JP4407939B2 - 空隙充填材用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、配管工事の際に生じた隙間や地盤中の既設構造物と地盤との間に生じた空隙等を充填し補修する空隙充填材用組成物に関する。
既設の汚水配管等の内側に更正管を布設する工事において、既設管と更正管の隙間を充填し補修する場合や、既設配管やトンネルと地山との間に生じた空隙を充填する場合に、従来、空隙充填材としてセメントモルタル、エアミルク、エアモルタル等が使用されてきた。また、土留め壁に用いるシートパイル等や杭の根固め部の形成あるいは土留め壁背面にある空隙の充填補修や、地中連続壁のアンラップ箇所の補修補強等においても、これらの空隙充填材が使用されている。
このような空隙充填材では、軽量であること、適正な流動性を有すること、材料分離が少ないこと、収縮することなく硬化体強度を確保できること等、この用途に要求される特性を満たす必要がある。空隙充填材のこれらの特性は、例えば、日本道路公団試験研究所により、非漏出性、水中分離抵抗性、非収縮性として規格化されている。
従来から、空隙充填材の上記特性を確保するため、配合面から種々提案がされている。特許文献1、2では、水溶性ポリマーやセルロース誘導体を、気泡を含有するエアモルタルに配合することで、軽量化や施工性、充填性の向上を図っている。また、特許文献3では、セメントミルクに特定の膨潤力を有するベントナイトを配合することで、可塑性注入材の軽量化と高強度化を図っている。また、特許文献4には、特定2種の化合物を組み合わせたスラリー改質剤を、特定の助剤と刺激材と共に用いた空隙充填材が開示されている。
特開2001−146488号公報 特開2001−146489号公報 特開2001−303052号公報 特開2004−67453号公報
本発明の課題は、軽量で、非漏出性、水中分離抵抗性、非収縮性に優れ、品質及び施工性の安定した空隙充填材用組成物を提供することである。
本発明は、カチオン性界面活性剤(以下、化合物(A)という)と、アニオン性芳香族化合物及び臭化化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物(以下、化合物(B)という)と、水と、セメントと、組成物中10体積%以上の石炭灰とを含有する空隙充填材用組成物であって、
化合物(A)と化合物(B)の組み合わせが、化合物(A)の水溶液SA(20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)と化合物(B)の水溶液SB(20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)とを50/50の重量比で混合した水溶液の20℃における粘度が、混合前のいずれの水溶液(20℃)の粘度よりも少なくとも2倍高くなる組み合わせであり、石炭灰とセメントとの重量比が、石炭灰/セメント=0.5〜15である空隙充填材用組成物に関する。また、本発明は、該本発明の空隙充填材用組成物を硬化させてなる硬化組成物に関する。
また、本発明は、上記化合物(A)と上記化合物(B)とを、水と、セメントと、石炭灰と混合する工程を有する空隙充填材用組成物の製造方法であって、上記化合物(A)と上記化合物(B)が特定の組み合わせであり、石炭灰を混合物中10体積%以上となる量で用い、且つ石炭灰とセメントとを石炭灰/セメント=0.5〜15の重量比となる量で用いる、空隙充填材用組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、軽量で、品質及び施工性の安定した空隙充填材用組成物を提供することができる。すなわち、本発明の空隙充填材用組成物は、非漏出性、水中分離抵抗性、非収縮性といった、品質や施工性の安定化に寄与する効果に優れている。
空隙充填材の軽量化は、従来、組成物中に多量の空気を混入することにより調整することが多かったが(例えば、特許文献1、2)、空隙充填材を現場施工する際に空気量が安定しない等、施工の不安定さが伴う。また、適度な流動性を確保するため、膨潤性に富むベントナイト等の粘土組成物が利用されるが(例えば、特許文献3)、天然物由来であるため、品質安定性が十分とはいえない。さらに、特定のスラリー改質剤を使用した特許文献4は、密度が高く軽量化が十分な空隙充填材を得るという認識はされていない。
本発明者等は、空隙充填材に要求される軽量性、適正な流動性、材料分離抵抗性、適正な硬化性を確保して、非漏出性、水中分離抵抗性、非収縮性に優れた空隙充填材組成物を設計するため、配合材料の組合せについて詳細に検討した結果、特定の化合物の組み合わせにおいて、石炭灰を有効に活用することで、本発明を完成するに至った。
本発明者等は、石炭灰が、比較的比重の小さい粉体で潜在水硬性を有するため、軽量化と一定の硬化特性を要求される空隙充填材に用いるには適していると考えた。しかし、石炭灰が、一般に空隙充填材に使用される他の成分、例えば水溶性高分子、分散剤、無機硬化剤等は石炭灰の品質(石炭ロット、発生ボイラー、粒度、不純物、形状、化学組成等)の影響を受けやすいため、従来は、石炭灰を有効利用するには至っていない。しかしながら、本発明では、石炭灰に、化合物(A)、化合物(B)とを併用することにより、石炭灰の品質によらず優れた性能を示し、従来考えられていたよりも多量に配合することができ、またそのような多量配合により、従来にない優れた空隙充填材用組成物が得られることが判明した。
石炭灰は、火力発電用途で副生物として多量に排出されるため、従来から、その有効活用が検討されてきた。本発明は、かかる資源問題や資源の有効活用の観点からも、有意義と考えられる。以下、化合物(A)、(B)、石炭灰を中心に説明する。
<化合物(A)>
化合物(A)のうち、カチオン性界面活性剤から選ばれるものとして、4級塩型カチオン性界面活性剤が好ましく、4級塩型のカチオン性界面活性剤としては、構造中に、10から26個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル基を、少なくとも1つ有しているものが好ましい。例えば、アルキル(炭素数10〜26)トリメチルアンモニウム塩、アルキル(炭素数10〜26)ピリジニウム塩、アルキル(炭素数10〜26)イミダゾリニウム塩、アルキル(炭素数10〜26)ジメチルベンジルアンモニウム塩等が挙げられ、具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、タロートリメチルアンモニウムクロライド、タロートリメチルアンモニウムブロマイド、水素化タロートリメチルアンモニウムクロライド、水素化タロートリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルエチルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルエチルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルプロピルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、1,1−ジメチル−2−ヘキサデシルイミダゾリニウムクロライド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、オクタデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、タローアルキルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、水素化タローアルキルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、テトラデシルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ヘキサデシルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、オクタデシルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、タローアルキルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、水素化タローアルキルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、テトラデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、ヘキサデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、タローアルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、水素化タローアルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート等が挙げられ、これらを2種以上併用してもよい。水溶性と増粘効果の観点から、具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド等が好ましい。また、増粘性能の観点から上記のアルキル鎖長の異なるカチオン界面活性剤を2種以上併用して用いてもよい。
<化合物(B)>
化合物(B)のうち、アニオン性芳香族化合物から選ばれるものとして、芳香環を有するカルボン酸及びその塩、ホスホン酸及びその塩、スルホン酸及びその塩が挙げられ、具体的には、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸、安息香酸、m−スルホ安息香酸、p−スルホ安息香酸、4−スルホフタル酸、5−スルホイソフタル酸、p−フェノールスルホン酸、m−キシレン−4−スルホン酸、クメンスルホン酸、メチルサリチル酸、スチレンスルホン酸、クロロ安息香酸等であり、これらは塩を形成していても良く、これらを2種以上併用してもよい。ただし、重合体である場合は、重量平均分子量(例えば、ゲルーパーミエーションクロマトグラフィー法/ポリエチレンオキシド換算)500未満であることが好ましい。
また、化合物(B)のうち、臭化化合物から選ばれるものとして、無機塩が好ましく、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化水素等が挙げられる。
本発明の空隙充填材用組成物では、化合物(A)と化合物(B)の合計の有効分含有量が水100重量部に対して0.01〜20重量部、更に0.1〜15重量部、特に0.3〜10重量部の範囲であることが、空隙充填材の充填性と非漏出性を両立させる点で好ましい。
また、本発明の空隙充填材用組成物においては、化合物(A)と化合物(B)のモル比(有効分モル比)は、化合物(A)と化合物(B)の組み合わせによって増粘効果の高い領域が異なり、目的とする増粘の程度に応じて適宜決めればよいが、得られる粘度と会合体の形状の観点から、化合物(A)/化合物(B)=1/20〜20/1、好ましくは1/20〜4/1、より好ましくは1/3〜2/1、特に好ましくは1/1〜2/3が適している。
本発明に係る化合物(A)、化合物(B)は、化合物(A)又は化合物(B)それぞれ単独の水溶液では、水中に、単分子又は会合体・ミセル・液晶等の構造体を形成した状態及びそれらの混在した状態で水溶液の粘性が低く、化合物(A)の水溶液と化合物(B)の水溶液を混合することで、混合液の粘度が大きく増大できる点に特徴がある。従って、本発明に用いる化合物(A)と化合物(B)は、化合物(A)及び化合物(B)を組合わせたときに特定の粘性発現を有することが要件であり、化合物(A)又は化合物(B)は各々単独では特定することができず、「化合物(A)及び化合物(B)とを混合することによって上記の要件を発現する」ことでのみ特定できる。
<石炭灰>
石炭灰は、工業的にはフライアッシュ、クリンカアッシュとして入手でき、JIS A 6201には、粉末度、強熱減量などから、I種、II種、III種、IV種の4種のフライアッシュが規定されている。本発明では、化合物(A)及び化合物(B)が存在することにより、グレードの低いIV種フライアッシュを含め、何れを使用することもできる。また、JISに定めのない流動床灰(粒度調整のない燃えかすそのままのもの)を使用することも好適である。一般に、石炭灰は平均粒径が2μm〜200μm程度のものが知られており、本発明でもそれらを使用することができる。また、クリンカアッシュにも粒度調整をしたものとしないものがあるが、本発明では、何れを使用することもできる。石炭灰の密度(JIS A 6201)は1.9〜2.6g/cm3のものを使用できる。
<セメント>
本発明の空隙充填材用組成物に用いられるセメントとしては、JIS R 5210、5211、5212、5213に規定されるものを使用できる。
本発明の空隙充填材用組成物中、セメントの比率は、好ましくは50〜400kg/m3、より好ましくは100〜300kg/m3である。
本発明の空隙充填材用組成物では、石炭灰とセメントの重量比が、石炭灰/セメント=0.5〜15であり、更に1〜12であることが、硬化体の強度を確保する点で好ましい。また、石炭灰の配合量は組成物中10体積%以上であり、更に15〜50体積%であることが、空隙充填材の充填性と非漏出性を両立させる点で好ましい。なお、石炭灰の配合量は、空隙充填材用組成物1m3当たりに含まれる石炭灰の重量と密度とから求めることができる。
本発明の空隙充填材用組成物は、かかる多量の石炭灰の配合により、軽量性、適正な流動性及び硬化特性を同時に達成し、優れた非漏出性、水中分離抵抗性、非収縮性を得ることができる。
なお、従来の空隙充填材用組成物では、セメントミルクのように過剰な水と粉体とから構成される低粘性スラリーに刺激剤を添加して増粘させ、流動性を調整しながら製造される(例えば、特許文献4のように、アルミナ、石膏、珪酸ソーダのような刺激材の使用)ことが多いが、本発明では、空隙充填材用組成物に適性な流動性を付与するための粘性は、石炭灰と化合物(A)、化合物(B)とにより調整されているため、基本的に刺激剤の配合を要しない。従って、刺激剤とセメントとの重量比で、0.001以下でよく、0.0005以下が好ましく、0.0001以下がより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、本発明の空隙充填材用組成物では、水/(セメント+石炭灰)比〔スラリー中の水と、セメントと石炭灰の合計との重量百分率(重量%)、以下、W/Pと略記する。〕10〜150重量%が好ましい。更に15〜100重量%、特に20〜85重量%が好ましい。なお、本発明の空隙充填材用組成物では、本発明の効果を損なわない範囲で、他の粉体、例えば高炉スラグ、石灰石微粉末、シリカフューム等を混合することができる。
本発明の空隙充填材用組成物は、空気量が5〜40体積%、更に15〜30体積%であることが、軽量化、流動性の点で好ましい。通常、空気量により空隙充填材の軽量化や流動性の向上を図る場合、従来では40体積%程度の空気量の混入を要していたが、本発明では、それよりも更に少量の空気量で軽量化、品質の安定化(特に流動性の向上)が達成できる。そのため、単位配合あたりのセメント量も相対的に増加できることから、強度や硬化速度などの面からも有利となる。
また、本発明の空隙充填材用組成物の密度(見かけ密度)は、1〜2g/cm3、更に1.1〜1.5g/cm3であることが、既存構造物への重量負荷の軽減の点で好ましい。ここに、空隙充填材用組成物の密度は、JIA A 1116に準じて求められる空隙充填材用組成物の単位容積重量を1000で除した値であり、本発明では5回の測定値の平均値を採用する。
本発明の空隙充填材用組成物は分散剤を含有しても良い。分散剤は、減水剤としてリグニンスルホン酸塩及びその誘導体、オキシカルボン酸塩、ポリオール誘導体、高性能減水剤及び高性能AE減水剤として、ナフタレン系(花王(株)製:マイテイ150)、メラミン系(花王(株)製:マイテイ150V−2)、ポリカルボン酸系、アニオン界面活性剤として、ポリカルボン酸型界面活性剤(花王(株)製:ポイズシリーズ)等が挙げられる。その中でも、ポリカルボン酸系高性能減水剤及びポリカルボン酸型界面活性剤、中でもカルボン酸系単量体と片末端アルキル封鎖ポリエチレングリコール(エチレンオキシド平均付加モル数5〜150)(メタ)アクリル酸エステル単量体との共重合体がスラリーの流動性と粘性を両立出来るという意味で、好適である。ポリカルボン酸系分散剤としては、例えば、花王(株)製:マイテイ3000、NMB社製:レオビルドSP、日本触媒社製:アクアロックFC600、アクアロックFC900等が挙げられる。
本発明の空隙充填材用組成物における分散剤の含有量は、一般にセメントに対して有効成分で0〜3重量%、更に0〜1重量%が好ましい。
本発明の空隙充填材用組成物に含有される化合物(A)と化合物(B)の他に、既存の増粘剤を用いることができる。他の既存の増粘剤としては、例えばセルロース誘導体、ポリアクリル系ポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリビニールアルコール、ガム系多糖類、微生物発酵多糖類等が挙げられる。
本発明の空隙充填材用組成物は、本剤の性能に支障がなければ他の成分、例えば、AE剤、遅延剤、早強剤、促進剤、気泡剤、発泡剤、消泡剤、防錆剤、着色剤、防黴剤、ひび割れ低減剤、膨張剤、染料、顔料、吸水性樹脂、吸水性高分子、吸水性繊維等を含有していてよい。
本発明の空隙充填材用組成物には骨材を混合することができ、骨材には細骨材や粗骨材が使用でき、特に限定されるものではないが、吸水率が低くて骨材強度が高いものが好ましい。粗骨材としては、川、陸、山、海、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工及び天然)及び再生粗骨材等が挙げられる。細骨材としては、川、陸、山、海、石灰砂、珪砂及びこれらの砕砂、軽量細骨材(人工及び天然)、並びに再生細骨材等が挙げられる。
なお、本発明において、空隙充填材とは、セメントと水を含む水硬性組成物のうち、流動性に富み比較的比重の小さいもので、主に配管工事の際に生じた隙間や地盤中の既設構造物と地盤との間に生じた空隙等を充填し補修するための充填材であり、日本道路公団試験研究所の品質規格を満たす背面空洞注入材はその代表例である。
本発明の空隙充填材用組成物は、特定の組み合わせで選定した上記化合物(A)と上記化合物(B)とを、水、セメント、石炭灰と混合することで得られる。その際、空隙充填材用組成物の体積基準で、空気量を好ましくは5〜40体積%、更に好ましくは15〜30体積%、また、石炭灰を10体積%以上、好ましくは15〜50体積%とする。また、空隙充填材用組成物の体積基準で、セメントの量を50〜400kg/m3、更に100〜300kg/m3とすることが好ましい。また、セメントと石炭灰は、石炭灰/セメント=0.5〜15、好ましくは1〜12の重量比で用いる。また、W/Pを10〜150重量%、更に15〜100重量%、特に20〜85重量%とすることが好ましい。これらの材料及び空気(気泡源となる気体)、更に必要に応じて他の材料を、合計が100体積%となるように混合して本発明の空隙充填材用組成物を得ることができる。
また、本発明の空隙充填材組成物の調製にあたっては、化合物(A)と化合物(B)は同時に添加しても、別々に添加してもよいが、化合物(B)以外の材料を混合した後に、化合物(B)を添加することが、空気の安定混入性の観点で好ましい。
(空隙充填材用組成物の調製方法)
表1の化合物(A)及び化合物(B)を用い、表2に示す空隙充填材用組成物の配合に従い、水、セメント、石炭灰と所定量の化合物(B)をモルタルミキサーで低速63rpmで、30秒間攪拌した後、化合物(A)を所定量添加し60秒間攪拌し、空隙充填材用組成物を調製した。
Figure 0004407939
Figure 0004407939
(注)表2中の成分は以下のものである。
・水(W):水道水
・セメント(C):普通ポルトランドセメント、市販品、密度3.16g/cm3
・石炭灰:JIS−IV種フライアッシュ、四国電力(株)製、密度2.20g/cm3
(測定項目)
得られた空隙充填材用組成物について、以下の評価を行った。なお、これらの評価は何れも、日本道路公団試験研究所発行(平成14年10月発行)の「矢板工法トンネルの背面空洞注入工 設計・設工指針」の15頁、表−3.3の「背面空洞注入材の品質規格(2)」の評価項目であり、同30〜34頁の「4.8試験法」に則って実施した。結果を表3に示す。
(1)非漏出性
混練り後の空隙充填材用組成物を所定の試験装置に充填し、60分後の隙間への流出を測定し、5mmの隙間に流出した組成物の長さを、以下の基準で評価した。
◎:流出長さが20cm未満
○:流出長さが20cm以上30cm未満
△:流出長さが30cm以上35cm未満
×:流出長さが35cm以上
(2)水中分離抵抗性
混練り後の空隙充填材用組成物を水中にある所定の試験装置に注入し、60分後の水のpHを測定し、その値と注入前のpHとを対比し、以下の基準で評価した。
○:pHの変動が±10%未満
×:pHの変動が±10%以上
(3)非収縮性
混練り後の空隙充填材用組成物を所定の試験装置に充填し、28日硬化後の収縮量を測定し、以下の基準で評価した。
◎:全く収縮無し
○:収縮が2cm以下
×:収縮が2cmを超える
Figure 0004407939

(注)
*1:化合物(A)、(B)の重量%は、水に対する有効分添加量である。
*2:混合水溶液の増粘は、化合物(A)の水溶液SA(20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)と化合物(B)の水溶液SB(20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)とを50/50の重量比で混合した水溶液の20℃における粘度を測定したものであり、混合前のいずれの水溶液の粘度よりも少なくとも2倍高くできるものを「○」とした。

Claims (7)

  1. カチオン性界面活性剤(以下、化合物(A)という)と、アニオン性芳香族化合物及び臭化化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物(以下、化合物(B)という)と、水と、セメントと、組成物中10体積%以上の石炭灰とを含有する空隙充填材用組成物であって、
    化合物(A)と化合物(B)の組み合わせが、化合物(A)の水溶液SA(20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)と化合物(B)の水溶液SB(20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)とを50/50の重量比で混合した水溶液の20℃における粘度が、混合前のいずれの水溶液(20℃)の粘度よりも少なくとも2倍高くなる組み合わせであり、石炭灰とセメントとの重量比が、石炭灰/セメント=0.5〜15である空隙充填材用組成物。
  2. 石炭灰が、JIS規格によるI種石炭灰、JIS規格によるII種石炭灰、JIS規格によるIII種石炭灰、JIS規格によるIV種石炭灰及び流動床灰から選ばれる1種以上である請求項記載の空隙充填材用組成物。
  3. 組成物中の石炭灰の含有量が、31.1〜50体積%である請求項1又は2記載の空隙充填材用組成物。
  4. 空気量が5〜40体積%である請求項1〜3の何れか1項記載の空隙充填材用組成物。
  5. 密度が1〜2g/cm3である請求項1〜4の何れか1項記載の空隙充填材用組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか1項記載の空隙充填材用組成物を硬化させてなる硬化組成物。
  7. カチオン性界面活性剤(以下、化合物(A)という)と、アニオン性芳香族化合物及び臭化化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物(以下、化合物(B)という)とを、水と、セメントと、石炭灰と混合する工程を有する空隙充填材用組成物の製造方法であって、
    化合物(A)と化合物(B)の組み合わせが、化合物(A)の水溶液SA(20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)と化合物(B)の水溶液SB(20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)とを50/50の重量比で混合した水溶液の20℃における粘度が、混合前のいずれの水溶液(20℃)の粘度よりも少なくとも2倍高くなる組み合わせであり、石炭灰を混合物中10体積%以上となる量で用い、且つ石炭灰とセメントとを石炭灰/セメント=0.5〜15の重量比となる量で用いる、空隙充填材用組成物の製造方法。
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