JP6752845B2 - 掘削工法及び掘削安定液 - Google Patents

掘削工法及び掘削安定液 Download PDF

Info

Publication number
JP6752845B2
JP6752845B2 JP2018108354A JP2018108354A JP6752845B2 JP 6752845 B2 JP6752845 B2 JP 6752845B2 JP 2018108354 A JP2018108354 A JP 2018108354A JP 2018108354 A JP2018108354 A JP 2018108354A JP 6752845 B2 JP6752845 B2 JP 6752845B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
less
mass
excavation
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018108354A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019210721A (ja
Inventor
理勇 谷本
理勇 谷本
康平 岡田
康平 岡田
伸曉 岡内
伸曉 岡内
小柳 幸司
幸司 小柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2018108354A priority Critical patent/JP6752845B2/ja
Publication of JP2019210721A publication Critical patent/JP2019210721A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6752845B2 publication Critical patent/JP6752845B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Piles And Underground Anchors (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Description

本発明は、既製コンクリート杭の埋め込み工法等において、地盤を掘削する際に、掘削穴内の崩壊を防止するために使用される掘削安定液、及びこの掘削安定液を用いた掘削工法に関する。
構造物建設の基礎工事等における代表的な既製コンクリート杭の埋め込み工法では、地盤を支持層まで掘削攪拌ロッドを用いて掘削安定液を注入しながら掘削した後、掘削孔に根固め液を注入し、次に所定の水硬性スラリー(以下、杭周固定液という)を注入しながら掘削攪拌ロッドをゆっくりと引き上げ、そして、その後杭周固定液で満たされた孔中に、既製コンクリートパイルを沈設する。
この工法では、まず地盤の掘削から始められ、このとき、掘削穴壁面の崩れを防止するために、ベントナイト等の水膨潤性粘土を含む掘削安定液を掘削穴に満たしながら、掘削が行われる。ここで用いる掘削安定液は、壁面の軟弱化を防止し、掘削穴内を満たした掘削安定液の水圧によって、壁面の崩壊を防止するが、これは、掘削安定液が掘削壁面に浸透する際に、掘削安定液中の水膨潤性粘土が、土の粒子の間に詰まり堆積することにより、マッドケーキと言われる止水層ができるためであると考えられている(特許文献1)。
一方で、セメントスラリー中に特定のアニオン界面活性剤と特定のカチオン界面活性剤を一定比率で添加することで、紐状ミセルと呼ばれる擬似的な高分子が形成され、高い粘弾性を得られることが知られている(特許文献2)。この擬似的な高分子はアルキル鎖部分での疎水結合や、親水部での特異な相互作用など共有結合以外の分子間相互作用によって構築されているため、一定のせん断力を受けると擬似高分子構造が崩壊し粘弾性が低下するといった特徴を有している(高いチキソトロピー性)。そのため、せん断力のかかる輸送中は擬似高分子構造が崩壊して低粘度化し、せん断力が除かれた打設現場では擬似高分子構造が再生され粘弾性が戻るといった、これまでの有機高分子系増粘剤にはない性能(ポンプ圧送性と粘弾性の両立)を示す。
特許文献3には、特定の硫酸エステルと特定の脂肪酸アルカノールアミドを組み合わせることで紐状ミセル形成し、水に対してチキソトロピー性と粘性を付与するレオロジー改質剤が開示されている。
特開2004−300190号公報 特開2003−313536号公報 国際公開第2017/217445号
しかしながら、既製コンクリート杭の埋め込み工法等において、掘削する地盤が砂層、れき層もしくは砂れき層等の透水性の高い地質(以下、透水性地盤ともいう)に施工する場合、上述の掘削安定液が地盤に吸い込まれてしまい(以下、逸水ともいう)、掘削穴壁面の崩れが発生し、施工が困難となるケースがあり問題となる。ここで本発明における透水性地盤とは、JISA 1218の土の透水試験(定水位)により測定される透水係数が10−4cm/秒以上の地盤のことをいう。
本発明は、既製コンクリート杭の埋め込み工法等において、掘削する際に、掘削穴内の崩壊の原因となる透水性地盤で発生する逸水を抑制することができる掘削工法、及び掘削安定液に関する。
本発明は、(A)レオロジー改質剤(以下、(A)成分という)、(B)水膨潤性粘土(以下、(B)成分という)、水硬性粉体、及び水を含有する、掘削安定液を用いて、掘削穴内壁面の崩壊を防止しながら地盤を掘削する、掘削工法に関する。
また本発明は、前記(A)成分、前記(B)成分、水硬性粉体、及び水を含有する、掘削安定液に関する。
本発明によれば、既製コンクリート杭の埋め込み工法等において、地盤を掘削する際に、掘削穴内の崩壊の原因となる透水性地盤で発生する逸水を抑制することができる掘削工法、及び掘削安定液が提供される。
本発明の掘削安定液は、(A)成分として、レオロジー改質剤、好ましくは紐状ミセルを含むレオロジー改質剤、(B)成分として水膨潤性粘土、及び水硬性粉体を含むことで、掘削安定液中に緩和の遅いネットワーク構造を形成され、特定の貯蔵弾性率が付与される。この特定の貯蔵弾性率を有する掘削安定液は、緩和の遅いネットワーク構造により液中の水を保持し、透水性地盤への水の浸透も少なくできるため、逸水を抑制し、掘削穴内壁面の崩壊を防止できるものと考えられる。
本発明の掘削工法は、(A)成分、(B)成分、水硬性粉体、及び水を含有する、掘削安定液を用いて、掘削穴内壁面の崩壊を防止しながら地盤を掘削する、掘削工法である。
本発明の掘削工法で使用する掘削安定液について、以下に説明する。
〔掘削安定液〕
本発明の掘削安定液は、(A)成分、(B)成分、水硬性粉体、及び水を含有する、掘削安定液である。
<(A)成分>
本発明の掘削安定液は、(A)成分として、レオロジー改質剤を含有する。
(A)成分は、高い逸水防止効果を得る観点から、紐状ミセルを含むレオロジー改質剤が好ましい。すなわち、本発明の(A)成分は、水中で紐状ミセルを形成する化合物又はその組み合わせを含むレオロジー改質剤が好ましい。従って、本発明の掘削安定液は、(A)成分から形成される紐状ミセルを含有することができる。
本発明の(A)成分の紐状ミセルの確認、例えば水中で紐状ミセルが形成していることは電子顕微鏡写真により確認できる。
また本発明の(A)成分が、水中で紐状ミセルを形成していることは、(A)成分と水を含む組成物の動的粘弾性がMaxwell型に類似した挙動を示すことにより判断できる。この挙動は「界面活性剤水溶液の粘弾性特性」(四方俊幸、表面 vol.29、No5(1991)、p399-499)の記載から、有限の分子量を有する高分子状構造の絡み合いを示唆するものであり、無限の分子量を有する完全な紐状ミセル形状ではないが、実用上有用な粘弾性を発現するために十分な長さの紐状ミセルが形成していると推察することが出来る。
(A)成分のレオロジー改質剤としては、下記(A1)成分〜(A7)成分から選ばれる1種以上のレオロジー改質剤が好ましい。(A1)成分〜(A7)成分は、水中で紐状ミセルを形成することができるため、これらの成分を含むレオロジー改質剤が(A)成分として好適である。
(A1)成分:(A1−1)炭化水素基の炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0以上25以下である、硫酸エステル又はその塩(以下、(A1−1)成分という)、及び(A1−2)脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミド(以下、(A1−2)成分という)を含むレオロジー改質剤
(A2)成分:(A2−1)炭化水素基の炭素数が14以上24以下であり、エチレンオキサイドの平均付加モル数が5以上19以下であるポリエーテル化合物(以下、(A2−1)成分という)、及び(A2−2)脂肪酸部分の炭素数が14以上24以下である脂肪酸アルカノールアミド(以下、(A2−2)成分という)を含むレオロジー改質剤
(A3)成分:(A3−1)重量平均分子量が1,000以上100,000以下である、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物(以下、(A3−1)成分という)、及び(A3−2)平均炭素数14以上24以下の炭化水素基を少なくとも1つ有するカチオン性界面活性剤(以下、(A3−2)成分という)を含むレオロジー改質剤
(A4)成分:(A4−1)ベタイン型両性界面活性剤(以下、(A4−1)成分という)、及び(A4−2)エチレンオキサイド付加型アルキル硫酸エステル塩型界面活性剤(以下、(A4−2)成分という)を含むレオロジー改質剤
(A5)成分:(A5−1)4級塩型カチオン性界面活性剤(以下、(A5−1)成分という)、及び(A5−2)アニオン性芳香族化合物(以下、(A5−2)成分という)を含むレオロジー改質剤
(A6)成分:(A6−1)4級塩型カチオン性界面活性剤(以下、(A6−1)成分という)、及び(A6−2)臭化化合物(以下、(A6−2)成分という)を含むレオロジー改質剤
(A7)成分:下記一般式(a7)で表される化合物を含むレオロジー改質剤
7a−CONH−(AO)−H (a7)
(一般式(a7)中、R7aが炭素数7以上35以下の炭化水素基、AOは炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、mはAOの平均付加モル数であり、2以上20以下の数である。)
(A1)成分
本発明の(A1)成分は、(A1−1)成分、及び(A1−2)成分を含むレオロジー改質剤である。本発明の(A1)成分は、水中で、(A1−1)成分と(A1−2)成分が会合することにより紐状ミセルを形成する。
(A1−1)成分
(A1−1)成分は、炭化水素基の炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0以上25以下である、硫酸エステル又はその塩である。
(A1−1)成分の炭化水素基は、好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、より好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、更に好ましくは直鎖のアルケニル基である。
(A1−1)成分の炭化水素基の炭素数は、高い粘弾性を得る観点から、12以上、好ましくは14以上、より好ましくは16以上、更に好ましくは18以上、そして、22以下、好ましくは20以下である。
(A1−1)成分の炭化水素基は、例えば、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、オレイル基、ステアリル基及びドコシル基から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはミリスチル基、パルミチル基、オレイル基及びステアリル基から選ばれる1以上であり、より好ましくはパルミチル基、オレイル基及びステアリル基から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはオレイル基又はステアリル基、より更に好ましくはオレイル基である。
(A1−1)成分のアルキレンオキサイドの平均付加モル数は0以上25以下である。
(A1−1)成分のアルキレンオキサイドは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイドが挙げられる。アルキレンオキサイドはエチレンオキサイドが好ましい。(A1−1)成分は、アルキレンオキサイドとしてエチレンオキサイドを含むことが好ましい。
(A1−1)成分の炭化水素基の炭素数が12以上16以下の場合、環境への負荷が低い観点から、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は0であることが好ましい。
(A1−1)成分の炭化水素基の炭素数が12以上16以下の場合、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、水への溶解性の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、そして、紐状ミセル内における活性剤の配列密度を高める観点から、好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下、より更に好ましくは6以下である。
(A1−1)成分の炭化水素基の炭素数が17以上22以下の場合、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、水への溶解性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上、そして、紐状ミセル内における活性剤の配列密度を高める観点から、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下、より更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下である。
(A1−1)成分の硫酸エステルの塩として、ナトリウム塩、アンモニウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等から選ばれる無機塩、モノエタノールアンモニウム塩、ジエタノールアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、モルホリニウム塩等から選ばれる有機アンモニウム塩が好適である。
(A1−1)成分としては、具体的には、アルキルサルフェート、アルケニルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルサルフェート、アルキルフェニルサルフェート、アルケニルフェニルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルケニルフェニルエーテルサルフェートから選ばれる1種以上が挙げられ、高い粘弾性を得る観点から、アルケニルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェート、及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテルサルフェートから選ばれる1種以上が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェート、及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテルサルフェートから選ばれる1種以上がより好ましい。
(A1−1)成分としては、高い粘弾性を得る観点から、下記一般式(a1)で表される化合物が好適である。
1a−O−(R2aO)−SO (a1)
〔式中、R1aは、炭素数12以上22以下の炭化水素基であり、R2aは、炭素数2以上4以下のアルキレン基、好ましくはエチレン基であり、nは平均付加モル数であり0以上25以下の数である。Mは水素原子又は陽イオン、好ましくは無機又は有機の陽イオンである。〕
一般式(a1)中、R1aは、好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、より好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、更に好ましくは直鎖のアルケニル基である。
1aの炭素数は、高い粘弾性を得る観点から、12以上、好ましくは14以上、より好ましくは16以上、更に好ましくは18以上、そして、22以下、好ましくは20以下である。
一般式(a1)中、高い粘弾性を得る観点から、R1aは、例えば、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、オレイル基、リノール基、ステアリル基及びドコシル基から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはミリスチル基、パルミチル基、リノール基、オレイル基及びステアリル基から選ばれる1以上であり、より好ましくはリノール基、パルミチル基、オレイル基及びステアリル基から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはリノール基、オレイル基、及びステアリル基から選ばれる1種以上である。
一般式(a1)中、R1aの炭素数が12以上16以下の場合、nは、環境への負荷低減の観点から、0であることが好ましい。
一般式(a1)中、R1aの炭素数が12以上16以下の場合、nは、水への溶解性の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、そして、紐状ミセル内における活性剤の配列密度を高める観点から、好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下、より更に好ましくは6以下である。
一般式(a1)中、R1aの炭素数が17以上22以下の場合、nは、水への溶解性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上、そして、紐状ミセル内における活性剤の配列密度を高める観点から、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下、より更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下である。
一般式(a1)中、Mは水素原子、あるいはナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等の無機陽イオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、モルホリニウムイオン等の有機陽イオンが挙げられ、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンの無機陽イオンであり、より好ましくはナトリウムイオン、アンモニウムイオンである。
(A1−1)成分の平均充てんパラメータは、高い粘弾性を得る観点から、1/3以上1以下が好ましい。本発明において、平均充てんパラメータは以下の式で表される。
平均充てんパラメータ= v/ (a0×lc)
v: 炭化水素基の体積
a0 : 界面活性剤の水界面の最適頭部面積
lc: 炭化水素鎖の臨界鎖長
(A1−1)成分のデイビス法で導出されるHLBは、高い粘弾性を得る観点から、10以上40以下が好ましい。
(A1−2)成分
(A1−2)成分は、脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミドである。
(A1−2)成分の脂肪酸部分の炭化水素基は、脂肪酸アルカノールアミドの原料脂肪酸においてカルボキシル基の炭素原子を含む炭化水素基であり、好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、より好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、更に好ましくは直鎖のアルケニル基である。
(A1−2)成分の脂肪酸部分の炭素数は、脂肪酸アルカノールアミドの原料脂肪酸においてカルボキシル基の炭素原子を含む炭素数であり、高い粘弾性を得る観点から、10以上、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、更に好ましくは16以上、そして、22以下、好ましくは20以下であり、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは18である。
(A1−2)成分の脂肪酸アルカノールアミドとしては、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸メチルモノエタノールアミド、脂肪酸エチルモノエタノールアミド、脂肪酸プロピルモノエタノールアミド、脂肪酸メタノールエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられ、高い粘弾性を得る観点から、脂肪酸ジエタノールアミドが好ましい。
(A1−2)成分は、例えば、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミドのうち脂肪酸部の炭素数が10以上18以下の化合物、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、及びラウリン酸ジエタノールアミド等が挙げられ、これらを2種以上併用してもよい。(A1−2)成分は、水への溶解性を維持し、かつ、高い粘弾性を得る観点から、好ましくはオレイン酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミド、及びヤシ脂肪酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上であり、より好ましくはオレイン酸ジエタノールアミド、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上である。
(A1−2)成分は、高級脂肪酸とアルカノールアミンを反応させることにより得られるが、脂肪酸アルカノールアミド以外の副産物が同時に生成される。副産物としては、脂肪酸アルカノールアミドと脂肪酸が脱水縮合した脂肪酸アルカノールアミド脂肪酸モノエステル、脂肪酸アルカノールアミド脂肪酸ジエステル、並びにアルカノールアミンと脂肪酸が脱水縮合した脂肪酸アルカノールアミンモノエステル、脂肪酸アルカノールアミンジエステル等が挙げられる。本発明の(A1−2)成分には、本発明の効果を損なわない限り、前記の副産物を微量に含んでも良い。(A1−2)成分中の前記副産物の含有量は、高い粘弾性を得る観点から、(A1−2)成分100質量部中、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。
(A1−2)成分の平均充てんパラメータは、高い粘弾性を得る観点から、1/2以上2以下が好ましい。
(A2)成分
(A2)成分は、(A2−1)成分、及び(A2−2)成分を含むレオロジー改質剤である。本発明の(A2)成分は、水中で、(A2−1)成分と(A2−2)成分が会合することにより紐状ミセルを形成する。
(A2−1)成分
(A2−1)成分は、炭化水素基の炭素数が14以上24以下であり、エチレンオキサイドの平均付加モル数が5以上19以下であるポリエーテル化合物である。(A2−1)成分は、非イオン性のポリエーテル化合物である。また(A2−1)成分は、炭素数が14以上24以下の炭化水素基と、エチレンオキサイドの平均付加モル数が5以上19以下のポリオキシエチレン基とを有する、非イオン性のポリエーテル化合物であることが好ましい。
(A2−1)成分の炭化水素基は、好ましくはアルキル基又はアルケニル基であり、より好ましくは直鎖アルキル基又は直鎖アルケニル基である。
(A2−1)成分の炭化水素基の炭素数は、高い粘弾性を得る観点から、14以上、好ましくは16以上、より好ましくは18以上、そして、24以下、好ましくは22以下、より好ましくは20以下である。
(A2−1)成分の炭化水素基は、例えばリノレン基、リノール基、オレイル基、ステアリル基、パルミチル基、及びミリスチル基から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはリノール基、オレイル基、及びステアリル基から選ばれる1種以上であり、より好ましくはオレイル基、及びステアリル基から選ばれる1種以上である。
(A2−1)成分のエチレンオキサイドの平均付加モル数は、高い粘弾性を得る観点から、5以上、好ましくは6以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは8以上、そして、19以下、好ましくは15以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは12以下である。
(A2−1)成分としては、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、及びポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテルから選ばれる1種以上が挙げられ、高い粘弾性を得る観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレンアルケニルエーテルから選ばれる1種以上が好ましい。
(A2−2)成分
(A2−2)成分は、脂肪酸部分の炭素数が14以上24以下である脂肪酸アルカノールアミドである。
(A2−2)成分の脂肪酸部分の炭化水素基は、脂肪酸アルカノールアミドの原料脂肪酸において、好ましくは、直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、より好ましくは直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、更に好ましくは直鎖のアルケニル基である。
(A2−2)成分の脂肪酸部分の炭素数は、脂肪酸アルカノールアミドの原料脂肪酸においてカルボキシル基の炭素原子を含む炭素数であり、高い粘弾性を得る観点から、14以上、好ましくは16以上、より好ましくは18以上、そして、24以下、好ましくは22以下、より好ましくは20以下である。
(A2−2)成分は、炭素数14以上24以下の脂肪酸とアルカノールアミンを反応させることにより得られる。
(A2−2)成分の脂肪酸部分の原料脂肪酸は、例えばリノレン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、及び、ミリスチン酸から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはオレイン酸、ステアリン酸、及びパルミチン酸から選ばれる1種以上であり、より好ましくはオレイン酸及びステアリン酸から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはオレイン酸である。
(A2−2)成分の脂肪酸アルカノールアミドとしては、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸メチルモノエタノールアミド、脂肪酸エチルモノエタノールアミド、脂肪酸プロピルモノエタノールアミド、脂肪酸メタノールエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられ、高い粘弾性を得る観点から、脂肪酸ジエタノールアミドが好ましい。
(A2−2)成分は、例えば、リノレン酸ジエタノールアミド、リノール酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド等が挙げられ、これらを2種以上併用してもよい。(A2−2)成分は、高い粘弾性を得る観点から、好ましくはオレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上であり、より好ましくはオレイン酸ジエタノールアミドである。
(A2−2)成分は、高級脂肪酸とアルカノールアミンを反応させることにより得られるが、脂肪酸アルカノールアミド以外の副産物が同時に生成される。副産物としては、脂肪酸アルカノールアミドと脂肪酸が脱水縮合した脂肪酸アルカノールアミド脂肪酸モノエステル、脂肪酸アルカノールアミド脂肪酸ジエステル、並びにアルカノールアミンと脂肪酸が脱水縮合した脂肪酸アルカノールアミンモノエステル、脂肪酸アルカノールアミンジエステル等が挙げられる。本発明の(A2−2)には、本発明の効果を損なわない限り、前記の副産物を微量に含んでも良い。(A2−2)中の前記副産物の含有量は、高い粘弾性を得る観点から、(A2−2)100質量部中、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。
(A3)成分
本発明の(A3)成分は、(A3−1)成分、及び(A3−2)成分を含むレオロジー改質剤である。本発明の(A3)成分は、水中で、(A3−1)成分と(A3−2)成分が会合することにより紐状ミセルを形成する。
(A3−1)成分
(A3−1)成分は、重量平均分子量が1,000以上100,000以下である、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物である。
(A3−1)成分の重量平均分子量は、得られる組成物の粘弾性向上の観点から、1,000以上、好ましくは2,000以上、より好ましくは3,000以上、そして、製造時において高濃度縮合体の流動性を確保する観点から、100,000以下、好ましくは70,000以下、より好ましくは50,000以下、更に好ましくは30,000以下、より更に好ましくは15,000以下である。
なお(A3−1)成分の重量平均分子量は、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを標準物質としたGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー法:UV検出)測定による面積比較により算出した。具体的な条件は下記の通りである。
GPC条件
カラム:G4000SWXL+G2000SWXL(東ソー株式会社)
溶離液:30mM CH3COONa/CH3CN=6/4
流量:0.7ml/min
検出:UV280nm
サンプルサイズ:0.2mg/ml
標準物質:西尾工業(株)製 ポリスチレンスルホン酸ソーダ換算(単分散ポリスチレンスルホン酸ナトリウム:分子量、206、1,800、4,000、8,000、18,000、35,000、88,000、780,000)
検出器:東ソー株式会社 UV−8020
(A3−1)成分は市販のものを用いることができるが、(A3−1)成分の製造方法は、例えば、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとを縮合反応により縮合物を得る方法が挙げられる。前記縮合物の中和を行ってもよい。また、中和で副生する水不溶解物を除去してもよい。具体的には、ナフタレンスルホン酸を得るために、ナフタレン1モルに対して、硫酸1.2〜1.4モルを用い、150〜165℃で2〜5時間反応させてスルホン化物を得る。次いで、該スルホン化物1モルに対して、ホルムアルデヒドとして0.95〜0.99モルとなるようにホルマリンを85〜95℃で、3〜6時間かけて滴下し、滴下後95〜105℃で縮合反応を行う。さらに、得られる縮合物の水溶液は酸性度が高いので貯槽等の金属腐食を抑制する観点から、得られた縮合物に、水と中和剤を加え、80〜95℃で中和工程を行うことができる。中和剤は、ナフタレンスルホン酸と未反応硫酸に対してそれぞれ1.0〜1.1モル倍添加することが好ましい。また、中和により生じる水不溶解物を除去することができ、その方法として好ましくは濾過による分離が挙げられる。これらの工程によって、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物水溶性塩の水溶液が得られる。この水溶液は、そのまま本発明の(A3−1)成分の水溶液として使用することができる。前記水溶液中のナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の濃度は用途にもよるが、輸送時の経済性の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。更に必要に応じて該水溶液を乾燥、粉末化して粉末状のナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩を得ることができ、これを粉末状の(A3−1)成分として本発明に使用することができる。乾燥、粉末化は、噴霧乾燥、ドラム乾燥、凍結乾燥等により行うことができる。
(A3−2)成分
(A3−2)成分は、平均炭素数14以上24以下の炭化水素基(以下、長鎖炭化水素基ともいう)を少なくとも1つ有するカチオン性界面活性剤を含有する。
(A3−2)成分の長鎖炭化水素基は、直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は直鎖若しくは分岐鎖アルケニル基が好ましい。(A3−2)成分の長鎖炭化水素基の平均炭素数は、ハイブリッド紐状ミセルの絡み合いを強化し粘弾性を高める観点から、14以上、好ましくは16以上、より好ましくは16超、そして、入手の容易性(原料コスト)の観点から、24以下、好ましくは22以下である。
(A3−2)成分として、好ましいカチオン性界面活性剤は、下記一般式(a3)で表されるカチオン性界面活性剤が挙げられる。
Figure 0006752845
〔式中、R3aは平均炭素数14以上24以下のアルキル基又はアルケニル基、好ましくはアルキル基、R4aは炭素数1以上24以下のアルキル基又は炭素数2以上24以下のアルケニル基、R5a及びR6aは、それぞれ、炭素数1以上3以下のアルキル基である。Xは陰イオン基を表す。〕
一般式(a3)において、R3aは、実用上、十分な粘弾性を得る観点から、平均炭素数が14以上、好ましくは16以上、より好ましくは16超、そして、炭素数24以下、好ましくは22以下である。また、R4a、R5a及びR6aは、それぞれ、メチル基が好ましい。Xはハロゲン化物イオン、硫酸イオン、メチル硫酸イオン及びエチル硫酸イオンから選ばれる陰イオン基が好ましく、ハロゲン化物イオンから選ばれる陰イオン基がより好ましく、塩化物イオンが更に好ましい。
(A3−2)成分としては、平均炭素数14以上24以下の炭化水素基を少なくとも1つ有する第4級アンモニウム塩が好ましい。(A3−2)成分として、例えば、アルキル(平均炭素数14以上24以下)トリメチルアンモニウム塩、アルキル(平均炭素数14以上24以下)ピリジニウム塩、アルキル(平均炭素数14以上24以下)イミダゾリニウム塩、アルキル(平均炭素数14以上24以下)ジメチルベンジルアンモニウム塩等が挙げられ、具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドコシルトリメチルアンモニウムクロライド、タロートリメチルアンモニウムクロライド、タロートリメチルアンモニウムブロマイド、水素化タロートリメチルアンモニウムクロライド、水素化タロートリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルエチルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルエチルジメチルアンモニウムクロライド、へキサデシルプロピルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、1,1−ジメチル−2−ヘキサデシルイミダゾリニウムクロライド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられ、これらを2種以上併用してもよい。(A3−2)成分は、融点が比較的低く、室温における取扱いが簡便である観点から、好ましくはアルキル(平均炭素数14以上24以下)トリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドコシルトリメチルアンモニウムクロライドであり、入手の容易性(原料コスト)の観点から、より好ましくはヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドコシルトリメチルアンモニウムクロライドである。また、上記のアルキル基の炭素数の異なるカチオン性界面活性剤を2種類以上併用することができる。
(A4)成分
本発明の(A4)成分は、(A4−1)成分、及び(A4−2)(A4−2)成分を含むレオロジー改質剤である。本発明の(A4)成分は、水中で、(A4−1)成分と(A4−2)成分が会合することにより紐状ミセルを形成する。
(A4−1)成分
(A4−1)成分は、ベタイン型両性界面活性剤である。ベタイン型両性界面活性剤としては、ドデカン酸アミドプロピルベタイン、オクタデカン酸アミドプロピルベタイン、及びドデシルジメチルアミノ酢酸ベタインから選ばれる1種以上が挙げられ、粘度発現の観点からドデカン酸アミドプロピルベタインが好ましい。
(A4−2)成分
(A4−2)成分は、エチレンオキサイド付加型アルキル硫酸エステル塩型界面活性剤である。エチレンオキサイド付加型アルキル硫酸エステル塩型界面活性剤としては、POE(3)ドデシルエーテル硫酸エステル塩、POE(2)ドデシルエーテル硫酸エステル塩、及びPOE(4)ドデシルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上が挙げられ、塩はナトリウム塩等の金属塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。これらの中でも、ドデカン酸アミドプロピルベタインと、POE(3)ドデシルエーテル硫酸エステルトリエタノールアミンもしくはPOE(3)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウムとの組み合わせが好ましい。なお、POEはポリオキシエチレンの略であり、( )内はエチレンオキサイド平均付加モル数である。
(A5)成分
(A5)成分は、(A5−1)成分、及び(A5−2)成分を含むレオロジー改質剤である。本発明の(A5)成分は、水中で、(A5−1)成分と(A5−2)成分が会合することにより紐状ミセルを形成する。
(A5−1)成分
(A5−1)成分は、4級塩型カチオン性界面活性剤である。4級塩型のカチオン性界面活性剤としては、構造中に、10個以上26個以下の炭素原子を含む飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル基を、少なくとも1つ有しているものが好ましい。例えば、アルキル(炭素数10〜26)トリメチルアンモニウム塩、アルキル(炭素数10以上26以下)ピリジニウム塩、アルキル(炭素数10以上26以下)イミダゾリニウム塩、及びアルキル(炭素数10以上26以下)ジメチルベンジルアンモニウム塩から選ばれる1種以上が挙げられる。4級塩型のカチオン性界面活性剤は、具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、タロートリメチルアンモニウムクロライド、タロートリメチルアンモニウムブロマイド、水素化タロートリメチルアンモニウムクロライド、水素化タロートリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルエチルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルエチルジメチルアンモニウムクロライド、へキサデシルプロピルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、1,1−ジメチル−2−ヘキサデシルイミダゾリニウムクロライド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられ、これらを2種以上併用してもよい。
(A5−2)成分
(A5−2)成分は、アニオン性芳香族化合物である。アニオン性芳香族化合物としては、芳香環を有するカルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上が挙げられ、具体的には、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸、安息香酸、m−スルホ安息香酸、p−スルホ安息香酸、4−スルホフタル酸、5−スルホイソフタル酸、p−フェノールスルホン酸、m−キシレン−4−スルホン酸、クメンスルホン酸、メチルサリチル酸、スチレンスルホン酸、クロロ安息香酸、及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。ただし、アニオン性芳香族化合物が重合体である場合は、アニオン性芳香族化合物の重量平均分子量(例えば、ゲルーパーミエーションクロマトグラフィー法/ポリエチレンオキシド換算)が500未満であることが好ましい。
(A6)成分
(A6)成分は、(A6−1)成分、及び(A6−2)成分を含むレオロジー改質剤である。本発明の(A6)成分は、水中で、(A6−1)成分と(A6−2)成分が会合することにより紐状ミセルを形成する。
(A6−1)成分
(A6−1)成分は、4級塩型カチオン性界面活性剤である。(A6−1)成分は、(A5−1)成分と同じであり、(A5−1)成分で記載した事項を全て適用することができる。
(A6−2)成分
(A6−2)成分は、臭化化合物である。臭化化合物としては、無機塩から選ばれる1種以上が好ましく、臭化ナトリウム、臭化カリウム、及び臭化水素から選ばれる1種以上が好ましい。
(A7)成分
本発明の(A7)成分は、下記一般式(a7)で表される化合物を含むレオロジー改質剤である。本発明の(A7)成分は、水中で、(A7)成分どうしが会合することにより紐状ミセルを形成する。
7a−CONH−(AO)−H (a7)
(一般式(a7)中、R7aが炭素数7以上、好ましくは9以上、そして、35以下、好ましくは23以下の炭化水素基、AOは炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、mはAOの平均付加モル数であり、2以上、好ましくは3以上、そして、20以下、好ましくは12以下の数である。)
本発明の(A)成分は、(A1)成分、(A2)成分、(A3)成分、(A4)成分及び(A5)成分から選ばれる1種以上のレオロジー改質剤が好ましく、(A1)成分、及び(A2)成分から選ばれる1種以上のレオロジー改質剤がより好ましく、(A1)成分が更に好ましい。すなわち、本発明の掘削安定液は、(A1−1)成分、(A1−2)成分、(B)成分、水硬性粉体、及び水を含有することが好ましい。
<(B)成分>
本発明の掘削安定液に(B)成分として使用される水膨潤性粘土は、ベントナイト(天然又は合成ベントナイトを含む)、モンモリロナイト(天然又は合成モンモリロナイトを含む)、バイデライト、ノントロナイト、ラポナイト、ソーコナイト、ヘクトライト(天然又は合成ヘクトライトを含む)、スチブンサイト等のスメクタイト族の粘土鉱物、バーミキュライト、膨潤性合成フッ素雲母(Na型、Li型合成マイカ)、及び膨潤性の雲母が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。水膨潤性粘土は、経済性及び入手性の観点から、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ラポナイト、及びヘクトライトから選ばれる1種以上が好ましく、ベントナイト、モンモリロナイト、及びヘクトライトから選ばれる1種以上がより好ましく、ベントナイトが更に好ましい。
水膨潤性粘土は、建築、土木基礎工事用に使用される市販のものを用いることができる。また水膨潤性粘土として、ベントナイトを用いる場合は、モンモリノナイト含有量を多く含むベントナイトが好ましく、水和、水膨潤性が大きいNa−モンモリロナイトを多く含むベントナイトがより好ましい
本発明にて、「水膨潤性」とは、第15改正日本薬局方に定められたベントナイトの試験方法を準用し、粘土鉱物2gの膨潤体積(cm)で表される膨潤力が、20cm/g以上であるものをいう。
<水硬性粉体>
本発明の掘削安定液に使用される水硬性粉体は、水と混合することで硬化する粉体であり、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、エコセメント(例えばJIS R5214等)が挙げられる。これらの中でも、高い粘弾性を得る観点から、早強ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、耐硫酸性ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントから選ばれるセメントが好ましく、早強ポルトランドセメント、及び普通ポルトランドセメントから選ばれるセメントがより好ましい。
また、水硬性粉体には、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム、無水石膏等が含まれてよく、また、非水硬性の石灰石微粉末等が含まれていてもよい。水硬性粉体として、セメントと高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等とが混合された高炉セメントやフライアッシュセメント、シリカヒュームセメントを用いてもよい。
また、水硬性粉体は、セメント又はセメントとベントナイトとの混合粉末が挙げられる。
<掘削安定液の組成等>
本発明の掘削安定液は、(A)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.002質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.02質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下含有する。
(A)成分として、(A1)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(A1−1)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.10質量部以上、更に好ましくは0.15質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、更に好ましくは1.0質量部以下含有する。
(A)成分として、(A1)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(A1−2)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.10質量部以上、更に好ましくは0.15質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.25質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、更に好ましくは1.0質量部以下含有する。
(A)成分として、(A1)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液において、(A1−1)成分の含有量と(A1−2)成分の含有量との質量比(A1−1)/(A1−2)は、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.25以上、更に好ましくは0.5以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは2以下である。
(A)成分として、(A2)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(A2−1)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.25質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下含有する。
(A)成分として、(A2)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(A2−2)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.25質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下含有する。
(A)成分として、(A3)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(A3−1)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下含有する。
(A)成分として、(A3)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(A3−2)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下含有する。
(A)成分として、(A4)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(A4−1)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは5質量部以下含有する。
(A)成分として、(A4)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(A4−2)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは5質量部以下含有する。
(A)成分として、(A5)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(A5−1)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは5質量部以下含有する。
(A)成分として、(A5)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(A5−2)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは5質量部以下含有する。
(A)成分として、(A6)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(A6−1)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは5質量部以下含有する。
(A)成分として、(A6)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(A6−2)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは5質量部以下含有する。
(A)成分として、(A7)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(A7)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上、そして、ポンプ圧送性の観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下含有する。
本発明の掘削安定液は、(B)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上、更に好ましくは4.0質量部以上、そして、良好なポンプ圧送性を得る観点から、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは7.0質量部以下含有する。
本発明の掘削安定液において、水/水硬性粉体比(W/C)は、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは500質量%以上、より好ましくは1,000質量%以上、更に好ましくは1,500質量%以上、そして、好ましくは10,000質量%以下、より好ましくは5,000質量%以下、更に好ましくは4,000質量%以下である。
ここで、水/水硬性粉体比(W/C)は、掘削安定液中の水と水硬性粉体の質量百分率(質量%)であり、水/水硬性粉体×100で算出される。
なお、水硬性粉体が、セメントなどの水和反応により硬化する物性を有する粉体の他、ポゾラン作用を有する粉体、潜在水硬性を有する粉体、及び石粉(炭酸カルシウム粉末)から選ばれる粉体を含む場合、本発明では、それらの量も水硬性粉体の量に算入する。また、水和反応により硬化する物性を有する粉体が、高強度混和材を含有する場合、高強度混和材の量も水硬性粉体の量に算入する。これは、水硬性粉体の質量が関係する他の質量部などにおいても同様である。
本発明の掘削安定液は、高い逸水防止効果を得る観点から、(C)重量平均分子量500以上のポリエチレングリコール、重量平均分子量500以上のポリプロピレングリコール、重量平均分子量500以上のエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、及び炭化水素基とポリオキシアルキレン基とを有するエーテル化合物から選ばれる1種以上の化合物〔以下、(C)成分という〕を含有することが好ましい。
(C)成分のポリエチレングリコールの重量平均分子量は、分散安定液の粘度の観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上、更に好ましくは5,000以上、そして、好ましくは20,0000以下、好ましくは150,000以下、より好ましくは120,000以下、更に好ましくは90,000以下、より更に好ましくは50,000以下、より更に好ましくは20,000以下である。
(C)成分のポリプロピレングリコールの重量平均分子量は、好ましくは500以上、より好ましくは700以上、そして、好ましくは5,000以下、より好ましくは3,000以下である。
(C)成分のエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の重量平均分子量は、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上、そして、好ましくは25,000以下、より好ましくは20,000以下である。
(C)成分の重量平均分子量は、ポリスチレンを標準としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値であり、(C)成分がポリエチレングリコールの場合、溶媒として水/エタノールを用いることができる。
(C)成分のうち、炭化水素基とポリオキシアルキレン基とを有するエーテル化合物から選ばれる1種以上の化合物は、炭化水素基の炭素数が、好ましくは10以上22以下である。ポリオキシアルキレン基は、ポリオキシエチレン基及びポリオキシプロピレン基から選ばれる基が好ましく、ポリオキシエチレン基がより好ましい。ポリオキシアルキレン基の平均付加モル数は、好ましくは9以上5,000以下である。
幅広い重量平均分子量の化合物が使用可能な観点から、(C)成分は、重量平均分子量500以上のポリエチレングリコール、及び重量平均分子量500以上のエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体から選ばれる1種以上のポリマーが好ましく、重量平均分子量500以上のポリエチレングリコールから選ばれる1種以上のポリマーがより好ましい。
本発明の掘削安定液が(C)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(C)成分を、水100質量部に対して、高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.15質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、更に好ましくは1.0質量部以下含有する。
本発明の掘削安定液は、本発明の掘削安定液を取り扱い性の良い粘度を有する一液型の形態とする観点から、(D)成分として、オクタノール/水分配係数が−1.6以上1.2以下である、ヒドロキシ基を有する化合物を含有することが好ましい。
本発明において、(D)成分のオクタノール/水分配係数は、logP値で表される、有機化合物の水と1−オクタノールに対する親和性を示す係数である。1−オクタノール/水分配係数Pは、1−オクタノールと水の2液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPの形で示すのが一般的である。多くの化合物のlogP値が報告されており、Daylight Chemical Information Systems, Inc. (Daylight CIS)などから入手しうるデータベースには多くの値が掲載されているので参照できる。実測のlogP値がない場合には、Daylight CISから入手できるプログラム“CLOGP"等で計算することができる。このプログラムは、実測のlogP値がある場合にはそれと共に、Hansch, Leoのフラグメントアプローチにより算出される“計算logP(ClogP)”の値を出力する。
フラグメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、原子の数及び化学結合のタイプを考慮している(cf. A. Leo, Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol.4, C. Hansch,P.G.Sammens, J.B. Taylor and C.A. Ramsden, Eds., p.295, Pergamon Press, 1990)。このClogP値を、化合物の選択に際して実測のlogP値の代わりに用いることができる。本発明では、logPの実測値があればそれを、無い場合はプログラムCLOGP v4.01により計算したClogP値を用いる。以下、オクタノール/水分配係数を、Log Powと表記する場合もある。
(D)成分は、炭素数1以上10以下の化合物が好ましい。
(D)成分は、ヒドロキシ基を、1つ以上3つ以下有する化合物が好ましい。
(D)成分は、ヒドロキシ基を1つ有する化合物及びヒドロキシ基を2つ有する化合物から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
(D)成分は、分子量が50以上200以下の化合物が好ましい。
(D)成分は、好ましくはヒドロキシ基を有する有機化合物であり、より好ましくはヒドロキシ基を有する脂肪族化合物であり、更に好ましくはヒドロキシ基を1つ又は2つ有し、炭素−炭素の結合が飽和結合である脂肪族化合物であり、より更に好ましくは、ヒドロキシ基を2つ有し、炭素−炭素の結合が飽和結合である、炭素数が5以下の脂肪族化合物である。
(D)成分は、高い粘弾性を得る観点から、溶解パラメータ(Fedors法)が9以上、更に10以上、そして、20以下、更に18以下の化合物が好ましい。以下、溶解パラメータ(Fedors法)を、SP値と表記する場合もある。
(D)成分は、好ましくはヒドロキシ基を有する有機化合物である。ヒドロキシ基を有する有機化合物としては、下記の(D1)及び(D2)から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
(D1)ヒドロキシ基を有する芳香族化合物
具体的には、ベンジルアルコール(Log Pow 1.10/SP値 9.3)などが挙げられる。
(D2)ヒドロキシ基を有する脂肪族化合物
具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(Log Pow 0.56/SP値10.5)、2−ブトキシエタノール(Log Pow 0.83/SP値10.8)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(Log Pow 0.05/SP値 11.1)、1−ブタノール(LogPow0.90/SP値 11.3)、2−メトキシエタノール(Log Pow -0.77/SP値12.0)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(Log Pow 0.02/SP値10.3)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(Log Pow 1.15/SP値10.4)プロピルプロピレングリコール(Log Pow 0.62/SP値10.5)、2−ジメチルアミノエタノール(Log Pow -0.58/SP値11.3)、ジエタノールアミン(LogPow -1.43/SP値 15.4)、2−メチルペンタン−2,4−ジオール(Log Pow 0.58/SP値13.1)、ジプロピレングリコール(Log Pow -0.70/SP値13.3)、1,3−ブタンジオール(Log Pow -0.85/SP値14.8)、1,4−ブタンジオール(Log Pow -1.00/SP値15.0)、ジエチレングリコール(LogPow -1.30/SP値 15.0)、ネオペンチルグリコール(Log Pow 0.23/SP値13.8)、プロピレングリコール(Log Pow -0.92/SP値15.9)、エチレングリコール(Log Pow -1.36/SP値 17.8)などが挙げられる。
(D)成分は、好ましくは(D2)ヒドロキシ基を有する脂肪族化合物であり、より好ましくはヒドロキシ基を1つ又は2つ有し、炭素−炭素の結合が飽和結合である脂肪族化合物であり、更に好ましくはヒドロキシ基を2つ有し、炭素−炭素の結合が飽和結合である、炭素数が5以下の脂肪族化合物である。
(D)成分は、好ましくは、ジエタノールアミン(Log Pow -1.43/SP値15.4)、2−メチルペンタン−2,4−ジオール(Log Pow 0.58/SP値13.1)、ジプロピレングリコール(Log Pow -0.70/SP値13.3)、1,3−ブタンジオール(Log Pow -0.85/SP値14.8)、1,4−ブタンジオール(Log Pow -1.00/SP値15.0)、ジエチレングリコール(LogPow -1.30/SP値 15.0)、ネオペンチルグリコール(Log Pow 0.23/SP値13.8)、プロピレングリコール(Log Pow -0.92/SP値15.9)、及び、エチレングリコール(Log Pow -1.36/SP値 17.8)から選ばれる1種以上の化合物である。
(D)成分は、より好ましくは、1,3−ブタンジオール(Log Pow -0.85/SP値14.8)、1,4−ブタンジオール(Log Pow -1.00/SP値15.0)、ジエチレングリコール(Log Pow -1.30/SP値15.0)、ネオペンチルグリコール(Log Pow 0.23/SP値 13.8)、プロピレングリコール(Log Pow -0.92/SP値15.9)、及びエチレングリコール(Log Pow -1.36/SP値17.8)から選ばれる1種以上の化合物である。
(D)成分は、臭気と入手性の観点から、ネオペンチルグリコール(Log Pow0.23/SP値13.8)、及びプロピレングリコール(Log Pow -0.92/SP値15.9)から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
(D)成分の少ない添加量で低い粘度の掘削安定液を得る観点から、(D)成分のオクタノール/水分配係数は、0.03以上が好ましく、0.7以上がより好ましく、そして、1.15以下が好ましく、0.85以下がより好ましい。この範囲のオクタノール/水分配係数を持つ化合物として、ベンジルアルコール、1−ブタノール、2−ブトキシエタノール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ネオペンチルグリコール、及びエチレングリコールモノイソプロピルエーテルから選ばれる1種以上が好ましく、2−ブトキシエタノールがより好ましい。
(D)成分の少ない添加量で低い粘度の掘削安定液を得る観点から、(D)成分のSP値は、9以上が好ましく、10.7以上がより好ましく、そして、11.5以下が好ましく、11.2以下がより好ましく、11以下が更に好ましい。この範囲のSP値を持つものとして、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、及び1−ブタノールから選ばれる1種以上が好ましく、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−ブトキシエタノール、及びエチレングリコールモノイソプロピルエーテルから選ばれる1種以上がより好ましく、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及び2−ブトキシエタノールから選ばれる1種以上が更に好ましく、2−ブトキシエタノールがより更に好ましい。
(A)成分の加水分解抑制の観点からは、(D)成分は、カルボキシ基を有していない化合物が好ましい。
また、オクタノール/水分配係数が(D)成分の範囲内であれば、(D)成分としては、ヒドロキシ基とアミノ基とを有する2−ジメチルアミノエタノール(Log Pow -0.58/SP値11.3)、ジエタノールアミン(Log Pow -1.43/SP値15.4)のような化合物を使用することができる。取り扱い性の良い粘度を有する安定な掘削安定液を得る観点からは、(D)成分はアミノ基を有していない化合物が好ましい。
本発明の掘削安定液は、(D)成分として、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、1−ブタノール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、及びネオペンチルグリコールから選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましい。
(A)成分への影響が少なく、かつ対象物に高い粘弾性を付与し、更に低温における製品安定性を維持する観点から、本発明の掘削安定液は、2種以上の(D)成分を含有することが好ましい。この観点から、本発明の掘削安定液は、(D)成分として、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、1−ブタノール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、プロピレングリコール及びネオペンチルグリコールから選ばれる2種以上を含有することが好ましく、プロピレングリコール及びネオペンチルグリコールを含有することがより好ましい。(D)成分として、プロピレングリコール及びネオペンチルグリコールを含有する場合、プロピレングリコール/ネオペンチルグリコールの質量比は、好ましくは20/80以上、より好ましくは30/70以上、更に好ましくは40/60以上、そして、好ましくは80/20以下、より好ましくは70/30以下、更に好ましくは60/40以下である。
なお、ヒドロキシ基を有していてもLog Powが本発明の範囲外である化合物、例えばグリセリン(Log Pow -1.76/SP値16.5)や、Log Powが本発明の範囲内であってもヒドロキシ基を有していない化合物、例えば、メチルアミン(Log Pow -0.71/SP値8.85)、ジメチルアミン(Log Pow -0.20/SP値7.72)、テトラメチルエチレンジアミン(Log Pow 0.30/SP値7.74)では、一液化が困難で、取り扱い性の良い粘度を有する安定な掘削安定液が得られないと考えられる。
本発明の掘削安定液が(D)成分を含有する場合、本発明の掘削安定液は、(D)成分を、水100質量部に対して、作業性及び高い逸水防止効果を得る観点から、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.15質量部以上、そして、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以下、更に好ましくは1.0質量部以下含有する。
本発明の掘削安定液の20℃におけるpHは、貯蔵安定性の観点から、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.5以上、更に好ましくは4.0以上、そして、好ましくは7.0以下、より好ましくは6.5以下、更に好ましくは6.0以下である。
pHは、本発明の掘削安定液にpH調整剤を添加することにより調整することができる。pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、リン酸、酢酸、塩酸等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の掘削安定液の粘度は、作業性の観点から、20℃で、好ましくは2,500mPa・s以下、より好ましくは2,000mPa・s以下、更に好ましくは1,500mPa・s以下、より更に好ましくは500mPa・s以下、そして、好ましくは50mPa・s以上、より好ましくは100mPa・s以上、更に好ましくは200mPa・s以上である。ここで、掘削安定液の粘度は、測定対象の掘削安定液をスクリュー管(マルエム製、No.7、35mm×78mm)に50g入れ、B型粘度計(東機産業株式会社製、VISCOMETER TVB−10、ローターM21)を用いて回転数12rpmで撹拌し、3分後に測定した値である。
本発明の掘削安定液は、本発明の効果に影響ない範囲で、更に前記成分以外のその他の成分を含有することもできる。例えば、分散剤、AE剤、遅延剤、起泡剤、増粘剤、発泡剤、防水剤、流動化剤、消泡剤等((A)〜(D)成分を除く)が挙げられる。
本発明の掘削安定液は、常法により調製することができるが、泡立ちを抑制する観点から、水(任意に消泡剤を添加してもよい)と(B)成分と水硬性粉体を混合して混合物を調製してから、予め(A)成分と、任意成分である(C)成分、(D)成分、pH調整剤等を少量の水に添加混合して調製した組成物を、該混合物に添加混合することで調製するのが好ましい。
〔掘削工法〕
本発明の掘削工法は、本発明の掘削安定液を用いて、掘削穴内壁面の崩壊を防止しながら地盤を掘削する、掘削工法である。
本発明の掘削安定液を用いて掘削穴内壁面の崩壊を防止しながら地盤を掘削する掘削工法は、ドリル、BW掘削機、バケット式ハイドロフレーズ、エレクトロミル等の掘削攪拌ロッドを用いて地盤に掘削穴を形成しながら、本発明の掘削安定液をこの掘削穴に満たすと、掘削安定液が掘削壁面に浸透する際に、掘削安定液中の水膨潤性粘土が、土の粒子の間に詰まり堆積することにより、マッドケーキと言われる止水層が形成されるようになる。この止水層は、掘削壁面を補強し、掘削穴内を満たした掘削安定液の水圧によって掘削穴内壁面の崩壊が防止されるようになる。さらに本発明の掘削工法における掘削安定液は、掘削する地盤が砂層、れき層もしくは砂れき層等の透水性地盤を含む地盤であっても、逸水を抑制し、掘削穴内の崩壊を防止することができる。すなわち本発明の掘削安定液は、透水性地盤用として好適である。
上記のように、壁面の安定化を行いながら掘削した後は、例えば、掘削孔に根固め液を注入し、次に杭周固定液を注入しながら掘削攪拌ロッドをゆっくりと引き上げ、そして、その後杭周固定液で満たされた孔中に、既製コンクリートパイルを沈設する、地盤と杭を一体化させる杭の埋込み工法が挙げられる。本発明の掘削工法及び掘削安定液は、例えば、現場で杭を製造する場所打ちコンクリート杭、モルタル柱列等の杭の埋込み工法用に好適であり、掘削安定液を使用するあらゆる工法に広く使用することができる。
(1)組成物I、J、Kの調製
表1に示す配合量で、下記(A)成分、(C)成分、(D)成分、及び水を混合し、20℃におけるpHが5.0となるように下記pH調整剤を添加して、組成物I、J、Kをそれぞれ調製した。表1中の各成分の配合量は有効分量である。下記(A)成分は、表1の組み合わせにより水中で紐状ミセルを形成する。
(A)成分
(A−1):ポリオキシエチレンアルケニル硫酸エステル塩(一般式(a1)中、R1a:炭素数18のアルケニル基(オレイル基)、R2a:エチレン基、n:9、M:アンモニウムイオン)、(A1−1)成分
(A−2):オレイン酸ジエタノールアミド(脂肪酸部分が炭素数18のアルケニル基(オレイル基)である化合物)、(A1−2)成分
(A−3):ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(脂肪酸部分が炭素数12〜14のアルキル基を主成分とする化合物)、(A1−2)成分
(C)成分
(C−1):ポリエチレングリコール(重量平均分子量8,500)
(D)成分
(D−1):プロピレングリコール
pH調整剤:乳酸
Figure 0006752845
(2)掘削安定液の調製
表2に示す配合量で、ハンドミキサー(パナソニック(株)製、MK−H4)に、消泡剤を添加した水と、水硬性粉体を添加して30秒間撹拌して混合した。続いて(B)成分としてベントナイトを添加して30秒間撹拌し、さらに先に調製した組成物I、J、Kのいずれかを添加し30秒間撹拌することにより掘削安定液を調製した。組成物I、J、Kを含む掘削安定液は、(A)成分により形成される紐状ミセルを含んでいた。
掘削安定液の調製で用いた、各材料は以下の通りである。
水:水道水(配合量は、消泡剤、組成物I、J、Kの配合量を含む)
消泡剤:DK Q1−1183、東レ・ダウコーニング(株)製
水硬性粉体:普通ポルトランドセメント、太平洋セメント(株)製と住友大阪セメント(株)製を質量比50/50で混合した物、比重3.16
ベントナイト:クニゲルGS、クニミネ工業(株)製
(3)逸水防止性評価
二方コックを有する容量50mLの滴下漏斗に乾燥させた砂45g(三河珪砂3号、三河珪石株式会社製、嵩容積:約30mL)を入れた。二方コックを閉じて、先に調製した掘削安定液20mLを分液漏斗の内壁面に垂らしながら静かに分液漏斗に注いだ。掘削安定液を注いだ後、直ちに滴下漏斗の目盛りから砂の容量を除いた液相部分の液量を測定し、二方コックを開いて、10分後の当該液相部分の液量を測定した。結果を表2に示す。10分後の当該液相部分の液量が大きいほど逸水防止性に優れていることが言える。
Figure 0006752845
表2中、各成分の添加量は有効分量である。

Claims (16)

  1. (A)レオロジー改質剤(以下、(A)成分という)、(B)水膨潤性粘土(以下、(B)成分という)、水硬性粉体、及び水を含有する、掘削安定液を用いて、掘削穴内壁面の崩壊を防止しながら地盤を掘削する、掘削工法。
  2. (A)成分が紐状ミセルを含む、請求項1に記載の掘削工法。
  3. (A)成分が、下記(A1)成分〜(A7)成分から選ばれる1種以上のレオロジー改質剤である、請求項1又は2に記載の掘削工法。
    (A1)成分:(A1−1)炭化水素基の炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0以上25以下である、硫酸エステル又はその塩、及び(A1−2)脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミドを含むレオロジー改質剤
    (A2)成分:(A2−1)炭化水素基の炭素数が14以上24以下であり、エチレンオキサイドの平均付加モル数が5以上19以下であるポリエーテル化合物、及び(A2−2)脂肪酸部分の炭素数が14以上24以下である脂肪酸アルカノールアミドを含むレオロジー改質剤
    (A3)成分:(A3−1)重量平均分子量が1,000以上100,000以下である、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及び(A3−2)平均炭素数14以上24以下の炭化水素基を少なくとも1つ有するカチオン性界面活性剤を含むレオロジー改質剤
    (A4)成分:(A4−1)ベタイン型両性界面活性剤、及び(A4−2)エチレンオキサイド付加型アルキル硫酸エステル塩型界面活性剤を含むレオロジー改質剤
    (A5)成分:(A5−1)4級塩型カチオン性界面活性剤、及び(A5−2)アニオン性芳香族化合物を含むレオロジー改質剤
    (A6)成分:(A6−1)4級塩型カチオン性界面活性剤、及び(A6−2)臭化化合物を含むレオロジー改質剤
    (A7)成分:下記一般式(a7)で表される化合物を含むレオロジー改質剤
    7a−CONH−(AO)−H (a7)
    (一般式(a7)中、R7aが炭素数7以上35以下の炭化水素基、AOは炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、mはAOの平均付加モル数であり、2以上20以下の数である。)
  4. 掘削安定液中、(A)成分の含有量が、水100質量部に対して、0.002質量部以上50質量部以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の掘削工法。
  5. 掘削安定液中、水/水硬性粉体比が、500質量%以上10,000質量%以下である
    、請求項1〜4の何れか1項に記載の掘削工法。
  6. 掘削安定液中、(B)成分の含有量が、水100質量部に対して、0.1質量部以上2.0質量部以下である、請求項1〜5の何れか1項に記載の掘削工法。
  7. 掘削する地盤が透水性地盤を含む、請求項1〜6の何れか1項に記載の掘削工法。
  8. 杭の埋込み工法用である、請求項1〜7の何れか1項に記載の掘削工法。
  9. (A)レオロジー改質剤(以下、(A)成分という)、(B)水膨潤性粘土(以下、(B)成分という)、水硬性粉体、及び水を含有する、掘削安定液。
  10. (A)成分が紐状ミセルを含む、請求項に記載の掘削安定液。
  11. (A)成分が、下記(A1)成分〜(A7)成分から選ばれる1種以上のレオロジー改質剤である、請求項9又は10に記載の掘削安定液。
    (A1)成分:(A1−1)炭化水素基の炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0以上25以下である、硫酸エステル又はその塩、及び(A1−2)脂肪酸部分の炭素数が10以上22以下である、脂肪酸アルカノールアミドを含むレオロジー改質剤
    (A2)成分:(A2−1)炭化水素基の炭素数が14以上24以下であり、エチレンオキサイドの平均付加モル数が5以上19以下であるポリエーテル化合物、及び(A2−2)脂肪酸部分の炭素数が14以上24以下である脂肪酸アルカノールアミドを含むレオロジー改質剤
    (A3)成分:(A3−1)重量平均分子量が1,000以上100,000以下である、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及び(A3−2)平均炭素数14以上24以下の炭化水素基を少なくとも1つ有するカチオン性界面活性剤を含むレオロジー改質剤
    (A4)成分:(A4−1)ベタイン型両性界面活性剤、及び(A4−2)エチレンオキサイド付加型アルキル硫酸エステル塩型界面活性剤を含むレオロジー改質剤
    (A5)成分:(A5−1)4級塩型カチオン性界面活性剤、及び(A5−2)アニオン性芳香族化合物を含むレオロジー改質剤
    (A6)成分:(A6−1)4級塩型カチオン性界面活性剤、及び(A6−2)臭化化合物を含むレオロジー改質剤
    (A7)成分:下記一般式(a7)で表される化合物を含むレオロジー改質剤
    7a−CONH−(AO)−H (a7)
    (一般式(a7)中、R7aが炭素数7以上35以下の炭化水素基、AOは炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、mはAOの平均付加モル数であり、2以上20以下の数である。)
  12. (A)成分を、水100質量部に対して、0.002質量部以上50質量部以下含有する、請求項9〜11の何れか1項に記載の掘削安定液。
  13. 水/水硬性粉体比が、500質量%以上10,000質量%以下である、請求項9〜1
    2の何れか1項に記載の掘削安定液。
  14. (B)成分を、水100質量部に対して、0.1質量部以上2.0質量部以下含有する、請求項9〜13の何れか1項に記載の掘削安定液。
  15. 透水性地盤用である、請求項9〜14の何れか1項に記載の掘削安定液。
  16. 杭の埋込み工法用である、請求項9〜15の何れか1項に記載の掘削安定液。
JP2018108354A 2018-06-06 2018-06-06 掘削工法及び掘削安定液 Active JP6752845B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018108354A JP6752845B2 (ja) 2018-06-06 2018-06-06 掘削工法及び掘削安定液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018108354A JP6752845B2 (ja) 2018-06-06 2018-06-06 掘削工法及び掘削安定液

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019210721A JP2019210721A (ja) 2019-12-12
JP6752845B2 true JP6752845B2 (ja) 2020-09-09

Family

ID=68844872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018108354A Active JP6752845B2 (ja) 2018-06-06 2018-06-06 掘削工法及び掘削安定液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6752845B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03253610A (ja) * 1990-03-02 1991-11-12 Asahi Chem Ind Co Ltd 埋込杭の施工方法
JP3706673B2 (ja) * 1996-05-10 2005-10-12 ダイセル化学工業株式会社 掘削泥水用調整剤
JP3875137B2 (ja) * 2001-06-15 2007-01-31 花王株式会社 スラリーレオロジー改質剤
JP2004300190A (ja) * 2003-03-28 2004-10-28 Nippon Shokubai Co Ltd 掘削安定液および掘削工法
KR101276518B1 (ko) * 2005-02-17 2013-06-25 허큘레스 인코포레이티드 블록형 히드록시에틸셀룰로스, 이의 유도체, 이의 제조방법 및 이의 용도
AR099703A1 (es) * 2014-03-10 2016-08-10 Halliburton Energy Services Inc Fluidos de tratamiento contra la pérdida de circulación que comprenden piedra pómez y métodos asociados
JP6689784B2 (ja) * 2016-06-16 2020-04-28 花王株式会社 レオロジー改質剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019210721A (ja) 2019-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3875137B2 (ja) スラリーレオロジー改質剤
JP4056757B2 (ja) 水硬性組成物用添加剤
JP6689784B2 (ja) レオロジー改質剤
JP4197102B2 (ja) スラリー
JP6148874B2 (ja) 液体急結剤、急結性セメントコンクリート、及びそれを用いた吹付け工法
JP6752845B2 (ja) 掘削工法及び掘削安定液
JP4832845B2 (ja) スラリーの製造方法
JP4896486B2 (ja) 水硬性組成物
JP4439904B2 (ja) 水硬性組成物
JP4407939B2 (ja) 空隙充填材用組成物
JP4056868B2 (ja) エアーグラウト材
JP6710195B2 (ja) レオロジー改質剤
JP2004211078A (ja) レオロジー改質剤
JP5335230B2 (ja) 1液型液状レオロジー改質剤
JP3973990B2 (ja) 杭工法用水硬性組成物
JP7044535B2 (ja) 杭工法用水硬性組成物
JP6818732B2 (ja) レオロジー改質剤
JP2023107152A (ja) 掘削安定液の地盤への充填工法
JP7256095B2 (ja) 水硬性組成物用増粘剤組成物
JP7481898B2 (ja) スラリーレオロジー改質剤
JP7488118B2 (ja) 液状レオロジー改質剤
JP2006160577A (ja) 水硬性組成物
JP5546117B2 (ja) 注入材用粉末組成物
JP3878000B2 (ja) リバウンド低減剤
JP6924688B2 (ja) 水底地盤改良用注入材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200818

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200819

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6752845

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250