JP2006056909A - 可塑性注入材および地盤注入工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の可塑性固結材はフライアッシュ(F)と、セメント8C)と、水(W)とを有効成分とし、セメント比を50重量パーセント以下、および水粉体比を30〜130重量パーセントの配合液として地盤中に圧入することにより、地盤中で配合液がゲル状になったときに、そのままでは流動しないが外力が作用すると流動する可塑状態を経て固結することから構成され、これを地盤中に圧入して土粒子を周辺に押しやって固結する。
Description
(c)または(d)の用途に利用される。
(a)軟弱地盤に圧入して強化する。
(b)トンネル背面、護岸の背面、基礎下または道路下の空洞に充填する。
(c)護岸背面の土砂の吸出し現象を防止する。
(d)沈下した建造物やその周辺地盤を復元する。
(A)軸方向に複数の吐出口を有する注入管を用いて注入する。
(B)外管に少なくとも一つの袋体パッカを備えた多重管を用い、内管から外管を通して注入する。
(C)複数の注入液管路を有する多重管ロッドを用いて注入する。
(D)複数の管路を有する注入管を用い、一方の管路からフライアッシュ、セメントおよび水を有効成分とするA液配合液を送液し、他方の管路からその他の成分を含むB液配合液を送液し、A、B液を合流して地盤中に注入する。
使用材料
(1)フライアッシュ
火力発電所より排出される石炭灰:FA
(2)セメント
普通ポルトランドセメント:PC、硬化発現剤
(3)硫酸バンド
硫酸アルミニウム、硬化促進剤
フライアッシュ、セメント、水を練り混ぜる。フライアッシュとセメントの配合量は同じくして、水の配合量のみ変化させた。このようにして得られた配合例1〜3の地盤注入材の調製条件および物性値を下記の表1に示す。
フライアッシュ、セメント、水を練り混ぜる。粉体と水の配合量は同じで、粉体中のフライアッシュとセメントの配合比率を変化させた。このようにして得られた配合例2、4〜6の地盤注入材の調製条件および物性値を下記の表2に示す。
フライアッシュ、セメント、水を練り混ぜる。また、配合7、9はゲル化促進剤として硫酸バンドを添加した。このようにして得られた配合例2、7〜9の地盤注入材の調製条件および物性値を下記の表3に示す。
以下に表1〜3にさらに実験結果を加えながら本発明の特性をまとめて記載する。
グラウトに含まれる粉体、つまり石炭灰、セメントに対するセメントの含有量:(セメント重量/フライアッシュ重量+セメント重量)×100(%)
セメントは硬化発現剤であり、かつ、フライアッシュの可塑剤でもある。フライアッシュ単独ではゲル化せず可塑性グラウトにはならないが、セメントを混ぜることによりポラゾン反応を起こし固結強度を得る。しかし、PC添加量が多くなるにつれ可塑状グラウトとしての特性が低下する。その範囲は硫酸バンド(ゲル化促進剤)を添加しない場合、2〜50%、好ましくは2〜20%、さらに好ましくは2〜10%である。また、硫酸バンドを添加する場合は2〜10%が好ましい。
グラウト中の粉体に対する水の含有量:(水重量/フライアッシュ重量+セメント重量)×100(%)
この値が小さいと可塑状になりやすいが、施工性を考えると30〜130%、好ましくは30〜70%、さらに好ましくは35〜50%が適している。これ以下の場合、材料の練り混ぜが難しく、これ以上の場合、グラウトが可塑状となるまで時間を要するため、ブリージング率が大きくなる。また、この範囲内で添加剤の種類の選定、添加量の選定を行うことにより所定の可塑状態を経て固結する可塑性注入材を得ることができる。
グラウト中の粉体に対する硫酸バンドの添加量:(硫酸バンド添加量/フライアッシュ重量+セメント重量)×100(%)
硫酸バンドはゲル化促進剤であり、フライアッシュとセメントの流動性のあるモルタルに添加すると急速にゲル化してすぐに可塑状とすることができる。ただし、添加量が多いと
長期強度の発現性が低下する傾向がある。添加量は0.1〜1.0%とする。
ここでは一般的な水ガラス系グラウトにみられるような固化状となる化学的ゲル化を意味するのではなく、配合後、自重による流動性がなくなり、可塑状となるまでの物理的ゲル化時間をゲルタイムと表現する。一般の水ガラスを主材とするグラウトと違って、はっきりしたゲル化時間は示すことはできない。よって、フロー値を用いてその値が19以下になった時をゲル化したとみなし、これをゲルタイムとした。図7に表1、2における水粉体比とゲルタイムの関係を示す。
アスファルト針入度試験法JIS K 2530−1961に準じて総質量230g、先端角度15度、36mmの貫入コーンを用いて静的貫入抵抗を測定し、ゲル化より貫入抵抗値が0.01MN/m2を越えるまでの所要時間を可塑状保持時間とした。図8に表1、2における水粉体比と可塑状保持時間の関係を示す。
配合後、充分に混合させ、次いで、500mlのメスシリンダに入れて静止密閉し1時間経過後のブリージング水量(上ずみ液)を測定し、次式よりブリージング率を求める。
(ブリージング水量/メスシリンダ容量)×100(%)
ブリージング率としては5%以内が好ましい。ここでは1時間経過後のブリージング率を示すが、1時間経過後のブリージング率が5%以上の配合では時間が経過するとさらにブリージング率が大きくなる。配合1時間後のブリージング率が5%以内の配合液を配合後1時間以内で注入することが好ましい。この場合、注入圧により地盤中で脱水し、ブリージング率が低下してブリージング率1%以内の可塑状グラウトとなる。配合後の注入開始時間は1時間以内が好ましい。図9に表1、2における水粉体比と1時間経過後のブリージング率の関係を示す。
配合直後の配合液の粘度を計測した。図10に表1、2における水粉体比と粘度の関係を示す。
フロー試験(JIS R 5201)に基づき、グラウトに15秒間に15回の落下運動を与え、その広がりを測定した。可塑状グラウトとしては約18〜19cmが適しているとされている。また、表における×はグラウトにまだ流動性があり、フローコーンを取ると自立せず流れ出てしまうため正確な測定が行えないことを示す。本発明ではフローが19cmになる時点で自重による流動性がなくなったものとし、ゲルタイムとした。
配合後よく練り混ぜたグラウトを直径5cm、高さ10cmのモールドにつめ、静止した状態で1日養生し、一軸圧縮強度を測定した。また、表における×はグラウトが固結していないため測定が行えないことを示す。
水ガラスで水で希釈し、これにフライアッシュ、セメント、消石灰、水を混合した懸濁液を混合する。このようにして得られた配合例9〜12の地盤注入材の調製条件および物性値を下記の表4に示す。
実施例1ではフライアッシュにセメントを添加したが、同様に消石灰、または石膏についても行った。その配合例16〜18の地盤注入材の調製条件および物性値を下記の表5に示す。
実施例1ではフライアッシュにセメントを添加したが、セメントだけでなくベントナイトも添加した。その配合例17と比較のため上記のセメントのみの配合例14の地盤注入材の調製条件および物性値を下記の表6に示す。
実施例2では水ガラスの希釈液に混ぜる懸濁液としてフライアッシュ、セメント、消石灰を用いたが、セメントと同様にスラグについても配合を行った。その配合例18と比較のため実施例2における配合例12の地盤注入材の調製条件および物性値を下記の表7に示す。
エア発生剤として事前発泡型の起泡剤と事後発泡型のアルミニウム粉末をフライアッシュとセメントのモルタルに混合した。起泡剤を用いた配合としては一般的なエア−ミルクの配合にフライアッシュを添加するものとした。アルミニウム粉末も比較のため同様とした。起泡剤、アルミニウム粉末はともに標準添加量を添加した。その配合例19〜21の
地盤注入材の調製条件および物性値を下記の表8、9に示す。起泡剤としては特殊たん白質加水分解物(商品名エスコートK)を用いた。起泡剤またはアルミニウム粉末を用いることにより、起泡剤を用いなければ単位体積重量1.5〜1.7g/cm3の固形物が0.5〜1.0g/cm3の重量に軽量化され、老巧トンネルの裏込材や空隙填充材として負荷の少ない固形物を形成する。
グラウト中の粉体に対する消石灰の添加量:(消石灰添加量/フライアッシュ重量+セメント重量)×100(%)
消石灰はゲル化促進剤であり、セメントと同様フライアッシュと混ぜるポラゾン反応を起こす。ただしセメントほど固結強度は得られない。ここでは可塑状とするため、またその保持時間を有するためのゲル化促進剤として用いた。その範囲はセメント添加量にもよるが3〜15%とする。
グラウト中のSiO2%量×(水ガラス重量/グラウト容量)(wt/vol%)
グラウトを可塑状、および固結させるためには、3号水ガラス以上のモル比の水ガラスを用いる場合、シリカ濃度は1.6〜3.5%で充分である。またそれ以下の低モル比水ガラスを用いる場合は3.5〜7.5%が好ましい。すなわち、水ガラスに使用量は1.6〜7.5%が好ましい。
ここでは一般的な化学的ゲル化ではなく、流動性がなくなり可塑状となる物理的ゲル化をゲル化とする。測定法はカップ倒立法により水ガラスを希釈したA液(130ml)、懸濁型のB液(270ml)をそれぞれ別のビーカーに計量し、B液をA液が入っているビーカーに(多い量を少ない量の方へ)投入し、直ちにA、B混合液をB液のビーカーに入れる。これを速やかに繰り返して流動しなくなる時点をゲル化時間とした。ただし、これはゲル化時間が20秒程度のものにおける測定法で、配合例9、10はおよそのゲルタイムの目安とする。ここにおけるゲル化は一般注入のゲルタイムは一度ゲルを壊すと再ゲル化しないのに対して、一度ゲル化したものを攪拌すれば可塑状保持時間内では力を加えれば流動するという性質を呈する。
アスファルト針入度試験法JIS K 2530−1961に準じて総質量230g、先端角度15度、36mmの貫入コーンを用いて静的貫入抵抗を測定し、ゲル化より貫入抵抗値が0.01MN/m2を越えるまでの所要時間とした。
配合後充分に混合させた後、500mlのメスシリンダに入れて静止密閉し、1時間経過後のブリージング水量(上ずみ液)を測定し次式よりブリージング率を求める。
(ブリージング水量/メスシリンダ容量)×100(%)
フロー試験JIS R5201に基づき、配合5分、30分経過後にグラウトに15秒間に15回の落下運動を与え、その広がりを測定した。可塑状グラウトとしては約18〜19cmが適しているとされている。表における×はグラウトにまだ流動性がありフローコーンを取ると自立せず流れ出てしまうため正確な測定が行えないことを示す。
グラウトを直径5cm、高さ10cmのモールドにつめ、配合より一定時間経過後に一軸圧縮強度を測定し早期強度の発現をみた。
実施例1におけるPC添加量に相当する。グラウトに含まれる粉体に対するセメント、消石灰、石膏の含有量を示す。ただし比較のため消石灰、石膏もセメントと同様粉体とみなす。
(セメント、消石灰、石膏重量/フライアッシュ重量+セメント、消石灰、石膏重量)×100(%)
グラウト中に含まれる粉体(ベントナイトも含む)に対するベントナイトの含有量:(ベントナイト重量/フライアッシュ重量+セメント重量+ベントナイト重量)×100(%)
実施例2におけるPC添加量に相当する。グラウトに含まれる粉体に対するセメント、スラグの含有量を示す。ただし比較のためスラグもセメントと同様粉体とみなした。
(セメント、スラグ重量/フライアッシュ重量+セメント、スラグ重量)×100(%)
グラウト中に含まれるセメントに対する起泡剤の含有量:(起泡剤重量/セメント重量)×100(%)
起泡剤添加量は対セメント重量比により規定されている。使用した起泡剤の標準添加量は0.5〜1.5%(対セメント重量比)であった。よって、その範囲に従うこととする。
グラウト中に含まれる粉末に対するアルミニウム粉末の含有量:(アルミニウム粉末重量/フライアッシュ重量+セメント重量)×100(%)
アルミニウム粉末はセメント等のアルカリに反応して水素ガス(起泡)を発生する。ただしフライアッシュにもアルカリが含まれるため、アルミニウム粉末添加量はセメントとフライアッシュの総量と対するものとする。対セメント比でこの添加量を決定すると、配合時に気泡の発生量がきわめて少なく、エア発生剤としての効果を発揮しない。よって使用したアルミニウム粉末はその標準添加量が0.01%(対セメント比)だったので、ここではアルミニウム粉末添加量0.01%(対フライアッシュ+セメント比)とした。
この配合の特徴としてゲルタイムの調整がしやすく、また可塑状保持時間はやや短いが早期強度の発現は顕著であることが挙げられる。よって早期強度の発現を重要視する場合に適している。またグラウトをゲル化後よく練り混ぜることによって、早期強度の発現は低下するが、可塑状保持時間を長くすることができる。よって、ゲル化後よく練り混ぜたものを注入することにより、長時間の注入を要する目的やインターバル注入により、一度注入したポイントに再度注入を繰り返して、注入体を拡大する地盤改良に適している。また、この水ガラスを用いた配合ではシリカ濃度や材料の添加量、または注入方法により広範囲にわたる空洞充填に利用できると考える。このようなインターバル注入や繰り返し注入は前述のフライアッシュ−セメント(一硫酸バンド)系に適しているのは勿論である。
消石灰はセメントと同様にフライアッシュに添加するとポラゾン反応を起こすが、この反応は非常に緩慢であり可塑状にはなるが固結にいたるまで数日かかる。また充分な固結強度を得るためには数週間以上かかるため早期強度の発現が見込めない。
石膏は反応が早いため早期強度の発現性には優れているが可塑状保持時間が極めて短くなるため適用範囲が限られる。よってこの配合ではセメントが適していると考える。
フライアッシュに(セメント+ベントナイト)を添加したものは、同量のセメントのみを用いたときと比較すると若干反応が遅くなるものの、可塑状固結(可塑状保持時間)として大差はなかった。しかし、ベントナイトを添加することでセメントの添加量を減らすと固結強度が低下するので、PC添加量は実施例1と同様に3%以上として、ベントナイトは増粘剤として用いることによって流動性を調整することができる。
消石灰の存在下では、セメントとスラグを比較するとセメントの方が早期強度の発現に優れている。しかし、スラグはそれ単独ではフライアッシュと反応しない。スラグはセメントまたは消石灰の存在のもとにポラゾン化反応するので、セメントの代わりにはなりえない。セメントの一部をスラグに置き換えることによって、早期強度をあまり重要しない場合、また強度よりも可塑状保持時間を長く必要とする場合、スラグは有効である。
エア発生剤を用いた可塑状グラウトは前述までの可塑状グラウトの性状が異なり、グラウトの中に気泡を多量に混入させることでグラウトの流動性を失わせるため、比重がかなり小さいグラウトとなる。起泡剤は事前発泡型であり、配合時にエアを混入するためゲルタイムでいうと瞬結となる。また事後発泡型であるアルミニウムはアルカリと反応することで水素ガスを発生し、グラウトを膨張させる。その反応は配合より約10〜100分をかけて起こるため、ゲルタイムもその間となる。セメントの添加量が少ないと固結強度が低くなるのでPC添加亜量は7%以上が好ましい。
(1)水ガラス
JIS3号水ガラス(SiO2=29.0%、Na2O=9.0%、モル比3.3)、硬化剤
(2)硫酸
62.5%硫酸、工業用
(3)重曹
炭酸水素ナトリウム;硬化剤
水ガラスと硫酸を用いてpH1〜2のシリカゾルを作製し、フライアッシュ、セメント、重曹、水の懸濁液と混合する。このようにして得られた配合例22、23の地盤注入材の調製条件および物性値を下記の表10に示す。
グラウト中の粉体に対する重曹の添加量:(重曹添加量/フライアッシュ重量+セメント重量)×100(%)
重曹は硬化剤であるが、添加し過ぎると逆に硬化しにくくなるので配合範囲は0.1〜2.0%とする。
グラウト中のSiO2量:水ガラスのSiO2%×(水ガラス重量/グラウト容量)(wt/vol%)
グラウトを可塑状、および固結させるためにはシリカ濃度は0.5〜5.0%で充分である。
この配合の特徴としてゲル化時間が短く、可塑状保持時間も短く、早期強度の発現がきわめて大きいことがあげられる。こため、空洞外への逸走はないが流動性にやや低い傾向がある。よって河川、海岸、埋め立て等における護岸の吸出し防止用として、また空洞充填において開口部のある場合、あるいは持ち上げなど早期強度をいち早く必要とする復元注入に適している。
2 注入管
3 グラウトパイル
4 周辺地盤
5 建造物
6 支持層
7 護岸ブロック
8 遮水シート
9 捨て石
10 水
11 多連注入システム
12 土砂
13 送液管
14 コントローラ
Claims (21)
- フライアッシュ(F)と、セメント(C)と、水(W)とを有効成分とし、セメント比を50重量パーセント以下、および水粉体比を30〜130重量パーセントの配合液として地盤中に圧入することにより、地盤中で配合液がゲル状になったときに、そのままでは流動しないが外力が作用すると流動する所望の可塑状態を経て固結することを特徴とする可塑性注入材。ただし、セメント比=(C/F+C)×100であり、水粉体比=(W/F+C)×100であって、F、C、Wはいずれも重量を表す。
- 請求項1において、セメント比が2〜20重量パーセントである請求項1に記載の可塑性注入材。
- 請求項1において、有効成分としてさらにベントナイト(B)を含み、セメント比を2〜20重量パーセント、水粉体比を30〜70重量パーセントおよびベントナイト比を0.1〜5.0重量パーセントの配合液として地盤中に圧入することにより地盤中で所望の可塑状態を経て固結する請求項1に記載の可塑性注入材。ただし、ベントナイト比=(B/F+C)×100であり、Bはいずれも重量を表す。
- 請求項1において、有効成分としてさらにアルミニウム塩(A)を含み、セメント比を3〜20重量パーセント、水粉体比を30〜70重量パーセントおよびアルミニウム比を0.1〜1.0重量パーセントの配合液として地盤中に圧入することにより地盤中で所望の可塑状態を経て固結する請求項1に記載の可塑性注入材。ただし、アルミニウム比=(A/F+C)×100であり、Aは重量を表す。
- 請求項4において、アルミニウム塩は硫酸アルミニウム塩である請求項4に記載の可塑性注入材。
- 請求項1において、有効成分としてさらに水ガラスを含み、セメント比を2〜20重量パーセント、水粉体比を50〜130重量パーセント、および水ガラスに起因するシリカ濃度を1.6〜7.5重量パーセントの配合液として地盤中に圧入することにより地盤中で所望の可塑状態を経て固結する請求項1に記載の可塑性注入材。
- 請求項6において、配合液1リットル中に含まれるシリカ量が16〜75gである請求項6に記載の可塑性注入材。
- 請求項1において、有効成分としてさらに消石灰を含み、消石灰を1〜15重量パーセントの配合液として地盤中に圧入することにより地盤中で所望の可塑状態を経て固結する請求項1に記載の可塑性注入材。ただし、消石灰比=(消石灰重量/F+C)×100である。
- 請求項1において、有効成分としてさらに重炭酸塩または炭酸塩と、シリカゾルとを含み、セメント比を7〜20重量パーセント、水粉体比を65〜130重量パーセント、重炭酸塩比または炭酸塩比を0.1〜2.0重量パーセントおよびシリカ濃度を0.7〜7.0重量/容量パーセントの配合液として地盤中に圧入することにより地盤中で所望の可塑状態を経て固結する請求項1に記載の可塑性注入材。ただし、重炭酸塩比または炭酸塩比=(重炭酸塩または炭酸塩の重量/F+C)×100である。
- 請求項1において、さらに消石灰、石こう、スラグおよび気泡剤の群から選択される一種または複数種を併用する請求項1に記載の可塑性注入材。
- 請求項10において、気泡剤がアルミニウム粉末である請求項10に記載の可塑性注入材。
- フライアッシュ(F)と、セメント(C)と、水(W)とを有効成分とし、セメント比を50重量パーセント以下、および水粉体比を30〜70重量パーセントの配合液として地盤中に圧入することにより、配合液がゲル状になったときに、そのままでは流動しないが外力が作用すると流動する所望の可塑状態を経て固結する可塑性注入材を地盤中に圧入して土粒子を周辺に押しやり、地盤強化を図りながら固結することを特徴とする地盤注入工法。ただし、セメント比=(C/F+C)×100であり、水粉体比=(W/F+C)×100であり、F、C、Wはいずれも重量を表す。
- 請求項12において、前記可塑性注入材がさらに有効成分として水ガラスを含み、セメント比を2〜20重量パーセント、水粉体比を50〜130重量パーセント、および水ガラスに起因するシリカ濃度を1.6〜7.5重量パーセントの配合液として地盤中に圧入する請求項13に記載の地盤注入工法。
- 請求項12において、前記可塑性注入材がさらに有効成分として重炭酸塩または炭酸塩と、シリカゾルとを含み、セメント比を7〜20重量パーセント、水粉体比を65〜130重量パーセント、重炭酸塩比または炭酸塩比を0.1〜2.0重量パーセントおよびシリカ濃度を0.7〜7.0重量/容量パーセントの配合液として地盤中に圧入する請求項12に記載の地盤注入工法。ただし、重炭酸塩比または炭酸塩比=(重炭酸塩または炭酸塩の重量/F+C)×100である。
- 請求項12において、可塑性注入材の注入に当たり、初期の注入圧力を低くして先行注入物の脱水を図りながら注入圧力を段階的に高め、あるいは間欠的に加圧し、これにより可塑性を呈するゲル化物の土粒子間浸透と地盤の割裂による逸脱を防ぎながら土粒子を周辺に押し広げて地盤の密度を増大させながら固結する請求項12に記載の地盤注入工法。
- 請求項12において、可塑性注入材の注入に当たり、複数の注入ポイントからの同時注入方式、連続注入方式、インターバル注入方式、またはこれら方式を組み合わせて注入する請求項12に記載の地盤注入工法。
- 請求項12において、可塑性注入材の注入は次の(a)、(b)、(c)または(d)のように利用される請求項12に記載の地盤注入工法。
(a)軟弱地盤に圧入して強化する。
(b)トンネル背面、護岸の背面、基礎下または道路下の空洞に充填する。
(c)護岸背面の土砂の吸出し現象を防止する。
(d)沈下した建造物やその周辺地盤を復元する。 - 請求項12において、可塑性注入材を複数の注入ポイントから注入して注入ポイント間の地盤を拘束し、地盤密度を増大して地盤を固結する請求項12に記載の地盤注入工法。
- 請求項12において、地盤中に3m以内の間隔で複数の注入管を設置し、注入管間の地盤を拘束して地盤密度を高めて地盤を固結するようにした請求項12に記載の地盤注入工法。
- 請求項12において、地盤中にドレーン材を設置して地盤中に注入された可塑性注入材の脱水あるいは地盤の脱水を促進する請求項12に記載の地盤注入工法。
- 請求項12において、可塑性注入材を次の(A)乃至(D)に示す注入管を用いて地盤中に注入する請求項12に記載の地盤注入工法。
(A)軸方向に複数の吐出口を有する注入管を用いて注入する。
(B)外管に少なくとも一つの袋体パッカを備えた多重管を用い、内管から外管を通して注入する。
(C)複数の注入液管路を有する多重管ロッドを用いて注入する。
(D)複数の管路を有する注入管を用い、一方の管路からフライアッシュ、セメントおよび水を有効成分とするA液配合液を送液し、他方の管路からその他の成分を含むB液配合液を送液し、A、B液を合流して地盤中に注入する。
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