JP6531929B1 - 地盤注入工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不均質な地盤において、確実な浸透固結を可能にする地盤注入工法を提供する。【解決手段】溶液型グラウトを注入する地盤注入工法において、1)対象となる土を用いて所定の密度で要求される強度が得られるシリカ濃度を設定する。2)所定のシリカ濃度を用いてpHまたは添加剤に対応したゲル化時間(GT0)を有するシリカグラウト配合液を調整する。3)その配合液を現場土と混合して土中ゲル化時間(GTS0)を測定する。4)想定する注入孔間隔、注入方式、1注入ステージ長より単位ステージの固結対象土量を設定する。5)単位ステージの固結対象土量から注入量を設定し、浸透可能限界内の注入速度から単位ステージ当たりの注入時間(H)を設定する。6)地盤状況、注入孔間隔、単位ステージ当りの注入量に応じて、GT0>H≧GTs0またはGT0>GTS0≧Hとなる注入液のゲルタイム(GT0)とシリカ濃度からなる配合処方を設定する。【選択図】図18

Description

本発明は地盤に形成された削孔内に注入管を埋設して孔壁周囲の地盤中に注入材を注入することにより、地盤の止水性の向上、強度増大、液状化防止等の地盤改良を実施するための地盤注入工法に関するものである。
近年の地盤注入工法は、大深度掘削工事や耐震補強、大規模工事に伴う長期工事等、地盤条件の悪い施工現場での注入された地盤の強度、止水性、あるいは固結性の持続性等、確実な地盤改良効果と経済性を要求されるようになってきた。従って注入技術は、注入材そのものの化学的安定性のみならず、土粒子間浸透注入が可能で、かつ経済的施工が可能な注入技術の開発が必要になっている。特に地震の多発に伴い、確実な浸透固結性ともに広範囲の浸透固結性と所定の品質を持ち、かつ注入された注入液が所定の注入範囲外や地表面に逸脱することなく広範囲に経済的に改良できる注入工法並びに注入材が要求されている。しかるに、地盤注入は通常異なる土層の互層からなる不均質地盤の改良であり、広範囲な地盤改良ほど注入液が逸脱しやすく、所定領域を確実に浸透固結することが困難になっている。
本発明はそれらの要望に答えるべく完成したもので、特に大吐出量で低圧注入が可能となる柱状浸透注入に着目した本発明者による先行発明(特許文献1、2、3)をさらに発展させて、広範囲の均質浸透固結を可能にすることによって、柱状浸透注入工法の課題を解決したものであって、複雑な土層からなる地盤条件下で所定計画注入範囲外への逸脱を低減しながら注入量に相当する大きな固結径の固結体を確実に形成させる経済的柱状浸透注入工法を完成したものである。
本発明者は柱状浸透注入は球状浸透注入に比べて大きな浸透源から注入できるため大きな吐出量で低圧で土粒子間浸透できること(図21(イ)、(ロ))に着目して以下の特許文献1、2、3の発明を既に行っている。
特許第4827109号公報 特許第5942161号公報 特許第3509744号公報
以下に先願発明の課題を説明する。
例えば、特許文献1に記載された注入管は、注入管本体の外周に織布や不織布やマットなどのある厚さを有する透水性材料で覆い、更にその上から透水性シートで被覆した柱状空間をからなる柱状浸透源を形成し、注入に当って注入管吐出口から吐出された注入液がその柱状浸透源から容易に全面に拡がり、地盤中に浸透して柱状注入を可能にするものである。
この工法は地盤が比較的均質な地盤条件下では大径の低圧浸透注入が可能な極めてすぐれた効果を得るが不均質地盤の場合、一次注入によって、注入管周囲に硬軟がある場合、柱状空間を大きく取ると注入管をとりまくシールグラウトの割裂が部分的になりやすいという問題があった。
さらに注入液がマット等の空隙に目詰まりしてその後の注入液が注入されにくいという問題があった。これらは特に懸濁液の注入を困難にする。また柱状浸透長を長くとると削孔壁の弱い部分、或いはシールグラウトの弱い部分のシールグラウトが破壊されて、その部分に注入液が集中しやすいため柱状浸透源の全長から地盤に均質に注入されにくいという傾向があった。
また、特許文献2の発明は、特許文献1の上記問題を解決した発明である。即ち注入管は管軸方向に複数の注入材吐出口を有する注入管本体と当該注入管本体の外周に密着され、管軸方向の両端部が注入管本体の外周に密閉した状態で固着され、かつ前記複数の注入材吐出口と重ならない位置に注入管の管軸方向に沿って複数の注入材噴射スリットを有する円形断面の筒状弾性被覆体(長尺ゴムスリットチューブ)とから構成され、前記筒状弾性被覆体(ゴムスリットチューブ)は弾性力によって断面円型の接線方向にゴムの引張力が全長にわたって生ずるように注入管本体の外周面に所定の長さの筒状体全面が密着して前記注入材吐出口を密閉してなり、前記注入管本体に送液された注入材は噴射圧によって、前記注入管本体と孔壁間のシールグラウトに管軸に沿ったキレツを形成せしめ、当該キレツから孔壁周囲の地盤中に柱状浸透する。
また、注入管本体への送液の停止と共に前記筒状弾性被覆体(ゴムスリットチューブ)の全面がその弾性力で注入管本体の外周面に密着して注入材吐出口を閉塞することにより筒状弾性被覆体の外に噴射した注入材が注入管本体内に逆流しないように構成されてなることを特徴とするものである。
しかし、本発明者によるさらなる研究によれば、上記発明は地盤が均質な場合はすぐれているが、噴射圧によるシールグラウトの管軸方向の亀裂の形成はシールグラウトの周辺の地盤に硬弱がある場合、また、一次注入材によって弾性被覆体を取り巻くシールグラウトの周辺が固化されている場合、或いは筒状弾性被覆体の長さが長くて地盤条件の異なる層に位置している場合、筒状弾性被覆材の弾性圧に打ち克った液圧をもって噴射スリットからの噴射によるのではシールグラウトの割裂が部分的で弾性被覆材の外側のシールグラウトの全長にわたって所定の亀裂が生じにくいことが判った。
また、特許文献3に記載された本出願人による発明は地盤中の削孔内に複数個の袋パッカを間隔をあけて備えた注入管を挿入し、袋パッカ間の削孔壁と注入管との間の空間を通して注入材を地盤中に注入する地盤注入工法および注入管装置に係り、特に、前記袋パッカ周りの地盤領域に注入材の浸透しにくい、密な地盤内パッカを形成して注入材が水平方向の注入対象土層により広く浸透するようにし、削孔間隔(注入孔間隔)を広くとって削孔数を少なくする地盤注入工法および注入管装置に関する。しかしこの工法は均質地盤では孔径の大きな柱状固結体を形成し、極めて優れた改良効果を得るが地盤が不均質な場合、注入液が粗い層や地表面に逸脱しやすい可能性がある。
本発明は地盤に形成された削孔内に注入管を埋設して孔壁周囲の地盤中に注入材を注入することにより、地盤の止水性の向上、強度増大、液状化防止等の地盤改良を実施するための地盤注入工法に関する発明であって、柱状浸透区間を長くとり、大きな固結径を得ようとすると粗い土層から所定注入領域外へ逸脱しやすいという問題を解決して、特に複雑な土層からなる地盤条件下で粗い土層や地表面に逸脱することなく土粒子間浸透により大きな固結体を経済的に、かつ注入量に相当する固結体を確実に形成することを可能にしたものである。
本発明者は、外管をシールグラウト中に位置せしめ、かつ外管を覆う被覆膜が長くても、またシールグラウト外側の地盤に硬軟な層があっても、またセメント系グラウト等、強度の高いグラウトを一次注入した後の地盤でも弾性被覆膜を面圧で膨出して、弾性被覆膜の区間に対応する長さのシールグラウトに確実に亀裂を生じせしめて、地盤に注入液を所定の被覆膜の区間に浸透しめて、また繰り返し注入や一次注入、二次注入による複合注入を可能にして前記先願発明の問題を解決し、背景技術の項に記載した要求に応えた、以下の技術を提供するものである。
以下に本発明を請求項と図と対応させて説明する。
(地盤注入装置01)図1・図2・図3・図4・図5・図6・図7・図8・図9
地盤に形成された削孔(2…削孔)内に設置して該削孔周囲の地盤中に注入材を注入するための注入管を備えた地盤注入装置(A…注入管装置)において、
前記注入管は削孔内に充填したシールグラウト(3…シールグラウト)内に固定される注入外管(4…注入外管)と該注入外管に挿入して上下に摺動する一本又は複数本の注入液送液管路(11…注入液送液管路)を有する注入内管(5…注入内管)からなり、
該注入外管は注入液外管吐出口(6…外管吐出口)と該外管の外周に管軸方向に該注入液外管吐出口を覆い、管軸方向に多数分布する表面吐出部(7…表面吐出部)を有する断面円形状に所定長被覆する、一つ又は複数の長尺弾性被覆膜(8…長尺弾性被腹膜)から構成され、該長尺弾性被覆膜は所定長の両端を注入外管に固着材(9…固着材)によって閉束されてなり、
該表面吐出部は該長尺弾性被覆膜の弾性によって加圧時には開口し、非加圧時には閉束してなり、該注入内管は上下を流体圧によって膨縮する複数の内管パッカ(10…内管パッカ)によってはさまれた内管吐出口(12…内管吐出口)からなる内管注入部(13…内管注入部)を一つ又は複数有してなり、
注入液の注入に際しては内管注入部が注入外管の外管吐出口に位置して、該内管パッカを膨張して該長尺弾性被覆膜内(14…長尺弾性被覆膜内)に注入材を吐出して、該長尺弾性被覆膜を面圧で膨出することによりシールグラウトを所定長にわたって割裂すると共に該表面吐出部から注入液を地盤中に注入することを特徴とする地盤注入装置。
逆止弁のスリーブの長さは通常8〜10cmであるが、上記長尺弾性被覆膜は地盤条件と注入孔間隔に応じて通常のスリーブよりも長く、好ましくは20cm〜3000cm、さらに好ましくは30〜200cmが用いられる。
(地盤注入装置02)図7・図8・図9・図11(ロ)・図12(ロ)・図14(ロ)・図15(ハ)
地盤に形成された削孔(2…削孔)内に設置して該削孔周囲の地盤に注入材を注入するための注入管を備えた地盤注入装置(A…注入管装置)において、
前記注入管は削孔内に充填したシールグラウト(3…シールグラウト)内に固定される注入外管(4…注入外管)と該注入外管に挿入して上下に摺動する一本又は複数本の注入液送液管路(11…注入液送液管路)を有する注入内管(5…注入内管)からなり、
該注入外管は管軸方向に複数の外管吐出口(6…外管吐出口2)と該外管の外周に管軸方向に断面円形状に所定長被覆し、該注入液外管吐出口を覆い、円周方向のスリットが分布する加圧時には開口し、非加圧時には閉束してなる表面吐出部(7…表面吐出部)を有する一つ又は複数の長尺弾性被覆膜(8…長尺弾性被覆膜)と該長尺弾性被覆膜とは異なる位置に設けた逆止弁(20…袋パッカ内逆止弁)を有する外管吐出口(19…袋パッカ内外管吐出口)を覆う袋パッカ(18…袋パッカ)から構成され、該長尺弾性被覆膜は所定長の両端を固着材(9…固着材)によって閉束された長尺弾性被覆膜内を形成し、
該注入内管は上下を流体圧によって膨縮する複数の内管パッカ(10…内管パッカ)によってはさまれた内管吐出口(12…内管吐出口)からなる内管注入部(13…内管注入部)を一つ又は複数有してなり、
注入液の注入に際しては袋パッカに袋パッカ外管吐出口から固結材を注入して注入管周りに膨出して後、内管注入部を注入外管の外管吐出口に位置して、該内管パッカを膨張して該長尺弾性被覆膜内(14…長尺弾性被覆膜内)に注入材を吐出して、該長尺弾性被覆膜を面圧で膨出することによりシールグラウトを所定長にわたって割裂すると共に該表面吐出部から注入液を地盤中に注入することを特徴とする地盤注入装置。
上記にて袋パッカの材質は広げれば筒状になる布パッカでもゴムパッカでも良い。或いはそれを重ねて用いても良い。このうち布パッカは固結材を加圧した場合、その径の大きさは布が破けない強度を持つ限り、筒の径の大きさに限定される。従って、削孔径よりも大きい径にして、地盤中に設置すれば布パッカは削孔壁を閉束するだけでなく、それ以上に大きくなり、削孔壁周辺を圧縮して土中パッカを形成する。
また布パッカは固結材の圧入と共にその糸の縫い目から固結材の一部を浸出して周辺の土を固化し、袋体の筒の大きさより実質的に大きな土中パッカを形成して注入液の上方への逸出を防ぎ水平方向へ浸透させて大きな固結体を形成する。
袋パッカの布材はジオテキスタイルとしてジオウォーブン(織物、織布)、ジオノンウォーブン(不織物)、ジオニット(編物)等がある。袋パッカに用いる布材の縫い目の大きさと強度は袋体の中に懸濁液を圧入して(通常1MPa程度)懸濁液の浸出状況で確認する事ができる。本発明者の実際の注入における試験において、カルシウムシリケートシールグラウトを用いた直径10cmの削孔中で直径20cmの膨出パッカが形成され、その周辺の懸濁液の浸出成分によって直径ほぼ30cmの強固な土中パッカが形成された。
それに対してゴムパッカは固結材を圧入すると不均等に膨出して、部分破損しやすい。そのため、外側を布パッカで重ねることにより、パッカの径の大きさを管理できる。袋パッカの位置は、地盤条件、注入目的に応じて、被覆膜の区間の上下でも、或いは上部又は下部でもよく、1個でも複数でも良いし、最上部に1箇所でも良い。
いずれにせよ袋パッカはシールグラウトと共に注入外管の上下方向への注入液の流出を防ぐのみならず、削孔径よりも大きな固結径を形成して、その周辺土も高密度化するため、一次注入も二次注入も上下方向への流出を防ぎ、二次注入液が所定の注入ステージにほぼ水平方向に広範囲に土粒子間浸透することができる。また袋パッカを装着した注入外管に袋パッカ並びに弾性被覆膜以外の位置に1個又は任意の数、注入外管吐出口1を設けて、袋パッカの縦方向のパッカ効果と一次注入材による粗い土層からの注入計画範囲からの逸脱防止効果を併用することにより、浸透性の二次注入材を所定注入領域に確実に土粒子間浸透できる。
また、袋パッカは分割して、上下の袋パッカの間に外管吐出口1を設けて一次注入を行うこともできる。外管吐出口1はこの位置に限定しても良い(図13(ハ))。特に後述する非アルカリ領域のシリカグラウト(図18、図19)を図24の限界速度内で二次注入した場合、表7(a)で設定した注入量を表7(b)または請求項1〜4で設定した配合処方で注入ずれば、図20〜22、図25の浸透ゲル化の挙動で所定領域を低圧(図23(ロ))で所定注入量に相当する固結体を地表面や粗い層に逸脱することなく確実に土粒子間浸透固化できる。この一次注入の効果は請求項1においても同様である。
(地盤注入装置03)図1〜図21
地盤注入装置01、02で地盤に形成された削孔(2…削孔)内に設置して該削孔周囲の地盤中に注入材を注入するための注入管を備えた地盤注入装置(A…注入管装置)において、
前記注入管は削孔内に充填したシールグラウト(3…シールグラウト)内に固定される注入外管(4…注入外管)と該注入外管に挿入して上下に摺動する一本又は複数本の注入液送液管路(11…注入液送液管路)を有する注入内管(5…注入内管)からなり、
該注入外管は伸縮性スリーブからなる逆止弁(15…外管吐出口1逆止弁)で覆われた外管吐出口1(16…外管吐出口1)と弾性被覆膜(8…弾性被覆膜)で覆われた外管吐出口2(6…外管吐出口2)を有し、該弾性被覆膜は外管吐出口2(6…外管吐出口2)と該外管の外周に管軸方向に該注入液外管吐出口を覆い、円周方向スリットが分布する加圧時には開口し、非加圧時には閉束してなる表面吐出部(7…表面吐出部)を有する断面円形状に管軸方向に所定長被覆する、一つ又は複数の弾性被覆膜(8…弾性被腹膜)から構成され、該弾性被覆膜は所定長の両端を注入外管に固着材(9…固着材)によって閉束された弾性被覆膜内を形成し、
該注入内管は上下を流体圧によって膨縮する複数の内管パッカ(10…内管パッカ)によってはさまれた内管吐出口(12…内管吐出口)からなる内管注入部(13…内管注入部)を一つ又は複数有してなり、
該外管吐出口2からの注入液の注入に際しては内管注入部が注入外管の外管吐出口に位置して、該内管パッカを膨張して該長尺弾性被覆膜内(14…長尺弾性被覆膜内)に注入材を圧入して、該長尺弾性被覆膜が面圧で膨出することによりシールグラウトを所定長にわたって割裂すると共に該表面吐出部から注入液を該シールグラウトの割裂を通して地盤中に注入することを特徴とする地盤注入装置。
外管吐出口1からは、被覆膜内の外管吐出口からの二次注入に先立って、一次注入を行って、異なる土層の粗い土層や逸脱しやすい土層を予め注入して注入対象地盤の均質化を行う。
例えば、地盤が透水係数で100〜10-4cm/secの土層から成り立っている場合、一次注入によって、一次注入が浸透し得る、100、10-2cm/secのオーダーの土層を10-3cm/sec〜10-4cm/secのオーダーにして地盤を均質化する。その上で、ゲル化時間の長い浸透性の良い非アルカリ性シリカグラウトを注入すれば、表7(a)の注入間隔で設定した注入量を図18の限界速度内で表7(b)又は請求項19〜22で設定した配合処方で注入すれば図14〜16、図17、図19の浸透挙動で大きな浸透範囲に所定注入量が浸透され、注入液は、所定注入領域からそのまま殆ど移動することなくゲル化時間の経過と共に所定範囲に固結する。また、図1、図2、図3にて外管吐出口1は長尺弾性被覆膜から外管吐出口2から一次注入する場合はなくてもよい。
また、外管吐出口1は注入外管の地表面に近い部分のみに設置して、あらかじめ懸濁液、或いは瞬結グラウトの一次注入液を注入して外管吐出口2からの二次注入材の地表面の逸脱を防ぐこともできる。注入外管に設けた長尺弾性被覆膜の数は地盤条件や注入目的に応じて1個だけでも良いし、間隔をあけて複数個でも良い。例えば、注入外管の最上部に設けて、その下部には外管吐出口1を任意の数、間隔をあけて設けても良い。又注入外管1を任意の数設けて、下方に被覆膜を1箇所に設けても良い。例えば粘性土層が存在する場合、注入外管吐出口1からの懸濁注入又は瞬結注入の脈状注入とし、砂層や複数の土層からなる土層では被覆膜からの柱状浸透が好ましい。
(地盤注入装置04)図2、図3
地盤注入装置01、02、03において、該内管注入部から吐出された注入液は弾性被覆内を加圧して弾性被覆膜を面圧で膨出してシールグラウトを所定長にわたって割裂して表面吐出部から該シールグラウトの割裂を通して地盤注入されることを特徴とする地盤注入装置。
上記において、弾性被覆膜はその上下を固着材で加締めている。その位置は長尺被覆膜の上下端で加締めることにより注入液の加圧によって、長尺被覆膜内を形成して長尺被覆膜を膨出してシールグラウトを長尺被覆膜の長さにわたって割裂することができる。また長尺被覆膜をいくつかに分割して加締めすることにより、被覆膜の単位長を任意の数設置することができる。また加締めはその端部を袋パッカ或いは外管吐出口1によって閉束されている場合は、その部分を加締めとみなして設けなくてもよいのは当然である。
(地盤注入装置05)図2(ハ)〜(ホ)・(ハ')〜(ホ')・図4・図7・図12・図13
地盤注入装置01〜04において、該外管吐出口は該弾性被覆膜の区間内において内管注入部の上下のパッカ間に位置してなり、表面吐出部のスリットはスリット1個が円周方向長さMcm、幅1mmで、N個分布していると換算して、その総面積が該弾性被覆膜の区間内の内管吐出口の総面積よりも小さいことを特徴とする地盤注入装置。
上記において、弾性被覆の区間とは接着材や金属リング等の固着剤で上下を加締めた区間をいう。また図1、図2にて、長尺弾性被覆膜8の長尺弾性被覆膜内14は説明上、空間を空けて表現しているが、実際は被覆膜の弾性によって外管表面に密着している。或いは長尺弾性被覆膜内に透水性空間保持材25を設けても良い(図2(ハ')〜(ホ'))。また外管吐出口は表面を帯状弾性逆止弁17'を設けて良い。この場合の逆止弁は上下両端を開放していても良いし、また上下を加締めて中央に円周上に切れ目をつけて注入液が噴出するようにしても良い。この場合、噴出した注入液は透水性空間保持材を通って被覆膜全長に浸入して急速に弾性被覆内が加圧されて長尺弾性被覆膜全長を面圧によって膨出してシールグラウトを割裂する。
表面吐出部7のスリット7は外管の円周の接線方向に線状に閉束している。被覆区間に分布しているN個のスリットの表面積の合計がその区間の内管の吐出口12の合計面積よりも小さければ被覆内に流入した注入液の圧力によって初期には被腹膜がシールグラウトの方に膨出してシールグラウトを面圧で区間全長にわたって割裂を生じさせる。膨出の過程でスリットの開きが大きくなり、注入液が割裂を通して区間全体にわたって地盤中に柱状浸透する。
スリットは管軸の円周接線方向に長さMcm通常1〜3cmで表面吐出部N本分布しているものとし開口した場合の幅を1mmとして換算すると、スリットの開口時の表面積の総計は0.1MN/cm2となる。内管吐出口12の1個の断面積がacm2でb個あるとすると0.1MN(cm3/cm2)≦abとすれば良い。なお、以後の図面で透水性空間保持材は省略されているが、空間保持材がない場合は外管径が小さくなり、従って削孔径が小さくなり、また既存の建物の地盤下に曲線上に削孔することが容易になるという利点が生ずる。
(地盤注入装置06)図3(ヘ)〜(チ)・図5・図6・図8・図9・図11
地盤注入装置02、03において、該外管吐出口逆止弁から吐出した注入液が外管表面に沿って該長尺弾性被覆膜内全長にわたって圧入されて該被覆膜を面圧によって加圧して膨出せしめることにより長尺弾性被覆膜の外周部をとりまくシールグラウトが該被覆区間の所定長の割裂をひきおこして注入液が該割裂から周辺の地盤に注入することを特徴とする地盤注入装置。
(地盤注入装置07)図3(ヘ)〜(チ)・図5・図6・図8・図9・図11
地盤注入装置03、06において、外管吐出口2は上下端を開放した帯状の伸縮性スリーブからなる逆止弁(17…外管吐出口逆止弁)を設けてなり、該内管注入部から吐出された注入液は該外管吐出口から帯状の伸縮スリーブの上下から該長尺弾性被覆膜内に該外管軸方向に沿って圧入されて該長尺弾性被覆膜の面圧によって、シールグラウトを所定長にわたって割裂すると共に該表面吐出部から該シールグラウトの割裂を通して地盤注入されることを特徴とする地盤注入装置。
上記において、図2(ハ')、(ニ')、(ホ’)と同じく弾性被覆膜内に透水性空間保持材25を設けても良い。これによって急速に弾性被覆膜内が加圧されて面圧でシールグラウトの割裂が生ずる。
(地盤注入装置08)(図11・図12・図13・図14・図15)
地盤注入装置03、07において、外管吐出口1、又は外管吐出口2のいずれかを一次注入材の吐出口に設定してなることを特徴とする地盤注入装置。
一次注入材は外管吐出口1から注入されても外管吐出口1がなくて外管吐出口2のいずれかの箇所から注入されても良い。図11、図12、図13において、外管吐出口1がなくて、L1-1…L4-1から一次注入材を注入してL1〜2…L4-2から二次注入材を注入しても良いし、また図14(イ)においてシールグラウト内に位置する注入外管吐出口1から一次注入材を一次注入してから二次注入材を一次注入した領域に合わせて注入しても良い。また図14(ロ)において、シールグラウト内に位置する注入管外管の袋パッカ内に固結材を注入して後、一次注入材を注入外管吐出口1から注入して後、二次注入材を注入管吐出口2から注入して、一次注入した領域に二次注入を行うことができる。
(地盤注入装置09)図4(ロ)・図6・図7(ロ)・図9・図11・図14・図15
地盤注入装置01〜08の地盤注入装置において、該注入内管は複数の注入液送液管路(11A,11B…注入液送液管路)をもち、上下を流体圧によって膨縮する複数の内管パッカで挟まれた複数の内管注入部をもち、該複数の内管注入部はそれぞれ複数の長尺弾性被覆膜内(14…長尺弾性被覆膜内)に注入材を吐出するように位置せしめて、該複数の長尺弾性被覆膜から同時に或いは選択的にシールグラウトを所定長にわたって割裂して地盤中に注入することを特徴とする地盤注入装置。(後述(0046)参照)
(地盤注入装置10)図1〜図5・図11・図12・図13・図14・図15
地盤注入装置03において、該注入外管は該長尺弾性被覆膜とは異なる位置に設けた外管吐出口とそれを覆う伸縮性スリーブからなる逆止弁(15…外管吐出口1逆止弁)を設けた外管一次注入材吐出口(16…外管吐出口1)を一つ又は複数有することを特徴とする地盤注入装置。
(地盤注入工法11)図11・図12・図13・図14・図15
地盤注入装置01〜10を用いて、シールグラウト内に固定した注入外管に挿入した注入内管を摺動して長尺弾性被覆膜内に注入液を吐出して、該表面吐出部から該長尺弾性被覆膜を面圧で膨出することにより、所定長にわたってシールグラウトを割裂して注入液を地盤に注入することを特徴とする地盤注入工法。
(地盤注入工法12)(図11・図12・図13・図14・図15)
地盤注入工法11において、一次注入材を注入した領域に二次注入材を注入することを特徴とする地盤注入工法。
(地盤注入工法13)(図11・図12・図13・図14・図15)
地盤注入工法11、12の地盤注入工法であって、
削孔内に該注入外管をシールグラウト内に設置して後、注入内管を通して一次注入材を注入して、粗い層や逸脱しやすい層を充填して後、注入液送液管路を一本又は複数本有する注入内管を注入外管内に摺動して一つ又は複数の長尺弾性被覆膜の区間内に内管注入部を位置せしめて注入内管から二次注入材を一区間或いは複数の区間の長尺弾性被腹膜内に同時に或いは選択的に吐出して該表面吐出部から被覆膜をとりまくシールグラウトを所定長にわたって割裂して地盤中に注入することを特徴とする地盤注入工法。
(地盤注入工法14)(図11・図12・図13・図14・図15)
地盤注入工法11〜13の地盤注入工法であって、一次注入した領域に二次注入を重ねて注入することを特徴とする地盤注入工法。
(地盤注入工法15)(図11・図12・図13・図14・図15)
地盤注入工法11〜14の地盤注入工法において、該複数の内管注入部をそれぞれ異なる長尺弾性被覆膜内に異なる注入材を吐出するように位置せしめて同時に或いは選択的に地盤中に注入することを特徴とする地盤注入工法。
(地盤注入工法16)
地盤注入工法11〜15の地盤注入工法において、該シールグラウトと一次注入材のいずれか或いはいずれも以下の固結材であって、固結体の強度は一軸強度で10kg/cm2以下である以下のいずれかのグラウトであることを地盤注入工法。後述(0082)〜(0105)参照。
(1)カルシウムアルミネートを有効成分とする懸濁型グラウト。
(2)高分子増粘剤を有効成分とするグラウト。
(3)粘土を有効成分とする懸濁型グラウト。
(4)セメント・ベントナイトを有効成分とする懸濁型グラウト。
(地盤注入工法17)
地盤注入工法11〜16の地盤注入工法において、一次注入材グラウトは懸濁型グラウト又はゲル化時間の短い溶液型グラウトである地盤注入工法。後述(0108)〜(0121)参照。
(地盤注入工法18)
地盤注入工法11〜17において、長尺弾性被腹膜から注入される注入材は溶液型グラウト或いは懸濁型グラウト或いは一次注入材よりも浸透性の良い注入材である地盤注入工法。後述(0108)〜(0121)参照。
(請求項1)
溶液型シリカ注入液を地盤に注入管を通して注入して地盤改良する地盤注入工法において、以下の条件を満たす地盤注入工法。後述(0108)〜(0121)参照。
1)対象となる土を用いて所定の密度で要求される強度が得られる該シリカ注入液のシリカ濃度を設定する。
2)所定のシリカ濃度を用いてpH或いは添加剤に対応したゲル化時間(GT0)を有するシリカ注入液を調整する。
3)そのシリカ注入液配合液を現場土と混合して土中ゲル化時間(GTS0)を測定する。
4)想定する注入孔間隔、注入方式、1注入ステージ長より単位ステージの固結対象土量を設定する。
5)単位ステージの固結対象土量から注入量を設定し、浸透可能限界内の注入速度から単位ステージ当たりの注入時間(H)を設定する。
6)地盤状況、注入孔間隔、並びに単位ステージ当りの注入量に応じて、
GT0>H≧GTS0又はGT0>GTS0≧H となるシリカ注入液のゲル化時間(GT0)とシリカ濃度からなる配合処方を設定する。
(請求項2)
溶液型シリカ注入液を注入管を通して地盤に注入して地盤改良する地盤注入工法において、該シリカ注入液のゲル化時間をGT0、注入液と現場土を混合したゲル化時間を地中ゲル化時間GTS0、1ステージ当りの注入時間をHとすると、これらの値を以下の範囲で設定して、注入範囲外へのシリカ注入液の逸脱を低減する地盤注入工法。後述(0108)〜(0121)参照。
(1)注入速度は限界浸透注入速度内とする。
(2)注入孔間隔又は固結径L=1.0〜3.0m
(3)毎分注入速度q=1〜30/minただし、限界浸透注入速度内とする。
(4)1ステージ長:0.33m〜3.0m
(5)1ステージ当たりの注入時間H:4.4〜10000分
ただし、注入時間(H)は現場の作業性や後期の短縮を考慮して短縮することができる。
(6)注入液のゲル化時間 GT0:10分〜10000分
(7)注入液のpH(pH0):1〜10
(8)シリカ濃度:0.4〜40%(重量%)
(9)土中ゲル化時間 GTS0:10分〜3000分
ここで限界浸透注入速度内とは、割裂・浸透注入速度よりも小さい浸透注入速度をいう。
(請求項3、4
請求項1、2において、溶液型シリカ注入液を地盤に注入して地盤改良する地盤注入工法において、以下の条件を満たす地盤注入工法。後述(0108)〜(0121)参照。
注入孔間隔:1m〜3m
土中ゲル化時間(GTS0)=10〜3000分
注入速度(毎分吐出量)=1〜30l/min
但し、注入速度は限界浸透注入速度内とする。
1ステージ当たりの注入量=132l〜10,800l
1ステージ当たりの注入時間(H)=4.4分〜10,800分
β=H/GTS0=10800/10〜4.4/3000=1080〜0.001、好ましくは1080〜1
(請求項5、6
請求項1〜4において、柱状浸透注入であって、以下の条件を満たす地盤注入工法。後述(0108)〜(0121)参照。
1ステージ当たりの注入量132l〜10,800l
注入速度10l〜30l/min
1ステージ当たりの注入時間4.4分〜1080分
土中ゲル化時間(GTS0)=10〜3000分
β=H/GT0=1080/10〜4.4/3000=108〜0.001、好ましくはβ=108〜1
本発明において浸透注入はシールグラウトを割裂した後、図18における浸透、割裂の注入領域、好ましくは限界注入速度の範囲内の注入速度で注入するが(曲線D)、シールグラウトの割裂にあたっては注入圧を高くする必要がある(曲線(イ))。シールグラウトの割裂を水を圧送して行うか、その注入液が希釈されるのを防ぐときはゲル化時間が長い粘性の低いシリカグラウトで割裂しても良い。また曲線(イ)で割裂した後、引き続いて曲線(D)に切り替えて浸透性注入材を注入することができる。
(請求項7)
請求項1〜6において、該シリカ注入液はpHが1〜10であって、シリカコロイド又は水ガラスのいずれか1種又は複数種と、反応剤として酸或いは塩のいずれか1種或いは複数種を有効成分とし、該シリカ注入液がコロイドと水ガラスと酸からなる場合は該シリカコロイドに起因するシリカ濃度と水ガラスに起因するシリカ濃度の比率は100:0〜0:100、かつシリカ濃度は0.4〜40wt%、シリカのモル比2.0〜100、注入液のゲル化時間は瞬結から10000分の配合から選定したシリカグラウトであることを特徴とする地盤注入工法。(図12・図13)
(請求項8)
請求項1〜7において、該シリカ注入液は点注入、多点注入、柱状注入、多点同時注入、又は多ステージ同時注入又は選択注入によって、地盤に注入されることを特徴とする地盤注入工法。(図14・図15、表7)
図15(ハ)において、外管吐出口1は点注入に、長尺被覆膜8からの注入は柱状注入に複数の内管から、複数の注入ステージへの同時注入、又は選択注入は多ステージ同時注入又は選択注入に相当する。また外管吐出口1又は外管吐出口2からの同時注入や選択注入は複数の注入ポンプを一括制御システムで行うことができる。
地盤注入工法11において、袋パッカ中への固結材の充填は削孔内におけるシールグラウトの充填後、或いはシールグラウトの充填工程の途中で行うことを特徴とする地盤注入工法。
(イ)は注入外管の正面図、(ロ)は注入管の断面図である。 (ハ)、(ニ)、(ホ)、(ハ')、(ニ')、(ホ')は外管吐出口から吐出した注入液が長尺被覆面を膨出してシールグラウトを割裂し、その割裂を通して地盤中に注入されることを示す側面図である。 (ヘ)、(ト)、(チ)は別のタイプの外管吐出口から吐出した注入液が注入液が長尺被覆面を膨出してシールグラウトを割裂し、その割裂を通して地盤中に注入されることを示す側面図である。 (イ)は図2(ハ)〜(ホ)の注入方式によって一本の注入液流路をもつ内管5からL1に注入して後、内管を引き上げてL2に注入することを示す断面図、(ロ)は同じく二本の注入液流路をもつ注入内管から流路11AからL1に注入し、流路11BからL2に同時注入または選択的に注入することを示す断面図である。 図3(ヘ)〜(チ)の注入方式によって一本の注入流路をもつ注入内管からLに注入することを示す断面図である。 同じく2本の注入流路をもつ注入内管から流路11AからL2に注入し、流路11BからL1に同時注入、または選択的に注入することを示す断面図である。 (イ)、(ロ)は図4の注入方式の外管に袋パッカ18を設けた注入管の断面図である。 図5の注入方式の外管に袋パッカ18を設けた注入管の断面図である。 図6の注入方式の外管に袋パッカ18を設けた注入管の断面図である。 袋パッカを用いた(特許文献3)の注入管の断面図である。 (イ)は図4(ロ)の注入管構造であって、外管に一次注入材の吐出口と弾性被覆膜を有する注入管の側面図、(ロ)は(イ)に袋パッカ18を設けた注入管の側面である。 (イ)は図6の注入管構造であって、外管に一次注入材の吐出口と弾性被覆膜を有する注入管の側面図、(ロ)は(イ)に袋パッカ18を設けた注入管の側面図である。 上下の袋パッカの間に外管吐出口1を設けて一次注入を行うようにした場合の側面図である。 (イ)は図11(イ)、図12(イ)の注入管を用いる場合の施工手順を示す断面図、(ロ)は図11(ロ)、図12(ロ)の注入管を用いる場合の施工手順を示す断面図である。 長尺弾性被覆膜を有する注入管装置を用いて複数の注入管から同時注入、或いは選択注入をする注入システムの断面図である。 カルシウムアルミネートからなるシールグラウトのゲルタイムのグラフである。 カルシウムアルミネートからなるグラウトの一軸圧縮強度のグラフである。 非アルカリ性シリカグラウトのシリカ溶液のpHとゲル化時間のグラフである。 非アルカリ性シリカグラウトのpHとゲル化時間とシリカ濃度(図中)の関係を示すグラフである。 非アルカリ性シリカグラウトのホモゲルとサンドゲルのゲルタイムの例を示すグラフである。 非アルカリ性シリカグラウトのpH(PH0)と気中ゲルタイム(GT0)と土中ゲルタイム(GTS0)の例を示すグラフである。 シリカ溶液中のCB塊の混入率とpH2のシリカ溶液中にCB塊を混入したときのゲルタイム(分)の関係を示すグラフである。 球状浸透半径の推定計算(Maagの平衡式)と柱状浸透半径の推定計算(Theimの平衡式)のグラフである。 限界浸透注入速度の例を示すグラフである。 溶液型非アルカリ性シリカグラウトの土中における浸透固結土の挙動の説明図である。
課題を解決するための手段の項の記載に加えて、以下に本発明の特徴を図面に基づいて説明する。
(1)シールグラウトを長尺弾性被覆膜の膨出による面圧で所定長割裂して注入液を注入する。
図1〜図6に示すように、該注入外管は外管吐出口(6…外管吐出口)と該外管の外周に管軸方向に該外管吐出口を覆い、管軸方向に多数分布する表面吐出部(7…表面吐出部)を有する断面円形状に所定長被覆する、一つ又は複数の長尺弾性被覆膜(8…長尺弾性被腹膜)から構成され、該長尺弾性被覆膜は所定長の両端を注入外管に固着材(9…固着材)によって固定されて長尺弾性被覆内を形成し、該表面吐出部は該長尺弾性被覆膜の弾性によって加圧時には開口し、非加圧時には閉束する。
本発明における上記表面吐出部は注入外管の円形断面の接線方向の横方向のスリットである。横方向のスリットは弾性被覆膜の円周接線方向への張力を失わないため外管吐出口からの注入液は以下の手法によって被覆膜全長の面圧によるシールグラウトへの膨出を可能にする。それに対し、縦方向のスリットでは接線方向への引張力が低減してしまい面圧による膨出が困難になる。
図2(ハ)、(ニ)、(ホ)、図4(イ)、(ロ)は地盤注入装置04、05に関する説明図である。
上記長尺弾性被覆膜の表面吐出部は円形外管の円周の接線方向のスリットが複数箇所分布しており、その張力で外管に密着している。そのためスリットが内部から注入液で加圧して開口しても接線方向への張力はほとんど低下することはない。かつ該被覆膜の軸方向の両端は外管に固着しているので、注入内管から外管吐出口を通して、被覆膜内に吐出された注入液は表面吐出部のスリット長さMcm、幅1mm、N個であると想定して、その面積の総計が外管吐出口の面積の総計よりも小さければ、まず被腹膜がシールグラウト側に面圧となって、外側のシールグラウトに膨出する。その結果、シールグラウトの全長Lが被覆膜の面圧によって多数亀裂を生じ、横方向のみならず、縦方向にも亀裂が連続して被覆区間(L)の割裂を生ずる。
なぜならばスリットは最初は殆ど幅がないので、まず外管からの吐出された注入液は弾性被覆膜内を加圧することになり、その後、加圧が増加してするスリットが開口しはじめるからである。その開口幅が最初ゼロから1mm以上になって、注入液が面圧によって生じた割裂内に浸入して周辺地盤に浸透する。表面吐出部におけるスリットの総面積が外管吐出口と同じか、それ以上ならば、シールグラウトは被覆膜の面圧で破壊されるよりも外管吐出部からの噴出圧によって破壊されるから、その割裂は面圧による割裂に比べて局所的になる。
また、以下は図3(ヘ)、(ト)、(チ)、図5、図6の説明である。
図3(ヘ)、(ト)、(チ)においては、上記、外管吐出口6は上下端が開口した帯状伸縮性スリーブからなる逆止弁(17…外管吐出口逆止弁)を設けており、該外管吐出口逆止弁から吐出した注入液が伸縮スリーブ(17)から矢印のように外管表面に沿って噴射されるため注入液は該長尺弾性被覆膜内(14)全長(L)にわたって圧入されて該被覆膜内(14)を加圧して面としてシールグラウト層(3)に膨出するためシールグラウトの全区間(L)が被覆膜の面圧によって多数の割裂を生じ、それが横方向のみならず、縦方向にも割裂が連続し、該被覆区間(L)の所定長の割裂をひきおこして、その割裂から注入液が周辺の地盤に注入することになる。
この結果シールグラウトの外側の土の硬軟や一次注入材の影響があっても、また被覆区間が長い場合でも、本工法では所定区間全長にわたる被腹膜の面圧によってシールグラウトを割裂できるため確実な所定の長さの柱状浸透が可能になった。
また、被覆膜を図7、図9、図11、図12、図13のように土層に応じて固着材によって加締めることによって土層に応じた注入液を被覆膜内からそれぞれ注入することができる。
(2)上記注入管はシールグラウト内に設置されているため、また上記長尺弾性被覆膜内の外管吐出口は伸縮性スリーブで覆われているため、表面吐出部からシールグラウトの外へ注入された注入液や或いは近くの注入管から注入された注入液が外管吐出口内に逆流することを防ぐことができる。また、何回も繰り返して注入液を表面吐出口から注入することが可能である。また懸濁液であっても外管吐出口を閉束することはない。このため複雑な土層において、二次注入に先立って、一次注入して粗い土層や地表面への逸脱を防いで、二次注入による所定範囲の土粒子間浸透が可能になる。
(3)図4(ロ)、図6は複数の送液管路(11A、11B)を持つ注入内管を用いることにより複数の弾性被覆膜から同時に或いは選択的にシールグラウトを所定長にわたって割裂して地盤中に注入することができる(地盤注入工法11)。
このために複数の柱状注入を同時にできるため単位ステージ毎には低吐出量でかつ低圧で全体としては大きな吐出量でかつ低圧で急速な浸透注入ができ、一度に長い区間の注入が可能になり、経済的に大きな利点を得ることができるようになった。図4、図7にはパッカ流体流路21を図示しているが、他図では省略している。注入内管は複数の流路の並列管でも二重管でもパッカ流路も含めた3重管でも良い。
(4)地盤は通常異なる土質が層状に形成されている、一方確実な地盤改良するためにはゲル化時間の長い浸透性に優れた溶液型注入材を土粒子間に浸透注入しなくてはならない。浸透性のよい注入材は不均質地盤では粗い層や地表面に逸脱しやすく、その結果、細かい層への土粒子間浸透が阻害されるし、広範囲な土粒子間浸透が困難になる。本発明は浸透性の良い注入液の注入に先立って、懸濁型グラウトや瞬結性グラウト等の浸透性の悪い注入材を一次注入して地盤を均質化して浸透性の良い注入材を二次注入して複合注入を確実に行って注入範囲からの逸脱をおさえて対象地盤全体を広範囲に地盤改良することが可能になった。
1)注入外管は外管吐出口を長尺弾性被覆膜で密着されているため、一次注入材を外管吐出口2から弾性被覆膜の表面吐出部を通して注入できるし、或いは弾性被覆膜以外に位置する外管一次注入材吐出口1から地盤に注入することができる。シールグラウト並びに弾性被覆膜によって地盤中に注入した一次注入材が二次注入材吐出口を閉束することなく何回でも二次注入材を繰り返し注入することができる。(図11(イ)、図12(イ))
2)一次注入は注入外管から、注入内管を上下に摺動して粗い土層、或いは全注入土層にわたって注入して後、注入内管を通して浸透性の良い注入材を二次注入することができる。一次注入は弾性被覆膜から外管吐出口2を通して注入できる。
3)また該長尺弾性被覆膜8とは異なる位置に設けた外管一次注入材吐出口16から注入内管を通して、一次注入材を注入してから長尺弾性被腹膜8から二次注入材を注入することができる。(図1(イ)・図4〜図15)
4)また複数の内管注入部を有する注入管を用いて、該複数の内管注入部をそれぞれ異なる長尺弾性被覆膜内にそれぞれ一次注入材と二次注入材を吐出するように位置せしめて同時に或いは選択的に或いは重ね合うように注入内管を注入外管内に摺動して地盤中に注入することができる(図4(ロ)・図6・図7(ロ)・図9・図11・図14・図15)。
なお、一次注入材は長尺弾性被覆膜から注入する場合は、外管一次注入材吐出口はなくても良い。また外管一次注入材は地盤条件によって逸脱しやすい最上部のみであっても粗い土層のみに位置しても良い。また長尺弾性被覆膜8は地盤条件によっては最上部、或いは長尺浸透を必要とする位置のみで、それ以外は外管吐出口1のみでも良い。
次に上述した注入管に袋パッカを設けた地盤注入装置と地盤注入工法について説明する。特許文献3の発明は地盤中の削孔内に複数個の袋パッカを間隔をあけて備えた注入管を挿入し、袋パッカ間の削孔壁と注入管との間の空間を通して注入材を地盤中に注入する地盤注入工法および注入管装置に係り、特に、前記袋パッカ周りの地盤領域に注入材の浸透しにくい、密な土中パッカを形成して注入材が水平方向の注入対象土層により広く浸透するようにし、削孔間隔(注入孔間隔)を広くとって削孔数を少なくする地盤注入工法および注入管装置に関する。この工法は均質地盤では孔径の大きな柱状固結体を形成し、極めて優れた改良効果を得るが地盤が不均質な場合、注入液が粗い層や地表面に逸脱することが起こりうる。
注入対象となる地盤が冲積層の場合には、通常、透水係数は垂直方向よりも水平方向の方が大きい。このような地盤に注入材を注入して該地盤を固結するに当たり、従来、注入管管壁に袋パッカを形成する袋体を間隔をあけて複数個取りつけ、かつ袋体の内部ならびに上下に隣接する袋体間に開口する吐出口を備えた注入管装置を用い、この注入管装置を地盤中に設けられた削孔中に挿入し、次いで、前記袋体の内部に開口する吐出口から袋体中に硬化性懸濁液を填充し、膨らませて袋パッカを形成するとともに、上下に隣接する袋体間に開口する吐出口から注入材を注入して前記地盤を固結する技術である。
この場合、上述の公知技術では、注入管と、削孔壁との間に形成される隙間を上下に隣接する袋パッカで遮断して、これら袋パッカ間に独立した空間を形成し、この空間を通して注入材を地盤中に注入するものである。この工法は地盤が比較的均質な場合、確実に柱状浸透し、大きな固結径を形成する。しかし地盤が浸透性の異なる土層から構成されている場合は、また注入ステージ長を長くとる場合、浸透性の良い土層に注入液が集中しやすいため、注入ステージ長を短くしなくてはならない。
本発明は削孔にシールグラウトを充填し、上記注入管を埋設し上記注入管方式に袋体を設け、一次注入、二次注入を可能にすることにより、地盤条件の悪い異なる土層からなる条件下でも注入孔間隔を広くとり、1ステージあたりの注入長を広く取り、注入対象外へ逸脱することなく均質に所定の改良効果を有する地盤改良を可能にしたものである。
本発明はシールグラウト中に設置した上記注入管に袋パッカを装着することにより上記課題を解決した。図7、図8、図9、図11(ロ)、図12(ロ)、図14(ロ)
(イ)外管の袋パッカが長尺弾性被覆膜の軸方向を削孔径よりも大きな径で拘束すると同時にその周辺土も高密度化する。そのため弾性被覆膜が横方向に膨出してシールグラウトを面圧で割裂し、注入液は地表面に行かず横方向に浸透する。従って注入孔間隔を広く取り大径の固結体が形成される。
(ロ)弾性被覆膜を長くしたり、単位被覆膜の区間の数を増やして大径の浸透注入が可能。図11(ロ)、図12(ロ)
(ハ)一次注入による地盤へ逸脱することなく外管一次注入材吐出孔又は弾性被覆膜からの一次注入による地盤の均質化可能のため被覆膜の区間を長くとっても注入領域外への逸脱を防ぐことができる。このため二次注入による土粒子間浸透が可能。図11(ロ)、図12(ロ)
(ニ)上部が硬い袋パッカと高密度化された地中パッカが形成されているため長尺弾性被覆膜の長さを長くとり、強度の低いシールグラウトを用いて弾性被覆膜の面圧により、シールグラウトを容易に割裂できる。図7、図8、図9、図11(ロ)、図12(ロ)、図14(ロ)
(5)本発明におけるシールグラウトは削孔を保護し、かつ他の注入管から或いは他の注入ステージからの注入液の弾性被覆膜への侵入を防ぐ役をする。また注入材を長尺弾性被腹膜から注入されるにあたって被覆膜の膨出によって、シールグラウトが所定長全長にわたって割裂を生じやすいようにするためには、シールグラウトは以下のいずれかの材料を用いて一軸強度で1MN/m2以下、さらに好ましくは0.5MN/m2以下の低強度であることが好ましい。(地盤注入工法12)。
1)カルシウムアルミネートを有効成分とする懸濁型グラウト。
2)高分子ポリマーを有効成分とするグラウト。
3)粘土を有効成分とする懸濁型グラウト。
4)セメント・ベントナイトを有効成分とする懸濁型グラウト。
セメントグラウトはpHが13以上の高アルカリで高強度であって弾性被覆膜の面圧をもってもシールグラウトを所定長割裂を生じさせるのは困難である。また、高アルカリは二次注入材の溶液型シリカグラウトを劣化しやすい。このため本発明に用いるシールグラウトはpHが12以下の低アルカリで一軸圧縮強度で10kg/cm2以下、好ましくは5kg/cm2以下が望ましい。これらの特性をもつ注入材はシールグラウトのみならず、一次注入材としても優れている。なぜならば低アルカリであるため、溶液型シリカグラウトと併用してシリカグラウトの劣化を防ぐのみならず弾性被覆膜が面圧をもってシールグラウトを全長に割裂を生じやすいからである。
以上のグラウトのうちカルシウムアルミネートを主成分とするシールグラウトの例を以下に示す。
カルシウムアルミネートを主成分とする懸濁型地盤固結材とは、水和反応によって固結する能力を有するもので、セメントの急結材として通常使用されるカルシウムアルミネート(12CaO・7Al、CaO・2Al、3CaO・Al等、あるいはさらにこれらとハロゲン元素が固溶したカルシウムハロアルミネート、例えば、11CaO・7Al・CaF等)を主成分とする懸濁型地盤固結材を意味し、さらに、このようなカルシウムアルミネートに石膏、硫酸ナトリウムなどの無機硫酸塩を混合あるいは溶融して得られたものも含むものとする。またカルシウムアルミネートとスラグを主成分としても良い。固結剤はpHがほぼ10.8以下で強度も比較的低強度で割裂を生じやすい。
以下に本工法のシールグラウトに適したカルシウムアルミネートを主成分とするシールグラウトの試験例を示す。なお、ゲルタイムは表-2の水の配合量を減らせば短縮することができる。
(1)組成 表-1
(2)配合例 表-2
(3)ゲルタイム 図-16
(4)圧縮強度 図-17
次に高分子ポリマーを有効成分とするグラウトの例を示す。
本発明に用いるシールグラウトとしての高分子ポリマーは削孔壁を安定にする材料でなくてはならない。
また、高分子ポリマーは得られる注入材の固結性や固結強度に悪影響を与えないものであって、例えば、有機高分子系ポリマーであり、具体的には例えば、多糖類またはその誘導体、天然ガム類、水溶性の合成高分子物質等が挙げられる。
多糖類またはその誘導体としては、カルボキメチルセルロースナトリウム(cmc)、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉リン酸エステルナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カゼインナトリウム等のアルカリ金属塩が挙げられ、天然ガム類としてはアラビアゴム、アルギン酸、カゼイン、グアガム、グルテン、ローストビーンガム等が挙げられ、また、水溶性の合成高分子物質としてはポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
このようなポリマーは濃度を調整して高い粘性をもつので、それ自体でシールグラウトとして用いることもできるが、シリカ化合物やベントナイトやセメント等と混合して可塑性を付与して任意の固結時間や強度やpH値を得ることができる。表-3に高分子ポリマーの例を示す。
これらは高粘度の溶液にして削孔壁の安定液としてシールグラウトとして用いることができるがベントナイトと混合することにより、低濃度の高分子を用いて大きな粘性をもつ削孔壁の安定液となるシールグラウトとして用いることができる。
もちろんベントナイト、セメント液やシリカ溶液と混合して用いてもよい。
高分子ポリマーはシリカ化合物と混合することにより所定の粘性とゲル化時間と強度をもつシールグラウトをつくることができる。溶液型シリカ化合物の例を表4に示す。また高分子ポリマーとシリカ化合物を混合した場合の例を表5に示す。ポリマーやシリカ化合物の濃度は、得られる注入材が2〜40cps 、好ましくは2〜20cps の粘度を呈するような量でもって定める。高分子ポリマーの量は具体的には注入材配合液中、0.1〜5重量%の範囲内であることが好ましい。
高分子ポリマーを加えたシリカ化合物の粘度の例を表5に示す。
これらに酸や塩等の添加剤を含有させることにより任意のゲル化時間を得ることができる。
添加剤を以下に示すが本発明ではこれに制限されない。
塩酸 HCl 35% 試薬1級
塩化アルミニウム AlCl3 ・6H2 O 試薬1級
塩化マグネシウム MgCl2 ・6H2 O 試薬1級
塩化カリウム KCl 試薬1級
3号水ガラス 旭電化工業(株)製
添加剤を加えた場合の粘度のゲルタイムの例を表6に示す。
表6はゲルタイムの長い例であって、高分子ポリマーの濃度や塩を増やすことにより、またシリカ濃度を大きくすることにより、ゲルタイムは数分にまで短縮することができる。またこれにカルシウムシリケートやベントナイトを加えることによりゲル化時間や粘度や可塑性を地盤条件、削孔条件、施工条件に応じて任意に調整することができる。
粘土を有効成分とする注入材は可塑性グラウトとして削孔内に流動して充填されるが充填後はゲル化状態になり流動性が起こらず地下水による流動性や希釈をおさえて孔壁を安定化する。その後、内管から注入液が長尺被覆内に圧入され被覆膜面がシールグラウトを加圧してその加圧力が可塑性ゲルのせん断力を超えればゲルは流動性を起こし、或いはシリカ化合物と混合した固結物の強度を超えれば、長尺弾性被覆膜の膨出を容易にして、注入液の注入に伴って、所定区間全長に割裂を生じて注入液を地盤内に浸透注入せしめることができる。なお、粘土としてベントナイトよりもカオリン系粘土を用いた方がpHが低い中性に近いシールグラウトを得ることができる。
その他の上記シールグラウトについてセメント・ベントナイトはそれぞれの濃度並びにセメントに対するベントナイトの比率を大きくすれば強度を低くpHを低くすることができるし、また粘土の場合は粘土濃度を増減や粘土の種類によって粘土ゲルの強度やpHや可塑性を調整できるが、ここでは詳細は省略する。
なお、上記において袋パッカ中への固結材の充填は削孔内におけるシールグラウトの充填後、或いはシールグラウトの固結強度が大きい場合、完全に固結してから袋パッカを大きく膨出するのは難しいので、シールグラウトの充填工程の途中で行うこともできる。
同様にシールグラウトの削孔の充填を以下のいずれかの手順で行うことができる。
1)該注入管は削孔内に充填されたシールグラウト内に設けられてなり、該シールグラウトは該注入管が削孔内に設置されて後、或いはさらに袋パッカを固結材を注入して膨出して後、該注入管から削孔内に充填される。
2)削孔中に注入管管壁に袋パッカを形成する少なくとも1個の袋体と該袋体の下方の管壁に地盤に注入液を注入する吐出口を有する注入管装置を用いて(1)袋体中に硬化性懸濁液を充填して膨らませて袋パッカを形成する工程と(2)削孔内にシールグラウトを充填する工程と(3)袋体の下方に設けられた吐出口からシールグラウトを破って注入液を地盤中に注入する工程において、該シールグラウトは該袋体に硬化性懸濁液を充填してから該注入管より削孔中に充填されるか又は削孔内へのシールグラウトの充填と袋パッカ内への固結材の充填を該注入管から連続して行う。
3)シールグラウトは懸濁性固結材を用いるものとし、地盤への懸濁性一次注入材の注入を削孔内へのシールグラウトの充填をかねて行う。
本発明の注入装置を用いた注入工法は耐久性がすぐれ、かつ長いゲル化時間で広範囲に土粒子間浸透して、かつ広範囲に浸透して、しかも所定注入領域外や地表面に逸脱しにくい特性をもつことが要求される。かつそのゲル化に到る挙動が上記本注入装置による注入に適合することが必要である。
そのような注入材として、溶液型注入材としては有機系水ガラスや中〜酸性領域のシリカグラウト(非アルカリ性シリカグラウト)が望ましい。また懸濁型グラウトとしてはセメント系、セメント・ベントナイト系、スラグ系グラウトが望ましい。
非アルカリ性シリカグラウトとしては、水ガラスのアルカリを酸で除去した酸性〜中性を呈する水ガラスグラウト(シリカゾルグラウト)と水ガラスをイオン交換処理して脱アルカリした活性シリカをさらに増粒したコロイダルシリカ、コロイダルシリカと水ガラスと酸を混合した複合シリカからなる非アルカリ性シリカや金属シリカをあげることができる。また非アルカリ性シリカ溶液とセメントやスラグと炭酸塩(重曹、炭酸ソーダ)を加えることによって、可塑性を呈するグラウトを得るので、それをシールグラウトに用いることもできる
非アルカリ性シリカグラウトのpHとゲル化時間とシリカ濃度の関係を図18、19に示す。
図19より非アルカリ性シリカはゲル化時間が10,000分までの長いゲル化時間が可能で、かつ図19より注入液が地下水で希釈されてもゲル化し、固結性を保つことがわかる。また図19よりpHが中性に近い地盤に注入されると、非アルカリ性シリカはゲル化時間の長い酸性シリカグラウトでも中性方向にpHが移行してゲル化時間が短縮してゲル化することが判る(図20、図21)。
図20、21は実際の地盤において、注入目的を達した非アルカリ性シリカグラウトの気中ゲルタイム(GT0)と注入液の気中pH(PH0)と土中ゲルタイムGTS0の関係を示す。
土中ゲルタイム(GTS0)とは注入対象地盤からの採取土と注入液の混合物又は採取土に注入液を浸透させた試料のpHをいう。地盤のpHをPHSとすると、PHS=5〜8付近にある。
本発明者の研究によれば、広範囲の浸透に必要な注入時間(H)よりも土中ゲルタイム(GT0)が短くても図25に示すように地盤中で注入液がゲル化しかかったサンドゲルの表皮を超えながら浸透固結領域が拡大して所定の注入量に相当する注入土量の固結体を形成することが判った。また一次注入としてセメント・ベントナイトを用い、二次注入として非アルカリ性シリカグラウトを重ねて注入した場合のゲル化時間の短縮例を図22に示す。一次注入の量が地盤中における注入率が多いと二次注入のゲル化時間は短縮するため二次注入材の注入領域外への逸脱は低減する。しかし図25の挙動によって所定の注入量に相当する固結体を形成する。この例ではゲルタイムが205分の注入液がセメントベントナイトの影響でほぼ10分に短縮している。
次に本発明装置を用いた注入液の配合をどうすれば、所定範囲から逸脱することなく広い注入間隔を用いて大きな固結径を形成するという本発明工法について説明する。長い気中ゲル化時間(GT0)の非アルカリ性シリカグラウトを用いて低注入速度(q( L/min))で注入時間(H)をかけて広範囲に所定注入量を注入範囲外への逸脱を低減しながら浸透固結することが判った。
この場合、GT0≧H≧GS0とすると、これは図25に示すようにpHが中性側の地盤にゲル化しかかった注入液を乗り越えて浸透することが判った。この場合、非アルカリ性の注入液のpHが上昇するにつれ、注入液がゲル化しかかり、さらにその上をpHが低い注入液が乗り越えてpHが上昇してゲル化が進行することを繰り返しながら固結領域を拡大するという挙動を利用して注入孔を広くとって、注入範囲を広くしても、所定の領域を固化することを可能にした。
土粒子間浸透せしめるためには図24に示すように割裂注入領域の限界よりも低い注入速度q(L/min)で注入しなくてはならない。もし点注入ならば図23(イ)にしめすように浸透半径を大きくするには高い注入圧力を必要とし、割裂注入領域に入ってしまう。しかし本発明のように柱状浸透にすれば図23(ロ)に示すように同一条件下で柱状浸透源の高さを大きくして注入速度を大きくしても低圧で浸透注入できることが判る。
なお、表7の受持土量は実際は円柱であるが、便宜上角柱として計算した。
以上の手法によって地盤の均質化をはかって注入地盤を拘束したうえで、大きな注入孔間隔でも所定の範囲外へ逸脱することなく所定の注入量に相当する固結体を形成するための注入液の処方を適用しなくてはならない。そのための手順を以下に述べる(表7)。
1)対象となる土を用いて所定の密度で要求される強度が得られるシリカ濃度を設定する。
なぜならば、非アルカリ領域のシリカグラウトによるサンドゲルの強度はシリカ濃度でほとんど決まるからである。
2)所定のシリカ濃度を用いてpH或いは添加剤に対応したゲル化時間(GT0)を有するシリカグラウト配合液を調整する。
3)その配合液を用いて現場土と混合して土中ゲル化時間(GTS0)を測定する。
4)想定する注入孔間隔、注入方式、1注入ステージ長より単位ステージの固結土量を設定する。(表7(a))
5)単位ステージの固結土量から所定注入量を算出し、浸透可能限界内の注入速度から単位ステージ当たりの注入時間(H)を設定する。(表7(a))
6)地盤状況に応じて、
GT0>H≧GTS0又はGT0>GTS0≧H
となる注入液のゲルタイム(GT0)とシリカ濃度からなる配合処方を設定する(表7(b))。
以上の条件を満たすように、注入孔間隔、注入方式(点注入、柱状注入、多ステージ同時注入又は選択注入)、単位ステージ長、毎分吐出量を設定する。
表7(a)に注入孔間隔と1ステージ長と毎分吐出量q(L/min)と注入時間Hの関係を示す。また図18、図19、表7(a)より本発明において広い注入孔間隔で低吐出量で長いゲル化時間で長時間注入して所定領域からの逸脱を低減して土粒子間浸透させるためには一次注入する場合も含めてβ=H/GTS0とすると、β=1080〜0.001、さらに好ましくはβ=108〜1の範囲で注入液の配合処方を設定すれば良いことが判った。
ただしGT0=10000分〜10分(0085)、GT0≧H≧GTs0
以上より本発明は複雑な土層からなる地盤条件下で地表面や粗い土層に逸脱しにくい地盤改良を可能にするが、さらに注入孔間隔を広くとっても所定注入領域外に注入液が逸脱することなく所定の注入量に相当する固結体を形成することが可能になる。
以下に具体例を示す。
注入孔間隔:1m〜3m(表7(a))
土中ゲル化時間(GTS0)=10〜3000分(図21)
注入速度(毎分吐出量)=1〜30l/min(表7(a))
但し、注入速度は限界浸透注入速度内とする。(図12・図13)
1ステージ当たりの注入量=132l〜10,800l(表7(a))
1ステージ当たりの注入時間(H)=4.4分〜10,800分(表7(a))
β=H/GTS0=10800/10〜4.4/3000=1080〜0.001、好ましくは1080〜1
以上は点注入を含む場合であり、多点同時注入、或いは多ステージ同時注入の場合は表7の1ステージ注入量を同時ステージの数だけ分割されるから、分割した単位ステージの注入時間Hは小さくなる。従って、βも小さくなる。
また表7(a)より、点注入に限定して毎分吐出速度を1〜25L/minとすれば、H=5.28分〜10,800分となり、同様に計算できる。
なお、柱状浸透に限定すると、
1ステージ当たりの注入量132l〜10,800l(表7(a))
注入速度10l〜30l/min(表7(a))
1ステージ当たりの注入時間4.4分〜1080分(表7(a))
土中ゲル化時間(GTS0)=10〜3000分(図21)
β=H/GT0=1080/10 〜 4.4/3000=108〜0.001、好ましくは、β=108〜1。
以上において、H≧GS0(図25)の場合が注入液が注入対象外へ逸脱しにくいと考えればH=GTS0 とし、β=H/GTS0 の最小値は1となることから、好ましくは点注入を含めた場合はβ=1080〜1、柱状注入に限定した場合は、β=108〜1となる。
以上の条件を満たす注入液の配合処方と注入孔間隔、単位ステージ、毎分注入量、1ステージ当りの注入時間Hからなる注入設計を行えばよい。また図21より一次注入と二次注入の複合注入の場合、土中ゲルタイムは通常はほぼ10分程度になるとみて良い。
具体例を、表7(b)に示す。

本発明は、主に地盤の止水性向上、強度増大、液状化防止に適し、大きな吐出量の注入材を孔壁周囲の地盤中に低圧力で広範囲かつ均一に浸透注入させることができる。本発明は、不均質地盤でも大きな固結径でかつ所定範囲以外への逸脱を低減し、経済的で確実に地盤改良を実施することができる。
A…注入管装置
1…地盤
2…削孔
3…シールグラウト
4…注入外管
5…注入内管
6…外管吐出口2
7…表面吐出部 7’…スリット
8…長尺弾性被腹膜
9…固着材、加締金具
10…内管パッカ
11,11A,11B…注入液送液管路
11'…注入液送液管路逆止弁
12…内管吐出口
13…内管注入部
14…長尺弾性被覆膜内
15…外管吐出口1逆止弁
16…外管吐出口1
17…外管吐出口逆止弁(伸縮性スリーブ)
18…袋パッカ
19…袋パッカ内外管吐出口
20…袋パッカ内逆止弁
21…パッカ流体流路
22…パッカ流体吐出口
23…シールグラウト割裂
24…空間

Claims (16)

  1. 溶液型シリカ注入液を地盤に注入管を通して注入して地盤改良する地盤注入工法において、注入液のゲル化時間をGT0、注入液と現場土を混合したゲル化時間を地中ゲル化時間GTS0として、1ステージ当りの注入時間をHとし、以下の条件を満たす地盤注入工法。
    1)対象となる土を用いて所定の密度で要求される強度が得られる該シリカ注入液のシリカ濃度を設定する。
    2)1)で設定した所定のシリカ濃度を用いてpHまたは添加剤に対応したゲル化時間(GT0)を有するシリカ注入液を調整する。
    3)そのシリカ注入液を現場土と混合して土中ゲル化時間(GTS0)を測定する。
    4)想定する注入孔間隔、注入方式、1注入ステージ長より単位ステージの固結対象土量を設定する。
    5)単位ステージの固結対象土量から注入量を設定し、浸透可能限界内の注入速度から単位ステージ当たりの注入時間(H)を設定する。
    6)地盤状況、注入孔間隔、並びに単位ステージ当りの注入量に応じて、
    GT0>H≧GTs0またはGT0>GTS0≧H
    となるシリカ注入液のゲル化時間(GT0)とシリカ濃度からなる配合処方を設定する。
  2. 溶液型シリカ注入液を注入管を通して地盤に注入して地盤改良する地盤注入工法において、該シリカ注入液のゲル化時間をGT0、注入液と現場土を混合したゲル化時間を地中ゲル化時間GTS0として、1ステージ当りの注入時間をHとし、これらの値を以下の範囲で設定して、注入範囲外へのシリカ注入液の逸脱を低減する地盤注入工法。
    (1)注入速度は限界浸透注入速度内とする。
    (2)注入孔間隔または固結径L=1.0〜3.0m
    (3)毎分注入速度q=1〜30l/min ただし、限界浸透注入速度内とする。
    (4)1ステージ長:0.33m〜3.0m
    (5)1ステージ当たりの注入時間H4.4〜10000分
    ただし、注入時間(H)は現場の作業性や後期の短縮を考慮して短縮することができる。
    (6)注入液のゲル化時間 GT0:10分〜10000分
    (7)注入液のpH(pH0):1〜10
    (8)注入液のシリカ濃度:0.4〜40%(重量%)
    (9)土中ゲル化時間 GTS0:10分〜3000分
    ここで限界浸透注入速度内とは、割裂・浸透注入速度よりも小さい浸透注入速度をいう。
  3. 請求項1または2記載の地盤注入工法において、該シリカ注入液は点注入、多点注入、柱状注入、多点同時注入、多ステージ同時注入、または選択注入によって、地盤に注入されることを特徴とする地盤注入工法。
  4. 請求項1、2または3記載の地盤注入工法において、溶液型シリカ注入液を地盤に注入して地盤改良する点注入による地盤注入工法であって、以下の条件を満たす地盤注入工法。
    注入孔間隔 1m〜3m
    土中ゲル化時間(GTS0)=10〜3000分
    注入速度(毎分吐出量)=1〜30l/min
    ただし、注入速度は限界浸透注入速度内とする。
    1ステージ当たりの注入量=132l〜10,800l
    1ステージ当たりの注入時間(H)=4.4分〜10,800分
    β=H/GTS0=10800/10〜4.4/3000=1080〜0.001
  5. 請求項4記載の地盤注入工法において、β=1080〜1であることを特徴とする地盤注入工法。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の地盤注入工法において、溶液型シリカ注入液を地盤に注入して地盤改良する柱状注入方式による地盤注入工法であって、以下の条件を満たす地盤注入工法。
    1ステージ当たりの注入量132l〜10,800l
    注入速度10l〜30l/min
    1ステージ当たりの注入時間4.4分〜1080分
    土中ゲル化時間(GTS0)=10〜3000分
    β=H/GT0=1080/10〜4.4/3000=108〜0.001
  7. 請求項6記載の地盤注入工法において、β=108〜1であることを特徴とする地盤注入工法。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の地盤注入工法において、該シリカ注入液はpHが1〜10であって、シリカコロイドまたは水ガラスのいずれか1種または複数種と、反応剤として酸または塩のいずれか1種または複数種を有効成分とし、該注入液がコロイドと水ガラスと酸からなる場合は該シリカコロイドに起因するシリカ濃度と水ガラスに起因するシリカ濃度の比率は100:0〜0:100、かつシリカ濃度は0.4〜40wt%、シリカのモル比2.0〜100、注入液のゲル化時間は瞬結から10000分の配合から選定したシリカグラウトであることを特徴とする地盤注入工法。
  9. 請求項1、3、8のいずれか一項に記載の地盤注入工法において、該注入管は削孔内に充填したシールグラウト内に設置されてなることを特徴とする地盤注入工法。
  10. 請求項9記載の地盤注入工法において、該シールグラウトは以下のいずれかの材料を用いることを特徴とする地盤注入工法。
    (1)カルシウムアルミネートを有効成分とする懸濁型グラウト。
    (2)高分子ポリマーを有効成分とするグラウト。
    (3)粘土を有効成分とする懸濁型グラウト。
    (4)セメント・ベントナイトを有効成分とする懸濁型グラウト。
  11. 請求項9または10記載の地盤注入工法において、該シールグラウトの固結体強度は10kgf/cm 2 以下であることを特徴とする地盤注入工法。
  12. 請求項9に記載の地盤注入工法において、懸濁グラウト又はゲル化時間の短いグラウトを一次注入して地盤を均質化して後、ゲル化時間の長い浸透性の良い注入液を地盤の限界速度内で二次注入することを特徴とする地盤注入工法。
  13. 請求項1記載の地盤注入工法において、該注入管の管壁に袋パッカを形成する少なくとも1個の袋体と該袋体の下方の管壁に地盤に注入液を注入する吐出口を有する注入管装置を用いて袋体中に硬化性懸濁液を充填して膨らませて袋パッカを形成して後、袋体の下方の注入液の吐出口からシールグラウトを破って注入液を地盤中に注入する地盤注入工法において、該袋パッカは布パッカ又はゴムパッカ又はゴムパッカと布パッカを重ねたパッカであることを特徴とする地盤注入工法。
  14. 請求項13記載の地盤注入工法において、該袋パッカ内への固結材の充填は削孔内へのシールグラウトの充填後、シールグラウトの充填前、シールグラウトの充填の途中のいずれかで行うことを特徴とする地盤注入工法。
  15. 請求項1〜のいずれか一項に記載の地盤注入工法において、シールグラウトは懸濁性固結材を用いるものとし、地盤への懸濁性一次注入材の注入を削孔壁のシールグラウトの充填をかねて行うことを特徴とする地盤注入工法。
  16. 請求項13記載の地盤注入工法において、袋パッカは布目から固結性懸濁液の成分の一部が浸出する布で構成されてなることを特徴とする地盤注入工法。
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