JP4094417B2 - 透水性コンクリート用添加剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は透水性コンクリート用添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ポーラスコンクリートやまぶしコンクリートと称される透水性のあるコンクリートは、20〜30%の連続した空隙を含む。この製法は、セメントペーストで粗骨材をまぶし、成形するものであるが、連続した空隙を得るために粘性の高いモルタルが必要になり、微粉末の多量配合や増粘剤が添加される(「コンクリート総覧」646頁ポーラスコンクリートの項、技術書院、1998年6月10日発行)。
【0003】
しかし、これらの技術では、骨材のペースト付着の均一性に欠け、またペーストの垂れ等から、不連続空隙となり、透水性の低下と強度低下をきたすという問題がある。これらの問題を解決する為に、特定の粒径の骨材を使用する方法(特開2001-253784号公報)や、増粘剤として特定の多糖誘導体を用いる方法(特開2001-64059号公報)、特定の吸水性樹脂と水溶性樹脂を添加して、セメントと骨材の分離を防止する方法(特開2001-48621号公報)等があるが、更なる効果の改善が望まれている。また、多糖誘導体や水溶性樹脂等の分子量の大きい高分子をセメントと水を含有する水硬性組成物に直接添加する場合は、均一分散のための混練時間が必要となり、また、予めこれら高分子を含有する水溶液として調製すると水溶液粘度が高くなり、添加操作等での作業性に問題が生じることがある。
【0004】
本発明の目的は、骨材への付着性と垂れが無く均一保型性に優れ、連続した空隙が形成され、強度の高い透水性コンクリートを得ることができ、添加時の作業性に優れる添加剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の水溶性低分子化合物〔以下、化合物(A)という〕と、化合物(A)とは異なる第2の水溶性低分子化合物〔以下、化合物(B)という〕とを含有するセメント系押し出し成形体用添加剤であって、化合物(A)及び化合物(B)の組合わせが、(1)両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及びアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(2)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及びアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(3)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及び臭化化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、から選択される透水性コンクリート用添加剤に関する。
【0006】
本発明の添加剤を使用することにより、骨材への付着性と均一保型性に優れ、連続した空隙が形成され、その結果強度の高い透水性コンクリートを得ることができる。この理由として、化合物(A)と化合物(B)は紐状ミセル等の会合体構造により、粘性が発現すると考えられる。この粘性による保形性は、ある値以上の応力を受けると会合体構造が破壊され容易に変形するが、応力が無くなると会合体構造が再び形成されて良好な保型性が得られると考えられる。従って、本発明の添加剤を含有する水硬性組成物は、骨材との混練時は骨材との密着性が高く骨材も均一性に分布し、施工充填時には、均一な空隙を生じそれが保持されるものと考えられる。
【0007】
また、本発明は、上記本発明の透水性コンクリート用添加剤と高性能減水剤と水硬性粉体とを含有する透水性コンクリート用水硬性組成物、更に、上記化合物(A)または化合物(B)の一方を水硬性組成物に添加した後に、化合物(B)または化合物(A)の他方を添加する透水性コンクリートの製造方法に関する。
【0008】
本発明における透水性コンクリートとは、前述の「コンクリート総覧」でいうまぶしコンクリート、ポーラスコンクリート、透水コンクリート等の多孔性の硬化体を形成できるコンクリートである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の透水性コンクリート用添加剤に用いられる化合物(A)と化合物(B)は、上記(1)〜(3)の組み合わせから選ばれるが、化合物(A)の水溶液SA(20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)と化合物(B)の水溶液SB(20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)とを50/50の重量比で混合した水溶液の20℃における粘度が、混合前のいずれの水溶液の粘度よりも高くなり、好ましくは少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも5倍、更に好ましくは少なくとも10倍、より更に好ましくは少なくとも100倍、特に好ましくは少なくとも500倍高くすることができる化合物の組合せを選定することが好ましい。ここで、粘度は、20℃の条件でB型粘度計(Cローター、6r.p.mから12r.p.m)で測定されたものをいう。この場合、前記の粘度挙動は、6r.p.mから12r.p.mの回転数の何れかで発現すればよい。以下、特記しない限り、粘度はこの条件で測定されたものをいう。また、混合はそれぞれの水溶液を50/50の重量比で混合する。
【0010】
本発明の透水性コンクリート用添加剤においては、化合物(A)及び(B)の水溶液の20℃における粘度と両者を混合したときの粘度が上記要件を満たしている範囲で、化合物(A)及び(B)の濃度を決めることが好ましく、化合物(A)及び(B)を特定した場合に好ましい範囲を決めることができるが、コンクリートに添加する場合の濃度範囲を広く選択できることを考慮して、それぞれが、0.01〜50重量%、更に0.05〜10重量%の範囲で濃度を決めることができる化合物(A)及び(B)を選ぶことが好ましい。
【0011】
化合物(A)及び(B)は、(1)〜(3)の何れの場合も、作業性及びスラリー系の分散性の安定性の観点から、それぞれ分子量が1000以下、好ましくは700以下、更に好ましくは500以下、また重合体の場合は重量平均分子量が500未満、好ましくは400以下、更に好ましくは300以下であることが好ましく、下限としては40以上、特に60以上が好ましい。また、化合物(A)の水溶液と化合物(B)の水溶液との混合液も室温において、水中に、単分子又は会合体・ミセル・液晶等の構造体を形成した状態及びそれらの混在した状態で、水と相分離しないことが好ましい。
【0012】
本発明の透水性コンクリート用添加剤は、化合物(A)及び(B)の組合わせが、(1)両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及びアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(2)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及びアニオン性芳香族化合物(B)から選ばれる化合物の組合わせ、(3)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及び臭化化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、から選ばれる。滑り性と保型性の観点から、特に(2)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及びアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせが好ましい。
【0013】
両性界面活性剤から選ばれるものとして、ベタイン型両性界面活性剤が好ましく、ドデカン酸アミドプロピルベタイン・オクタデカン酸アミドプロピルベタイン・ドデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられ、粘度発現の観点からドデカン酸アミドプロピルベタインが好ましい。
【0014】
アニオン性界面活性剤から選ばれるものとして、エチレンオキサイド付加型アルキル硫酸エステル塩型界面活性剤が好ましく、POE(3)ドデシルエーテル硫酸エステル塩、POE(2)ドデシルエーテル硫酸エステル塩、POE(4)ドデシルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられ、塩はナトリウム塩等の金属塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。なお、POEはポリオキシエチレンの略であり、( )内はエチレンオキサイド平均付加モル数である(以下同様)。
【0015】
これらの中でも、スラリーの水相中の固形分濃度が20重量%以下でも効果を発現するドデカン酸アミドプロピルベタインとPOE(3)ドデシルエーテル硫酸エステルトリエタノールアミンもしくはPOE(3)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウムとの組合わせが好ましい。
【0016】
カチオン性界面活性剤から選ばれるものとして、4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤が好ましく、4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤としては、構造中に、10から26個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル基を、少なくとも1つ有しているものが好ましい。
【0017】
特に、塩害によるコンクリート劣化を防止する観点から、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンを含まない4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。
【0018】
塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンを含まない4級アンモニウム塩として、テトラデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、テトラデシルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、ヘキサデシルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、オクタデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、オクタデシルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、ベヘニルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、タロートリメチルアンモニウムメトサルフェート、タロージメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、水素化タロートリメチルアンモニウムメトサルフェート、水素化タロージメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、テトラデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムアセテート、ヘキサデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムアセテート、オクタデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムアセテート、タロージメチルヒドロキシエチルアンモニウムアセテート、等が挙げられる。水溶性と増粘効果の観点から、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、オクタデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、タロートリメチルアンモニウムメトサルフェート等が特に好ましい。塩素等のハロゲンを含まない4級アンモニウム塩は、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、エチレンオキサイド、炭酸ジメチル等で3級アミンを4級化することで得ることができる。
【0019】
ハロゲンを含む4級アンモニウム塩として、例えば、アルキル(炭素数10〜26)トリメチルアンモニウム塩、アルキル(炭素数10〜26)ピリジニウム塩、アルキル(炭素数10〜26)イミダゾリニウム塩、アルキル(炭素数10〜26)ジメチルベンジルアンモニウム塩等が挙げられ、具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、タロートリメチルアンモニウムクロライド、タロートリメチルアンモニウムブロマイド、水素化タロートリメチルアンモニウムクロライド、水素化タロートリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルエチルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルエチルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルプロピルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、1,1−ジメチル−2−ヘキサデシルイミダゾリニウムクロライド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ドデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられ、これらを2種以上併用してもよい。水溶性と増粘効果の観点から、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(例えば花王(株)製コータミン60W)、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド等がより好ましい。
【0020】
アニオン性芳香族化合物から選ばれるものとして、芳香環を有するカルボン酸及びその塩、ホスホン酸及びその塩、スルホン酸及びその塩が挙げられる。具体的には、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸、安息香酸、m−スルホ安息香酸、p−スルホ安息香酸、4−スルホフタル酸、5−スルホイソフタル酸、p−フェノールスルホン酸、m−キシレン−4−スルホン酸、クメンスルホン酸、メチルサリチル酸、スチレンスルホン酸、クロロ安息香酸等が挙げられ、これらは塩を形成していていも良く、2種以上併用してもよい。ただし、重合体である場合は、重量平均分子量500未満であることが好ましい。
【0021】
臭化化合物から選ばれるものとして、無機塩が好ましく、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化水素等が挙げられる。
【0022】
また、化合物(A)がアルキル(炭素数10〜26)トリメチルアンモニウム塩であり、化合物(B)が芳香環を有するスルホン酸塩である組み合わせが特に好ましく、コンクリートの水相中の有効分濃度が5重量%以下でも効果を発現する。特に、これらの中でも硬化遅延を起こさない観点から、化合物(B)としてはトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、スチレンスルホン酸又はこれらの塩が好ましく、特に、p−トルエンスルホン酸又はその塩が好ましい。
【0023】
本発明の透水性コンクリート用添加剤は、化合物(A)と化合物(B)の重量比が(A)/(B)=90/10〜10/90、更に60/40〜40/60(有効分比)であることが増粘性の面から好ましい。
【0024】
本発明の透水性コンクリート用添加剤の添加量は、目的とする粘性、空隙の均一性の程度に応じ適宜決めればよいが、化合物(A)と化合物(B)の合計で、水硬性粉体に対して、好ましくは0.001〜3重量%、更に好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは、0.1〜0.5重量%である。
【0025】
本発明において、練り水量低減による強度向上の点から、高性能減水剤を併用添加することが好ましい。本発明において用いられる高性能減水剤は、JIS-A-6204に規定される減水率18%以上のコンクリート用化学混和剤であり、一例として、ナフタレン系(花王(株)製:マイティ150)、メラミン系(花王(株)製:マイティ150V-2)、ポリカルボン酸系(花王(株)製:マイティ21、マイティ3000、(株)エヌエムビー製:レオビルド8000、(株)日本触媒製:アクアロックFC-600、アクアロックFC-900)等が挙げられる。これら高性能減水剤としては、添加剤との相溶性や増粘性への影響の少ないポリカルボン酸系が好ましい。
【0026】
高性能減水剤の添加量は、所望とする流動性に応じて適宜決定することができるが、一般に水硬性粉体に対して、好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは、0.1〜3重量%である。
【0027】
高性能減水剤を予め化合物(A)及び/又は化合物(B)に混合し、透水性コンクリート用添加剤とすることができる。高性能減水剤の化合物(A)及び/又は化合物(B)への混合比率は、水硬性粉体添加時に好ましい範囲なるような比率で混合することが好ましい。化合物(A)と化合物(B)の合計に対する高性能減水剤の比率は、重量比で〔化合物(A)と化合物(B)の合計〕/高性能減水剤=1/1〜1/10が好ましく、1/1〜1/5が更に好ましい。
【0028】
本発明の透水性コンクリート用水硬性組成物は、本発明の透水性コンクリート用添加剤と水硬性粉体と水とを混合して得られる。強度向上の観点から、更に高性能減水剤を含有することが好ましい。
【0029】
本発明の透水性コンクリート用添加剤及び高性能減水剤の水硬性組成物への添加は、同時または別々のいずれでも可能であるが、水硬性粉体と水を含有する水硬性組成物に化合物(A)と化合物(B)を同時に混合すると、化合物(A)と化合物(B)が水硬性組成物に均一に分散する前に増粘し、局所的に粘度が急激に上昇し、粘度を均一にするための撹拌が必要となることがある。従って、化合物(A)または化合物(B)の一方を添加し予め混合した後に、化合物(B)または化合物(A)の他方を添加する方法が、急激な粘性の上昇を抑え、攪拌効率等の作業性の面から好ましい。さらに高性能減水剤を添加する場合は、透水性コンクリート用添加剤の一方の添加時、或いは他方の添加時に添加することが、急激な粘性アップを抑え、攪拌効率の面から好ましい。
【0030】
本発明に用いられる水硬性粉体は普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメントの各種ポルトランドセメントの他、高炉セメント、フライアッシュセメントが使用できる。また骨材は、砂利、砕石等の粗骨材や細骨材等の一般のものが使用できる。骨材の量は、成形物の空隙と機械的強度の観点から、水硬性粉体に対して300〜1000重量%であることが好ましい。
【0031】
骨材は空隙を形成する観点から、細骨材を含まないことが好ましく、粗骨材としては、粒径が5〜25mmのもの使用することが好ましい。具体的には、「アスファルト舗装要領(社団法人日本道路協会編集 平成5年4月5日4版発行丸善株式会社発売)、56頁 表3−5−1」に記載の4号骨材(20〜25mm)、5号骨材(13〜20mm)、6号骨材(5〜13mm)を使用することが好ましい。
【0032】
本発明の透水性コンクリート用添加剤を用いたコンクリートは、好ましくは空隙率20〜30%の連続した空隙を含むものである。この空隙率は次の式で定義される。
空隙率(%)=(T−W)/T×100
T=空気が全くないと仮定して計算したコンクリートの単位容積重量(kg/m3)
W=容器に充填したコンクリートの単位容積重量(kg/m3)
【0033】
空気が全くない状態は用いた材料の比重と配合量から計算する。この計算では本発明の添加剤や減水剤等の水溶液は液の比重を1.00とする。コンクリートの単位容積重量はJIS A 1128に従って測定する。
【0034】
空隙率20〜30%に対応する粗骨材の使用領域としては、例えば4号、5号、6号骨材を、好ましくはそれぞれ4号/5号/6号=0〜50/0〜100/0〜100(重量比)、より好ましくは0〜30/20〜100/0〜80の範囲で使用することが挙げられる。また、4号、5号、6号骨材の合計で骨材中80重量%以上使用することが好ましく、100重量%使用することが特に好ましい。また、該容積率を得るための粗骨材と本発明の水硬性組成物の容積比として、例えば、粗骨材/水硬性組成物=70〜90/30〜10(容積比)の範囲が挙げられる。
【0035】
本発明の透水性コンクリート用添加剤には、公知の添加剤(材)を併用することができる。例えばAE剤、AE減水剤、減水剤、遅延剤、早強剤、促進剤、起泡剤、消泡剤、増粘剤、防水剤、防錆剤、着色剤、防黴剤、ひびわれ低減剤、高分子エマルジョン、その他の界面活性剤、その他の水溶性高分子、膨張材、繊維類、等が挙げられる。
【0036】
【実施例】
実施例1
表1に示す配合1に、表2の化合物(B)を0.1重量%(対セメント重量比)添加して、オムニミキサー(千代田技研工業社製)で2分間混合した後、表2の化合物(A)を0.1重量%(対セメント重量比)添加して更に1分間混合した。混合物を、直径×高さ=10cm×20cmの型枠に充填し、7日間静置した。7日後に脱型し、得られた直径×高さ=10cm×20cmの成型体の圧縮強度を、JIS A−1108 コンクリートの圧縮強度試験方法により測定した。また、この成型体を高さ方向の中央で切断して、直径×高さ=10cm×10cmの円柱体として上下の重量を測定した。空隙の均一性を、上下の重量差から以下の基準で判定した。これらの結果を表3に示す。
(空隙均一性の評価基準)
○:重量差2%以下
△:重量差2%超4%未満
×:重量差4%以上
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
実施例2
表4に示す配合2を用い、実施例1と同様に試験した。なお高性能減水剤として表5のものを使用した。添加剤と高性能減水剤の添加量、評価結果を表6に示す。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
【発明の効果】
本発明の添加剤は、添加時の作業性に優れ、この剤を用いることで、均一な空隙を有し、強度の高い透水性コンクリートが得られる。
Claims (5)
- 第1の水溶性低分子化合物〔以下、化合物(A)という〕と、化合物(A)とは異なる第2の水溶性低分子化合物〔以下、化合物(B)という〕とを含有する透水性コンクリート用添加剤であって、
化合物(A)及び化合物(B)の組合わせが、(1)両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及びアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(2)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及びアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(3)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及び臭化化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、から選択され、
前記化合物(A)及び化合物(B)の組み合わせが、化合物(A)の水溶液S A (20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)と化合物(B)の水溶液S B (20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)とを50/50の重量比で混合した水溶液の20℃における粘度が、混合前のいずれの水溶液の粘度よりも少なくとも2倍高くなる化合物の組合せであり、
前記化合物(A)と前記化合物(B)の重量比が(A)/(B)=90/10〜10/90である、
透水性コンクリート用添加剤。 - 更に、高性能減水剤を含有する請求項1記載の透水性コンクリート用添加剤。
- 前記化合物(A)及び前記化合物(B)の組合わせが、(1)ベタイン型両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及びエチレンオキサイド付加型アルキル硫酸エステル塩型アニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(2)4級塩型カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)並びに芳香環を有するカルボン酸及びその塩、芳香環を有するホスホン酸及びその塩、芳香環を有するスルホン酸及びその塩から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(3)4級塩型カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)並びに臭化ナトリウム、臭化カリウム及び臭化水素から選ばれる化合物(B)の組合わせ、から選択される請求項1又は2記載の透水性コンクリート用添加剤。
- 第1の水溶性低分子化合物〔以下、化合物(A)という〕または化合物(A)とは異なる第2の水溶性低分子化合物〔以下、化合物(B)という〕の一方を水硬性粉体と水を含有する水硬性組成物に添加した後に、化合物(B)または化合物(A)の他方を添加する透水性コンクリートの製造方法であって、
前記化合物(A)及び前記化合物(B)の組合わせが、(1)両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及びアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(2)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及びアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、(3)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)及び臭化化合物から選ばれる化合物(B)の組合わせ、から選択され、
前記化合物(A)及び前記化合物(B)の組み合わせが、化合物(A)の水溶液S A (20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)と化合物(B)の水溶液S B (20℃での粘度が100mPa・s以下のもの)とを50/50の重量比で混合した水溶液の20℃における粘度が、混合前のいずれの水溶液の粘度よりも少なくとも2倍高くなる化合物の組合せであり、
前記化合物(A)と前記化合物(B)とを、両者の重量比が(A)/(B)=90/10〜10/90で用い、且つ
前記化合物(A)と前記化合物(B)とを合計で、水硬性粉体に対して、0.001〜3重量%添加する、
透水性コンクリートの製造方法。 - 請求項1記載の透水性コンクリート用添加剤と高性能減水剤と水硬性粉体とを含有する透水性コンクリート用水硬性組成物であって、化合物(A)と化合物(B)とを合計で、水硬性粉体に対して、 0.001 〜 3 重量%含有する透水性コンクリート用水硬性組成物。
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