JP6575277B2 - シートベルトエアバッグ用織物 - Google Patents

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本発明は、車両の衝突時等に膨張展開し、乗員に加わる衝撃、特に肩及び胸部に加わる衝撃を吸収し、緩和するシートベルトに用いることができるシートベルトエアバッグ用織物に関する。更に詳しくは、本発明は、エアバッグが内装されたウェビングとして機能する織物とすることができ、別体としてのウェビング及びエアバッグが内装されたカバー材として用いられる織物とすることもできる。
従来、車両の衝突時等の衝撃から乗員を保護するため、車両にはシートベルトが取り付けられている。また、通常、このシートベルトの着用を前提としたフロントエアバッグ、サイドエアバッグ等の各種のエアバッグが配設されている。更に、ウェビングは、脱着時の操作性と装着感、即ち、脱着時の機能性と装着時の快適性とを両立させるため、過度に幅広とすることができない。そのため、ウェビングの幅には自ずと制限があり、衝突時等に、ウェビングによる局部的な荷重が乗員に加わることになる。
上述のようなウェビングによる局部的な荷重を緩和するため、エアバッグ機能を有するシートベルトが提案され、実用化が図られている。例えば、ガスが導入される複層部と、複層部の各層の端同士が連なる単相部とを有し、複層部は袋織りにより筒状に織られ、単相部は袋とじ織りにより織られたバッグを備えるエアベルトが知られており(例えば、特許文献1参照。)、バッグは十分にコンパクトに折り畳むことが可能であり、エアベルトの収納性や装着感を向上させることができる等と説明されている。
特開2013−107495号公報
しかし、特許文献1に記載されたエアベルトでは、エアバッグとして機能するバッグの折畳体がカバーに共縫いされてテアシームが形成されており、縫製工程が必要となり、工数が多くなる。また、エアベルトに収納されたバッグの両端部の単相部には、通常のウェビングが縫い付けられており、工程が煩雑になるとともに、装着感、見栄えともに低下する。
本発明は、上述の従来の状況に鑑みてなされたものであり、エアバッグが内装されたウェビングとして機能するシートベルトエアバッグ用織物とすることができ、別体としてのウェビング及びエアバッグが内装されたカバー材として用いることもできるシートベルトエアバッグ用織物を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.経糸、緯糸及び接結糸を用いて一体的に製織されたシートベルトエアバッグ用織物であって、
前記経糸と前記緯糸とを用いて一体的に製織され、前記経糸の方向を長さ方向として対向する2層の帯状織物と、前記帯状織物の各々の幅方向の両側端部に、経糸として織り込まれた前記接結糸とを備え、前記接結糸はエアバッグ作動時に断裂可能であることを特徴とするシートベルトエアバッグ用織物。
2.前記接結糸の本数が1〜3本である前記1.に記載のシートベルトエアバッグ用織物。
3.前記接結糸の外側に1〜50本の経糸が織り込まれる前記1.に記載のシートベルトエアバッグ用織物。
4.エアバッグが内装されたウェビングとして用いられる前記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載のシートベルトエアバッグ用織物。
5.別体としてのウェビングと、前記ウェビングと前記2層の帯状織物のうちのいずれか一方との間に介装されるエアバッグとが内装されたカバー材として用いられる前記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載のシートベルトエアバッグ用織物。
6.長さがシートベルトのウェビングと同じである前記1.乃至3.のうちのいずれか1項又は5.に記載のシートベルトエアバッグ用織物。
本発明のシートベルトエアバッグ用織物では、2層の帯状織物の各々の両側端部に経糸として接結糸が織り込まれており、織物全体が一工程で製織されているため生産性が高い。また、シートベルトエアバッグとして用いるとき、エアバッグ作動時に接結糸が断裂し、内装されたエアバッグを容易に膨張展開させることができる。
また、織物がエアバッグが内装されたウェビングとして用いられる場合は、全体が同一の外観を有するウェビングとすることができ、エアバッグが内装されているにも拘わらず、見栄えのよいウェビングとすることができる。
更に、別体としてのウェビングと、ウェビングと2層の帯状織物のうちのいずれか一方との間に介装されるエアバッグとが内装されたカバー材として用いられる場合は、全体が略同一の外観を有するウェビングとすることができ、別体としてのウェビングとエアバッグとが内装されているにも拘わらず、見栄えのよいウェビングとすることができる。
また、前記1.及び3.の発明においてシートベルトエアバッグ用織物の長さがシートベルトのウェビングと同じである場合は、全体が同一の外観を有し、見栄えのよいウェビングとすることができる。
シートベルトエアバッグ用織物の長さ方向の一部の縦断面及び経糸、緯糸、接結糸の織り込み方法を説明するための模式図である。 対向する2層の帯状織物の長さ方向の一部の縦断面を拡大して表す模式図である。 経糸として織り込まれた接結糸に2本の緯糸が同時に織り込まれた箇所の一部の縦断面を拡大して表す模式図である。 図1のA−A断面を表すシートベルトエアバッグ用織物の横断面の模式図である。 シートベルトエアバッグ用織物がウェビングとして用いられるときの一部の外観を表す模式的な斜視図である。 シートベルトエアバッグ用織物がカバー材として用いられるときの一部の外観を表す模式的な斜視図である。 図6のB−B断面を表す模式図である。 車両用シートと、シートベルトエアバッグ用織物をエアバッグが内装されたウェビングとして用いたときに、エアバッグが膨張展開したときの様子とを説明するための模式的な斜視図である。 尚、図1、2、4では、工程の説明及びこの工程により製織される織物を理解し易くするため、一方の織物31と他方の織物32とが離間しているように模式的に図示しているが、実際は、エアバッグ5、ウェビング6が内装されている箇所以外では一方の織物31と他方の織物32の各々の内面は接触している。また、図3では、2本の緯糸22が離間しているように模式的に図示されているが、実際は、2本の緯糸22は接触しており、緯糸22と接結糸23も接触している。
以下、本発明を、図1〜8を参照しながら詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
[1]シートベルトエアバッグ用織物
本発明のシートベルトエアバッグ用織物1(以下、織物1と略記することもある)は、経糸21と緯糸22とを用いて一体的に製織され、経糸21の方向を長さ方向として対向する2層の帯状織物31、32と、帯状織物31、32の各々の幅方向の両側端部3a、3b(図4参照)に、経糸として織り込まれた接結糸23とを備え、接結糸23はエアバッグ作動時に断裂可能である(図1、4、5、6参照)。
本発明のシートベルトエアバッグ用織物1は、ウェビング4aとして用いることができる(図5、8参照)。即ち、織物1は、長さ方向の引張強さが十分に大きく、そのままシートベルトのウェビングとして用いることができる。この引張強さは特に限定されないが、通常のウェビングと同様に30kN程度とすることができる。この場合、織物1にはエアバッグ5が内装される(図5の内装されたエアバッグ5参照、図8はこのエアバッグ5が膨張展開した様子を表す)。
エアバッグ5が内装される位置は、織物1の、乗員がシートベルトを装着したときに、乗員の肩から胸部に対応する位置である。エアバッグ5は2層の帯状織物31、32間に厚さ方向に押圧されて内装されるため、帯状織物31、32の各々の内表面とエアバッグ5の外表面との接触抵抗により所定位置に固定され、織物1内でエアバッグ5が織物1の長さ方向に容易に移動することはない。そのため、何らかの手段によりエアバッグ5を所定位置に固定することは特に必要ではない。一方、エアバッグ5は、例えば、面方向の数か所を織物1に縫着する、又は接合する等の方法によって、より強固に所定位置に固定することもできる。
また、エアバッグ5は、車両の衝突時等に、インフレータから供給されるガスによって膨張展開し、乗員の肩及び胸部に加わる衝撃が吸収され、緩和される。このガスは、織物1がウェビング4aとして用いられるときは、ボディパネルのピラーの下部に固定されたリトラクターに取り付けられた織物1の一端部、又はフロアパネル又はシートパネルの下部に配置されたアンカーに取り付けられた織物1の他端部の開口部から挿入されてエアバッグ5に接続されたインフレータからのガス供給用チューブにより供給される。
本発明のシートベルトエアバッグ用織物1は、別体としての通常のウェビング6と、ウェビング6と2層の帯状織物31、32のうちのいずれか一方との間に介装されるエアバッグ5とが内装されたカバー材4b(織物の構成はウェビング4aとして用いられるときと同じである)としても用いることができる(図6、7参照)。この場合、インフレータから供給されるガスは、カバー材4bの一端部又は他端部の開口部から挿入されてエアバッグ5に接続されたガス供給用チューブにより供給される。また、カバー材4bには別体としての通常のウェビング6が内装されるため、カバー材4bの長さ方向の引張強さは、シートベルトを繰り返し使用することにより容易に破断することがなければよく、例えば、5〜30kN、特に10〜20kN程度とすることができる。
更に、織物1と内装される別体としてのウェビング6とは、2層の帯状織物31、32のそれぞれの内面と、ウェビング6の両外面とが密着し、厚さ方向に押圧力も作用するため、相互に容易に移動することはない。そのため、2層の帯状織物31、32のそれぞれの内面と、ウェビング6の両外面とのずれを何らかの手段により防止、又は少なくとも抑える必要はない。しかし、織物1がウェビング6より短いとき、特に内装されたエアバッグ5を覆う程度に短いときは、2層の帯状織物31及び/又は32とウェビング6とを所要箇所で縫着又は接合等の方法によって、より強固に固定し、ずれを防止、又は少なくとも抑えることもできる。
また、エアバッグ5が内装される位置は、ウェビング6の、乗員がシートベルトを装着したときに、乗員の肩から胸部に対応する位置である。エアバッグ5はウェビング6と2層の帯状織物31又は32との間に内装される。即ち、エアバッグ5は、ウェビング6の一表面と帯状織物31の内表面との間(図7参照)、又はウェビング6の他表面と帯状織物32の内表面との間に介装される。そのため、エアバッグ5は各々の面間の接触抵抗により所定位置に固定され、織物1内でエアバッグ5が織物1の長さ方向に容易に移動することはなく、何らかの手段によりエアバッグ5を所定位置に固定することは特に必要ではない。一方、エアバッグ5は、例えば、面方向の数か所を、エアバッグ5と帯状織物31、32及び/又はウェビング6とを縫着する、又は接合する等の方法によって、より強固に所定位置に固定することもできる。
更に、エアバッグ5はウェビング6と2層の帯状織物31又は32との間に介装されるが、この場合、エアバッグ5は、乗員がシートベルトを装着したときに、乗員の肩から胸部に接触する側の帯状織物31又は32とウェビング6との間に介装されることが好ましい(図7では、帯状織物31が乗員の肩から胸部に接触する側となるようにして装着することが好ましい)。これにより、エアバッグ5の作動時、乗員とウェビング6との間で膨張展開することになり、乗員に加わる衝撃、特に肩及び胸部に加わる衝撃を吸収し、緩和する作用効果がより十分に発現される。
また、織物1がカバー材4bとして用いられる場合、カバー材4bの長さ方向の寸法は、別体として内装されるウェビング6と同じでもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい(図6参照)。カバー材4bとウェビング6とが同じ長さであれば、それぞれの両端部を同位置に揃えることで、外見はカバー材4bのみとなり見栄えが向上する。一方、カバー材4bは、少なくともエアバッグ5を内装することができる長さとすることもできる。この場合、カバー材4bは、エアバッグ5を内装することができる長さ以上、ウェビング6の長さ未満であればよく、見栄え等を考慮し、適宜の長さとすることができるが、いずれにしてもウェビング6の長さ方向に外観の異なるカバー材4bが配置されることになり、見栄えの観点では不利である。
[2]シートベルトエアバッグ用織物の製造方法及び織物の構成
以下、本発明のシートベルトエアバッグ用織物1の製造方法の一例、及び製造された織物1の模式的な縦断面、横断面について、図1〜4を用いて説明する。
経糸21を2段に開口させ、2段の開口の各々にそれぞれ1本の緯糸22を同時に織り込むことで2層の帯状織物31、32(工程を説明する図1及び模式的な横断面を表す図2参照)を同時に製織する。また、2層の帯状織物31、32の各々の両側端部で経糸として供給される接結糸23を全開口させ、この開口に2本の緯糸22を織り込み(工程を説明する図1及び模式的な横断面を表す図3参照)、2層の帯状織物31、32がそれぞれの両側端部で接結糸23により接結された織物1を製造する。
経糸として織り込まれる接結糸23の本数は、1〜3本とすることができるが、1〜2本であることが多く、通常、1本である。更に、接結糸23の引張強さは、エアバッグ5の膨張展開を損なうことがない限り、特に限定されないが、織物1がウェビング4aとして用いられるときは、経糸21の引張強さの1/10〜1/4、特に1/10〜1/6程度であることが好ましい。例えば、経糸21及び接結糸23がポリエステル製のマルチフィラメントであり、経糸21の繊度が1000dtexである場合、接結糸23は100〜250dtex、特に150〜250dtexとすることができる。
接結糸23は2層の帯状織物31、32の各々の両側端部に織り込まれればよく、両側端に織り込まれてもよく、織り込まれた接結糸23の更に外側に経糸21が織り込まれていてもよい(図4参照、この図4では接結糸23の更に外側にそれぞれ4本の経糸21が織り込まれている)。この接結糸23の更に外側に織り込まれる経糸21の本数は50本以下であり、1〜50本、特に1〜20本とすることができる。接結糸23が2層の帯状織物31、32の各々の両側端に織り込まれている、又は接結糸23の更に外側に50本以下の経糸21が織り込まれている形態であれば、エアバッグ5の作動時、接結糸23が断裂することにより、エアバッグ5を容易に膨張展開させることができる。
[3]内装されるエアバッグ
シートベルトエアバッグ用織物1に内装されるエアバッグ5は特に限定されない。例えば、袋織により製織された織物からなり、一面側の織地と他面側の織地とを有し、幅広に形成された幅方向の両端部から内方側に向かって折り畳まれて形成されたエアバッグ5を用いることができる。このエアバッグ5は、織物1がウェビング4aとして用いられるとき、及びカバー材4bとして用いられるとき、のいずれの場合も、織物1の長さ方向の中間部に内装され、車両の衝突等により衝撃が加わったときに、インフレータから噴出した高圧ガスが内部に流入して膨張展開し、拡幅するとともに厚さが増し、乗員に加わる衝撃、特に肩及び胸部に加わる衝撃が緩和される(図8参照)。
また、エアバッグ5の幅は特に限定されないが、例えば、幅方向の両端部から内方側に向かって折り畳んだときに、シートベルトエアバッグ用織物1の両側端部に織り込まれた接結糸23間の幅を超えないことが必要である。更に、エアバッグ5の幅方向の両端部から内方側に向かって折り畳んだときの側端部と、織物1の接結糸23とが幅方向において略同じ位置になる、即ち、非展開時のエアバッグ5の幅と、織物1の両側端部の接結糸23間の幅方向の寸法とが略同じであることが好ましい。一方、エアバッグ5は、膨張展開時には、衝撃緩和の観点で、より幅広になることが好ましく、エアバッグ5の展開時の幅は、非展開時の幅の1.2〜6.0倍、特に2.0〜4.0倍であることが好ましい。
更に、エアバッグ5は、衝撃緩和の観点で、厚さが増すよりも、幅広になることがより好ましい。そのため、エアバッグ5の内部には、展開時にエアバッグ5の厚さ方向への膨張展開を規制するテザーが設けられることが好ましい。このようなテザーを備えることで、エアバッグ5の厚さ方向への展開が抑えられるとともに、エアバッグ5が十分に拡幅され、乗員への衝撃が吸収され、緩和される。
また、ガスの流入時に膨張展開するエアバッグ5は、その外面側等に、樹脂及び/又はゴムを含浸させ、気密性等を向上させることが好ましい。これにより、通気が抑えられ、十分な展開速度が確保されるエアバッグ5とすることができる。用いられる樹脂、ゴムとしては、例えば、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリル系、ポリオレフィン系、フッ素系、クロロスルフォン化ポリエチレン系、クロロプレン系、シリコーン系、ウレタン系等の樹脂、ゴムが挙げられる。
樹脂及び/又はゴムを含浸させる方法は特に限定されず、エアバッグ5を構成する織地を、樹脂及び/又はゴムを含有するエマルションに含浸させ、加熱して媒体を除去する等の方法が挙げられる。この場合、樹脂及び/又はゴムの付着量等によって、エアバッグ5の通気性を調整することができ、樹脂、ゴムの種類によっては耐熱性を向上させることもできる。この樹脂及び/又はゴムの含浸は、織物組織及び織組織等による通気性の相違等を勘案し、必要に応じて実施することが好ましいが、通常は実施される。
[4]糸の材質及び繊度等
本発明のシートベルトエアバッグ用織物1の製造には、通常、合成樹脂からなるフィラメントが用いられる。このフィラメントとしては、マルチフィラメントとモノフィラメントとがあるが、マルチフィラメントが用いられることが多い。フィラメントの材質は特に限定されず、各種の合成樹脂からなるフィラメントを用いることができる。
合成樹脂は特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、及び高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。合成樹脂としては、特にポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂が好ましい。また、シートベルトエアバッグ用織物1は、ウェビング4aとして用いられる場合、長さ方向にシートベルトのウェビングとしての所定の引張強さを有している必要があり、特に経糸21として、優れた引張強さを有するポリエステル系樹脂を用いてなる糸、特にマルチフィラメントを使用することがより好ましい。
経糸21及び緯糸22として用いられるマルチフィラメント等の合成樹脂フィラメントの繊度は特に限定されない。この繊度は、糸の材質等も考え併せ、シートベルトエアバッグ用織物1がウェビング4aとして用いられるときと、カバー材4bとして用いられるときとで、それぞれ適宜の繊度のマルチフィラメント等を用いることが好ましい。経糸21及び緯糸22が、各々、好ましい範囲の繊度であれば、十分な引張強さを有するとともに、車両の衝突時等にエアバッグ5の膨張展開が容易に且つ迅速になされるウェビング4aとすることができる。また、車両の衝突時等にエアバッグ5の膨張展開が容易に且つ迅速になされるカバー材4bとすることができる。
マルチフィラメント等の合成樹脂フィラメントの繊度は上述のように特に限定されず、適宜の繊度のマルチフィラメント等を用いることが好ましい。より具体的には、糸として多用されるポリエステル製のマルチフィラメントでは、織物1がウェビング4aとして用いられる場合、繊度は、経糸21が700〜2500dtex、緯糸22が250〜1500dtexであることが好ましく、特に経糸21は800〜2500dtexであることが好ましい。このような繊度であれば、特に経糸21の繊度が800dtex以上であれば、ウェビング4aとしての十分な強度を有するため好ましい。一方、接結糸23の繊度は、ポリエステル製のマルチフィラメントであるとき、前述のように、100〜250dtex、特に150〜250dtexとすることができる。
また、織物1がカバー材4bとして用いられるときは、織物1の長さ方向の引張強さは、織物1がウェビング4aとして用いられるときと比べて小さくてもよい。そのため、例えば、ポリエステル製のマルチフィラメントである場合、経糸21の繊度は、50〜1500dtex、特に50〜1000dtex、更に100〜280dtexとすることができる。更に、緯糸22の繊度も、織物1がウェビング4aとして用いられるときと比べて小さくてもよく、50〜1100dtex、特に50〜700dtex、更に100〜280dtexとすることができる。一方、接結糸23の繊度は、織物1がウェビング4aとして用いられるときと同程度とすることができる。
尚、経糸21、緯糸22及び接結糸23の繊度として、ポリエステル製のマルチフィラメントであるときの値を例示したが、この繊度は、糸の材質及びマルチフィラメントを構成するフィラメント数等によって適宜調整すればよい。
本発明のシートベルトエアバッグ用織物1では、内装されるエアバッグ5は、衝突時等に膨張展開し、拡幅するとともに厚さが増し、乗員の特に肩から胸部への衝撃が吸収され、緩和されて、エアバッグとして機能する。織物1がウェビング4aとして機能する場合は、シートベルトのウェビングとしての所要強度を有している必要があり、前述のように、特に経糸21の材質は、優れた引張強さを有する合成樹脂であることが好ましく、ポリエステル系樹脂であることがより好ましい。一方、カバー材4bである場合は、エアバッグ5とともに通常のウェビング6が内装されるため、前述のように、経糸21ばかりでなく、緯糸22も織物1がウェビング4aとして機能するときと比べて強度の低い材質であってもよく、繊度の小さいマルチフィラメント等であってもよい。
尚、前述の記載は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施態様を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく、説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その態様において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施態様を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、寧ろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は、車両用のシートベルトの技術分野、及びエアバッグの技術分野において利用することができる。特にウェビングの長さ方向の、装着したときに肩から胸部にかけて位置することになる部分に、衝突時等に膨張展開するエアバッグが内装され、他のエアバッグとともに、乗員をより十分に保護することができるシートベルトエアバッグの技術分野において好適に利用することができる。
1;シートベルトエアバッグ用織物、21;経糸、22;緯糸、23;接結糸、31;2層の帯状織物のうちの一方の織物、32;2層の帯状織物のうちの他方の織物、3a、3b;帯状織物の側端部、4a;ウェビングとして用いられる織物、4b;カバー材として用いられる織物、5;内装されたエアバッグ(膨張展開したエアバッグ)、6;別体として内装されたウェビング、10;車両用シート、10a;シートクッション、10b;シートバック。

Claims (6)

  1. 経糸、緯糸及び接結糸を用いて一体的に製織されたシートベルトエアバッグ用織物であって、
    前記経糸と前記緯糸とを用いて一体的に製織され、前記経糸の方向を長さ方向として対向する2層の帯状織物と、前記帯状織物の各々の幅方向の両側端部に、経糸として織り込まれた前記接結糸とを備え、前記接結糸はエアバッグ作動時に断裂可能であることを特徴とするシートベルトエアバッグ用織物。
  2. 前記接結糸の本数が1〜3本である請求項1に記載のシートベルトエアバッグ用織物。
  3. 前記接結糸の外側に1〜50本の経糸が織り込まれる請求項1に記載のシートベルトエアバッグ用織物。
  4. エアバッグが内装されたウェビングとして用いられる請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のシートベルトエアバッグ用織物。
  5. 別体としてのウェビングと、前記ウェビングと前記2層の帯状織物のうちのいずれか一方との間に介装されるエアバッグとが内装されたカバー材として用いられる請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のシートベルトエアバッグ用織物。
  6. 長さがシートベルトのウェビングと同じである請求項1乃至3のうちのいずれか1項又は請求項5に記載のシートベルトエアバッグ用織物。
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