JP5137153B1 - グラウト注入方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1台の注入ポンプにより圧送されたグラウトを分液盤を通じて複数に均等に分液し、地盤中に設置された複数の注入孔を介してこれら分液したグラウトを同時に注入する。
【解決手段】
注入ポンプ3によりグラウトが注入ホース4を介して圧送されてくる分液盤5内の吐出口7の入口に至るまでの第1区分と、分液盤5内において分液されてそれぞれ吐出口7を通過したグラウトを注入ホース8を介して複数の注入孔11から地盤12中に当該グラウトを注入するまでの第2区分とを形成し、複数の吐出口7の総断面積よりも、注入孔11の総断面積を大きく設定し、予め流量を決め地盤抵抗圧力を測定し、第1区分中を流れるグラウトが当該地盤抵抗圧力よりも高い強制圧力となるように負荷するとともに、第2区分を流れるグラウトを注入孔11を介して地盤抵抗圧力に基づいて注入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、砂質土等の軟弱地盤の止水や地盤強化を図る上で好適なグラウト注入方法及び装置に関し、特に1台の注入ポンプにより地盤中に設置された複数の注入孔を介してグラウトを同時に注入する上で好適なグラウト注入方法及び装置に関する。
従来より地盤強化の観点から、地盤中に設置した注入管等の注入孔を介してグラウトを注入する方法が提案されているが(例えば、特許文献1参照。)、1本の注入管に対して注入孔を設けた1台の注入ポンプを用いて注入することが一般的である。より詳細には、水ガラスと硬化剤からなる二液性注入であれば二連式の注入ポンプを、またこれら水ガラスと硬化剤を予め混合したグラウトのみの一液性注入であれば、1台の注入ポンプを用いる。
特に地盤改良予定地が広い場合には、多数の注入孔を設けた注入管をその改良予定地に設置してグラウトを注入する必要性があるが、かかる場合には、注入管1本に1つの注入ポンプが必要となり、施工効率の低下並びに施工コストの増大を招く。また個々の注入管に注入ポンプを接続する方法では、却ってグラウトの流量が少なくなり、例えば毎分5lのグラウトを送出する場合には、特に二連式の注入ポンプでは、毎分2.5lずつしか地盤中に注入することができず、施工の多くの時間を要する。このような低吐出量で地盤抵抗圧以上の高圧力に対応でき、脈動が少ない実用的な地盤注入用ポンプはある程度限定されるものである。
これらの問題点を解決するために、従来から1台の注入ポンプにより送出したグラウトを、何らかの手段を用いて複数に分液し、これを1つ又は複数(2つ以上)の注入孔を設けた注入管に同時に注入することが試みられているが、画期的な成果は今のところ特段報告されていないのが現状であった。
この原因として、グラウトの注入を対象とする地盤は、軟弱で自然に堆積した沖積層が多く、複雑多岐に亘った土層構成で土の種類や土粒子径、透水係数、相対密度、土被り(深度)、地下水圧、注入管の設置方法、グラウトの性質(ゲルタイムの有無や長短、粘性)、吐出量(流速)及びグラウトの浸透状態(注入メカニズム)等の如く、僅かな地質学的なパラメータの差によって注入圧力の差異が生じ、液流が大きく変化するため、複数の注入孔に対して均等な分液を実現することができないという致命的な問題があるためである。
このため、従来においては、1つの注入孔を設けた注入管に対して1台の注入ポンプを用いてグラウトを注入する方法しか考えられないのが実情であった。
特開2003−213665号公報
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、1台又は少数の注入ポンプにより圧送されたグラウトを分液盤を通じて複数に均等に分液し、地盤中に設置された1つ又は2つ以上の注入孔を設けた複数の注入管を介してこれら分液したグラウトを同時に注入することが可能なグラウト注入方法及び装置を提供することにある。
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであり、1台の注入ポンプにより圧送されたグラウトを分液盤を通じて複数に均等に分液して地盤中に同時に注入するグラウト注入方法及び装置である。
即ち、注入ポンプによりグラウトが第1注入ホースを介して圧送されてくる分液盤に至るまでの第1区分と、上記分液盤内において分液されてそれぞれ同一断面積の吐出口を通過した上記グラウトを第2注入ホースを介して上記1つ又は2つ以上の注入孔を設けた1本又は2本以上の注入管へ圧送し、注入孔から地盤中に当該グラウトを注入するまでの第2区分とに分け、かつグラウトの流量(吐出量)を調整することにより構成される。
本発明における複数の注入孔とは、注入管毎に注入孔を設けた複数の注入管、ダブルパッカーの如く1本の注入管に複数の注入孔(縦方向に一定間隔毎に注入孔を設置)を設けた注入管、構造物と地盤の境界に注入孔を設けた注入管、トンネル等の注入孔を設けたグラウトホール、その他あらゆる注入箇所に注入孔を設けた注入管をいう。
なお、ダブルパッカーの如き注入方法には、1)注入管1つの注入孔の上下にパッカーとして、1台のポンプで1箇所から注入する、2)複数の注入孔毎にポンプを連結する方法、がある。
そして、複数の同一断面積の吐出口の総断面積よりも、注入孔の総断面積を大きく設定している。
先ず分液盤の吐出口から吐出されるグラウトが強制圧力を負荷できるだけの流量を注入ポンプで送り出すことにより、第1区分内の圧力を強制的に高めて分液盤に設けた複数の吐出口に均等に分液する。
次に、第1区分で均等に分液されたグラウトは、第2区分で地盤内の複数の注入管に設けた注入孔から放出され、地盤に注入する上で必要な圧力、即ち地盤抵抗圧力に応じた圧力に推移しながら注入される。
原則的には、本発明でいう強制圧力とは、大気中に放出しても第1区分内では圧力がかかった状態をいい、第2区分の地盤抵抗力とは、大気中に放出した場合、圧力は、0の状態であり、地盤に注入(圧入)する上で必要な受動的圧力をいう。
しかしながら、第2区分で注入孔面積に被覆した状態、例えばダブルパッカー工法や、注入管の断面積やグラウトの流量等により、第2区分内に若干の圧力がかかった場合でも第1区分の強制圧力より小さく、かつ地盤抵抗圧力より低い場合は本発明に係る第2区分とみなされる。
なお、一般にいう注入圧力とは、本発明でいうところの地盤抵抗圧力に相当する。
本発明者は、以上の第1区分及び第2区分の条件を満たし、流量を調整して強制圧力と地盤抵抗圧力とを区別することを技術的特徴としたグラウト注入方法及び装置を発明した。
即ち、請求項1に係るグラウト注入方法は、少なくとも地盤中に設置された複数の注入孔を介してグラウトを同時に注入するグラウト注入方法において、注入ポンプによりグラウトが第1注入ホースを介して圧送されてくる分液盤内の吐出口の入口に至るまでの第1区分と、上記分液盤内において分液されてそれぞれ吐出口を通過した上記グラウトを第2注入ホースを介して上記複数の注入孔から地盤中に当該グラウトを注入するまでの第2区分とを形成し、上記複数の吐出口の総断面積よりも、上記注入孔の総断面積を大きく設定し、予め流量を決め地盤抵抗圧力を測定し、上記第1区分中を流れるグラウトその測定した地盤抵抗圧力よりも高い強制圧力となるように負荷することにより、上記分液盤における複数の吐出口から当該グラウトを均等に分液し、上記第2区分を流れるグラウトを上記注入孔を介して地盤抵抗圧力に基づいて注入することを特徴とする。
請求項2に係るグラウト注入装置は、少なくとも地盤中に設置された複数の注入孔を介してグラウトを同時に注入するグラウト注入装置において、注入ポンプによりグラウトが第1注入ホースを介して送られてくる分液盤内の吐出口の入口に至るまでの第1区分と、上記分液盤内において分液されてそれぞれ吐出口を通過した上記グラウトを第2注入ホースを介して上記複数の注入孔から地盤中に当該グラウトを注入するまでの第2区分とを有し、上記複数の吐出口の総断面積よりも、上記注入孔の総断面積が大きく設定され、上記第1区分は、予め流量を決め地盤抵抗圧力を測定し、その測定した地盤抵抗圧力よりも高い強制圧力となるように流れるグラウトを負荷することにより、上記分液盤における複数の吐出口から当該グラウトを均等に分液し、上記第2区分は、流れるグラウトを上記注入孔を介して地盤抵抗圧力に基づいて注入することを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、下記の作用効果を奏する。
1台又は少数の注入ポンプで地盤抵抗圧力の差異に関わらず、複数の注入孔に同時に均等にグラウトを分液することが可能となり、作業効率を向上させることが可能となる。
また、複数の注入孔に対して低流量(毎分3〜6l)の注入ができ、砂質土の間隙にグラウトをきめ細かく浸透させることができ、より注入効果を向上させることが可能となる。
本発明を適用したグラウト注入装置の構成図である。
以下、本発明の実施の形態として、1つの注入孔を設けた複数の注入管を用いた場合におけるグラウト注入装置について詳細に説明する。
図1は、本発明を適用したグラウト注入装置20の構成図である。ちなみにこのグラウト注入装置20は、図1の構成に限定されるものではなく、後述する第1区分の圧力が地盤抵抗圧力の1.5〜4倍の強制圧力で、第2区分の圧力が地盤抵抗圧力となるような構成であればいかなるものに代替される装置であってもよい。
グラウト注入装置20は、大きく分類して2液を混合してグラウトを生成してこれを圧送する図中左側のイ方法と、既に生成した一液のグラウトを圧送する図中右側のロ方法の何れか一方のみ、或いは何れか一方を任意に切り替えて実施可能としたものである。
このグラウト注入装置20は、調合槽1a〜1cと、この調合槽1a、1bの下部にそれぞれ接続されたサクションホース2a、2b並びに調合槽1cの下部に接続されたサクションホース2cと、サクションホース2aの下端に接続された注入ポンプ3a、サクションホース2bの下端に接続された注入ポンプ3b、並びにサクションホース2cの下端に接続された注入ポンプ3cとを備えている。また、このグラウト注入装置20は、注入ポンプ3aの排出側に接続された注入ホース4a、注入ポンプ3bの排出側に接続された注入ホース4b、注入ポンプ3cの排出側に接続された注入ホース4cとを更に備え、この注入ホース4aと、注入ホース4bとを互いに合流させた注入ホース4dを備えている。そして、このイ方法において適用される注入ホース4d、ロ方法において適用される注入ホース4cは、いずれも分液盤5に接続される。
ここで注入ポンプ3a〜3cから分液盤5(正確には吐出口7a〜7dの入口)に至るまでを、以下、第1区分という。
分液盤5は、注入ホース4d又は注入ホース4cから供給されてくるグラウトを内部において分液するための分岐部51と、この分岐部51において分岐させた複数の分枝路52a〜52dと、各分枝路52a〜52dの途中に配設されてなるとともに各分枝路52a〜52dを開閉させるためのコック6a〜6dと、各分枝路52a〜52d中のコック6a〜6dよりも下流側に配設される吐出口7a〜7dとを有している。
さらに分液盤5における吐出口7a〜7dからはそれぞれ注入ホース8a〜8dが接続されており、各注入ホース8a〜8dの途中には、ホース内を圧送されるグラウトの流量や圧力を測定するための流量圧力計9a〜9dがそれぞれ設けられている。そして、この注入ホース8a〜8dの終端は、地盤12中に少なくとも設置された注入管10a〜10dにそれぞれ接続されている。また、この注入管10a〜10dの下部には、地盤12中に埋設された状態で配置される注入孔11a〜11dがそれぞれ設けられている。 注入孔11は、グラウト注入装置20全体の中で複数に亘り設けられている。その内訳として、注入孔11は、各注入管10について1つまたは2つ以上設けられており、また注入管10は、1本又は2本以上設けられ、これらの組み合わせによりグラウト注入装置20全体で2つ以上の注入孔11が形成される。
ここでいう分液盤5(正確には吐出口7a〜7dの出口)から注入孔11a〜11dに至るまでを、以下、第2区分という。この第2区分において、流量圧力計9a〜9dは、特に構成上省略するようにしてもよい。
イ方法では、調合槽1aにA液(水ガラス)、調合槽1bにB液(硬化剤)を調合する。注入ポンプ3a、3bは、互いに独立した別個のポンプとして構成されている場合に限定されるものではなく、これらを一体化させた二連式ポンプとして構成するようにしてもよい。このイ方法では、この注入ポンプ3aから排出されるA液、注入ポンプ3bから排出されるB液を、分液盤5に至る中間で合流混合し、C液(グラウト)として注入ホース4dを介して分液盤5へと送られることとなる。
これに対してロ方法では、調合槽1c内で既にA液としての水ガラスと、B液としての硬化剤を混合してC液(グラウト)を製造、調合した後、サクションホース2c、注入ポンプ3cを介して注入ホース4cを通じて分液盤5へとグラウトを圧送することとなる。
また、この分液盤5へと供給されたグラウトは、分液盤5内にある分岐部51により分岐させて、複数の分枝路52a〜52dを通過し、各分枝路52a〜52dの終端に配設された吐出口7a〜7dを介して分液盤5外へと排出されることとなる。実際にグラウトは、各吐出口7a〜7dから連続している注入ホース8a〜8dを通過し、注入管10a〜10dへと圧送される。注入管10a〜10d内へと圧送されたグラウトは、その下方向へと導かれ、注入管10a〜10dの下部の側壁等に設けられた注入孔11a〜11dを介して地盤中へと注入されることとなる。
ちなみに、分液盤5の構成や形状は、上述した構成に限定されるものではなく、要は第1区分と第2区分とを互いに区別できる機能を有するものであればよい。
上述した構成からなるグラウト注入装置20では、第1区分中を流れるグラウトが強制圧力となるように制御することにより、上記分液盤における複数の吐出口から当該グラウトを均等に分液することを必須の構成要件としている。ここでいう強制圧力とは、1次的には、グラウトの吐出量(流量)と、複数の吐出口7a〜7dの総断面積によって決定される。更には、第1区分中を流れるグラウトの圧力は、グラウトの粘性や比重、注入ホース4の長さ等によっても影響される。
また図示しないが、ダブルパッカーの如く1つの注入管に複数の注入孔を縦に一定間隔毎に注入孔を設置する場合は、第2ホースは小さな目のフレキシブルを束にまとめて注入管に挿入し、各注入孔に連結する方法であり、注入管の設置方法、注入孔、注入ホースの形状、構造等は特に限定されるものではなく、本発明の第2区分を満足するものであればよい。
また、分液盤5の吐出口7a〜7dの形状は、特に限定されるものではないが、加工性の観点から円形とされていることが望ましい。
また、第1区分において使用する注入ホース4の総断面積は、分液盤5における吐出口7a〜7dの総断面積と同等或いは、それよりも大きいことが望ましい。なお、これら注入ホース4の総断面積の大小はあくまで強制圧力を負荷するための一手段に過ぎないものである。逆に注入ホース4の総断面積が、分液盤5における吐出口7a〜7dの総断面積よりも小さいものであっても、第1区分において強制圧力が負荷可能であれば、本発明における第1区分の条件は満たされるものとなる。
また、第2区分における注入管10a〜10dの注入孔11a〜11dの形状は、特に限定されるものではなく、円形型或いはスリット状型が望ましい。このような第2区分においては、第2区分を流れるグラウトを注入孔11a〜11dを介して地盤抵抗圧力に基づいて注入することを必須の構成要件としている。ちなみに、この注入管10は、複数本で構成される場合に限定されるものではなく、1本で構成されていてもよい。
この注入孔11a〜11dはそのままの状態で地盤12中で埋設されていてもよいが、例えばこの注入孔11a〜11dの表面を伸縮可能な素材、例えばゴム材等で覆うようにして二重菅の如く構成するようにしてもよい。これによりグラウトがこの伸縮可能な素材と注入管10との隙間、或いは素材の切れ目から放出される、いわゆるダブルパッカー工法の如く地盤12中に注入されることとなる。
かかる場合において、注入管10の表面は、伸縮可能な素材で覆われているため、グラウトは注入孔11a〜11dから放出される際に、圧力が若干負荷されるものの、放出後は地盤抵抗圧力に移行することとなり、本発明の第2区分の条件は満たされることとなる。注入管10に設けられる注入孔11は同一位置(深度)の管回りおいて断面積が同じであるため、外周に4個以下の注入孔を設けても、地盤条件が全く同じであるため、注入されたグラウトは同一孔と同じ1つの流路となり、同じ地盤抵抗圧力を示し、均等に分液が可能となり、本発明の第2区分の要件は満たされることとなる。
第2区分における1本当たりの注入ホース8の断面積は、注入管10a〜10dにおける注入孔11a〜11dの総断面積と同等或いは大きくなるように設定されていることが望ましい。なお、これら注入ホース8及びその接続部の断面積の大小は上述した例に限定されるものではなく、第1区分の強制圧力よりも小さく、かつ地盤抵抗圧力の範囲内であって、本発明の作用効果を十分発揮し得るものであれば、いかなる大きさで構成されるものであってもよい。
ちなみに本発明では、第1区分内におけるグラウトの強制圧力は、第2区分の地盤抵抗圧力より高くすることが絶対的条件であり、目安としては、強制圧力が地盤抵抗圧力の1.1倍以上、望ましくは1.5〜2倍以上である。
さらに、上述した強制圧力となるようにグラウトの流量を調整することが、本発明を適用したグラウト注入方法の構成要件となる。
なお、本発明における第1区分の強制圧力の設定は、予め本注入と同一条件下で1台の注入ポンプ3と、分液盤5の1箇所で、1本の注入管4を用いて行い、第2区分の地盤抵抗圧力を確認する。そして、得られた地盤抵抗圧力値の1.5〜4倍となるように調整を行う。
本発明を適用したグラウト注入装置20に使用されるグラウトは、特に限定されるものではないが、望ましくは水ガラス系溶液型で、水ガラスに硬化剤(酸性を含む)を加えてアルカリ領域でゲル化させるグラウトや、水ガラスに酸性硬化剤を加えて、非アルカリ領域でゲル化させるグラウト等である。なお、本発明では、分液盤5を用いることが必須条件となるため、ゲルタイムの短い瞬結型グラウトは不適である。
また、ゲルタイムが約10分以下のグラウトを用いる場合には、施工上、特にイ方法でグラウトを製造することが望ましい。
本発明を適用したグラウト注入装置20の実施のために使用する注入ポンプ3は、圧力の高低には関係なく、一定量吐出できる機能を有するポンプであればよいが、プランジャー式のポンプを用いることが望ましい。
以下、本発明を適用した適用したグラウト注入方法の実施例について、更に詳細に説明をする。ちなみに、以下に説明をする実験は、図1に示すグラウト注入装置20を用いて行っている。
注入ポンプ3としては、二連式プランジャーポンプを、第1区分の注入ホース4としては、内径1インチ(断面積491mm2)、分液盤5までの長さ10m、分液盤5の吐出口7の径が1.1mmとし、1個当たりの吐出口7の断面積が0.95mm2、とされ、これら吐出口7が吐出口7a〜7dと合計4個あることから、吐出口7の相談面積は、4×0.95mm2=3.80mm2である。また、第2区分の注入ホース8の内径が3/4インチ(断面積362mm2)、注入管10の断面積が3.62mm2、注入管10の1本当たりの注入孔11の径3mm、また注入孔11の合計の断面積が28.4mm2(=1個当たり断面積7.1mm2×4)、4本の注入管10の注入孔11の総断面積は113.6mm2である。
実験で用いたグラウトは、イ方法で製造し、配合は、A液がJIS3号品水ガラス400ml、水600mlの計1l、B液として重硫酸ソーダ60g、硫酸バン土19.2gで、A、B液を共に混合した際のゲルタイムが4分10秒のグラウトを用いた。
注入地盤は、東京都下の砂質土(中〜細砂で平均透水係数10-3cm/秒オーダー)で極薄く粘土層を含んでいる地層である。
実験1(本発明例1)
本発明における第1区分の強制圧力の圧力値を設定するために、次の実験を行った。
注入管10は、先端を先鋭化させた閉塞状態とし、1つの注入孔11から水を出しながら打設し、その下端が地表下5mの位置となるように設置した。そして、注入管10と地山の隙間にグラウトパッカーとしてセメントベントナイト液(100l当たりセメント25kg、ベントナイト6.3kg、水90lを十分に充填した後、注入管10及び注入孔11内を水洗して開孔させ、注入管10の頭部を閉塞して逆流を防止した状態で7日間養生し硬化させた。実験は1台の注入ポンプ3で分液盤5を通さず、強制圧力が負荷されない通常状態でグラウトを毎分6lで120l注入したところ、地盤抵抗圧力の最高値は0.25MPaであった。この値の4倍の1MPaを第1区分の強制圧力値として設定した。
実験2(比較例1)
実験2は、実験1と同様な方法で3m間隔に第1〜第4の注入管10a〜10dを表1に示す深度に設置した。第1区分の分液盤5の吐出口7の断面積は、第2区分の注入管10の注入孔11と同じ大きさとし、第1区分内に強制圧力が負荷されることなく、地盤抵抗圧力のみの条件下で行った。
グラウトの注入は、実験1と同様に毎分6lで120l注入し、5分毎の注入量及び地盤抵抗圧力を測定し、表1に示すような結果を得た。
Figure 0005137153
表1の結果により、注入開始後は、各注入管10共に圧力及び注入量は同一であった。しかしグラウトが地盤12の土粒子間隙に浸透するに従って、注入時間の経過と共に各注入管10の地盤抵抗圧力は次第に上昇し、また注入管10の間で差異が著しくなる傾向が見られた。その結果、最終的には、注入管10bにおいて圧力が0.30MPaとなったのに対して、注入管10cは、0.23MPaと大きな差が見られた。また、この傾向は、グラウトのゲルタイム(4分10秒)より長い時間(20分)注入したことも若干影響を与えている。
このように、圧力差が生じると、グラウトは少しでも圧力の低い方に流れるため、最終的には注入管10bの注入量が毎分2.5lであるのに対して、注入管10cの注入量は、毎分9.5lと約4倍の差異が生じることが確認できた。
この比較例1で示すように、地盤抵抗圧力の差異は、避けられないため、その結果毎分当たりの注入量も大きく異なることになり、グラウトを複数の注入管10に均等に分液することが不可能であることが分かる。
実験3(本発明例2)
本発明例2の実験3は、比較例1の実験と同様な方法で行った。比較例1と異なる点は、前述した分液の吐出断面積を小さくし、本発明例1で求めた第1区分の強制圧力を1MPaになるように設定し、表2の結果を得た。
Figure 0005137153
表2の結果より、グラウトを注入ポンプ3で注入したところ、第2区分における4個の注入管10の地盤抵抗圧力よりも第1区分における強制圧力の方が高いため、地盤抵抗圧力の圧力差に関係なく分液盤5の吐出口7から注入開始時から終了まで均等に分液されて第2区分に移行されていることが確認できた。
そして、第2区分内に移行したグラウトの地盤抵抗圧力の最終値は、注入管10bで0.31MPaであり、注入管10cで0.25MPaと、0.06MPaの差が生じていたが、当然のことながら第1区分の強制圧力が1MPaと高いため、第1区分から吐出された注入量は均等に毎分6lで各注入管10の注入孔11から注入されていることが確認できた。
即ち、本発明は、分液盤5に設けた吐出口11から吐出されるグラウト量を調整して第1区分内で地盤抵抗圧力より高い強制圧力を負荷して均等に分液し、それ以降の第2区分では、従来の注入方法と同様に地盤抵抗圧力で地盤に注入することが可能となる。
このように、本発明を適用したグラウトの注入方法によれば、簡単な分液盤5を利用するだけで、1台の注入ポンプ3で複数の注入孔11を同時に均等に分液して注入することができるため、少ない台数の注入ポンプ3で広範な面積に亘るグラウト注入による地盤強化を実現することができ、大幅な作業効率の向上を図ることができ、施工時の時間短縮をも図ることが可能となる。また低吐出量できめ細かいグラウト注入が可能となる等、極めて有益な複数注入孔による同時注入を実現することが可能となる。
1 調合槽
2 サクションホース
3 注入ポンプ
4、8 注入ホース
5 分液盤
51 分岐部
52 分枝路
6 コック
7 吐出口
9 流量圧力計
10 注入管
11 注入孔
12 地盤
20 グラウト注入装置

Claims (2)

  1. 少なくとも地盤中に設置された複数の注入孔を介してグラウトを同時に注入するグラウト注入方法において、
    注入ポンプによりグラウトが第1注入ホースを介して圧送されてくる分液盤内の吐出口の入口に至るまでの第1区分と、上記分液盤内において分液されてそれぞれ吐出口を通過した上記グラウトを第2注入ホースを介して上記複数の注入孔から地盤中に当該グラウトを注入するまでの第2区分とを形成し、
    上記複数の吐出口の総断面積よりも、上記注入孔の総断面積を大きく設定し、
    予め流量を決め地盤抵抗圧力を測定し、上記第1区分中を流れるグラウトがその測定した地盤抵抗圧力よりも高い強制圧力となるように負荷することにより、上記分液盤における複数の吐出口から当該グラウトを均等に分液し、
    上記第2区分を流れるグラウトを上記注入孔を介して地盤抵抗圧力に基づいて注入すること
    を特徴とするグラウト注入方法。
  2. 少なくとも地盤中に設置された複数の注入孔を介してグラウトを同時に注入するグラウト注入装置において、
    注入ポンプによりグラウトが第1注入ホースを介して送られてくる分液盤内の吐出口の入口に至るまでの第1区分と、上記分液盤内において分液されてそれぞれ吐出口を通過した上記グラウトを第2注入ホースを介して上記複数の注入孔から地盤中に当該グラウトを注入するまでの第2区分とを有し、
    上記複数の吐出口の総断面積よりも、上記注入孔の総断面積が大きく設定され、
    上記第1区分は、予め流量を決め地盤抵抗圧力を測定し、その測定した地盤抵抗圧力よりも高い強制圧力となるように流れるグラウトを負荷することにより、上記分液盤における複数の吐出口から当該グラウトを均等に分液し、
    上記第2区分は、流れるグラウトを上記注入孔を介して地盤抵抗圧力に基づいて注入すること
    を特徴とするグラウト注入装置。
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