JP5695300B2 - 既製杭の根固め液及びこの根固め液を用いた既製杭の埋込み工法 - Google Patents

既製杭の根固め液及びこの根固め液を用いた既製杭の埋込み工法 Download PDF

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Description

本発明は、逸液防止性能に優れかつ安定した強度発現を有する既成杭の根固め液およびこの根固め液を用いた既製杭の埋め込み工法に関するものである。
既製杭の埋込み工法にはプレボーリング工法と中掘り工法があるが、いずれの工法においても杭先端には根固め部が形成され、支持地盤に固着する構造をとっている。中でも、根固め部を杭径より拡大した拡大部を築造(拡大球根)し、杭の先端支持力を大きくする工法が各種開発されてきた。
前記根固め部は、通常セメントと水とを混合したセメントミルクを根固め液として掘削孔に充填し、硬化させて形成される。一般に使用される支持杭のセメントミルクの水セメント比は50〜70%であり、28日材齢強度が20N/ mm2 以上で管理されている。
又、プレボーリング工法では、杭周囲と掘削孔壁面との一体化を計る目的で、水セメント比が根固め液の同等以上のセメントミルクで掘削土と攪拌したソイルセメントとなし、一般に28日材齢強度が0.5N/ mm2 以上で管理される杭周固定液が充填される。
既成杭の埋込み工法では、根固め部や杭周固定部を確実に築造し、かつ前記強度管理値を満たすことが必要である。しかしながら、砂礫層をはじめとする透水層、或いは逸液の激しい層を有する地盤においては、充填したセメントミルクが時間の経過と共に減少し、このため、杭とその周囲地盤の一体性が損なわれるといった問題があった。
これに対して、吸水性ポリマーを配合したり、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子を添加することで逸液防止を解決する試みがなされてきたが、吸水性の制御が困難であったり、セメントミルクの水硬性が阻害され所定の管理強度が達成できないなどの問題があった。
また新聞紙等の紙とアルカリ水溶液を混合し、更にこれを中和させた材料(特開平7−41764号公報)や、パルプ繊維等の繊維材に高吸水性合成樹脂材を混合したもの(特開2004−99677号公報)、特定の性質を満たす異なる2種類の水溶性低分子化合物と水硬性粉体とを含有する杭工法用水硬性組成物(特許3973990号公報)、ベントナイト等の粘土鉱物を併用した濃厚なセメントミルク等が提案されているが、特に根固め液に適用する場合において、十分な逸液防止効果と硬化後の強度発現に関する開示がなされていない。
そこで、セメント粉体に低活性シリカ質粉体を混合し、粉末度を10,000cm2/g以上にした逸水防止用のセメント(特開平6−24819号公報)、アルギン酸ナトリウムを0.2〜4%添加したセメントミルク(特開2008−274726号公報)などが提案されている。これらの提案では、根固め液として十分使用に耐える強度発現が認められるが、粉砕コストの増大や汎用性に乏しく現実的でないといった問題や、60分から90分で流動性が消失した後は不可逆的に流動性を回復できないといった問題がある。
特開平7−41764号公報 特開2004−99677号公報 特許3973990号公報 特開平6−24819号公報 特開2008−274726号公報
本発明は前記事項に鑑みてなされたもので、逸液防止性能に優れ、かつ安定した強度発現を有する既成杭の根固め液とこれを用いた既製杭の埋め込み工法の提供を技術的課題としている。
上記の目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明は、セメントと水を混合したセメントミルクに、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)と、カチオン交換性の鉱物微粉末(C)との組み合わせからなる逸液防止剤を、前記セメントの質量に対し1.0〜5.0%添加して混合し、500〜10000mPa・sの粘度に調製したことを特徴とする既製杭の根固め液であり、請求項2に記載の発明は、前記セメントの質量に対し2〜10%の膨張材を添加したことを特徴とする請求項1記載の既製杭の根固め液である。
また、上記の目的を達成するため、本願の請求項3に記載の発明は、掘削攪拌ロッドを用いて地盤を支持層まで掘削し、根固め拡大部を形成した後、請求項1又は2記載の既成杭の根固め液を注入し、次いで杭周固定液を注入しながら前記掘削攪拌ロッドを引き上げた後、孔中に既製コンクリート杭を沈設して地盤と杭を一体化させることを特徴とする既成杭の埋込み工法である。
更に、請求項4に記載の本発明は、前記杭周固定液が、セメントミルク、前記逸液防止材を含むセメントミルク、水溶性高分子化合物または架橋性粘土鉱物を含むセメントミルクのうちいずれか一種であることを特徴とする請求項3記載の既成杭の埋込み工法である。
そして、本願の請求項5に記載の発明は、既製コンクリート杭の中空部にオーガービットを挿入して、杭を沈設しながら支持層まで掘削し、根固め拡大部を形成した後、請求項1又は2記載の既成杭の根固め液を注入し、次いで杭中空部にセメントミルクを注入しながらオーガービットを引き上げ、地盤と杭を一体化させることを特徴とする既成杭の埋込み工法である。
本願の請求項1記載の根固め液は、粘度5000mPa・sの場合残存率が80%にも達する逸液防止性能と、圧縮強度が30〜40N/ mm2 とした実用的な硬度と、温度の影響を受け難く、長時間安定に流動性を確保することができる。更に本願の請求項2記載の根固め液は、地盤との密着性に優れた請求項1記載の根固め液を提供できる。
また、本願の請求項3記載の杭の埋込み工法は、逸液防止性に優れ、従来の施工に支障なく目的を達成できるプレボーリング工法を提供することができる。更に、本願の請求項4記載の杭の埋込み工法では、必要に応じて杭周固定部にも逸液防止性を付与できるプレボーリング工法を提供できるもののである。さらに、本願の請求項5記載の杭の埋込み工法は、逸液防止性に優れ、従来の施工に支障なく目的を達成できる中掘り工法を提供することができる。
化合物(A)と化合物(B)からなる逸液防止剤の添加率と根固め液の粘度との関係を示すグラフである。 化合物(A)と化合物(C)からなる逸液防止剤及びこれに化合物(B)を組み合わせてなる逸液防止剤の添加率と根固め液の粘度との関係を示すグラフである。 化合物(A)と化合物(B)からなる逸液防止剤の添加率と根固め液の圧縮強度との関係を示すグラフである。 化合物(A)と化合物(C)からなる逸液防止剤の添加率と根固め液の圧縮強度との関係を示すグラフである。
本発明で使用するセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、高炉セメント等の混合セメントまたはエコセメントのいずれかを用いることができる。
また、本発明で使用する逸液防止剤に使用するカチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)は第四級アミン塩であり、中でもテトラアルキルアンモニウム塩であることが好ましい。また、アニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)は芳香環を有するスルホン酸塩であり、中でもアルキルアリルスルホン酸塩であることが好ましい。
更に、本発明で使用する逸液防止剤に使用するカチオン交換性の鉱物微粉末(C)は、アニオン性シリケート層に挟まれた層間の金属カチオンの高い交換能を有するスメクタイト族の粘土鉱物であり、中でもモンモリロナイトであることが好ましい。
本発明で使用する逸液防止剤は、化合物(A)と化合物(B)の組み合わせからなる場合、水の質量に対し後述する添加量の範囲で、質量比(A):(B)=1:1を基準として、混練後の根固め液の粘度が500〜10000mPa・sとなるよう調製される。また、化合物(A)と化合物(C)の組み合わせからなる場合、セメントの質量に対し後述する添加量の範囲で、質量比(A):(C)=1:5を基準として、後述する添加量の範囲で、混練後の根固め液の粘度が500〜10000mPa・sとなるよう調製される。
本発明の既製杭埋込み工法用の根固め液では、逸液防止剤と後述するセメントミルク及び膨張材との混練後の根固め液粘度が500〜10000mPa・sとなるよう調製される。より好ましくは、1000〜5000mPa・sとなるように、化合物(A)と化合物(B)の質量比、または化合物(A)と化合物(C)の質量比を変えて調製する。
ここで、逸液防止剤の粘度が10000mPa・s以上となると、ポンプ圧送が極めて困難となり、粘度が500mPa・s以下となると、逸液防止機能が損なわれる。また、化合物(A)と化合物(B)の組み合わせからなる場合は、水温の変化が影響するが、化合物(A)と化合物(C)の組み合わせからなる場合は水温の影響を受けにくく、化合物(B)を併用することで粘度の調製も容易となる。
根固め液の粘度測定には、回転数制御方式等の多くの測定方式があるが、使用するロータと回転数が同じであればよい。例えば、高粘度用のビスコメーター(リオン製、VT−04F)などが簡便でよい。根固め液の調製に使用する逸液防止剤の温度は、別バッチで20℃定温で保持することが望ましい。一方、あらかじめミキサーでセメントと水を混合して調製されるセメントミルクの練上り温度も一定にすることが望ましいが、施工現場では大量の水を連続的に使用することから困難を伴うことが多い。
この場合、逸液防止剤が化合物(A)と化合物(B)の組み合わせからなる場合は、水温に応じて化合物(A)と化合物(B)の添加割合を変更し、所定の粘度となるよう調製する。一方、逸液防止剤が化合物(A)と化合物(C)の組み合わせからなる場合は、通常の水温1℃〜30℃の範囲でポンプ圧送に影響するほど粘度は変化せず、さらに化合物(B)を併用することで粘度は安定する。
本発明の既製杭埋込み工法用の根固め液は、水セメント比50〜70%のセメントミルクに、化合物(A)と化合物(B)の組み合わせからなる逸液防止剤を使用する場合、水の質量に対し0.5〜2.5%、より好ましくは、1.0〜2.0%である。また、化合物(A)と化合物(C)の組み合わせからなる逸液防止剤を使用する場合、セメントの質量に対し1.0〜5.0%であり、より好ましくは、2.0〜4.0%である。なお化合物(A)と化合物(C)に化合物(B)を組み合わせてなる逸液防止剤を使用する場合、セメントの質量に対し2.0%以下、より好ましくは1.0%以下、別に添加する。
本発明に係る既製杭の根固め液は、80cm/ min以上の逸液性の大きな地盤においても十分な逸液防止性能を有している。一般に、高分子系増粘剤(水中不分離混和剤)を1〜1.5%添加することによって逸液防止性を付与できるが、単位水量に対し1%以下の添加によっても強度低下が認められ、所定強度に達しない可能性がある。
また、本発明に係る既製杭の根固め液は、硬化後28日材齢強度が20N/ mm2 以上である。一般に根固め液の強度管理は、ミキサー混練後のバッチからサンプリングされ、地盤に注入される前の根固め液を所定のポリエチレンチューブに充填し、20℃の水中で養生された後、所定形状にカットして強度試験に供される。管理値は20N/ mm2 以上であるが、実際の地盤中では掘削土砂が入り混じることになり、1.5〜2.0程度の安全率をみることが望ましい。すなわち、実用的には、30〜40N/ mm2 の強度を発現する配合とする。
本発明に係る既製杭の根固め液に必要に応じて膨張材を添加することができる。この場合、膨張材とは水和反応によってエトリンガイトや水酸化カルシウム等の結晶を生成させるもので、いずれを用いてもよい。また、膨張材の使用量は、セメントの質量に対し2.0〜10.0%、より好ましくは5.0〜7.0%である。膨張材の添加はセメントに対し外割り添加する場合と内割り添加する場合とがあるが、一般に内割り添加とする場合が多い。この場合添加量が多いと強度が低下する原因となる。
プレボーリング工法では、掘削攪拌ロッドを用いて地盤を支持層まで掘削し、根固め拡大部を形成した後、本発明の既製杭の根固め液を注入し、次いで杭周固定液を注入しながら掘削攪拌ロッドを引き上げた後、孔中に既製コンクリート杭を沈設して、地盤と杭を一体化する。この場合、杭周固定液は、通常のセメントミルク、前記逸液防止剤を含むセメントミルク、水溶性高分子化合物または架橋性粘土鉱物を含むセメントミルクのいずれであってもよい。さらに、これらに膨張材を加えることもできる。
杭周固定液にも本発明の逸液防止剤を添加して調製することができる。しかし杭周固定液の管理強度は、水セメント比が60〜210%程度で、28日材齢強度が0.5N/ mm2 以上であることから、逸液防止性と所定強度を満足することにさほど困難性はなく、従来周知の方法を採用することが可能である。
中掘り工法では、既製コンクリート杭中空部にオーガービットを挿入し、杭を沈設しながら支持層まで掘削した後、根固め拡大部を形成した後、本発明の既製杭の根固め液を注入し、次いで杭中空部にセメントミルクを注入しながらオーガービットを引き上げ、地盤と杭を一体化させる。この場合、ジェット噴射方式の拡大掘削ないし拡大球根築造を行う場合にはノズルが詰まらないように注意する必要があり、その根固め液粘度は、ノズル径や吐出ポンプの性能にもよるが、5000mPa・s以下となるよう調製するとよい。
なお、これら埋め込み杭工法における地盤掘削時に、ベントナイトやカルボキシルメチルセルロースといった孔壁安定材を使用することもできる他、掘削液として水セメント比を高め、根固め液の調製に使用する逸液防止剤を添加して用いてもよい。
[実施例1の1]
水と普通ポルトランドセメントまたは高炉セメントB種から、W/C=50〜60%のセメントミルクを調製した。化合物(A)としてアルキルアンモニウム塩を主成分とするカチオン性界面活性剤(花王株式会社製、商品名「ビスコトップ100B」)と、化合物(B)としてアルキルアリルスルホン酸塩主成分とするアニオン性芳香族化合物(花王株式会社製、商品名「ビスコトップ100A」)を等量混ぜ合わせ、20℃に保って逸液防止剤を調製した。この逸液防止剤をセメントミルクの調製に使用した水の0〜2.0%をセメントミルクに添加し、ビスコテスターVT−04Fで粘度の測定を行った(20℃恒温室内、ロータNo.1)。
図1に示すように、普通ポルトランドセメントおよび高炉セメントB種とも、逸液防止剤の添加量が1.0%まではほとんど粘度が増加しないが、添加量が1.0%を超えると粘度が急激に増加し、1.5%ではW/C=55%で5000mPa・s前後に達した。なお、J14漏斗による流下時間によってもある程度粘性の評価ができるものの、水セメント比が小さくなると測定が困難になるほか、100秒を超えるためばらつきが大きくなりやすい。
[実施例1の2]
同様に、水と高炉セメントB種から、W/C=60%のセメントミルクを調製した。化合物(A)としてアルキルアンモニウム塩を主成分とするカチオン性界面活性剤(花王株式会社製、商品名「ビスコトップ100B」)と、化合物(C)としてカチオン交換性の鉱物微粉末(クニミネ工業株式会社製、商品名「クニゲルV1」)を1:5の質量比で使用し、使用セメント量の0〜4.0%をセメントミルクに添加し、ビスコテスターVT−04Fで粘度の測定を行った(20℃恒温室内、ロータNo.1)。また、化合物(B)として、アルキルアリルスルホン酸塩主成分とするアニオン性芳香族化合物(花王株式会社製、商品名「ビスコトップ100A」)を、高炉セメントB種に対し0.5%添加して同様に粘度の測定を行った。
図2に示すように、化合物(A)と化合物(C)の組み合わせでは、逸液防止剤の添加量が2.0%まではほとんど粘度が増加しないが、添加量が2.0%を超えると粘度が急激に増加し、3.5%では4000mPa・sに達した。一方、化合物(B)をさらに添加した場合には4500mPa・sであった。同様な粘度測定を練り上がり温度5℃および30℃の場合で比較したが、低温でやや粘度は増加するものの大きな変化がなかった。
[実施例2の1]
上記実施例1の1と同様に、水と普通ポルトランドセメント、高炉セメントB種またはエコセメントから、W/C=50〜60%のセメントミルクを調製した。化合物(A)としてアルキルアンモニウム塩を主成分とするカチオン性界面活性剤(花王株式会社製、商品名「ビスコトップ100B」)と、化合物(B)としてアルキルアリルスルホン酸塩主成分とするアニオン性芳香族化合物(花王株式会社製、商品名「ビスコトップ100A」)を等量混ぜ合わせ、20℃に保って逸液防止剤を調製し、これをセメントミルクに0〜2.0%添加して練り上げ、ポリエチレンチューブに充填して20℃の恒温水槽中で養生し、材齢28日経過後、φ50mm×100mmの円柱供試体を切り出し圧縮強度試験を行った。
図3に示すように、根固め液の強度は、セメントの種類、逸液防止剤の添加量および水セメント比の影響を受けるが、図1に示した粘度の範囲で考えると、500〜10000mPa・sの範囲で、管理強度の1.5倍に相当する30N/ mm2 以上の強度に達することが分かる。特に、高炉セメントB種を用いた場合は、上記の範囲内で強度低下が少ない。
[実施例2の2]
上記実施例1の2と同様に、水と高炉セメントB種から、W/C=60%のセメントミルクを調製し、化合物(A)としてアルキルアンモニウム塩を主成分とするカチオン性界面活性剤(花王株式会社製、商品名「ビスコトップ100B」)と、化合物(C)としてカチオン交換性の鉱物微粉末(クニミネ工業株式会社製、商品名「クニゲルV1」)を1:5の質量比で使用し、使用セメント量の0〜4.0%をセメントミルクに添加して練り上げ、ポリエチレンチューブに充填して20℃の恒温水槽中で養生し、材齢28日経過後、φ50mm×100mmの円柱供試体を切り出し、圧縮強度試験を行った。
図4に示すように、根固め液の強度は逸液防止剤の添加量がセメントに対し5%までは強度の低下がなかった。図2の結果から判断すると、広範囲の粘度条件下で管理強度2倍を満足する逸液防止性の根固め液を得ることができる。
上記実施例1の1または実施例1の2で得た根固め液のうち、水と普通ポルトランドセメント又は高炉セメントB種から、W/C=60%のセメントミルクを調製し、化合物(A)と化合物(B)の組み合わせからなる逸液防止剤と、化合物(A)と化合物(C)の組み合わせからなる逸液防止剤を、粘度1000mPa・sおよび5000mPa・sとなるよう添加して根固め液を調製した。
レベル調整した台の上に逸液防止性評価装置を置き、塩ビ管(外径φ48.2mm)を中央に設置し、水を高さ15cmまで水を張った。その後、粗砂(4号珪砂)を周辺部及び内部に充填した。周辺部は高さ15cmとし、内部は高さ4cmに相当する質量の砂を投入した。砂を充填するときに張った水を排出した後、充填体積を一定として根固め液を流し込んだ。その後、塩ビ管を回しながら引き抜き、水を流した。排出孔からの水を採取し、その質量と時間を測定して流速を算出するとともに、逸液状況を観察した。なお、比較のために、逸液防止剤を加えない根固め液(プレーン)を調製して試験に供した。
Figure 0005695300
表1に示すように、普通ポルトランドと水とからなる根固め液(プレーン)では、流速112cm/minの条件でほとんどが流失した。一方、1000mPa・sに調製した根固め液では流速112cm/minの条件で約半分が流出したが、一定の逸液防止性のあることが分かった。根固め液の粘度を5000mPa・sとした場合には80〜100%の根固め液が残存しており、厳しい逸液条件下でも優れた逸液防止性が発揮された。
以上の実験結果から、化合物(A)と化合物(B)または化合物(A)と化合物(C)の組み合わせからなる逸液防止剤を加え、粘度を1000mPa・s〜5000mPa・sとした根固め液は、厳しい逸液条件下でも優れた逸液防止性が発揮されるとともに、逸液防止剤を加えない根固め液に対して強度低下も少なく、実用性に優れるものと判断される。

Claims (5)

  1. セメントと水を混合したセメントミルクに、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)と、カチオン交換性の鉱物微粉末(C)との組み合わせからなる逸液防止剤を、前記セメントの質量に対し1.0〜5.0%添加して混合し、500〜10000mPa・sの粘度に調製したことを特徴とする既製杭の根固め液。
  2. 前記セメントの質量に対し2〜10%の膨張材を添加したことを特徴とする請求項1記載の既製杭の根固め液。
  3. 掘削攪拌ロッドを用いて地盤を支持層まで掘削し、根固め拡大部を形成した後、請求項1又は2記載の既成杭の根固め液を注入し、次いで杭周固定液を注入しながら前記掘削攪拌ロッドを引き上げた後、孔中に既製コンクリート杭を沈設して地盤と杭を一体化させることを特徴とする既成杭の埋込み工法。
  4. 前記杭周固定液が、セメントミルク、前記逸液防止材を含むセメントミルク、水溶性高分子化合物または架橋性粘土鉱物を含むセメントミルクのうちいずれか一種であることを特徴とする請求項3記載の既成杭の埋込み工法。
  5. 既製コンクリート杭の中空部にオーガービットを挿入して、杭を沈設しながら支持層まで掘削し、根固め拡大部を形成した後、請求項1又は2記載の既成杭の根固め液を注入し、次いで杭中空部にセメントミルクを注入しながらオーガービットを引き上げ、地盤と杭を一体化させることを特徴とする既成杭の埋込み工法。
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