JP6754640B2 - ブレーカ梱包箱 - Google Patents

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本発明は、分電盤等に設置されて異常電流が発生したら電路を遮断するブレーカを梱包するブレーカ梱包箱に関する。
従来より、周囲6面に加えて収納したブレーカを固定する部材等の機能部材を1枚の紙材に一体形成し、折り曲げて組み立てたブレーカ梱包箱がある。例えば特許文献1では、1枚の紙材から周囲6面に加えて箱底部材周囲に底部材を補強する立ち上げ片を設けて、下方からの衝撃に強くしている。
また特許文献2では、内蓋を設けて付属品を収納する空間を分離形成している。
特開2003−40249号公報 特開2015−134625号公報
上記特許文献1のものは、立ち上げ片を設けることで下方からの衝撃に強く、特にブレーカの角部を保護できる構成となっている。しかしながら、梱包箱の底部自体は収納したブレーカに密着しているため、底面中央付近に衝撃が加わった場合は、直接ブレーカ底部にその衝撃が加わった。また、付属品を収納する専用の空間が無く、例えばブレーカのハンドル周囲に形成されている空間を利用して付属品を収容すると、輸送中の振動等でブレーカに傷が付いてしまう問題があった。
一方、上記特許文献2に記載されたものは、付属品収納部を設けているものの、ブレーカの操作ハンドルが露出したままであるため、付属品によりブレーカに傷が付くことを完全に防ぐことはできなかった。また、箱の底部には衝撃を吸収する部材が無いため、下方から衝撃が加わった場合はブレーカが破損し易かった。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、下方からの衝撃に強く、更に付属品も良好に収納できるブレーカ梱包箱を提供することを目的としている。
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、左右側面、前面、背面の周囲4面を閉塞する周囲部材と、上部を閉塞する蓋部材と、下部を閉塞する底部材との6面部材に加えて、当該6面部材で形成した箱体内に収納したブレーカの上面を覆う内蓋が1枚の紙材で一体に形成されたブレーカ梱包箱であって、ブレーカの下部に緩衝空間を形成するために底部材上に配置される底上げ片と、内蓋上に付属品収納部を隔離形成するための隔壁とが更に紙材に一体形成され、紙材を展開した状態で、周囲部材の4面は横方向に連続形成されて成り、蓋部材は、周囲部材のうちの背面に配置される背面部材の上辺に連続形成される一方、内蓋は、周囲部材のうちの前面に配置される前面部材の上辺に連続形成されて、ブレーカの操作ハンドルを露出させる挿通窓を有すると共に、隔壁は内蓋の途中に形成され、内蓋の挿通窓に隣接する部位を山折りして形成されて成り、また底上げ片は、周囲部材のうちの左右側面を構成する側面部材の上辺にそれぞれ連続形成された折り返し片を介して形成され、折り返し片は、側面部材の高さからブレーカ下部に形成される緩衝空間の高さを差し引いた長さを有して、側面部材に重なる様に箱体の内側に折り返して配置され、底上げ片は、折り返し片の先端が谷折りされて傾斜配置された状態で、先端が底部材に当接して成ることを特徴とする。
この構成によれば、底上げ片によりブレーカとブレーカ梱包箱の底部との間に緩衝空間が形成されるため、箱体下方から受けた衝撃が直接ブレーカに伝わるのを防ぐことができ、下方からの衝撃でブレーカが破損するのを防止できる。
また、内蓋と蓋部材との間に付属品収納部が隔離形成されるため、収納した付属品によりブレーカが傷つくことがない。
更に、隔壁は内蓋を折り曲げる簡単な構成で済むし、操作ハンドルが内蓋上に露出しても、付属品収納部を隔壁により露出した操作ハンドルから確実に隔離でき、露出している操作ハンドルに付属品が接触して操作ハンドルが破損することがない。
加えて、箱体上部に形成された折り返し片を内側に折り曲げて、その先端を谷折りすれば底上げ片が底部材上に配置されて緩衝空間が形成されるため、簡易な操作で緩衝空間を形成できる。
請求項の発明は、請求項に記載の構成において、内蓋の背面部材に当接する先端には、上方に折り曲げられて蓋部材の基部に当接して、内蓋の浮き上がりを防止する浮き上がり防止片が形成されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、内蓋先端部の浮き上がりを防止でき、運送時に振動が発生してもブレーカの安定した保持が可能となる。
請求項の発明は、請求項に記載の構成において、隔壁は、施蓋した蓋部材に当接する高さを有することを特徴とする。
この構成によれば、隔壁の上部は蓋部材に当接するため、内蓋の中央付近の浮き上がりを防止できるため、更なるブレーカの安定保持が可能となる。
本発明によれば、底上げ片によりブレーカとブレーカ梱包箱の底部との間に緩衝空間が形成されるため、箱体下方から受けた衝撃が直接ブレーカに伝わるのを防ぐことができ、下方からの衝撃でブレーカが破損するのを防止できる。
また、内蓋と蓋部材との間に付属品収納部が隔離形成されるため、収納した付属品によりブレーカが傷つくことがない。
本発明に係るブレーカ梱包箱の一例を示す斜視説明図であり、蓋部材を開けた状態をを示している。 図1のブレーカ梱包箱を展開した平面図である。 ブレーカを収納した図1の状態のブレーカ梱包箱の説明図である。 ブレーカ梱包箱の左側面説明図であり、(a)はブレーカを収納した状態(b)は空の状態を示している。 ブレーカ梱包箱の正面説明図であり、(a)はブレーカを収納した状態、(b)は空の状態を示している。
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1,2は本発明に係るブレーカ梱包箱の一例を示す説明図で、図1は外蓋を開けた状態の斜視説明図、図2はこのブレーカ梱包箱を展開した平面図を示している。
図1,2において、1はブレーカ梱包箱(以下、「箱体」と称する。)の周囲4面を構成する周囲部材、2は上部を閉塞する外蓋2aが形成された蓋部材、3(3a〜3d)は下部を閉塞する底面を構成する底部材、4は内部に配置される内蓋4aが形成された内蓋部材であり、これらが1枚の紙材に一体に形成されている。
周囲部材1は、背面を構成する背面部材11、左側面を構成する左側面部材12、前面を構成する前面部材13、右側面を構成する右側面部材14を有し、左から右に帯状に連続形成されている。そして、この周囲部材1を紙材の中央に配置して、他の部材がその周囲に連続形成されている。尚、11aは糊代であり、背面部材11の左端に形成され、右側面部材14の端部に重ねて連結される。
底部材3(3a〜3d)は、周囲部材1の各部材の下辺にそれぞれ分割して連続形成されており、周囲部材1を折り曲げて周囲4面を形成した際に、個々の底部材3(3a〜3d)が重ね合わせられて底面が形成され、底部が閉塞される。
蓋部材2は背面部材11の上辺に連続形成され、外蓋2aに加えてその先に前面部材13の背部に差し込まれる差込片2bが形成されている。
また、左右側面板12,14の上辺には、収納したブレーカの下部に緩衝空間を形成するための底上げ片15が折り返し片16を介して連続形成されている。
この折り返し片16は、箱体の底部に形成する緩衝空間の高さに合わせた所定の長さで形成、即ち箱の高さから形成する緩衝空間の高さを引いた寸法で形成されている。そして、その先端に形成された底上げ片15は、底部材3で形成された底面に先端が接触した状態で斜めに配置されるよう一定の長さで形成されている。
内蓋部材4は、前面部材13の上辺に連続形成され、ブレーカ上面32(図4に示す)に接触してブレーカ上部を覆う内蓋4aに加えて、ブレーカの上面位置まで内蓋4aを落とし込むための落とし込み片18、付属品収納部Fを形成するための隔壁19、内蓋4aの浮き上がり防止するための浮き上がり防止片20を備えている。
但し図2に示すように、内蓋4aは隔壁19により前後に分断されて形成され、前側内蓋4aa、後側内蓋4abとで構成されている。また、隔壁19は隣接配置された第1隔壁片19aと第2隔壁片19bとを有し、重ね合わせることで1つの隔壁19を形成する。
これらの部材は、落とし込み片18,前側内蓋4aa、第1隔壁片19a、第2隔壁片19b、後側内蓋4ab、浮き上がり防止片20の順に、前面部材13の上辺から連続形成されている。尚、収納される付属品は、例えばブレーカの端子に電線を接続する端子ネジやブレーカを取り付ける取付ネジである。
前側内蓋4aaには、ブレーカの操作ハンドル31(図3に示す)を露出させる挿通窓4bが開口形成されて、隔壁19はこの挿通窓4bに隣接する部位に形成されている。
また、落とし込み片18の中央には、外蓋2aの前側端部に形成されたスリット2cに差し込んで施蓋した状態をロックする爪片13aが切り抜き形成され、この爪片13aは、前面部材13の上部から連続形成されている。
隔壁19は、左右方向に直線状に形成され、施蓋した外蓋2aに接触する一様な高さを有している。こうして、操作ハンドル31の奥側に、操作ハンドル31から隔離した付属品収納部Fが形成される。
浮き上がり防止片20は、落とし込み片18と同一の長さ(高さ)を有し、内蓋4a先端である背面部材11との当接部の浮き上がりを防止する。尚、落とし込み片18は内蓋4aの基部である前面部材13との当接部の浮き上がりを防止するし、隔壁19が内蓋4a中央の浮き上がりを防止する。
図3はブレーカを収納した箱体の斜視説明図を示し、30はブレーカである。また、図4は箱体の左側面図、図5は正面図であり、図4,5において(a)はブレーカを収納した状態、(b)は空の状態を示している。図示するように、ブレーカ30は、操作ハンドル31が上面中央に突出しており、3端子構造のものが端子部を左右方向に向けて収納される。
箱体は、上述したように1枚の紙材を折り曲げて図1に示すように作成され、ブレーカ30は内蓋部材4を開けて収納される。ブレーカ30が収納されたら、開けた内蓋部材4を再び所定位置に折り曲げ配置することで内蓋4aが施蓋され、図3に示す状態となる。
尚、更に外蓋2aの先端に形成されている差込片2bを前面部材13の背部に差し込んで施蓋し、爪片13aを外蓋2aの端部に形成されたスリット2cに挿入することで施蓋した状態がロックされ、梱包状態となる(図示せず)。
この梱包状態で、箱体に収納されたブレーカ30は、底部に配置された底上げ片15により、ブレーカ30の下面と底部材3で形成される底面との間に所定の緩衝空間Sが形成され、その状態が維持される。また、ブレーカ上面32には内蓋4aが接触することで、ブレーカ30は上下の移動が規制される。尚、ブレーカ30の前後左右は隙間が発生しないようブレーカの寸法に合わせて箱体は作成されている。
そして、内蓋部材4の先端に形成された浮き上がり防止片20が、背面部材11に密着した状態で、その上端が外蓋2aの基部に当接するため、内蓋4aの先端部の浮き上がりが防止される。
また、隔壁19も外蓋2aの中央付近に当接するため、内蓋4aの中央部の浮き上がりが防止される。更に、落とし込み片18により内蓋4a基部の浮き上がりが防止される。
このように、底上げ片15によりブレーカ30と箱体の底部との間に緩衝空間Sが形成されるため、箱体下方から受けた衝撃が直接ブレーカ30に伝わるのを防ぐことができ、下方からの衝撃でブレーカ30が破損するのを防止できる。
また緩衝空間Sは、箱体上部に形成された折り返し片16を内側に折り曲げて、その先端を谷折りすれば底上げ片15が底部材3上に配置されて緩衝空間Sが形成されるため、簡易な操作で緩衝空間Sを形成できる。
更に、内蓋4aと蓋部材2との間に付属品収納部Fが隔離形成されるため、収納した付属品によりブレーカ30が傷ついたり破損するのを防止できる。また、隔壁19は内蓋4aを折り曲げる簡単な構成で済むし、操作ハンドル31が内蓋4a上に露出しても付属品収納部Fは隔壁19により露出した操作ハンドル31から確実に隔離でき、接触することがない。
尚、上記実施形態では、付属品収納部Fを操作ハンドル31の奥側に設けているが、隔壁19を操作ハンドル31の手前に設けて箱体の前面側に設けても良いし、隔壁19を操作ハンドル31を挟むように2つ設けて、前後両側に付属品収納部Fを設けても良い。
また、山折りして紙材2枚分の厚みしかない上記形態の隔壁19を、台形状に折り曲げて、或いは落とし込み片18を設けず箱体前面側から操作ハンドル31の奥側にかけて外蓋2aに接する高さの上面を設けて、更には前面側に付属品収納部Fを設けて操作ハンドル31の手前から背面部材11にかけて外蓋2aに接する高さの上面を設けて、操作ハンドル30を覆うように隔壁19を形成しても良い。このように隔壁19を形成した場合、内蓋4aにブレーカ30の操作ハンドル31を露出させる挿通窓4bが必要無くなる。
1・・周囲部材、2・・蓋部材、2a・・外蓋、3・・底部材、4・・内蓋部材、4a・・内蓋、4b・・挿通窓、11・・背面部材、12・・左側面部材、13・・前面部材、14・・右側面部材、15・・底上げ片、16・・折り返し片、18・・落とし込み片、19・・隔壁、20・・浮き上がり防止片、30・・ブレーカ、31・・操作ハンドル、32・・ブレーカ上面、F・・付属品収納部、S・・緩衝空間。

Claims (3)

  1. 左右側面、前面、背面の周囲4面を閉塞する周囲部材と、上部を閉塞する蓋部材と、下部を閉塞する底部材との6面部材に加えて、当該6面部材で形成した箱体内に収納したブレーカの上面を覆う内蓋が1枚の紙材で一体に形成されたブレーカ梱包箱であって、
    前記ブレーカの下部に緩衝空間を形成するために前記底部材上に配置される底上げ片と、前記内蓋上に付属品収納部を隔離形成するための隔壁とが更に前記紙材に一体形成され、前記紙材を展開した状態で、前記周囲部材の4面は横方向に連続形成されて成り、
    前記蓋部材は、前記周囲部材のうちの背面に配置される背面部材の上辺に連続形成される一方、前記内蓋は、前記周囲部材のうちの前面に配置される前面部材の上辺に連続形成されて、前記ブレーカの操作ハンドルを露出させる挿通窓を有すると共に、
    前記隔壁は前記内蓋の途中に形成され、前記内蓋の挿通窓に隣接する部位を山折りして形成されて成り、
    また前記底上げ片は、前記周囲部材のうちの左右側面を構成する側面部材の上辺にそれぞれ連続形成された折り返し片を介して形成され、
    前記折り返し片は、前記側面部材の高さからブレーカ下部に形成される前記緩衝空間の高さを差し引いた長さを有して、前記側面部材に重なる様に前記箱体の内側に折り返して配置され、
    前記底上げ片は、前記折り返し片の先端が谷折りされて傾斜配置された状態で、先端が前記底部材に当接して成ることを特徴とするブレーカ梱包箱。
  2. 前記内蓋の前記背面部材に当接する先端には、上方に折り曲げられて前記蓋部材の基部に当接して、前記内蓋の浮き上がりを防止する浮き上がり防止片が形成されて成ることを特徴とする請求項記載のブレーカ梱包箱。
  3. 前記隔壁は、施蓋した前記蓋部材に当接する高さを有することを特徴とする請求項記載のブレーカ梱包箱。
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