JP2008079545A - カフェオフランまたはその類縁体からなる乳含有飲食品用添加剤 - Google Patents

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【課題】搾り立ての乳が持つ良質な香気・香味のバランスを崩す事なく、乳感の増強、乳特有の「コク」を有する乳含有飲食品用添加剤及びこれを添加した乳含有飲食品の提供。
【解決手段】一般式(1)で示されるカフェオフランまたはその類縁体を10−7〜10−1ppb乳含有飲食品に添加する。
Figure 2008079545

式中、RおよびRはそれぞれ同一または異なって水素原子または炭素数1乃至4の低級アルキル基を示す。(但し、RおよびRが同時に水素原子であるものは除く)
【選択図】なし

Description

本発明は乳含有飲食品用添加剤、および該乳含有飲食品用添加剤を添加した香味料組成物および該乳含有飲食品用添加剤または該香味料組成物を添加した乳含有飲食品に関する。
乳及び乳製品は、蛋白質、脂肪、ビタミン、ミネラル等を豊富に含有し、栄養学的にもバランスがとれた食品であり、世界中で広く摂取されている。また、飲食品の栄養強化に加えて、風味をまろやかにする等の目的で牛乳、生クリーム、発酵乳、粉乳等を各種飲食品及び加工食品に添加することも幅広く行われている。さらに、近年の多様化する食品市場において乳脂肪等を原料としないマーガリンやファットスプレッド等の乳製品代用品も種々開発されてきており、消費者の健康志向の高まりに伴い需要を伸ばしている。上記のような乳製品は、一般に独特な好ましい香味や「コク」(深みのある濃厚な味わい)、ボリューム感を有しており、これが乳製品のおいしさに大きく寄与していると考えられる。
しかしながら、乳製品の香味や「コク」には乳脂肪が深く関与しており、カロリーカットやコストダウン等の目的でその使用量が制限され、製品中の乳脂肪含量を抑えた場合には乳感や「コク」等が不足したり、製造工程中にその独特の風味が失われたりする場合がある。このような場合に、乳感等を必要十分なレベルで補充、あるいは増強しうる香味料素材はこれまで知られていなかった。すなわち、乳製品用の香味料は、乳本来の香味のバランスを損なわず、乳と調和することが必要である。
しかしながら、従来の香味料素材として用いられているδ−デカラクトン等は、いずれも乳特有の香味や「コク」を付与する効果が不十分であり、例えば乳本来の持ち味を損なわない程度の量で添加した場合は「コク」とボリューム感が不足し、また、「コク」とボリューム感を感じるのに十分な量を添加した場合には乳本来の香味とのバランスが崩れ、自然な乳の香味から逸脱するという問題があった。
また、δ−デカラクトン等のラクトン類香味料を用いて製品に「コク」、ボリューム感を付与する場合、「コク」やボリューム感を感じるのに十分な量のラクトン類を配合しようとすると、乳本来の香味のバランスが崩れ、ラクトン臭が強く感じられる不自然な香味となってしまう。
さらに、3−メチルノナン−2,4−ジオンを含有することを特徴とする乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品用の香味料組成物(特許文献1)が知られているが、本来、搾り立ての乳が持つ香味を伴いつつの乳感の増強や乳脂肪感の増強には不十分であった。
特開平2003−052330号公報
本発明は乳含有飲食品の乳感や「コク」を付与・増強できる香味料組成物、並びに当該香味料組成物を配合してなる乳含有飲食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、カフェオフランまたはその類縁体を乳含有飲食品、殊に乳飲料に添加することにより、本来、搾り立ての乳が持つ良質な香気・香味のバランスを崩すことなく、乳感の増強、乳特有の「コク」を有する乳含有飲食品が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明はカフェオフランまたはその類縁体よりなる乳含有飲食品用添加剤からなる。更に本発明はカフェオフランまたはその類縁体を10−5〜10ppb濃度添加したことを特徴とする香味料組成物からなる。本発明は更に、カフェオフランまたはその類縁体を10−7〜10−1ppb濃度添加したことを特徴とする乳含有飲食品である。
すなわち、本発明は、下記に掲げるものである:
項1.一般式(1)で示されるカフェオフランまたはその類縁体からなる乳含有飲食品用添加剤。
Figure 2008079545


(式中、RおよびRはそれぞれ同一または異なって水素原子または炭素数1乃至4の低級アルキル基を示す(但し、RおよびRが同時に水素原子であるものは除く))
項2.一般式(1)で示されるカフェオフランまたはその類縁体を10−5〜10ppbの濃度添加したことを特徴とする乳含有飲料用香味料組成物。
項3.一般式(1)で示されるカフェオフランまたはその類縁体を10−7〜10−1ppbの濃度添加したことを特徴とする乳含有飲食品。
項4.乳含有飲食品が乳飲料である項3記載の乳含有飲食品。
本発明の乳含有飲食品用添加剤は、カフェオフランまたはその類縁体を含有することを特徴とする。
ここで、カフェオフラン(化合物名:6−メチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フラン)とは、コーヒー中に存在する特徴的な香気成分物質として1963年、M.Stollらにより単離された化合物である(Helv.Chim.Acta,50,628,(1967))。その構造決定は、G.Buchiらによって行われ、下式に示される構造を有することが明らかにされ、カフェオフランと命名された(J.Org.Chem., 36,199,(1971))
Figure 2008079545
カフェオフランの合成法は、G.Buchiらによる方法(J.Org.Chem., 36,199,(1971))、E.Brennaらによる方法(J.Chem.Research(S),74,(1998)、J.Chem.Research(M),551,(1998))などが知られている。本発明は、カフェオフランだけでなく、下式に示される構造をもつカフェオフランの類縁体を含むものである。カフェオフラン誘導体およびその製法は、例えば特願2005−045014を例示することができる。
Figure 2008079545
(式中、RおよびRはそれぞれ同一または異なって水素原子または炭素数1乃至4の低級アルキル基を示す(但し、RおよびRが同時に水素原子であるものは除く))
およびRの炭素数1乃至4の低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられるが、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
好ましいカフェオフランの類縁体としては、例えば、6−エチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フラン、4,6−ジメチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フラン、4−メチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フラン、4−エチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フラン、4−メチル−6−エチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フラン、4−エチル−6−メチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フラン、4,6−ジエチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フランを挙げることができる。
カフェオフラン類(2,3−ジヒドロチエノ[2,3c]フラン化合物)は、化合物の種類に応じて固有の香気を有しており、例えば、カフェオフランは、0.000005質量%の希釈水溶液とした場合、焙煎したナッツ様香気、または野菜様のグリーン香、またはカラメル様の甘い香りを奏する。
またRが水素、Rがエチル基であるエチルカフェオフランは、0.000005質量%の希釈水溶液とした場合、甘味のあるロースト感のある香りを奏し、またR、Rともにメチル基であるジメチルカフェオフランは、0.000005質量%の希釈水溶液とした場合、青みのある生豆様の香り、または野菜のグリーン香、またはみずみずしさのある香りを奏する。
これらカフェオフランまたはその類縁体を乳含有製品に添加したときに、本来、搾り立ての乳が持つ良質な香気・香味のバランスを崩すことなく、乳感の増強、乳特有の「コク」を有する乳含有飲食品が得られることは知られていなかった。
本発明のカフェオフランまたはその類縁体は、上記のような香気を有するが、乳含有飲食品に対し、10−7〜10−1ppb、より好ましくは10−6〜10−2ppb、更に好ましくは10−5〜10−3ppbの範囲で用いられたときに限り、本来、搾り立ての乳が持つ良質な香気・香味のバランスを崩すことなく、乳感の増強、乳特有の「コク」を付与することができた。含有量が10−7ppb以下では乳感の増強、乳特有の「コク」を付与することはできず、含有量が10−1ppb以上では、不快臭が強くなり飲食品には適さなくなる。
本発明の乳含有飲食品とは、乳、乳製品、乳もしくは乳製品を含有する飲食品、または乳製品代用品である。乳としては、例えば、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(昭和26年12月27日厚生省令第52号)に規定された生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、加工乳等を挙げることができる。乳製品としては、例えば、前記省令に規定されたクリーム、バター、バターオイル、ヨーグルト等の発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、チーズ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、練乳、全粉乳、脱脂粉乳、加糖粉乳、濃縮ホエイ、ホエイパウダー等を挙げることができる。乳若しくは乳製品を含有する飲食品としては、例えば、上記の牛乳、クリーム類、バター、チーズ、練乳、粉乳等を添加したコーヒー飲料、茶飲料、果汁飲料、炭酸飲料、冷菓類、和洋菓子類、パン類、スープ類、カレー、シチュー、各種インスタント飲食品、各種スナック食品、ドレッシング等の調味料等を挙げることができる。乳製品代用品としては、例えば、油脂を乳化して製造されるマーガリンやファットスプレッド等のバター代用品、さらにコーヒーや紅茶等に添加する、例えばコーヒーホワイトナー等のクリーム類代用品を挙げることができる。
本発明の乳含有飲食品用添加剤は、カフェオフランまたはその類縁体を含有するものであればよく、カフェオフランまたはその類縁体のみを用いるか、これら以外の成分として希釈剤、担体またはその他の添加物を含有していてもよい。
希釈剤または担体としては、本発明の効果を妨げないものであれば特に制限されず、例えばシュクロース、グルコース、デキストリン、澱粉類、サイクロデキストリン、トレハロース、乳糖、マルトース、水飴、液糖などの糖類;エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール等の糖アルコール類;アラビアガム、キサンタンガム、カラギーナン、グァーガム、ジェランガム等の多糖類;または水を挙げることができる。また添加剤としては、抗酸化剤、キレート剤等の助剤、香料、香辛料抽出物、防腐剤などを挙げることができる。
使用上の利便等から、これらの希釈剤、担体または添加剤を用いて乳含有飲食品用添加剤を調製する場合は、カフェオフランまたはその類縁体が、乳含有飲食品用添加剤中に10−5〜10ppb、好ましくは10−4〜1ppb含まれるように調製することが望ましい。
なお、ここで添加剤として用いられる抗酸化剤としては、食品添加物として用いられるものを広く例示することができる。例えば、制限はされないが、エリソルビン酸及びその塩(例えばエリソルビン酸ナトリウム)等のエリソルビン酸類;亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムまたはピロ亜硫酸カリウムなどの亜硫酸塩類;α−トコフェロールやミックストコフェロール等のトコフェロール類;ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)やブチルヒドロキシアニソール(BHA)等;エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウムやエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム等のエチレンジアミン四酢酸類;没食子酸や没食子酸プロピル等の没食子酸類;アオイ花抽出物、アスペルギルステレウス抽出物、カンゾウ油性抽出物、食用カンナ抽出物、グローブ抽出物、精油除去ウイキョウ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、セージ抽出物、セリ抽出物、チャ抽出物、テンペ抽出物、ドクダミ抽出物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種子抽出物、ピメンタ抽出物、ブドウ種子抽出物、ブルーベリー葉抽出物、プロポリス抽出物、ヘゴ・イチョウ抽出物、ペパー抽出物、ホウセンカ抽出物、ユーカリ葉抽出物、リンドウ根抽出物、ルチン(抽出物)(小豆全草,エンジュ,ソバ全草抽出物)、ローズマリー抽出物、チョウジ抽出物、リンゴ抽出物等の各種植物の抽出物;その他、酵素処理ルチン、クエルセチン、ルチン酵素分解物(イソクエルシトリン)、酵素処理イソクエルシトリン、酵素分解リンゴ抽出物、ごま油抽出物、菜種油抽出物、コメヌカ油抽出物、コメヌカ酵素分解物、没食子酸及びそのエステル類等を挙げることができる。好ましくは、エンジュ抽出物、ルチン(抽出物)、生コーヒー豆抽出物、ローズマリー抽出物等の植物抽出物;酵素処理ルチン、ルチン酵素分解物(イソクエルシトリン)、酵素処理イソクエルシトリン等を挙げることができる。
本発明において特に好ましい抗酸化剤として、フラボノール類を挙げることができる。このフラボノール類としては、フラボノール並びにアグリコン部にフラボノールを有するフラボノール配糖体を広く挙げることができる。例えば、エンジュ、ダッタンソバ、ドクダミなどの植物体から抽出することにより入手できるもの、さらにそれを精製した精製物、並びにそれらに酵素処理若しくは加水分解等の各種処理を施したものを挙げることができる。具体的には、ルチン、及びイソクエルシトリン等、並びにルチン、イソクエルシトリンと澱粉質の共存下において糖転移酵素を用いて公知の方法で処理することにより得られる糖転移ルチン等を例示することができる。これらのフラボノール類は1種単独で使用されてもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
またフラボノール類そのものに代えて、上記に掲げる各種フラボノール類を含む植物抽出物をそのまま用いることもできる。かかるものとしてはエンジュ抽出物、ダッタンソバ抽出物及びドクダミ抽出物を例示することができる。なお、かかる植物抽出物は、フラボノール類を比較的多量に含む植物の該当部位を水、アルコールまたはその他の有機溶剤を用いて抽出することによって得ることができ、そのままで使用しても、またさらに酵素処理して使用することもできる。なお、これらの植物抽出物も1種単独で使用されても、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
また、前述するフラボノール類の中には水難溶性で取り扱いにくい物質があるため、必要に応じて、フラボノール類をエタノールなどの低級アルコールやグリセリンまたはプロピレングリコールなどの多価アルコールに溶かして用いてもよい。
抗酸化剤を用いる場合、乳含有飲食品用添加剤100質量%中に配合される当該抗酸化剤の割合としては、制限されないが、例えば、酵素処理イソクエルシトリンを用いる場合、0.0001〜20質量%、好ましくは0.001〜10質量%を挙げることができる。他の抗酸化剤もこれに準じて用いることができる。
本発明の乳含有飲食品用添加剤はその形態を特に制限するものではなく、例えば粉末状、顆粒状、錠剤状などの固体状;液状、乳液状等の溶液状;またはペースト状等の半固体状などの、任意の形態に調製することができる。
本発明の乳含有飲食品用添加剤は、香味料組成物に予め添加しておいてもよい。調合に使用される乳の香味成分には特に制限はなく、γ−ドデカラクトン、δ−オクタラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、2−ノナノン、2−ウンデカノン、β- ダマセノン、1−オクテン3−オール、2−エチル1−ヘキサノール、オクタノール、ヘキサナール、ヘプタナール、ベンズアルデヒド、オクタナール、ノナナール、エチルヘキサノエート、エチルオクタノエート、エチルデカノエート、ジアセチル、アセトイン等、公知の乳用香味成分が目的に応じて適宜混合して用いることができる。
本発明の乳含有飲食品用添加剤を乳含有飲食品に添加することにより、本来、搾り立ての乳が持つ良質な香気・香味のバランスを崩すことなく、乳感の増強、乳特有の「コク」を有する乳含有飲食品を提供することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、特に記載のない限り「%」とは「質量%」を、「部」とは、「質量部」を意味するものとする。
実施例1
最初に、表1の乳飲料用香味料組成物100部に、カフェオフランまたはその類縁体の中から6−エチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フラン、4−メチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フランの1ppbエタノール溶液をそれぞれ1部加え、カフェオフランまたはその類縁体を0.01ppb含有する本発明の香味料組成物3種類を得た。このものを水100部に対しそれぞれ0.000001部から10000部まで加えていき添加効果範囲を決定した。次に、それぞれ5部加え、カフェオフランまたはその類縁体2種類を0.05ppb含有する本発明の香味料組成物3種類を得た。このものを表2の乳含有飲料(脱脂粉乳溶液)100部に対しそれぞれ1部加え、適量であるカフェオフランまたはその類縁体2種類を0.0005ppb含有する乳飲料(脱脂粉乳溶液)3種類を調製した。
Figure 2008079545
Figure 2008079545
比較例1
表1の乳飲料用香味料組成物100部に、カフェオフラン及びその類縁体の中から6−エチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フランまたは4−メチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フランの1ppbエタノール溶液をそれぞれ1部加え、カフェオフランまたはその類縁体2種類を0.01ppb含有する本発明の香味料組成物3種類を得た。このものを表2の乳含有飲料(脱脂粉乳溶液)100部に対しそれぞれ0.0001部加え、過少量であるカフェオフランまたはその類縁体2種類を0.00000001ppb含有する乳飲料(脱脂粉乳溶液)3種類を調製した。また、それぞれの100ppmエタノール溶液をそれぞれ2部づつ加え、カフェオフランまたはその類縁体2種類を2ppm含有する香味料組成物3種類を得た。このものを表2の乳含有飲料(脱脂粉乳溶液)100部に対しそれぞれ1部加え、過剰量であるカフェオフランまたはその類縁体2種類を20ppb含有する乳飲料(脱脂粉乳溶液)3種類を調製した。
試験例
実施例1及び比較例1の乳飲料(脱脂粉乳溶液)を、8名のパネルで4段階評価を行い、適量濃度、香調等の結果を表3に示した。
Figure 2008079545
◎:本来、搾り立ての乳が持つ良質な香気・香味のバランスを崩すことなく乳感の増強、乳特有のコクを有する乳飲料
○:やや物足りないが、本来、搾り立ての乳が持つ良質な香気・香味のバランスを崩すことなく乳感の増強、乳特有のコクを有する乳飲料
△:通常見受けられる乳飲料
×:本来持つ乳のイメージが損なわれた乳飲料
実施例2
Figure 2008079545
《重曹を入れpH6.9に調整》
*コーヒー抽出液の調製
コーヒー豆の(L=23)の粉砕豆1に対し、熱水にて10倍量の抽出液を得た。
この得られたBrix.2.5のコーヒー抽出液を使用。
表4のように調製した乳飲料(コーヒー牛乳)100部に対し、カフェオフランまたはその類縁体の中から6−エチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フラン、4−メチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フランの1ppbエタノール溶液をそれぞれ0.1部加え、カフェオフランまたはその類縁体2種類を0.001ppb含有する本発明の乳飲料(コーヒー牛乳)3種類を得た。これらのものは加工時による乳独特のえぐ味及び臭みが軽減し、本来、搾り立ての乳が持つ良質な香気・香味のバランスを崩すことなく更なる乳感の増強、乳特有のコクを有するものであった。
実施例3
乳飲料用香味料組成物100部に対し、カフェオフランまたはその類縁体の中から6−エチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フラン、4−メチル−2,3−ジヒドロチエノ[2,3−c]フランの10ppbエタノール溶液をそれぞれ0.002部加え、カフェオフラン及びその類縁体2種類を0.0002ppb含有する本発明の乳飲料用香味料組成物3種類を得た。これらのものを表4のように調製した乳飲料(コーヒー牛乳)100部に対しそれぞれ1部添加したところ、実施例2と同様に加工時による乳独特のえぐ味及び臭みが軽減し、本来、搾り立ての乳が持つ良質な香気・香味のバランスを崩すことなく更なる乳感の増強、乳特有のコクを有する乳飲料が得られた。
本発明の乳含有飲食品用添加剤を乳含有飲食品に添加することにより、本来、搾り立ての乳が持つ良質な香気・香味のバランスを崩すことなく、乳感の増強、乳特有の「コク」を有する乳含有飲食品を提供することができる。

Claims (4)

  1. 一般式(1)で示されるカフェオフランまたはその類縁体からなる乳含有飲食品用添加剤。
    Figure 2008079545
    (式中、RおよびRはそれぞれ同一または異なって水素原子または炭素数1乃至4の低級アルキル基を示す(但し、RおよびRが同時に水素原子であるものは除く))
  2. 一般式(1)で示されるカフェオフランまたはその類縁体を10−5〜10ppb濃度添加したことを特徴とする乳含有飲料用香味料組成物。
  3. 一般式(1)で示されるカフェオフランまたはその類縁体を10−7〜10−1ppb濃度添加したことを特徴とする乳含有飲食品。
  4. 乳含有飲食品が乳飲料である請求項3記載の乳含有飲食品。
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