JP6754349B2 - カーテンエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車両室内の側面上部に沿って膨張展開するクッションを備えたカーテンエアバッグ装置に関するものである。
カーテンエアバッグ装置は、緊急時にガスによって膨張展開して乗員を受け止め保護する袋状のクッションを備える。クッションは、車両が側面衝突からロールオーバに移行した場合であっても、乗員の頭部や上半身が衝突する可能性のある領域をすべてカバーするために、車両の側面に沿って展開する必要がある。
クッションは、例えば、その表面を構成する車内側基布と車外側基布とを縫製する縫製部により、膨張領域となる複数の小部屋(チャンバ)に区画されている。クッションでは、緊急時に乗員との接触が想定されるチャンバを区画する縫製部を補強したり、縫製部からのガスリークを低減したりするために、縫製部において基布同士を接着剤で接着する構成が採用されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、一対の基布を重ね合わせて袋状に形成したエアバッグが記載されている。このエアバッグは、重ね合わせ部の間に接着性シリコーンを挟んだ状態で一体に縫合(縫製)されている。特許文献1のエアバッグでは、縫合部の縫い目からのガス漏れを接着性シリコーンによりシールする構造であるため、縫合により高い耐圧特性を確保し、接着性シリコーンにより優れた気密性を得られる、としている。
特開2006−327521号公報
しかしながら、特許文献1のエアバッグは、接着性シリコーンを用いて縫製部の補強や気密性の向上を図るものに過ぎない。すなわち特許文献1では、緊急時に乗員との接触が想定されるチャンバの内圧が高くなり過ぎると、乗員の傷害値が高くなる可能性があることに関し、何ら対策が講じられていない。
本発明は、このような課題に鑑み、緊急時に乗員がチャンバに接触した際に、乗員への傷害値を低減できるカーテンエアバッグ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるカーテンエアバッグ装置の代表的な構成は、ガスを利用して車室内で車体側壁に沿って膨張展開する袋状のクッションを備えるカーテンエアバッグ装置であって、クッションは、車内側基布および車外側基布と、車内側基布と車外側基布とを縫製し、緊急時に乗員との接触が想定される第1チャンバを区画する縫製部と、車内側基布と車外側基布とを部分的に結合する結合部とを備え、結合部は、第1チャンバ内に設けられ第1チャンバの容積を減少させている脱着部を含み、脱着部は、緊急時に第1チャンバの内圧が所定値を超えると破断し、第1チャンバの容積を増大させることで内圧を低下させることを特徴とする。
上記構成によれば、結合部に含まれる脱着部は、第1チャンバの容積を減少させるように通常時には車内側基布と車外側基布とを結合している。一方、緊急時において脱着部は、第1チャンバの内圧が所定値を超えると、車内側基布と車外側基布との結合を解除(破断)して第1チャンバの容積を増大させて内圧を低下させる。ここで第1チャンバの内圧の所定値とは、緊急時に第1チャンバにガスが完全に充填された状態での圧力値である。そして第1チャンバの内圧は、緊急時に乗員が第1チャンバに接触することで所定値を超える事態が想定される。上記構成では、第1チャンバの内圧が所定値を超えると、脱着部の破断により、第1チャンバの内圧を低下させることができる。すなわち緊急時に乗員が第1チャンバに接触することにより、第1チャンバの内圧が低下し、乗員への傷害値を低減できる。
上記の脱着部は、縫製部に沿って縫製部の第1チャンバ側に位置していて、結合部はさらに、縫製部に沿って脱着部の反対側に位置し脱着部とともに一体の帯状になっている補強部を含むとよい。
結合部のうち脱着部は、緊急時に第1チャンバの内圧が所定値を超えると破断するため、第1チャンバの容積が増え、第1チャンバの内圧を低下させることができる。なお第1チャンバの内圧の所定値は、脱着部の幅の寸法を変更することで調整できる。
一方、結合部のうち補強部は、縫製部に沿って脱着部の反対側すなわち第1チャンバの外側に位置している。このため、補強部は、緊急時に第1チャンバの内圧を直接受けないので破断しない。したがって上記構成によれば、第1チャンバを区画する縫製部のうち第1チャンバに面していない側を、補強部によって補強でき、さらに気密性を向上させることができる。
上記の脱着部は、第1チャンバ内の縫製部から離間した位置に島状に設けられていてもよい。上記構成では、脱着部が第1チャンバ内に島状に設けられていることで、通常時に第1チャンバの容積を減少させることができる。そして、緊急時に第1チャンバの内圧が所定値を超えると、島状の脱着部が破断し、第1チャンバの容積が増えて内圧を低下させることができる。なお第1チャンバの内圧の所定値は、島状の脱着部の数や大きさを変更することで調整できる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるカーテンエアバッグ装置の他の代表的な構成は、ガスを利用して車室内で車体側壁に沿って膨張展開する袋状のクッションを備えるカーテンエアバッグ装置であって、クッションは、車内側基布および車外側基布と、車内側基布と車外側基布とを縫製し、緊急時に乗員との接触が想定される第1チャンバおよび第2チャンバと緊急時に第1チャンバから第2チャンバにガスを導入して第1チャンバよりも遅延して第2チャンバを膨張展開させるガス導入口とを形成する縫製部と、車内側基布と車外側基布とを部分的に結合する結合部とを備え、結合部は、ガス導入口内に設けられ、ガス導入口を塞いでいる閉止部を含み、閉止部は、緊急時に第1チャンバの内圧が所定値を超えると破断し、ガス導入口を開くことで第1チャンバの内圧を低下させることを特徴とする。
上記構成によれば、結合部に含まれる閉止部は、第1チャンバから第2チャンバにガスを導入するガス導入口を通常時に塞いでいる。このため緊急時には、まずガスが第1チャンバに導入され、第1チャンバの内圧が所定値まで高まる。つぎに、緊急時に乗員が第1チャンバに接触して内圧が所定値を超えると、閉止部が破断してガス導入口を開く。その結果、第1チャンバから第2チャンバにガス導入口を介してガスが導入され、第1チャンバの内圧が低下する。したがって上記構成によれば、緊急時に乗員が第1チャンバに接触した際に、乗員への傷害値を低減できる。さらに第2チャンバは、第1チャンバよりも確実に遅延して膨張展開できるので、いわゆるディレイチャンバとして機能できる。
上記の結合部は、車内側基布と車外側基布との間に重ねられ、加熱することにより車内側基布および車外側基布に接着される熱溶着布で形成されているとよい。これにより、車内側基布と車外側基布との間に熱溶着布を重ねた状態で、熱溶着布に熱を加えるだけで、車内側基布と車外側基布とを結合できる。
上記の熱溶着布は、複数の高分子繊維を含む延性布材料で成形され、高分子繊維の少なくとも一部は、互いに融着する高分子樹脂繊維を含むとよい。これにより、熱溶着布の材料としては、高分子樹脂繊維を含むフェルトが挙げられる。フェルトは、基布との間で物理結合されるため、通常用いる例えばシリコーン系の接着剤すなわち基布との間で化学結合される接着剤に比べ、接着強度が弱い。このため、熱溶着布としてフェルトを用いると、圧力変化に対する応答性がよく、第1チャンバの内圧が所定値を超えたとき、迅速に破断できる。
上記の熱溶着布は、破断した状態で、車内側基布と車外側基布のいずれか一方に接着されているとよい。このように、熱溶着布が破断した際に車内側基布または車外側基布のいずれか一方に接着されていれば、車内側基布または車外側基布を補強できる。
上記の熱溶着布は、破断した状態で、車内側基布に接着された第1部位と車外側基布に接着された第2部位とに分離するとよい。このように、熱溶着布が破断した際に第1部位と第2部位とに分離すれば、車内側基布を第1部位で補強でき、車外側基布を第2部位で補強できる。
本発明によれば、緊急時に乗員がチャンバに接触した際に、乗員への傷害値を低減できるカーテンエアバッグ装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態におけるカーテンエアバッグ装置を例示する概略図である。 図1のカーテンエアバッグ装置の膨張展開の初期状態を例示する図である。 図2のクッション内の第1チャンバの内圧が所定値を超えた場合のカーテンエアバッグ装置を例示する図である。 図2および図3のクッションの断面を例示する図である。 図4(b)の結合部の変形例を例示する図である。 本発明の第2実施形態におけるカーテンエアバッグ装置を例示する概略図である。 図6のクッションの断面を例示する図である。 本発明の第3実施形態におけるカーテンエアバッグ装置を例示する概略図である。 図8のクッション内の第1チャンバの内圧が所定値を超えた場合のカーテンエアバッグ装置を例示する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態におけるカーテンエアバッグ装置を例示する概略図である。図中では、カーテンエアバッグ装置の非展開時(収納時)を例示している。なお図中で例示するカーテンエアバッグ装置は、車両の右側面用のものであるが、図示を省略する左側面用のカーテンエアバッグ装置も同様の対称な構造を有する。
カーテンエアバッグ装置100は、ガス発生装置であるインフレータ102を備えている。カーテンエアバッグ装置100は、側面衝突などの緊急時にインフレータ102から供給されるガスの圧力により、クッション104が膨張展開して乗員を拘束する。クッション104は、例えば、その表面を構成する基布を表裏で縫製したり、OPW(One−Piece Woven)を用いて紡織したりすることにより袋状に形成される。
車両106は、車両前方から前部座席108および後部座席110が配置された2列シートの車両である。車両106の側面部には、車両前方からサイドウィンドウ112、114が設置されている。各サイドウィンドウ112、114の車両前後方向には、ルーフ(天井)を支えるピラー(柱)が設けられている。これらのピラーは、車両106の前方からフロントピラー116、センタピラー118、リアピラー120と呼ばれる。
車両106はさらに、ルーフサイドレール122と、ルーフサイドレール122を車内側から覆うカバー124とを有する。なお図中ではカバー124を二点鎖線で示している。ルーフサイドレール122は、車両106の車両室内の側面上部に位置していて車両106の側壁を形成する。
クッション104は、車両前後方向の全体にわたって巻回(ロール)されたまたは折り畳まれた状態で、ルーフサイドレール122とカバー124との間に収納されている。これらの限られた収納スペースに収納されたクッション104は、複数のタブ126によって車室内の側面上部に取り付けられている。さらにクッション104にはストラップ128が取り付けられている。ストラップ128は、紐状の部材であって、先端部がフロントピラー116に取り付けられ、後端部がクッション104の前端に取り付けられている。
図2は、図1のカーテンエアバッグ装置100の膨張展開の初期状態を例示する図である。クッション104は、車内側基布130および車外側基布132(図4参照)と、縫製部134と、図2にハッチングを施した結合部136とを備える。車内側基布130および車外側基布132は、好ましくは可塑性の布であり、例えばポリアミド繊維の縦糸と緯糸を織り合わせて形成される布である。なお布は、熱可塑性材料でコーティングしてもよい。
図2中、一点鎖線で示す縫製部134は、車内側基布130と車外側基布132とを縫製し、第1チャンバ138を区画する。第1チャンバ138は、緊急時に乗員との接触が想定される部位である。
結合部136は、図示のように縫製部134を跨いで縫製部134に沿って帯状に形成されていて、車内側基布130および車外側基布132を部分的に結合する。結合部136は、例えば熱溶着布で形成されていて、車内側基布130と車外側基布132との間に重ねられ、加熱することにより車内側基布130および車外側基布132に接着される。
ここで結合部136の材料について説明する。結合部136は、複数の高分子繊維を含む延性布材料で成形され、高分子繊維の少なくとも一部が互いに融着して形成されていて、一例として複数の高分子繊維を含む不織布材料の形態を採ることができる。不織布としては、フェルト状のもの(例えばポリエステルフェルト)を使用できる。ポリエステルフェルトは、ポリエステル繊維を針加工により絡ませ互いに固定する既知のニードル法で製造される。ポリエステル繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PET)として提供され、フェルト材料は100%PET製とすることができる。
フェルト材料を構成する繊維は、ランダムまたは疑似ランダムに互いに絡み合う。また、フェルトは2種類の異なる構成の繊維を含むことができる。フェルトを構成する単成分繊維は、すべてPETホモポリマーで形成することができるが、芯とそれを囲む被覆を有する2成分複合繊維とすることもできる。2成分複合繊維の芯と被覆は、異なる特性を有するように構成され、特に融点が異なり、被覆は芯よりも有意に低い融点を有する(例えば120〜150℃の範囲)。2成分複合繊維もすべてPETで形成することができるが、芯はPETホモポリマーで成形し、被覆はPETコポリマー(coPET)で形成することができる。このようなPETとcoPETとの組合せにより、被覆の融点は芯の融点よりも低くなるが、全体的に繊維を確実にPETで形成できる。
2成分複合繊維の芯と単成分繊維は、どちらもPETホモポリマーで形成されるので、互いに同じ融点を有することになり、単成分繊維は2成分複合繊維の被覆よりも高い融点を有することになる。2成分複合繊維は、フェルト材料において単成分繊維全体に均等に配分される。2成分複合繊維がフェルト材料の繊維全体の30%〜60%を占め、残りはすべて単成分繊維とすることができる。
つぎに結合部136の成形方法について説明する。クッション104の車内側基布130と車外側基布132との間に熱溶着布の材料となるフェルト材料を重ねて中間パッケージを成形する。その後、プレス装置(図示せず)は、中間パッケージに対して熱を加え、例えば、2成分複合繊維の被覆の融点を上回るが2成分複合繊維の芯ならびに単成分繊維の融点よりも低い温度にて動作する。なお、熱と圧力を同時にパッケージに加えることは必須ではない。
フェルト材料は、圧縮されるときに繊維が互いに圧縮されてフェルト材料が薄くなり(例えば0.55mm)、いずれにせよ可塑的に変形する。より具体的には、2成分複合繊維の被覆の融点よりも高い温度で加熱すると、被覆が溶解する。したがって、被覆は、結合材における繊維が分布するすべての位置で、互いに融着する。ここで、結合材は2成分複合繊維の芯および単成分繊維の全体構造の融点よりも低温で加熱されるため、芯と単成分繊維は固相のままであり、互いに融着せず、被覆の材料だけが融着する。
このようにして、フェルト材料を用いた熱溶着布で形成された結合部136は、車内側基布130および車外側基布132に接着(熱融着)される。その後、接着された状態でミシンを用いて縫製することで縫製部134を形成する。ただしこれに限られず、車内側基布130と車外側基布132との間に結合部136を重ねた状態で、ミシンを用いて縫製部134を形成した後に、加熱することにより結合部136を車内側基布130および車外側基布132に接着するようにしてもよい。
ここでフェルト材料は、上記のように車内側基布130および車外側基布132との間で物理結合されるため、通常用いる例えばシリコーン系の接着剤すなわち基布との間で化学結合される接着剤に比べ、接着強度が弱い。このため、フェルト材料を用いた熱溶着布で結合部136を形成すると、圧力変化に対する応答性がよく、詳細は後述するが、第1チャンバ138の内圧が所定値を超えたとき、結合部136に含まれる脱着部140が迅速に破断できる。なお仮にシリコーン系の接着剤を縫製部134に使用すると、シリコーンの乾燥に24時間程度も必要となり、クッション104の製作に時間がかかってしまう。さらにシリコーンの乾燥後に縫製を行うことで、ミシン針とシリコーンとの摩擦によりミシン針の劣化が進行してしまう。
結合部136は、図2に示すように脱着部140と補強部142とを含んでいて、これらは一体となって縫製部136に沿って帯状になっている。脱着部140は、縫製部136の第1チャンバ138側に位置していて、第1チャンバ138内に設けられている。図示のように脱着部140は、寸法Waの幅を有していて、上下で寸法2×Wa分だけ、第1チャンバ138の上下方向の寸法を小さくして寸法Laとし、第1チャンバ138の容積を減少させている。補強部142は、縫製部134に沿って脱着部140の反対側すなわち第1チャンバ138の外側に位置していて、第1チャンバ138内に設けられていない。
図3は、図2のクッション104内の第1チャンバ138の内圧が所定値を超えた場合のカーテンエアバッグ装置100を例示する図である。図4は、図2および図3のクッション104の断面を例示する図である。図4(a)、図4(b)は、図2のA−A断面、図3のB−B断面をそれぞれ示す図である。
脱着部140は、第1チャンバ138内に設けられているので、緊急時に第1チャンバ138の内圧が所定値を超えると、図3に示すように破断する。図3では、結合部136のうち破断した部位すなわち脱着部140を明確に示すために、脱着部140にはハッチングを施していない。一方、ハッチングを施して示す補強部材142は、第1チャンバ138内に設けられていないので、緊急時に第1チャンバ138の内圧を直接受けないので破断しない。
ここで緊急時とは、側突時、ロールオーバ時、斜め衝突時およびスモールオーバーラップ衝突時などを想定している。また第1チャンバ138の内圧の所定値とは、緊急時に第1チャンバ138にガスが完全に充填された状態での圧力値である。そして第1チャンバ138の内圧は、緊急時に乗員が第1チャンバ138に接触することで所定値を超える場合がある。
図4(a)に示すクッション104では、第1チャンバ138の内圧が所定値を超えていないため、脱着部140が破断していない。このため、第1チャンバ138では、上下方向の寸法Laが維持されている。
ところが、緊急時に乗員が第1チャンバ138に接触することで内圧が所定値を超えると、クッション104では、図4(b)に示すように、脱着部140が破断し、車内側基布130と車外側基布132との結合が解除される。その結果、第1チャンバ138の上下方向の寸法は、脱着部140が破断する前の寸法Laに対して、上下の脱着部140の幅の寸法2×Wa分だけ増加して、寸法Lbとなる。
このように、クッション104では、第1チャンバ138の内圧が所定値を超えると脱着部140が破断し、第1チャンバ138の上下方向の寸法が大きくなるため、第1チャンバ138の容積が増大し、第1チャンバ138の内圧を低下させることができる。
したがってカーテンエアバッグ装置100では、緊急時に乗員が第1チャンバ138に接触して内圧が所定値を超えると、第1チャンバ138の内圧を低下させて、乗員への傷害値を低減できる。また、第1チャンバ138の内圧の所定値は、脱着部140の幅の寸法Waを変更することで調整できる。
さらにカーテンエアバッグ装置100では、補強部142が破断しないため、縫製部134のうち第1チャンバ134に面していない側を、補強部142によって補強でき、さらに気密性を向上させることができる。また図4(b)に示すように脱着部140は、破断した状態で、車内側基布130に接着しているので、車内側基布130を補強できる。なお図示は省略するが脱着部140は、破断した状態で車外側基布132に接着する場合もあり、この場合には車外側基布132を補強できる。
図5は、図4(b)の結合部136の変形例を例示する図である。図5(a)に示す結合部136Aは、脱着部144が破断した状態で、車内側基布130および車外側基布132のいずれにも接着していない。このため、結合部136Aでは、脱着部144が車内側基布130と車外側基布132との接合を確実に解除するため、緊急時に第1チャンバ138の容積を確実に増加させ、内圧を確実に低下させることができる。
図5(b)に示す結合部136Bは、脱着部146が破断した状態で、車内側基布130に接着された第1部位148aと車外側基布132に接着された第2部位148bとに分離している。このように結合部136Bでは、脱着部146が破断した状態で第1部位148aと第2部位148bとに分離するため、車内側基布130を第1部位148aで補強でき、車外側基布132を第2部位148bで補強できる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態におけるカーテンエアバッグ装置100Aを例示する概略図である。図6(a)、図6(b)は、クッション104Aの第1チャンバ138Aの内圧が所定値を超えていない場合、所定値を超えた場合をそれぞれ示している。図7は、図6のクッション104Aの断面を例示する図である。図7(a)、図7(b)は、図6(a)のC−C断面、図6(b)のD−D断面をそれぞれ示す図である。
カーテンエアバッグ装置100Aは、第1チャンバ138A内の縫製部134から離間した位置に島状に設けられた脱着部150を有する点で、上記カーテンエアバッグ装置100と異なる。なお脱着部150は、上記の脱着部140、144、146と同様の材料を用いた熱溶着布で形成されている。
図6(a)に示すクッション104Aでは、第1チャンバ138Aの内圧が所定値を超えていないため、脱着部150が破断していない。破断していない脱着部150は、第1チャンバ138A内に非膨張領域を形成する。このため、第1チャンバ138Aでは図7(a)に示すように、脱着部150を境にして上部チャンバ152aと下部チャンバ152bに区画され、さらに脱着部150が非膨張領域を形成する分、容積を減少させることができる。なお図示のように第1チャンバ138Aの上下方向の寸法は寸法Lbとされ、脱着部150の上下方向の寸法は寸法Wbとされている。
ところが、緊急時に乗員が第1チャンバ138Aに接触することで内圧が所定値を超えると、クッション104Aでは、図6(b)および図7(b)に示すように、脱着部150が破断し、車内側基布130と車外側基布132との結合が解除される。その結果、第1チャンバ138Aでは、脱着部150により形成された非膨張領域が消失し、上部チャンバ152aと下部チャンバ152bとが連続する。このため、図7(b)に示す第1チャンバ138Aは、上下方向の寸法が変化しない場合であっても、図7(a)に示す脱着部150が破断する前に比べて容積が増大するため、内圧が低下する。
したがってカーテンエアバッグ装置100Aでは、緊急時に乗員が第1チャンバ138Aに接触して内圧が所定値を超えると、第1チャンバ138Aの内圧を低下させて、乗員への傷害値を低減できる。また、第1チャンバ138Aの内圧の所定値は、島状の脱着部150の数や大きさを変更することで調整できる。また脱着部150は、破断した状態で図7(b)に示すように車内側基布130に接着しているので、車内側基布130を補強できる。
なお島状の脱着部150は、カーテンエアバッグ装置100のクッション104の第1チャンバ138に設けるようにしてもよい。このようにすれば、第1チャンバ138の容積をより減少させるなどして、内圧の所定値をより細かく調整することができる。
(第3実施形態)
図8は、本発明の第3実施形態におけるカーテンエアバッグ装置100Bを例示する概略図である。
カーテンエアバッグ装置100Bのクッション104Bは、縫製部154と結合部156とを備える。縫製部154は、車内側基布130と車外側基布132とを縫製し、緊急時に乗員との接触が想定される第1チャンバ158および第2チャンバ160を形成し、さらにガス導入口162を形成する。ガス導入口162は、緊急時に第1チャンバ158から第2チャンバ160にガスを導入して、第1チャンバ158よりも遅延して第2チャンバ160を膨張展開させるための通路である。
結合部156は、上記の結合部136、136A、136Bと同様の材料を用いた熱溶着布で形成されていて、車内側基布130と車外側基布132とを部分的に結合する。また結合部156は、閉止部164と、補強部166a、166bとを含む。
閉止部164は、ガス導入口162内に設けられ、ガス導入口162を塞いでいる。ただし閉止部164は、緊急時に第1チャンバ158の内圧が所定値を超えると破断し、ガス導入口162を開く(図9参照)。なお図8では第1チャンバ158の内圧が所定値を超えていない場合を示していて、閉止部164は破断していない。
補強部166a、166bは、縫製部154に沿ってガス導入口162の反対側すなわちガス導入口162に面しない側に位置している。そして補強部166a、166bは、ガス導入口162に面しない側を補強しさらに気密性を向上させている。
図9は、図8のクッション104B内の第1チャンバ158の内圧が所定値を超えた場合のカーテンエアバッグ装置100Bを例示する図である。
クッション104Bでは、ガス導入口162が閉止部164によって塞がれているので、まずガスが第1チャンバ158に導入され、第1チャンバ158の内圧が所定値となる。つぎにクッション104Bでは、緊急時に乗員が第1チャンバ158に接触して内圧が所定値を超えると、閉止部164が破断してガス導入口162を開く。その結果、クッション104Bでは、第1チャンバ158から第2チャンバ160にガス導入口162を介してガスが導入され(矢印E参照)、第1チャンバ158の内圧が低下する。
したがってカーテンエアバッグ装置100Bによれば、緊急時に乗員が第1チャンバ158に接触して内圧が所定値を超えると、第1チャンバ158の内圧を低下させて、乗員への傷害値を低減できる。さらに第2チャンバ160は、第1チャンバ158よりも確実に遅延して膨張展開できるので、いわゆるディレイチャンバとして機能できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記実施形態においては本発明にかかるカーテンエアバッグを自動車に適用した例を説明したが、自動車以外にも航空機や船舶などに適用することも可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車両室内の側面上部に沿って膨張展開するクッションを備えたカーテンエアバッグ装置に利用することができる。
100、100A、100B…カーテンエアバッグ装置、102…インフレータ、104、104A、104B…クッション、106…車両、108……前部座席、110…後部座席、112、114…サイドウィンドウ、116…フロントピラー、118…センタピラー、120…リアピラー、122…ルーフサイドレール、124…カバー、126…タブ、128…ストラップ、130…車内側基布、132…車外側基布、134…縫製部、136、136A、136B、156…結合部、138、138A、158…第1チャンバ、140、144、146、150…脱着部、142、166a、166b…補強部、148a…脱着部の第1部位、148b…脱着部の第2部位、152a…上部チャンバ、152b…下部チャンバ、160…第2チャンバ、162…ガス導入口、164…閉止部

Claims (7)

  1. ガスを利用して車室内で車体側壁に沿って膨張展開する袋状のクッションを備えるカーテンエアバッグ装置であって、前記クッションは、
    車内側基布および車外側基布と、
    前記車内側基布と前記車外側基布とを縫製し、緊急時に乗員との接触が想定される第1チャンバを区画する縫製部と、
    前記車内側基布と前記車外側基布とを部分的に結合する結合部とを備え、
    前記結合部は、前記車内側基布と前記車外側基布との間に重ねられ、加熱することにより前記車内側基布および前記車外側基布に接着される熱溶着布で形成されていて、
    前記結合部は、前記第1チャンバ内に設けられ該第1チャンバの容積を減少させている脱着部を含み、
    前記脱着部は、緊急時に前記第1チャンバの内圧が所定値を超えると破断し、前記第1チャンバの容積を増大させることで内圧を低下させることを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  2. 前記脱着部は、前記縫製部に沿って該縫製部の前記第1チャンバ側に位置していて、
    前記結合部はさらに、前記縫製部に沿って前記脱着部の反対側に位置し該脱着部とともに一体の帯状になっている補強部を含むことを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ装置。
  3. 前記脱着部は、前記第1チャンバ内の前記縫製部から離間した位置に島状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ装置。
  4. ガスを利用して車室内で車体側壁に沿って膨張展開する袋状のクッションを備えるカーテンエアバッグ装置であって、前記クッションは、
    車内側基布および車外側基布と、
    前記車内側基布と前記車外側基布とを縫製し、緊急時に乗員との接触が想定される第1チャンバおよび第2チャンバと緊急時に前記第1チャンバから前記第2チャンバにガスを導入して第1チャンバよりも遅延して第2チャンバを膨張展開させるガス導入口とを形成する縫製部と、
    前記車内側基布と前記車外側基布とを部分的に結合する結合部とを備え、
    前記結合部は、前記車内側基布と前記車外側基布との間に重ねられ、加熱することにより前記車内側基布および前記車外側基布に接着される熱溶着布で形成されていて、
    前記結合部は、前記ガス導入口内に設けられ、該ガス導入口を塞いでいる閉止部を含み、
    前記閉止部は、緊急時に前記第1チャンバの内圧が所定値を超えると破断し、前記ガス導入口を開くことで前記第1チャンバの内圧を低下させることを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  5. 前記熱溶着布は、複数の高分子繊維を含む延性布材料で成形され、
    前記高分子繊維の少なくとも一部は、互いに融着する高分子樹脂繊維を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ装置。
  6. 前記熱溶着布は、破断した状態で、該車内側基布と該車外側基布のいずれか一方に接着されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ装置。
  7. 前記熱溶着布は、破断した状態で、前記車内側基布に接着された第1部位と前記車外側基布に接着された第2部位とに分離することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ装置。
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