JP2012254917A - ルツボ及びこのルツボの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却時における石英ガラスルツボの食い込みを抑制でき、石英ガラスルツボを破壊することなく、石英ガラスルツボを容易に取り外すことができ、更には珪化を抑制できるルツボ及びこのルツボの製造方法を提供する。
【解決手段】溶融材料を収容する石英ガラスルツボを支持、保持するために用いられる、底部と、前記底部の上方に設けられた直胴部とを有するルツボであって、前記底部が黒鉛材で形成されると共に、前記直胴部が、引張弾性率が400GPa以上900GPa以下のピッチ系炭素繊維を用いた炭素繊維織布を含む炭素繊維強化炭素複合材から形成され、かつ常温から800℃に昇温した際の直胴部の周方向の平均線熱膨張係数が、石英ガラスの平均線熱膨張係数以下であることを特徴としている。
【選択図】なし
【解決手段】溶融材料を収容する石英ガラスルツボを支持、保持するために用いられる、底部と、前記底部の上方に設けられた直胴部とを有するルツボであって、前記底部が黒鉛材で形成されると共に、前記直胴部が、引張弾性率が400GPa以上900GPa以下のピッチ系炭素繊維を用いた炭素繊維織布を含む炭素繊維強化炭素複合材から形成され、かつ常温から800℃に昇温した際の直胴部の周方向の平均線熱膨張係数が、石英ガラスの平均線熱膨張係数以下であることを特徴としている。
【選択図】なし
Description
本発明は、ルツボ、及びこのルツボの製造方法に関し、例えば、半導体材料等の単結晶を引上げる装置または太陽電池材料等の多結晶を製造する装置において溶融材料を収容するルツボを支持、保持するために用いられる、ルツボ及びこのルツボの製造方法に関する。
例えば、半導体材料等の単結晶を製造する場合、CZ法(チョクラルスキー法)が広く用いられている。
このCZ方法は、図7に示すように石英ガラスルツボ50内に収容されたシリコンの溶融液Mの表面に種結晶Pを接触させ、石英ガラスルツボ50を回転させるとともに、この種結晶Pを反対方向に回転させながら上方へ引上げることによって、種結晶Pの下端に単結晶Cを形成していくものである。
このCZ方法は、図7に示すように石英ガラスルツボ50内に収容されたシリコンの溶融液Mの表面に種結晶Pを接触させ、石英ガラスルツボ50を回転させるとともに、この種結晶Pを反対方向に回転させながら上方へ引上げることによって、種結晶Pの下端に単結晶Cを形成していくものである。
この石英ガラスルツボ50はシリコン単結晶Cの育成にともない、周りを取り囲むヒータ52の熱、シリコン溶融液Mの熱によって軟化する。このため、石英ガラスルツボ50は黒鉛ルツボ51内に収容され、支持されている。
そして、シリコン単結晶引上げが終了すると、石英ガラスルツボ50及び黒鉛ルツボ51は冷却される。このとき、前記黒鉛ルツボ51の熱膨張係数が石英ガラスルツボ50よりも大きいため、両者が密着した状態で冷却されると、黒鉛ルツボ51に亀裂が生じ、最終的には割れが生じるという課題があった。
そして、シリコン単結晶引上げが終了すると、石英ガラスルツボ50及び黒鉛ルツボ51は冷却される。このとき、前記黒鉛ルツボ51の熱膨張係数が石英ガラスルツボ50よりも大きいため、両者が密着した状態で冷却されると、黒鉛ルツボ51に亀裂が生じ、最終的には割れが生じるという課題があった。
そのような課題に対し、例えば特許文献1には、従来の黒鉛ルツボ51に代えて、炭素繊維強化炭素複合材(C/C材とも呼ぶ)からなるルツボ(以下、炭素繊維ルツボという)を用いることが提案されている。
前記ルツボのC/C材の炭素繊維としては、値段が安く、しかも柔軟性を有し、取扱いの容易なPAN系の炭素繊維が用いられている。このPAN系の炭素繊維からなるC/C材の線熱膨張係数は、黒鉛材に比べて石英ガラスルツボの線熱膨張係数に近く、また機械的強度が黒鉛材よりも高いため、冷却時の割れの発生を抑制することができる。
しかしながら、このPAN系の炭素繊維からなるC/C材の線熱膨張係数は、前記したように黒鉛材に比べて石英ガラスルツボの線熱膨張係数に近いが、一般的に高温域において石英ガラスルツボの線熱膨張係数よりも大きく、常温から1000℃に昇温した際の線熱膨張係数は石英ガラスの2倍程度となる。
そのため、シリコン単結晶引上げが終了し、石英ガラスルツボ及び炭素繊維ルツボが冷却される際、両者が密着した状態で冷却されると、石英ガラスルツボが炭素繊維ルツボに食い込み(強固に嵌合し)、石英ルツボを炭素繊維ルツボから取り外すことができないという課題があった。
そのため、シリコン単結晶引上げが終了し、石英ガラスルツボ及び炭素繊維ルツボが冷却される際、両者が密着した状態で冷却されると、石英ガラスルツボが炭素繊維ルツボに食い込み(強固に嵌合し)、石英ルツボを炭素繊維ルツボから取り外すことができないという課題があった。
また、前記炭素繊維ルツボを再利用するために、石英ガラスルツボを炭素繊維ルツボから取り外す必要があるが、前記したように石英ガラスルツボが炭素繊維ルツボに食い込む(強固に嵌合する)ため、石英ルツボを破壊して前記石英ガラスルツボを取り出さなければならず、前記炭素繊維ルツボを再利用に手間がかかるという課題があった。
更に、C/C材の炭素繊維は、シリコン単結晶引上げ工程において酸化珪素ガスに接触すると珪化が進み、かかる珪化部分の熱膨張がより大きくなる。その結果、石英ガラスルツボ及び炭素繊維ルツボが冷却される際、石英ガラスルツボと珪化部分の熱膨張の差によって炭素繊維ルツボに亀裂、割れが生じるという課題があった。
更に、C/C材の炭素繊維は、シリコン単結晶引上げ工程において酸化珪素ガスに接触すると珪化が進み、かかる珪化部分の熱膨張がより大きくなる。その結果、石英ガラスルツボ及び炭素繊維ルツボが冷却される際、石英ガラスルツボと珪化部分の熱膨張の差によって炭素繊維ルツボに亀裂、割れが生じるという課題があった。
本出願人は、石英ガラスルツボ及び炭素繊維ルツボが冷却された際、石英ガラスルツボが炭素繊維ルツボに食い込むことなく、また石英ガラスルツボを炭素繊維ルツボから容易に取外すことができる、更には珪化を抑制することができ炭素繊維ルツボについて鋭意研究した。
そして、特定の物性を有する炭素繊維強化炭素複合材からなる直胴部を有するルツボが、石英ガラスルツボの食い込みを抑制でき、石英ガラスルツボを破壊することなく、石英ガラスルツボを炭素繊維ルツボから容易に取出せ、更には珪化を抑制できることを知見し、本発明を完成するに至った。
そして、特定の物性を有する炭素繊維強化炭素複合材からなる直胴部を有するルツボが、石英ガラスルツボの食い込みを抑制でき、石英ガラスルツボを破壊することなく、石英ガラスルツボを炭素繊維ルツボから容易に取出せ、更には珪化を抑制できることを知見し、本発明を完成するに至った。
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、冷却時における石英ガラスルツボの食い込みを抑制でき、石英ガラスルツボを破壊することなく、石英ガラスルツボを容易に取り外すことができ、更には珪化を抑制できるルツボ、及びこのルツボの製造方法を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するためになされた本発明にかかるルツボは、溶融材料を収容する石英ガラスルツボを支持、保持するために用いられる、底部と、前記底部の上方に設けられた直胴部とを有するルツボであって、前記底部が黒鉛材で形成されると共に、前記直胴部が、引張弾性率400GPa以上900GPa以下のピッチ系炭素繊維を用いた炭素繊維織布を含む炭素繊維強化炭素複合材から形成され、かつ常温から800℃に昇温した際の直胴部の周方向の平均線熱膨張係数が、石英ガラスの平均線熱膨張係数以下であることを特徴としている。
本発明にかかるルツボの直胴部は、引張弾性率400GPa以上900GPa以下のピッチ系炭素繊維を用いた繊維織布を含む炭素繊維強化炭素複合材から形成されている。
このように、前記直胴部を特定のピッチ系炭素繊維織布を含む炭素繊維強化炭素複合材で形成したのは、常温から800℃に昇温した際の平均線熱膨張係数を石英ガラスの平均線熱膨張係数以下とするためである。
尚、前記直胴部を、PAN系炭素繊維織布を含む炭素繊維強化炭素複合材で形成した場合には、石英ガラスの平均線熱膨張係数とほぼ同じ、もしくはより小さな平均線熱膨張係数になすことが困難であり、好ましくない。
このように、前記直胴部を特定のピッチ系炭素繊維織布を含む炭素繊維強化炭素複合材で形成したのは、常温から800℃に昇温した際の平均線熱膨張係数を石英ガラスの平均線熱膨張係数以下とするためである。
尚、前記直胴部を、PAN系炭素繊維織布を含む炭素繊維強化炭素複合材で形成した場合には、石英ガラスの平均線熱膨張係数とほぼ同じ、もしくはより小さな平均線熱膨張係数になすことが困難であり、好ましくない。
上記したように、常温から800℃に昇温した際の直胴部の周方向の平均線熱膨張係数が、石英ガラスの平均線熱膨張係数以下であるため、石英ガラスルツボ及び炭素繊維強化炭素複合円筒部材が密着した状態で冷却されても、石英ガラスルツボが前記円筒部材(直胴部)に食い込む(強固に嵌合する)ことなく、石英ガラスルツボをルツボから容易に取り出すことができる。
ここで、前記直胴部を形成する炭素繊維強化炭素複合材の常温から800℃に昇温した際の平均線熱膨張係数が0.5×10−6/℃以下であることがより望ましい。
ここで、前記直胴部を形成する炭素繊維強化炭素複合材の常温から800℃に昇温した際の平均線熱膨張係数が0.5×10−6/℃以下であることがより望ましい。
また、この直胴部の引張弾性率は400〜900GPaになるように構成されている。この直胴部の引張弾性率が400GPa未満の場合には、炭素繊維内のグラファイト配向が発達しておらず、常温から800℃に昇温した際のルツボ周方向の平均線熱膨張係数を石英ガラスの平均線熱膨張係数とほぼ同じ、もしくはより小さくすることが困難であるため好ましくない。一方、円筒部材(直胴部)の引張弾性率が900GPaを超えると、炭素繊維が脆くなり、成形時に組織内部で炭素繊維が折れ、組織破壊に伴う機械的強度が低下するため好ましくない。
また、前記直胴部の平均線熱膨張係数が、室温から400℃の範囲において負の係数であって、400℃から室温までの冷却過程において熱膨張する(室温から400℃の範囲において熱収縮すること)が望ましい。
このように、前記円筒部材の平均線熱膨張係数が、室温から400℃の範囲において負の係数であれば、室温から400℃の範囲において熱収縮するため前記直胴部の内表面と石英ガラスルツボ外表面との間にすき間が生じ、石英ガラスルツボをより簡単に取り外すことができる。
このように、前記円筒部材の平均線熱膨張係数が、室温から400℃の範囲において負の係数であれば、室温から400℃の範囲において熱収縮するため前記直胴部の内表面と石英ガラスルツボ外表面との間にすき間が生じ、石英ガラスルツボをより簡単に取り外すことができる。
また、前記ピッチ系炭素繊維織布の目付が200〜600g/m2であることが望ましい。このようにピッチ系炭素繊維織布の目付が200g/m2未満の場合には、繊維間の隙間が大きくなり、マトリックス部の珪化が促進されるため、好ましくない。
一方、ピッチ系炭素繊維織布の目付が600g/m2を超える場合には、炭素繊維織布が厚くなるため所定厚さに対する積層枚数が減り、積層した炭素繊維織布間のマトリックス部への応力集中が生じることにより強度が低下するため、好ましくない。また、厚い織布となった場合、繊維の曲率が大きくなり、製造時もしくは使用時に繊維が折れ易く、機械的強度が低下するため、好ましくない。
一方、ピッチ系炭素繊維織布の目付が600g/m2を超える場合には、炭素繊維織布が厚くなるため所定厚さに対する積層枚数が減り、積層した炭素繊維織布間のマトリックス部への応力集中が生じることにより強度が低下するため、好ましくない。また、厚い織布となった場合、繊維の曲率が大きくなり、製造時もしくは使用時に繊維が折れ易く、機械的強度が低下するため、好ましくない。
また、単結晶引き上げ炉内では、発生した酸化珪素ガスが前記直胴部と化学反応して直胴部を消耗させる。同時にPAN系炭素繊維を用いた炭素繊維強化炭素複合材料は、ピッチ系炭素繊維を用いた炭素繊維強化炭素複合材料に比べて酸化珪素ガスと反応しやすい傾向があり、この点でも好ましくない。
ここで、前記直胴部を形成する炭素繊維強化炭素複合材料はかさ密度が1.3g/cm3〜1.8g/cm3であることが望ましい。
かさ密度が1.3g/cm3以下である場合には、組織が疎であるため、酸化珪素ガスが組織内部に侵入し、消耗を促進するため好ましくない。
一方、かさ密度が1.8g/cm3以上である場合には、組織が緻密なため熱膨張係数が高くなり、室温から800℃に昇温した際の平均線熱膨張係数を、石英ガラスの平均線熱膨張係数以下とすることが困難であるため好ましくない。
ここで、前記直胴部を形成する炭素繊維強化炭素複合材料はかさ密度が1.3g/cm3〜1.8g/cm3であることが望ましい。
かさ密度が1.3g/cm3以下である場合には、組織が疎であるため、酸化珪素ガスが組織内部に侵入し、消耗を促進するため好ましくない。
一方、かさ密度が1.8g/cm3以上である場合には、組織が緻密なため熱膨張係数が高くなり、室温から800℃に昇温した際の平均線熱膨張係数を、石英ガラスの平均線熱膨張係数以下とすることが困難であるため好ましくない。
また、上記ルツボの製造方法であって、前記炭素繊維織布が熱硬化性樹脂と炭素粉との混合接着剤を用いて貼り合わされ、その後、熱硬化処理、炭素化処理、黒鉛化処理および高純度化処理を施して、前記直胴部が形成されることが望ましい。
本発明によれば、冷却時における石英ガラスルツボの食い込みが抑制され、石英ガラスルツボを破壊することなく、石英ガラスルツボを容易に取り外すことができ、更には、珪化を抑制できるルツボ、及びこのルツボの製造方法を得ることができる。
以下、本発明にかかるルツボ及びこのルツボの製造方法の実施の形態について図面に基づき説明する。
まず、図1に基づいて、このルツボの直胴部に用いられる炭素繊維織布について説明する。この炭素繊維織布1はピッチ系の炭素繊維織布であって、直径5μm〜20μmのピッチ系の炭素繊維1000本〜36000本を縦糸1aとし、直径5μm〜20μmのピッチ系の炭素繊維1000本〜36000本を横糸1bとして、交互に織り上げた炭素繊維織布であって、その目付け量は200g/m2〜600g/m2、厚さは0.1mm〜0.6mmに形成されている。
まず、図1に基づいて、このルツボの直胴部に用いられる炭素繊維織布について説明する。この炭素繊維織布1はピッチ系の炭素繊維織布であって、直径5μm〜20μmのピッチ系の炭素繊維1000本〜36000本を縦糸1aとし、直径5μm〜20μmのピッチ系の炭素繊維1000本〜36000本を横糸1bとして、交互に織り上げた炭素繊維織布であって、その目付け量は200g/m2〜600g/m2、厚さは0.1mm〜0.6mmに形成されている。
このピッチ系の炭素繊維織布は、一般的な製法で作成される。先ず、精製した原料のピッチを加熱して紡糸できるように粘度や分子量を調整し、その後、加熱し流動性を与え、ノズルを通して所定の直径(例えば、10μm)の繊維を成形する。
この状態で,酸素を付加する不融化処理を施し,不活性雰囲気の中で炭素化処理をすることによりピッチ系炭素繊維を製造することができる。
この状態で,酸素を付加する不融化処理を施し,不活性雰囲気の中で炭素化処理をすることによりピッチ系炭素繊維を製造することができる。
そして、前記したように縦糸及び横糸を編み、図1に示すようなピッチ系の炭素繊維織布を形成する。このピッチ系の炭素繊維としては、例えば、日本グラファイトファイバー社製の商品名XN−80を用いることができる。一般的にこのピッチ系の炭素繊維織布の線熱膨張係数は、常温において−1.5×10−6/℃であり、また引張弾性率は、780GPaである。
次に、図2に基づいて、本発明にかかるルツボ10の実施形態について説明する。
このルツボ10は、例えば、半導体材料等の単結晶を引上げる単結晶引上装置(図示せず)において、シリコン溶融液を収容する石英ガラスルツボを支持、保持するために使用されるルツボである。
このルツボ10は、例えば、半導体材料等の単結晶を引上げる単結晶引上装置(図示せず)において、シリコン溶融液を収容する石英ガラスルツボを支持、保持するために使用されるルツボである。
このルツボ10は円筒状の直胴部11と底部12とを有し、前記直胴部11は前記底部12の上面に取り付けられている。また、前記直胴部11の下部内周面と前記底部12の内周縁に接して、リング状のスペーサ13が設けられている。
この底部12及びスペーサ13は従来と同様に黒鉛材から形成され、直胴部11はピッチ系の炭素繊維織布から形成されている。
このようにこの底部12及びスペーサ13は従来と同様に黒鉛材から形成されている場合には、炭素繊維強化炭素材料よりも熱膨張係数が大きいため、冷却時に直胴部端部に食い込むことなく、取り外すことができ、好ましい。
この底部12及びスペーサ13は従来と同様に黒鉛材から形成され、直胴部11はピッチ系の炭素繊維織布から形成されている。
このようにこの底部12及びスペーサ13は従来と同様に黒鉛材から形成されている場合には、炭素繊維強化炭素材料よりも熱膨張係数が大きいため、冷却時に直胴部端部に食い込むことなく、取り外すことができ、好ましい。
尚、図3に示すように、底部12及びスペーサ13を黒鉛材によって一体に形成しても良い。また、底部12およびスペーサ13を炭素繊維強化炭素材料、特に、ピッチ系の炭素繊維強化炭素材料によって形成しても良い。また底部12およびスペーサ13を炭素繊維強化炭素材料によって一体に形成しても良い。
また、図2に示すルツボ10の直胴部11の下部外周面は、前記底部12の立上がり部12aの内周に嵌合し、前記直胴部11は前記底部12に固定される。これに対して、図3に示すようにルツボ10の直胴部11の下部内周面は、前記底部12の立上がり部12aの外周に嵌合し、前記直胴部11が前記底部12に固定されるようになしても良い。
また、図2に示すルツボ10の直胴部11の下部外周面は、前記底部12の立上がり部12aの内周に嵌合し、前記直胴部11は前記底部12に固定される。これに対して、図3に示すようにルツボ10の直胴部11の下部内周面は、前記底部12の立上がり部12aの外周に嵌合し、前記直胴部11が前記底部12に固定されるようになしても良い。
また、前記直胴部11の上部端部の内周側は、R面取り(曲面形状に面取り)、あるいはC面取り(角取り)を行うのが望ましい。
このように、前記直胴部11の上部端部の内周側が、R面取り(曲面形状に面取り)、あるいはC面取り(角取り)されている場合には、万一、石英ガラスルツボがルツボに食い込んで、石英ガラスルツボを破壊する場合にも、直胴部11の上部端部の内周側におけるクラックあるいは欠け等を抑制でき、直胴部11を再利用に供することができる。
このように、前記直胴部11の上部端部の内周側が、R面取り(曲面形状に面取り)、あるいはC面取り(角取り)されている場合には、万一、石英ガラスルツボがルツボに食い込んで、石英ガラスルツボを破壊する場合にも、直胴部11の上部端部の内周側におけるクラックあるいは欠け等を抑制でき、直胴部11を再利用に供することができる。
このルツボ10は、前記した炭素繊維織布1を複数枚、熱硬化性樹脂と炭素粉(例えば黒鉛粉)との混合接着剤(図示せず)を担持して貼り合わせ、その後、熱硬化、炭素化、黒鉛化および高純度化処理を施すことによって形成される。
具体的には、図4に示すシート状の炭素繊維織布1が、図5に示すようなルツボ成型用金型14上で複数層に貼り合わせられ、熱硬化、炭素化、黒鉛化および高純度化処理を施されて形成される。具体的な製造方法については、後述する。
具体的には、図4に示すシート状の炭素繊維織布1が、図5に示すようなルツボ成型用金型14上で複数層に貼り合わせられ、熱硬化、炭素化、黒鉛化および高純度化処理を施されて形成される。具体的な製造方法については、後述する。
このルツボ10の直胴部11の引張弾性率は400〜900GPaになるように構成されている。この直胴部11の引張弾性率が400GPa未満の場合には、炭素繊維内のグラファイト配向が発達しておらず、常温から800℃に昇温した際のルツボ周方向の線熱膨張係数を石英ガラスの線熱膨張係数より小さくすることが困難であるため好ましくない。
石英ガラスルツボが昇温する際には、石英ガラスの軟化によりルツボ10の内径に沿って変形が生じるため、ルツボ10の周方向へ生じる引張り応力を考慮すると、この直胴部11の引張弾性率が400GPa以上であることが好ましい。
一方、前記直胴部の引張弾性率が900GPaを超えると、炭素繊維が脆くなり、成形時に組織内部で炭素繊維が折れ、組織破壊に伴う機械的強度が低下するため好ましくない。
石英ガラスルツボが昇温する際には、石英ガラスの軟化によりルツボ10の内径に沿って変形が生じるため、ルツボ10の周方向へ生じる引張り応力を考慮すると、この直胴部11の引張弾性率が400GPa以上であることが好ましい。
一方、前記直胴部の引張弾性率が900GPaを超えると、炭素繊維が脆くなり、成形時に組織内部で炭素繊維が折れ、組織破壊に伴う機械的強度が低下するため好ましくない。
このルツボの製造方法の実施の形態について図面に基づき説明する。
先ず、図5に示すようにルツボ成型用金型14を用意し、その金型直胴部14aに熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂)と炭素粉(例えば、黒鉛粉)との混合接着剤(図示せず)を担持した炭素繊維織布1を巻き付ける(図6のステップS1)。
また、炭素繊維織布1の炭素繊維の軸線方向(縦糸1a、横糸1bの軸線方向)は、ルツボ周方向Tに対して平行方向と直交方向(ルツボの軸線方向)となされている。
このとき、炭素繊維織布1は、図5に矢印で示すルツボ周方向Tと平行方向に伸長せず、またルツボ周方向Tと直交方向(ルツボの軸線方向)にも伸長しないが、この金型直胴部14aの径が変化しないため、金型直胴部14aに炭素繊維織布1を皺なく貼り付けることができる。
先ず、図5に示すようにルツボ成型用金型14を用意し、その金型直胴部14aに熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂)と炭素粉(例えば、黒鉛粉)との混合接着剤(図示せず)を担持した炭素繊維織布1を巻き付ける(図6のステップS1)。
また、炭素繊維織布1の炭素繊維の軸線方向(縦糸1a、横糸1bの軸線方向)は、ルツボ周方向Tに対して平行方向と直交方向(ルツボの軸線方向)となされている。
このとき、炭素繊維織布1は、図5に矢印で示すルツボ周方向Tと平行方向に伸長せず、またルツボ周方向Tと直交方向(ルツボの軸線方向)にも伸長しないが、この金型直胴部14aの径が変化しないため、金型直胴部14aに炭素繊維織布1を皺なく貼り付けることができる。
尚、炭素繊維織布1の貼り付け工程を複数回繰り返して行い、所定の厚さに積層されていく(図6のステップS2)。このとき、短尺の炭素繊維織布1を複数枚用いて金型直胴部14aに複数回、巻回して形成しても良いし、あるいは一枚の長尺の炭素繊維織布1を金型直胴部14aに複数回、巻回して形成しても良い。
そして、炭素繊維織布の貼り付け(積層)が全て終了すると、熱硬化、炭素化、黒鉛化および高純度化処理を施されて、炭素繊維からなる円筒状の直胴部11が製造される(図6のステップS4〜S8)。
この円筒状の直胴部11は、黒鉛からなる底部に取付けられ、ピッチ系の炭素繊維織布を含むルツボ10とされる。尚、底部12、スペーサ13は従来の製法により黒鉛材によって形成される。
そして、炭素繊維織布の貼り付け(積層)が全て終了すると、熱硬化、炭素化、黒鉛化および高純度化処理を施されて、炭素繊維からなる円筒状の直胴部11が製造される(図6のステップS4〜S8)。
この円筒状の直胴部11は、黒鉛からなる底部に取付けられ、ピッチ系の炭素繊維織布を含むルツボ10とされる。尚、底部12、スペーサ13は従来の製法により黒鉛材によって形成される。
このような炭素繊維織布1の貼り付け(積層)が全て終了すると、最内層の炭素繊維織布1の下端部(ルツボ使用時において上端部)を、外周方向に折曲げ、ルツボ端部を覆うように貼り付けし、端部成形処理を行う(図6のステップS3)。
この端部処理を行うため、最内層の炭素繊維織布1は、他の層の炭素繊維織布1の下端部よりも、予め下方に長く形成される。
この端部処理を行うため、最内層の炭素繊維織布1は、他の層の炭素繊維織布1の下端部よりも、予め下方に長く形成される。
このようにして、ルツボ型のプリフォームが得られると、ルツボ成型用金型14の周りに貼り付けられた状態で真空炉内に配置し、100℃〜300℃の温度で熱硬化を行う(図6のステップS4)。
次いで、ルツボ成型用金型14を取り外し(図6のステップS5)、得られる成型体を不活性雰囲気中で約1000℃の温度で炭素化処理を行い(図6のステップS6)、その後、必要に応じてフェノール樹脂やタールピッチ等を含浸し、再度、炭素化処理を行う。
炭素化処理の後、2000℃以上の温度で加熱し、黒鉛化処理を行う(図6のステップS7)。
そして、黒鉛化により得られたルツボを、通常1500℃から2500℃の温度に加熱して、高純度化処理を施し、ピッチ系の炭素繊維織布を含む炭素繊維ルツボ20を得る(図6のステップS8)。
次いで、ルツボ成型用金型14を取り外し(図6のステップS5)、得られる成型体を不活性雰囲気中で約1000℃の温度で炭素化処理を行い(図6のステップS6)、その後、必要に応じてフェノール樹脂やタールピッチ等を含浸し、再度、炭素化処理を行う。
炭素化処理の後、2000℃以上の温度で加熱し、黒鉛化処理を行う(図6のステップS7)。
そして、黒鉛化により得られたルツボを、通常1500℃から2500℃の温度に加熱して、高純度化処理を施し、ピッチ系の炭素繊維織布を含む炭素繊維ルツボ20を得る(図6のステップS8)。
このようにして形成された前記直胴部の周方向の平均線熱膨張係数、前記底部の周方向、径方向の平均線熱膨張係数が、室温から800℃に昇温した際に0.5×10−6/℃以下である。特に、室温から400℃の範囲において、0.0×10−6/℃以下であり、室温から400℃の範囲において熱収縮する。すなわち、400℃から室温に冷却する際には膨張する。
一方、前記石英ガラスルツボを構成する石英ガラスは、常温から800℃における平均線熱膨張係数が0.5×10−6/℃〜0.6×10−6/℃で、前記温度域においてほぼ一定であり、前記直胴部、前記底部の平均線熱膨張係数が、石英ガラスの平均線熱膨張係数と近似かそれ以下の値を有している。
一方、前記石英ガラスルツボを構成する石英ガラスは、常温から800℃における平均線熱膨張係数が0.5×10−6/℃〜0.6×10−6/℃で、前記温度域においてほぼ一定であり、前記直胴部、前記底部の平均線熱膨張係数が、石英ガラスの平均線熱膨張係数と近似かそれ以下の値を有している。
このように、ルツボの直胴部が、石英ガラスの平均線熱膨張係数と近似かそれ以下の小さな熱膨張係数を有する材料で構成されているため、石英ガラスルツボ及び炭素繊維ルツボが冷却される際、両者が密着した状態で冷却された場合であっても、石英ガラスルツボが前記直胴部に食い込む(強固に嵌合する)ことなく、石英ガラスルツボを炭素繊維強化炭素複合材ルツボから容易に取り出すことができる。
特に、前記直胴部、前記底部の平均線熱膨張係数が室温から400℃の範囲において負の値、すなわち0.0×10−6/℃未満であれば、400℃から室温までの冷却過程において、炭素繊維強化炭素複合材ルツボが膨張するため、石英ガラスルツボとの間にすき間が生じ、より簡単に取り外すことができる。
特に、前記直胴部、前記底部の平均線熱膨張係数が室温から400℃の範囲において負の値、すなわち0.0×10−6/℃未満であれば、400℃から室温までの冷却過程において、炭素繊維強化炭素複合材ルツボが膨張するため、石英ガラスルツボとの間にすき間が生じ、より簡単に取り外すことができる。
[実施例1]
市販の引張弾性率780GPaのピッチ系炭素繊維から目付け量400g/m2の炭素繊維織布を製織し、これに黒鉛粉とフェノール樹脂との混合接着剤を担持してプリプレグを得た。これをφ500mmの円筒形状の金型に貼り付けて積層し、150℃で硬化させ、円筒形状の成型体を得た。これを炭素粉内に埋めて約1000℃で焼成した後、2100℃で2次焼成および高純度化処理をおこなった。得られた炭素繊維強化炭素複合材円筒のかさ密度は1.55g/cm3、室温から800℃に昇温した際の平均線熱膨張係数は0.31×10−6/℃であった。
得られた炭素繊維強化炭素複合材円筒を、黒鉛材から成る受け皿に取り付けルツボとした。これらの炭素繊維強化炭素複合材ルツボに多結晶シリコンを満たした石英ガラスルツボを入れ、1550℃で5時間熱処理をおこない徐冷して石英ガラスルツボとの嵌め合わせの状態を確認した。その結果、石英ガラスルツボを比較的容易に取り外すことができた。
市販の引張弾性率780GPaのピッチ系炭素繊維から目付け量400g/m2の炭素繊維織布を製織し、これに黒鉛粉とフェノール樹脂との混合接着剤を担持してプリプレグを得た。これをφ500mmの円筒形状の金型に貼り付けて積層し、150℃で硬化させ、円筒形状の成型体を得た。これを炭素粉内に埋めて約1000℃で焼成した後、2100℃で2次焼成および高純度化処理をおこなった。得られた炭素繊維強化炭素複合材円筒のかさ密度は1.55g/cm3、室温から800℃に昇温した際の平均線熱膨張係数は0.31×10−6/℃であった。
得られた炭素繊維強化炭素複合材円筒を、黒鉛材から成る受け皿に取り付けルツボとした。これらの炭素繊維強化炭素複合材ルツボに多結晶シリコンを満たした石英ガラスルツボを入れ、1550℃で5時間熱処理をおこない徐冷して石英ガラスルツボとの嵌め合わせの状態を確認した。その結果、石英ガラスルツボを比較的容易に取り外すことができた。
[実施例2]
市販の引張弾性率780GPaのピッチ系炭素繊維から目付け量400g/m2の炭素繊維織布を製織し、これに黒鉛粉とフェノール樹脂との混合接着剤を担持してプリプレグを得た。これをφ500mmの円筒形状の金型に貼り付けて積層し、150℃で硬化させ、円筒形状の成型体を得た。これを炭素粉内に埋めて約1000℃で焼成し、フェノール樹脂を含浸させて再度焼成した後、2100℃で2次焼成および高純度化処理をおこなった。得られた炭素繊維強化炭素複合材円筒のかさ密度は1.55g/cm3、室温から800℃に昇温した際の平均線熱膨張係数は0.49×10−6/℃であった。
得られた炭素繊維強化炭素複合材円筒を、黒鉛材から成る受け皿に取り付けルツボとした。これらの炭素繊維強化炭素複合材ルツボに多結晶シリコンを満たした石英ガラスルツボを入れ、1550℃で5時間熱処理をおこない徐冷して石英ガラスルツボとの嵌め合わせの状態を確認した。その結果、石英ガラスルツボを比較的容易に取り外すことができた。
市販の引張弾性率780GPaのピッチ系炭素繊維から目付け量400g/m2の炭素繊維織布を製織し、これに黒鉛粉とフェノール樹脂との混合接着剤を担持してプリプレグを得た。これをφ500mmの円筒形状の金型に貼り付けて積層し、150℃で硬化させ、円筒形状の成型体を得た。これを炭素粉内に埋めて約1000℃で焼成し、フェノール樹脂を含浸させて再度焼成した後、2100℃で2次焼成および高純度化処理をおこなった。得られた炭素繊維強化炭素複合材円筒のかさ密度は1.55g/cm3、室温から800℃に昇温した際の平均線熱膨張係数は0.49×10−6/℃であった。
得られた炭素繊維強化炭素複合材円筒を、黒鉛材から成る受け皿に取り付けルツボとした。これらの炭素繊維強化炭素複合材ルツボに多結晶シリコンを満たした石英ガラスルツボを入れ、1550℃で5時間熱処理をおこない徐冷して石英ガラスルツボとの嵌め合わせの状態を確認した。その結果、石英ガラスルツボを比較的容易に取り外すことができた。
[比較例1]
用いた炭素繊維が市販の引張弾性率240GPaのPAN系炭素繊維であること以外は、すべて実施例1と同様にして炭素繊維強化炭素複合材円筒を得た。かさ密度は1.44g/cm3、室温から800℃に昇温した際の平均線熱膨張係数は0.81×10−6/℃であった。
実施例1と同様に、得られた炭素繊維強化炭素複合材円筒を、黒鉛材から成る受け皿に取り付けルツボとした。これらの炭素繊維強化炭素複合材ルツボに多結晶シリコンを満たした石英ガラスルツボを入れ、1550℃で5時間熱処理をおこない徐冷して石英ガラスルツボとの嵌め合わせの状態を確認した。
その結果、前記円筒では石英ルツボが食い込み取り外しが困難で、取り外すそうとすると炭素繊維強化炭素複合材円筒にカケやクラックが生じ、破損した。
用いた炭素繊維が市販の引張弾性率240GPaのPAN系炭素繊維であること以外は、すべて実施例1と同様にして炭素繊維強化炭素複合材円筒を得た。かさ密度は1.44g/cm3、室温から800℃に昇温した際の平均線熱膨張係数は0.81×10−6/℃であった。
実施例1と同様に、得られた炭素繊維強化炭素複合材円筒を、黒鉛材から成る受け皿に取り付けルツボとした。これらの炭素繊維強化炭素複合材ルツボに多結晶シリコンを満たした石英ガラスルツボを入れ、1550℃で5時間熱処理をおこない徐冷して石英ガラスルツボとの嵌め合わせの状態を確認した。
その結果、前記円筒では石英ルツボが食い込み取り外しが困難で、取り外すそうとすると炭素繊維強化炭素複合材円筒にカケやクラックが生じ、破損した。
1 (ピッチ系)炭素繊維織布
10 ピッチ系炭素繊維強化炭素複合材ルツボ(炭素繊維ルツボ)
11 直胴部
12 底部
14 ルツボ成型用金型
10 ピッチ系炭素繊維強化炭素複合材ルツボ(炭素繊維ルツボ)
11 直胴部
12 底部
14 ルツボ成型用金型
Claims (6)
- 溶融材料を収容する石英ガラスルツボを支持、保持するために用いられる、底部と、前記底部の上方に設けられた直胴部とを有するルツボであって、
前記底部が黒鉛材で形成されると共に、
前記直胴部が、引張弾性率400GPa以上900GPa以下のピッチ系炭素繊維を用いた炭素繊維織布を含む炭素繊維強化炭素複合材から形成され、かつ常温から800℃に昇温した際の直胴部の周方向の平均線熱膨張係数が、石英ガラスの平均線熱膨張係数以下であることを特徴とするルツボ。 - 前記炭素繊維強化炭素複合材の常温から800℃に昇温した際の平均線熱膨張係数が0.5×10−6/℃以下であることを特徴とする請求項1に記載されたルツボ。
- 前記直胴部の平均線熱膨張係数が、室温から400℃の範囲において負の係数であって、400℃から室温までの冷却過程において熱膨張することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のルツボ。
- 前記ピッチ系炭素繊維織布の目付が200〜600g/m2であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のルツボ。
- 炭素繊維強化炭素複合材料が、かさ密度1.3g/cm3以上1.8g/cm3以下であることを特徴とする請求項1及至請求項4のいずれか1項に記載のルツボ。
- 前記請求項1乃至請求項5のいずれかに記載されたルツボの製造方法であって、
前記炭素繊維織布が熱硬化性樹脂と炭素粉との混合接着剤を用いて貼り合わされ、その後、熱硬化処理、炭素化処理、黒鉛化処理および高純度化処理を施して、前記直胴部が形成されることを特徴とするルツボの製造方法。
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