JP6745077B2 - 乳感に優れたuht殺菌乳入り飲料 - Google Patents

乳感に優れたuht殺菌乳入り飲料 Download PDF

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Description

本発明は、UHT殺菌して製造されているにも関わらず、乳感に優れた容器詰めの乳入り飲料、及びその製造方法に関する。
ミルクティやミルクコーヒーなどの乳入り飲料は、乳が有する、まろやかなコクを伴なう乳感によって、紅茶やコーヒーなどの素材本来の持つ香味に、優しく芳醇な香味が加わることで、より嗜好性の高い飲料となっている。
これら乳入り飲料は、殺菌技術をはじめとする飲料製造技術の向上にともない、保存可能な容器詰めの飲料として販売されている。また、微生物制御の観点から、かつては、乳入り飲料はレトルト殺菌が必須であったためレトルト殺菌に耐性のある缶などの容器にしか充填できなかったが、最近ではPETボトルにも充填できるようになって、更に手軽に飲める嗜好性飲料となっている。
乳入り飲料を容器詰め飲料に加工する場合、乳入り飲料製造のための乳原料の使用量には限度があるなどの理由で、容器詰め乳入り飲料においては、飲用した際に乳感が十分に感じられる乳入り飲料を製造することが難しいという問題があった。従って、乳感に優れた乳入り飲料を提供するには、該問題を解決することが課題として生じていた。
そのため、従来より容器詰め乳入り飲料の乳感を増強するという技術について、いくつか提案がなされてきた。特許文献1は、カフェオフラン又はその類縁体からなる乳含有飲食品用添加剤を開示している。また、特許文献2は、乳又は乳製品のリパーゼ処理及び/又は乳酸菌による発酵処理により得られる処理物を有効成分として含有することを特徴とする乳飲料又は発酵乳の風味改良剤を開示している。これらはいずれも乳入り飲料の乳感を増強することができる旨記載されている。
また、特許文献3には、ゼロカロリーのミルク入り飲料において、脂質、タンパク質、及び炭水化物のエネルギー量、及びナトリウム濃度を特定の範囲にすることで、該飲料の風味、乳感、甘味感のバランスが維持できることが記載されている。
更に、特許文献4には、特定の範囲の脂肪分濃度と無脂乳固形分濃度に成分調整された原料還元乳を、特定の条件で均質化処理した、生乳感の高い還元乳、及び該還元乳を使用して製造する乳入り紅茶、乳入りコーヒー、乳入りココアなどの乳入り飲料が記載されている。
特許文献5には特定条件のレトルト殺菌を行うことにより製造される、乳入り缶飲料が開示されている。該乳入り缶飲料は、良好な乳感を伴なったすぐれた飲料の風味、味覚を有する旨の記載がある。また、同一の出願人から、レトルト殺菌により製造される乳入り缶コーヒー飲料として、還元性単糖を添加するもの(特許文献6)や、金属プロテアーゼまたはセリンプロテアーゼを添加、反応させるもの(特許文献7)が開示されており、これらの飲料も優れたコーヒー感及び乳感を有すると記載されている。
一方で近年、牛乳、乳飲料、加工乳、清涼飲料水、ミネラルウオーター等の流体食品製品の製造において、その流体食品製品の製造のための殺菌処理の主流となっているUHT殺菌法(Ultra High Temperature heating method)は、無菌充填機との組合わせで、ロングライフ牛乳等の乳製品の製造における殺菌処理にも繁用されている。UHT殺菌はレトルト殺菌とは異なり連続殺菌が可能であるという大きなメリットを有する。しかしながら、発明者は該UHT殺菌を容器詰め乳入り飲料の製造に適用した場合には、レトルト殺菌を行った容器詰め乳入り飲料と比較し、乳感の十分得られない容器詰め乳入り飲料しか得られないという問題を見出した。すなわち、UHT殺菌法は、特に、PETボトルのような、レトルト殺菌が難しい容器詰め乳入り飲料の殺菌手段としては、優れた殺菌処理方法として採用することができるが、該殺菌処理手段を容器詰め乳入り飲料の製造に適用した場合には、製造された製品の味覚からすれば、必ずしも満足のいく殺菌手段とはならない。
前記のとおり、従来より容器詰め乳入り飲料の乳感を増強するという技術について、いくつか提案がされてきたが、該先行技術は、いずれも特にUHT殺菌をした飲料に対して、乳感等の改善を行っているものではなかった。そのため、いずれの文献の実施例においても、レトルト殺菌した飲料か、無殺菌の飲料での乳感の評価しか行われていなかった。言い換えれば、UHT殺菌した乳入り飲料の乳感がレトルト殺菌した乳入り飲料の乳感に比べて劣っているという事実自体が認識されておらず、その結果としてその対応策についても全く取り組まれていなかったと言える。
他方で、環状ジペプチドの一種として、Cyclo(Pro-Arg)が知られている。この物質に関する報告は非常に少なく限定されており、乳入り飲料の香味、特に乳感に寄与する成分であるという報告はなく、また、乳由来素材中の成分であることの報告も確認できていない。
特開2008−79545号公報 特開2003−250482号公報 特開2013−39068号公報 特開2014−30395号公報 特開2001−275632号公報 特開09−205990号公報 特開09−271323号公報
本発明の課題は、UHT殺菌して製造されているにも関わらず、乳感に優れた容器詰めの乳入り飲料、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、レトルト殺菌とUHT殺菌を用いた容器詰めの乳入り飲料の製造条件及びその結果製造された乳飲料の成分について、鋭意検討する中で、加熱殺菌工程に起因する、乳入り飲料の成分の環状ジペプチドの一種である、Cyclo(Pro-Arg)の含量が容器詰めの乳入り飲料の乳感に関与し、UHT殺菌された乳入り飲料では、レトルト殺菌された乳入り飲料に比べてCyclo(Pro-Arg)の含量が不足することにより、乳感が劣るという現象を突き止めた。そして、UHT殺菌を用いた容器詰めの乳入り飲料の製造において、乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度を指標にし、かつ、容器詰めの乳入り飲料の該環状ジペプチドの含量を特定の濃度に調整することにより、優れた乳感を有する容器詰め乳入り飲料を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、UHT殺菌した乳入り飲料において、乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度が4〜1000ppm、好ましくは乳固形分1重量%に対し2ppm〜600ppmに調整されたことを特徴とする優れた乳感を有する容器詰め乳入り飲料からなる。UHT殺菌した乳入り飲料の製造に際して、乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度を上記濃度に調整することにより、UHT殺菌により、殺菌処理をした乳入り飲料においても、乳感に優れた乳入り飲料を提供することができ、従来缶容器で行われていたレトルト殺菌の適用が難しかった、PETボトルに充填された乳入り飲料の場合にも、その製造に適用して、レトルト殺菌をおこなった缶飲料に匹敵する優れた乳感を有するPETボトル詰め乳入り飲料を提供することが可能となった。
本発明者らは、缶入り容器詰め乳入り飲料に対しPETボトル詰め乳入り飲料の乳感が劣るという課題を解決するにあたり、その原因の一つと着目したのが、缶容器に充填した乳入り飲料との殺菌条件の違いであった。缶容器に充填された乳入り飲料の場合、通常はレトルト殺菌を行っているのに対し、PETボトルに充填された乳入り飲料の場合には、超高温短時間殺菌、すなわちUHT殺菌を行っている。UHT殺菌においては、通常、120〜160℃で10〜300秒間のような、極短時間の殺菌処理時間が採用されている。この殺菌条件の差が、乳感の有無に影響を与えているのではないかと推察した。
その推察を元に、レトルト殺菌した乳入り飲料とUHT殺菌した乳入り飲料、さらには加熱強度を変えた乳入り飲料を官能評価するとともに、成分の差異を網羅的に分析したところ、環状ジペプチドの一種である、Cyclo(Pro-Arg)が、乳入り飲料の加熱強度の違いにより増減すること、及びUHT殺菌品において未殺菌の乳飲料と比較しCyclo(Pro-Arg)が殆ど増加していないことを確認した。その知見をもとに、Cyclo(Pro-Arg)を指標にして、その濃度を制御することで、UHT殺菌した乳入り飲料においても、優れた乳感を有する容器詰め乳入り飲料が製造できることを見出し、該知見に基いて本発明を完成するに至った。
本発明の容器詰め乳入り飲料において、乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度は、乳入り飲料の原料中への、Cyclo(Pro-Arg)含量の高い乳由来原料の添加、乳入り飲料のUHT殺菌強度の調整、或いは、Cyclo(Pro-Arg)の添加により、調整することができる。
本発明の容器詰め乳入り飲料における乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度の調整において、Cyclo(Pro-Arg)含量の高い乳由来原料の添加は、予め乳由来素材を加熱加工処理し、Cyclo(Pro-Arg)含量を高めた乳由来原料を添加することによって行うことができる。
本発明の容器詰め乳入り飲料において、容器詰め乳入り飲料の容器としては、PETボトル、紙容器、又は缶を用いることができる。好ましくはPETボトルである。
本発明は、容器詰め乳入り飲料の製造方法において、飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度を指標に、UHT殺菌後の飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度が4〜1000ppm、好ましくは乳固形分1%に対し2ppm〜600ppmになるように制御することを特徴とする、優れた乳感を有する容器詰め乳入り飲料の製造方法の発明を包含する。該容器詰め乳入り飲料の製造方法において、乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度の調整を、予め乳由来素材を加熱加工処理することでCyclo(Pro-Arg)含量の高い乳由来原料を調整しておき、乳入り飲料の乳原料の一部又は全部として使用する方法により行うか、乳入り飲料のUHT殺菌強度を調整する方法により行うか、又は直接、Cyclo(Pro-Arg)を添加する方法により行うことができる。
また、本発明は、UHT殺菌を用いた容器詰め乳入り飲料の製造において、UHT殺菌後の乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度を指標とし、容器詰め乳入り飲料の製造条件を設定することを特徴とする容器詰め乳入り飲料の乳感の制御方法の発明を包含する。
すなわち、具体的には本発明は、[1]UHT殺菌した乳入り飲料において、乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度が4〜1000ppmに調整されたことを特徴とする優れた乳感を有する容器詰め乳入り飲料や、[2]乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度が乳固形分1重量%に対し2ppm〜600ppmとなるように調整されたことを特徴とする、前記[1]に記載の容器詰め乳入り飲料や、[3]乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度が、乳入り飲料の原料中への、Cyclo(Pro-Arg)含量の高い乳由来原料の添加、乳入り飲料のUHT殺菌強度の調整、或いは、Cyclo(Pro-Arg)の添加により、調整されたものであることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の容器詰め乳入り飲料や、[4]Cyclo(Pro-Arg)含量の高い乳由来原料の添加が、予め乳由来素材を加熱加工処理し、Cyclo (Pro-Arg)含量を高めた乳由来原料を添加するものであることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の容器詰め乳入り飲料や、[5]容器詰め乳入り飲料の容器が、PETボトル又は紙容器であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の容器詰め乳入り飲料からなる。
また、本発明は、[6]容器詰め乳入り飲料の製造方法において、飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度を指標に、UHT殺菌後の飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度が4〜1000ppmになるように制御することを特徴とする、優れた乳感を有する容器詰め乳入り飲料の製造方法や、[7]乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度の制御を、予め乳由来素材を加熱加工処理することでCyclo(Pro-Arg)含量の高い乳由来原料を調整しておき、乳入り飲料の乳原料の一部又は全部として使用する方法により行うか、乳入り飲料のUHT殺菌強度を調整する方法により行うか、又は直接、Cyclo(Pro-Arg)を添加する方法により行うことを特徴とする、前記[6]に記載の、優れた乳感を有する容器詰め乳入り飲料の製造方法や、[8]UHT殺菌を用いた容器詰め乳入り飲料の製造において、UHT殺菌後の乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度を指標とし、容器詰め乳入り飲料の製造条件を設定することを特徴とする容器詰め乳入り飲料の乳感の制御方法からなる。
本発明によって、UHT殺菌を用いて製造した乳入り飲料であっても、レトルト殺菌した飲料と同等の乳感を有し、優れた乳感を有する嗜好性の高い容器詰め乳入り飲料を提供することができる。本発明の容器詰め乳入り飲料の製造方法は、PET容器を用いた容器詰め乳入り飲料の製造に適用することができ、優れた乳感を有するPET容器詰め乳入り飲料を提供することができる。
図1は、Cyclo(Pro-Arg)の構造式を示す。
本発明は、UHT殺菌した乳入り飲料において、乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度が4〜1000ppm、好ましくは乳固形分1重量%に対し2ppm〜600ppmに調整された、優れた乳感を有する容器詰め乳入り飲料、及びその製造方法を提供することからなる。本発明において、乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度は、乳入り飲料の原料中へのCyclo(Pro-Arg)含量の高い乳由来原料の添加、乳入り飲料のUHT殺菌強度の調整、或いは、Cyclo(Pro-Arg)の添加により、調整することができる。
本発明で、「乳感」とは、牛乳等の乳を飲用した時に感じる、まろやかでコクのある、優しく芳醇な感じのことであり、味の濃さや固形物感などを指す。本発明において、「優れた乳感を有する」とは、レトレト殺菌法によって製造される増強された乳感に匹敵する乳感を有するものであり、UHT殺菌をした乳飲料において、「乳感」を増強し、「優れた乳感を有する」容器詰め乳入り飲料を提供するものである。
本発明で対象となる飲料は、容器詰めするに先立ち、UHT殺菌した乳入り飲料である。UHT殺菌は、超高温の金属チューブの中に殺菌対象となる液体を流すことにより連続的に殺菌できるという特徴を有する。その点で、通常はバッチ式の殺菌方法であるレトルト殺菌方法と異なる。元来は牛乳の殺菌に用いられていたが、近年、PETボトルに充填された清涼飲料、緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー等の殺菌にも用いられている。UHT殺菌した飲料はPETボトルの他、紙容器、缶、チルドカップ、パウチ容器などに充填される。通常のPETボトルに充填される乳入り飲料の場合、120〜160℃で10〜300秒間程度殺菌するのが普通である。
「乳入り」飲料とは、通常は牛乳又はそれ由来の素材を配合した清涼飲料水のことを指すが、牛乳以外であっても山羊など他の家畜の乳由来の成分が含まれていてもよい。その含量には制限はないが、「乳感」を増強するという目的からは、乳固形分量として0.5〜5.0重量%程度、好ましくは1.0〜3.0重量%程度、より好ましくは1.5〜3.0重量%程度含まれていることが望ましい。乳由来の成分は、全乳(全粉乳も含む)として加えてもよいし、そのほか脱脂粉乳や乳タンパクなどとして加えてもよい。
ここで乳固形分とは、牛乳から水分を除いた部分のことをいい、この量は、乳脂肪分と無脂乳固形分とをそれぞれ分析、定量してそれらを合算することで求めることができる。乳固形分が多くなると、当然乳感は増すが、沈殿や濁りが発生するリスクが増えたり、原料コストが高くなったりするといった問題点を生じる。
更に、乳を加える対象の「飲料」も、乳を添加することで香味や外観安定性に悪い影響を与えない限り、特に制限はなく、茶、コーヒー、ココア、果汁、抹茶、などが例示できる。従来から乳入り飲料として広く飲用されている、紅茶、コーヒー、ココアなどは好適な例として示され、その中でも特に紅茶とコーヒーが最も好適な対象となる。
本発明では、このUHT殺菌した乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)が、4〜1000ppm、好ましくは、5〜800ppm、より好ましくは8〜700ppm、さらに好ましくは9〜600ppmになるように調整される。また、このUHT殺菌した乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)は、該乳入り飲料の乳固形分1重量%に対して、2ppm〜600ppm、好ましくは2.5〜450ppm、より好ましくは4〜400ppm、さらに好ましくは5〜350ppmになるように調整される。ちなみに、通常のUHT殺菌した乳入り飲料では、乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の含量は、2〜4ppm未満、乳固形分1重量%に対し、2ppm未満である。
Cyclo(Pro-Arg)は、環状のジペプチドであり、その構造は、図1に示される。本発明において確認されたように、プロリンとアルギニンからなるジペプチドを加熱することにより、生成することができるが、Cyclo(Pro-Arg)は、ペプチド合成受託会社(例えば株式会社ペプチド研究所など)に依頼することで入手できるほか、酢酸を含む2−ブタノール中で、プロリン−アルギニンのジペプチドエステルを還流するなどして自ら調整することも可能である。乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の含量は、適当な分析系、例えば、液体クロマトグラフ質量分析系(LC−MS)を用いて定量分析することが可能である。
乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度の調整方法については特に制限はないが、具体的方法として、(1)乳入り飲料の原料中への、Cyclo(Pro-Arg)含量の高い乳由来原料の添加、(2)乳入り飲料のUHT殺菌強度の調整、或いは、(3)Cyclo(Pro-Arg)の添加を挙げることができる。
上記(1)の方法は、使用する乳由来の素材の一部又は全部を加工処理して、その中に含まれるCyclo(Pro-Arg)を増加させておき、該素材を添加して乳入り飲料を製造する方法であるが、該方法における乳由来の素材の加工処理は、例えば、牛乳を加熱することで行われる。例えば、牛乳を110〜160℃で10〜60分間、好ましくは120〜150℃で10〜40分間加熱することで、Cyclo(Pro-Arg)は非加熱の牛乳と比較し増加する。この加熱済牛乳を乳入り飲料の乳原料の一部又は全部として添加した後、通常通りのUHT殺菌(120〜160℃×10〜300秒間)を行う。加熱済牛乳の添加量は、UHT殺菌後のCyclo(Pro-Arg)の濃度が4〜1000pmになるように添加する。
加熱加工処理する乳由来の素材は、通常の牛乳以外であっても、例えば全脂粉乳、脱脂粉乳、濃縮乳、及び乳タンパクなど、乳由来であって、Cyclo(Pro-Arg)が生成する限り使用できる。また加熱加工処理の方法は、水分を維持した状態で加熱する方法以外にも、水分を除去して乾燥した後で加熱する方法も取り得るが、Cyclo(Pro-Arg)を多く生成し効率的に乳感を増強する観点では水分を維持した状態で加熱することが好ましい。なお、乳成分としては、カゼインタンパク質が含まれることがより好ましい。更に、加熱する際、還元性のある糖類、例えばショ糖、果糖ブドウ糖液糖などを添加しておくと、加熱の際にアミノカルボニル反応が起きて、乳感以外の好ましい香味をも併せて増強できるので好ましい。
この加熱加工処理した乳由来原料を、UHT殺菌後のCyclo(Pro-Arg)の濃度が4〜1000ppmになるように、乳入り飲料の他の原料と調合した後に、乳入り飲料の殺菌における一般的な条件、すなわち120〜160℃で10〜300秒間程度の条件でUHT殺菌をおこない、PETボトルなどの容器に充填する。
上記(2)の方法は、乳入り飲料のUHT殺菌条件を変更して、該飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度を増加させる方法であるが、該方法は、乳入り飲料のUHT殺菌条件を120〜160℃で10〜40分間、好ましくは130〜150℃で15〜30分間に調整することでUHT殺菌後のCyclo(Pro-Arg)の濃度を4〜1000ppmになるように制御する方法である。この条件は、通常の乳入り飲料の殺菌においては使用することのない非常に強い殺菌強度である。なお、この方法の場合、本発明の目的である乳感の付与は達成できるものの、過剰な熱履歴に伴い、当該乳入り飲料が有する良好な香味が失われたり、沈殿が発生したりするリスクがあるので注意が必要である。その場合には、商品設計を見直して、全体のバランスを調整することが必要になる。
上記(3)の方法は、直接、Cyclo(Pro-Arg)をUHT殺菌前の乳入り飲料の原料液に添加する方法であるが、Cyclo(Pro-Arg)を、合成的手法等により調整し、乳入り飲料の原料中に添加し、その後、通常通りのUHT殺菌(120〜160℃×10〜300秒間)を行う。この方法によって、UHT殺菌後のCyclo(Pro-Arg)の濃度が4〜1000ppmになるように調整することができる。
乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度の調整方法として挙げた上記(1)〜(3)の方法の中では、(1)の方法、すなわち加熱処理してCyclo(Pro-Arg)を生成させた乳由来の原料を用いて、Cyclo(Pro-Arg)濃度を調整する方法が最も効果的であり優れている。
本発明の飲料中のCyclo(Pro-Arg)濃度を調整する方法は、該飲料中のCyclo(Pro-Arg)濃度を指標として、乳入り飲料の製造における乳感増強の指標として使用することができる。また、該飲料に使用する、乳感を増強するための乳素材の加工処理工程においても素材の有効性を判断する上での、有用な指標として使用することができる。
本発明の容器詰め乳入り飲料の製造方法において、UHT殺菌すること、及びCyclo(Pro-Arg)の濃度を4〜1000ppmになるように制御すること以外は、通常の容器詰め乳入り飲料の製造方法と変わるところはない。通常の容器詰め飲料に使用するような、原料、製造条件、及び、添加剤等を用いることができる。例えば、乳タンパク質の安定化のための増粘剤、ショ糖、果糖ブドウ糖液糖などの甘味料、アセスルファムK、スクラロースやステビアなどの高甘味度甘味料、各種香料など、全ての原料が使用可能である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
<加熱加工処理した乳由来原料の調整1>
乳成分500g(牛乳60g、全脂粉乳5g、脂粉乳5g、脱イオン水残量;乳固形分3.6重量%)をレトルト殺菌可能な缶容器に充填して、表1に示す条件でレトルト殺菌機を用いて加熱処理をおこない、「加熱加工処理した乳由来原料」である試料1〜4を調整した。それぞれの試料中のCyclo(Pro-Arg)濃度を分析した。
<Cyclo(Pro-Arg)の定量分析方法>
常法に従い、表2の条件で、液体クロマトグラフ質量分析計を用いて定量分析をおこなった。試料は特別な前処理はおこなわず、そのまま供した。合成品のCyclo(Pro-Arg)を用いて、標準添加法の手法で定量をおこなった。
<UHT殺菌したPETボトル入り紅茶ミルクティの調整>
常法に従い、紅茶葉(セイロン茶葉)60gに対して2400gの熱湯を加え抽出した後、茶葉を除去して紅茶抽出液を得た。この抽出液400gに対して、乳成分500g(牛乳60g、全脂粉乳5g、脂粉乳5g、脱イオン水残量)、グラニュー糖100g、乳化剤10g、L−アスコルビン酸ナトリウム0.5g、炭酸水素ナトリウム0.5gを調合した後、脱イオン水を添加して1000gとした。この乳入り飲料調合液をUHT殺菌(145℃×30秒間)して、PETボトルに充填することで、通常の、UHT殺菌したPETボトル入り紅茶ミルクティ(比較例1)を調整した。飲料の乳固形分は1.8重量%であった。
次に、前記原料の乳成分に代えて、表1に示す試料1〜4の「加熱加工処理した乳由来原料」を使用して、比較例2及び実施例1〜3のPETボトル入り紅茶ミルクティを調整した。そして、該飲料中のCyclo(Pro-Arg)を定量分析した。さらに、熟練した官能評価パネラー7名により「乳感」を評価した。官能評価にあたっては、比較例1と同一の処方を用いてレトルト殺菌(124℃×20.5分間)した缶入りの紅茶ミルクティを準備し、それを対照として、レトルト殺菌品と同等の乳感を感じるものを○、同等までには至らないが明らかに通常のUHT殺菌品に比べると乳感が強いものを△、通常のUHT殺菌品と同等の乳感のものを×とした。最終結果は7人の意見を集計してその内容を協議の上決定した。Cyclo(Pro-Arg)の定量分析結果及び官能評価結果を表3に示す。
Cyclo(Pro-Arg)量が3.3ppmの比較例2では、乳感の増強は感じられないが、Cyclo(Pro-Arg)量が5.4ppmの実施例1では明らかに通常のUHT殺菌品よりも乳感を強く感じ、Cyclo(Pro-Arg)量が9.0ppmの実施例2ではレトルト殺菌品同等の乳感を感じた。
<紅茶ミルクティへのCyclo(Pro-Arg)の直接添加>
合成したCyclo(Pro-Arg)を25ppmとなるように市販のPETボトル入りの紅茶ミルクティ(乳固形分2.0重量%)に添加した。7人のパネラーで確認したところ、未添加のミルクティに比べ乳感が付与されていた。
<加熱加工処理した乳由来原料の調整2>
乳由来素材の種類を変えて、加熱加工処理を行い、別の「加熱加工処理した乳由来原料」を調整した。具体的には、表4の乳原料A〜Eに脱イオン水を添加し乳固形分を3重量%に合わせ、124℃、35.5分間で加熱した。その後、各素材のCyclo(Pro-Arg)濃度を測定した。ここで、カゼインタンパク質を含む乳素材Dの方が、カゼインタンパク質が含まない乳素材Eよりも、Cyclo(Pro-Arg)が効率よく生成されることが分かった。これらの「加熱加工処理した乳由来原料」を、UHT殺菌する乳入り飲料に、Cyclo(Pro-Arg)の濃度が4〜1000ppmとなるように添加、含有させることにより、優れた乳感を有する容器詰め乳入り飲料が調整できる。
UHT殺菌した乳入り飲料であっても、Cyclo(Pro-Arg)の濃度が4〜1000ppmになるように調整することで、レトルト殺菌した乳入り飲料に匹敵する優れた乳感を有する容器詰め乳入り飲料、及びその製造方法を提供できる。

Claims (5)

  1. 乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度が5.4〜1000ppmであることを特徴とする優れた乳感を有するUHT殺菌処理済みの容器詰め乳入り飲料であって、該容器詰め乳入り飲料の容器がPETボトル又は紙容器である、容器詰め乳入り飲料。
  2. 乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度が乳固形分1重量%に対し2ppm〜600ppmであることを特徴とする、請求項1に記載の容器詰め乳入り飲料。
  3. 容器詰め乳入り飲料の製造方法において、飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度を指標に、UHT殺菌後の飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度が5.4〜1000ppmになるように制御することを特徴とする、優れた乳感を有する容器詰め乳入り飲料の製造方法。
  4. 乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度の制御を、予め乳由来素材を加熱加工処理することでCyclo(Pro-Arg)含量の高い乳由来原料を調整しておき、乳入り飲料の乳原料の一部又は全部として使用する方法により行うか、乳入り飲料のUHT殺菌強度を調製する方法により行うか、又は直接、Cyclo(Pro-Arg)を添加する方法により行うことを特徴とする、請求項に記載の、優れた乳感を有する容器詰め乳入り飲料の製造方法。
  5. UHT殺菌を用いた容器詰め乳入り飲料の製造において、UHT殺菌後の乳入り飲料中のCyclo(Pro-Arg)の濃度を指標とし、容器詰め乳入り飲料の製造条件を設定することを特徴とする容器詰め乳入り飲料の乳感の制御方法。
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