JP2012198652A - 浸水警報発信システム及び方法 - Google Patents

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Kota Okazaki
耕太 岡崎
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Norihiko Kajimura
典彦 梶村
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Abstract

【課題】水害を抑制する上で、最も浸水の可能性の高い箇所に対してより優先的に浸水警報を発信させる。
【解決手段】中心設置体2を中心としたその周囲に複数に亘り設置されている各周囲設置体3により、その設置箇所における気象データを検出し、検出した気象データに基づいて当該設置箇所において大雨が降るか否かを予測し、当該設置箇所における大雨を予測した場合には危険度を知らせるための危険通知情報を発信し、中心設置体2により、周囲設置体3からの危険通知情報を受信した場合に周囲に浸水警報を発信する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ゲリラ豪雨に伴う都市型水害の被害を抑制する上で、最も浸水の可能性の高い箇所に対してより優先的に浸水警報を発信させる上で好適な浸水警報発信システム及び方法に関する。
近年、地球温暖化の影響等により、ゲリラ豪雨と呼ばれる局所的で突発的な集中豪雨が多発している。このゲリラ豪雨が発生すると、河川や地下道に大量の水が急激に流入する。特に近年における都市化の進展による雨水の不浸透面積率も上昇しており、道路の地下に設けられた雨水貯留槽への雨水流入スピードは年々増大する傾向にある。これに加えて上述した都市部におけるゲリラ豪雨も相俟って、都市型水害のリスクが増大し、家屋の浸水の危険性も高まっている。
このため、かかる都市型水害による浸水の危険性を予測するためのシステムが従来において提案されている。特許文献1の開示技術によれば、対象地域の降雨資料データと、リアルタイムの降雨データに基づいて降雨・流量実績等を検出し、対象地域の地形データや家屋状況データ、土地利用状況等のデータより雨水の流出量を算出し、最終的にその対象地域における浸水量と浸水位置および範囲を予測するとともに強制排水の管理までも制御するものである。
また、特許文献2の開示技術によれば、過去の浸水発生日の浸水範囲データと降雨量データ等をデータベースに保存しておき、次に解析に使用する浸水範囲データと降雨量データを選択する。実際の解析は、設定されたメッシュ分割条件に沿ってメッシュ分割し、各メッシュ領域内の浸水面積のメッシュ領域面積に対する比と、設定された浸水面積比とを比較して浸水有無データを作成し、これに基づいて浸水予測を行う。
また、特許文献3の開示技術は、浸水予測に特化した技術ではないが、防災体制の発令基準情報や照合基準情報に基づいて、どのような防災体制が望ましいかを選定できるようにした技術であり、勿論水害対策にも適用可能である。即ち、この特許文献3の開示技術によれば、水害に関する現況情報を入力することにより、当該水害に対して最も適切な防災体制を選別することができ、水害の状況に応じて防災体制の解除を含めて防災体制の見直しをすることができる。
更に、特許文献4の開示技術によれば、災害時において有線通信の通信線が切断された場合においても、公衆通信網を介すことなく情報伝達が可能なシステムも提案されている。
特開2002−298063号公報 特開2010−54266号公報 特開2006−53831号公報 特開2010−81005号公報
特にゲリラ豪雨による都市型水害では、最も浸水可能性の高い箇所において一気に浸水が生じ、その後徐々にその周囲へと浸水が広がっていく。このため、先ずはその最も浸水可能性の高い箇所の住民に対して、その注意喚起や警報を最優先に行うことで、その被害や犠牲を最小限に抑えることができる。
しかしながら、上述した開示技術は、何れも最も浸水可能性の高い箇所に対する浸水警報を最優先に考えた技術ではない。特に浸水の可能性が低い地域と、浸水の可能性が高い地域とを特に差別化することなく平均的に浸水予測をするシステムとされている場合には、最も浸水可能性の高い箇所への注意喚起や警報を行うことについて当然に特化されたものではなく、その分においてその住民への被害リスクが大きくなることは言うまでも無い。
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ゲリラ豪雨に伴う都市型水害の被害を抑制する上で、最も浸水の可能性の高い箇所に対してより優先的に浸水警報を発信させることが可能な浸水警報発信システム及び方法に関するものである。
本発明を適用した浸水警報発信システムは、上述した問題点を解決するために、中心設置体と、上記中心設置体を中心としたその周囲に複数に亘り設置されている周囲設置体とを備え、上記各周囲設置体は、その設置箇所における気象データを検出する検出手段と、上記検出手段により検出した気象データに基づいて当該設置箇所において今後大雨が降るか否かを予測する予測識別手段と、上記予測識別手段により当該設置箇所における大雨を予測した場合には危険度を知らせるための危険通知情報を発信する発信手段とを有し、上記中心設置体は、上記周囲設置体からの危険通知情報を受信する受信手段と、上記受信手段により上記危険通知情報を受信した場合に周囲に浸水警報を発信する浸水警報発信手段を有することを特徴とする。
本発明を適用した浸水警報発信システムは、中心設置体と、上記中心設置体を中心としたその周囲に複数に亘り設置されている周囲設置体とを備え、上記各周囲設置体は、その設置箇所における降雨量を検出する検出手段と、上記検出手段により検出した降雨量に基づいて当該設置箇所において現在大雨が降っているかを識別する予測識別手段と、上記予測識別手段により大雨を識別した場合には危険度を知らせるための危険通知情報を発信する発信手段とを有し、上記中心設置体は、上記周囲設置体からの危険通知情報を受信する受信手段と、上記受信手段により上記危険通知情報を受信した場合に周囲に浸水警報を発信する浸水警報発信手段を有することを特徴とする。
このとき、周囲設置体は、上記予測識別手段により当該設置箇所における大雨を予測した場合、又は大雨を識別した場合には周囲に大雨警報を発信する大雨警報発信手段を更に有するようにしてもよい。また、周囲設置体は、更に当該設置箇所における浸水の状態を検知する浸水状態検知手段と、上記浸水状態検知手段により検知された浸水の状態に応じて避難経路情報を発信する避難経路情報発信手段とを更に備えるようにしてもよい。
本発明を適用した浸水警報発信方法は、中心設置体を中心としたその周囲に複数に亘り設置されている各周囲設置体により、その設置箇所における気象データを検出し、検出した気象データに基づいて当該設置箇所において今後大雨が降るか否かを予測し、当該設置箇所における大雨を予測した場合には危険度を知らせるための危険通知情報を発信し、上記中心設置体により、上記周囲設置体からの危険通知情報を受信した場合に周囲に浸水警報を発信することを特徴とする。
また、本発明を適用した浸水警報発信方法は、中心設置体を中心としたその周囲に複数に亘り設置されている各周囲設置体により、その設置箇所における降雨量を検出し、検出した降雨量に基づいて当該設置箇所において現在大雨が降っているかを識別し、当該設置箇所における大雨を識別した場合には危険度を知らせるための危険通知情報を発信し、上記中心設置体により、上記周囲設置体からの危険通知情報を受信した場合に周囲に浸水警報を発信することを特徴とする。
本発明によれば、各周囲設置体が気象データを随時検出し、当該設置箇所における大雨を予測した場合には危険度を知らせるための危険通知情報を中心設置体へ向けて発信し、かかる危険通知情報を受信した中心設置体は、周囲に浸水警報を発信する。これにより、中心設置体の周囲の住民並びに通行人は、浸水の可能性が高いことを判別することが可能となり、例えば2階に移動したり、他の箇所に避難する等の行動を即座に起こすことが可能となる。このため、本発明によれば、ゲリラ豪雨に伴う都市型水害の被害を抑制する上で、最も浸水の可能性の高い箇所に対してより優先的に浸水警報を発信させることが可能となり、当該箇所の被害を最小限に抑えることが可能となる。
本発明を適用した浸水警報発信システムの全体像を示す図である。 中心設置体並びに周囲設置体の外観構成例について説明するための図である。 中心設置体、並びに周囲設置体の内部のブロック構成を示す図である。 本発明を適用した浸水警報発信システムの動作例を示すフローチャートである。 危険通知情報の通信経路の例を示す図である。 本発明を適用した浸水警報発信システムによる照明動作例について説明をするための図である。 本発明を適用した浸水警報発信システムによる照明動作例について説明をするための他の図である。
以下、本発明を適用した、ゲリラ豪雨に伴う都市型水害の被害を抑制するための浸水警報発信システムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
図1(a)は、本発明を適用した浸水警報発信システム1の全体像を示す構成図である。この浸水警報発信システム1は、中心設置体2と、中心設置体2を中心としたその周囲に複数に亘り設置されている周囲設置体3とを備えている。この図1に示す浸水警報発信システム1では、簡単のため中心設置体2を中心とした略同心円状に各周囲設置体3を設置した例を示しているが、これに限定されるものではなく、あくまで中心設置体2の周囲に周囲設置体3を形成したものであれば、いかなる配置形態であってもよい。
この周囲設置体3を略同心円状に配置する場合には、中心設置体2から近い周から遠い周になるにつれて、周囲設置体3a、3b、3c、・・・と順次シフトしていくこととしている。
図1(b)は、浸水警報発信システム1において、中心設置体2、周囲設置体3の設置位置を示す断面図である。この例では、中心設置体2が最も標高の低い位置に設けられており、周囲設置体3はその周囲において徐々に標高の高くなる位置において設けられている。
即ち、この中心設置体2は、あくまでゲリラ豪雨による都市型水害が生じた場合に、所定範囲内で最も浸水可能性の高い箇所において設置される。一般に浸水可能性の高い箇所は、所定範囲内において最も標高の低い箇所であることから、中心設置体2は、かかる最も標高の低い箇所に設けられる場合もあるが、これに限定されるものではなく、河川、下水道、雨水貯留槽の位置や各種条件等から、所定範囲内で最も浸水可能性の高い位置を特定し、その特定した位置に中心設置体2を設けるようにしてもよい。
図2は、これら中心設置体2並びに周囲設置体3の外観構成例であり、図3は、中心設置体2、周囲設置体3の内部のブロック構成である。
中心設置体2並びに周囲設置体3は、共にほぼ同様の外観を構成している。中心設置体2、周囲設置体3は、地面に立設される柱体部30と、この柱体部30の上端に設けられてなり、警報の目的で可視域の光を点灯させる照明部31とが外観として現れる構成とされている。
中心設置体2、周囲設置体3における柱体部30の内部に実装されるブロック構成は、互いに共通するものであって、図3に示すように、照明部31に接続された制御部36と、制御部36にそれぞれ接続されている検出部35、送受信部37、浸水状態検知部38とを備えている。
照明部31は、例えば外表面は、半透明の透光性材料によってカバーされ、その内側には発光ダイオード等を初めとした照明灯が設けられている。この照明部31は、あくまで制御部36による制御により点灯又は消灯するものである。この照明部31に設けられた照明灯は、制御部36による制御の下で、複数種の可視域の光を点灯させることも可能とされている。即ち、照明部31は、必要に応じて照明色を入れ替えることが可能となる。
検出部35は、例えば温度センサ、湿度センサ、降雨センサ等を始めとした、温度や湿度、降雨量等といった各種気象データを検出するためのセンサで構成されている。この検出部35を介して周囲設置体3の設置箇所における気象データが検出されることになる。検出部35は検出した気象データを制御部36へ送信する。
浸水状態検知部38は、当該周囲設置体3の設置箇所の浸水による水位を測定する。この浸水状態検知部38は、例えば水面の高さ検出する水位センサ、或いは単に所定高さまで浸水による水位が上昇した場合にはその旨を判別するのみのセンサで構成されていてもよい。何れの場合においても、当該設置箇所における浸水の状態を検知するものであればよい。また、浸水状態検知部38では、浸水による水位のみならず、温度、湿度、降雨の有無、降雨量等、あらゆる気象データを取得するものであってもよく、これらの気象データから今後浸水が生じるか否かを将来的に予測するものであってもよい。浸水状態検知部38は、検出した当該設置箇所における浸水の状態を制御部36へ送信する。
制御部36は、照明部31、検出部35、送受信部37、浸水状態検知部38を含む中心設置体2全体を制御するための中央制御ユニットとしての役割を担う。制御部36は、検出部35から上述した気象データが送られてくる。この制御部36は、かかる気象データに基づいて、周囲設置体3の設置箇所における気象状態を判別することが可能となる。制御部36は、この検出した気象データに基づいて当該周囲設置体3の設置箇所において大雨が降るか否かを予測する。そして、当該設置箇所における大雨を予測した場合には危険度を知らせるための危険通知情報を発信するように、送受信部37を制御する。また、中心設置体2の内部への実装を考える場合において、制御部36は、例えば送受信部37により、周囲設置体3から危険通知情報を受信したことを判別した場合、これに基づいて照明部31による照明を点灯させるように制御を行う。
また制御部36は、浸水状態検知部38から、その周囲設置体3の設置箇所において大雨が降るか否かを判別する。この制御部36は、大雨が降る旨を判別した場合には、大雨警報を発信する。この大雨警報を発信する場合の例としては、照明部31により照明光を発光させることにより行う。かかる場合において制御部36は、浸水状態検知部38より浸水により水位が上昇した旨の信号を受信した場合には、これに基づいて照明部31による照明を点灯させるように制御を行うようにしてもよい。
送受信部37は、制御部36による制御の下で生成された情報信号に所定の処理を施した後、アンテナ等を介して発信させる。例えば、制御部36が設置箇所における大雨を予測した場合には危険度を知らせるための危険通知情報を発信する場合においても、この送受信部37においてそれを無線信号化して発信する。また、周囲設置体3の内部への実装を考える場合において、送受信部37は他の周囲設置体3から情報信号を受信した場合には、それを制御部36へ送信すると共に、かかる制御部36による制御の下でその情報信号を更なる他の周囲設置体3又は中心設置体2へと送信する。また、中心設置体2の内部への実装を考える場合において、送受信部37は、他の周囲設置体3から送信されてくる情報信号を受信する。この送受信部37は、受信した情報信号に対して所定の処理を施した後、これを制御部36へ送信する。
次に本発明を適用した浸水警報発信システム1における動作について説明をする。図4は、本発明を適用した浸水警報発信システム1の動作例を示すフローチャートである。先ずステップS11において、各周囲設置体3は、その設置箇所における気象データの検出を行う。この気象データの検出は、先ずステップS12において、浸水状態検知部38を使用して、降雨量の検出を行う。そしてステップS13に移行し、制御部36は、検出した降雨量に基づいて、現時点において大雨が降っているか否かを判別する。その結果、大雨が降るものと判別された場合には、ステップS16へ移行し、大雨が降るものと判別されなかった場合には、ステップS14へ移行する。
ステップS14に移行した場合には、検出部35を介して、例えば温度や湿度等を検出することにより行う。検出部35において検出された気象データは順次制御部36へ送信される。制御部36は、この気象データに基づいて、この当該周囲設置体3の設置箇所において今後大雨が降るか否かを予測する。この大雨が降るか否かの予測は、過去において提案されたあらゆる手法を使用するようにしてもよい。
次にステップS15へ移行し、制御部36により、当該周囲設置体3の設置箇所において大雨が降るものと予測されたか否かの判別を行う。大雨が降るものと予測された場合には、ステップS16へ移行する。また、大雨が降らないものと予測された場合には、再度ステップS11へ戻り、上述した処理を繰り返し実行する。なお、上述したステップS11〜S15においては、実際に大雨が降っているかを判断するステップS12及びステップS13と、今後大雨が降るか否かを予測するステップS14及びステップS15の2種の判断を行うものである。本発明では、この2種の判断のうち何れか一方のみを実施するものであってもよい。何れか一方のみを実施する場合には、図中の“NO”に進んだ場合には何れもステップS11に戻り、図中の“YES”に進んだ場合には、ステップS16へ進むことになる。
ステップS16へ移行した場合には、制御部36は、照明部31に対して照明を点灯させるための制御を行う。その結果、当該周囲設置体3の設置箇所の周囲の人は、この照明部31の点灯を視認することにより、今後大雨が降ることを識別することが可能となる。即ち、この照明部31による点灯を介して、周囲に対して大雨が降ることの注意喚起を行うための大雨警報を出すことが可能となる。ちなみに、このステップS16において照明部31の点灯以外の音声や電波等の方法で大雨警報を発信するようにしてもよい。また、この大雨警報の発信は必須ではなく、省略するようにしてもよい。
また、このステップS17において、制御部36は、送受信部37を介して、危険度を知らせるための危険通知情報を発信する。
また、周囲設置体3におけるこのステップS11〜ステップS15のプロセスと並行して、中心設置体2においてステップS11’〜ステップS15’を行う。このステップS11’〜ステップS15’は、それぞれステップS11〜ステップS15と同一であることから、その説明を引用することにより以下での説明を省略する。このステップS11’〜S15 ’においても同様に、実際に大雨が降っているかを判断するステップS12’及びステップS13’と、今後大雨が降るか否かを予測するステップS14’及びステップS15’の2種の判断を行うものである。本発明では、この2種の判断のうち何れか一方のみを実施するものであってもよい。何れか一方のみを実施する場合には、図中の“NO”に進んだ場合には何れもステップS11’に戻り、図中の“YES”に進んだ場合には、ステップS30へ進むことになる。
また、この中心設置体2におけるステップS11’〜S15 ’については、省略するようにしてもよい。
図5は、中心設置体2を中心として内周側から外周側にかけて周囲設置体3a、3b、3cが略同心円状に順次設けられている場合における危険通知情報の通信経路を示している。即ち、この図中において示されている矢印の方向に、危険通知情報が順次通知されて最終的に中心設置体2へと送られることとなる。より外周側に位置する周囲設置体3cから、より内周側に位置する周囲設置体3b、3aを順次中継させて中心設置体2へ危険通知情報を送信する。周囲設置体3bにおいても同様に自ら生成した危険通知情報を送信する場合には、より内周側に位置する周囲設置体3aを中継させて中心設置体2へ当該危険通知情報を送信する。周囲設置体3aにおいても同様に自ら生成した危険通知情報を送信する場合には、直接的に中心設置体2へ危険通知情報を送信する
ちなみに、周囲設置体3b、3aは、自らが危険通知情報を生成してこれを中心設置体2へ送信しない場合においても、より外周側にある周囲設置体3cから危険通知情報が送信されてきた場合には、それを送受信部37を介して受信し、自らその旨を認識した上で各種処理を行うと共に、更に送受信部37を介して中心設置体2へ送信を行う。
なお、この図5に示す通信経路は、あくまで最短経路で中心設置体2へ危険通知情報を通知するものであるが、これに限定されるものではなく、他の迂回する経路を経るようにしてもよいことは勿論である。
中心設置体2に対して周囲設置体3から危険通知情報が送信(ステップS17)された場合、中心設置体2は、これを送受信部37を介して受信する。ステップS17に示す周囲設置体3から危険通知情報が送信された場合、ステップS13’に示す大雨が降った旨を判定した場合、ステップS15’において大雨が降るものと判定された場合に、ステップS30に移行する。
ステップS30へ移行した場合、照明部31の内部に実装されている照明灯を点灯させる。この照明部31による照明を通じて周囲に浸水警報を発信することが可能となる。その結果、この中心設置体2の周囲の住民や通行人は、この照明部31の照明を通じて、都市型水害による浸水についてしばらくの間警戒が必要であること、或いは避難の必要性があることを認識することが可能となる。ちなみに、ステップS11’〜S15’のステップを省略する場合であっても、周囲設置体3からの危険通知情報を受信した場合には、照明部31自身が点灯することができる。またステップS11’〜S15’のステップを有する場合には、周囲設置体3からの危険通知情報のみならず、中心設置体2自身が検知した情報に基づいて照明部31を点灯させることが可能となる。
なお、このステップS30において、中心設置体2は、大雨が発生する可能性について、音声で発信するようにしてもよい。かかる場合において中心設置体2内には図示しない音声発生部が設けられ、制御部36による制御の下でかかる図示しない音声発生部を介してその旨を発信することとなる。
また、この中心設置体2の設置位置が住宅街や郊外である場合には、遠方からもこの照明部31の照明を視認することができ、しかも音声や電波が他の建造物によって遮蔽されないようにするために、その柱体部30の高さを高く調整しておく必要がある。
また、このステップS30において、さらに中心設置体2の周囲にある各家屋の中に受信装置を予め配設しておき、危険通知情報を受信した場合に、制御部36は、有線又は無線で受信装置にそれを通知する。各家屋に配設された受信装置は、かかる危険通知情報を受信し、音声や照明等を通じて居住者に注意喚起を促す。
即ち、中心設置体2は、照明、音声、通信等、あらゆる方法で周囲に浸水警報を発信する。そして、この浸水警報を確認した近隣の住民又は通行者は、即座に浸水防止対策に移行することが可能となり、更には家具類の移動や迅速な避難をも行うことが可能となる。
また、この中心設置体2によるステップS30の動作と前後させて、周囲設置体3では更にステップS18の動作を実行する。即ち、各周囲設置体3は、浸水の状態を検知する。この浸水の状態の検知は、周囲設置体3の内部に設けられた浸水状態検知部38を介して行う。制御部36は、この浸水状態検知部38を介して検出された浸水の状態に基づいて、当該周囲設置体3の設置箇所が避難経路として有効か否かを判別する(ステップS19)。この判別は、浸水による水位のみならず、温度、湿度、降雨の有無、降雨量等、あらゆる気象データを参酌して行うようにしてもよい。
ステップS19において、制御部36は、当該周囲設置体3の設置箇所について避難可能である旨を判別した場合には、ステップS20へ移行し、当該周囲設置体3の設置箇所について避難不能である旨を判別した場合には、ステップS21へ移行する。
ステップS20へ移行した場合には、制御部36は照明部31を介して、避難可能である旨の避難経路情報を発信する。この避難経路情報は、例えば、照明部31における照明色を介して発信するようにしてもよく、避難可能であれば照明部31を介して“青”を表示させるようにしてもよい。
ステップS21へ移行した場合には、制御部36は照明部31を介して、避難不能である旨の避難経路情報を発信する。この避難経路情報は、例えば、照明部31における照明色を介して発信するようにしてもよく、避難不能であれば照明部31を介して“赤”を表示させるようにしてもよい。
このため、避難者は、この周囲設置体3における照明部31の色を視認することにより、当該周囲設置体3の設置箇所が避難経路として安全であるか否かを確認することができる。即ち、避難者は照明部31が“赤”であれば、照明部31が“青”となっている他の周囲設置体3を探してそこから避難することになり、照明部31が“青であれば当該周囲設置体3を安全な避難経路としてそこを目印に避難することが可能となる。
また、これに加えて、各周囲設置体3の周囲の居住者も、かかる照明部31の照明を視認することにより、当該周囲設置体3の設置箇所近傍において浸水が生じる可能性があることを事前に知ることが可能となり、浸水対策や避難等を行うことが可能となる。
このように避難者が周囲設置体3における照明部31の照明色を目印に避難経路を探索することができるように、何れの箇所においてもかかる照明部31を2本以上視認することが可能なように、周囲設置体3を配置することが望ましい。
なお、ステップS20、21において、制御部36は照明部31を介した避難経路情報を発信することは必須ではなく、他の音声や信号等を介して避難経路情報を発信するようにしてもよいことは勿論である。
また、周囲設置体3におけるステップS18〜21の処理と並行させて、中心設置体2においてもステップS18’〜21’の処理を並行して行う。このステップS18’〜21’は、それぞれステップS18〜21と同一であることから、その説明を引用する中心設置体2においてもかかる処理を実行することにより、中心設置体2の周囲の居住者も、かかる照明部31の照明を視認することにより、当該中心設置体2の設置箇所近傍において浸水が生じる可能性があることを事前に知ることが可能となり、浸水対策や避難等を行うことが可能となる。
このように本発明では、中心設置体2、周囲設置体3が気象データを随時検出し、当該設置箇所における大雨を予測した、又は実際に大雨を検出した場合には危険度を知らせるための危険通知情報を中心設置体2へ向けて発信し、かかる危険通知情報を受信した中心設置体2は、周囲に浸水警報を発信する。また中心設置体2自身も大雨の予測又は検出を行い、周囲に浸水警報を発信する。
これにより、中心設置体2の周囲の住民並びに通行人は、浸水の可能性が高いことを判別することが可能となり、例えば2階に移動したり、他の箇所に避難する等の行動を即座に起こすことが可能となる。このため、本発明によれば、ゲリラ豪雨に伴う都市型水害の被害を抑制する上で、最も浸水の可能性の高い箇所に対してより優先的に浸水警報を発信させることが可能となり、当該箇所の被害を最小限に抑えることが可能となる。
以下、本発明を適用した浸水警報発信システム1において、中心設置体2と、周囲設置体3による照明動作例について説明をする。
先ず図6(a)に示すように、一の周囲設置体3cにおいて大雨が降ることを予測した場合、照明光を発光させる。次に図6(b)に示すように、危険通知情報をより内周側に位置する周囲設置体3b、3aへと順次送信する。また他の周囲設置体3において大雨が降ることが順次予測されて照明光が発光される。
次に図7(a)に示すように、危険通知情報を受信した中心設置体2により照明光が発光される。その結果、その近隣の居住者や通行人が、都市型水害による浸水が生じる可能性があることを予め知ることが可能となる。
その後図7(b)に示すように、各周囲設置体3によりステップS17〜S20の処理が実行され、浸水の状態に基づいて、避難可能であれば“青”を、また避難不能であれば、“赤”を表示して避難経路の誘導を行う。
1 浸水警報発信システム
2 中心設置体
3 周囲設置体
3a 周囲設置体
3b 周囲設置体
3c 周囲設置体
30 柱体部
31 照明部
35 検出部
36 制御部
37 送受信部
38 浸水状態検知部
38 制御部

Claims (8)

  1. 中心設置体と、
    上記中心設置体を中心としたその周囲に複数に亘り設置されている周囲設置体とを備え、
    上記各周囲設置体は、その設置箇所における気象データを検出する検出手段と、上記検出手段により検出した気象データに基づいて当該設置箇所において今後大雨が降るか否かを予測する予測識別手段と、上記予測識別手段により当該設置箇所における大雨を予測した場合には危険度を知らせるための危険通知情報を発信する発信手段とを有し、
    上記中心設置体は、上記周囲設置体からの危険通知情報を受信する受信手段と、上記受信手段により上記危険通知情報を受信した場合に周囲に浸水警報を発信する浸水警報発信手段を有すること
    を特徴とする浸水警報発信システム。
  2. 上記検出手段は、更に設置箇所における降雨量を検出し、
    上記予測識別手段は、上記検出手段により検出した降雨量に基づいて当該設置箇所において現在大雨が降っているかを識別し、
    上記発信手段は、上記予測識別手段により更に大雨を識別した場合に上記危険通知情報を発信すること
    を特徴とする請求項1記載の浸水警報発信システム。
  3. 中心設置体と、
    上記中心設置体を中心としたその周囲に複数に亘り設置されている周囲設置体とを備え、
    上記各周囲設置体は、その設置箇所における降雨量を検出する検出手段と、上記検出手段により検出した降雨量に基づいて当該設置箇所において現在大雨が降っているかを識別する予測識別手段と、上記予測識別手段により大雨を識別した場合には危険度を知らせるための危険通知情報を発信する発信手段とを有し、
    上記中心設置体は、上記周囲設置体からの危険通知情報を受信する受信手段と、上記受信手段により上記危険通知情報を受信した場合に周囲に浸水警報を発信する浸水警報発信手段を有すること
    を特徴とする浸水警報発信システム。
  4. 上記周囲設置体は、上記予測識別手段により当該設置箇所における大雨を予測した場合、又は大雨を識別した場合には周囲に大雨警報を発信する大雨警報発信手段を更に有すること
    を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の浸水警報発信システム。
  5. 上記周囲設置体は、更に当該設置箇所における浸水の状態を検知する浸水状態検知手段と、上記浸水状態検知手段により検知された浸水の状態に応じて避難経路情報を発信する避難経路情報発信手段とを更に備えること
    を特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項記載の浸水警報発信システム。
  6. 上記各周囲設置体は、上記中心設置体を中心とした略同心円状に設置され、
    より外周側に位置する上記周囲設置体は、隣接するより内周側に位置する上記周囲設置体を中継させて上記危険通知情報を上記中心設置体へ通知すること
    を特徴とする請求項1〜5のうち何れか1項記載の浸水警報発信システム。
  7. 中心設置体を中心としたその周囲に複数に亘り設置されている各周囲設置体により、その設置箇所における気象データを検出し、検出した気象データに基づいて当該設置箇所において今後大雨が降るか否かを予測し、当該設置箇所における大雨を予測した場合には危険度を知らせるための危険通知情報を発信し、
    上記中心設置体により、上記周囲設置体からの危険通知情報を受信した場合に周囲に浸水警報を発信すること
    を特徴とする浸水警報発信方法。
  8. 中心設置体を中心としたその周囲に複数に亘り設置されている各周囲設置体により、その設置箇所における降雨量を検出し、検出した降雨量に基づいて当該設置箇所において現在大雨が降っているかを識別し、当該設置箇所における大雨を識別した場合には危険度を知らせるための危険通知情報を発信し、
    上記中心設置体により、上記周囲設置体からの危険通知情報を受信した場合に周囲に浸水警報を発信すること
    を特徴とする浸水警報発信方法。
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