JP3663113B2 - 地盤注入装置および地盤注入工法 - Google Patents

地盤注入装置および地盤注入工法 Download PDF

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液状化防止工事あるいは大規模工事における急速施工のための地盤改良等、大容量土の地盤改良に係り、特に、改良すべき地盤に複数の注入管路を設置し、これら複数の注入管路から注入液を同時に、かつ選択的に、さらには自動的に行なう地盤注入装置および地盤注入工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地盤中に注入液を注入して該地盤を改良する地盤改良技術として、従来、注入すべき地盤に注入管を設置し、これら注入管を一本づつ下方から上方に引き上げ、あるいは上方から下方に押し下げて注入ステージを移向しながら注入する方法が知られている。
【0003】
しかし、注入すべき対象地盤は大方、軟弱な沖積層であって、透水性の異なる土層が積層して構成されており、このため、注入ステージを移向させながらそれぞれの土層に最適な注入を達成すること、すなわち、最適な注入圧、注入速度、注入量、注入率等による注入を達成することは極めて煩雑であって、長時間を必要とし、不経済となり、実質的に不可能であった。
【0004】
しかも、注入中に注入液が上下方向、あるいは水平方向に逸脱したり、さらには、各注入ステージの地盤条件が注入の進行につれて経時的に変化したり等の条件変化も起こり、これらは確実な注入効果を達成する上で障害となっていた。
【0005】
さらに、急速施工による経済性を得るために、複数の注入管を地盤中に設置し、これら複数の注入管を通して注入液を地盤中に同時注入する工法も提案されている。
【0006】
しかし、これらの方法はいずれも注入対象地盤を急速に、均質に、しかも自動的に、かつ確実に地盤改良するには至っていない。この理由は多数の注入管を地盤中に設置して各注入管に一定量の注入液を送液しても、注入液は地盤中で勝手に分散してしまい、均質な固結が困難であること、さらには、多数の注入管を駆使して注入効果を得るに必要な組織的な操作が困難であって、注入操作そのものに混乱を来たし、結果として作業性も、効果の確実性をも得ることができない点にあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般に従来工法では、注入管ピッチを0.8m〜1mとし、また、注入ステージについては0.25〜0.5mを一単位として注入土量1m3当り300l〜400l、注入速度8〜20l/分の注入量で注入することを基本としていた。
【0008】
一方、近年、液状化防止工事等、大容量土の地盤改良の急速施工が要求されるようになった。この場合、経済性の点から注入孔間隔を広くとって一本の注入管から大量の注入液を長時間にわたって注入することが必要である。すなわち、液状化防止工事では、経済性の点から注入孔間隔を1.5〜4mとせざるを得ない。
【0009】
例えば、注入孔間隔を2mの正方向配置にする場合、
Figure 0003663113
と長時間による注入を行わなくてはならない。
【0010】
同じく、注入孔間隔を4mの正方向配置にする場合、
Ap=4m×4m=16m2
1ステージの改良土量は、
Figure 0003663113
1ステージ注入量(kl)は
Figure 0003663113
注入速度f=20l=/分とすると、
1ステージ当り注入時間
Figure 0003663113
の注入を行わなければならない。
【0011】
ところが、このような注入では注入に長時間を要するため、また、1本当りの注入受け持ち範囲が広いため、注入液は分散して地表面や周辺に逸脱しやすく、均質な注入効果が得られにくい。また、長時間にわたる注入中に土中でゲル化が進行し、このため地盤の注入条件が変化してしまい、注入効果も不確実になる。さらにまた、長時間の注入作業を要するため、施工期間が長くなるのみならず、施工期間中、その区域の利用が不可能になる。
【0012】
そこで、本発明の目的は地盤中に設置した複数本の注入管路から、対象とする土層に注入液を注入して該地盤を改良するに際して、最適な設定流量ないしは設定圧力をもって注入液を同時に、かつ自動的に注入し、これにより、広範囲の地盤を急速かつ確実に改良し、上述の公知技術に存する欠点を改良した地盤注入装置およびこの装置を用いた地盤注入工法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の地盤注入装置によれば、注入液加圧部と、注入液分配部と、地盤中に設置された複数の注入管路とを有し、前記注入液加圧部は送液系を通して注入液分配部に連通され、前記注入液分配部は複数の分岐管を通して複数の各注入管路に連通され、前記送液系および/または前記分岐管には送液流量計および/または送液圧力計が備えられ、かつ、前記送液系には送液バルブが、前記分岐管には分岐バルブおよび/またはオリフイスが、これらのいずれか一方または両方備えられ、さらに、注入液分配部には加圧注入液分配容器が備えられ、各分岐管はこの分配容器からそれぞれ伸長し、前記注入液加圧部からの加圧注入液をこの分配容器を介して各分岐管に分配するようにし、前記送液流量計および/または送液圧力計からの情報に基づいて前記注入液/加圧部、送液バルブおよび分岐バルブのいずれか一つまたは二つ以上を作動し、注入加圧部からの注入液を一つの送液系から複数の注入管路に同時に送液して注入し、あるいは他の注入管路への連結換えを行なって注入し、これにより広範囲の地盤を急速かつ確実に改良することを特徴とする。
【0014】
さらに、上述の目的を達成するため、本発明の地盤注入工法によれば、注入液加圧部と、注入液分配部と、地盤中に設置された複数の注入管路とを有し、前記注入液加圧部は送液系を通して注入液分配部に連通され、前記注入液分配部は複数の分岐管を通して複数の各注入管路に連通され、前記送液系および/または前記分岐管には送液流量計および/または送液圧力計が備えられ、かつ、前記送液系には送液バルブが、前記分岐管には分岐バルブおよび/またはオリフイスが、これらのいずれか一方または両方備えられ、さらに、注入液分配部には加圧注入液分配容器が備えられ、各分岐管はこの分配容器からそれぞれ伸長し、前記注入液加圧部からの加圧注入液をこの分配容器を介して各分岐管に分配するようにした地盤注入装置を用い、送液圧力計、送液流量計、分岐流量計および分岐圧力計のいずれか一つまたは二つ以上の値が所定値に達したか、または限界範囲を越えたかの情報に基づいて注入液加圧部、送液バルブおよび分岐バルブのいずれか一つまたは二つ以上を作動して送液を調整し、あるいは分岐バルブを閉じるかリターン管路に切換えて注入を終了し、あるいは分岐バルブを閉じずに他の注入管路に切り換え、残りの分岐管について送液圧力計、送液流量計、分岐流量計および分岐圧力計のいずれか一つまたは二つ以上が所定値に達したり、または限界値を越えた場合、同様の操作を繰り返して注入を行なうことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を添付図面を用いて詳述する。
【0016】
図1は本発明にかかる地盤注入装置の一具体例の説明図である。図2は図1における注入液分配部の他の具体例の説明図である。図3は図1における注入液加圧部の他の具体例の説明図である。図4は環状の分配容器の説明図である。図5はドラム型の分配容器の説明図である。図6は多段型分配容器の正面図であり、図7は図6の側面図である。図8および図9は多段分岐管を用いた具体例である。図10および図11は多方向分岐体を用いた具体例である。図12は図1における注入液分配部の他の具体例の説明図である。図13は図1における注入液分配部のさらに他の具体例の説明図である。図14、図15、図16は本発明にかかる地盤注入装置の他の具体例の説明図である。図17は図1における注入部の注入管路の一具体例であって、地盤中に設置された状態を表した断面図である。図18は袋パッカーを備えた注入管路の一具体例であって、地盤中に設置された状態を表した断面図である。図19は二重管ダブルパッカー注入管路の一具体例である。図20は他の注入管路の他の一具体例であって、(a)は単管、(b)は二重管、(c)は三重管を表した断面図である。図21は二重管ダブルパッカーの注入管路の他の具体例である。図22は注入管路のさらに他の具体例であって、二重管の内管を上方にスライドさせて注入する状態を表した断面図である。図23は注入管路のさらに他の具体例であって、注入管中に複数の注入管路を、これらの吐出口が軸方向の異なる位置に開口するように設けてなる断面図である。図24は水平方向固結層の形成態様を表した一具体例である。図25は図24の固結層の積層固結層の形成態様を表した一具体例である。図26は注入圧力と注入速度との関係を表したグラフである。
【0017】
本発明装置は地盤注入液を地盤中に設置された複数の注入管路を通じて地盤中に注入し、該地盤を固結する装置であって、図1に示されるように、制御部X、注入加圧部Y、注入液分配部Z、注入部Wおよび送液系Aから構成される。操作を手動で行なう場合には制御部Xを必要としない。以下、制御部を用いた例について具体的に詳述する。
【0018】
注入液加圧部Yは図1に示されるように、注入液槽2からの注入液をグラウトポンプ1により加圧し、加圧注入液として送液系Aを介して注入液分配部Zに送液する。グラウトポンプ1は制御部Xの注入監視盤X1からの指示を受け、注入液を所望の圧力に加圧する。なお、図1の加圧部Yは図3に示されるように、グラウトポンプに代えてコンプレッサー3を用いることもできる。すなわち、加圧容器4に注入液5を充填し、ここでコンプレッサー3の作動により注入液槽2からの注入液5を加圧して加圧注入液とする。
【0019】
注入液分配部Zは複数本の分岐管S、S・・・Sを備える。これら分岐管S、S・・・Sはそれぞれ先端に注入管路9、9・・・9と連結する連結部SOを有するものである。この連結部SOは所定の注入管路9、9・・・9を通して所定の注入量を注入し終わった時点、あるいは所定の注入圧に達した時点で、その分岐管Sを他の注入管路9、9・・・9に連結換えすることもできる。上述分岐管S、S・・・Sは図1に示されるように送液系Aを介して加圧部Yと連結された分配容器6からそれぞれ伸長して配置され、先端の連結部SOで注入管路9と連結される。そして、加圧部Yからの加圧注入液は分配容器6を介して各分岐管S、S・・・Sに分配され、注入管路9に送液される。なお、この分配容器6には図示しないが攪拌装置を備えることもできる。また、各分岐管S、S・・・Sは分配容器6を経ずに、直接加圧部Yからの送液系Aと連結することもできる。また、図1において、分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn の総量を測定することにより送液流量計f0 の流量を把握することができ、このため、送液流量計f0 は必ずしも必要としない。
【0020】
図4は本発明に用いられる環状型の分配容器であって、図1の注入液加圧部Yからの加圧注入液が送液系Aの送液流量計f0 および/または送液圧力計P0 、および送液バルブV0 を経て環状型の分配容器6に導入され、ここから図1と同様、各分岐管S、S・・・Sに分配される。図4中、V1 〜Vn は図1と同様の分岐バルブである。このような環状型の分配容器6を複数個積層することにより、数十ないしは数百本の分岐管Sを有するきわめてコンパクトな図1に示される注入液分配部Zを形成することができる。送液圧力計Po は必ずしも送液系Aに設けなくても、直接、分配容器6に設けてもよい。
【0021】
図5は本発明に用いられるドラム型の分配容器であって、上述と同様、図1の注入加圧部Yからの加圧注入液が送液系Aの送液流量計f0 および/または送液圧力計P0 、および送液バルブV0 を経てドラム型の分配容器6に頂部6aから導入され、ここから図1と同様に各分岐管S、S・・・Sに分配される。V1 〜Vn は分岐バルブである。送液圧力計P0 はドラム型の分配容器6に直接設けてもよい。
【0022】
図6は本発明に用いられる多段型の分配容器を示す正面図であり、図7はその平面図である。この分配容器6は図6および図7に示されるように、分岐管S、S・・・Sに備えられた各分岐バルブV1 〜Vn 、オリフイスO1 〜On 、分岐流量計f1 〜fn および分岐圧力計P1 〜Pn を経て各注入管路9に通じる系が複数層、適当な間隔をあけて積層して構成される。
【0023】
図6、図7において、図示しない図1と同様な注入加圧部Yからの加圧注入液は送液系Aの送液流量計f0 および/または送液圧力計P0 、および送液バルブV0 を経て、多段型の分配容器6に導入され、ここから図1と同様に各分岐管S、S・・・Sに分配される。この種の分配容器6は例えば後述の図10に示される本発明注入装置に適用することにより装置がコンパクトにまとめられ、かつ各注入ステージ毎に確実に同時注入が可能であり、さらに選択注入も可能である。
【0024】
すなわち、これら図4〜図6に示される分配容器6は総じて、図1に示される分配容器6と比較してコンパクトであるのみならず、実質的に小型の容器内に多数の分岐管S、S・・・Sを設けることができるので、流動している加圧注入液の圧力が一定化される。
【0025】
図8、図9、図10は多段分岐体あるいは複数方向分岐体からなる注入液分配部Zの例を示す。管体をそのまま注入液分配部Zとして多数の分岐管を管体に一列に並べた場合、一方から他方への送液で管内の損失水頭により圧力分布が変化するので各分岐管S、S・・・Sへの流量が変化する。このような問題を図8、図9、図10に示すように、多段分岐体あるいは複数方向分岐体からなる注入液分配部Zを用いることによって改良することができる。図8、図9は多段分岐体であって、一つの分岐管から複数の分岐管が枝分かれして多段になっている。Vはしぼりバルブでもよいし、またオリフイスでもよい。このようにすれば損失水頭が均等化されて同一条件で注入液の分配が可能になる。
【0026】
図10は多方向分岐管を多段にした注入液分配部Zである。V1は複数方向分岐管からなる多方向分岐管の最小単位体の例であり、3方流路のバルブであって、左右2方向の流路に同時に分流させるものである。左右2方向の流路はしぼりが可能にしてもよいし、オリフイスを設けてもよい。
【0027】
図11は多方向分岐体の別の例を示す。V11・・・V1nはしぼり弁を有する分岐バルブであって、もちろんストップバルブを兼ねることもできる。このバルブを所定のしぼり度にあらかじめ調整しておけば、例えば、同一のしぼり度にしておけば、60l/分の注入液を加圧送液した場合、V1nのnが5の場合、12l/分づつ分流することになる。V21・・・V2nは多方向分岐管の分流弁(フローデバイダー)を有するバルブであって、下流側の左右の負荷に大小があっても、等量の流量に分流するものを用いる。例えば、一方の流路の負荷が大きくなって流量が小さくなろうとすると、自動的に弁の開度が調整されて、左右の流路に同一の流量が流れるように作動する。このようにして、何段(n段)にも分岐していけば、2n の数の分岐が可能になる。
【0028】
図1〜図2および図4〜図7において、分岐管S、S・・・Sはそれぞれ、分岐バルブV1 、V2 ・・・Vi 、Vn および/またはオリフイスO1 、O2 ・・・Oi 、On を装着し、さらに、必要に応じて分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn 、および/または分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn を装着する。これら分岐管S、S・・・Sは連結部SOを介して後述する複数の注入管路9、9・・・9に通じ、加圧部Yからの加圧注入液を各注入管9、9・・・9に送液する。なお、分岐流量計f1 〜fn はオリフイスO1 〜On の上流側、あるいは分岐バルブV1 〜Vn の上流側に設けることもできる。また、オリフイスO1 〜On は分岐バルブV1 〜Vn の上流側の分岐管S、S・・・Sに設けてもよく、分配容器6の壁面や、送液系Aの導管7の管壁に直接設けてもよい。また、しぼり機能を有する分岐バルブV1 〜Vn を用いることにより、オリフイス機能を兼ねることもできる。さらに、分岐バルブV1 〜Vn にストップバルブの機能をもたせることにより、送液バルブV0 は必ずしも必要としなくなる。
【0029】
注入液加圧部Yから注入液分配部Zへの加圧注入液の送液系A、すなわち、導管7には送液流量計f0 および/または送液圧力計P0 が備えられる。さらに、これら送液流量計f0 および/または送液圧力計P0 よりも下流あるいは分岐管Sよりも上流の導管7には送液バルブV0 が備えられる。
【0030】
制御部Xは注入監視盤X1を主体とし、これに加えて操作盤X2、注入記録盤X3、およびデータ入力装置X4を内蔵し、あるいはこれらを制御部Xの外から信号回路によって制御部Xに接続して構成される。この制御部Xは送液流量計f0 、送液圧力計P0 、分岐流量計f1`n および分岐圧力計P0`n のいずれか一つまたは二つ以上、および注入液加圧部Yにそれぞれ信号回路によって接続され、送液流量計f0 および/または送液圧力計P0 からの情報、あるいは分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn および/または分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn からの情報に基づき、注入加圧部Yを制御する。
【0031】
これにより、加圧注入液の所定の設定流量ないしは設定圧力をもって、あるいは限界範囲内の流量ないしは圧力をもって注入液を一つの送液系から複数の注入管路9、9・・・9に、同時に、選択的に、あるいはさらに、自動的に送液、注入する。この結果、広範囲の地盤を急速、かつ確実に改良する。
【0032】
さらに、分岐バルブV1 、V2 ・・・Vi 、Vn の操作は手動で行なうこともできるが、それぞれ信号回路により制御部Xで操作することもできる。そして、上述の送液流量計f0 および/または送液圧力計P0 からの情報に基づき、あるいは、分岐流量計および/または分岐圧力計からの情報に基づき、分岐バルブV1 、V2 ・・・Vi 、Vn のオンオフおよびしぼり制御、図1に示されるように注入液加圧部Yの注入液槽2に通じるリターン管路への切換え制御、さらには、図示しないが水洗管路への切換え制御が分岐バルブV1 、V2 ・・・Vi 、Vn によって行なわれる。また、分岐管S、S・・・Sの他の注入管路9、9・・・9への連結換えも行なわれる。
【0033】
図1において、リターン管路Rは分岐バルブV1 、V2 ・・・Vi 、Vn に直接設けられる。そして、各分岐管S、S・・・Sからの所定注入量が完了した時点で注入液をこのリターン管路Rを通して注入液槽2にもどすことにより、あるいは分岐管S、S・・・Sを他の注入管路9、9・・・9に連結換えすることにより、インバータ3を調整して送液流量を調整しなくても、同一送液圧力で全分岐管S、S・・・Sからの注入が完了するまで注入を続けることができる。水洗管路は図示しないが、分岐バルブV1 、V2 ・・・Vi 、Vn の切り換えにより分岐管、分配容器等が水洗される。
【0034】
さらに、導管7に備えられた送液バルブV0 も手動によって操作できるが、信号回路によって制御部Xに接続して操作することもできる。そして、上述と同様、送液流量計f0 および/または送液圧力計P0 からの情報に基づき、あるいは、分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn および/または分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn からの情報に基づき、送液バルブV0 のオンオフ制御、送液バルブV0 の開口度のしぼり制御等を行なうことができる。これら送液バルブや分岐バルブとして、電磁バルブ、エアーバルブ、油圧バルブ等が用いられる。
【0035】
また、各分岐管S、S・・・Sに装着された分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn 、および/または分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn も、信号回路によって制御部Xに接続される。そして、分岐流量計および/または分岐圧力計からの情報に基づいて、あるいはさらに、送液流量計foおよび/または送液圧力計P0 からの情報に基づいて上述と同様の制御が可能である。
【0036】
なお、上述の分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn は回転流量計あるいは電磁流量計等であって、パルスで出力された電気信号が制御部Xに入力され、カウントされる。さらに、各分岐管S、S・・・Sにおける流量は送液バルブV0 、分岐バルブV1 、V2 ・・・Vi 、Vn の口径、開口度(流路のしぼり)またはオリフイスO1 、O2 ・・・Oi 、On の口径、またはこれらの数や口径を選定したり、変更したり等によって定められる。また、送液流量計および/または送液圧力計や、分岐流量計および/または分岐圧力計からの情報に基づく制御部Xからの注入液加圧部Yへの指示によりインバータ3が制御され、グラウトポンプ1の回転数を調整し、毎分流量f0 や注入圧力P0 を制御し、分岐管Sの流量を制御する。
【0037】
さらに、図1における注入液分配部Zは図2に示されるように、各分岐管S、S・・・Sから分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn および分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn を取り除いたものであってもよい。なお、図2において、分岐バルブV1 〜Vn がなくてもオリフイスO1 〜On だけでも後述のように足りる場合もある。また、分岐バルブV1 〜Vn をしぼり、開口を調整することによりオリフイスO1 〜On と同じ機能をもたすことができる。この場合、オリフイスO1 〜On は必要ない。また、分岐バルブの開口度を油圧で調整して遠隔操作することもできる。
【0038】
さらにまた、図1における注入液分配部Zは複数の分岐バルブV1 、V2 ・・・Vi 、Vn を図12に示されるように一つの分岐バルブVi からそれぞれ、分岐管S、S・・・Sに分配される構造とし、このような分岐バルブVを1〜n個設けるようにすることもできる。もちろん、この場合、図13に示されるように、各分岐管S、S・・・Sから分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn および分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn を取り除き、分配容器6から分岐バルブVi を経て分岐管Sに分岐されるまでの管路に分岐流量計f1 および/または分岐圧力計Pi を設けることもできる。
【0039】
注入部Wは図1に示されるように、地盤8中に設置された複数本の注入管路9、9・・・9からなり、それぞれ注入液分配部Zの各分岐管S、S・・・Sと連結され、注入液加圧部Yからの加圧注入液を分岐管S、S・・・Sを介し、複数の注入管路9、9・・・9を通して地盤8中に注入し、地盤8を固結する。
【0040】
ここで用いられる注入管路9としては、各種注入管路が用いられるが、一例を示せば、図17、18、19、20、21、22、23のとおりである。
【0041】
図17の注入管路9は複数本の細管10、10・・・10を固定板11、11・・・11を通して結束して構成された結束注入管である。固定板11は結束バンドでもよい。各細管10、10・・・10は先端吐出口12、12・・・12がそれぞれ軸方向の異なる位置に開口され、かつこれら吐出口12、12・・・12にはゴムスリーブ13、13・・・13が装着され、注入孔14に注入されたスリーブグラウト15中に埋設するように地盤8中に設置される。吐出口12からの注入液は固化したスリーブグラウト15を破って地盤8中に浸透、注入される。なお、ゴムスリーブ13や、スリーブグラウト15は用いなくてもかまわない。
【0042】
図18の注入管路9は複数の細管10、10・・・10をバンド16で結束し、かつ、複数の袋パッカー17、17・・・17を軸方向に間隔をあけて装着して構成される。そして、細管10は先端吐出口12が袋パッカー17の内側および袋パッカー10、10間にそれぞれ位置するようにバンド16によって結束される。このような注入管路9を地盤8に設置するに際し、まず、袋パッカー17をふくらませないで注入孔14に挿入の後、細管10を通じて袋パッカー17内には吐出口12から、袋パッカー17をふくらませて固化させる固結材あるいは水、泥水、空気窒素ガス等の不活性気体等、各種流体を填充して袋パッカー17を膨脹させる。さらに、吐出口12から注入液をそれぞれ吐出し、袋パッカー17、17間の空間18から注入液を地盤8中に浸透、注入する。
【0043】
図19の注入管9は二重管ダブルパッカー注入管路であって、内管9A、外管9Bおよび細管10から構成される。内管9Aは先端部分に上下に離れてパッカ−19、19を備え、この間に内管吐出口12Aを有する。まず、注入管路9を地盤8の注入孔14に挿入の後、次いで、内管9Aの吐出口12Aから各袋パッカー17、17・・・17に硬化物を填充して膨脹させ、袋パッカー17、17・・・17を形成する。この状態で細管10の吐出口12Aから地盤注入材を地盤8中に注入し、地盤8を固結する。上下に隣接する袋パッカー17、17間には外管9Bの吐出口12が設けてあるが、これは必ずしも必要としない。なお、この外管吐出口12を通して、注入後に地盤8の透水試験を行なうことができ、試験の結果、注入が不充分の場合には外管9Bの吐出口12から注入材を再注入することもできる。
【0044】
図20の注入管路9は(a)が先端吐出口12を有する単管、(b)は内管9Aおよび外管9Bからなり、先端に内管吐出口12Aおよび外管吐出口12Bを有する二重管、(c)は内壁9A、外管9Bおよび中管9Cからなり、内管吐出口12A、外管吐出口12Bおよび中管吐出口12Cを有する三重管である。これら注入管路9は地盤8に埋設して設置される。
【0045】
図21の注入管路9もまた、図19と同様、二重管ダブルパッカー注入管路であって、内管9Aおよび外管9Bから構成される。内管9Aは先端部分に上下に離れてパッカー19、19を備え、これらパッカー19、19間の側壁には内管吐出口12Aを有する。このような内管9Aはパッカー19、19部分で外管9Bの内壁を摺動しながら上下に移動自在である。また、外管9Bは軸方向に複数の吐出口12、12・・・12を有し、それぞれゴムスリーブ13によって覆われている。
【0046】
上述構成からなる二重管ダブルパッカー注入管路9は地盤8に穿設された注入孔14に挿入し、さらに、この注入孔14にスリーブグラウト15を充填し、固化することにより地盤8中に設置される。
【0047】
注入液の注入に際して、まず、内管9Aの上下パッカー19、19間に外管9Bの最下端の吐出口12が位置するように内管9Aを移動し、次いで、内管9Aを通して注入液を導入し、内管吐出口12Aから外管9Bの吐出口12を経て、スリーブグラウト15を破って地盤8中に浸透、注入する。
【0048】
続いて、外管9Bの次の吐出口12がパッカー19、19間に位置するまで内管9Aを引き上げ、上述と同様にして注入液を地盤8に浸透せしめ、この操作を最上端の吐出口12に至るまで繰り返して注入を完了する。外管9Bは地盤8中に埋め殺しにする。
【0049】
図22の注入管路9もまた、上述と同様、二重管ダブルパッカー注入管路であって、内管9Aおよび外管9Bから構成される。内管9Aは先端部分に上下に離れてパッカー19、19を備え、これらパッカー19、19間の側壁には内管吐出口12Aを有し、図21と同様に作動する。注入に際して、図19と同様にして袋パッカー17に硬化物を填充して袋パッカー17、17・・・17を膨脹させ、パッカー17、17を形成する。次いで、上下の袋パッカー17、17間の外管吐出口12から内管9Aを通して注入材を地盤8中に注入する。
【0050】
図23の注入管路9は一本の注入管中に複数の注入管路、例えば三本の注入管路9a、9b、9cを、これらの吐出口12、12、12がそれぞれ軸方向の異なる位置に開口するように設けて構成される。これら吐出口12、12、12はそれぞれゴムスリーブ13、13、13で覆われる。
【0051】
以下、本発明にかかる地盤注入工法、すなわち地盤注入液を地盤中に設置された複数の注入管を通して地盤中に注入し、該地盤を固結する地盤注入工法について詳述する。
【0052】
本発明にかかる地盤注入工法は上述の本発明地盤注入装置を用いて行なう。この地盤注入装置としては、例えば図1に示されるように、注入液を加圧する注入液加圧部Yと、この加圧部Yに連結され、それぞれ前記複数の注入管路9、9・・・9に通じる、分岐バルブV1 、V2 ・・・Vi 、Vn 、および必要に応じて分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn と分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn のいずれか一方または両方の装着された複数本の分岐管S、S・・・Sを有し、前記加圧部Yからの加圧注入液を各分岐管S、S・・・Sに分配して各注入管路9、9・・・9に送液する注入液分配部Zと、注入液加圧部Yから注入液分配部Zへの加圧注入液の送液系Aすなわち、導管7に備えられた送液流量計f0 および/または送液圧力計P0 と、送液流量計f0 および/または送液圧力計P0 、注入加圧部Y、分岐バルブV1 、V2 ・・・Vi 、Vn 、および分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn と分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn のいずれか一方または両方とそれぞれ信号回路によって接続された、操作盤X2、注入記録盤X3およびデータ入力装置X4を注入監視盤X1に接続して構成される制御部Xを備えた装置が用いられる。
【0053】
なお、分岐バルブV1`n は必ずしも信号回路によって接続されなくてもよい。あらかじめバルブのしぼりを所定の値にセットしておき、所定量注入し終わったら、あるいは所定圧力に達したら、分岐管S、S・・・Sを他の注入管路9、9・・・9に連結換えすることにより注入中のバルブ制御を必要としないからである。
【0054】
上述の地盤注入装置において、図1に示されるように、注入液分配部Zに、さらに、送液系A(導管7)と連結された加圧注入液分配容器6を備えてもよい。この場合、各分岐管S、S・・・Sは図1に示されるように、分配容器6からそれぞれ伸長するように備えられ、加圧部Yからの加圧注入液を分配容器6を介して各分岐管S、S・・・Sに分配する。分配容器6は加圧注入液を各分岐管S、S・・・Sに同一条件下に噴出することができるので効果的である。すなわち、分岐管S、S・・・Sは分配容器6を経ずに、長い導管に直接接続されると、管内に圧力勾配か生じてしまい、このため、加圧注入液は同一条件で噴出されにくく、各分岐管S、S・・・Sへの吐出量にちがいが生じ、これを防ぐために分配容器6を用いることが好ましい。なお、送液圧力計P0 は分配容器6に設けることもできる。
【0055】
さらに、複数本の分岐管S、S・・・Sは分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn および/または分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn の上流側にそれぞれオリフイスO1 、O2 ・・・Oi 、On を装着してもよい。
【0056】
制御部Xの操作盤X2、注入記録盤X3およびデータ入力装置X4は制御部Xに内蔵して注入監視盤X1に接続されるか、あるいは制御部Xの外から信号回路によって制御部Xに接続される。
【0057】
上述の地盤注入装置を用い、まず、分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn および/または分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn の所望の設定値、すなわち、地盤状況に合わせた所望の設定値または限界範囲を各分岐管S、S・・・S毎に制御部Xのデータ入力装置X4に記憶させる。
【0058】
次いで、送液流量計f0 および/または送液圧力計P0 、あるいは、分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn および/または分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn からの注入中のデータを各分岐管S、S・・・S毎に逐次、制御部Xの注入記録盤X3に記録する。
【0059】
分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn および/または分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn のデータが設定値に達したか、あるいは設定値を越え、所定の限界範囲を越えたことを制御部Xの注入監視盤X1が示した場合、制御部Xの操作盤X2により、各分岐管S、S・・・S毎に分岐バルブV1 、V2 ・・・Vi 、Vn および/または注入液加圧部Yを作動して送液を調整し、あるいは分岐バルブV1 、V2 ・・・Vi 、Vn を閉じて注入を終了し、残りの分岐管S、S・・・Sについて分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn および/または分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn が設定値に達したり、あるいは設定値を越えた場合、同様の操作を繰り返して注入を行なう。
【0060】
上述操作において、必要に応じて手動の操作を行なってもよい。また、注入が所定量に達して終了した分岐管、あるいは注入圧力が限界値に達して注入を終了した分岐管については、分岐バルブV1 、V2 ・・・Vi 、Vn をリターン管路Rに切り換えることにより、前記終了した分岐管からの加圧注入液を停止することなく注入を終了することができる。すなわち、加圧注入液は停止せずにそのまま流れ続けるのであるから、注入の部分的終了があっても加圧注入液の条件は変化しない。このため、注入加圧部Yを調整しなくても、全分岐管の注入が完了するまで同一条件下で注入が達成される。
【0061】
なお、この場合、図16に示されるように、分岐バルブV1 、V2 、V3 ・・・Vi 、Vn をリターン管路Rに切り換えずに、分岐管S、S・・・Sの連結部SO、SO・・・SOを第1注入ブロックから他の注入ブロック、すなわち、第2注入ブロックの注入管路に切り換え、注入をそのまま連続することもできる。
【0062】
本発明地盤注入工法では、このようにして地盤8中に設置された複数の注入管路9、9・・・9を通じてほぼ同一深度の注入ステージに注入液を注入して連続した版状の固結層、すなわち、図1の第一改良ブロックを形成し、この注入を繰り返し、例えば、この下層にさらに版状の固結層、すなわち、第二改良ブロックを形成し、積層体とする。
【0063】
本発明において、ほぼ同一深度とは、例えば横方向に注入するトンネル掘削工事等では、水平方向にほぼ同一の注入管長の注入深度も意味する。また、本発明において、第一改良ブロック、第二改良ブロクとは図1に示されるように、垂直方向に設ける場合もあるし、図24のように水平方向に設ける場合もある。
【0064】
この場合、上述したように、送液流量計f0 および送液圧力計P0 の情報が制御部Xに送られ、その情報に基づき制御部Xが注入液加圧部Yに指示してインバーダ3を調整し、最適の注入速度F0 、注入圧力P0 になるように制御することができる。すなわち、図1に示されるように、分岐管S、S・・・Sにそれぞれ分岐流量計f1 、f2 ・・・fi 、fn や分岐圧力計P1 、P2 ・・・Pi 、Pn を設け、その情報を制御部Xに伝達し、所定の範囲内の注入速度f0 、注入圧力P0 で加圧注入液を注入し得ることはもちろん、特に、地盤条件に変化がある場合、あるいは垂直方向の吐出口から同時に注入する場合にも同様に注入が可能である。また、図1のように、水平方向のブロック毎の地盤条件がほとんど同じの場合、分岐圧力計や分岐流量計のない簡素な装置を用いてほぼ同一の土層あるいは深度に対して平面的に間隔をあけて設けた複数の注入管路から同時注入することにより、簡便な注入が可能である。この場合、改良ブロックにおける各注入管路の平均注入速度が制御されるとともに、全注入量も制御され、加圧注入液の所定流量ないし、所定圧力をもって、該注入液を一つの送液部Yから複数の注入管路9、9・・・9に同時に送液し、注入し、広範囲の地盤8を急速かつ簡便に改良することができる。
【0065】
さらに詳述すると、一般に、土層は水平方向に透水係数がほぼ同一である。このような地盤条件では、透水係数は垂直方向よりも水平方向に大きい。このことを利用して図1に示すように水平方向に改良ブロックを想定する。そして、この想定改良ブロックに複数の吐出口を設置して同時注入すれば、各管路の流量を測定しなくても各吐出口からはほぼf0 n (f0 は送液流量計における毎分流量を示す。)の注入速度で注入がなされる。この場合、水平方向の土層のばらつきにより一部の吐出口の注入量が少なくなっても、その分、他の吐出口に注入量が自動的に分配され、結果的にはブロック全体として所定量の注入がなされ、全体として均質に固結される。
【0066】
このようにして土層毎に注入ステージをとって、固結層を例えば上から下に積層することにより、たとえ上部の注入が不充分であっても、下部の改良ブロックの注入液の一部が上部の不充分な固結部に自動的に移向し、全体として均等に改良することができる。そして、改良ブロックが完了すると、次いで、分岐管S先端の連結部SOを他の想定改良ブロックに設けた複数の注入管路に連結して注入し、この操作を繰り返して、順次改良ブロックを形成し、全固結対象地盤を改良する。
【0067】
分岐管の連結部SOを他の改良ブロックに連結換えする例を図16に示す。この例では同一深度において第一の注入ブロックの注入が終わったら、他の第二の注入ブロックの注入管路に連結換えを行ない、順次に深度を下方に移向する方法を示している。
【0068】
注入工法の原理は土粒子間隙の水を注入液に置き換えることにある。このため、同時注入工法において、大容量土に多数の吐出口から同時注入しても、土中水が注入液により逃げ場を失えば、地盤中に水のポケットが生じ、あるいは注入液が水で稀釈されて目的とする注入が達成できなくなる。これを防止するために、本発明者は例えば図24に示されるように、固結対象の地盤8にほぼ同一土質条件を有する想定改良ブロック(1)、(2)、(3)、(4)、(5)を定め、図示しない複数の吐出口から、まず、間隔をあけて定められた想定改良ブロック(1)および(2)に同時注入して地下水をブロック外に排除し、次いで、想定改良ブロック(3)、(4)、(5)に上述と同様に同時注入して地下水をブロック外に排除し、順次に全体を固結してほぼ同一土層を地下水を逃がしながら固結することを見い出した。図25は図24と同様にして多層にわたり全体を固結する例である。
【0069】
図14は注入管路9として図17に示される複数本の細管10、10・・・10を束ねて構成される注入管路9を複数本地盤8中に設置し、分配容器6として図6および図7に示される多段型の分配容器6を用いた地盤注入の例を示す。
【0070】
注入管路9、9・・・9は軸方向に異なる位置の各吐出口12、12・・・12が地盤8中の土層の異なる第1〜第nステージのそれぞれに位置するように地盤8中に設置される。
【0071】
一般に、沖積層は水平に滞積しているため、水平方向の透水係数は垂直方向のそれよりも大きい。したがって、図14において、第1ステージの土層はいずれの吐出口付近でもほぼ同じ透水係数で、例えば中砂であり、また、第nステージの土層もいずれの吐出口付近でもほぼ同じ透水係数で、例えば細砂である。なお、図11において、分配容器6はNo.11 〜No.nn 個の例を示したが、これを連続した一個とすることもできる。
【0072】
そして、図14の装置を用いて地盤注入を施工するに際し、例えば第1ステージにおいて注入に先立ち、注水試験を行って図26に示されるP−q曲線(曲線1)、すなわち、P(注入圧力P)−q(注入速度ないしは流量l/分)曲線を出す。図26は注入圧−流量(毎分注入量)曲線である。図26において、O1 点までは注入速度と注入圧力は比例関係にあり、地盤破壊は生ぜず、完全な浸透注入となる。しかし、O1 〜O2 点までは注入速度と注入圧力は比例関係になく、部分的に割裂は生じるが、地盤が破壊して注入液が逸脱する注入圧力の低下はみられない。このO2 点の注入圧力を限界注入圧Pr0、限界注水速度(流量)qr0とする。このようにして、地盤が破壊する限界注入圧力Pr0および限界注入流量qr0(注入速度)を知ることができる。
【0073】
また、注水試験と異なり、薬液を注入する場合、注入が進行するにつれて地盤は強化される。図26において、F1 点までは直線関係にあり、F1 〜F2 点までの間は直線ではないが破壊には至っていない。したがって、F2 点におけるPrfを限界圧力、qrf限界注入流量とする。このようにして、最終的な限界注入圧力および限界注入流量(注入速度)をそれぞれPrfおよびqrfとして設定して設計注入量(積算注入量)の注入をこの限界内で行なうこととする。そして、この設計注入量が注入されたら注入終了とし、もし、設計注入量に達しないうちにこの限界注入圧力に達した場合にはその時点で注入を終了する。
【0074】
ここで、図14において注入管路Tの本数nをn=100として、オリフイス口径=1.0mmとし、送液流量計f0 =150l/分とし、注入管路(T1 〜T100 )の第1ステージに位置する吐出口から同時注入したところ、分岐圧力計P11は2kg/cm2 、分岐流量計f11は1.5l/分、送液圧力計P0 =30kgf /cm2 を示した。第1ステージにおける注入前の透水試験ではq1r0 =5l/分であった。また、q1r0 =5kgf /cm2 であった。P1rf =7.5kgf /cm2 (P1r0 の1.5倍)と設定した。また、注入管路T11における計画注入量はQ11=100lに設定した。注入中のP1 の注入圧力は3.0kgf /cm2 以内、平均注入速度q1 =1.5l/分で100lの注入が完了した。
【0075】
第1ステージの土層はほぼ同一の透水性ではあるが、各吐出口1〜nのqは多少ともばらつきがある。このため各吐出口における所定の100lの注入が完了する時間はそれぞれ異なる。このため、制御部Xからの指示と注入が完了した吐出口から順次、所定の電磁バルブが作動してオフになる。いくつかのバルブ、例えば10個のバルブ、すなわち、10%のバルブがオフになると、残りの吐出口からの流量は増大し、かつ送液圧力計P0 注入圧力も増大する。これを是正して適正圧力範囲、適正流量範囲にもどすために制御部Xから加圧部Yに指示し、インバータを調節して流量を1割減少し、送液流量計f0 の毎分流量を135l/分とし、残りの吐出口からの平均注入速度を1.5l/分とする。
【0076】
また、吐出口数が同一で、注入速度qを一定に保つ場合、注入が進行して地盤中のゲル化が進行するにつれて注入圧が増大する。この場合、注入圧が限界点P1rf =7.5kgf /cm2 に達すれば、その吐出量が所定注入量に達しないまま注入を完了しても、充分な注入効果を得たとみなす。したがって、あらかじめP1rf =7.5kgf /cm2 が限界値として入力された制御部Xからの指示により電磁弁がオフになり、その吐出口の注入が完了する。
【0077】
同時に、いくつかの吐出口の注入圧が限界に達し、あるいは所定注入量に達した時点で、制御部Xからの注入液加圧部Yへの指示により、残りの吐出口の平均注入速度が所定の範囲内におさまるようにインバータが制御され、送液流量計f0 の流量が低減され、注入が続くという工程がくり返される。
【0078】
このようにして、吐出口からの同時注入による浸透固結はステージ毎に平面的に達成されてスラブが形成される。この固結層は第1ステージから第nステージまで連続的に形成される。さらにまた、吐出口からの同時注入による浸透固結は垂直方向にも形成することができ、さらには水平方向および垂直方向の両方に、同時に進行させることもでき、また、透水性の大きな層の吐出口、あるいは透水性の大きな部分に開口した吐出口から選択的に注入することもできる。また、図14において、送液バルブV01〜V0nまでを同時に注入することも、もちろん可能である。
【0079】
図14において、注入管路Tとして図17に示される複数本の細管10、10・・・10束ねて構成される注入管路9を複数本地盤8中に設置する。また、分配容器6からの分岐管S、S・・・Sの少なくとも一本には分岐圧力計P1`n を設けておく。この注入管路9、9・・・9(図14では注入管路をTとして表現する。)は軸方向に異なる位置の吐出口12、12・・・12が地盤中の土層の異なる第1〜第nステージのそれぞれに位置するように地盤8中に設置される。次いで、送液バルブV01〜V0nのうち、V01のみを開き、第1の分配容器6から、吐出口12が第1ステージに位置する注入管路9(T1 〜Tn )の細管10(T11〜Tn1)へ注入液を同時に送液し、細管T11〜Tn1を通して第1ステージに注入する。
【0080】
各分配容器からの分岐管の数をn=100とし、オリフイスの口径を1.0mmとし、送液圧力計P0 の圧力=30kgf /cm2 で送液流量計の流量f0 =150l/分とすると、吐出口からの平均注入速度は1.5l/分である。事前の透水試験によりP1r0 =6kgf /cm2 、q1r0 =4l/分であり、分岐圧力計に示される初期注入圧力P10が6kgf /cm2 以内であれば、地盤を破壊することなく粒子間浸透される
【0081】
注入が進行し、第1ステージにおけるn(=100)の吐出口の全注入量Q1 =100l×100=10000lの注入が限界注入圧力P1f(=1.5×P1r0 と設定)以内で注入できれば、送液バルブV01を閉じて第1ステージの注入を終了し、送液バルブVO2のみを開き、第2ステージの注入に移向する。
【0082】
第2ステージにおける改良ブロックの設定注入量は5000lとし、送液流量計の流量f0 =150l/分で、P0 は30kgf /cm2 である。事前の透水試験によりP2r0 =4kgf /cm2 、q2r0 =5l/分、P2rf =6kgf /cm2 とす る。注入初期において、分岐流量計fi および分岐圧力計Pi の情報が制御部Xに送られる。注入初期では分岐流量計の平均流量f20=1.5l/分で、分岐圧力計P20は平均4kgf /cm2 以下であったが、途中から圧力が4kgf /cm2 を越えたため、制御部Xから注入液加圧部Yのインバータ3への指示により送液流量計の流量f0 を100l/分とし、送液圧力計P0 の圧力P0 を25kgf /cm2 に落として分岐圧力計が平均4kgf /cm2 以下で注入した。
【0083】
全注入量が5000lになる前に、すなわち、4500lで、分岐圧力計の圧力P2 が6kgf /cm2 以上に達したため、制御部Xの指示で送液流量計の流量f0 を80l/分に落としたが、その分岐圧力計P2 がP2rf の値6kgf /cm2 よりも下がらないため、第2ステージの注入を終了した。このようにして第nステージまで繰り返した。
【0084】
図15は本発明の他の具体例の装置であって、注入液分配部Zに図11の分配容器6を複数個並列設置せしめ、各分配容器の分岐管を各注入ステージ毎に対応させた例であって、水平方向にほぼ同一の地盤条件の注入に適しており、地盤改良が簡便となる。以下、この装置を詳述する。
【0085】
まず、図14と同様、注入管路Tとして図17に示される複数本の細管10、10・・・10束ねて構成される注入管路を複数本地盤8中に設置する。この注入管路は軸方向に異なる位置の吐出口12、12・・・12が地盤中の土層の異なる第1〜第nステージのそれぞれに位置するように地盤8中に設置される。水平方向の土層の地盤条件がほぼ同一の場合はn本の分岐管のうち、一本のみに代表として分岐流量計と分岐圧力計を設けてもよい。
【0086】
注入加圧部を作動して分配容器6から、吐出口12が第1ステージに位置する注入管路の細管10から注入液を同時に送液し、注入管路T11〜Tn1を通して第1ステージに注入する。第1ステージにおける1注入管路からの計画注入量は100lとする。第1注入ブロックにおけるn=100の注入管路からの全注入量は100×100=10000lである。
【0087】
各分配容器からの分岐管の数をn=100とし、各シボリバルブの開度を一定にしぼって、送液圧力計P0 の圧力=30kgf /cm2 で送液流量計の流量f0 =150l/分とすると、吐出口からの平均注入速度は1.5l/分である。事前の透水試験によりP1r0 =6kgf /cm2 、q1r0 =4l/分であり、初期注入圧力P10が6kgf /cm2 以下であれば、地盤を破壊することなく粒子間浸透される。
【0088】
水平方向の土層の特性がほぼ同一の場合を以下に述べる。
注入が進行し、第1ステージにおけるn(=100)の吐出口の全注入量Q1 =100l×100=10000lの注入が限界注入圧力P1f(=1.5×P1r0 と設定)以内で注入できれば、第一注入ブロックの第1ステージの注入を終了し、分岐管の連結部を第二ブロックの注入管路に連結換えして第二ブロックの第1ステージの注入に移向して全注入ブロックの第1ステージを終了する。
【0089】
第2ステージにおける改良ブロックの設定注入量は5000lとし、事前透水試験によりP2r0 =4kgf /cm2 、q2r0 =5l/分、P2rf =6kgf /cm2 とする。注入初期において、送液流量計f0 、送液圧力計P0 および分岐圧力計P2 、分岐流量計f2 の情報が制御部Xに送られる。注入初期では送液流量計の流量f0 =150l/分で、P20は4kgf /cm2 以内であったが、途中から分岐圧力計P2 の圧力が4kgf /cm2 を越えたため、制御部Xから加圧部Yのインバータ3への指示により送液流量計の流量をf0 を100l/分とし、送液圧力計P0 の圧力P0 を25kgf /cm2 に落として注入した。
【0090】
全注入量が5000lになる前に、すなわち、4500lで、分岐圧力計P2 の圧力が6kgf /cm2 に達したため、制御部Xの指示で送液流量計の流量f0 を80l/分に落としたが、P2 が6kgf /cm2 よりも下がらないため第一注入ブロックの第2ステージの注入を終了した。
【0091】
以上の工程を順次に繰り返し、全注入ブロックにおいて第1ステージから第nステージまでの注入を完了した。上述において、平面的に地盤の特性が異なる場合、あるいは各注入管路における注入圧力、流量を正確に把握する必要がある場合、あるいは図14のように垂直方向の複数の吐出口から同時に注入する場合は、各分岐管毎に分岐流量計、分岐圧力計を設けるのが望ましい。
【0092】
この場合の例を図16で説明すれば、第一ブロックの第1ステージの注入においてT11〜Tn1の注入管路のうちのいずれかの注入が他よりも早く所定の注入量が完了したか、あるいは限界注入圧力に達した状態になる毎に、その分岐管の連結部を第二注入ブッロクの所定の注入管路に連結換えをすることを繰り返していくことによって、インバータを制御することなく連続して注入を継続することができる。
【0093】
以上を各注入ブロックの第nステージまで繰り返すことにより、簡便に急速施工が可能になる。このような手法は図1、図14、図15の注入システムにおいて、一つの注入液分配部を用いて適用することができる。
【0094】
【発明の効果】
上述の本発明地盤注入装置および工法は注入液加圧部と、複数の分岐管を備えた注入液分配部と、前記加圧部から分配部への送液系に備えられた送液流量計および/または送液圧力計、これらと信号回路によって接続された制御部と、前記各分岐管に連結され、改良すべき地盤中に複数本の注入管が設置された注入部とを備えた地盤注入装置からなる。さらに、この装置を用いた地盤注入工法からなる。
【0095】
そして、制御部が送液流量計および/または送液圧力計からの情報を受け、あるいは各分岐管に装着された分岐流量計および/または分岐圧力計からの情報を受け、これら情報に基づいて、加圧部、あるいは分岐管に装着された分岐バルブを制御し、送液を地盤状況に応じて自動的に行なう。
【0096】
したがって、地盤中に設置した複数本の注入管から、対象とする土層に注入液を注入して該地盤を改良するに際して、最適な設定流量ないしは設定圧力をもって注入液を同時に、かつ自動的に注入し、これにより、広範囲の地盤を急速かつ確実に改良する。
【図面の簡単な説明】
【図1】地盤注入装置の一具体例の説明図である。
【図2】図1における注入液分配部の他の具体例の説明図である。
【図3】図1における注入液加圧部の他の具体例の説明図である。
【図4】環状型の分配容器の説明図である。
【図5】ドラム型の分配容器の説明図である。
【図6】多段型分配容器の正面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】多段分岐体を用いた具体例である。
【図9】多段分岐体を用いた他の具体例である。
【図10】多方向分岐体を用いた具体例である。
【図11】多方向分岐体を用いた他の具体例である。
【図12】図1における注入液分配部の他の具体例の説明図である。
【図13】図1における注入液分配部のさらに他の具体例の説明図である。
【図14】本発明にかかる地盤注入装置の他の具体例の説明図である。
【図15】本発明にかかる地盤注入装置の他の具体例の説明図である。
【図16】本発明にかかる地盤注入装置のさらに他の具体例の説明図である。
【図17】図1における注入部の注入管路の一具体例であって、地盤中に設置された状態を表した断面図である。
【図18】図1における注入部の袋パッカーを備えた注入管路の一具体例であって、地盤中に設置された状態を表した断面図である。
【図19】二重管ダブルパッカーの一例である。
【図20】図1における注入部の注入管路の他の一具体例であって、(a)は単管、(b)は二重管、(c)は三重管を表した断面図である。
【図21】二重管ダブルパッカーの他の一例である。
【図22】図1における注入部の注入管路のさらに他の具体例であって、二重管の内管を上方にスライドさせて注入する状態を表した断面図である。
【図23】図1における注入部の注入管路のさらに他の具体例であって、注入管中に複数の注入管路を、これらの吐出口が軸方向の異なる位置に開口するように設けてなる断面図である。
【図24】水平方向固結層の形成態様を表した一具体例である。
【図25】図24の固結層の積層固結層の形成態様を表した一具体例である。
【図26】注入圧力と注入速度との関係を表したグラフである。
【符号の説明】
A 本発明にかかる地盤注入装置
R リターン管路
X 制御部
X1 注入監視盤
X2 操作盤
X3 注入記録盤
X4 データ入力装置
Y 注入液加圧部
Z 注入液分配部
W 注入部
0 送液流量計
0 送液圧力計
0 送液バルブ
S 分岐管
f1`n 分岐流量計
P1`n 分岐圧力計
V1`n 分岐バルブ
V 分岐バルブ
O1`n オリフイス
1 グラウトポンプ
2 注入液槽
3 コンプレッサー
4 加圧容器
5 注入液
6 分配容器
7 導管
8 地盤
9 注入管
10 細管
12 吐出口
14 注入孔
17 袋パッカー
18 空間
19 パッカー

Claims (12)

  1. 地盤注入液を地盤中に設置された複数の注入管路を通して地盤中に注入し、該地盤を固結する地盤注入装置において、該注入液を加圧する注入液加圧部と、前記複数の注入管路に通じる複数の分岐管を有し、前記加圧部からの加圧注入液を各分岐管に分配して前記各注入管路に送液する注入液分配部と、前記注入液加圧部から前記注入液分配部に通じる加圧注入液の送液系に備えられた送液流量計および/または送液圧力計と、前記送液系に備えられた送液バルブと、前記分岐管に備えられた分岐バルブとを備え、前記送液流量計および/または送液圧力計からの情報に基づいて前記注入液加圧部、送液バルブおよび分岐バルブを作動し、加圧注入液の所定の流量ないし圧力をもって該注入液を一つの送液系から複数の注入管路に同時に送液して注入し、これにより、広範囲の地盤を急速かつ確実に改良することを特徴とする地盤注入装置。
  2. 請求項1において、さらに制御部を備え、この制御部は送液流量計および/または送液圧力計に信号回路によって接続され、さらに、注入液加圧部、送液バルブおよび分岐バルブに信号回路によって接続され、前記送液流量計および/または送液圧力計からの情報に基づいて前記注入液加圧部、送液バルブ、および分岐バルブを作動するようにした請求項1に記載の地盤注入装置。
  3. 請求項1において、複数本の分岐管はそれぞれ先端に注入管路との連結部を備えてなる請求項1に記載の地盤注入装置。
  4. 請求項1において、前記分岐管は分岐バルブを装着し、この分岐バルブは信号回路により制御部に接続され、前記送液流量計および/または送液圧力計からの情報に基づき、分岐バルブのオンオフおよびしぼり制御、リターン管路への切換え制御、または水洗管路への切換え制御が行なわれる請求項1に記載の地盤注入装置。
  5. 請求項1において、前記分岐管の少なくとも一本はさらに分岐流量計および/または分岐圧力計を装着し、これら分岐流量計および/または分岐圧力計は信号回路によって制御部に接続され、前記分岐流量計および/または前記分岐圧力計からの情報に基づき、前記注入液加圧部、分岐バルブおよび送液バルブのいずれか一つまたは二つ以上を作動する請求項1に記載の地盤注入装置。
  6. 請求項1において、前記分岐管は分岐バルブおよび必要に応じてオリフイスを装着するとともに、さらに分岐流量計および/または分岐圧力計を装着し、分岐流量計および/または分岐圧力計からの情報に基づいて分岐バルブのオンオフおよびしぼり作動、リターン管路への切換え作動および水洗回路への切換え作動のいずれか一つまたは二つ以上を行なう請求項1に記載の地盤注入装置。
  7. 請求項1において、注入液加圧部における注入液の加圧はポンプまたはコンプレッサーによって行なわれる請求項1に記載の地盤注入装置。
  8. 請求項1において、各分岐管における加圧注入液の流量は注入加圧部の制御、分岐バルブのオンオフとしぼりおよびオリフイスの口径または数のいずれか一つまたは二つ以上を選定することによって定められる請求項1に記載の地盤注入装置。
  9. 請求項1において、複数の注入管路は複数の細管を、これらの吐出口が軸方向の異なる位置に開口するように束ねて構成され、あるいは注入管中に複数の注入管路を、これらの吐出口が軸方向の異なる位置に開口するように設けて構成される請求項1に記載の地盤注入装置。
  10. 地盤注入液を地盤中の設置された複数の注入管路を通して地盤中に注入し、該地盤を固結する地盤注入工法において、該注入液を加圧する注入液加圧部と、前記複数の注入管路に通じる複数の分岐管を有し、前記加圧部からの加圧注入液を各分岐管に分配して前記各注入管路に送液する注入液分配部と、前記注入液加圧部から前記注入液分配部に通じる加圧注入液の送液系に備えられた送液流量計および/または送液圧力計と、前記送液系に備えられた送液バルブと、前記分岐管に備えられた分岐バルブとを備えた地盤注入装置を用い、送液流量計および/または送液流量計の値が所定値に達したか、または限界範囲を越えたかの情報に基づいて注入液加圧部、送液バルブまたは分岐バルブを作動して送液を調整し、注入を行うことを特徴とする地盤注入工法。
  11. 請求項10において、地盤注入装置がさらに制御部を備え、この制御部は送液流量計、送液圧力計、分岐流量計および分岐圧力計のいずれか一つまたは二つ以上に信号回路によって接続され、さらに、注入加圧部、送液バルブおよび分岐バルブのいずれか一つまたは二つ以上に信号回路によって接続され、前記送液流量計、送液圧力計、分岐流量計および分岐圧力計のいずれか一つまたは二つ以上からの情報に基づいて注入液加圧部、送液バルブおよび分岐バルブのいずれか一つまたは二つ以上を作動して送液を調整し、注入を行う請求項10に記載の地盤注入工法。
  12. 請求項11において、前記地盤注入装置が操作盤、注入記録盤およびデータ入力装置を有し、まず、送液流量計、送液圧力計、分岐流量計および分岐圧力計のいずれか一つまたは二つ以上の所望の設定値あるいは限界値の範囲を制御部のデータ入力装置に記憶しておき、次いで、送液流量計、送液圧力計、分岐流量計および分岐圧力計のいずれか一つまたは二つ以上からの注入中のデータを制御部の注入記録盤に記録し、送液流量計、送液圧力計、分岐流量計および分岐圧力計のいずれか一つまたは二つ以上のデータが設定値に達したか、あるいは限界値の範囲を越えたことを制御部の注入監視盤が示した場合、制御部の操作盤により送液バルブ、分岐バルブおよび注入液加圧部のいずれか一つまたは二つ以上を作動して送液を調整し、注入を行う請求項11に記載の地盤注入工法。
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