にして画像141~145を形成した。
<テープ剥離試験:密着性>
上記で得られた各画像について、画像3cm×3cmに1cm×2cmのセロハンテープを貼り付け、上面から指でこすり、セロハンテープの画像面への密着を十分に行った後、セロハンテープを画像面に対して90°となるように剥離させ、その後の画像表面状態を目視で確認した。下記評価基準において、△、○、◎が実用上好ましいランクと判断した。
(評価基準)
◎:全く変化がない。
○:僅かに跡が残る。
△:黒色部分の一部が剥がれて僅かに白色箇所が露呈する。
×:画像の大部分が剥がれて、基材の白地又は下層の白インクがはっきりと見える。
<酸化チタンの表面修飾方法>
白色顔料である酸化チタン(TCR-52;堺化学工業株式会社)に、下記方法にしたがって表面修飾を施した。
(1)二酸化チタンを水に分散させスラリーとした。
(2)前記スラリーとは別にアルミン酸ソーダ(アルミン酸ナトリウム)水溶液に希硫酸水溶液を滴下して、pHを10.5~11.8に調節し、アルミニウム化合物溶液を調製した。
(3)アルミニウム化合物溶液に、上記で得られた二酸化チタンスラリーの添加混合を開始した。このとき、二酸化チタンの表面修飾に要するアルミニウムの量が、表面修飾前(未処理)の二酸化チタンに対して、それぞれ0.2、0.4、0.6、0.8、1.0質量%となるように調製した。
混合時は撹拌機を用いて撹拌をし、二酸化チタンスラリー添加後も撹拌を継続して酸化アルミニウム水和物の二酸化チタン表面への沈着を行った。この後、希硫酸水溶液を用いて、中和処理を行い、スラリーのpHを8.15に調節した。
(4)表面処理後のスラリーは、メンブランフィルターにて濾過、洗浄し、採取したケーキ(濾過物)を乾燥し、市販の自動式乳鉢を用いて解砕を行い、表面修飾された二酸化チタン顔料粉末を得た。
なお、表面修飾後の酸化チタンについて、酸化チタンに表面修飾されたアルミナの表面修飾量は、誘導プラズマ発光分析装置(I.C.P.)によるアルミニウム元素の分析結果に基づき、酸化チタンに対するアルミナの量の比の値(Al2O3/TiO2)より求めた。
また、白色インク中のナトリウム(Na)イオンの含有量をICP-AES(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 SPS3520UV)により測定した。
前記白色分散液1の調製において、酸化チタンとして、表面修飾された酸化チタンを用いた以外は、同様にして白色分散液2~7を調製した。各白色分散液2~7における、表面修飾前(又は未処理)の酸化チタンに対する表面修飾に要したアルミニウムの量(質量%)は下記表VIIIに示すとおりである。
表VIIIに記載の組成(単位は質量%)で、白色分散液2、光重合性化合物(モノマーA、モノマーB)、重合開始剤、界面活性剤、重合禁止剤及びゲル化剤を混合し、80℃に加熱した状態で撹拌した。
次いで、加熱した状態で、混合液をテフロン(登録商標)製の3μmのメンブレンフィルター(アドバンテック東洋株式会社)を用いて濾過して、表VIIIに記載の構成からなる白色インクW4-1~W4-6を調製した。
前記画像11の形成において、白色インクW2-1を下記表IXに示すとおりに変更した以外は同様にして画像51~56を形成した。
<テープ剥離試験:密着性>
上記で得られた各画像において、上述したテープ剥離試験と同様の試験を行い、評価した。
上記で得られた各画像において、ガス試験機株式会社製の低温キセノンウェザーメータXL75にて、XeランプによるUV光照射と雨天を想定した加湿とを繰り返しながら合計600時間保存し、その後、前記テープ剥離試験を実施した。下記評価基準において、△、○、◎が実用上好ましいランクと判断した。
(評価基準)
◎:全く変化がない。
○:僅かに跡が残る。
△:黒色部分の一部が剥がれて僅かに白色箇所が露呈する。
×:画像の大部分が剥がれて、基材の白地又は下層の白インクがはっきりと見える。
調製した有色インクである黒色インクK1-1と、白色インクW4-1~W4-6からそれぞれ組み合わせて構成される各インクセットを、コニカミノルタインクジェットヘッド(KM1048)に導入した。
印字基材としてOKトップコート(印刷用紙)の上に、印字幅100nm×100nm、解像度720×720dpiの条件で白色インクW4-1をベタ画像で印字した後、黒色インクK1-1を同様にベタ画像で印字し、これを連続100枚印字した。その後、ヘッドノズルの欠数を計測した。下記評価基準において、△、○、◎が実用上好ましいランクと判断した。
(評価基準)
◎:欠数が5未満
○:欠数が5~10
△:欠数が11~20
×:欠数が21以上
2W、2Y、2M、2C、2K ヘッドキャリッジ
4 活性光線照射光源
5 インクヘッド
20 インクジェット記録装置
51 記録媒体
52 下部印字層
52A、52B 下部印字層中のゲル化剤の局在領域
53 酸化チタン
54 上部印字層
54A、54B 上部印字層中のゲル化剤の局在領域
55 有色顔料粒子
60 インクジェット記録画像
W、Y、M、C、K インク液滴
UV 活性光線
G ゲル化剤
100 インクジェット記録装置
110 インクジェットヘッド
111 ノズル
113 ノズル面
120 搬送部
121 駆動ローラ
122 従動ローラ
123 搬送ベルト
130 照射部
140 酸素濃度調整部
141 排気管
142 供給管
145 隔壁
148 酸素濃度測定器
200 記録媒体
Claims (16)
- 活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくとも酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
前記第1のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
前記第1のインクジェットインク及び第2のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170未満であるモノマーAを含有し、
前記第1のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分の添加量が、前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくとも酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
前記第1のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
前記第1のインクジェットインク及び前記第2のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170以上であるモノマーBを含有し、
前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分の添加量が、前記第1のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記第2のインクジェットインクが、さらにゲル化剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第1のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、前記第2のインクジェットインクの前記ゲル化剤に対して、50~90質量%の範囲内で含有されていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第1のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、当該第1のインクジェットインクの全質量に対して0.4~2.4質量%の範囲内で含有されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記酸化チタンが、アルミナで表面修飾されており、
前記酸化チタンに表面修飾された前記アルミナの量が、表面修飾前(又は未処理)の前内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の
記酸化チタンに対して、0.3~0.8質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。 - 前記第1のインクジェットインクが、前記酸化チタンに対して200質量ppm以下のナトリウム(Na)イオンを含有していることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ゲル化剤が、少なくとも下記一般式(G1)又は(G2)で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
一般式(G1): R1-CO-R2
一般式(G2): R3-COO-R4
〔式中、R1~R4は、それぞれ独立に、炭素数9~25の範囲内の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素を表す。〕 - 活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくともゲル化剤を含有し色材を含有しない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
前記第3のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
前記第2のインクジェットインク及び前記第3のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170未満であるモノマーAを含有し、
前記第3のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分の添加量が、前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくともゲル化剤を含有し色材を含有しない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
前記第3のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
前記第2のインクジェットインク及び前記第3のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170以上であるモノマーBを含有し、
前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分の添加量が、前記第3のインクジェットインクの前記モノマーBに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記第2のインクジェットインクが、さらにゲル化剤を含有することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第3のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、前記第2のインクジェットインクの前記ゲル化剤に対して、50~90質量%の範囲内で含有されていることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第3のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、当該第3のインクジェットインクの全質量に対して0.4~2.4質量%の範囲内で含有されていることを特徴とする請求項9から請求項12までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ゲル化剤が、少なくとも下記一般式(G1)又は(G2)で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とする請求項9から請求項13までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
一般式(G1): R1-CO-R2
一般式(G2): R3-COO-R4
〔式中、R1~R4は、それぞれ独立に、炭素数9~25の範囲内の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素を表す。〕 - 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法に用いる活性光線硬化型インクジェットインクセットであって、
少なくとも酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインクセット。 - 請求項9から請求項14までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法に用いる活性光線硬化型インクジェットインクセットであって、
少なくともゲル化剤を含有し色材を含有しない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインクセット。
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