JP4510339B2 - 香味料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物又は乳製品代用品用の香味料組成物、並びに当該香味料組成物を添加した乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品に関する。
【0002】
【従来の技術】
乳及び乳製品は、蛋白、脂肪、ビタミン、ミネラル等を豊富に含有し、栄養学的にもバランスがとれた食品であり、世界中で広く摂取されている。また、飲食品の栄養強化に加えて、風味をまろやかにする等の目的で牛乳、生クリーム、発酵乳、粉乳等を各種飲食品に添加することも広く行われている。さらに、乳脂肪等を原料としないマーガリンやファットスプレッド等の乳製品代用品も種々開発され、消費者の健康志向の高まりに伴い需要を伸ばしている(以下、「乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物又は乳製品代用品」を総じて「乳関連製品」と称する)。
一般に、乳関連製品は、独特な好ましい香味や「こく」(深みのある濃厚な味わい)、ボリューム感を有しており、これが乳関連製品のおいしさに大きく寄与していると考えられる。
【0003】
しかしながら、乳関連製品の香味や「こく」には乳脂肪が深く関与しており、カロリーカットやコストダウン等の目的で製品中の乳脂肪含量を抑えた場合には香味や「こく」等が不足する。かかる場合に、そうした香味等を必要十分なレベルで補充、或いは増強しうる香味料素材はこれまで知られていなかった。
すなわち、乳関連製品用の香味料は、乳本来の香味のバランスを損なわず、乳と調和することが必要であるが、従来の香味料素材のδ−デカラクトン等は、いずれも乳特有の香味や「こく」を付与する効果が不十分であり、例えば乳本来の持ち味を損なわない程度の量で添加した場合は「こく」とボリューム感が不足し、その一方、「こく」とボリューム感を感じるのに十分な量を添加した場合には乳本来の香味とのバランスが崩れ、自然な乳の香味から逸脱するという二律背反性があった。
換言すれば、δ−デカラクトン等のラクトン類香味料を用いて製品に「こく」、ボリューム感を付与する場合、「こく」、ボリューム感を感じるのに十分な量のラクトン類を配合しようとすると、乳本来の香味のバランスが崩れ、ラクトン臭が強く感じられる不自然な香味となってしまう傾向があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は乳関連製品の香味や「こく」を必要かつ十分なレベルで付与増強できる香味料組成物、並びに当該香味料組成物を配合してなる乳関連製品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、意外なことに、野菜や茶等に含まれグリーン臭系の香味料として知られている3−メチルノナン−2,4−ジオンが、乳の香気、香味のバランスを崩すことなく、乳特有の「こく」やボリューム感を乳、乳関連製品に補充し増強しうることを見出し、さらに3−メチルノナン−2,4−ジオンと特定のラクトン類及び又はエステル類とを併用することでその効果が一層向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、3−メチルノナン−2,4−ジオンを含有することを特徴とする乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品用の香料組成物であり、さらに、当該香味料組成物中に3−メチルノナン−2,4−ジオンを1ppt〜100ppm含有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は3−メチルノナン−2,4−ジオンと併せて、下記のラクトン類及びエステル類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の香味料を含有することを特徴とする請求項1または2記載の香味料組成物である。
(ラクトン類)
γ−ヘキサラクトン、
γ−ヘプタラクトン、
γ−オクタラクトン、
γ−ノナラクトン、
γ−デカラクトン、
シス−7−デセノ−γ−ラクトン、
γ−ウンデカラクトン、
γ−ドデカラクトン、
シス−6−ドデセノ−γ−ラクトン、
δ−ヘプタラクトン、
δ−オクタラクトン、
δ−ノナラクトン、
δ−デカラクトン、
2−デセノ−δ−ラクトン、
δ−ウンデカラクトン、
δ−ドデカラクトン、
δ−トリデカラクトン、
(エステル類)
5−ヒドロキシオクタン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル、
5−ヒドロキシノナン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル、
5−ヒドロキシデカン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル、
5−ヒドロキシウンデカン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル、
5−ヒドロキシドデカン酸の炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル
【0008】
さらに、乳製品代用品がコーヒーホワイトナー、マーガリン又はファットスプレッドであることを特徴とし、また、3−メチルノナン−2,4−ジオンを0.01ppt〜100ppb配合してなる乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
[1] 3−メチルノナン−2,4−ジオン
本発明に使用する3−メチルノナン−2,4−ジオンは、例えば、大豆油の酸化時に生じる悪臭(もどり臭)の原因成分(Fat Sci. Technol., 1989, 91, 225-230)、乾燥したホウレン草やパセリの異臭の原因成分(Z. Lebensum. Unters. Forsch. A, 1998, 206, 108-113, 114-120)、緑茶の香気成分(Flavour Fragrance J., 1993, 8, 173-)、マスやアンチョビー加工品の香気成分(J. Agric. Food Chem., 1993, 41, 2076-2081 、J. Agric. Food Chem., 1995, 43, 453-458)等として報告されているように、従来よりグリーン臭を有する化合物として知られている。
上記従来の報告例には、3−メチルノナン−2,4−ジオンが香気・香味成分である旨の記載はある。しかしながら、この物質を乳関連製品に配合することはもとより、配合によって乳関連製品に特有の香味や「こく」を付与し又は増強しうることの記載や示唆は全くない。
【0010】
3−メチルノナン−2,4−ジオンは、従来公知の一般的な合成法、例えば、ノナン−2,4−ジオンをナトリウムエチラートで処理し、次いでヨードメタンによるメチル化によって得ることができる。
また、例えば英国R.C.Treatt社製の市販品が入手可能である。
【0011】
[2] 配合対象の乳関連製品
本発明において、前記3−メチルノナン−2,4−ジオンの配合対象である乳関連製品、即ち乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品は、以下のとおりである。
乳としては、例えば、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(昭和26年12月27日厚生省令第52号)に規定された生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、加工乳等を挙げることができる。
乳製品としては、例えば、前記省令に規定されたクリーム、バター、バターオイル、ヨーグルト等の発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、チーズ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、練乳、全粉乳、脱脂粉乳、加糖粉乳、濃縮ホエイ、ホエイパウダー等を挙げることができる。
【0012】
乳若しくは乳製品含有飲食品としては、例えば、上記の牛乳、クリーム類、バター、チーズ、練乳、粉乳等を添加したコーヒー飲料、茶飲料、果汁飲料、炭酸飲料、冷菓類、和洋菓子類、パン類、スープ類、カレー、シチュー、各種インスタント飲食品、各種スナック食品、ドレッシング等の調味料等を挙げることができる。
【0013】
乳製品代用品としては、例えば、油脂を乳化して製造されるマーガリンやファットスプレッド等のバター代用品、さらにコーヒーや紅茶等に添加する、例えばコーヒーホワイトナー等のクリーム類代用品を挙げることができる。
【0014】
3−メチルノナン−2,4−ジオンは乳本来の香味のバランスを損なわない程度であれば、特に制限なく乳関連製品に添加できるが、香気が極めて強いため、乳関連製品における含有量が好ましくは0.01ppt〜100ppb、より好ましくは1ppt〜1ppbの範囲となるように配合する。
従って、3−メチルノナン−2,4−ジオンを香味料組成物に含有させる場合は、乳関連製品に香味料組成物を0.1%添加するものとして、その香味料組成物中の3−メチルノナン−2,4−ジオン含有量が10ppt〜100ppm、より好ましくは1ppb〜1ppmの範囲となるよう含有させればよい。
なお、本明細書において「ppb」はpart per billionの略であって1ppb=10-9であり、また「ppm」はpart per millionの略であって1ppm=10-6であり、そして「ppt」はpart per trillionの略であって1ppt=10-12である。
【0015】
[3] 香味増強成分
本発明はさらに、3−メチルノナン−2,4−ジオンと、特定のラクトン類及び又はエステル類とを併用することによって乳本来の香味が増強され、乳関連製品の香味の向上をより一層図ることができる。ラクトン類が特に好ましく、炭素数6〜13の飽和、不飽和のγ−、δ−ラクトンを挙げることができる。好ましくは炭素数8〜12の飽和、不飽和のγ−、δ−ラクトンを挙げることができ、さらに好ましくは炭素数10又は12の飽和、不飽和のγ−、δ−ラクトンを挙げることができる。
併用するラクトン類としては具体的には、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、シス−7−デセノ−γ−ラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、シス−6−ドデセノ−γ−ラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、2−デセノ−δ−ラクトン、δ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、δ−トリデカラクトンを挙げることができ、好ましくはγ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、シス−7−デセノ−γ−ラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、シス−6−ドデセノ−γ−ラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、2−デセノ−δ−ラクトン、δ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトンが挙げられ、最も好ましくはγ−デカラクトン、シス−7−デセノ−γ−ラクトン、γ−ドデカラクトン、シス−6−ドデセノ−γ−ラクトン、δ−デカラクトン、2−デセノ−δ−ラクトン、δ−ドデカラクトンが挙げられる。
【0016】
また、エステル類としてはこれらラクトン類の前駆体として炭素数6〜13のヒドロキシカルボン酸のエステル類を挙げることができる。好ましくは炭素数8〜12の飽和、不飽和ヒドロキシカルボン酸のエステル類を挙げることができ、さらに好ましくは炭素数10又は12の飽和、不飽和ヒドロキシカルボン酸のエステル類を挙げることができる。具体的には5−ヒドロキシオクタン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル、5−ヒドロキシノナン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル、5−ヒドロキシデカン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル、5−ヒドロキシウンデカン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル、5−ヒドロキシドデカン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステルを用いることができる。5−ヒドロキシデカン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル、5−ヒドロキシドデカン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステルが好ましい。
3−メチルノナン−2,4−ジオンと、ラクトン類及び又はエステル類との配合比は特に制限はないが、前者:後者が1:10〜1:100000が好ましく、1:100〜1:20000がより好ましく、1:200〜1:5000が最も好ましい。
【0017】
3−メチルノナン−2,4−ジオン、又は3−メチルノナン-2,4−ジオンとラクトン類及び又はエステル類を配合した香味料組成物は、配合対象の乳関連製品に応じて適宜製剤化して使用することができる。
例えば、エタノールやプロピレングリコール等を溶媒とする希釈液として、又は、さらに他の香味料成分を配合した香味料組成物として乳又は乳製品等に添加することができる。
【0018】
[4] 付加的成分
3−メチルノナン−2,4−ジオンと共に配合される付加的な香味料成分には特に制限はなく、公知の香味料成分が目的に応じて適宜混合して用いられる。例えば、ジアセチル、短鎖脂肪酸類、メチルケトン類、さらには生クリームにリパーゼを作用させたものやバターオイルを有機溶剤で抽出して得られる香味料組成物などが挙げられる。
【0019】
また、乳関連製品に果実、コーヒー等の風味を付与する目的で使用されるリモネン、ミルセン、α−ピネン、β−ピネン、α−テルピネン、γ−テルピネン、カリオフィレン等の炭化水素類、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、cis−3−ヘキセノール、cis−6−ノネノール、cis−3,6−ノナジエノール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、α−テルピネオール、γ−テルピネオール、テルピネン−4−オール、メントール、チモール、オイゲノール等のアルコール類、ヘキサナール、cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、10−ウンデセナール、2,6−ノナジエナール、シトラール、シトロネラール、バニリン、エチルバニリン等のアルデヒド類及びそれらのアセタール類、カルボン、プレゴン、メントン、カンファー、ヌートカトン、アセトイン、p−メチルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、ラズベリーケトン、アニシルアセトン、ジンゲロン、アセチルフラン、マルトール、エチルマルトール、シクロテン、ジメチルヒドロキシフラノン、アセチルピラジン類等のケトン類及びそれらのケタール類、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、ヘプチルアセテート、ゲラニルアセテート、リナリルアセテート、エチルプロピオネート、イソアミルプロピオネート、ヘキシルプロピオネート、ゲラニルプロピオネート、シトロネリルプロピオネート、エチルブチレート、イソアミルブチレート、ゲラニルブチレート、ブチルペンタノエート、メチルブチレート、メチルアンスラニレート等のエステル類、メントフラン、テアスピラン、シネオール、ローズオキサイド、アネトール、メトキシピラジン類等のエーテル類、チアゾール、プロピルメルカプタン、アリルメルカプタン、フルフリルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジアリルスルフィド、ジアリルジスルフィド、メチオナール、フルフリルジスルフィド等の含硫化合物等の香味料成分を、乳関連製品の香味のバランスを崩さない程度で配合することもできる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0021】
[参考例]
Fat Science Technology, Vol.91, 225(1989)に記載された方法に従い、ノナン-2,4-ジオンを等モルのナトリウムエチラートとエタノール中70℃で反応させた後、等モルのヨウ化メチルを加えて3時間還流し、3−メチルノナン-2,4-ジオンを合成した。
【0022】
[実施例1]
市販の殺菌乳酸菌飲料に対し、3−メチルノナン-2,4-ジオンを、100ppb、1ppbあるいは10pptとなるように添加した。比較対照として3−メチルノナン-2,4-ジオンを添加していない殺菌乳酸菌飲料を用いて、乳製品の「こく」やボリューム感が感じられるかどうかを官能評価により判定した。
【0023】
官能評価は、10名の専門パネルによる5段階の採点およびコメントの記述により行った。すなわち、3−メチルノナン-2、4-ジオンを添加しない場合に感じられる「牛乳のこく、ボリューム感」の程度を2点とし、
▲1▼牛乳のこく、ボリューム感をより強く感じる場合は3点、
▲2▼さらに強く感じる場合は4点、
▲3▼感じる程度が弱い場合は1点、
▲4▼まったく感じないは0点、
として点数をつけ、10人の採点の平均値を求めた。また、各飲料の印象を自由にコメントした。
各飲料の得点を表1に示した。また評価者のコメントのうち、多かった意見を併記した。
【0024】
【表1】
【0025】
上記のように3−メチルノナン-2,4-ジオンは適正な添加濃度で、乳酸菌飲料に対しボリューム感を与える事がわかった。
【0026】
[実施例2]
スキムミルク50重量部とショ糖50重量部を蒸留水900重量部に溶解して乳飲料ベースを調製した。
この乳飲料ベースに対しδ−デカラクトンを100ppb、1ppmおよび10ppmとなるように添加した賦香品を調製した。これらの賦香品を2つに分け、一方に3−メチルノナン-2,4-ジオンを1ppbとなるように添加した。
これら賦香品について、ラクトン、3−メチルノナン-2,4-ジオンいずれも添加しない乳飲料ベースを比較対照品として10名の専門パネルによる官能評価を行った。官能評価は、5段階の採点で行い、ラクトンを添加しない場合に感じられる「牛乳のこく、ボリューム感」の程度を2点とし、
▲1▼牛乳のこく、ボリューム感をより強く感じる場合は3点、
▲2▼さらに強く感じる場合は4点、
▲3▼感じる程度が弱い場合は1点、
▲4▼まったく感じないは0点、
として点数をつけ、採点の平均値を求めた。また感想を自由にコメントした。
評価結果を表2に示した。
【0027】
【表2】
【0028】
上記のように乳飲料にδ―デカラクトンを添加することで、「こく」は増すが、人工的な香気となった。しかし3−メチルノナン-2,4-ジオンをさらに添加することで自然な香味とすることができた。
【0029】
[実施例3]
実施例2の乳飲料ベースに表3に示すラクトン類を100ppbとなるよう添加した飲料を調製した。これらの飲料を2群に分け、一方に3−メチルノナン-2,4-ジオンを0.5ppbとなるように添加した。
これらの飲料を実施例2と同様の方法で官能評価した。結果を表3に示した。
【0030】
【表3】
【0031】
表3に示すように乳飲料にラクトンを単独で添加した場合に比べ、ラクトンと3−メチルノナン-2,4−ジオンを併用することで、乳脂感をさらに増強することができた。
【0032】
[実施例4]
表4aに示す配合比率に従いミルクフレーバーを調製した。
【0033】
【表4】
【0034】
つづいて実施例2の乳飲料ベースに、上記ミルクフレーバーを表4bに示す濃度で添加した乳飲料を調製した。また、対照例4として表4aの配合から3−メチルノナン−2,4−ジオンを除いたミルクフレーバー調製し、表4bに示す濃度で添加した乳飲料を調製した。これらを実施例1と同様の方法で官能評価を行った。
評価結果を表4bに示した。
【0035】
【表5】
【0036】
上記のように3−メチルノナン−2,4−ジオンを添加することで、ボリューム感と、乳製品らしい自然な香気を併せ持つ乳飲料用香味料組成物を調製することができた。
【0037】
【発明の効果】
本発明の3−メチルノナン−2,4−ジオンを含有する香味料組成物は、乳の香気、香味のバランスを崩すことなく、乳関連製品特有の香味や「こく」を必要かつ十分なレベルで付与増強できる。さらに、3−メチルノナン−2,4−ジオンと特定のラクトン類及び又はエステル類とを併用することでその効果が一層向上する。
Claims (5)
- 3−メチルノナン−2,4−ジオンを1ppt〜1ppb配合してなる乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品。
- 3−メチルノナン−2,4−ジオンと併せて、下記のラクトン類及びエステル類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の香味料を含有することを特徴とする請求項1記載の乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品。
(ラクトン類)
γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、シス−7−デセノ−γ−ラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、シス−6−ドデセノ−γ−ラクトン、 δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、2−デセノ−δ−ラクトン、δ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、δ−トリデカラクトン
(エステル類)
5−ヒドロキシオクタン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル、5−ヒドロキシノナン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル、5−ヒドロキシデカン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル、5−ヒドロキシウンデカン酸と炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル、5−ヒドロキシドデカン酸の炭素数1〜4のいずれかのアルコール類とのエステル - 3−メチルノナン−2,4−ジオンと、ラクトン類及び又はエステル類との配合比が1:200〜1:5000である請求項2記載の乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品。
- 乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品に、3−メチルノナン−2,4−ジオンを1ppt〜1ppb配合することを特徴とする、乳特有のこくやボリューム感を補充し増強する方法。
- 乳製品代用品がコーヒーホワイトナー、マーガリン又はファットスプレッドである請求項4記載の方法。
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