JP6743797B2 - 坩堝支持台座、石英坩堝支持装置およびシリコン単結晶の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1の石英坩堝支持装置は、図4(A),(B)に示すように、石英坩堝221を支持する黒鉛坩堝91と、黒鉛坩堝91を支持する黒鉛製の坩堝支持台座92とを備えている。
黒鉛坩堝91は、円板状の底部91Aと、それ以外の側部91Bとから構成されている。側部91Bは、縦割りに3等分して得られる第1,第2,第3の分割黒鉛部材91C,91D,91Eから構成されている。
黒鉛坩堝91の底面には、坩堝支持台座92が嵌め込まれる凹部91Fが設けられている。
各分割黒鉛部材91C,91D,91Eの上面には、これらが互いに離間することを抑制する離間抑制部材93が設けられている。離間抑制部材93は、図4(C)に示すように、棒状の連結部93Aと、この連結部93Aの両端に設けられ、各分割黒鉛部材91C,91D,91Eの円形のピン支持穴911に収容される円柱状のピン部93Bとを備えている。ピン支持穴911の内径は、ピン部93Bの外径よりも大きく形成されており、ピン部93Bが当該ピン支持穴911内で相対移動可能に構成されている。
この固化段階において、シリコン融液は、膨張した状態で固化する。
坩堝支持台座92は、収縮に際し障害がないため、膨張前の形状に戻ることができる。
一方、各分割黒鉛部材91C,91D,91Eは、石英坩堝221における固化物M1の収容部分が膨張前の状態に戻ることができないため、収縮しようとすると、当該収容部分と接触している部分に外側への力F1が作用する。そして、この力F1によって、黒鉛坩堝91の凹部91Fの開口縁と坩堝支持台座92の下端縁との接触部P9を回動中心にして、各分割黒鉛部材91C,91D,91Eの上端を互いに離間する方向へ回転させるモーメントE9が発生する。このモーメントE9によって、図5(E)に示すように、各分割黒鉛部材91C,91D,91Eの上端側が開いた状態となってしまい、黒鉛坩堝91の外側に設けられた図示しないヒータに接触して、当該ヒータを破損してしまうおそれがある。
A>B+C+D … (1)
A>B+45mm … (2)
A>B+62mm … (3)
A>B+65mm … (4)
A>B+110mm … (5)
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
〔石英坩堝支持装置の構成〕
図1(A),(B)に示すように、石英坩堝支持装置10は、石英坩堝221を支持する。石英坩堝支持装置10は、黒鉛坩堝を縦割りに3等分して得られる第1,第2,第3の分割黒鉛部材11A,11B,11C(以下、まとめて「分割黒鉛部材11」という場合がある)と、分割黒鉛部材11を支持する坩堝支持台座12と、各分割黒鉛部材11A,11B,11Cが石英坩堝221の中心CAから離れかつ互いに離間する方向に移動することを抑制する離間抑制部材93とを備えている。
坩堝支持台座12の他方の面には、分割黒鉛部材11の下部が嵌合可能な嵌合凹部122が設けられている。この嵌合凹部122の開口縁123は、図2に示すように、当該嵌合凹部122の深さ(嵌合凹部122の開口面124から底部中央までの距離)をA(mm)、分割黒鉛部材11における分割前の黒鉛坩堝の底部中央に対応する位置の肉厚をB(mm)、石英坩堝221における底部中央の肉厚をC(mm)、シリコン単結晶の育成後に石英坩堝221に残っているシリコン融液Mの固化物M1の高さ(固化物M1の表面から石英坩堝221の底部中央までの距離)をD(以下、「固化物高さD」という)(mm)として、以下の式(1)を満たすように構成されている。
なお、嵌合凹部122の深さAの上限値は、開口縁123が分割黒鉛部材11の上端と同じ位置あるいは当該上端よりも低い位置となるような値であることが好ましい。
A>B+C+D … (1)
坩堝支持台座12は、シリコン単結晶の直径が150mmの場合、以下の式(2)を満たすように構成されていてもよいし、直径が200mmの場合、以下の式(3)を満たすように構成されていてもよいし、直径が300mmの場合、以下の式(4)を満たすように構成されていてもよいし、直径が450mmの場合、以下の式(5)を満たすように構成されていてもよい。
A>B+45mm … (2)
A>B+62mm … (3)
A>B+65mm … (4)
A>B+110mm … (5)
また、シリコン単結晶の育成後におけるシリコン融液Mの残液量は、シリコン原料の初期チャージ量の1%から10%である。表1における固化物高さDは、上記初期チャージ量の1%から10%に相当するシリコン融液Mが固化したときの値である。
次に、上記石英坩堝支持装置10を用いたチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法について説明する。
この際、上述したように、シリコン融液Mは、溶融時よりも膨張した状態で固化する。
一方、石英坩堝221は、膨張前の形状に戻ろうと収縮するが、溶融時よりも膨張した状態で固化物M1が収容されているため、少なくとも固化物M1の収容部分が膨張前の状態に戻ることができない。
しかし、各分割黒鉛部材11A,11B,11Cは、石英坩堝221における固化物M1の収容部分が膨張前の状態に戻ることができないため、図2に示すように、収縮しようとすると、当該収容部分と接触している部分に外側への力F1が作用する。このとき、接触部P1がシリコン融液Mの固化物M1の表面よりも高い位置にあるため、力F1によって、当該接触部P1を回動中心にして、各分割黒鉛部材11A,11B,11Cの上端が互いに接近する方向へ回転させるモーメントE1が発生する。このモーメントE1によって、各分割黒鉛部材11A,11B,11Cの上端側が開いた状態となることが抑制され、各分割黒鉛部材11A,11B,11Cがヒータ23を破損することを抑制できる。
なお、本発明は上記実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の改良ならびに設計の変更などが可能である。
Claims (16)
- チョクラルスキー法を用いる単結晶引き上げ装置に取り付け可能に構成され、石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材を支持する坩堝支持台座であって、
前記複数の分割黒鉛部材が嵌合可能な嵌合凹部を備え、
前記嵌合凹部の開口縁は、前記複数の分割黒鉛部材との接触部が、シリコン単結晶の育成後に前記石英坩堝に残っているシリコン融液の固化物の表面よりも高くなる位置に設けられ、前記シリコン融液の固化時の膨張に伴い前記複数の分割黒鉛部材に作用する力が、前記接触部よりも低い位置に作用するように構成されていることを特徴とする坩堝支持台座。 - チョクラルスキー法を用いる単結晶引き上げ装置に取り付け可能に構成され、石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材を支持する坩堝支持台座であって、
前記複数の分割黒鉛部材が嵌合可能な嵌合凹部を備え、
前記嵌合凹部は、
当該嵌合凹部の深さをA(mm)、
前記複数の分割黒鉛部材における前記黒鉛坩堝の底部中央に対応する位置の肉厚をB(mm)、
前記石英坩堝における底部中央の肉厚をC(mm)、
シリコン単結晶の育成後に前記石英坩堝に残っているシリコン融液の固化物の高さをD(mm)として、以下の式(1)を満たすように構成されていることを特徴とする坩堝支持台座。
A>B+C+D … (1) - チョクラルスキー法を用いる単結晶引き上げ装置に取り付け可能に構成され、石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材を支持する坩堝支持台座であって、
前記複数の分割黒鉛部材が嵌合可能な嵌合凹部を備え、
前記嵌合凹部は、
当該嵌合凹部の深さをA(mm)、
前記複数の分割黒鉛部材における前記黒鉛坩堝の底部中央に対応する位置の肉厚をB(mm)として、以下の式(2)を満たすように構成されていることを特徴とする坩堝支持台座。
A>B+45mm … (2) - チョクラルスキー法を用いる単結晶引き上げ装置に取り付け可能に構成され、石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材を支持する坩堝支持台座であって、
前記複数の分割黒鉛部材が嵌合可能な嵌合凹部を備え、
前記嵌合凹部は、
当該嵌合凹部の深さをA(mm)、
前記複数の分割黒鉛部材における前記黒鉛坩堝の底部中央に対応する位置の肉厚をB(mm)として、以下の式(3)を満たすように構成されていることを特徴とする坩堝支持台座。
A>B+62mm … (3) - チョクラルスキー法を用いる単結晶引き上げ装置に取り付け可能に構成され、石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材を支持する坩堝支持台座であって、
前記複数の分割黒鉛部材が嵌合可能な嵌合凹部を備え、
前記嵌合凹部は、
当該嵌合凹部の深さをA(mm)、
前記複数の分割黒鉛部材における前記黒鉛坩堝の底部中央に対応する位置の肉厚をB(mm)として、以下の式(4)を満たすように構成されていることを特徴とする坩堝支持台座。
A>B+65mm … (4) - チョクラルスキー法を用いる単結晶引き上げ装置に取り付け可能に構成され、石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材を支持する坩堝支持台座であって、
前記複数の分割黒鉛部材が嵌合可能な嵌合凹部を備え、
前記嵌合凹部は、
当該嵌合凹部の深さをA(mm)、
前記複数の分割黒鉛部材における前記黒鉛坩堝の底部中央に対応する位置の肉厚をB(mm)として、以下の式(5)を満たすように構成されていることを特徴とする坩堝支持台座。
A>B+110mm … (5) - 石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材と、
前記複数の分割黒鉛部材を支持する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の坩堝支持台座とを備えていることを特徴とする石英坩堝支持装置。 - 石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材と、
前記複数の分割黒鉛部材を支持する請求項2に記載の坩堝支持台座とを備え、
縦割り前の前記黒鉛坩堝の内径が452mm以上462mm以下であり、
前記Bが12mm以上20mm以下、前記Cが6mm以上15mm以下、前記Dが10mm以上30mm以下であることを特徴とする石英坩堝支持装置。 - 石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材と、
前記複数の分割黒鉛部材を支持する請求項2に記載の坩堝支持台座とを備え、
縦割り前の前記黒鉛坩堝の内径が553mm以上615mm以下であり、
前記Bが15mm以上35mm以下、前記Cが8mm以上22mm以下、前記Dが15mm以上40mm以下であることを特徴とする石英坩堝支持装置。 - 石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材と、
前記複数の分割黒鉛部材を支持する請求項2に記載の坩堝支持台座とを備え、
縦割り前の前記黒鉛坩堝の内径が803mm以上823mm以下であり、
前記Bが20mm以上45mm以下、前記Cが10mm以上25mm以下、前記Dが15mm以上40mm以下であることを特徴とする石英坩堝支持装置。 - 石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材と、
前記複数の分割黒鉛部材を支持する請求項2に記載の坩堝支持台座とを備え、
縦割り前の前記黒鉛坩堝の内径が1001mm以上1031mm以下であり、
前記Bが25mm以上55mm以下、前記Cが15mm以上30mm以下、前記Dが20mm以上80mm以下であることを特徴とする石英坩堝支持装置。 - 石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材と、
前記複数の分割黒鉛部材を支持する請求項3に記載の坩堝支持台座とを備え、
縦割り前の前記黒鉛坩堝の内径が452mm以上462mm以下であり、
前記Bが12mm以上20mm以下であることを特徴とする石英坩堝支持装置。 - 石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材と、
前記複数の分割黒鉛部材を支持する請求項4に記載の坩堝支持台座とを備え、
縦割り前の前記黒鉛坩堝の内径が553mm以上615mm以下であり、
前記Bが15mm以上35mm以下であることを特徴とする石英坩堝支持装置。 - 石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材と、
前記複数の分割黒鉛部材を支持する請求項5に記載の坩堝支持台座とを備え、
縦割り前の前記黒鉛坩堝の内径が803mm以上823mm以下であり、
前記Bが20mm以上45mm以下であることを特徴とする石英坩堝支持装置。 - 石英坩堝を支持する黒鉛坩堝を縦割りにして得られる複数の分割黒鉛部材と、
前記複数の分割黒鉛部材を支持する請求項6に記載の坩堝支持台座とを備え、
縦割り前の前記黒鉛坩堝の内径が1001mm以上1031mm以下であり、
前記Bが25mm以上55mm以下であることを特徴とする石英坩堝支持装置。 - 石英坩堝と、
前記石英坩堝を支持する請求項7から請求項15のいずれか一項に記載の石英坩堝支持装置とを用いたシリコン単結晶の製造方法であって、
前記シリコン単結晶の育成後に前記石英坩堝に残っているシリコン融液の固化物の表面が、前記嵌合凹部の開口縁と前記複数の分割黒鉛部材との接触部よりも低い位置となるように、前記シリコン融液を固化することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
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