JP6772998B2 - A/d変換回路 - Google Patents

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Description

本開示は、アナログ情報を数値データに変換する技術に関する。
特許文献1には、パルス遅延回路とカウンタ回路とを備えるA/D変換回路が記載されている。上記パルス遅延回路は、複数の遅延ユニットがリング状に接続された回路である。複数の遅延ユニットは、それぞれ、入力されたパルス信号をアナログ入力信号に応じた時間遅延して出力する。上記パルス遅延回路は、電源電圧としてアナログ入力信号の供給を受けるとともに、パルス信号の供給を受けることにより、パルス信号を周回させる。上記カウンタ回路は、上記パルス遅延回路におけるパルス信号の周回数をカウントする。
特許文献1に記載のA/D変換回路は、サンプリングタイミングで、パルス信号の周回数及びパルス遅延回路内におけるパルス信号の位置を取得する。そして、特許文献1に記載のA/D変換回路は、取得した周回数及びパルス信号の位置に基づいて、サンプリングク周期の期間にパルス信号が通過した遅延ユニットの通過個数を算出し、アナログ入力信号を算出した通過個数に応じた数値データに変換する。
特開2004−7385号公報
特許文献1に記載のA/D変換回路は、上記通過個数を算出するためにカウンタ回路を用いる必要があるため、回路規模が大きくなり、消費電力が増大するという問題がある。
本開示は、このような問題に鑑みてなされたものであり、回路規模を抑制して消費電力を低減したA/D変換回路を提供することを目的とする。
本開示は、アナログ情報を数値データに変換するA/D変換回路(50,50A)であって、パルス遅延回路(10)と、出力部(20,30,40)とを備える。パルス遅延回路は、入力されたパルス信号をアナログ情報に応じた時間遅延させる複数の遅延ユニット(11,12)が、リング状に直列に接続されて構成されている。出力部は、サンプリング周期ごとに、サンプリング周期の期間にパルス信号が通過した遅延ユニットの個数に対応した数値データを出力するように構成されている。サンプリング周期をTs、パルス信号がパルス遅延回路を周回する周回周期をTrdl、nを0以上の整数として、サンプリング周期は、サンプリング周期と周回周期の関係が、Trdl×n<Ts≦Trdl×(n+1)の関係式を満たすように設定されている。
本開示によれば、サンプリング周期は、サンプリング周期と周回周期の関係が上述の関係式を満たすように設定されている。そのため、サンプリング周期の期間にパルス信号がパルス遅延回路を周回する周回数はnと決まり、周回数をカウントする必要がない。すなわち、A/D変換回路から周回数をカウントするカウント回路を省くことができる。よって、A/D変換回路の回路規模を抑制して、消費電力を低減することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態のA/D変換回路の構成を示すブロック図である。 リングディレイラインの一例を示す回路図である。 リングディレイラインにおけるパルス信号の位置データ及びサンプリングクロックのタイムチャートの一例である。 リングディレイラインにおけるパルス信号の位置データ及びサンプリングクロックのタイムチャートの別の一例である。 従来のA/D変換回路の構成を示すブロック図である。 第2実施形態のA/D変換回路の構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態を説明する。
(第1実施形態)
<1.全体構成>
まず、本実施形態のA/D変換回路50の全体構成について、図1を参照しつつ説明する。A/D変換回路50は、アナログ入力信号Vinを数値データに変換して出力する回路である。本実施形態では、アナログ入力信号Vinは、電位を想定している。A/D変換回路50は、リングディレイライン10と、符号化回路20と、周回数算出部30と、第2加算器40と、を備える。
リングディレイライン10は、複数の遅延ユニットがリング状に直列に接続されて構成されている。本実施形態では、複数の遅延ユニットの個数は、mを自然数として、(2のm乗−1)個である。具体的には、本実施形態では、複数の遅延ユニットの個数は、2の7乗−1=127個である。
図2示すように、リングディレイライン10は、複数の遅延ユニットとして、1個のNAND回路11と126個のインバータ回路12とを備える。リングディレイライン10は、1個のNAND回路11と126個のインバータ回路12がリング状に連結されて構成されており、時間A/D変換回路として機能する。
インバータ回路12及びNAND回路11は、例えば、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとを有するCMOSゲート回路である。各遅延ユニット11,12のPMOSトランジスタのバックゲートバイアスには、バイアス電源Vbbが印加される。また、各遅延ユニット11,12の正の電源端子には、駆動電源としてアナログ入力信号Vinが印加され、負の電源端子にはグランドが接続される。さらに、NAND回路11の入力端には、伝送用のパルス信号PAが入力される。NAND回路11に入力されるパルス信号PAがローレベルからハイレベルに変化すると、リングディレイライン10は動作を開始し、パルス信号PAがリングディレイライン10を周回する。このとき、遅延ユニット11,12の個数が奇数であるため、パルス信号PAは停止することなく周回を続ける。
そして、各遅延ユニット11,12は、パルス信号PAを、正負の端子間電圧に応じた時間、すなわちアナログ入力信号Vinに応じた時間、遅延させつつ伝送する。つまり、リングディレイライン10は、所定期間にパルス信号PAが通過する遅延ユニット11,12の通過個数が、アナログ入力信号Vinである電位の大きさに応じた個数となるように構成されている。よって、所定期間における遅延ユニット11,12の通過個数を数値化することによって、アナログ入力信号Vinを数値データに変換することができる。なお、本実施形態では、リングディレイライン10がパルス遅延回路に相当する。
符号化回路20は、ラッチ&エンコーダ21と、ラッチ回路22と、第1加算器23と、を備える。ラッチ&エンコーダ21は、サンプリングクロックCKsの立ち上がり又は立下りのタイミングであるサンプリングタイミングで、127個の遅延ユニット11,12の出力P1〜P127を取り込む。そして、符号化回路20は、リングディレイライン10内における、パルス信号PAの位置に対応した7ビットの位置データDTpを生成する。つまり、ラッチ&エンコーダ21は、サンプリング周期Tsごとに、リングディレイライン10内でのパルス信号PAの位置を繰り返し数値化する。そして、ラッチ&エンコーダ21は、生成した位置データDTpを、ラッチ回路22及び第1加算器23のそれぞれへ出力する。
ラッチ回路22は、ラッチ&エンコーダ21から出力された最新の位置データDTpを保持するとともに、最新の位置データDTpの直前に保持していた位置データDTpを比較値として第1加算器23へ出力する。
第1加算器23は、最新の位置データDTpから比較値を減算して、7ビットの偏差データDT1を生成する。すなわち、第1加算器23は、前回のサンプリングタイミングで数値化したパルス信号PAの位置と、今回のサンプリングタイミングで数値化したパルス信号PAの位置との偏差を算出する。そして、第1加算器23は、生成した偏差データDT1を第2加算器40へ出力する。
周回数算出部30は、加算値Dcoを算出し、算出した加算値Dcoを第2加算器40へ出力する。加算値Dcoは、サンプリング周期Tsにおけるパルス信号PAの周回数×遅延ユニットの個数である。加算値Dcoの算出については、後で詳しく述べる。
第2加算器40は、偏差データDT1に加算値Dcoを加算して、数値データDT2を生成する。数値データDT2は、サンプリング周期Tsの期間において、パルス信号PAが通過した遅延ユニット11,12の通過個数を表すデジタルデータである。
ここで、第1加算器23は2進数における補数を用いて減算を行うが、遅延ユニットの個数が2のm乗よりも「1」だけ少ないので、第1加算器23が減算を行った場合に、コード増加が生じる場合がある。コード増加は、正しい値よりも値が大きくなる現象である。そのため、コード増加が生じる場合には、数値データDT2を補正する必要がある。しかしながら、コード増加が生じた場合であっても、正しい値に対する増加分は「1」だけである。そのため、遅延ユニットの個数を(2のm乗−1)とした場合は、遅延ユニットの個数を(2のm乗−3)や(2のm乗−5)などにした場合と比べて、補正が容易である。
なお、本実施形態では、符号化回路20、周回数算出部30及び第2加算器40が出力部に相当する。また、本実施形態では、符号化回路20が偏差算出部に相当し、第2加算器40が生成部に相当する。
<2.パルス信号の周回数の算出>
次に、パルス信号PAの周回数の算出方法について説明する。図5に従来のA/D変換回路500を示す。A/D変換回路500は、周回数カウンタ回路160を備えている。周回数カウンタ回路160は、パルス信号PAがリングディレイライン200を周回する回数をカウントする。A/D変換回路500は、エンコーダ260によって算出したリングディレイライン200内でのパルス信号PAの位置データを下位ビットデータとし、周回数カウンタ回路160によってカウントした周回数を上位ビットデータとするデータISを生成する。そして、A/D変換回路500は、今回のサンプリングタイミングにおけるデータISと、前回のサンプリングタイミングにおけるデータISとの偏差を算出し、この偏差を数値データとして出力する。
従来のA/D変換回路500は、周回数カウンタ回路160を備えているため、回路規模が大きくなり消費電力が増大する。また、A/D変換回路500は、周回数カウンタ回路160の出力タイミングと、サンプリングタイミングとが非同期のため、値が不安定な状態でラッチされたカウント値を用いないように、ラッチ回路280,320、遅延線300及びセレクタ340を備えている。
ラッチ回路280は、サンプリングタイミングで周回数カウンタ回路160の出力をラッチする。ラッチ回路320は、サンプリングタイミングを遅延線300によってサンプリング周期Tsの半周期分だけ遅延させたタイミングで、周回数カウンタ回路160の出力をラッチする。セレクタ340は、エンコーダ260の出力の最上位ビットの値が「1」の場合、すなわち、パルス信号PAが遅延ユニットの後半の段に位置している場合は、周回数サンプリングタイミングにおいて、周回数カウンタ回路160の出力は安定しているので、ラッチ回路280の出力を選択する。また、セレクタ340は、エンコーダ260の出力の最上位ビットの値が「0」の場合、すなわち、パルス信号PAが遅延ユニットの前半の段に位置している場合は、ラッチ回路320の出力を選択する。このように、A/D変換回路500は、メタスタビリティ対策のための回路を備えているため、回路構成が複雑になっている。
そこで、本実施形態のA/D変換回路50は、周回数カウンタ回路を省いた。そして、サンプリング周期Tsを、Trdl×n<Ts≦Trdl×(n+1)…(1)を満たすように設定した。nは0以上の整数であり、Trdlは、パルス信号PAがリングディレイライン10を周回する周回周期である。つまり、周回周期Trdlは、パルス信号PAがリングディレイライン10を1周するために要する時間である。
周回周期Trdlは、アナログ入力信号Vinに応じて変化する。具体的には、周回周期Trdlは、アナログ入力信号Vinが大きいほど短くなる。本実施形態では、アナログ入力信号Vinは、予め決められた所定の範囲内の値を取る。サンプリング周期Tsは、nを所定値に設定した場合に、アナログ入力信号Vinが所定の範囲内のどのような値となった場合でも、式(1)を満たすように設定されている。すなわち、サンプリング周期Tsは、アナログ入力信号Vinが所定の範囲の最大値を取った場合でも、Ts≦Trdl×(n+1)を満たし、且つ、アナログ入力信号Vinが所定の範囲の最小値を取った場合でも、Trdl×n<Tsを満たすように設定されている。また、nの値が大きいほど、数値データDT2の分解能が高くなる。よって、nの値は、必要とする数値データDT2の分解能に応じて設定される。
図3に、n=0とした場合における、位置データDTp及びサンプリングクロックのタイムチャートと、サンプリング周期Tsと周回周期Trdlの関係を示す。また、図3及び次の図4では、アナログ入力信号Vinが所定の範囲の最大値を取った場合の位置データDTpを破線で示し、アナログ入力信号Vinが所定の範囲の最小値を取った場合の位置データDTpを鎖線で示す。n=0の場合、サンプリング周期Tsは、アナログ入力信号Vinが所定の範囲で変化した場合に、0<Ts≦Trdlの関係を満たすように設定される。位置データDTpは、時間の経過とともに127段目の遅延ユニット12まで単調増加し、127段目の遅延ユニット12まで到達すると0に戻る。周回周期Trdlは、位置データDTpが0から127まで増加するために要する時間である。そして、図3に矢印で示すタイミングで、サンプリングが行われる。n=0の場合、サンプリング周期Tsの期間において、パルス信号PAが通過する遅延ユニット11,12の通過個数は127以下となる。この場合、偏差データDT1=数値データDT2となる。
図4に、n=1とした場合における、位置データDTp及びサンプリングクロックのタイムチャートと、サンプリング周期Tsと周回周期Trdlの関係を示す。n=1の場合、サンプリング周期Tsは、アナログ入力信号Vinが所定の範囲で変化した場合に、Trdl<Ts≦2Trdlを満たすように設定される。n=1の場合、サンプリング周期Ts内において、パルス信号PAが通過する遅延ユニット11,12の通過個数は、127より多く且つ254以下となる。この場合、サンプリング周期Ts内におけるパルス信号PAの周回数は「1」となり、数値データDT2は、偏差データDT1+127となる。
n≧2の場合についても、n=0,1と同様にして加算値Dcoを算出できる。すなわち、式(1)を満たすようにサンプリング周期Tsを設定した場合、サンプリング周期Ts内におけるパルス信号PAの周回数はnとなる。よって、周回数算出部30は、加算値Dcoとして(2のm乗−1)×nを算出すればよい。数値データDT2は、偏差データDT1+(2のm乗−1)×nとなる。これにより、A/D変換回路50は、周回数カウンタを備えていなくても、サンプリング周期Ts内において、パルス信号PAが通過する遅延ユニット11,12の通過個数を算出することができる。
<3.効果>
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)サンプリング周期Tsは、サンプリング周期Tsと周回周期Trdlの関係が式(1)を満たすように設定されている。そのため、サンプリング周期Tsの間にパルス信号PAがリングディレイライン10を周回する周回数はnと決まり、周回数をカウントする必要がない。すなわち、A/D変換回路50から周回数をカウントするカウント回路を省くことができる。よって、A/D変換回路50の回路規模を抑制して、消費電力を低減することができる。
(2)パルス信号PAの位置の前回値と今回値との偏差である偏差データDT1と、遅延ユニット11,12の個数とnとの積である加算値Dcoとを加算した値は、サンプリング周期Tsの期間にパルス信号PAが通過した遅延ユニット11,12の個数となる。よって、A/D変換回路50は、カウント回路を備えていなくても、カウント回路を備えている場合と同様に、パルス信号PAが通過した遅延ユニット11,12の通過個数を算出して、通過個数に対応した数値データDT2を生成することができる。
(3)アナログ入力信号Vinが所定の範囲内で変化することにより、周回周期Trdlが変化し、サンプリング周期Ts内にパルス信号PAが通過する遅延ユニット11,12の通過個数も変化する。サンプリング周期Tsは、周回周期Trdlが変化しても、所定値のnにおいて、式(1)を満たすように設定される。よって、アナログ入力信号Vinが所定の範囲内で変化する場合でも、式(1)を満たすことによって、A/D変換回路50は、カウンタ回路を用いることなく、アナログ入力信号Vinに対応した数値データDT2を生成することができる。
(第2実施形態)
<1.第1実施形態との相違点>
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
前述した第1実施形態のA/D変換回路50は、式(1)においてnを0以上の整数に設定して用いる回路であり、周回数算出部30及び第2加算器40を備えていた。これに対し、第2実施形態のA/D変換回路50Aは、式(1)において常にn=0に設定して用いる回路であり、図6に示すように、周回数算出部30及び第2加算器40を備えていない。
式(1)において、n=0とした場合、前述したように、加算値Dcoが「0」となり、第1加算器23から出力される偏差データDT1が数値データDT2となる。よって、常にn=0に設定して用いるA/D変換回路50Aは、周回数算出部30及び第2加算器40が必要ないため省いている。なお、本実施形態では、符号化回路20が出力部に相当する。また、本実施形態では、符号化回路20が偏差算出部に相当し、第1加算器23が生成部に相当する。
<2.効果>
以上説明した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1)〜(3)に加え、以下の効果が得られる。
(4)A/D変換回路50Aは、A/D変換回路50と比べて、周回数算出部30及び第2加算器40が省かれている。よって、A/D変換回路50Aの回路規模をより抑制して、消費電力をより抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(a)上記実施形態では、遅延ユニットの個数を(2のm乗−1)としているが、本開示はこれに限定されるものではない。遅延ユニットの個数は(2のm乗+1)としてもよい。この場合、遅延ユニットの個数は奇数であるため、パルス信号PAは停止することなく周回を続ける。また、この場合、第1加算器23が減算を行った場合に、正しい値よりも値が小さくなるコード欠けが生じることがある。しかしながら、遅延ユニットの個数を(2のm乗−1)とした場合と同様に、正しい値に対する減少分は「1」だけであるため、遅延ユニットの個数を(2のm乗+3)や(2のm乗+5)などにした場合に比べて、補正が容易である。
また、遅延ユニットの個数は2のm乗としてもよい。この場合、第1加算器23が減算を行った場合に、コード増加やコード欠けが生じないので、補正をする必要がない。ただし、この場合、遅延ユニットの個数は偶数であるため、リングディレイライン10が安定状態になって、パルス信号PAが停止しないように、リングディレイライン10にNAND回路やバイパス線を付加する必要がある。遅延ユニットの個数を偶数とした場合の対策については、特開平6−216721号公報に詳細が記載されているので参照されたい。
(b)上記各実施形態において、A/D変換回路50,50Aは、電位を表すアナログ入力信号Vinを数値データに変換したが、本開示はこれに限定されるものではない。A/D変換回路50,50Aは、例えば、時間、温度、応力等を示すアナログ情報を数値データに変換してもよい。時間を示すアナログ情報を数値データに変換する場合は、A/D変換回路50,50AのVin、Vbb、GNDを一定にして、計測開始時刻と計測終了時刻とに、サンプリングクロックをA/D変換回路50,50Aへ入力すればよい。このようにすれば、これらの時刻の差分を表す値が数値データとして、A/D変換回路50,50Aから出力される。また、温度や応力を示すアナログ情報を数値データに変換する場合は、A/D変換回路50,50AのVin、Vbb、GNDを一定にして、サンプリングクロックを入力する間隔を一定としたときに得られる数値データを、温度や応力ごとに予め記録しておけばよい。このようにすれば、実際に温度や応力を測定する際に、得られた数値データがどの温度や応力に対応するかわかる。
(c)上記各実施形態では、A/D変換回路50,50Aは、1つの符号化回路20を備えているが、特開2004―7385号公報に記載されているA/D変換装置のように、互いに異なるサンプリングタイミングでサンプリングする複数の符号化回路を備えていてもよい。A/D変換回路50,50Aが複数の符号化回路を備えることで、得られる数値データの分解能を高くすることができる。
(d)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(e)上述したA/D変換回路の他、当該A/D変換回路を構成要素とするシステム、A/D変換方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
10…リングディレイライン、11,12…遅延ユニット、20…符号化回路、50,50A…A/D変換回路、PA…パルス信号、Trdl…周回周期、Ts…サンプリング周期、Vin…アナログ入力信号。

Claims (2)

  1. アナログ情報を数値データに変換するA/D変換回路(50,50A)であって、
    入力されたパルス信号を前記アナログ情報に基づいた入力信号に応じた時間遅延させる複数の遅延ユニット(11,12)が、リング状に直列に接続されて構成されたパルス遅延回路(10)と、
    サンプリング周期ごとに、前記サンプリング周期の期間に前記パルス信号が通過した前記遅延ユニットの個数に対応した前記数値データを出力するように構成された出力部(20,30,40)と、を備え、
    前記サンプリング周期をTs、前記パルス信号が前記パルス遅延回路を周回する周回周期をTrdl、nを0以上の整数として、前記サンプリング周期は、前記サンプリング周期と前記周回周期の関係が、Trdl×n<Ts≦Trdl×(n+1)の関係式を満たすように設定されている、
    A/D変換回路。
  2. 前記複数の遅延ユニットの個数は、mを自然数として、(2のm乗−1)、2のm乗、(2のm乗+1)のいずれかの個数であり、
    前記出力部は、
    前記サンプリング周期ごとに、前記パルス遅延回路内での前記パルス信号の位置を繰り返し数値化して、数値化した前記パルス信号の位置の前回値と今回値との偏差を算出するように構成された偏差算出部(20)と、
    前記偏差算出部により算出された前記偏差に、前記遅延ユニットの個数と前記nとの積である加算値を加算した値を、前記数値データとして生成するように構成された生成部(23,40)と、を備える、
    請求項1に記載のA/D変換回路。
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