JP2016081442A - 災害時誘導装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】災害時に様々な対象者に、確実に避難経路を示す誘導を実現できる災害時誘導装置を提供する。
【解決手段】本発明の災害時誘導装置は、避難地域に向かう避難経路を示す災害時誘導装置であって、支柱と、支柱に取り付けられて、避難対象者から視認可能な表示部と、表示部をアクティブ状態とする緊急信号を受信する受信部と、表示部および受信部の少なくとも一つを制御する制御部と、備え、制御部は、緊急信号を受信する場合に、表示部をアクティブ状態とし、表示部には、避難地域への避難方向、避難地域の住所、避難地域までの距離、避難経路、避難経路における移動方向、避難経路における次の災害時誘導装置までの方向および避難経路における次の災害時誘導装置までの距離の少なくとも一つが表示される。
【選択図】図4

Description

本発明は、道路上や道路周辺の構造物に設置される標識態様を有し、災害時には避難者を誘導する災害時誘導装置に関する。
街中、郊外、都心部、様々な場所には、当然ながら道路やこれに付随する歩道や路側帯が設けられている。諸般の理由で多くの人々は、歩行者や自転車に乗った状態などで、これら道路、歩道、路側帯を通行する。
ここで、車の通行を前提とした道路の幅や道路の種類は、地域や都市構造の発達度合いによって、様々である。人口密集地や商業地域では、多くの道路が網の目のように張り巡らされており、広域で車の通行を優先した道路もある。あるいは、幅の狭い道路であって、車の通行と歩行者や自転車などの通行とが混合している道路もある。
このような都市部の人口密集地や商業地域では、大小さまざまな道路が、網の目のように発達し、極めて複雑な道路網が形成されることが多い。もちろん、都市計画に従って、整然とした道路網が形成されている都市もあるが、道路そのものは、生活や交通の都合によって定まることが多いので、新たな道路が追加工事されたり、道路の拡張がなされたりすることもある。
一方、地方や人工が少ない地域では、国道や県道などの整備および管理がなされている道路もあれば、いわゆる昔ながらに作られて残っている道路や、私道も多くあり、道路の数は少ないが、道路網が複雑であることも多い。
加えて、道路においては、歩行者や自転車などは、車道ではなく、歩道や専用道路あるいは路側帯を通行することが求められることがある。これら歩道、専用道路あるいは路側帯は、すべての道路に設けられておらず、一部の道路にのみ設けられていることのほうが多い。これは地方や郊外においても同様である。
このような場合においては、道路は、車道と歩道とが兼用されている状態である。
また、道路網が複雑に発達している場合でも、基本的には道路は平面交差である。このため、道路網においては多数の交差点が存在する。交差点は、T字交差点であったり、4つ角であったり、更に複数の方向を向いた道路が集中する交差点であったりする。あるいは、交差点だけでなく、道路上にせり出した建物であったり、道路の屈曲や湾曲がさまざまに存在していたりする。これらの結果、道路網の複雑さは更に高まる。
また、市街地、郊外など関係なく、道路のあるところには建物はもちろんとして様々な施設がある。公園や、緑地帯、池、河川、人工物などである。このように、道路網や施設などによって、都市を初めとした商業地域や居住地域(以下、市街地域という。郊外、田舎などを含む概念である)は構成されている。
一方、我が国をはじめとして、市街地域では様々な災害が生じうる。火災、交通事故、工事現場での事故などの人災や、水害、洪水、地震、津波、雷などの天災も起こりうる。このような災害が市街地域で生じる場合には、人々は、非難をする必要がある。特に、我が国においては、2011年の東日本大震災以降、市街地域での災害における対策や避難計画を計画することが求められるようになっている。
もちろん、このような市街地域における災害は、我が国に限ったことではなく、世界各国において共通である。
この災害に対する対策や避難計画の一環として、市街地域には、避難誘導地域(避難場所)が設置されていることがある。例えば、通常はオフィスビルや公共施設のビルが、災害時の避難場所として指定されていたり、市街地域の公園や緑地帯が、災害時の避難場所として指定されていたりする。例えば、地震や洪水の場合には、ビルや公共施設が避難場所として指定されている。
あるいは、火災や地震の場合には、公園や緑地帯が避難地域として指定されていることがある。また、津波の場合にも、高台にある公園や広場が避難地域として指定されていることも多い。
このように、専用に用意されている場所や他の目的で用意されている場所や建造物が、災害時においては緊急避難的に、避難地域として指定されている。この避難地域の指定は、上述した災害対策や避難計画の一環として整備されていることが多い。
このような避難地域は、国民に対しては、地域ごとに広報誌やHPで周知されているが、多くの人はこれらの周知を十分に理解していないことが多い。あるいは、これらの周知手段へアクセスしようとしないことも多い。このため、自治体や地域が避難計画に基づいて避難地域を指定しても、いざ災害が生じた場合に、その場にいる人々は、避難地域を認識していなかったり避難地域への移動経路を知らなかったりすることが多い。
実際に、災害が発生した場合の被害の発生と拡大は、避難計画の不足や避難地域の不足に加えて、一般の人々の日常における避難への意識が低いことに起因しえている。避難地域の認識のなさや、避難地域への経路の不知が、被害の拡大を生じさせている側面がある。これは、例えばある地域で災害が生じた場合に、一定割合の人が避難地域や避難経路を知らないことによって、全体としてのパニックが生じたり、避難地域や避難経路を知っている人の実際の避難を妨げたりする等によっても、更に拡大する。
近年の研究によって、災害時の被害の拡大要因として、避難地域の確保や避難計画の不足に加えて、避難地域や避難経路を、一般の人々が理解していないことが大きいことが分かってきた。
とはいえ、どれだけ周知活動や広報活動を行っても、実際の災害にあった人でなければ、日ごろから避難に対する意識を高め、避難地域や避難経路を理解・熟知しておくことは少ない。このため、周知活動や広報活動に予算や時間をかけることは、災害時の被害低減には、効率性が低いことが指摘されてきている。
一方で、災害時の避難地域や避難経路は、当然ながら市街地域の通常の生活空間に存在している。公園や緑地帯も、平常時には普通の公園や緑地帯として使用されており、オフィスビルや公共施設は、平常時にはその目的のために使われている。避難経路となりうる道路(車道、歩道、専用道、その他を総称して道路という)も、平常時には交通のために存在している。
このような平常時には平常時のものとして使用されている場所や道路が、災害時に急に避難地域や避難経路として使用されることになる。すなわち、現代社会においては、平常時には本来の目的として使用されている建造物や場所が、災害時には避難地域に即座に変化しなければならない。
同様に、平常時には、交通のために存在している道路(道路網)が、災害時には、避難経路に即座に変化しなければならない。
このように、平常時の本来目的を妨げることを低減しつつ、災害時(緊急時も含む広い概念である)には、避難地域や避難経路を知らないその場の人々を、スムーズかつ確実に知らせて誘導する仕組みが求められている。特に、人々がパニックに陥ったりすることなく、的確な誘導が行われる仕組みが求められている。
このような状況で、様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。これらは、例えば、夜間の道路を歩行者その他に確実に認識させることなどを前提としている。
特開2005−163274号公報 特開2003−268732号公報 特開2005−31846号公報
特許文献1は、誘導発光部1 を発光させて導光板2内に光を導入して広い面積の誘導表示部3を発光させることで少ない光量で夜間における地震発生時の避難誘導を確実に行うことができると共に、誘導発光体1の発光時の消費電力量を抑えて長時間に亘って誘導機能を保持できる自発光式誘導装置を開示する。
特許文献1は、太陽電池、誘導灯、震度センサーを備えて、地震が生じた場合には、震度センサーによって誘導灯を発光させて歩行者等を地震発生時に誘導することを目的としている。
しかしながら、特許文献1は、誘導のためだけの装置であり、発光によって避難者を誘導することを目的としている。このため、平常時には不要である上、平常時には道路や市街地域において邪魔となりかねない。
また、発光のみで知らせるので、避難者が気づきにくいこともあり、全員に対して的確に通知して避難誘導できない問題を有している。気づきにくい人が、避難誘導の場所に存在していると、全体の避難誘導が乱れ、全体としての避難誘導が遅れて全員が災害の犠牲になることもあり得る。
また、特許文献1の技術は、例えば放送局や自治体の発する緊急信号を受けるかもしくは避難管理者によって手作業で一つ一つの装置の発光作業が実現される。市街地域においては、ビルや建物の林立や、狭い道路などの通信見通しの悪い部分が多く、緊急信号だけで、すべての装置を発光させることは難しい。手作業の場合には、避難が間に合わなかったり、やはり複雑な道路網の中で、必要な装置のすべてを発光させる作業を行うことが難しかったりする問題を有している。
特許文献2は、ケースと、ケースに取り付けられた発光素子と、発光素子を点滅させる点滅制御回路と、電源用バッテリと、を有する道路用発光装置において、道路用発光装置に信号受信装置を設けて点滅制御回路と電気的に接続し、整合点滅を指示する電波を受信することにより、発光素子の点滅が整合されるようにしたことを特徴とする道路用発光装置を、開示する。
特許文献2は、特許文献1の支柱形式と異なり、一種のユニットとして、道路の縁石の上に設置しつつ、点滅発光を行うことで、道路での歩道の境界などを視認しやすいことを目的としている。
しかしながら、特許文献2の道路用発光装置は、縁石等の上に設置することを目的としており、車道と歩道の境界などにおいて、表面に全てが露出してしまっている。このため、歩行者や車両による衝突などによって故障したり破損したりする問題もある。また、いたずらによる故障や盗難などの問題も有している。
また、点滅発光を整合させることによる車道と歩道の境界を視認できるので、車両にとっての視認には役立つが、歩行者にとっての視認には不十分である。また、設置される複数の発光装置の一部に故障などが生じると、点滅発光を整合させることができなくなり、不自然な点滅発光が発生する。このような不自然な点滅発光が道路上において生じていると、車両や歩行者をいたずらに惑わせ、却って事故の原因となる可能性もある。
加えて、特許文献2は、通常状態での視認には対応できる可能性があるが、災害時における歩行者等の適切な避難誘導には対応できない問題を有している。
特許文献3は、位置情報を示す特殊なパターンが配された複数の誘導部材と、歩行者が各誘導部材を通過する毎に特殊パターンを撮影する撮像機能と、その撮影画像から特殊パターンの位置情報を読み取って送信する通信機能とを備えた第1の歩行補助部材と、この第1の歩行補助部材から送信された位置情報に基づいて歩行者の現在位置を検出し、その近辺に関する案内情報を送信するサーバと、このサーバから送られる案内情報を受信する通信機能と、その案内情報を出力する出力機能とを備えた第2の歩行補助部材とを具備して構成されることを特徴とする歩行者誘導システムを開示する。
特許文献3は、撮像画像などに基づいて、歩行者の位置を検出して、歩行者を目的地に確実に誘導するシステムを目的としている。
しかしながら、特許文献3のシステムは、特殊な誘導部材、撮像装置、サーバー、その他の様々な装置やデバイスを必要とする。このため、非常に大掛かりな装置となり、設置コストや製造コストが大きくなり、現実的ではない。また、ある歩行者を対象とする場合には、正確かつ確実に避難場所に誘導することができるが、不特定多数の歩行者の通常状態での歩行の安全、安心を確保することはできない。当然に、不特定多数の歩行者の緊急状態での誘導を実現することも難しい。
特許文献3の技術では、不特定多数で、避難地域や避難経路を知らない人々の、災害時の緊急避難を実現することは極めて困難である。特許文献3は、特定歩行者のみを対象とした特殊な誘導を行うことができるに過ぎない。
このように、特許文献1〜3などを始めとする従来技術は次のような問題を有していた。
(問題1)平常時と災害時との相違を小さくして、市街地機能の低減を抑えつつも、災害時に確実に避難経路を示すことができない。
(問題2)災害時に、避難地域までを誘導する避難経路を、必要なすべての装置を、適切に認知させることが難しい。
(問題3)歩行者、自転車、自動車など、様々な態様の避難対象者のすべてに、避難経路を知らせることが難しい。
(問題4)簡便かつ低コストに実現することが難しい。
本発明は、これらの問題に鑑み、災害時に様々な対象者に、確実に避難経路を示す誘導を実現できる災害時誘導装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の災害時誘導装置は、避難地域に向かう避難経路を示す災害時誘導装置であって、
支柱と、
支柱に取り付けられて、避難対象者から視認可能な表示部と、
表示部をアクティブ状態とする緊急信号を受信する受信部と、
表示部および受信部の少なくとも一つを制御する制御部と、備え、
制御部は、緊急信号を受信する場合に、表示部をアクティブ状態とし、
表示部には、避難地域への避難方向、避難地域の住所、避難地域までの距離、避難経路、避難経路における移動方向、避難経路における次の災害時誘導装置までの方向および避難経路における次の災害時誘導装置までの距離の少なくとも一つが表示される。
本発明の災害時誘導装置は、簡便かつ低コストに実現できる。また、平常時には、避難経路を示す標識としてだけでなく、他の情報を表示する標識としても兼用が可能であり、市街地域での設置における費用対効果を高めることができる。
また、本発明の災害時誘導装置は、災害発生時に、光、音、点滅、においなど様々な手段で避難経路を案内できる。加えて、支柱として視線の高さに合わせた状態で設置されているので、歩行者、自転車、自動車など様々な避難者による視認が確実にできる。
また、緊急放送や緊急信号が届きにくい市街地や郊外であっても、設置されている複数の災害時誘導装置のいずれかが、他の災害時誘導装置に対して通信を行って、避難経路を示すのに必要な複数の災害時誘導装置を動作させることができる。
これらの結果、平常時の阻害を最小限にしつつ、災害時に、避難地域や避難経路を知らない避難者を適切に、避難地域に誘導できる。
本発明の実施の形態1における市街地域の模式図である。 本発明の実施の形態1における災害時誘導装置が設置された市街地域の模式図である。 図2と同じ状態で、避難経路が書き加えられた市街地域の模式図である。 本発明の実施の形態1における災害時誘導装置の斜視図である。 本発明の実施の形態1における避難方法を説明する模式図である。 本発明の実施の形態3における災害時誘導装置の模式図である。 本発明の実施の形態4における市街地域の模式図である。 本発明の実施の形態4における災害発生した場合を示す市街地域の模式図である。 本発明の実施の形態4における災害の発生した市街地域の模式図である。
本発明の第1の発明に係る災害時誘導装置は、避難地域に向かう避難経路を示す災害時誘導装置であって、
支柱と、
支柱に取り付けられて、避難対象者から視認可能な表示部と、
表示部をアクティブ状態とする緊急信号を受信する受信部と、
表示部および受信部の少なくとも一つを制御する制御部と、備え、
制御部は、緊急信号を受信する場合に、表示部をアクティブ状態とし、
表示部には、避難地域への避難方向、避難地域の住所、避難地域までの距離、避難経路、避難経路における移動方向、避難経路における次の災害時誘導装置までの方向および避難経路における次の災害時誘導装置までの距離の少なくとも一つが表示される。
この構成により、災害発生時に、通行者の目線に合わせた表示部が、避難地域や避難経路に関する情報を目立つように通知できる。結果として、災害発生時に避難対象者が、確実に避難できる。
本発明の第2の発明に係る災害時誘導装置では、第1の発明に加えて、支柱は、車道、歩道、専用道路、路側帯、建造物および構造物の少なくとも一つに設置される。
この構成により、災害時誘導装置は、市街地域での生活や業務を行っている一般の通行者が、災害時の避難対象者になる場合でも、最適に対応できる。
本発明の第3の発明に係る災害時誘導装置では、第1または第2の発明に加えて、アクティブ状態は、表示部を発光、点滅発光、音声の発生およびにおいの発生の少なくとも一つで実現される。
この構成により、避難地域や避難経路などを、より確実かつ目立つ手段で、避難対象者に知らせることができる。
本発明の第4の発明に係る災害時誘導装置では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、表示部が表示する避難経路の移動方向は、災害の種類および選択される避難地域の場所によって変化する。
この構成により、最適な避難経路を表示できる。
本発明の第5の発明に係る災害時誘導装置では、第4の発明に加えて、選択される避難地域は、緊急信号が含む情報によって定まる。
この構成により、最適な避難地域が選択された上で、表示部は、この最適な避難地域を誘導できる。
本発明の第6の発明に係る災害時誘導装置では、第4の発明に加えて、選択される避難経路は、緊急信号が含む情報によって定まる。
この構成により、避難経路は、緊急信号の指示によって定まり、最適な避難経路が、表示部に表示される。結果として、最適かつ確実な避難が実現できる。
本発明の第7の発明に係る災害時誘導装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、表示部、受信部および制御部の少なくとも一つに電力を供給する電力供給部を、更に備える。
この構成により、自発的に電力を生じることができ、災害時に使用できないことを防止できる。加えて、省エネも実現できる。
本発明の第8の発明に係る災害時誘導装置では、第7の発明に加えて、電力供給部は、太陽光発電、風力発電および熱発電の少なくとも一つの発電部を有する。
この構成により、省エネを実現できる。
本発明の第9の発明に係る災害時誘導装置では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、緊急信号を、近隣に設置されている他の災害時誘導装置に、個別緊急信号として送信可能な、送信部を更に備える。
この構成により、集合基地局からの緊急信号の受信が困難な災害時誘導装置も、動作して避難誘導できる。
本発明の第10の発明に係る災害時誘導装置では、第9の発明に加えて、受信部は、緊急信号および個別緊急信号の少なくとも一方を受信可能であり、緊急信号は、集合基地局から送信され、個別緊急信号は、送信部から送信される。
この構成により、受信能力の違いに応じた災害時誘導装置に合わせた緊急信号を発信できる。
本発明の第11の発明に係る災害時誘導装置では、第10の発明に加えて、制御部は、受信部が、緊急信号の受信が困難と判断する場合には、近接する他の災害時誘導装置の受信部でも緊急信号の受信が困難であると判断し、送信部に、個別緊急信号を送信させる。
この構成により、集合基地局から発信される緊急信号が受信困難な災害時誘導装置であっても、確実に緊急信号を受信できる。また、連鎖的に緊急信号がつながることで、避難経路の誘導も容易となる。
本発明の第12の発明に係る災害時誘導装置では、第10の発明に加えて、制御部は、自身を含む災害時誘導装置が、緊急信号を集合基地局から受信するのが難しい位置にあると設定されている場合には、送信部に、個別緊急信号を送信させる。
この構成により、集合基地局から発信される緊急信号が受信困難な災害時誘導装置であっても、確実に緊急信号を受信できる。また、連鎖的に緊急信号がつながることで、避難経路の誘導も容易となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
(市街地域と避難地域)
まず、都市部、住宅地、商業地、工業地域、郊外、田舎など様々な場所(以下、これらすべてを市街地域と呼ぶ)の状況と、災害時の避難地域を説明する。市街地域とは、本明細書中での説明の便宜のためであり、人口密集地や都心部に限った場所を示すのではなく、郊外や田舎であっても、災害の起こりうる可能性のある場所、住人あるいは住人以外で、災害から避難する必要のある人間のいる場所のすべてが、本明細書での市街地域である。
図1は、本発明の実施の形態1における市街地域の模式図である。市街地域200は、ある都市部の一例を示しているものであり、当然に市街地域200とは異なる様子や構造の市街地域は多数ある。田舎などであれば、道路網の複雑さは、少なくなる一方、道路の区画整理がなされていない状態であることも多い。
市街地域200は、複雑な道路網を有している。大きな幹線道路、狭い道路、複雑に入り組んだ道路、行き止まりとなっている道路など、様々な形態の道路が存在している。また、図1においては、複雑な道路網に加えて、図示はしていないが、道路網の中にオフィスビルや商業施設などが多数林立している。このため、歩行者、自転車、自動車などによる通行者は、平面方向の見通しがよくない。
図1のように、市街地域200を地図のように上から見る場合には、その地理の全体像がよくわかるが、実際の通行者は、目の前の道路や交差点、あるいは建造物以外は見えないのが実情である。
この市街地域200には、災害時に避難する避難地域100がある場所に指定されている。火災、地震、洪水、津波、大型事故、テロなどの災害時には、この指定された避難地域100に、市街地域200近辺に存在する通行者は、避難することが求められている。また、地域や自治体などによっても、災害時には、この避難地域100に避難することが、避難計画などで定められている。
しかし、従来技術で説明したように、市街地域200にいる人々がこの避難地域や避難計画を認識していることはまれである。ましてや、市街地域200が都心部であれば、住人以外が多く、地理に疎いことも多い。もちろん、避難地域100や避難計画を聞いたこともない人も多くいる。
また、図1から分かるとおり、道路網は極めて複雑であることが多く、市街地域200にいる通行者にとって、避難地域200を見つけてたどり着くことは容易ではない。上述の通り、地図を上から見るように市街地域200を見ることのできる通行者はいないので、図1の上方に存在する避難地域100の位置を、市街地域200にいる通行者が把握することは極めて困難である。
もちろん、市街地域200の様々な場所には地図があって避難地域100の場所を地図として知ることはできるかもしれないが、実際の移動の行動へとつなげることは極めて困難である。
図2は、本発明の実施の形態1における災害時誘導装置が設置された市街地域の模式図である。図3は、図2と同じ状態で、避難経路が書き加えられた市街地域の模式図である。
本発明の災害時誘導装置1は、図2、図3に示されるように、災害に対しての避難地域100が指定されている市街地域200に設置される。このとき、災害時誘導装置1は、図2、図3に示されるように、複雑な道路網に合せて、市街地域200の様々な場所にいる通行者を、異なるルートで同じ避難地域100に避難誘導できるように、様々な場所に設置されている。もちろん、様々な場所に設置されているといっても、適当に設置されているのではなく、市街地域200に存在する通行者の場所によって、最適なルートで避難地域100へ誘導できる避難経路を複数形成できるように、最適な場所のそれぞれに災害時誘導装置1が設置されている。
図2、図3では、このような避難経路を複数形成でき、かつ、市街地域200の様々な場所にいると想定される通行者の多くが、避難経路を把握して避難地域100に避難できるように、複数の災害時誘導装置1が設置されている。
なお、図2、図3では見易さのために、災害時誘導装置1の符号の付与は最小限としているが、同様の形状の要素は、災害時誘導装置1である。以下も、同じである。
図3は、図2のように市街地域200に複数の災害時誘導装置1が設置されている場合に、何らかの災害が生じた場合の、構成される複数の避難経路を示している。
図3の矢印のそれぞれは、避難経路のそれぞれを示している。図3から明らかな通り、災害が一つであって、避難地域100が一つに指定されている場合でも、災害発生時に通行者は様々な場所に存在する。避難地域100の目前にたまたま存在していることもあるし、離れた幹線道路に存在していることもある。あるいは、狭い道路に存在していることもあるし、ビルなどの建造物の内部にいることもある。通行者も歩行者である状態であったり、自転車に乗っている状態であったり、自動車に乗った状態であったりとさまざまである。
このように、災害発生時には、通行者は様々な状況で様々な場所にいる。このため、市街地域200にいるすべての通行者が同じ避難経路を用いて避難地域100に避難することは現実的ではない。避難経路の混雑やパニック、二次災害や事故を引き起こしかねないからである。もちろん、同じ避難経路のみを全員が使えば、渋滞の原因にもなるし、通行者の位置によっては、非常な遠回りでの、避難地域100への避難が実現されてしまうことにもなりかねない。
図3では、複数の避難経路が示されている。
後述するように、避難経路が複数の災害時誘導装置1によって形成されることにより、市街地域200での複数の避難経路が形成される。図3では、避難地域100に近い場所からの避難経路A(矢印A)、市街地域の中央の狭い道路からの避難経路B(矢印B)、幹線道路からの避難経路C(矢印C)、やや遠い地域のビル内からの避難経路D(矢印D)が示されている。
このように、同じ市街地域200でも、通行者のいる位置によって、最適な避難経路A〜Dが、形成される。この形成は、市街地域200に設置された複数の災害時誘導装置1によって実現される。後述するが、災害時誘導装置1は、避難経路を示すようにして、通行者に避難経路を誘導する。この誘導方向が避難経路A〜Dとなって形成される。
(災害時誘導装置の概要)
以上のように、災害時誘導装置1は、市街地域200での災害発生時に、様々な場所にいる通行者に合わせて避難経路を形成しつつ、形成された避難経路を、明確かつ確実に通行者に通知する。
図4は、本発明の実施の形態1における災害時誘導装置の斜視図である。災害時誘導装置1は、市街地域200の車道、歩道、専用道路、六対、建造物および構造物の少なくとも一つに設置される。図2、3では、これらのいずれかに設置されている状態が示されている。設置場所は、道交法や建造物の所有者との取り決めなどに加えて、自治体などで定められている避難計画にも基づいて、定められればよい。ただし、災害時誘導装置1は、複数の並びによって、避難地域100までの避難経路を形成するので、避難経路の形成に必要となる場所のそれぞれに、災害時誘導装置1が設置されることが必要である。このように設置されることで、災害時誘導装置1は、災害時に避難地域100に避難経路を示すことができるようになる。
災害時誘導装置1は、底部2、支柱3、表示部4、受信部7、制御部5を備えている。
災害時誘導装置1は、上述のように道路上などに設置され、通行者の視界の高さに合わせるようにして、避難経路を示すことが求められる。このため、支柱3によって一定の高さを持って設置されることが必要である。一定の高さとは、一般的な人間の身長を前提として、その前後の高さとなる程度である。
このように支柱3で設置されるので、設置場所において災害時誘導装置1が風や人の衝突などで倒れることは好ましくない。このため、支柱3が十分に丈夫かつ強度を有していると共に、重りとしての役割を有する底部2が設けられている。底部2は、例えば、コンクリートの塊などが用いられ、設置場所での固定を十分に達成できることが好ましい。
表示部4は、支柱3に取り付けられて、避難対象者である通行者から視認可能である。表示部4は、避難対象者に対して、避難地域100や避難地域100への避難経路などといった、重要な情報を表示する。例えば、避難地域100の住所を示したり、避難経路を道路名で示したりする。あるいは、次の災害時誘導装置1までの経路を示したりする。あるいは、避難地域100の方角を矢印でシンプルに表示して、避難対象者の避難を急がせることも可能である。
表示部4は、災害時以外は、避難経路等に関する情報を表示していてもよいが、別の情報を表示していてもよい。例えば、住所の表示などである。
受信部7は、表示部4をアクティブ状態とする緊急信号を受信する。図3には、集合基地局50が示されている。集合基地局は、災害が発生した場合に、様々な手段で災害発生を報知する。この報知に合せて、集合基地局50は、災害時誘導装置1に緊急信号を送信する。
集合基地局50からの災害発生の緊急信号を受信した受信部は、緊急信号を制御部5に伝える。制御部5は、表示部4および受信部7の少なくとも一つを制御する。制御部5は、この緊急信号に基づいて、表示部4の表示をアクティブ状態にする。
表示部4には、避難地域100への避難方向、避難地域100の住所、避難地域100までの距離、避難経路、避難経路における移動方向、避難経路における次の災害時誘導装置1までの方向および避難経路における次の災害時誘導装置1までの距離の少なくとも一つが表示される。
これらのいずれかが表示されることで、避難対象者は、どのような場所にいるとしても、複数の災害時誘導装置1の内で、もっとも身近で確認しやすい場所に設置されている災害時誘導装置1によって、避難地域100までの避難経路を把握・認識して、避難行動に移ることができる。
ここで、アクティブ状態とは、表示部4の発光、点滅発光、音声の発生およびにおいの発生の少なくとも一つで実現される。視覚障害や聴覚障害を有する避難対象者であっても、災害時誘導装置1によって、確実に避難地域100へ避難が可能となるからである。
(避難方法)
次に、実際の避難方法について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1における避難方法を説明する模式図である。災害発生時に、ある避難対象者Xが、市街地域の左下側にいると仮定する。このとき、集合基地局50は、災害の発生を通知する緊急信号を送信する。緊急信号は、その送信能力に応じて、市街地域200に渡って送信される。
ここで、市街地域200において設置されている複数の災害時誘導装置1によっては、建造物の陰であったり、狭い道路上であったりして集合基地局50からの緊急信号の受信が困難であったり不十分であったりすることもある。この場合については、後述する。
避難対象者Xにとっては、災害時誘導装置1Aがもっとも近接している。この近接により、避難対象者Xは、災害時誘導装置1Aの表示部4がアクティブ状態となっていることを認知できる。
ここで、上述の通り、表示部4には避難地域100への避難方向、避難地域100の住所、避難地域100までの距離、避難経路、避難経路における移動方向、避難経路における次の災害時誘導装置1までの方向および避難経路における次の災害時誘導装置1までの距離の少なくとも一つが表示される。
例えば、平常状態では、表示部4は、これらの情報を表示している。しかしながら、発光や点滅発光しておらず、通行者は認識はできるが気に留めない。しかし、災害発生時にアクティブ状態となると、表示部4が、発光や点滅発光して、すでに表示していたこれらの情報を、避難対象者Xが意識できるようにする。
あるいは、平常状態では、表示部4は、これらの情報が表示されておらず、別の情報が表示されていたり、情報の表示がされていなかったりしてもよい。例えば、その場所の住所やお店の広告が表示されていたりする。しかしながら、アクティブ状態となると、表示部4の表示する情報が切り替わり、上述のような避難地域100の位置や避難経路が表示されるようになることでもよい。
いずれの場合でも、避難対象者Xは、災害発生時に、身近にある災害時誘導装置1Aによって、災害の発生の認識と、避難地域100および避難経路の認識を得ることができる。
災害時誘導装置1Aは、その表示部4に例えば避難経路を表示したり、避難経路上にある次の災害時誘導装置1Bまでの経路に関する情報を表示したりする。もちろん、アクティブ状態の場合である。
避難対象者Xは、この表示部4の情報に従って、次の災害時誘導装置1Bまで移動する。次の災害時誘導装置1Bまで到達すると、災害時誘導装置1Bは、災害時誘導装置1Aと同じく、避難経路や次の災害時誘導装置1Cまでの経路に関する情報を表示していたりする。もちろん、避難地域100の住所を表示していてもよいし、避難地域100までの全経路を表示していてもよい。
避難対象者Xは、災害時誘導装置1Bの表示部4の情報に基づいて、次の段階にある災害時誘導装置1Cに到達できる。災害時誘導装置1Cは、災害時誘導装置1A,1Bと同様の情報を表示している。ここまで到達した避難対象者Xは、次の災害時誘導装置1Dに向けて移動を継続する。この結果、次の災害時誘導装置1Dに到達できる。
災害時誘導装置1Dは、やはりほかの災害時誘導装置1Aなどと同様の情報を表示しているので、避難対象者Xは、次の段階の災害時誘導装置1Eへの移動を認識できる。こうして、避難対象者Xは、最後の災害時誘導装置1Eへ移動を終えることができる。例えば、避難地域100への最後の災害時誘導装置1Eの表示部は、避難地域100がすぐそこである最終段階にあることを表示してもよい。このような表示により、避難対象者Xの避難に対する不安を和らげることができる。
災害時誘導装置1Eは、最終的に避難地域100の直前にあるので、避難対象者Xは、最終的に避難地域100に到達することができる。こうして、図5の市街地域200の左下にいた避難対象者Xは、複雑な道路網を迷うことなく、行くべき避難地域100に最適かつ最短(厳密な最短ではなく、リーズナブルな最短を含む)に、避難地域100に避難できる。
表示部4は、このような様々な表示を行いつつ、複数の災害時誘導装置1を連動させることで、様々な場所にいる避難対象者を、目的とする避難地域100に、最適、最短ルートで、避難誘導することができる。もちろん、ここでは、避難対象者Xを例として説明したので、避難経路Cで、避難対象者Xは、避難地域100に移動したが、他の場所にいる避難対象者は、別の避難経路での避難を実行する。
次に、各部の詳細について説明する。
(支柱、底部)
底部2は、上述の通りコンクリートや石などの重量物の塊であり、災害時誘導装置1の設置における強度を確保する。もちろん、人工組成物であってもよい。
底部2は、災害時誘導装置1が道路上などに設置される場合には固定に用いられ、建造物に埋め込まれる場合には、不要であることもある。
支柱3は、災害時誘導装置1の設置における骨格を形成する。
図4では、支柱3は、まっすぐに立っているが、設置場所の都合や表示部4の都合、あるいは受信部7の都合によって、折り曲げられていたり、湾曲していたりしてもよい。さまざまな形状によって、通行者が表示部4を見やすくなる。特に、アクティブ状態において、避難対象者が、表示部4の情報を無理のない視点で見ることができる。
(受信部)
受信部7は、集合基地局50からの緊急信号を受信できる。この緊急信号の受信によって、受信部7は、制御部5を通じて、表示部4をアクティブ状態にできる。言い換えれば、災害発生を知らせると共に、避難地域100への避難誘導を開始できるきっかけを作ることができる。
受信部7は、緊急信号を受信するアンテナとこれに必要な受信素子やアンプ素子を備えている。これらの素子を備えることで、無線信号が中心である緊急信号を受信できるからである。
もちろん、緊急信号が有線信号であってもよい。この場合には、受信部7はアンテナを備えるのではなく、有線ケーブルとの接続素子を備えている。受信部7は、受信した緊急信号を制御部5に伝達するので、その出力経路を有している。
なお、後述するが、受信部7は、集合基地局50からの緊急信号だけでなく、他の災害時誘導装置1からの個別緊急信号を受信することも可能である。このため、受信部7は、複数の意味合いを有する緊急信号を受信できる。
なお、必要に応じてAGCやノイズキャンセラーを有していることも好適である。
(基地局)
集合基地局50は、例えば自治体が有する緊急信号を発する設備や、この設備のサテライト設備である。あるいは、自治体などからの委託を受けた放送局、ラジオ局、民間放送局などである。いずれにしても、災害発生を認知することができる機能と、この認知に基づき即座に緊急信号を発生する機能を備えた設備である。
機能に加えて、公的に緊急信号を発信することが許可されている設備が、この集合基地局50である。
図3などでは、市街地域200に一つの集合基地局50が示されているが、一つに限られるものではなく、複数であってもよい。また、その規模や発信する緊急信号の強度も様々であってもよい。また、テレビ放送のように、中継局を有しており、中継局を経由して、広い地域に、緊急信号が発信されてもよい。
緊急信号は、発生した災害の種類、規模、場所、特性などによって、含む情報を決定すればよい。これは、集合基地局50によって構築されればよい。このため、緊急信号は、災害によって定めるべき避難地域の選択結果を、情報として含む。また、選択される避難地域が決定されることで、避難経路も定まる。この避難経路も、緊急信号が含む情報に含まれる。
言い換えれば、集合基地局50は、発生した災害、市街地域の特徴、時間の特徴、その他の特性に応じて、市街地域に指定される複数の避難地域を選択し、避難経路(単数とは限らず、複数であることもある。図4では複数である)を、決定する。この決定した避難地域および避難経路を情報に含んで、集合基地局50は、災害時誘導装置1に緊急信号を送信する。
結果として、受信部7が受信した緊急信号が含む情報によって、制御部5が表示部4にアクティブ状態で表示させるべき避難地域を決定して表示させる。同様に、受信部7が受信した緊急信号が含む情報によって、制御部5が表示部4にアクティブ状態で表示させるべき避難経路を決定して表示させる。もちろん、避難地域や避難経路を直接的に表示させるだけでなく、図5を用いて説明したように、避難地域や避難経路を、順々に把握できるように表示させることでもよい。
いずれにしても、制御部5は、受信した緊急信号の含む情報によって、避難場所と避難経路という大きな2つを、表示部4で表示させる。
以上のように、実施の形態1における災害時誘導装置1は、単数もしくは複数によって、災害発生時に、適切かつスムーズに、避難対象者を指定される避難地域100に避難誘導できる。結果として、災害による被害および二次被害を最小限に食い止めることができる。特に、避難対象者を、歩行者だけに限ることが無いので、全体最適の中で避難を実現できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
災害時誘導装置1は、表示部4などでの表示などのために電力を必要とする。災害時誘導装置1のそれぞれに電源が接続されて電力源から電力が供給されてもよいが、災害時には電力が途切れることもある。もちろん省エネの観点からも好ましくない。
このため、災害時誘導装置1は、図4に示されるように自前の電力供給部6を備えることも好適である。
この電力供給部6は、太陽光発電、風力発電および熱発電の少なくとも一つの発電部を有していればよい。図4では、太陽光発電が発電部である電力供給部6が示されている。このように、再生可能エネルギーによる発電部を有する、電力供給部6が備わることで、災害時誘導装置1は、自前で電力を確保できる。この自前で確保した電力は、表示部4、受信部7、制御部5などに供給される。
以上、実施の形態2における災害時誘導装置1は、省エネを実現でき、避難に必要となる多数の設置が実現できる。また、電力供給が困難な場所であっても、災害時誘導装置1を設置できるようになる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、集合基地局50からの緊急信号を受信しにくい場合の対応を説明する。
図6は、本発明の実施の形態3における災害時誘導装置の模式図である。図6では、隣接する2台の災害時誘導装置1Aと1Bとが設置されている状態が示されている。災害時誘導装置1Aと災害時誘導装置1Bのそれぞれは、実施の形態1、2で説明したものと同様の構成と機能を有する装置である。このため、実施の形態1、2で説明した要素の説明については、適宜省略するが、同様の要素や要素による機能が発揮されて、緊急信号を受けて、避難対象者に避難経路を示す役割を果たす。
実施の形態2で説明したように、火災、地震、津波、洪水、河川の氾濫、大型事故、その他の災害が発生した場合には、災害の発生の検知と報知を行う集合基地局50が、緊急信号を送信する。市街地域20に多数設置されている災害時誘導装置1は、この緊急信号を受信部7で受信する。この受信する緊急信号は、避難地域100や避難経路などの情報を含んでおり、これらの情報に基づいて、災害時誘導装置1は、表示部4をアクティブ状態とする。
表示部4は、アクティブ状態となることで、発光、点滅発光、音声、においなど、人間の五感に訴える形式で避難経路等を示して、避難を促すことができる。例えば、表示部4は、避難地域100への避難方向、避難地域100の住所、避難地域100までの距離、避難経路、避難経路における移動方向、避難経路における次の災害時誘導装置1までの方向および避難経路における次の災害時誘導装置1までの距離の少なくとも一つを表示する。
避難対象者は、これらの情報に基づいて、災害時誘導装置1の表示部4を確認しながら、市街地域200で指定されている避難地域100へ避難できる。
ここで、市街地域200には多くの災害時誘導装置1が設置されている。市街地域200は、複雑な道路網を有している。広い幹線道路もあれば、狭い道路や曲がりくねった道路もある。道路によっては、自動車の交通量が多い場所もあり、携帯電話の基地局などの電波の発生源があるところもある。
また、複雑な道路網によって、災害時誘導装置1の設置可能な場所もさまざまに変わってくる。例えば、車道の脇に設置できて見通し良い場所に設置できる場合もある。あるいは整備された歩道に設置されてやはり見通しの良い場所に設置できる場合もある。いずれも、例えばバス停などと同じような設置のされ方である。
一方で、歩道のない車道では、車道ぎりぎりに迫っている建造物に迫るようにして設置されなくてはならない。もちろん、狭い道路においても、建造物に迫るように設置される必要がある。これらの場合には、災害時誘導装置1の見通しは極めて悪い。特に、受信部7の見通し(指向性)が悪くなり易い。
また、道路網だけでなく、市街地域には様々な障害物がある。ビルや高層建築物などの建造物は、当然に地上に設置されている災害時誘導装置1の見通しを悪くする。行きかう自動車も、災害時誘導装置1の見通しを不定期に悪化させる。あるいは、商店や娯楽施設などのように、建造物として見通しを悪くするだけでなく、電磁波の発信などによって、災害時誘導装置1の受信部7の受信感度を低下させる建造物もさまざまに存在する。
加えて、道路網の複雑さと建造物の複雑さとは、無関係に存在する上に組み合される。すなわち、複雑な道路網と複雑な建造物のランダムかつ無関係な組み合わせによって、市街地域200に設置された複数の災害時誘導装置1によっては、集合基地局50から送信される緊急信号を受信困難なものがある。これは、上述のように、道路網や建造物の遮蔽によって受信困難となることもあり、集合基地局50の位置や緊急信号の指向性や強度によって、緊急信号が受信困難となる可能性もある。
もちろん、災害時誘導装置1の緊急信号の受信感度は、集合基地局50の位置や能力、市街地域200の道路網や建造物の状態、設置されている災害時誘導装置1の位置や設置状態などの様々な組み合わせに依存する。このため、集合基地局50や災害時誘導装置1の設置位置や能力の改善だけでは、受信感度をすべて改善することは困難である。
また、集合基地局50は、緊急信号を無線信号として発信するので、電波法などの規制によって、その指向性や強度が制限される。このため、集合基地局50の無制限な能力向上で、すべての災害時誘導装置1に緊急信号の受信を可能とさせることも困難である。
あるいは、集合基地局50を増加させることも考えられるが、コストや設置場所、もちろん設置許可(規制や法律による)などの面から、実現できないことも多い。
このような状況で、図3の矢印で説明したような様々な避難経路を避難対象者に通知するために必要となる災害時誘導装置1のいずれかが受信不可能であることは好ましくない。緊急信号を受信できないことは、すなわち表示部4がアクティブ状態とならず、避難対象者を避難経路に従って順々に誘導できないことになるからである。
このような場合には、災害時誘導装置1は、自立して自らが緊急信号を近接する他の災害時誘導装置1に送信する機能を有することで解決することが適当である。
図6は、このような状態を示している。すなわち、集合基地局50から送信される緊急信号のみで不足する場合には、災害時誘導装置1そのものが、中継局の役割を果たしつつ、集合基地局50からの緊急信号の送信を補うことができる。
このため、図6に示されているように、災害時誘導装置1は、近接に設置されている他の災害時誘導装置1に、集合基地局50から受信した緊急信号を、個別緊急信号として送信可能な送信部9を更に備える。送信部9は、受信部7で受信した緊急信号を、そのまま、もしくは周波数や強度などを加工して、近接する災害時誘導装置1に個別緊急信号として送信する。
この送信においては、図6では、災害時湯動装置1Aが、個別緊急信号を隣接する災害時誘導装置1Bに送信する状態を示している。このとき、送信部9が、送信する個別緊急信号を、集合基地局50から受信した緊急信号を確認して、これに必要な加工を施して送信信号を生成する。
必要な加工は、上述の通り、緊急信号の含む情報をそのままに、周波数や強度を変更する。あるいは、必要な場合には、変調方式を変更して、近接する距離感での送受信を容易とする加工がおこなわれてもよい。あるいは、場合によっては、含まれる情報も加工されて、必要最小限の情報のみにされた状態で、個別緊急信号が生成されてもよい。
送信部9は、このように、受信部7を介して受信した緊急信号を必要な加工を施して、近接する災害時誘導装置1へ送信する個別緊急信号を生成する。
また、図6に示されるとおり、送信部9で生成された個別緊急信号は、受信部7の送信機能によって、近接する災害時誘導装置1に送信されればよい。通常、受信部7は、アンテナと受信素子およびチューナーなどで構成されているので、送信機能も有している。災害時誘導装置1の受信部7も、アンテナなどのこれらの要素を有しており、受信部7は、送信部9で生成された個別緊急信号を送信することができる。
図6では、災害時誘導装置1Aが、集合基地局50から、通常の緊急信号を受信する。災害時誘導装置1Aは、設置場所の適切さにより、集合基地局50からの緊急信号をそのまま確実に受信できる。災害時誘導装置1Aの受信部7は、集合基地局50からの緊急信号をそのまま受信し、制御部5の機能によって、表示部4をアクティブ状態にする。このアクティブ状態によって、避難対象者は、避難を実行できる。
一方、近接する災害時誘導装置1Bは、周囲環境から集合基地局50からの緊急信号を受信しにくい。経験的にわかっていたり、災害時誘導装置1Aが相互の交信を行っていることによって把握したりできることもある。あるいは、集合基地局50から災害時誘導装置1Bへの過去の緊急信号の送信状態から、集合基地局50は、災害時誘導装置1Bの受信感度が悪いことを把握している。
このような場合には、集合基地局50は、送信する緊急信号の中に、受信感度の悪い災害時誘導装置1のID番号の情報を含んでおくことができる。災害時誘導装置1Aは、この情報に基づいて、送信部9で個別緊急信号を生成する。あるいは、災害時誘導装置1Aそのものが自ら送信部9で個別緊急信号を生成する。
このようにして生成された個別緊急信号が、災害時誘導装置1Aの受信部7の送信機能を用いて、近接する災害時誘導装置1Bの受信部6へ個別緊急信号を送信できる。
集合基地局50からの緊急信号の受信が困難である災害時誘導装置1Bは、近接する災害時誘導装置1Aからの個別緊急信号を受信できる。この個別緊急信号も、緊急信号と同様の情報を含んでいるので、災害時誘導装置1Bは、表示部4をアクティブ状態とする。この結果、災害時誘導装置1Aに続いて、災害時誘導装置1Bの表示部4の表示を見て避難経路を誘導できるようになり、避難対象者は、避難地域100へ、スムーズかつ確実に避難できる。
このように、災害時誘導装置1の受信部7は、集合基地局50からの緊急信号および災害時誘導装置1からの個別緊急信号の少なくとも一方を受信可能である。もちろん、両方を受信可能であり、状況や受信感度によって切り替えつつ受信してもよい。あるいは、両方を受信する設定となっており、両方の信号に基づいて、表示部4をアクティブ状態としてもよい。
いずれを受信するか、両方を受信するかは、災害時誘導装置1のそれぞれにおいて、何らかの閾値や条件を定めておいて、両方の信号に基づいて表示部4のアクティブ状態を生成するか、いずれかの信号を優先して表示部4のアクティブ状態を生成するかを決めてもよい。
このように、図6に示されるように、集合基地局50からの緊急信号を直接的に確実に受信できない可能性のある災害時誘導装置1Bについては、近接する災害時誘導装置1Aからの個別緊急信号によって対応し、災害時誘導の機能を果たす。もちろん、更に別の災害時誘導装置1が存在する場合には、これに対しても、近接する災害時誘導装置1から個別緊急信号が送信され、個別緊急信号の連鎖によって、避難経路を示すために必要となるルート沿いのすべての災害時誘導装置1が、その機能を発揮してもよい。
例えば、ある特定で起点となる災害時誘導装置1のみが、集合基地局50からの緊急信号を受信する。この受信によって、この基点となる災害時誘導装置1は、表示部4をアクティブ状態とするとともに、送信部9で、個別緊急信号を生成する。
その後、避難経路に従った他の災害時誘導装置1に対して、数珠つなぎのように連鎖的に個別緊急信号を送信して、それぞれの災害時誘導装置1の表示部4をアクティブ状態にしていく。この数珠つなぎのアクティブ状態の連鎖によって、集合基地局50からの緊急信号を基点として、災害時誘導装置1の送信部9が生成する個別緊急信号が繋ぎながら、避難経路を案内できる。
ここで、制御部5は、受信部7が、集合基地局50からの緊急信号の受信が困難と判断する場合には、近接する他の災害時誘導装置1の受信部7でも緊急信号の受信が困難であると判断する。この判断結果によって、制御部5は、送信部9に指示命令を出して、個別緊急信号を生成させてもよい。このように、ある災害時誘導装置1の受信感度に基づいて、個別緊急信号の生成を行えばよい。
あるいは、制御部5は、自身が含まれている災害時誘導装置1が、生集合基地局50からの緊急信号を受信するのに難しいと判断される位置に設置されていると判断する場合には、送信部9に指示命令を出して、個別緊急信号を生成させてもよい。これは、経験則的に制御部5が判断してもよい。あるいは、設置の段階で、制御部5にこのような処理を行うプログラムを組み込んでいてもよい。
経験的あるいは設置状況ですでに分かっている状態であれば、制御部5の記憶する記憶部に、自身あるいは近接する災害時誘導装置1が、集合基地局50からの緊急信号の受信感度が低いとの情報が組み込まれている場合には、制御部5は、個別緊急信号を生成させて、近接する災害時誘導装置1の表示部アクティブ状態を実現できる。
以上のように、実施の形態3における災害時誘導装置1は、集合基地局50からだけではなく、自身でも個別緊急信号を送信して、周囲の災害時誘導装置1の避難誘導の動作を実現できる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。
実施の形態4では、図1などで説明したことと重複する部分もあるが、複数の災害時誘導装置が、市街地域200で最適な避難地域や避難経路を選択、誘導する災害時誘導システムを説明する。
図7は、本発明の実施の形態4における市街地域の模式図である。図1と同じように、複雑な道路網や複雑な建造物の構築がなされている。このような市街地域200は、形態を変えつつ、様々な場所に存在する。加えて、図7の範囲に図示できないだけで、市街地域200は、更に外側にも広がっている。
このような市街地域200において、複数の災害時誘導装置1が道路網の複数の所定位置に設置されている。すでに説明した通り、車道、歩道、専用道、建造物、その他の場所であって設置可能であり、避難経路を誘導するために必要な場所に、複数の災害時誘導装置1がさまざまな場所に設置されている。
ここで、図7は、図1と異なり、避難地域が複数指定されている。図7では、避難地域100とこれと離隔した場所にある避難地域101とが指定されている。このような市街地域200における複数の避難地域の指定は、災害発生の頻度や、市街地域200の複雑さや人口などによって生じうる。
図7では、右上の避難地域100と左下の避難地域101との2つの避難地域が指定されている。災害発生場所によっては、両方の避難地域100、101が使用されることもよいし、いずれかの避難地域100、101が使用されることでもよい。あるいは、避難対象者の数によって、両方の避難地域100、101が使用されることでもよい。
図7においては、何らかの災害が発生することがある。この場合には、集合基地局50は、市街地域200の複数の避難地域100と避難地域101とのいずれかから、最適な避難地域を選択する。もちろん、複数の避難地域があれば、その中から最適な避難地域を選択する。また、選択される避難地域は、1か所だけとは限らず、災害の種類、発生場所、市街地域の人口、市街地域の人口態様などに応じて、2か所以上の避難地域が選択されてもよい。
集合基地局50が、複数の避難地域を選択する場合には、選択された複数の避難地域の住所等の情報が、送信される緊急信号に含まれる。この緊急信号を受けた災害時誘導装置1は、当該情報に基づいて、最寄りあるいは誘導が容易な避難地域を選択して、表示部4のアクティブ状態を通じて、避難対象者に避難経路を通知する。この場合には、設置されている複数の災害時誘導装置1によっては、異なる表示が、表示部4になされることがあり得る。
ここで、集合基地局50が選択する最適な避難地域は、最適避難地域として定義される。この最適避難地域として定義された避難地域に対して、避難対象者を誘導する場合に、設置された複数の災害時誘導装置1から、必要となる最適災害時誘導装置1が選択されてもよい。この選択される最適災害時誘導装置1のみが、表示部4をアクティブ状態にして、必要な避難経路などの情報を、避難対象者に提供する。
図8は、本発明の実施の形態4における災害発生した場合を示す市街地域の模式図である。図8は、図7と同様の構成を有する市街地域200を示している。
ここで、市街地域の右側において災害発生が生じたとする。災害発生120は、例えば火災であったり、大型交通事故やテロであったりする。この市街地域200には、右上の避難地域100と、左下の避難地域101が、あらかじめ指定されている。
この指定に基づいて、集合基地局50は、本来的にはこれら2か所の避難地域100、101を、避難地域としての情報を含む緊急信号を発信する。しかし、災害発生地120は、避難地域100に近く、避難地域101からは遠い。また、避難経路を示す場合にも、避難地域100のほうが分かりやすい。
このような場合には、集合基地局50は、最適避難地域として、避難地域100を選択する。この選択結果を含む緊急情報を、最適災害時誘導装置1のみに、発信する。図8では、最適災害時誘導装置として、災害時誘導装置11A、11B、11C、11Dが選択される。
災害発生地120を考慮すると、この最適災害時誘導装置11A、11B、11C、11Dのみを用いることで、災害発生地120からの最適避難地域100への誘導が、早期かつ簡潔に行えるからである。
特に、災害発生地120での災害が火災や交通事故などであれば、その場から離れるだけで避難が完了する。この場合には、災害発生地120の近隣者だけが、避難対象者として避難できればよい。これらを考慮して、最適災害時誘導装置11A、11B、11C、11Dの順序による矢印Eで避難対象者を避難させればよい。この避難経路Eによって、避難としての目的が十分かつ簡便に達成される。
この結果、避難に要するコストや避難後の混乱やコストを低減できる。
なお、この場合に、災害発生地120から避難地域100にかけての最適災害時誘導装置11A、11B、11C、11Dの順序で、表示部4がアクティブになるように設定されていることも好適である。このような順番でのアクティブ状態により、これに従う形での避難対象者の避難が容易かつ確実になるからである。
なお、この順番でのアクティブ状態の成立は一度だけでなく、避難対象者の時差に合せて、何度か繰り返されてもよい。
この避難経路Eや災害発生地120の付近以外の通行者は、災害の種類に基づいて、避難地域100に避難しなくても大きな問題が生じにくい。この結果、最小限のコストや負担で、十分な避難が実現される。ここで、避難経路を確実とするために、最適避難時誘導装置は、複数が選択されている。
なお、もちろん、最適災害時誘導装置1以外にも緊急信号を発信してもよい。避難対象者ではないが、災害発生を知ることができるからである。この場合にも、最適避難地域を優先した表示を行わせることが好適である。
あるいは、災害が、災害発生地120で生じたとしても、避難地域100と避難地域101の両方が、最適避難地域として選択されてもよい。この場合には、避難地域100への避難経路と避難地域101への避難経路が明確になるような情報を含んだ緊急信号が、集合基地局50から発信される。
図9は、本発明の実施の形態4における災害の発生した市街地域の模式図である。
災害発生は、図8と同じような場所である災害発生地120で生じている。しかし、災害の種類が河川の氾濫や洪水、テロ等であれば、その付近の人のみでなく、周辺を含めた通行者が、広く分散しつつ避難することが求められる。
この場合には、図9のように、集合基地局50は、避難地域100と避難地域101の両方を、最適避難地域として選択する。この選択結果を含んだ情報を、緊急信号として発信する。このため、市街地域200において、避難地域100と避難地域101とへの避難経路となる災害時誘導装置1にのみ、緊急信号が発信されてもよい。
この場合には、図9のように、矢印Eと矢印Gで表される避難経路Eと避難経路Gとが、避難経路として選択される。この避難経路Eと避難経路Gとのみを、避難対象者に明確に通知するために、集合基地局50は、避難経路Eと避難経路Gとの両方に係る災害時誘導装置1を、最適災害時誘導装置として選択する。この選択した最適災害時誘導装置のみに、緊急信号を発信する。
この発信によって、最適災害時誘導装置のみが、表示部4をアクティブ状態として、避難経路Eと避難経路Gとのみを、目立たせるように表示できる。結果として、効率よく、災害発生地120から、2か所の避難地域100、101に、避難対象者を避難させることができる。
あるいは、集合基地局50は、市街地域200全域の災害時誘導装置1に緊急信号を発信してもよい。最適避難地域としては、避難地域100、101とが選択されているが、市街地域200全域の様々な場所に避難対象者が存在する。このため、避難経路E、G以外の避難経路も含めて、市街地域200に存在する通行者を避難対象者として、避難地域100、101に避難させることができる。
この場合には、コストや手間はかかるが、災害の種類によっては、災害による被害や二次災害をより低くできるメリットがある。
このように、様々な避難経路の誘導が可能である。
このため、表示部4は、避難経路を表示することでもよいし、避難経路の候補を複数表示することでもよい。また、平常状態では、住所や広告などが表示されているが、災害発生時のみに、避難地域100や避難経路が表示されるように、表示目的や表示ジャンルが切り替えられることも好適である。この切り替えによって、通行者に、避難時誘導装置1の意味合いをすぐに知らせることができ、避難への意識を即座に高めさせることができるからである。
なお、実施の形態3で説明したように、最適災害時誘導装置として選択された災害時誘導装置1の内で、集合基地局50からの緊急信号の受信が困難な場合には、個別緊急信号の伝達で対応することでよい。個別緊急信号によって、受信困難な災害時誘導装置が、いずれもその役割を果たせるようになるからである。
なお、図8、9では、図示の関係上、2か所の最適避難地域を示したが、3か所以上であってもよい。
以上、実施の形態4における災害時誘導システムは、最適な避難地域、最適な避難経路などを決定した上で、災害発生地との関係に基づく、最適かつ最善の避難を実現できる。
なお、実施の形態1〜4で説明された避難時誘導装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 避難時誘導装置
2 台
3 支柱
4 表示部
5 制御部
6 電力供給部
7 受信部
100、101 避難地域
200 市街地域

Claims (17)

  1. 避難地域に向かう避難経路を示す災害時誘導装置であって、
    支柱と、
    前記支柱に取り付けられて、避難対象者から視認可能な表示部と、
    前記表示部をアクティブ状態とする緊急信号を受信する受信部と、
    前記表示部および前記受信部の少なくとも一つを制御する制御部と、備え、
    前記制御部は、前記緊急信号を受信する場合に、前記表示部をアクティブ状態とし、
    前記表示部には、前記避難地域への避難方向、前記避難地域の住所、前記避難地域までの距離、前記避難経路、前記避難経路における移動方向、前記避難経路における次の前記災害時誘導装置までの方向および前記避難経路における次の前記災害時誘導装置までの距離の少なくとも一つが表示される、災害時誘導装置。
  2. 前記支柱は、車道、歩道、専用道路、路側帯、建造物および構造物の少なくとも一つに設置される、請求項1記載の災害時誘導装置。
  3. 前記アクティブ状態は、前記表示部を発光、点滅発光、音声の発生およびにおいの発生の少なくとも一つで実現される、請求項1または2記載の災害時誘導装置。
  4. 前記表示部が表示する避難経路の移動方向は、災害の種類および選択される前記避難地域の場所によって変化する、製空港1から3のいずれか記載の災害時誘導装置。
  5. 選択される前記避難地域は、前記緊急信号が含む情報によって定まる、請求項4記載の災害時誘導装置。
  6. 選択される前記避難経路の移動方向は、前記緊急信号が含む情報によって定まる、請求項4記載の災害時誘導装置。
  7. 前記表示部、前記受信部および前記制御部の少なくとも一つに電力を供給する電力供給部を、更に備える、請求項1から6のいずれか記載の災害時誘導装置。
  8. 前記電力供給部は、太陽光発電、風力発電および熱発電の少なくとも一つの発電部を有する、請求項7記載の災害時誘導装置。
  9. 前記緊急信号を、近隣に設置されている他の前記災害時誘導装置に、個別緊急信号として送信可能な、送信部を更に備える、請求項1から8のいずれか記載の災害時誘導装置。
  10. 前記受信部は、前記緊急信号および前記個別緊急信号の少なくとも一方を受信可能であり、
    前記緊急信号は、集合基地局から送信され、
    前記個別緊急信号は、前記送信部から送信される、請求項9記載の災害時誘導装置。
  11. 前記制御部は、前記受信部が、前記緊急信号の受信が困難と判断する場合には、近接する他の前記災害時誘導装置の受信部でも前記緊急信号の受信が困難であると判断し、前記送信部に、前記個別緊急信号を送信させる、請求項10記載の災害時誘導装置。
  12. 前記制御部は、自身を含む前記災害時誘導装置が、前記緊急信号を前記集合基地局から受信するのが難しい位置にあると設定されている場合には、
    前記送信部に、前記個別緊急信号を送信させる、請求項10記載の災害時誘導装置。
  13. 複数の請求項1から12のいずれか記載の前記災害時誘導装置と、
    前記災害時誘導装置に前記緊急信号を送信する集合基地局と、を、備え、
    前記複数の前記災害時誘導装置が、道路網の複数の所定位置に設置されている、災害時誘導システム。
  14. 前記集合基地局は、ある市街地域で災害が発生した場合に、前記市街地域に設けられている複数の避難地域から最適避難地域を選択する、請求項13記載の災害時誘導システム。
  15. 前記集合基地局は、前記複数の前記災害時誘導装置から、選択した前記最適避難地域への誘導に最適である最適災害時誘導装置を選択して、前記緊急信号を送信する、請求項14記載の災害時誘導システム。
  16. 前記最適災害時誘導装置は、複数である、請求項15記載の災害時誘導システム。
  17. 前記複数の前記最適災害時誘導装置の内、前記緊急信号の受信が困難と判断する前記最適災害時誘導装置がある場合には、受信困難な前記最適災害時誘導装置の近隣の前記最適災害時誘導装置に、個別緊急信号の送信を指示する情報を含んだ、前記緊急信号を送信する、請求項15または16記載の災害時誘導システム。
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