JP7127398B2 - インクジェット記録方法及び活性光線硬化型インクジェットインクセット - Google Patents

インクジェット記録方法及び活性光線硬化型インクジェットインクセット Download PDF

Info

Publication number
JP7127398B2
JP7127398B2 JP2018132833A JP2018132833A JP7127398B2 JP 7127398 B2 JP7127398 B2 JP 7127398B2 JP 2018132833 A JP2018132833 A JP 2018132833A JP 2018132833 A JP2018132833 A JP 2018132833A JP 7127398 B2 JP7127398 B2 JP 7127398B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inkjet ink
ink
printed layer
inkjet
recording method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018132833A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020011381A (ja
Inventor
裕亮 黒木
剛 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2018132833A priority Critical patent/JP7127398B2/ja
Priority to EP19184770.6A priority patent/EP3594004B1/en
Publication of JP2020011381A publication Critical patent/JP2020011381A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7127398B2 publication Critical patent/JP7127398B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M3/00Printing processes to produce particular kinds of printed work, e.g. patterns
    • B41M3/008Sequential or multiple printing, e.g. on previously printed background; Mirror printing; Recto-verso printing; using a combination of different printing techniques; Printing of patterns visible in reflection and by transparency; by superposing printed artifacts
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M7/00After-treatment of prints, e.g. heating, irradiating, setting of the ink, protection of the printed stock
    • B41M7/0081After-treatment of prints, e.g. heating, irradiating, setting of the ink, protection of the printed stock using electromagnetic radiation or waves, e.g. ultraviolet radiation, electron beams

Description

本発明は、インクジェット記録方法及び活性光線硬化型インクジェットインクセットに関し、特に、白インクやクリアインクを下塗りに用いた場合でも、上層の有色インクとの層間の密着性が良好なインクジェット記録方法等に関する。
インクジェット画像形成方法は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット画像記録方法では、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクから、形成すべき色に応じて好適なインクの組みあわせを選択し、選択されたインクを重ね打ちすることで、フルカラーの画像を形成することができる。
現在、包装材料分野で軟包装材料として広く用いられている透明フィルムや蒸着紙にインクジェットインクを用いて画像記録する場合、記録媒体にはインク吸収層がないため、着弾時に液寄りや色にじみによる画質低下が問題となっている。
上記問題に対する対策方法の一つとして活性光線硬化型インクジェットインクを用い、インク液滴を記録媒体に着弾させた後、活性光線、例えば、紫外線を照射して硬化させて画像を形成する活性光線硬化型インクジェット画像形成方法がある。活性光線硬化型インクジェット画像形成方法は、インク吸収性のない記録媒体においても、高い耐擦過性と密着性を有する画像を形成できることから、近年注目されつつある。
一方、上記のような活性光線硬化型インクジェットインクを用いて、透明フィルムや蒸着紙等の非吸収性記録媒体上に画像記録する場合、一般的には、隠蔽性を有する白色インクを用いて、白色画像で下塗りした上で、カラー画像(有色画像)を形成し、カラー画像の視認性を高める方法が採られている。このような方法において、白色インクに用いられる白色顔料としては、隠蔽性の高い酸化チタンが広く用いられている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
さらに、白色インクの代わりに、非吸収性記録媒体の表面を均一にするためにクリアインクを用いる場合もある。
このように、白色インクやクリアインクを下塗りに用いる場合、白インクやクリアインクにも液滴の合一を抑制するためやゲル化剤により形成される一定のテクスチャーを付与するためにゲル化剤を添加する場合がある。
この場合、ゲル化剤の量が少なすぎると液滴の合一化を防ぐことができなくなり、ゲル化剤の量が多すぎるとゲル化剤が表面に過剰に析出し、液滴が十分にレベリングしない。
しかしながら、酸化チタンは有色インクの顔料に比べて極性が高く、ゲル化剤との相互作用がしにくく、ゲル化剤が表面に析出しやすい。そのため、酸素阻害を受けにくく、硬化性が良いため、有色インクに比べて硬化収縮してしまい、白インクを下地にした際に、上層の有色インクとの層間の密着性が悪いという問題があった。
国際公開第2015/156267号 国際公開第2016/098678号
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、白インクやクリアインクを下塗りに用いた場合でも、上層の有色インクとの層間の密着性が良好なインクジェット記録方法及び活性光線硬化型インクジェットインクセットを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、白インクやクリアインクを下部印字層として形成し、色材を含有する有色インクを上部印字層として形成し、下部印字層と上部印字層とを活性光線を照射して一括で硬化させる際の酸素濃度を制御することで、白インクやクリアインクを下塗りに用いた場合でも、上層の有色インクとの層間の密着性が良好となることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくとも酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
前記第1のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
前記第1のインクジェットインク及び第2のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170未満であるモノマーAを含有し、
前記第1のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分の添加量が、前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。
2.活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくとも酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
前記第1のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
前記第1のインクジェットインク及び前記第2のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170以上であるモノマーBを含有し、
前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分の添加量が、前記第1のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。
.前記第2のインクジェットインクが、さらにゲル化剤を含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載のインクジェット記録方法。
.前記第1のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、前記第2のインクジェットインクの前記ゲル化剤に対して、50~90質量%の範囲内で含有されていることを特徴とする第項に記載のインクジェット記録方法。
.前記第1のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、当該第1のインクジェットインクの全質量に対して0.4~2.4質量%の範囲内で含有されていることを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
.前記酸化チタンが、アルミナで表面修飾されており、
前記酸化チタンに表面修飾された前記アルミナの量が、表面修飾前(又は未処理)の前記酸化チタンに対して、0.3~0.8質量%の範囲内であることを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
.前記第1のインクジェットインクが、前記酸化チタンに対して200質量ppm以下のナトリウム(Na)イオンを含有していることを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
.前記ゲル化剤が、少なくとも下記一般式(G1)又は(G2)で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
一般式(G1): R-CO-R
一般式(G2): R-COO-R
〔式中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数9~25の範囲内の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素を表す。〕
.活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくともゲル化剤を含有し色材を含有しない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
前記第3のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
前記第2のインクジェットインク及び前記第3のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170未満であるモノマーAを含有し、
前記第3のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分の添加量が、前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。
10.活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくともゲル化剤を含有し色材を含有しない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
前記第3のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
前記第2のインクジェットインク及び前記第3のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170以上であるモノマーBを含有し、
前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分の添加量が、前記第3のインクジェットインクの前記モノマーBに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。
11.前記第2のインクジェットインクが、さらにゲル化剤を含有することを特徴とする第9項又は第10項に記載のインクジェット記録方法。
12.前記第3のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、前記第2のインクジェットインクの前記ゲル化剤に対して、50~90質量%の範囲内で含有されていることを特徴とする第11項に記載のインクジェット記録方法。
13.前記第3のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、当該第3のインクジェットインクの全質量に対して0.4~2.4質量%の範囲内で含有されていることを特徴とする第項から第12項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
14.前記ゲル化剤が、少なくとも下記一般式(G1)又は(G2)で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とする第項から第13項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
一般式(G1): R-CO-R
一般式(G2): R-COO-R
〔式中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数9~25の範囲内の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素を表す。〕
15.第1項から第項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法に用いる活性光線硬化型インクジェットインクセットであって、
少なくとも酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインクセット。
16.第項から第14項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法に用いる活性光線硬化型インクジェットインクセットであって、
少なくともゲル化剤を含有し色材を含有しない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインクセット。
本発明の上記手段により、白インクやクリアインクを下塗りに用いた場合でも、上層の有色インクとの層間の密着性が良好となるインクジェット記録方法及び活性光線硬化型インクジェットインクセットを提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインク、すなわち白色インクを印字して下部印字層を形成した後に、当該下部印字層上に、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインク、すなわち有色インクを印字して上部印字層を形成し、下部印字層及び上部印字層を、酸素濃度10%以下で一括して光照射し、酸素濃度を低下させることにより、有色インクの硬化性を向上させることができ、有色インクの硬化収縮度合と白色インクの硬化収縮度合を同等にすることができる。その結果、白色インクを含有する下部印字層と、有色インクを含有する上部印字層との間の密着性を向上させることができる。
本発明のインクジェット記録方法に適用可能な酸素濃度調整部を備えたインクジェット記録装置の一例を示す概略側面図 本発明のインクジェット記録方法に適用可能な酸素濃度調整部を備えたインクジェット記録装置の一例を示す概略側面図 本発明のインクジェット記録方法に適用可能な酸素濃度調整部を備えたインクジェット記録装置の一例を示す概略側面図 本発明のインクジェット記録方法に適用可能なインクジェット記録装置の一例を示す概略側面図 本発明のインクジェット記録方法に適用可能なインクジェット記録装置の一例を示す概略上面図 本発明のインクジェット記録方法により形成されるインクジェット記録画像の構成の一例を示す概略断面図
本発明のインクジェット記録方法は、活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくとも酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインク(以下、単に第1のインクともいう。)と、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインク(以下、単に第2のインクともいう。)と、を含み、前記第1のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とすることを特徴とする。
また、本発明の他のインクジェット記録方法は、活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、ゲル化剤を含有し、色材を含まない第3のインクジェットインク(以下、単に第3のインクともいう。)と、酸化チタン以外の色材を含む第2のインクジェットインクであり、前記第3のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とすることを特徴とする。すなわち、本発明の他のインクジェット記録方法では、クリアインクを下塗りに用いた場合でも、上層の有色インクとの層間の密着性が良好となる。
これらの特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記第2のインクジェットインクが、さらにゲル化剤を含有することが、液滴の合一を抑制することができる点で好ましい。
前記第1のインクジェットインク中の前記ゲル化剤又は前記第3のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、前記第2のインクジェットインクの前記ゲル化剤に対して、50~90質量%の範囲内で含有されていることが、下部印字層と、上部印字層の硬化収縮具合を同程度にすることができ、下部印字層及び上部印字層間の密着性がより良好となる点で好ましい。
前記第1のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、当該第1のインクジェットインクの全質量に対して0.4~2.4質量%の範囲内で含有されていること、又は、前記第3のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、当該第3のインクジェットインクの全質量に対して0.4~2.4質量%の範囲内で含有されていることが、第1のインク又は第3のインクのピニング性を十分に高め、より高精細な画像を形成することができ、また、形成した画像の表面からのゲル化剤の析出を抑制でき、形成画像の密着性を向上させることができる点で好ましい。
前記第1又は第3のインクジェットインク、及び、第2のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170未満であるモノマーAを含有し、前記第1のインクジェットインク又は第3のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分の添加量が、前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることが、下部印字層と、上部印字層の硬化収縮具合を同程度にすることができ、下部印字層及び上部印字層間の密着性がより良好となる点で好ましい。
前記第1又は第3のインクジェットインク、及び、前記第2のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170以上であるモノマーBを含有し、前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分の添加量が、前記第1又は第3のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることが、下部印字層と、上部印字層の硬化収縮具合を同程度にすることができ、下部印字層及び上部印字層間の密着性がより良好となる点で好ましい。
前記酸化チタンが、アルミナで表面修飾されており、前記酸化チタンに表面修飾された前記アルミナの量が、表面修飾前(又は未処理)の前記酸化チタンに対して、0.3~0.8質量%の範囲内であることが、酸化チタンの光触媒効果による経時での膜劣化を抑制し、下部印字層及び上部印字層間の密着性を長期間維持することができる点で好ましい。
前記第1のインクジェットインクが、前記酸化チタンに対して200質量ppm以下のナトリウム(Na)イオンを含有していることが好ましい。ナトリウムイオンは、ゲル化剤中の残存脂肪酸と結びついて、金属石鹸を形成することでゲル化不良を引き起こしたり、インクジェットヘッドにおいて析出して不具合を起こすことがあるが、ナトリウムイオンを200質量ppm未満とすることで、ゲル化不良を抑制でき、また、インクジェットヘッドにおける析出も防止することができる。
前記ゲル化剤が、少なくとも前記一般式(G1)又は(G2)で表される構造を有する化合物を含むことが、下部印字層及び上部印字層間の密着性がより良好となる点で好ましい。
本発明のインクジェット記録方法に用いる活性光線硬化型インクジェットインクセットは、酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を備えることを特徴とする。
また、本発明の他のインクジェット記録方法に用いる活性光線硬化型インクジェットインクセットは、ゲル化剤を含有し、色材を含まない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含む第2のインクジェットインクと、を備えることを特徴とする。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[インクジェット記録方法]
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録方法は、活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクであり、前記第1のインクを印字して下部印字層を形成する工程と、前記下部印字層上に、前記第2のインクを印字して上部印字層を形成する工程と、前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備える。そして、前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とする。
また、本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録方法として、活性光線硬化型インクジェットインクセットが、ゲル化剤を含有し、色材を含まない第3のインクと、酸化チタン以外の色材を含む第2のインクであり、前記第3のインクを印字して下部印字層を形成する工程と、前記下部印字層上に、前記第2のインクを印字して上部印字層を形成する工程と、前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備える。そして、前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とする。
すなわち、第1の実施形態に係るインクジェット記録方法では、下部印字層として、酸化チタンを含有する白色インクである第1のインクを用い、第2の実施形態に係るインクジェット記録方法では、下部印字層として前記第1のインクの代わりに、色材を含まないクリアインクである第3のインクを用いた方法であり、その他は、基本的に第1の実施形態に係るインクジェット記録方法と同様である。
当該第2の実施形態に係るインクジェット記録方法においても、下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、活性光線照射時の酸素濃度を10%以下とすることにより、第2のインクの酸素阻害を受けにくくし、第2のインクの硬化性を向上させることができる。その結果、第2のインクの硬化伸縮度合を第3のインクと同等にすることができ、上部印字層及び下部印字層の間の密着性を向上させることができる。また、酸素濃度を下げることで、より少ない光量でも第2及び第3のインクを十分に硬化させることができる。
以下、各工程について説明する。なお、活性光線硬化型インクジェットインクセット(第1~第3のインクジェットインク)の構成については後述する。
<下部印字層を形成する工程>
下部印字層を形成する工程では、第1又は第3のインクを記録媒体上に印字(着弾)させて下部印字層を形成する。
このとき、第1又は第3のインク液滴は、記録媒体上の形成すべき画像に応じた位置に着弾させることが必須となる。
第1又は第3のインク液滴は、加熱した状態でインクジェットヘッドから吐出することで、吐出安定性を高めることができる。吐出される際の第1又は第3のインクの温度は、35~100℃の範囲内であるが好ましく、吐出安定性をより高める観点からは、35~80℃の範囲内であることがより好ましい。吐出安定性をさらに高める観点からは、第1又は第3のインクの粘度が3~20mPa・sの範囲内、より好ましくは8~13mPa・sの範囲内となるようなインク温度において出射を行うことが好ましい。
第1又は第3のインクを所定の温度に加熱する方法の例には、ヘッドキャリッジを構成するインクタンク、供給パイプ及びヘッド直前の前室インクタンク等のインク供給系、フィルター付き配管及びピエゾヘッド等の少なくともいずれかを、パネルヒーター、リボンヒーター及び保温水等のうちいずれかによって所定の温度に加熱する方法が含まれる。
記録速度を速くし、かつ、画質を高める観点から、吐出される際の第1又は第3のインクの液滴量は2~20pLの範囲内であることが好ましい。
インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式及びコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドの例は、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型及びシェアードウォール型を含む電気-機械変換方式、並びにサーマルインクジェット型及びバブルジェット(登録商標)型を含む電気-熱変換方式等が含まれる。
<上部印字層を形成する工程>
上部印字層を形成する工程では、前記下部印字層上に、第2のインクを印字(着弾)して上部印字層を形成する。
このとき、第2のインク液滴は、下部印字層上の形成すべき画像に応じた位置に着弾させることが必須となる。
なお、吐出される際の第2のインクの温度や粘度、第2のインクの加熱方法、液滴量、及び吐出方式等は、上述した下部印字層を形成する工程の第1又は第3のインクで説明した場合と同様である。
<下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程>
下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程では、下部印字層及び上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる。そして、活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とする。
当該工程では、前の工程で着弾させた第1及び第2のインク又は第2及び第3のインクに活性光線を照射して、画像を構成する硬化膜を形成する。第1及び第2のインク又は第2及び第3のインクに活性光線を照射することで、第1及び第2のインク又は第2及び第3のインクが硬化し、硬化膜が形成される。
活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度は、10体積%以下であり、5体積%の範囲内であることがより好ましい。
活性光線照射時の酸素濃度を10%以下と低濃度とすることにより、第2のインクの酸素阻害を受けにくくし、第2のインクの硬化性を向上させることができる。その結果、第2のインクの硬化伸縮度合を第1のインク又は第3のインクと同等にすることができ、上部印字層及び下部印字層の間の密着性を向上させることができる。また、酸素濃度を下げることで、より少ない光量でも第1及び第2のインク又は第2及び第3のインクを十分に硬化させることができる。
酸素濃度を10%以下とするための手段としては、例えば、窒素ガス等による気体置換等が挙げられる。
なお、以下に酸素濃度を10%以下に下げる手段として用いる装置の一例について説明する。
図1に示すように、インクジェット記録装置100は、記録媒体200を搬送する搬送部120と、搬送される記録媒体200上にインクを吐出するインクジェットヘッド110と、インクに活性光線を照射する照射部130と、照射部130によって活性光線を照射するときの、記録媒体200のインクが着弾した表面を取り囲む雰囲気の酸素濃度を調整する酸素濃度調整部140と、を備える。
酸素濃度調整部140の構成は、上記雰囲気の酸素濃度を0.1体積%以上10.0体積%以下とすることができれば、特に限定されない。
酸素濃度調整部140は、外部の排気装置等に接続されて、記録媒体の表面近傍の気体を吸引し排気可能な排気管141と、窒素ガス発生装置などの酸素濃度が低いガスを発生する装置に接続されて、記録媒体の表面近傍に酸素濃度が低い気体を供給できる、排気管141の下流側に設けられた供給管142と、を備える構成とすることができる。このとき、排気管141からの排気量及び供給管142からのガスの供給量を調整して、上記雰囲気の酸素濃度を0.1~10.0体積%の範囲内とすることができる。なお、図1では、排気管141と供給管142とが連続している構成となっているが、上記酸素濃度への調整が可能な限りにおいて、両者は互いに離れた構成としてもよい。また、供給管142は照射部130の近傍にあることが好ましく、例えば、照射部130と連続して設けてもよい。また、排気管141及び供給管142は必須の構成ではなく、例えば、図2に示すように供給管142のみの構成でも良い。
また、図3に示すように、酸素濃度調整部140は、照射部130と搬送部120とを取り囲む隔壁145を備える構成とすることができる。このとき、排気管141からの排気量及び供給管142からのガスの供給量を調整して、隔壁145と搬送部120とによって区画された空間内の酸素濃度を0.1~10.0体積%の範囲内とすることができる。このとき、上記空間内(例えば、隔壁145上など)に酸素濃度測定器148を設けて、上記空間内の酸素濃度を測定しながら、上記排気量及び供給量を調整してもよい。
第1及び第2のインク又は第2及び第3のインクに照射できる活性光線の例には、電子線、紫外線、α線、γ線、及びエックス線が含まれる。これらのうち、取り扱いの容易さ及び人体への影響の少なさの観点から、紫外線を照射することが好ましい。光源の輻射熱によって第1及び第2のインク又は第2及び第3のインクが溶けることによるインクの硬化不良の発生を抑制する観点から、光源は発光ダイオード(LED)であることが好ましい。硬化膜を形成するための紫外線を照射することができるLED光源の例には、395nm、水冷LED、Phoseon Technology社製が含まれる。
第1及び第2のインク又は第2及び第3のインクへの輻射熱の照射をより抑制する観点から、LED光源は、370~410nm範囲内の紫外線を画像表面におけるピーク照度が0.5~10W/cmの範囲内となるように設置され、1~5W/cmの範囲内となるように設置されることがより好ましく、又は、画像に照射される光量が350mJ/cm未満となるように設置されることが好ましい。
記録媒体の搬送速度は、高速記録の観点から、30~120m/minの範囲内であることが好ましい。
(記録媒体)
本発明の第1及び第2の実施形態に係るインクジェット記録方法に用いる記録媒体は、本発明に係る第1、第2及び第3のインクによって画像を形成することができればよく、例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート及びポリブタジエンテレフタレートを含むプラスチックで構成される非吸収性の記録媒体、金属類及びガラス等の非吸収性の無機記録媒体、及び紙類等(例えば、印刷用コート紙及び印刷用コート紙B等)とすることができる。その中でも、オーバーコート液によるコーティングが求められている紙類のOKトップコートやマリコート等に好ましく用いることができる。
インクジェット記録ヘッドからインク液滴を吐出することによって、記録媒体上にインク液滴が付着する。繰り返し再現性良く高画質を形成するためにインク液滴が着弾する際の記録媒体の温度は、20~50℃の範囲内に設定されていることが好ましい。
[活性光線硬化型インクジェットインクセット]
本発明の第1の実施形態に係る活性光線硬化型インクジェットインクセット(以下、単にインクセットともいう。)は、前記第1の実施形態に係るインクジェット記録方法に用いる活性光線硬化型インクジェットインクセットであって、酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクと、を備える。
また、本発明の第2の実施形態に係る活性光線硬化型インクジェットインクセット(以下、単にインクセットともいう。)は、前記第2の実施形態に係るインクジェット記録方法に用いる活性光線硬化型インクジェットインクセットであって、ゲル化剤を含有し、色材を含まない第3のインクと、酸化チタン以外の色材を含む第2のインクと、を備える。
すなわち、第1の実施形態に係るインクセットは、酸化チタンを含有する白色インクである第1のインクを備えており、前記第2の実施形態に係るインクセットは、前記第1の実施形態に係るインクセットにおいて第1のインクの代わりに、ゲル化剤を含有し色材を含まない第3のインク、すなわちクリアインクを備えたインクセットであり、その他の第2のインクの構成は第1の実施形態に係るインクセットと同様の構成である。
第1のインクは、酸化チタン及びゲル化剤を含有する。第2のインクは、酸化チタン以外の色材を含有する。第3のインクは、ゲル化剤を含有し色材を含有しない。
第1~第3のインクは、光重合性化合物及び光重合開始剤を含有することが好ましい。
また、少なくとも第1のインク及び第3のインクがゲル化剤を含有していることが好ましく、さらに第1~第3のインクの全てがゲル化剤を含有することが好ましい。
<酸化チタン>
第1のインクは、白色顔料として酸化チタンを含有し、酸化チタンの50質量%以上がルチル型二酸化チタンであることが好ましい。本発明に適用する酸化チタンとしては、アルミナ、シリカ、亜鉛、ジルコニア、有機物等により表面修飾(表面処理)が施されていることが好ましく、特にアルミナにより表面修飾されていることが好ましい。
酸化チタンをアルミナにより表面修飾するための具体的な方法としては例えば以下の方法が挙げられる。
まず、酸化チタンを水に分散させスラリーとする。このとき、分散剤を添加してもよい。また、この酸化チタンスラリーとは別にアルミン酸ソーダ(アルミン酸ナトリウム(Na[Al(OH)]))水溶液に希硫酸水溶液を滴下して、pHを10.5~11.8に調節し、アルミニウム化合物溶液を調製する。次いで、アルミニウム化合物溶液に上記で得られた酸化チタンスラリーの添加混合を開始する。混合時は撹拌機を用いて撹拌をし、酸化チタンスラリー添加後も撹拌を継続して酸化アルミニウム水和物の二酸化チタン表面への沈着を行う。この後、希硫酸水溶液を用いて、中和処理を行い、スラリーのpHを8.15に調節する。表面処理後のスラリーは、メンブレンフィルターにて濾過、洗浄し、採取したケーキ(濾過物)を乾燥し、市販の自動式乳鉢を用いて解砕を行い、表面修飾された酸化チタン顔料粉末を得る。
前記酸化チタンに表面修飾されたアルミナの表面修飾量は、表面修飾前(又は未処理)の酸化チタンに対して、0.3~0.8質量%の範囲内であることが、酸化チタンの光触媒効果による経時での膜劣化を抑制し、下部印字層及び上部印字層間の密着性を長期間維持することができる点で好ましい。
前記酸化チタンに表面修飾されたアルミナの表面修飾量は、誘導プラズマ発光分析装置(I.C.P.)によるアルミニウム元素の分析結果に基づき、酸化チタンに対するアルミナの量の比の値(Al/TiO)より求めることができる。
酸化チタンの表面修飾を行う際には、洗浄処理を十分に行うことが好ましい。洗浄処理が不十分であると、前記アルミン酸ソーダのナトリウム(Na)イオンが酸化チタンの表面に多く残存する場合があり、このナトリウムイオン量が多いと、ゲル化剤中の残存脂肪酸と結びつき、金属石鹸を形成することがある。この金属石鹸は、ゲル化剤のゲル化不良を引き起こす要因となる、又は、インクジェットヘッドにおいて、析出し、不具合を起こす場合があることから、第1のインク中のナトリウムイオンを、酸化チタンに対して200質量ppm以下とすることが好ましい。すなわち、言い換えると、酸化チタンに表面修飾されたアルミナの量を、表面修飾前の酸化チタンに対して0.3~0.8質量%の範囲内とすることが好ましい。
なお、第1のインク中のナトリウムイオンの含有量の測定方法としては、ICP-AES(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 SPS3520UV)を用いて測定することができる。以下、詳細に説明する。
(1)第1のインクにメタノールを加え、得られた溶液を遠沈管に入れ、遠心分離装置で20000rpmで1時間かけ、固体と溶液とに分ける。
(2)乾燥させた固体を、密閉式マイクロ波分解装置により、濃硝酸/濃塩酸(モル比1/10)の混酸で分解し、溶液化する。
(3)(2)で得られた濃硝酸/濃塩酸溶液中のナトリウムイオン量を、ICP-AES(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 SPS3520UV)により測定し、固体成分のナトリウムイオン量を求める。
(4)同様に、(1)で得られた溶液のナトリウムイオン量を上記ICP-AESにより測定し、溶液成分のナトリウムイオン量を求める。
(5)前記(3)で求めた固体成分のナトリウムイオン量と、前記(4)で求めた溶液成分のナトリウムイオン量とを合算して「第1のインク中のナトリウムイオン量」とする。
本発明に係る酸化チタン粒子の平均粒径としては、50~500nmの範囲内であることが好ましく、100~300nmの範囲内であることがより好ましい。酸化チタン粒子の平均粒径を上記で規定する範囲に調整することで、本発明の効果が顕著に発現され、かつインクジェットヘッドでのノズル詰まりの抑制、第1のインクの保存安定性(特に、沈降の抑止)、プリント基材に対する隠蔽性を十分に発揮することができる点で好ましい。
本発明に適用可能な酸化チタン粒子は、市販品としても入手することが可能であり、例えば、石原産業社製のCR-50、CR-57、CR-58、CR-67、CR-Super-70、CR-80、CR-90、CR-90-2、CR-93、CR-95、CR-EL、R-550、R-580、R-630、R-670、R-680、R-780、R-820、R-830、R-850、R-930、R-980、PF-736、PF-737、PF-742、堺化学工業社製のSR-41、R-5N、R-7E、R-11P、R-21、R-25、R-32、R-42、R-44、R-45M、R-62N、R-310、R-650、TCR-52、GTR-100、D-918、FTR-700などが挙げられる。
本発明に係る第1のインクにおける酸化チタンの添加量としては、第1のインク全質量に対し5.0~35質量%の範囲内が好ましく、10~20質量%の範囲内がより好ましい。本発明に係る第1のインクにおける酸化チタンの添加量を上記で規定する範囲に調整することにより、第1のインクの保存安定性(特に沈降の抑制)とプリント基材に対する遮蔽性の両立に効果を発現させることができる。
本発明に係る第1のインクには、必要に応じて本発明に係る酸化チタン以外の公知の白色顔料を併用してもよい。本発明に適用可能な他の白色顔料としては、例えば、無機白色顔料や有機白色顔料、白色の中空ポリマー微粒子を用いることができる。
無機白色顔料としては、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。
<酸化チタン以外の色材>
本発明に係る第2のインクは、酸化チタン以外の色材を含有する。
酸化チタン以外の色材である有色の色材として、染料又は顔料を制限なく用いることができるが、顔料を適用することがインクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐光性に優れることから好ましい。顔料は、特に限定されないが、例えば、カラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料又は無機顔料が挙げられる。
赤又はマゼンタ顔料の例には、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
青又はシアン顔料の例には、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17-1、22、27、28、29、36、60から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
緑顔料の例には、Pigment Green 7、26、36、50から選ばれる顔料又はその混合物が含まれる。
黄顔料の例には、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
黒顔料の例には、Pigment Black 7、28、26から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
顔料の市販品の例には、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF-1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレット RE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS-3、5187、5108、5197、5085N、SR-5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN-EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G-550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA-1103、セイカファーストイエロー10GH、A-3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY-260、2700(B)、2770、セイカファーストレッド8040、C405(F)、CA120、LR-116、1531B、8060R、1547、ZAW-262、1537B、GY、4R-4016、3820、3891、ZA-215、セイカファーストカーミン6B1476T-7、1483LT、3840、3870、セイカファーストボルドー10B-430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファーストマルーン460N、セイカファーストレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN-EP、4940、4973(以上、大日精化工業社製);KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET
Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(以上、DIC社製);Colortex Yellow 301、314、315、316、P-624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA-414、U263、Finecol Yellow T-13、T-05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P-625、102、H-1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、ColortexBlue516、517、518、519、A818、P-908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(以上、山陽色素社製);Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP-S(以上、東洋インキ社製)、Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG-02、Hostapeam BlueB2G(以上、ヘキストインダストリー社製);Novoperm P-HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント製);カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(以上、三菱化学製)等が挙げられる。
また、染料としては、従来公知のイエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料、ブラック染料等を適用することができる。
<顔料の分散方法>
第1のインクの顔料である酸化チタン、第2のインクが色材として顔料を適用する際に、第1及び第2のインクの調製に用いる分散方法として、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーター、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等により行うことができる。
顔料の分散条件としては、顔料粒子の体積平均粒径が、好ましくは0.08~0.5μmの範囲内、最大粒径が好ましくは0.3~10μmの範囲内、より好ましくは0.3~3μmの範囲内となるように行われることが好ましい。
顔料の分散は、顔料、分散剤、及び分散媒体の選定、分散条件、及び濾過条件等によって、調整され、所望の粒子径の顔料分散液を得ることができる。
<顔料の分散助剤>
本発明に係る第1及び第2のインクには、顔料の分散性を高めるために、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤の例には、ヒドロキシ基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及びステアリルアミンアセテート等が挙げられる。分散剤の市販品の例には、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズ等が挙げられる。
<ゲル化剤>
本発明に係る第1のインクはゲル化剤を含有し、第1のインク中の前記ゲル化剤が、第2のインクのゲル化剤に対して、50~90質量%の範囲内で含有されていることが、下部印字層と、上部印字層の硬化収縮具合を同程度にすることができ、下部印字層及び上部印字層間の密着性がより良好となる点で好ましい。
また、本発明に係る第3のインクはゲル化剤を含有し、第3のインク中の前記ゲル化剤が、第2のインクのゲル化剤に対して、50~90質量%の範囲内で含有されていることが、下部印字層と、上部印字層の硬化収縮具合を同程度にすることができ、下部印字層及び上部印字層間の密着性がより良好となる点で好ましい。
また、第1のインク中のゲル化剤は、当該第1のインク全質量に対して、0.4~2.4質量%の範囲内であることが好ましく、第3のインク中のゲル化剤も、当該第3のインク全質量に対して、0.4~2.4質量%の範囲内であることが好ましい。
ゲル化剤の含有量が0.4質量%以上であると、第1のインク又は第3のインクのピニング性を十分に高め、より高精細な画像を形成することができる。ゲル化剤の含有量が2.4質量%以下であると、形成した画像の表面からのゲル化剤の析出を抑制でき、形成画像の密着性を向上させることができる。
本発明の第1及び第2の実施形態に係るインクセットでは、記録媒体に着弾したインク液滴の過剰な濡れ拡がりを抑制し、高精細な画像を得やすくする観点から、少なくとも第1及び第3のインクがゲル化剤を含む。
ゲル化剤とは、常温で固体、加熱すると液体となる有機物であり、インクを温度により可逆的にゾル-ゲル相転移させる機能を有する添加剤である。
ゲル化剤がインク中で結晶化するときに、ゲル化剤の結晶化物である結晶が三次元的に囲む空間を形成する。このように形成された構造を「カードハウス構造」いうことがある。カードハウス構造は、未反応のラジカル重合性化合物や未反応の光重合開始剤を保持することができるので、インク液滴のピニング性を高めることができる。それにより、隣り合うインク滴同士の合一を抑制することができる。
さらに、室温では、ゲル化剤を含む活性光線硬化型インクジェットインクは結晶化し、粘度が高くなっているため、光重合開始剤の分子運動が抑制されやすい。それにより、室温下でインクを長期間保存しても保存安定性が損なわれにくい。
インクの液滴をインクジェット記録装置から安定に吐出するためには、ゾル状のインク(高温時、例えば、80℃程度)において、ラジカル重合性化合物とゲル化剤との相溶性が良好であることが必要である。
カードハウス構造の形成に適したゲル化剤の例には、脂肪族ケトン化合物;脂肪族エステル;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、及びホホバエステル等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン及び鯨ロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、及び水素化ワックス等の鉱物系ワックス;硬化ヒマシ油又は硬化ヒマシ油誘導体;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体又はポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、及びエルカ酸等の高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;12-ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸;12-ヒドロキシステアリン酸誘導体;ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(例えば、日本化成社製 ニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等);N-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド等のN-置換脂肪酸アミド;N,N′-エチレンビスステアリルアミド、N,N′-エチレンビス-12-ヒドロキシステアリルアミド、及びN,N′-キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;ドデシルアミン、テトラデシルアミン又はオクタデシルアミン等の高級アミン;ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル(例えば、日本エマルジョン社製 EMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製 リケマールシリーズ、理研ビタミン社製 ポエムシリーズ等);ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸のエステル(例えば、リョートーシュガーエステルシリーズ 三菱ケミカルフーズ社製);ポリエチレンワックス、α-オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス(Baker-Petrolite社製 UNILINシリーズ等);ダイマー酸;ダイマージオール(CRODA社製 PRIPORシリーズ等);ステアリン酸イヌリン等の脂肪酸イヌリン;パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等の脂肪酸デキストリン(千葉製粉社製 レオパールシリーズ等);ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル;ベヘン酸エイコサンポリグリセリル(日清オイリオ社製 ノムコートシリーズ等);N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド、N-(2-エチルヘキサノイル)-L-グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物(味の素ファインテクノより入手可能);1,3:2,4-ビス-O-ベンジリデン-D-グルシトール(ゲルオールD 新日本理化より入手可能)等のジベンジリデンソルビトール類;特開2005-126507号公報、特開2005-255821号公報及び特開2010-111790号公報に記載の低分子オイルゲル化剤等が含まれる。
ゲル化剤は、前述の「カードハウス構造」を形成しやすい観点から、炭素数が9以上25以下の直鎖状又は分岐上の炭化水素基を含むことが好ましい。
中でも、下記一般式(G1)で表される構造を有する脂肪族ケトン及び下記一般式(G2)で表される構造を有する脂肪族エステルが特に好ましい。
一般式(G1):R-CO-R
一般式(G2):R-COO-R
上記一般式(G1)又は(G2)において、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数が9~25の範囲内である直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表す。炭化水素基は、アルキル基であることが好ましい。
一般式(G1)おいて、R及びRで表される炭化水素基は、特に制限されないが、炭素数が12~25の直鎖状又は分岐状の炭化水素基であることが好ましく、炭素数が12~25の直鎖部分又は分岐部分を含むアルキル基であることがより好ましい。
上記一般式(G1)で表される脂肪族ケトン化合物の例には、18-ペンタトリアコンタノン(C17-C17)、ジリグノセリルケトン(C24-C24)、ジベヘニルケトン(C22-C22)、ジステアリルケトン(C18-C18)、ジエイコシルケトン(C20-C20)、ジパルミチルケトン(C16-C16)、ジミリスチルケトン(C14-C14)、ジラウリルケトン(C12-C12)、ラウリルミリスチルケトン(C12-C14)、ラウリルパルミチルケトン(C12-C16)、ミリスチルパルミチルケトン(C14-C16)、ミリスチルステアリルケトン(C14-C18)、ミリスチルベヘニルケトン(C14-C22)、パルミチルステアリルケトン(C16-C18)、バルミチルベヘニルケトン(C16-C22)、ステアリルベヘニルケトン(C18-C22)等が含まれる。なお、上記括弧内は炭素数を表し、当該炭素数は、カルボニル基で分断される二つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。
一般式(G1)で表される化合物の市販品の例には、18-Pentatriacontanon(Alfa Aeser社製)、Hentriacontan-16-on(Alfa Aeser社製)、カオーワックスT1(花王株式会社製)等が含まれる。インクに含まれる脂肪族ケトン化合物は、1種類のみであってもよく、2種類以上の混合物であってもよい。
一般式(G2)おいて、R及びRで表される炭化水素基は、特に制限されないが、炭素数12~25の直鎖状又は分岐状の炭化水素基であることが好ましく、炭素数12~25の直鎖部分又は分岐部分を含むアルキル基であることがより好ましい。
一般式(G2)で表される脂肪族エステルの例には、ベヘニン酸ベヘニル(C21-C22)、イコサン酸イコシル(C19-C20)、ステアリン酸ステアリル(C17-C18)、ステアリン酸パルミチル(C17-C16)、ステアリン酸ラウリル(C17-C12)、パルミチン酸セチル(C15-C16)、パルミチン酸ステアリル(C15-C18)、ミリスチン酸ミリスチル(C13-C14)、ミリスチン酸セチル(C13-C16)、ミリスチン酸オクチルドデシル(C13-C20)、オレイン酸ステアリル(C17-C18)、エルカ酸ステアリル(C21-C18)、リノール酸ステアリル(C17-C18)、オレイン酸ベヘニル(C18-C22)、セロチン酸ミリシル(C25-C16)、リノール酸アラキジル(C17-C20)等が含まれる。なお、上記括弧内は炭素数を表し、当該炭素数は、カルボニル基で分断される二つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。
一般式(G2)で表される脂肪族エステルの市販品の例には、ユニスターM-2222SL(日油社製)、ユニスターM-9796(日油社製)、エキセパールSS(花王社製)、EMALEX CC-18(日本エマルジョン社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業社製)、エキセパール MY-M(花王社製)、スパームアセチ(日油社製)、EMALEX CC-10(日本エマルジョン社製)等が含まれる。これらの市販品は、2種類以上の混合物であることが多いため、必要に応じて分離・精製してもよい。
第1~第3のインクに含まれるゲル化剤は2種類以上の混合物であってもよい。
<光重合性化合物>
本発明に係る光重合性化合物は、活性光線により重合し、インクを硬化する作用を有する。
光重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマー又はこれらの混合物のいずれであってもよい。光重合性化合物は、本発明に係るインク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
ここでいう活性光線とは、例えば、電子線、紫外線、α線、γ線、及びエックス線等のエネルギー線であり、好ましくは、紫外線及び電子線である。光重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物を挙げることができ、好ましくはラジカル重合性化合物である。
光重合性化合物の含有量は、例えば、本発明に係るインクの全質量に対して1~97質量%の範囲内とすることが硬化性や柔軟性などの膜物性の観点で好ましく、30~95質量%の範囲内であることがより好ましい。
(ラジカル重合性化合物)
本発明に適用可能なラジカル重合性化合物としては、不飽和カルボン酸エステルであることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタアクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基又はメタアクリロイル基を意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
(メタ)アクリレートの例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチル-フタル酸及びt-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含む単官能のアクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA構造を有するジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート及びトリプロピレングリコールジアクリレートを含む2官能の(メタ)アクリレート、並びに、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレートを含む3官能以上の(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマーを含む(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー、並びにこれらの変性物が含まれる。
上記変性物の例には、エチレンオキサイド基を挿入したエチレンオキサイド変性(EO変性)アクリレート、及びプロピレンオキサイドを挿入したプロピレンオキサイド変性(PO変性)アクリレートが含まれる。
光重合性化合物は、分子量が280~1500の範囲内であることが好ましい。
特に、本発明に係る第1~第3のインクは、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170未満であるモノマーAを含有することが好ましい。また、第1~第3のインクは、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170以上であるモノマーBを含有することが好ましい。
さらに、第1のインク中の前記モノマーAに由来する成分の添加量が、前記第2のインクの前記モノマーAに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることが好ましい。また、第3のインクも、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170未満であるモノマーAを含有し、前記第3のインク中の前記モノマーAに由来する成分の添加量が、前記第2のインクの前記モノマーAに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることが好ましい。さらに、第2のインク中の前記モノマーBに由来する成分の添加量が、前記第1のインク又は前記第3のインクの前記モノマーBに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることが好ましい。
このように、第1のインク又は第3のインク中のモノマーAに由来する成分の添加量、及び、第2のインク中のモノマーBに由来する成分の添加量を前記範囲内とすることによって、下部印字層と、上部印字層の硬化収縮具合を同程度にすることができ、下部印字層及び上部印字層間の密着性がより良好となる
前記モノマーAとしては、トリプロピレングリコール(TPG)ジアクリレート、ジプロピレングリコール(DPG)ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール(NPG)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)#200ジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオール(HD)ジアクリレートダイマー酸エステル化、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、アクリレートエステル(ジオキサングリコールジアクリレート)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、EO変性(3)トリメチルプロパン(TMP)トリアクリレート、PO変性(3)トリメチルプロパン(TMP)トリアクリレート、EO変性(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリンプロポキシアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジトリメチルプロパン(TMP)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
このようなモノマーAの市販品としては、3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(EM2381、長興化学社製、アクリル当量156.8667)、トリプロピレングリコールジアクリレート(APG-200、新中村化学社製、アクリル当量150.2000)等が挙げられ、これらの中でも、3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートが好ましい。
前記モノマーBとしては、ポリエチレングリコール(PEG)#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)#600ジメタクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)#600ジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコール(NPG)ジアクリレート、EO変性(4)1,6ヘキサンジオール(HD)ジアクリレート、EO変性(6)トリメチルプロパン(TMP)トリアクリレート、EO変性(9)トリメチルプロパン(TMP)トリアクリレート等が挙げられる。
このようなモノマーBの市販品としては、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(A-400、新中村化学社製、アクリル当量254.0000)等が挙げられ、これらの中でも、ポリエチレングリコール#400ジアクリレートが好ましい。
(カチオン重合性化合物)
本発明に適用可能なカチオン重合性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物及びオキセタン化合物等を挙げることができる。
カチオン重合性化合物は、インク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
エポキシ化合物は、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド又は脂肪族エポキシド等であり、硬化性を高めるためには、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましい。
芳香族エポキシドは、多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジ又はポリグリシジルエーテルでありうる。
反応させる多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体の例には、ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイド付加体等が含まれる。
アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等でありうる。
脂環式エポキシドは、シクロアルカン含有化合物を、過酸化水素や過酸等の酸化剤でエポキシ化して得られるシクロアルカンオキサイド含有化合物でありうる。シクロアルカンオキサイド含有化合物におけるシクロアルカンは、シクロヘキセン又はシクロペンテンでありうる。
脂肪族エポキシドは、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジ又はポリグリシジルエーテルでありうる。
脂肪族多価アルコールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール等のアルキレングリコール等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等でありうる。
ビニルエーテル化合物の例には、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル-o-プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物;
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物等が含まれる。これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性や密着性などを考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましい。
オキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物であり、その例には、特開2001-220526号公報、特開2001-310937号公報、特開2005-255821号公報に記載のオキセタン化合物等が含まれる。中でも、特開2005-255821号公報の段落番号(0089)に記載の一般式(1)で表される化合物、同号公報の段落番号(0092)に記載の一般式(2)で表される化合物、段落番号(0107)の一般式(7)で表される化合物、段落番号(0109)の一般式(8)で表される化合物、段落番号(0116)の一般式(9)で表される化合物等が挙げられる。特開2005-255821号公報に記載された一般式(1)、(2)、(7)、(8)及び(9)で表される構造を以下に示す。
Figure 0007127398000001
上記一般式(1)、(2)、(7)~(9)におけるR、R、R、R、R及びR11の詳細は、特開2005-255821号公報のそれぞれに記載されたとおりであり、ここでは省略する。
<光重合開始剤>
本発明に係る光重合開始剤としては、本発明に係る第1~第3のインクが、光重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含有するときは光ラジカル重合開始剤、光重合性化合物としてカチオン重合性化合物を含有するときは、光カチオン重合開始剤を適用することが好ましい。
(光ラジカル重合開始剤)
ラジカル光重合開始剤には、分子内結合開裂型の光重合開始剤と分子内水素引き抜き型の光重合開始剤とがある。
分子内結合開裂型の光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系;ベンジル及びメチルフェニルグリオキシエステル等を挙げることができる。
また、分子内水素引き抜き型の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸、メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4′-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4′-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3′,4,4′-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;ミヒラ-ケトン、4,4′-ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン等を挙げることができる。
中でもアシルホスフィンオキシドやアシルホスフォナートは、反応性の面から、好ましく用いることができる。
具体的には、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
(光カチオン重合開始剤)
本発明においては、光カチオン重合開始剤として、光酸発生剤を適用することが好ましい。
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187~192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 塩を挙げることができる。
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例としては、特開2005-255821号公報の段落番号(0132)に記載されている化合物を挙げることができる。
第2に挙げられる、スルホン酸を発生するスルホン化物の具体的な化合物としては、特開2005-255821号公報の段落番号(0136)に記載されている化合物を挙げることができる。
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、その具体的な化合物としては、特開2005-255821号公報の段落番号(0138)に記載されている化合物を挙げることができる。
第4に、特開2005-255821号公報の段落番号(0140)に記載されている鉄アレン錯体を挙げることができる。
(光重合開始剤の添加量)
本発明のインクセットにおいては、第1~第3のインクにおける光重合開始剤の含有量は、活性光線や光重合性化合物の種類などにもよるが、0.01~10質量%の範囲内であることが好ましい。
(光重合開始剤助剤及び重合禁止剤)
本発明に係る第1~第3のインクには、必要に応じて光重合開始剤助剤や重合禁止剤などをさらに含んでもよい。光重合開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミン及びN,N-ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。中でも、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-t-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。
<インクセット(インク)のその他の構成要素>
本発明のインクセットを構成する第1~第3のインクには、必要に応じて他の成分をさらに含んでもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。
添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、及びゴム系樹脂等が含まれる。
<インクの物性>
インクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点からは、本発明に係る各インクの80℃における粘度は、3~20mPa・sの範囲内であることが好ましく、8~13mPa・sの範囲内であることがより好ましい。また、着弾して常温に降温した際にインクを十分にゲル化させる観点からは、本発明に係るインクの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。
また、ゲル化剤を含有するインクにおいては、40~90℃の範囲内において脱ゲル化及び再ゲル化することが、インクジェットヘッドの耐久性の観点と、着弾時にゲル状態となって、色混じりや滲み等が生じることを防止できる点で好ましい。
すなわち、本発明に係るインクにおいて、ゲル化剤を含むインクは、温度により可逆的にゾル-ゲル相転移することができる。ゾル-ゲル相転移型の活性光線硬化型インクは、高温(例えば80℃程度)ではゾルであるため、インク吐出用記録ヘッドから吐出することができるが、記録媒体に着弾した後、自然冷却されてゲル化する。これにより、隣り合うインク滴同士の合一を抑制し、画質を高めることができる。
本発明に係るインクの80℃における粘度、25℃における粘度及びゲル化温度は、レオメーターにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。
[インクジェット記録装置]
本発明の第1及び第2の実施形態に係るインクセットが用いられる、活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置について説明する。
活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置には、ライン記録方式(シングルパス記録方式、ラインヘッド方式)のものと、シリアル記録方式のものとがある。求められる画像の解像度や記録速度に応じて選択されればよいが、高速記録の観点では、ライン記録方式(シングルパス記録方式、ラインヘッド方式)が好ましい。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録方法は、ゲル化剤を含有する第1のインクと、第2のインクを用い、初めに記録媒体上に第1のインクを吐出して下層印字層を形成した後、その上に第2のインクを吐出して上部印字層を形成する方法であり、本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録方法は、ゲル化剤を含有し色材を含有しない第3のインクと、第2のインクを用い、初めに記録媒体上に第3のインクを吐出して下層印字層を形成した後、その上に第2のインクを吐出して上部印字層を形成する方法であり、いずれも下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とすることにより、形成されるインク画像の液寄りや色にじみ、混色等による画質低下を防止し、耐擦過性、上部印字層及び下部印字層間の密着性を向上させる方法である。
図4及び図5では、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録方法に適用可能なライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す全体構成図である。なお、図4及び図5において、前記図1~図3で説明した酸素濃度調整部についての図示は省略する。
図4は、インクジェット記録装置(20)の概略側面図であり、図5はその上面図である。
図4及び図5で示されるように、記録媒体(1)の搬送方向(矢印)に対し、上流側より、それぞれゲル化剤を含有する第1のインク(W)をインクヘッド(5)より吐出する白色ヘッドキャリッジ(2W)、イエローインク(Y)をインクヘッド(5)より吐出するイエローヘッドキャリッジ(2Y)、マゼンタインク(M)をインクヘッド(5)より吐出するマゼンタヘッドキャリッジ(2M)、シアンインク(C)をインクヘッド(5)より吐出するシアンヘッドキャリッジ(2C)、及びブラックインク(K)をインクヘッド(5)より吐出するブラックヘッドキャリッジ(2K)が配列されている。最も下流側に、活性光線照射光源(4)が配置され、光硬化を行って、図6で示すように、記録媒体(51)上にゲル化剤を含有する下部印字層(52)と上部印字層(54)とが積層されているインクジェット記録画像(60)を形成する。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録方法では、インクの硬化性を高める観点から、活性光線の照射は、全てのインク滴が記録媒体上に付着した後10秒以内、好ましくは0.001~5秒以内、より好ましくは0.01~2秒以内に行うことが好ましい。活性光線の照射は、ヘッドキャリッジに収容された全てのインクヘッドからインクを吐出した後に行われることが好ましい。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録方法では、ゲル化剤及び酸化チタンを含有する第1のインクを用い、下部印字層(52)を形成した後、酸化チタン以外の色材(例えば、有色顔料)を含有する第2のインクを用い上部印字層(54)を形成するので、図6で示すように、表面部に位置する有色顔料を有する上部印字層(54)では、有色顔料粒子(55)とゲル化剤(G)との相互作用が強く、有色顔料粒子(55)表面にゲル化剤(G)がより吸着され、表面領域でゲル化剤を多く含む結晶化領域(54A、54B)は薄い構成となっている。
これに対し、白色インクを構成する酸化チタン(53)は、他の有色顔料(イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、ブラック顔料)に比較し、粒子表面がより親水的であるため、共存しているゲル化剤との相互作用が弱い。そのため、上部印字層(54)に対し、ゲル化剤がより下部印字層(52)の表面領域(52A、52B)に析出しやすくなる。
その結果、耐擦過性試験やテープ剥離法による密着性の評価を行うと、記録媒体(51)と上部印字層(54)間に配置する下部印字層(52)では、下部に位置する記録媒体(51)間、又は上部に位置する上部印字層(54)界面で剥離を起こしやすくなる。
上記のような状況を踏まえ、本発明の第1の実施形態に係るインクセットにおいては、酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクを印字し、次いで酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクを印字した後、一括して活性光線を照射して画像記録するインクジェット記録方法においては、活性光線照射を照射するときの酸素濃度を10体積%以下とすることにより、酸素濃度を低下させて、第2のインクの硬化性を向上させることができ、第2のインクの硬化収縮度合と第1のインクの硬化収縮度合を同等にすることができる。その結果、第1のインクを含有する下部印字層と、第2のインクを含有する上部印字層との間の密着性を向上させることができる。
なお、図4及び図5に示すインクジェット記録装置は、本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録方法にも前記第1の実施形態に係るインクジェット記録方法と同様に適用可能であり、前記インクジェット記録装置において、第3のインクをインクヘッドより吐出するクリア色ヘッドキャリッジを備えた構成とすればよい。
<第1~第3のインクの画像記録条件>
インクヘッドからインクを吐出する際の、インクヘッド内のインクの温度は、インクの吐出性を高めるためには、インクのゲル化温度よりも10~30℃の範囲内の高い温度に設定されることが好ましい。
インクヘッドの各ノズルから吐出される1滴あたりの液滴量は、インクの粘度等にもよるが、0.5~10pLの範囲内であることが好ましく、所望の領域のみに吐出するためには、0.5~4.0pLの範囲内であることがより好ましく、1.5~4.0pLの範囲内であることがさらに好ましい。このような量のインクを塗布しても、本発明に係るインクではゾル-ゲル相転移が行われるため、インクが過剰に濡れ広がらず、所望の箇所にのみ吐出することができる。
記録媒体上に付着したインクの液滴は冷却されてゾル-ゲル相転移により速やかにゲル化する。これにより、インクの液滴が過剰に濡れ広がらずに、ピニングすることができる。さらに、液滴が速やかにゲル化し、粘度が上昇するため、記録媒体上に付着したインク表面中に酸素が入り込みにくく、インク表面の硬化が酸素によって阻害されにくい。
ここで、インクヘッドからインクの液滴を吐出することによって、記録媒体上にインクの液滴が付着する。インクの液滴が付着する際の記録媒体の温度は、インクのゲル化温度よりも10~20℃の範囲内の低い温度に設定されていることが好ましい。
活性光線が電子線である場合、電子線照射の加速電圧は、十分な硬化を行うために、30~250kVの範囲内であることが好ましく、30~100kVの範囲内であることがより好ましい。加速電圧が100~250kVの範囲内である場合、電子線照射量は30~100kGyの範囲内であることが好ましく、30~60kGyの範囲内であることがより好ましい。
硬化後の総インク膜厚は、2~25μmの範囲内であることが好ましい。「総インク膜厚」とは、記録媒体に描画されたインク膜厚の最大値である。
なお、上述したインクジェット記録装置では、ライン記録方式のインクジェット記録装置について説明したが、本発明で規定する条件を満たす範囲においては、シリアル記録方式のインクジェット記録装置を適用することもできる。本発明においては、シリアル記録方式のインクジェット記録装置に関する説明は省略する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行った。
<黒色分散液の調製>
トリプロピレングリコールジアクリレートの71質量部及び分散剤としてアジスパーPB824(味の素ファインテクノ株式会社)の9質量部をステンレス鋼製のビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間撹拌して前記分散剤を溶解させた。
次いで、得られた分散剤溶液を室温まで冷却した後、黒色顔料としてPigment Black 7(#52;三菱化学株式会社)の20質量部を加えて混合液を調製した。
次いで、当該混合液を直径0.5mmのジルコニアビーズ200gとともにガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて5時間分散処理した。分散液からジルコニアビーズを除去して、黒色(K)分散液を調製した。
<白色分散液1の調製>
上記黒色分散液の調製において、黒色顔料に代えて、白色顔料として酸化チタン(TCR-52;堺化学工業株式会社)を用い、その添加量を60質量部に変更した以外は同様にして、白色(W)分散液1を調製した。
<各インクの調製>
下記表I及び表IIに記載の組成(単位は質量%)で、黒色分散液、白色分散液1、光重合性化合物(モノマーA、モノマーB)、重合開始剤、界面活性剤、重合禁止剤及びゲル化剤を混合し、80℃に加熱した状態で撹拌した。
次いで、加熱した状態で、混合液をテフロン(登録商標)製の3μmのメンブレンフィルター(アドバンテック東洋株式会社)を用いて濾過して、下記表に記載の構成からなる黒色インクK1-1、K1-2、K2-1~K2-6、白色インクW1-1、W1-2、W2-1~W2-6、W3-1~W3-8、及びクリアインクC1-1、C2-1~C2-6、C3-1~C3-8を調製した。
Figure 0007127398000002
Figure 0007127398000003
前記各表に略称で記載した各添加剤の詳細は、以下のとおりである。
・EM2381:3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリル当量(分子量/アクリル基数)=156.8667(長興化学社製)
・APG-200:トリプロピレングリコールジアクリレート、アクリル当量(分子量/アクリル基数)=150.2000(新中村化学社製)
・A-400:ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、アクリル当量(分子量/アクリル基数)=254.0000(新中村化学社製)
・IRGACURE TPO(BASF社製)
・IRGACURE 819(BASF社製)
・BYK UV3500(ビックケミー・ジャパン社製)
・Irgastab UV10(BASF社製)
・WEP2(日油社製)
・EMALEX EG-di-S(日本エマルジョン社製)
<インクジェット記録装置>
調製した有色インクである黒色インクK1-1、K1-2、K2-1~K2-6と、白色インクW1-1、W1-2、W2-1~W2-6、W3-1~W3-8からそれぞれ組み合わせて構成される各インクセットを、コニカミノルタインクジェットヘッド(KM1048)に導入した。また、有色インクである黒色インクK1-1、K1-2、K2-1~K2-6、クリアインクC1-1、C2-1~C2-6、C3-1~C3-8を組み合わせて構成される各インクセットを、同様にして前記コニカミノルタインクジェットヘッド(KM1048)に導入した。
[実施例1]:酸素濃度を変化させた実験
(画像1の形成)
印字基材としてOKトップコート(印刷用紙)の上に、印字幅100nm×100nm、解像度720×720dpiの条件で白色インクW1-1をベタ画像で印字した後、黒色インクK1-1を同様にベタ画像で印字し、UV照射光源として京セラ製LEDランプを使用し350mJのエネルギーで、酸素濃度5%条件下で、印字した白色インク及び黒色インクに紫外線を一括照射して硬化させ、画像1を形成した。
(画像2~4の形成)
前記画像1の形成において、紫外線照射時の酸素濃度を下記表IIIに示すとおりに変更した以外は同様にして画像2~4を形成した。
(画像5~8の形成)
前記画像1の形成において、白色インクW1-1をW1-2に変更し、黒色インクK1-1をK1-2に変更し、紫外線照射時の酸素濃度を下記表IIIに示すとおりに変更した以外は同様にして画像5~8を形成した。
(画像101~104の形成)
前記画像1の形成において、白色インクW1-1をクリアインクC1-1に変更し、紫外線照射時の酸素濃度を下記表IIIに示すとおりに変更した以外は同様にして画像101~104を形成した。
[実施例2-1]:モノマーAの比率(白色又はクリアインク/黒色インク)を変化させた実験
(画像11~16の形成)
前記画像1の形成において、白色インクW1-1を下記表IVに示すとおりに変更し、紫外線照射時の酸素濃度を10%とした以外は同様にして、画像11~16を形成した。
(画像111~116の形成)
前記画像101の形成において、クリアインクC1-1を下記表IVに示すとおりに変更し、紫外線照射時の酸素濃度を10%とした以外は同様にして画像111~116を形成した。
[実施例2-2]:モノマーBの比率(黒色インク/白色又はクリアインク)を変化させた実験
(画像21~26の形成)
前記画像11の形成において、白色インクW2-1をW1-1とし、黒色インクK1-1を下記表Vに示すとおりに変更した以外は同様にして画像21~26を形成した。
(画像121~126の形成)
前記画像111の形成において、クリアインクC2-1をC1-1とし、黒色インクK1-1を下記表VIに示すとおりに変更した以外は同様にして画像121~126を形成した。
[実施例3-1]:ゲル化剤の比率(白色インク又はクリアインク/黒色インク)を変化させた実験
(画像31~36の形成)
前記画像1の形成において、白色インクW1-1を下記表VIに示すとおりに変更し、紫外線照射時の酸素濃度を10%とした以外は同様にして、画像31~36を形成した。
(画像131~136の形成)
前記画像101の形成において、クリアインクC1-1を下記表VIに示すとおりに変更し、紫外線照射時の酸素濃度を10%とした以外は同様にして、画像131~136を形成した。
[実施例3-2]:白色インク又はクリアインク中におけるゲル化剤量(質量%)を変化させた実験
(画像41~45の形成)
前記画像31の形成において、白色インクW3-1を下記表VIIに示すとおりに変更した以外は同様にして画像41~45を形成した。
(画像141~145の形成)
前記画像131の形成において、クリアインクC3-1を下記表VIIに示すとおりに変更した以外は同様にして画像141~145を形成した。
[評価]
<テープ剥離試験:密着性>
上記で得られた各画像について、画像3cm×3cmに1cm×2cmのセロハンテープを貼り付け、上面から指でこすり、セロハンテープの画像面への密着を十分に行った後、セロハンテープを画像面に対して90°となるように剥離させ、その後の画像表面状態を目視で確認した。下記評価基準において、△、○、◎が実用上好ましいランクと判断した。
(評価基準)
◎:全く変化がない。
○:僅かに跡が残る。
△:黒色部分の一部が剥がれて僅かに白色箇所が露呈する。
×:画像の大部分が剥がれて、基材の白地又は下層の白インクがはっきりと見える。
Figure 0007127398000004
Figure 0007127398000005
Figure 0007127398000006
Figure 0007127398000007
Figure 0007127398000008
[実施例4]:酸化チタンの表面修飾に要したアルミニウムの量を変化させた実験
<酸化チタンの表面修飾方法>
白色顔料である酸化チタン(TCR-52;堺化学工業株式会社)に、下記方法にしたがって表面修飾を施した。
(1)二酸化チタンを水に分散させスラリーとした。
(2)前記スラリーとは別にアルミン酸ソーダ(アルミン酸ナトリウム)水溶液に希硫酸水溶液を滴下して、pHを10.5~11.8に調節し、アルミニウム化合物溶液を調製した。
(3)アルミニウム化合物溶液に、上記で得られた二酸化チタンスラリーの添加混合を開始した。このとき、二酸化チタンの表面修飾に要するアルミニウムの量が、表面修飾前(未処理)の二酸化チタンに対して、それぞれ0.2、0.4、0.6、0.8、1.0質量%となるように調製した。
混合時は撹拌機を用いて撹拌をし、二酸化チタンスラリー添加後も撹拌を継続して酸化アルミニウム水和物の二酸化チタン表面への沈着を行った。この後、希硫酸水溶液を用いて、中和処理を行い、スラリーのpHを8.15に調節した。
(4)表面処理後のスラリーは、メンブランフィルターにて濾過、洗浄し、採取したケーキ(濾過物)を乾燥し、市販の自動式乳鉢を用いて解砕を行い、表面修飾された二酸化チタン顔料粉末を得た。
なお、表面修飾後の酸化チタンについて、酸化チタンに表面修飾されたアルミナの表面修飾量は、誘導プラズマ発光分析装置(I.C.P.)によるアルミニウム元素の分析結果に基づき、酸化チタンに対するアルミナの量の比の値(Al/TiO)より求めた。
また、白色インク中のナトリウム(Na)イオンの含有量をICP-AES(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 SPS3520UV)により測定した。
<白色分散液2~7の調製>
前記白色分散液1の調製において、酸化チタンとして、表面修飾された酸化チタンを用いた以外は、同様にして白色分散液2~7を調製した。各白色分散液2~7における、表面修飾前(又は未処理)の酸化チタンに対する表面修飾に要したアルミニウムの量(質量%)は下記表VIIIに示すとおりである。
<白色インクの調製>
表VIIIに記載の組成(単位は質量%)で、白色分散液2、光重合性化合物(モノマーA、モノマーB)、重合開始剤、界面活性剤、重合禁止剤及びゲル化剤を混合し、80℃に加熱した状態で撹拌した。
次いで、加熱した状態で、混合液をテフロン(登録商標)製の3μmのメンブレンフィルター(アドバンテック東洋株式会社)を用いて濾過して、表VIIIに記載の構成からなる白色インクW4-1~W4-6を調製した。
(画像51~56の形成)
前記画像11の形成において、白色インクW2-1を下記表IXに示すとおりに変更した以外は同様にして画像51~56を形成した。
[評価]
<テープ剥離試験:密着性>
上記で得られた各画像において、上述したテープ剥離試験と同様の試験を行い、評価した。
<耐候性試験>
上記で得られた各画像において、ガス試験機株式会社製の低温キセノンウェザーメータXL75にて、XeランプによるUV光照射と雨天を想定した加湿とを繰り返しながら合計600時間保存し、その後、前記テープ剥離試験を実施した。下記評価基準において、△、○、◎が実用上好ましいランクと判断した。
(評価基準)
◎:全く変化がない。
○:僅かに跡が残る。
△:黒色部分の一部が剥がれて僅かに白色箇所が露呈する。
×:画像の大部分が剥がれて、基材の白地又は下層の白インクがはっきりと見える。
<射出試験:射出性>
調製した有色インクである黒色インクK1-1と、白色インクW4-1~W4-6からそれぞれ組み合わせて構成される各インクセットを、コニカミノルタインクジェットヘッド(KM1048)に導入した。
印字基材としてOKトップコート(印刷用紙)の上に、印字幅100nm×100nm、解像度720×720dpiの条件で白色インクW4-1をベタ画像で印字した後、黒色インクK1-1を同様にベタ画像で印字し、これを連続100枚印字した。その後、ヘッドノズルの欠数を計測した。下記評価基準において、△、○、◎が実用上好ましいランクと判断した。
(評価基準)
◎:欠数が5未満
○:欠数が5~10
△:欠数が11~20
×:欠数が21以上
Figure 0007127398000009
Figure 0007127398000010
上記実施例1~4に示す結果から、本発明のインクジェット記録方法を用いた画像は、比較例のインクジェット記録方法を用いた画像に比べて、密着性に優れていることが分かる。また、特に、酸化チタンのアルミナ表面修飾量を0.8質量%以下とすることにより、耐光性及び射出性に優れることが認められる。
1 記録媒体
2W、2Y、2M、2C、2K ヘッドキャリッジ
4 活性光線照射光源
5 インクヘッド
20 インクジェット記録装置
51 記録媒体
52 下部印字層
52A、52B 下部印字層中のゲル化剤の局在領域
53 酸化チタン
54 上部印字層
54A、54B 上部印字層中のゲル化剤の局在領域
55 有色顔料粒子
60 インクジェット記録画像
W、Y、M、C、K インク液滴
UV 活性光線
G ゲル化剤
100 インクジェット記録装置
110 インクジェットヘッド
111 ノズル
113 ノズル面
120 搬送部
121 駆動ローラ
122 従動ローラ
123 搬送ベルト
130 照射部
140 酸素濃度調整部
141 排気管
142 供給管
145 隔壁
148 酸素濃度測定器
200 記録媒体

Claims (16)

  1. 活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
    前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくとも酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
    前記第1のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
    前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
    前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
    前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
    前記第1のインクジェットインク及び第2のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170未満であるモノマーAを含有し、
    前記第1のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分の添加量が、前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
    前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくとも酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
    前記第1のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
    前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
    前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
    前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
    前記第1のインクジェットインク及び前記第2のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170以上であるモノマーBを含有し、
    前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分の添加量が、前記第1のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  3. 前記第2のインクジェットインクが、さらにゲル化剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記第1のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、前記第2のインクジェットインクの前記ゲル化剤に対して、50~90質量%の範囲内で含有されていることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記第1のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、当該第1のインクジェットインクの全質量に対して0.4~2.4質量%の範囲内で含有されていることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記酸化チタンが、アルミナで表面修飾されており、
    前記酸化チタンに表面修飾された前記アルミナの量が、表面修飾前(又は未処理)の前内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の
    記酸化チタンに対して、0.3~0.8質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記第1のインクジェットインクが、前記酸化チタンに対して200質量ppm以下のナトリウム(Na)イオンを含有していることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記ゲル化剤が、少なくとも下記一般式(G1)又は(G2)で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
    一般式(G1): R-CO-R
    一般式(G2): R-COO-R
    〔式中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数9~25の範囲内の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素を表す。〕
  9. 活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
    前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくともゲル化剤を含有し色材を含有しない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
    前記第3のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
    前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
    前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
    前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
    前記第2のインクジェットインク及び前記第3のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170未満であるモノマーAを含有し、
    前記第3のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分の添加量が、前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーAに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. 活性光線硬化型インクジェットインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
    前記活性光線硬化型インクジェットインクセットが、少なくともゲル化剤を含有し色材を含有しない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含み、
    前記第3のインクジェットインクを印字して下部印字層を形成する工程と、
    前記下部印字層上に、前記第2のインクジェットインクを印字して上部印字層を形成する工程と、
    前記下部印字層及び前記上部印字層に活性光線を照射して、当該下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程と、を備え、かつ、
    前記下部印字層及び上部印字層を硬化させる工程において、前記活性光線を照射する雰囲気下の酸素濃度を10体積%以下とし、
    前記第2のインクジェットインク及び前記第3のインクジェットインクが、アクリル当量(分子量/アクリル基数)が170以上であるモノマーBを含有し、
    前記第2のインクジェットインク中の前記モノマーBに由来する成分の添加量が、前記第3のインクジェットインクの前記モノマーBに由来する成分に対して60~90質量%の範囲内であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  11. 前記第2のインクジェットインクが、さらにゲル化剤を含有することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記第3のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、前記第2のインクジェットインクの前記ゲル化剤に対して、50~90質量%の範囲内で含有されていることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記第3のインクジェットインク中の前記ゲル化剤が、当該第3のインクジェットインクの全質量に対して0.4~2.4質量%の範囲内で含有されていることを特徴とする請求項から請求項12までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記ゲル化剤が、少なくとも下記一般式(G1)又は(G2)で表される構造を有する化合物を含むことを特徴とする請求項から請求項13までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
    一般式(G1): R-CO-R
    一般式(G2): R-COO-R
    〔式中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数9~25の範囲内の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素を表す。〕
  15. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法に用いる活性光線硬化型インクジェットインクセットであって、
    少なくとも酸化チタン及びゲル化剤を含有する第1のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインクセット。
  16. 請求項から請求項14までのいずれか一項に記載のインクジェット記録方法に用いる活性光線硬化型インクジェットインクセットであって、
    少なくともゲル化剤を含有し色材を含有しない第3のインクジェットインクと、酸化チタン以外の色材を含有する第2のインクジェットインクと、を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインクセット。
JP2018132833A 2018-07-13 2018-07-13 インクジェット記録方法及び活性光線硬化型インクジェットインクセット Active JP7127398B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018132833A JP7127398B2 (ja) 2018-07-13 2018-07-13 インクジェット記録方法及び活性光線硬化型インクジェットインクセット
EP19184770.6A EP3594004B1 (en) 2018-07-13 2019-07-05 Ink-jet recording method and actinic ray curable ink-jet ink set

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018132833A JP7127398B2 (ja) 2018-07-13 2018-07-13 インクジェット記録方法及び活性光線硬化型インクジェットインクセット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020011381A JP2020011381A (ja) 2020-01-23
JP7127398B2 true JP7127398B2 (ja) 2022-08-30

Family

ID=67437550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018132833A Active JP7127398B2 (ja) 2018-07-13 2018-07-13 インクジェット記録方法及び活性光線硬化型インクジェットインクセット

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP3594004B1 (ja)
JP (1) JP7127398B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102352239B1 (ko) * 2020-05-07 2022-01-18 주식회사 나노브릭 시인성을 높이는 인쇄 장치 및 인쇄 방법과 이를 이용하여 인쇄된 인쇄물

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009083267A (ja) 2007-09-28 2009-04-23 Fujifilm Corp インクジェット記録方法
US20120154473A1 (en) 2010-12-15 2012-06-21 Matthew Tennis InkJet Printer with Controlled Oxygen Levels
JP2014196425A (ja) 2013-03-29 2014-10-16 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用ホワイトインク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物
WO2015133605A1 (ja) 2014-03-07 2015-09-11 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法
WO2015156267A1 (ja) 2014-04-10 2015-10-15 コニカミノルタ株式会社 活性光線硬化型インクジェット白色インクおよび画像形成方法
JP2016172819A (ja) 2015-03-17 2016-09-29 コニカミノルタ株式会社 活性光線硬化型インクジェットインク、画像形成方法およびインクセット
JP2018065891A (ja) 2016-10-17 2018-04-26 コニカミノルタ株式会社 インクジェットインクおよび画像形成方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3893833B2 (ja) 2000-02-09 2007-03-14 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録方式用エネルギー線硬化型組成物
JP2001310937A (ja) 2000-04-27 2001-11-06 Hitachi Chem Co Ltd 硬化性オキセタン組成物およびその硬化方法ならびにその方法により得られる硬化物
JP4556414B2 (ja) 2003-10-22 2010-10-06 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット用インク及びそれを用いたインクジェット記録方法
JP4765256B2 (ja) 2004-03-11 2011-09-07 コニカミノルタホールディングス株式会社 活性光線硬化型インクジェットインクとそれを用いたインクジェット記録方法
JP2010111790A (ja) 2008-11-07 2010-05-20 Konica Minolta Holdings Inc 活性光線硬化型インクジェット用インクとそれを用いたインクジェット記録方法
JP6314810B2 (ja) * 2014-12-11 2018-04-25 コニカミノルタ株式会社 インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
WO2016098678A1 (ja) 2014-12-15 2016-06-23 コニカミノルタ株式会社 活性光線硬化型インクジェットインク、インクジェット画像形成方法およびインクジェットインクを用いて画像が形成された記録媒体
EP3434494B1 (en) * 2016-03-22 2020-10-28 Konica Minolta, Inc. Image forming method
JP6779580B2 (ja) 2017-02-13 2020-11-04 日本アンテナ株式会社 緊急車両走行警報システム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009083267A (ja) 2007-09-28 2009-04-23 Fujifilm Corp インクジェット記録方法
US20120154473A1 (en) 2010-12-15 2012-06-21 Matthew Tennis InkJet Printer with Controlled Oxygen Levels
JP2014196425A (ja) 2013-03-29 2014-10-16 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用ホワイトインク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物
WO2015133605A1 (ja) 2014-03-07 2015-09-11 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法
WO2015156267A1 (ja) 2014-04-10 2015-10-15 コニカミノルタ株式会社 活性光線硬化型インクジェット白色インクおよび画像形成方法
JP2016172819A (ja) 2015-03-17 2016-09-29 コニカミノルタ株式会社 活性光線硬化型インクジェットインク、画像形成方法およびインクセット
JP2018065891A (ja) 2016-10-17 2018-04-26 コニカミノルタ株式会社 インクジェットインクおよび画像形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020011381A (ja) 2020-01-23
EP3594004A1 (en) 2020-01-15
EP3594004B1 (en) 2021-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6390701B2 (ja) 活性光線硬化型インクジェット白色インクおよび画像形成方法
US10619060B2 (en) Actinic radiation curable inkjet ink, inkjet image forming method, and recording medium on which image has been formed using inkjet ink
JP5991371B2 (ja) インクジェットインクセット、及びこれを用いた画像形成方法
JP5862258B2 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク、およびインクジェット記録方法
WO2013161270A1 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク、及びこれを用いた画像形成方法
WO2016153035A1 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク及びインクジェット記録方法
JP6222030B2 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインクおよび画像形成方法
JP7088213B2 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインクセット及びインクジェット記録方法
WO2018131400A1 (ja) インクジェットインク組成物及び画像形成方法
JP2019104866A (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク
JP7081665B2 (ja) 画像記録方法
JP7127398B2 (ja) インクジェット記録方法及び活性光線硬化型インクジェットインクセット
JP7243166B2 (ja) 画像形成方法
JP6809458B2 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク及びインクジェット記録方法
JP2016141767A (ja) バイオレットインク、インクセットおよび画像形成方法
JP2017132861A (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク及びインクジェット画像形成方法
JP6627782B2 (ja) インクセットおよび画像形成方法
JP7423986B2 (ja) インクジェット用の活性線硬化型インクおよび画像形成方法
US20180147877A1 (en) Image
US11512212B2 (en) Actinic radiation-curable inkjet ink and image forming method
JP7413793B2 (ja) 活性線硬化型インクジェットインク、および画像形成方法
JP7255256B2 (ja) 画像記録装置及び画像記録方法
WO2017010462A1 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク、硬化膜の製造方法およびインクジェット画像形成方法
JP2022110414A (ja) インクジェットインク
JP2017128665A (ja) 活性光線硬化型インクジェットインクおよびインクジェット画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220719

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220801

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7127398

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150