JP4972661B2 - 地盤注入工法 - Google Patents
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Description
(1)段階的な加圧を繰り返して圧入する。
(2)圧力の上昇、下降を断続的に繰り返しながら圧入する。
(3)圧入・中断を繰り返しながら圧入する。
(4)脈動を繰り返しながら圧入する。
〔1〕時間とともに、或いは脱水によって流動性を失って塊状体を形成する可塑状ゲルで あり、次の成分(1)と(3)又は(1)と(2)と(3)を有効成分として含む。
(1)シリカ系非硬化性粉状体(F材)
(2)カルシウム系粉状硬化発現材(C材)
(3)水(W材)
〔2〕送液可能な流動性を有し、圧入時のスランプが5cmよりも大きく、テーブルフ ローが12cm以上、またはシリンダーによるフローが8cmより大きく、地盤中へ の圧入前または圧入中に可塑状に至る。
〔3〕脱水率30%以内で可塑状ゲルに至る。
〔4〕〔1〕における非硬化性粉状体が、フライアッシュ、スラグ、焼却灰、粘土、土砂 および珪砂の群から選択される。
〔5〕〔1〕におけるカルシウム系粉状硬化発現材が、セメント、石灰、石膏およびスラ グの群から選択される。ただし、スラグは非硬化性粉状体がスラグの場合には硬化発 現材から除外する。
〔6〕 硬化発現材比が1〜40重量パーセントである。ただし、硬化発現材比=C/(F +C)×100(%)であって、F、C、はいずれも重量を示す
〔7〕 水紛体比が20〜200重量パーセントである。ただし、水紛体比=W/(F+ C))×100(%)であって、F、C、Wはいずれも重量を示す
〔8〕 添加剤として、ゲル化促進剤、ゲル化遅延剤、増粘剤、保水材、解こう剤、起泡 剤、又は流動化材からなる流動性調整材を含む。
〔9〕 添加剤として、アルミニウム塩をアルミニウム比で0.1〜3.0重量パーセン ト(Al2O3換算で0.01〜0.52重量パーセント)、水ガラスまたは水ガラ スと酸の混合液をシリカ濃度(SiO2換算)で0.2〜7.0重量パーセント含 む。ただし、アルミニウム比=アルミニウム塩/(F+C)×100(%)であっ て、アルミニウム塩は重量を示す。
1.該可塑状ゲルは、地盤中に注入される迄は流動性があるが、地盤中に注入されたあ とは、地盤を割裂して逸脱しない事。
2.該可塑状ゲルは、地盤中に注入される前の段階で可塑状ゲルに到っているか、地盤 中に注入されて加圧脱水によって流動性が低減して可塑状ゲルの塊状体を形成する 事。
3.塊状体は地盤中で可塑状を保持し、その塊状体はその内部に後続して圧入される 可塑状ゲルによって押し拡げられて、塊状体は拡大する。塊状体の外周部では押し 拡げられる結果、更に脱水されて非可塑状となり流動性を失い、時間と共に外周部 から固化帯を形成して大きな塊状固結体が形成されると共に、その周辺部の土砂の 空隙を減少させて押し拡げて、静的に予め固める。
4.塊状体の内部は可塑状を保持している事により、更に該地盤注入材の圧入があれば 塊状体の外周部の固化ゾーンがいくつか破れ、可塑状ゲルがその周辺部に押し出さ れて脱水して非可塑状となり、固化帯が拡大する。固化帯が或る程度以上に硬くな ると通常のポンプ圧ではそれをつき破る事が困難になり圧入不能になる。その時点 が塊状固化物の大きさとなる。
(1)流動性注入材(該可塑状ゲル)として非硬化性シリカ系粉状体と水の混合物をス ランプが5cmより大きく又は/並びにテーブルフローが12cm以上又は/並びにシ リンダーによるフローが8cmよりも大きく、或は更にスランプ28cm以内又は/並 びにテーブルフローが30cm未満又は/並びにシリンダーによるフローが28cm未 満である流動性注入材(該可塑状ゲル)、又はこれにカルシウム系粉状硬化発現材とを 混合した地盤注入材とを用い、これを地盤中に断続的に圧入圧力を変化させて圧入して 脱水して形成される可塑状ゲルそのものからなる塊状体の拡大によって土粒子を周辺に 押しやり、地盤中に塊状固結体を造成し、地盤強化を図る。
(2)流動性注入材(該可塑状ゲル)は脱水によってテーブルフローが20cm以下に達 しうる。ここでテーブルフローが20cmになった時点を可塑状になった時点とみな す。
(3)流動性注入材(該可塑状ゲル)は脱水が進むにつれ流動性を失い非可塑状となって 固化する。
(4)流動性注入材(該可塑状ゲル)は硬化性流動化土又は非硬化性流動化土であって脱 水によって流動性を失いテーブルフローが20cm以下に達し周辺地盤と同等又はそれ 以上の強度を発現する配合とする。
(5)流動性注入材(該可塑状ゲル)は水粉体比が30%以内で可塑状になる配合とすれ ば、地盤中に圧入しつづければ可塑状となって塊状固結体が形成される。
硬化発現材比 C/F+C×100(%) 1重量%以上50重量%未満
好ましくは1〜40重量%
更に好ましくは1〜20重量%
水紛体比 W/F+C×100(%) 20〜200重量%
好ましくは20〜100重量%
更に好ましくは20〜50重量%
アルミニウム比 アルミニウム/F+C Al2O3換算で0.01〜0.52%
×100
水ガラス シリカ分で0〜7.0重量%
スランプ(cm) 注入時のスランプが5cmより大きく
好ましくは約10〜28cm
フロー(cm) 注入時のテーブルフローが
12cm以上30cm未満
好ましくは約15〜28cm
注入時のシリンダーによるフローが8 cmより大きく28cm未満
好ましくは約9〜26cm
ブリージング 10%以下、好ましくは5%以下
可塑状ゲル或は水粉体比が30%以内の減少で可塑状ゲルすなわちテーブルフローが20cm以内になる配合を用いる。
可塑状ゲルの配合システムから送液管と注入管管路を経て地盤中に注入される経路において、流動性を保持しながら(上記要件5)地盤に注入されてから以上の1、2、3、4のいずれか又は複数の要件を満足するようにする。
このような可塑性ゲルの注入(圧入)に当たり、初期注入圧力(圧入圧力)を低くして先行注入物の脱水を図りながら注入圧力を段階的に高め、あるいは圧入と中断を繰り返して間欠的に加圧しながら圧入し、これにより可塑性を呈するゲル化物の土粒子間浸透と地盤の割裂による逸脱を防ぎながら土粒子を周辺に押し広げて地盤の密度を増大させながら固結させる。
(a)先端部に削孔部又は吐出口がある注入管。
(b)軸方向に複数の吐出口を有する注入管を用いて注入する。
(c)外管に少なくとも一つの袋体パッカを備えた注入管。
(d)外管に一端を開放した可撓性拘束体を備えた注入管。
(e)管路に吐出口と透水材でおおわれた吸水口を設けた注入管。
本発明において、脈動注入とは複数のシリンダーをもつポンプにおいて吸収・吐出を時間差をもって行って注入したり、或は吸収・吐出を一つのシリンダーで交互に圧入したり或はポンプの送液流量を急速に変化することを繰り返したりして脈動を起こさせゲルの圧入を断続的に行ってもよい。
グループ1:1号〜5号の積算流量、最大圧力デジタル表示
グループ2:6号〜10号の積算流量、最大圧力デジタル表示
積算流量は20分間の注入量である。また最大圧力は30秒毎に表示され、19分30秒から20分までの間の最大値を表示した。最大圧力が設定圧力以上になり続けたら、その送液系統の注入は終了することの判断になる。また、積算流量が設定積算流量に達した場合も、この送液系統の注入は終了することの判断になる。
グループ3:1号〜5号の流量、圧力 トレンド表示
グループ4:6号〜10号の流量、圧力 トレンド表示
2画面のそれぞれの左側は各送液系統における時間(t)の経過に対応した瞬時流量と瞬時圧力のチャートを示し、右側は19分30秒から20分までの平均瞬時流量(l/分)と平均瞬時圧力(MPa)を示す。
(1)フライアッシュ
火力発電所より排出される石炭灰:FA、シリカ系非硬化性粉状体
密度1.9〜2.3g/cm3、粒度分布0.1mm以下が90%以上
(2)セメント
普通ポルトランドセメント:PC、硬化発現材
(3)硫酸バンド
硫酸アルミニウム、Al2O3=17.2%、ゲル化促進剤
(4)水ガラス
JIS3号水ガラス、SiO2=29.0%、Na2O=9.0%、モル比3.3、ゲル化 促進剤
(5)消石灰
工業用水酸化カルシウム、ゲル化促進剤および硬化発現材
(6)スラグ
スラグ8000ブレーン値、硬化発現材およびシリカ系非硬化性粉状体
(7)石膏
半水石膏、硬化発現材
(8)焼却灰
ごみ焼却炉より排出される焼却灰、シリカ系非硬化性粉状体
密度2.5〜2.7g/cm3
(9)ベントナイト
保水材および増粘材
(10)起泡剤
事前発泡型エア発生剤
(11)アルミニウム粉末
事後発泡型エア発生剤
フライアッシュ、セメント、水を練り混ぜる。フライアッシュとセメントの配合量は同様にして水の配合量のみを変化させた。このようにして得られた配合例1〜3の可塑状ゲルの調整条件および物性値を下記の表1に示す。
フライアッシュ、セメント、水を練り混ぜる。水の配合量は同様にしてフライアッシュとセメントの配合量を変化させた。このようにして得られた配合例4〜6の可塑状ゲルの調整条件および物性値を下記の表2に示す。
表1の配合例1,2に硫酸バンドを添加し、ゲル化を促進させた。ここでゲル化を促進するとは配合後可塑性を呈するまでの時間を短縮し、或はフローを小さくすることを云う。このようにして得られた配合例7,8の可塑状ゲルの調整条件および物性値を下記の表3に示す。
(1)硬化発現材比
可塑状ゲルに含まれる粉体、つまりフライアッシュと、セメントの含有量に対するセメントの含有量:セメント(硬化発現材)重量/{フライアッシュ(シリカ系非硬化性粉状体)重量+セメント(硬化発現材)重量}×100[%]
セメントは硬化発現材であり、かつフライアッシュの可塑材という事も出来る。フライアッシュはセメントと混合することによりポゾラン反応を起こし固結強度を得る。しかし硬化発現材比を大きくすることにつれ、可塑状グラウトとしての特性が低下する。即ち、沈殿してブリージングが大きくなり沈殿したものは流動しにくく可塑状ゲルになりにくいため、硬化発現材比は50%未満とするが、その好ましい範囲は硫酸バンド(ゲル化促進剤)添加しない場合1〜20%、好ましくは1〜15%、さらに好ましくは1〜10%である。また硫酸バンドを添加する場合は2〜40%、好ましくは2〜20%である。
可塑状ゲル中の粉体に対する水の含有量:水重量/{フライアッシュ(シリカ系非硬化性粉状体)重量+セメント(硬化発現材)重量}×100[%]
この値が小さいと可塑状になりやすい。即ち配合後可塑状ゲルになる時間が短くなり、かつフロー値が小さくなる。しかし水粉体比が小さすぎると作業性を損なうため、その範囲は20〜200%、好ましくは20〜100%、更に好ましくは20〜50%(重量比)とする。しかし水ガラスを促進剤として用いる場合は、水粉体比は大きくとることができる。その他、混合条件、環境、また材料により、グラウトの性状は異なってくるため、後に示すブリージング率、フロー値、強度の測定が重要となる。
可塑状ゲル中の粉体に対する硫酸バンドの添加量:硫酸バンド重量/{フライアッシュ{シリカ系非硬化性粉状体}重量+セメント(硬化発現材)重量)×100[%]
硫酸バンドはゲル化促進剤であり、フライアッシュとセメントの流動性ある状態の中に添加すると、ゲル化を促進させ、可塑状ゲルになる時間を早める。ただし、硫酸バンドには固結強度を低下させる作用もあるので、その添加量は2.0%以下、好ましくは0.1〜1.0%とする。
ここでは一般的な水ガラス系グラウトにみられるような固化状となる化学的ゲル化を意味するのではなく、配合後、自重による流動性がなくなり、力を加えると流動する可塑状ゲルとなるまでの物理的ゲル化時間をゲルタイムと表現する。一般の水ガラスを主材とするグラウトと違って、明確なゲル化時間を示すことはできない。よってテーブルフローによるフロー値を用いてその値が20cm下になった時をゲル化とみなし、これをゲルタイムとした。
アスファルト針入度試験方法JIS K 2530-1961に準じて総質量230g、先端角度15度、36mmの貫入コーンを用いて静的貫入抵抗を測定し、貫入抵抗値が0.01MN/m2を越えた時非可塑状ゲルとなって固結または硬化とみなし、ゲル化から固結に至るまでの時間を可塑状保持時間とした。
配合後、グラウトを充分に混合させ、次いで、200mlメスシリンダにグラウトを入れて静止密閉し、1時間経過後にブリージング水量(上ずみ液)を測定し、次式よりブリージング率を求める。(ブリージング水量/メスシリンダ容量)×100[%]
ここでは1時間経過後のブリージング率を示す。1時間経過後のブリージング率が10%以上の配合では、注入液が分離しやすく脈状または亀裂状に注入されやすい。その後、時間が経過すると更にブリージング率が増大するので、従って1時間経過のブリージング率は10%以下、好ましくは5%以内の配合が好ましい。図13に、表1,3における硫酸バンドの有無による水粉体比とブリージング率の関係を示す。
フロー試験(JIS R 5201テーブルフロー)に基づき、グラウトに15秒間に15回の落下運動を与え、その広がりを測定した。可塑状グラウトとしては約18〜19cmが適しているとされているが、本発明ではフロー値が20cm以下になる時点で自重による流動性がなくなったものとして、ゲルタイムとした。本発明における可塑状ゲルは地盤中に注入して加圧脱水によって水粉体比が低下してフローが20cm以下に至る配合が用いられる。
B形粘度形を用いて配合直後の配合液の粘度を計測した。混合直後は流動性があるため計測できたが、ゲル化すると100000cps以上となり、測定不可となる。図14に、表1,3における硫酸バンドの有無による水粉体比と一軸圧縮強度の関係を示す。
配合後、充分に混合したグラウトを直径5cm、高さ10cmのモールドにつめ、静止した状態で1日養生し、一軸圧縮強度を測定した。図15に、表1,3における硫酸バンドの有無による水粉体比と一軸圧縮強度の関係を示す。
水ガラスを水で希釈し、これにフライアッシュ、セメント、消石灰、水を混合した懸濁液を混合する。このようにして得られた配合例9〜11の可塑状ゲルの調製条件および物性値を下記の表4に示す。
可塑状ゲル中の粉体に対する消石灰の添加量
消石灰添加量/{フライアッシュ(シリカ系非硬化性粉状体)重量+セメント(硬化発現材)重量}×100 [%]
消石灰はゲル化促進剤であり、セメントと同様フライアッシュと混ぜるとポラゾン反応を起す。ただしセメントほど固結強度は得られない。ここでは可塑状とするため、またその保持時間を有するためのゲル化促進剤として用いた。その範囲はセメント添加量にもよるが3〜15%が好ましい。
可塑状ゲル中のSiO2量
水ガラスのSiO2%×(水ガラス重量/グラウト重量)[%]
本出願人による実験によればグラウトを可塑状、および固結させるためには、その他の材料の配合比率にもよるが、シリカ濃度は0.2〜7.0%とする。ただし3号水ガラスのモル比以下の低モル比水ガラスを用いる場合は3.0〜7.0%が好ましい。勿論高モル比の水ガラスや粉状水ガラスを用いる事も出来る。また水ガラスと酸を混合してなる酸性水ガラスもゲル化促進剤として用いることができる。この場合も本発明では水ガラスと表現する。
表4の配合の特徴としてゲルタイムの調製がしやすく、また可塑状保持時間はやや短いが早期強度の発現は顕著であることがあげられる。よって早期強度の発現を重要視する場合に適している。可塑状グラウトをA液として、水ガラス水溶液をB液としてA液のゲルタイムを短縮させることができる。またグラウトをゲル化後よく練り混ぜることによって、早期強度の発現は低下するが可塑状保持時間を長くすることができる。よってゲル化後よく練り混ぜたものを注入することにより長時間の注入を要する目的やインターバル注入により、一度注入した注入ポイントに再度注入をくり返して、注入体を拡大する地盤改良に適している。
配合例2では硬化発現材としてセメントを用いたが、同様の配合量で硬化発現材として消石灰を用いる。このようにして得られた配合例12の可塑状ゲルの調整条件および物性値を下記の表5に示す。
配合例2では硬化発現材としてセメントを用いたが、同様の配合量で硬化発現材としてスラグを用いる。このようにして得られた配合例13の可塑状ゲルの調整条件および物性値を下記の表6に示す。
硬化発現材として石膏を用いる。このようにして得られた配合例14の可塑状ゲルの調整条件および物性値を下記の表7に示す。
可塑状ゲルに含まれる粉体の含有量に対する硬化発現材の含有量:硬化発現材重量/(フライアッシュ(シリカ系非硬化性粉状体)重量+硬化発現材重量)×100[%]
配合例1〜11に示すPC添加量と同様であり、配合例12〜14ではそれぞれ硬化発現材として消石灰、スラグ、石膏を使用したので、消石灰添加量、スラグ添加量、石膏添加量を意味する。ただし配合例9〜11の消石灰添加量はゲル化促進剤として用いているため、配合例9の消石灰の使用目的が違う。よって硬化材添加量と表記した。
硬化発現材として消石灰を用いた場合、セメントと同様フライアッシュに添加するとポゾラン反応を起こすが、この反応は非常に緩慢であるため可塑状にはなるが固結には時間がかかり、また充分な固結強度を得るためには数週間かかる。ただし同量のセメントを用いるよりも可塑状になりやすくため、セメントと併用することにより優れた効果が期待できると考える。
硬化発現材としてスラグを用いた場合、セメントよりも若干早くゲル化し、可塑状保持時間は長くなるが、セメントに類似した結果となる。ただし、強度発現はセメントよりも遅くなる。
硬化発現材として石膏を用いる場合、石膏は反応が早いため可塑状にもなりやすいが、
強度発現も早いため可塑状保持時間が極めて短くなる。
2液式の配合として、フライアッシュ、セメント、水および可塑剤を配合した経時的に可塑状となり固結する上述のグラウトにさらに可塑剤を添加し、ゲルタイムを早めた。フライアッシュ、セメント、水および可塑剤を配合した上述の配合例7を用いて、ゲル化する前の流動性がある状態の中に、硫酸バンド水溶液、ならびに水ガラスを水で希釈した水溶液を添加した。配合比率は配合例7のグラウトが20に対し、可塑剤の水溶液を1とした。このようにして得られた配合例15、16の可塑状ゲルの調整条件および物性値を下記の表8、9に示す。
可塑状グラウトである配合例7に、水ガラスを水で希釈した水溶液を添加した場合、ゲルタイムは極めて短くなり、また可塑状保持時間も短くなり強度発現は顕著となる。よって早期強度の発現を重要視する場合に適している。またA液が可塑状グラウトでB液が水ガラス水溶液の場合、A液・B液の混合注入管によって塊状ゲルの形成が容易である。
表1の配合例3のフライアッシュに焼却灰を混合した。フライアッシュと焼却灰の混合比率は1対1である。このようにして得られた配合例17の可塑状ゲルの調整条件および物性値を下記の表10に示す。
表1の配合例1のフライアッシュに火山灰を混合した。フライアッシュと火山灰の混合比率は3対1である。このようにして得られた配合例18の可塑状ゲルの調整条件および物性値を下記の表11に示す。
フライアッシュに硬化発現材としてセメントを添加し、さらにベントナイトを混合した。その配合例19の可塑状ゲルの調製条件および物性値を下記の表12に示す。
フライアッシュに細骨材(山砂)を混合し、硬化発現材としてセメントを添加した。その配合例20の可塑状ゲルの調製条件および物性値を下記の表13に示す。
フライアッシュとセメントを泥水で混合した。その配合例21の可塑状ゲルの調製条件および物性値を下記の表14に示す。
可塑状ゲル中の粉体に対する水の含有量:水重量/(フライアッシュ、焼却灰、火山灰、(シリカ系非硬化性粉状体)重量+セメント(硬化発現材)重量+ベントナイト、細骨材重量、粘土(増量材)重量)×100 〔%〕
ここでは硬化発現材とフライアッシュ以外の粉体として焼却灰、火山灰、ベントナイト、細骨材を用いた。また混合水として粘土を含む泥水を使用した。その他にも現場発生土や珪砂等を用いることができる。これらは増量材としても、また骨材としても用いることができ、かつその粒径や粒度によって流動性や強度を調整することができる。またセメント等の硬化発現材等を用いなくても粘土を加えることにより流動化土として用いることができる。
表10の配合例17と、表1の配合例3を比較すると、焼却灰を混合した配合例17の方がブリージング率は減少し、フロー値が小さくなった。また表11の配合例18と、表1の配合例1を比較しても同様の結果が得られた。焼却灰や火山灰を混合すると、フライアッシュのみの場合よりも流動性を失いやすく、また強度発現も低下する傾向にあると考えられる。硬化発現材比は50%未満、好ましくは1〜20%、水粉体比は20〜150%が好ましい。
フライアッシュ、セメントにベントナイトを添加することによりグラウトの粘性が大きくなり、同様の水粉体比でベントナイトを添加しない配合と比較してゲルタイムが短くなったが、可塑状保持時間は充分保持された。ベントナイトを用いることにより容易に流動性を調節することができ、さらにベントナイトによりグラウトが増粘され水への分散も抑制することができる。硬化発現材比は50%未満、好ましくは3〜40%、水粉体比は20〜150%が好ましい。
フライアッシュ、セメントに細骨材(山砂)を混合することができるが、細骨材が多いとブリージング率が大きくなる傾向があるので、よって細骨材添加量80%以下が好ましい。また硬化発現材比は50%未満、好ましくは1〜20%、水粉体比は20〜150%が好ましい。
フライアッシュとセメントを泥水で混合したものは、泥水に含まれる粘土により増粘され、かつ流動性や保水性が向上するため、増粘材、または流動化材、または保水材としての効果があり、土中における可塑状ゲルの拡大に効果がある。よって泥水中に含まれる粘土の含有量によりグラウトの性状を調節することができる。硬化発現材比は50%未満、水粉体比は20〜150%が好ましい。
エア発生剤として事前発泡型の起泡剤と事後発泡型のアルミニウム粉末をフライアッシュとセメントのモルタルに混合した。その配合例22,23を可塑状ゲルの調製条件および物性値を下記の表15、表16に示す。エア発生剤は固結体の密度を小さくする事の他に流動性を向上させる効果がある。
可塑状ゲル中に含まれるセメントに対する起泡剤の含有量を起泡剤重量/(セメント重量)×100〔%〕とすると起泡剤添加量は0.5〜1.5%(対セメント重量比)が好ましい。
アルミニウム粉末はセメント等のアルカリに反応して水素ガス(起泡)を発生する。グラウト中に含まれる粉末に対するアルミニウム粉末の含有量をアルミニウム比:アルミニウム粉末重量/粉状体重量 ×100〔%〕とするとアルミニウム比0.01%程度が効果的である。
エア発生剤には固結体の密度を小さくすることの他に流動性を向上させる効果がある。
スラグ、セメント、水を練り混ぜる。主材としてスラグを使用し、硬化発現材としてセメントを使用した。その配合例24の可塑状ゲルの調製条件および物性値を下記、表17に示す。
毎分5リットルの注入速度で2分間圧入し、その後2分間中断し、これを注入不能となるまでくり返した。注入不能とは、可塑状ゲルが地上方向へと逸脱してしまい地表面変位が所定の値を超えるか、或は注入圧力がポンプの許容範囲を越えることを意味する。試験では地表面変位の許容値を4cm、ポンプの許容圧力は3MPaとした。
また比較として上記試験の注入ポイントから20m離れた地点で、同様の可塑状ゲルを使用し、毎分5リットルの注入速度で連続して圧入を行った。
図19に土中水平応力から推定した、地盤中にて圧入される可塑状ゲルにかかる圧力の挙動を示す。圧入時は注入圧力と同様に可塑状ゲルにかかる圧力は上昇しているが、中断すると可塑状ゲルにかかる圧力が低下している。これは上述の可塑状ゲルの脱水および土の再配列により起こりうるものである。また断続的に圧入すると先に圧入された可塑状ゲルが脱水され、流動性が低下するとともに固結へと向かう。よって地盤中に形成される可塑状ゲル塊状体は、先に圧入された可塑状ゲル、つまり塊状体表面にあたる部分が急速に脱水され皮膜を形成し、その皮膜部分が固結したため、可塑状ゲルはそれ以上圧入できなくなり、注入圧が急激に上昇したと考えられる。
4 削孔
5 バルブ
6 コントローラー
7 コンピューター
8 ケーシング
9 注入管
10 鉄筋
11 レーザービーム発生装置
12 レーザー受信装置
14 フーチング
15 レーザービームセンサー
16 鋼管注入管
17 コンピューター
18 注入制御装置
19 補強支持杭
20 杭基礎
21 土留め壁
22 注入ポイント
23 計量器
25 ホッパ
27 ミキサー
28 流動特性計測装置
29 導管
29´導管
30 グラウトポンプ
31 注入ホース
32 流量圧力制御装置
36 レベルセンサー
37 ゴムスリーブ
X1 集中管理装置
X2 注入監視盤
f0 流量計
p0 圧力計
Claims (2)
- 可塑状ゲルの圧入圧力を断続的に変化させて以下のいずれか、或いはこれらを組み合わせて圧入することを特徴とし、前記圧入圧力が上昇した時点で圧入を中断し、再度圧入を繰り返すことを特徴とし、注入外管の側面に下方に開放した可撓性拘束体を装着し、拘束体内に可塑状ゲルを圧入して地盤の浅部層を拘束した上で地盤の深部に可塑状ゲルを圧入することを特徴とする地盤注入工法。
(1)段階的な加圧を繰り返して圧入する。
(2)圧力の上昇、下降を断続的に繰り返しながら圧入する。
(3)圧入・中断を繰り返しながら圧入する。
(4)脈動を繰り返しながら圧入する。
- 請求項1において、圧入圧力および/または圧入量を予め設定しておき、圧入圧力が所定値まで上昇した時点および/または圧入量および/または地表面の変位量が所定量に達した時点で圧入を中断して、注入圧力が低下するのを待って再度圧入を繰り返す地盤注入工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009052477A JP4972661B2 (ja) | 2009-03-05 | 2009-03-05 | 地盤注入工法 |
Applications Claiming Priority (1)
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