JPH10167878A - 単結晶引き上げ用ルツボ - Google Patents
単結晶引き上げ用ルツボInfo
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- JPH10167878A JPH10167878A JP34265796A JP34265796A JPH10167878A JP H10167878 A JPH10167878 A JP H10167878A JP 34265796 A JP34265796 A JP 34265796A JP 34265796 A JP34265796 A JP 34265796A JP H10167878 A JPH10167878 A JP H10167878A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 C/C材からなるルツボの長寿命化等を図る
ことができ、また、結晶の製造時におけるルツボの支持
を安定して行うこと等のできる単結晶引き上げ用ルツボ
を提供することである。 【解決手段】 直胴部3と、該直胴部3からの小R部
と底に到る大R部を有する底部とからなり、少なくとも
前記小R部が炭素繊維強化炭素複合材料を含んで形成さ
れる単結晶引き上げ用ルツボ1を、前記直胴部3から延
在し少なくとも前記小R部を含む第一底部4と、前記大
R部に設けられ前記第一底部4に対して上下方向に分離
可能に構成される第二底部5と、前記第二底部5の下方
突出部に嵌合し前記第一底部4を上方に支持するように
構成される第三底部6とを備えて構成する。
ことができ、また、結晶の製造時におけるルツボの支持
を安定して行うこと等のできる単結晶引き上げ用ルツボ
を提供することである。 【解決手段】 直胴部3と、該直胴部3からの小R部
と底に到る大R部を有する底部とからなり、少なくとも
前記小R部が炭素繊維強化炭素複合材料を含んで形成さ
れる単結晶引き上げ用ルツボ1を、前記直胴部3から延
在し少なくとも前記小R部を含む第一底部4と、前記大
R部に設けられ前記第一底部4に対して上下方向に分離
可能に構成される第二底部5と、前記第二底部5の下方
突出部に嵌合し前記第一底部4を上方に支持するように
構成される第三底部6とを備えて構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョクラルスキー
法によるシリコン単結晶引き上げ等に用いられる単結晶
引き上げ用ルツボに関し、特に、該ルツボが炭素繊維強
化炭素複合材(以下C/C材ともいう)を含んで形成さ
れるものに関する。
法によるシリコン単結晶引き上げ等に用いられる単結晶
引き上げ用ルツボに関し、特に、該ルツボが炭素繊維強
化炭素複合材(以下C/C材ともいう)を含んで形成さ
れるものに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、チョクラルスキー法(以下CZ
法という)に用いられるルツボは、シリコン等の半導体
材料を溶融するための石英ルツボを収容して外部から支
持するためのものであり、単結晶引き上げ用ルツボとし
て黒鉛製ルツボが従来から用いられてきた。しかし、石
英ルツボは使用中に半導体材料の溶融熱を受けて軟化す
るので、その外壁面が黒鉛ルツボ内面に密着した状態と
なる。その結果、黒鉛製ルツボは、その熱膨張が石英ル
ツボに比べて著しく高いので、後の冷却時に割れを生ず
る等の不利があった。
法という)に用いられるルツボは、シリコン等の半導体
材料を溶融するための石英ルツボを収容して外部から支
持するためのものであり、単結晶引き上げ用ルツボとし
て黒鉛製ルツボが従来から用いられてきた。しかし、石
英ルツボは使用中に半導体材料の溶融熱を受けて軟化す
るので、その外壁面が黒鉛ルツボ内面に密着した状態と
なる。その結果、黒鉛製ルツボは、その熱膨張が石英ル
ツボに比べて著しく高いので、後の冷却時に割れを生ず
る等の不利があった。
【0003】また、近年、製造される前記シリコン等の
半導体の結晶は大口径化する傾向にあるが、黒鉛製ルツ
ボを用いた場合、結晶が大口径化すると該ルツボの著し
い重量増加を招くため、大口径の結晶の製造には限界が
ある。
半導体の結晶は大口径化する傾向にあるが、黒鉛製ルツ
ボを用いた場合、結晶が大口径化すると該ルツボの著し
い重量増加を招くため、大口径の結晶の製造には限界が
ある。
【0004】そこで、このような欠点のないルツボとし
て、炭素繊維強化炭素複合材からなるルツボを採用する
ことが提案されている(実公平3−43250号公
報)。即ち、C/C材からなるルツボを用いると、ルツ
ボの軽量化が可能であり、また、機械的強度が高く、熱
膨張率も石英ルツボに近いことから、黒鉛ルツボのよう
な不利がなく、結晶製造用のルツボとして適している。
て、炭素繊維強化炭素複合材からなるルツボを採用する
ことが提案されている(実公平3−43250号公
報)。即ち、C/C材からなるルツボを用いると、ルツ
ボの軽量化が可能であり、また、機械的強度が高く、熱
膨張率も石英ルツボに近いことから、黒鉛ルツボのよう
な不利がなく、結晶製造用のルツボとして適している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、部品数が増え
ることによる取扱いの不便がないように、C/C材から
なるルツボを一体形状に構成することが考えられる。し
かし、C/C材からなるルツボを一体形状に構成する
と、繰り返し使用しているうちにクラックを生じ、ルツ
ボに割れを生ずることが判った。この原因を分析したと
ころ、以下のようなことが判った。
ることによる取扱いの不便がないように、C/C材から
なるルツボを一体形状に構成することが考えられる。し
かし、C/C材からなるルツボを一体形状に構成する
と、繰り返し使用しているうちにクラックを生じ、ルツ
ボに割れを生ずることが判った。この原因を分析したと
ころ、以下のようなことが判った。
【0006】C/C材は多孔性で外表面積が大きいた
め、石英ルツボの外側に嵌めるルツボにC/C材により
構成されるルツボを用いると、SiO2 により構成され
る石英ルツボに接する内面側において、高温環境の下で
SiC化を招く。このSiCは脆いので、クラックを生
ずる原因となる。
め、石英ルツボの外側に嵌めるルツボにC/C材により
構成されるルツボを用いると、SiO2 により構成され
る石英ルツボに接する内面側において、高温環境の下で
SiC化を招く。このSiCは脆いので、クラックを生
ずる原因となる。
【0007】そして、結晶引き上げ終了後においては、
石英ルツボ中に残存するシリコン残渣が冷却されて膨張
することにより、前記C/C材により構成されるルツボ
の内面、特に、ルツボの小R部の内面周辺には大きな応
力が生ずることになる。そのため、C/C材からなるル
ツボを一体形状に構成していると、前記応力を解放する
ことができないため、SiC化の進行によりクラックを
生ずるに至る。従って、C/C材からなるルツボを一体
形状に構成すると、高価なC/C材からなるルツボの長
寿命化を図れない。
石英ルツボ中に残存するシリコン残渣が冷却されて膨張
することにより、前記C/C材により構成されるルツボ
の内面、特に、ルツボの小R部の内面周辺には大きな応
力が生ずることになる。そのため、C/C材からなるル
ツボを一体形状に構成していると、前記応力を解放する
ことができないため、SiC化の進行によりクラックを
生ずるに至る。従って、C/C材からなるルツボを一体
形状に構成すると、高価なC/C材からなるルツボの長
寿命化を図れない。
【0008】また、結晶引き上げ終了後においては、前
記の冷却時に生ずる応力により、内側に支持される石英
ルツボは破砕され、C/C材からなるルツボを再度使用
するためには、石英ルツボの破砕片や、シリコン残渣を
回収する作業が必要である。この作業を行う上で、ルツ
ボの小R部の内面近傍に付着している破砕片等をルツボ
の上部の開口部から除去することは容易ではない。従っ
て、該石英ルツボの破砕片等を除去して容易にルツボの
メンテナンスを行えるようにルツボを構成する必要もあ
る。
記の冷却時に生ずる応力により、内側に支持される石英
ルツボは破砕され、C/C材からなるルツボを再度使用
するためには、石英ルツボの破砕片や、シリコン残渣を
回収する作業が必要である。この作業を行う上で、ルツ
ボの小R部の内面近傍に付着している破砕片等をルツボ
の上部の開口部から除去することは容易ではない。従っ
て、該石英ルツボの破砕片等を除去して容易にルツボの
メンテナンスを行えるようにルツボを構成する必要もあ
る。
【0009】さらに、単結晶の製造においては、溶融シ
リコン等を内側に蓄えたルツボを受皿の上部に支持し、
これを回転させつつ結晶の引き上げが行われる。そのた
め、このような製造の状況において、安定してルツボを
支持できるようにルツボを構成することが必要である。
リコン等を内側に蓄えたルツボを受皿の上部に支持し、
これを回転させつつ結晶の引き上げが行われる。そのた
め、このような製造の状況において、安定してルツボを
支持できるようにルツボを構成することが必要である。
【0010】そこで、本発明は、C/C材からなるルツ
ボの長寿命化等を図ることができ、また、結晶の製造時
におけるルツボの支持を安定して行えるように構成され
る単結晶製造用ルツボを提供することを目的としてい
る。
ボの長寿命化等を図ることができ、また、結晶の製造時
におけるルツボの支持を安定して行えるように構成され
る単結晶製造用ルツボを提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明にかかる請求項1記載の発明は、直胴部と、該直
胴部からの小R部と底に到る大R部を有する底部とから
なり、少なくとも前記小R部がC/C材を含んで形成さ
れる単結晶引き上げ用ルツボであって、前記底部は、前
記直胴部から延在し少なくとも前記小R部を含む第一底
部と、前記大R部に設けられ前記第一底部に対して上下
方向に分離可能に構成される第二底部と、前記第二底部
の下方突出部に嵌合し前記第一底部を上方に支持するよ
うに構成される第三底部とによって構成される。前記ル
ツボの第二底部は、前記第一底部に対して上下方向に分
離可能な別部材として構成される。これにより、ルツボ
の小R部を含む第一底部と大R部を含む第二底部とは一
体構造ではなく、別離する構造となっている。そのた
め、小R部周辺に作用する応力を、該別離部分により吸
収し解放することができる。そして、第三底部は、前記
第二底部の下方突出部を嵌合するように構成されてお
り、また、直胴部に延在する第一底部を上方に支持する
ように構成されている。そのため、結晶製造において回
転動作を受ける前記ルツボの支持の安定を図ることがで
きる。また、第二底部を分離した状態においては、前記
第一底部には開孔が形成される。この第二底部の開孔が
形成される部分は、ルツボのR部の内面に近接するの
で、R部内面に付着する石英ルツボの破砕片等を容易に
除去することができる。そして、これらのルツボを構成
する部材のうち、少なくとも第一底部の小R部について
は、C/C材を含んで形成される。該小R部は、結晶製
造時も含めて応力が集中するので、特に、機械的強度を
高めるためである。
本発明にかかる請求項1記載の発明は、直胴部と、該直
胴部からの小R部と底に到る大R部を有する底部とから
なり、少なくとも前記小R部がC/C材を含んで形成さ
れる単結晶引き上げ用ルツボであって、前記底部は、前
記直胴部から延在し少なくとも前記小R部を含む第一底
部と、前記大R部に設けられ前記第一底部に対して上下
方向に分離可能に構成される第二底部と、前記第二底部
の下方突出部に嵌合し前記第一底部を上方に支持するよ
うに構成される第三底部とによって構成される。前記ル
ツボの第二底部は、前記第一底部に対して上下方向に分
離可能な別部材として構成される。これにより、ルツボ
の小R部を含む第一底部と大R部を含む第二底部とは一
体構造ではなく、別離する構造となっている。そのた
め、小R部周辺に作用する応力を、該別離部分により吸
収し解放することができる。そして、第三底部は、前記
第二底部の下方突出部を嵌合するように構成されてお
り、また、直胴部に延在する第一底部を上方に支持する
ように構成されている。そのため、結晶製造において回
転動作を受ける前記ルツボの支持の安定を図ることがで
きる。また、第二底部を分離した状態においては、前記
第一底部には開孔が形成される。この第二底部の開孔が
形成される部分は、ルツボのR部の内面に近接するの
で、R部内面に付着する石英ルツボの破砕片等を容易に
除去することができる。そして、これらのルツボを構成
する部材のうち、少なくとも第一底部の小R部について
は、C/C材を含んで形成される。該小R部は、結晶製
造時も含めて応力が集中するので、特に、機械的強度を
高めるためである。
【0012】ここで、炭素繊維強化炭素複合材とは、炭
素繊維にピッチ又は樹脂を含浸させてマトリックスにし
て成形し、炭素化処理、黒鉛化処理を施して得られたも
のであり、黒鉛の特性を有しつつ機械的強度を向上させ
たものである。製法の一般的な具体例としては、まずピ
ッチ系又はPAN系の炭素繊維を出発物質とするUD又
は2−Dに樹脂を含浸させたプリプレグにして積層・硬
化させるか、前記炭素繊維をフィラメントワインディン
グ(FW法)で巻き付けて加熱・硬化させるか、前記炭
素繊維の3−D又はn−D織物に樹脂を含浸させて加熱
・硬化させる等の方法によって成形体を形成する。この
成形体に対して非酸化性雰囲気にて炭化を行い、炭素化
C/C材にする。ついで再含浸、炭化、または、CVD
を繰り返しつつ緻密化を行う。更に高温熱処理を行い黒
鉛化C/C材にする。更にCZ用途で使用する為に、高
純度化処理(ハロゲンガスと反応させて金属不純物を除
去する)を行う。
素繊維にピッチ又は樹脂を含浸させてマトリックスにし
て成形し、炭素化処理、黒鉛化処理を施して得られたも
のであり、黒鉛の特性を有しつつ機械的強度を向上させ
たものである。製法の一般的な具体例としては、まずピ
ッチ系又はPAN系の炭素繊維を出発物質とするUD又
は2−Dに樹脂を含浸させたプリプレグにして積層・硬
化させるか、前記炭素繊維をフィラメントワインディン
グ(FW法)で巻き付けて加熱・硬化させるか、前記炭
素繊維の3−D又はn−D織物に樹脂を含浸させて加熱
・硬化させる等の方法によって成形体を形成する。この
成形体に対して非酸化性雰囲気にて炭化を行い、炭素化
C/C材にする。ついで再含浸、炭化、または、CVD
を繰り返しつつ緻密化を行う。更に高温熱処理を行い黒
鉛化C/C材にする。更にCZ用途で使用する為に、高
純度化処理(ハロゲンガスと反応させて金属不純物を除
去する)を行う。
【0013】このようにして形成されたC/C材は内部
に炭素繊維を有する複合材であるため、表面に開気孔等
に起因する凹凸が多く微小な窪みが存在しており、単な
る黒鉛材や炭素材に比較して表面積が大きい。そのた
め、このC/C材により単結晶製造用のルツボを形成す
ると、SiO2 により構成される石英ルツボに接触する
内面側から、結晶が製造される高温の環境の下でSiC
化を生ずる。このSiCは脆いので、ルツボを繰り返し
使用することによりSiC化が進行すると、ルツボの使
用条件に伴って生ずる応力の作用によるクラックの原因
となる。
に炭素繊維を有する複合材であるため、表面に開気孔等
に起因する凹凸が多く微小な窪みが存在しており、単な
る黒鉛材や炭素材に比較して表面積が大きい。そのた
め、このC/C材により単結晶製造用のルツボを形成す
ると、SiO2 により構成される石英ルツボに接触する
内面側から、結晶が製造される高温の環境の下でSiC
化を生ずる。このSiCは脆いので、ルツボを繰り返し
使用することによりSiC化が進行すると、ルツボの使
用条件に伴って生ずる応力の作用によるクラックの原因
となる。
【0014】請求項2記載の発明は、前記第一底部と第
二底部とを炭素繊維強化炭素複合材料によって形成し、
前記第三底部を黒鉛材によって形成することを特徴とす
る請求項1記載の単結晶引き上げ用ルツボ。小R部を含
む第一底部全体を炭素繊維強化炭素複合材料を含んで形
成することにより、炭素繊維強化炭素複合材料を含んで
形成される小R部との間で熱膨張や収縮の差異を生じな
いようにすることができる。また、第二底部を炭素繊維
強化炭素複合材料を含んで形成することにより、第二底
部に隣接する前記第一底部との間で熱膨張や収縮の差異
を生じないようにすることができる。
二底部とを炭素繊維強化炭素複合材料によって形成し、
前記第三底部を黒鉛材によって形成することを特徴とす
る請求項1記載の単結晶引き上げ用ルツボ。小R部を含
む第一底部全体を炭素繊維強化炭素複合材料を含んで形
成することにより、炭素繊維強化炭素複合材料を含んで
形成される小R部との間で熱膨張や収縮の差異を生じな
いようにすることができる。また、第二底部を炭素繊維
強化炭素複合材料を含んで形成することにより、第二底
部に隣接する前記第一底部との間で熱膨張や収縮の差異
を生じないようにすることができる。
【0015】請求項3記載の発明は、前記第二底部を前
記第三底部に固定することを特徴とする請求項1または
請求項2記載の単結晶引き上げ用ルツボである。これに
より、第三底部による第二底部の嵌合をより安定させる
ことができ、また、該第二底部に組み合わされ直胴部に
延在する第一底部を、第三底部の上方において安定して
支持することができる。
記第三底部に固定することを特徴とする請求項1または
請求項2記載の単結晶引き上げ用ルツボである。これに
より、第三底部による第二底部の嵌合をより安定させる
ことができ、また、該第二底部に組み合わされ直胴部に
延在する第一底部を、第三底部の上方において安定して
支持することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1乃至図8
に沿って説明する。図1は、本願発明にかかる単結晶引
き上げ用ルツボの一例についての断面形状を示してい
る。単結晶引き上げ用ルツボ1は、ルツボ本体2と第二
底部5と第三底部6とを備えて構成される。そして、第
三底部6を受皿12の窪みに嵌合させ、ルツボ1が受皿
12の上に支持されるようになっている。そして、結晶
製造時において、受皿12に接続されている回転軸12
aが回転することにより、ルツボ1が受皿12とともに
回転するようになっている。
に沿って説明する。図1は、本願発明にかかる単結晶引
き上げ用ルツボの一例についての断面形状を示してい
る。単結晶引き上げ用ルツボ1は、ルツボ本体2と第二
底部5と第三底部6とを備えて構成される。そして、第
三底部6を受皿12の窪みに嵌合させ、ルツボ1が受皿
12の上に支持されるようになっている。そして、結晶
製造時において、受皿12に接続されている回転軸12
aが回転することにより、ルツボ1が受皿12とともに
回転するようになっている。
【0017】ルツボ本体2は、直胴部3と小R部を含む
第一底部4とから構成されている。そして、第一底部4
については、少なくとも小R部は前記で説明したように
C/C材を含んで形成されている。なお、直胴部3につ
いてもC/C材を含んで形成することができる。小R部
と連なっている直胴部3について、小R部と同一の材質
により一体的に形成すると、ルツボ各部の結晶製造時に
生ずる熱膨張の不均衡を極力抑えることもできる。
第一底部4とから構成されている。そして、第一底部4
については、少なくとも小R部は前記で説明したように
C/C材を含んで形成されている。なお、直胴部3につ
いてもC/C材を含んで形成することができる。小R部
と連なっている直胴部3について、小R部と同一の材質
により一体的に形成すると、ルツボ各部の結晶製造時に
生ずる熱膨張の不均衡を極力抑えることもできる。
【0018】第一底部4は、直胴部3から延在し少なく
とも前記小R部を含むように構成されている。この第一
底部4は、直胴部3から延在して連続する一体構造に構
成されている。この例では、第一底部4を、図1に示す
ように小R部と大R部の一部とを含んで構成している
が、大R部を含まない小R部のみにより構成するとして
も構わない。
とも前記小R部を含むように構成されている。この第一
底部4は、直胴部3から延在して連続する一体構造に構
成されている。この例では、第一底部4を、図1に示す
ように小R部と大R部の一部とを含んで構成している
が、大R部を含まない小R部のみにより構成するとして
も構わない。
【0019】第二底部5は、下方突出部を備える形状に
構成されており、ルツボ1として組み立てられた状態に
おいては、第一底部4に対して下方に凸形状をなしてい
る。また、第二底部5は、図2にも示すように、ルツボ
本体2に対して分離可能に構成されている。そして、第
二底部5を分離した状態において、ルツボ本体2の底に
あたる大R部の中心に相当する部分は、第一底部4の端
部4cが向かい合うように開孔7が構成される。
構成されており、ルツボ1として組み立てられた状態に
おいては、第一底部4に対して下方に凸形状をなしてい
る。また、第二底部5は、図2にも示すように、ルツボ
本体2に対して分離可能に構成されている。そして、第
二底部5を分離した状態において、ルツボ本体2の底に
あたる大R部の中心に相当する部分は、第一底部4の端
部4cが向かい合うように開孔7が構成される。
【0020】この開孔7の径は、ルツボ本体2と第二底
部5とを組み合わせることができる寸法とする必要があ
る。即ち、第二底部5の径rに対して、結晶製造時の回
転動作によるズレを生じない程度に第二底部5と第一底
部4の端部4cとを密着させつつ、第二底部5を組み込
むための余裕を与えた寸法(r+δrc )の径とする必
要がある。また、ルツボ本体2に開孔7を設けるにあた
っては、ルツボ本体2の縦方向の中心2dが開孔7の中
心を通るようにする必要がある。後に説明する結晶製造
時においては、ルツボ本体2と第二底部5とを組み合わ
されてなるルツボ1が、回転動作を受けることになる。
そのため、ルツボ本体2の中心2dが該回転の軸12d
から偏心しないようにする必要があるからである。
部5とを組み合わせることができる寸法とする必要があ
る。即ち、第二底部5の径rに対して、結晶製造時の回
転動作によるズレを生じない程度に第二底部5と第一底
部4の端部4cとを密着させつつ、第二底部5を組み込
むための余裕を与えた寸法(r+δrc )の径とする必
要がある。また、ルツボ本体2に開孔7を設けるにあた
っては、ルツボ本体2の縦方向の中心2dが開孔7の中
心を通るようにする必要がある。後に説明する結晶製造
時においては、ルツボ本体2と第二底部5とを組み合わ
されてなるルツボ1が、回転動作を受けることになる。
そのため、ルツボ本体2の中心2dが該回転の軸12d
から偏心しないようにする必要があるからである。
【0021】第三底部6は、ルツボ本体2と第二底部5
とを、その上部に載置して支持する部材であり、陥孔6
aがその上部に形成されている。そして、該陥孔6a
は、第二底部5を嵌合させて収容するようになってお
り、第二底部5の底面5cが陥孔6aの底面6cに一致
するようになっている。陥孔6aについても、結晶製造
時にズレを生じない程度に第二底部5と密着させつつ、
第二底部5を前記のように陥孔6aに収容できるように
余裕を与えた寸法(r+δrs )の径に形成する必要が
ある。
とを、その上部に載置して支持する部材であり、陥孔6
aがその上部に形成されている。そして、該陥孔6a
は、第二底部5を嵌合させて収容するようになってお
り、第二底部5の底面5cが陥孔6aの底面6cに一致
するようになっている。陥孔6aについても、結晶製造
時にズレを生じない程度に第二底部5と密着させつつ、
第二底部5を前記のように陥孔6aに収容できるように
余裕を与えた寸法(r+δrs )の径に形成する必要が
ある。
【0022】第三底部6は、黒鉛材により形成すること
ができる。この第三底部6については、前記の応力を配
慮して機械的強度を高める等の必要はないので、黒鉛材
を用いて形成することができる。ただし、C/C材を用
いて形成しても構わない。
ができる。この第三底部6については、前記の応力を配
慮して機械的強度を高める等の必要はないので、黒鉛材
を用いて形成することができる。ただし、C/C材を用
いて形成しても構わない。
【0023】そして、これらの部材をルツボ1として組
み立てた状態、即ち、第三底部6の陥孔6aに第二底部
5を嵌合させ、該底部5とルツボ本体2とを組み合わせ
た状態においては、これらの部材相互が安定に組み立て
られ、また、ルツボ1の内側に石英ルツボを安定に支持
できるように、その内面が滑らかに連続する一体的な形
状をなすように構成されることが必要である。従って、
第二底部5の側面の縦方向の長さhが、第一底部4の端
部4cの肉厚tと第三底部6の陥孔6aの深さdとに一
致することが必要である。
み立てた状態、即ち、第三底部6の陥孔6aに第二底部
5を嵌合させ、該底部5とルツボ本体2とを組み合わせ
た状態においては、これらの部材相互が安定に組み立て
られ、また、ルツボ1の内側に石英ルツボを安定に支持
できるように、その内面が滑らかに連続する一体的な形
状をなすように構成されることが必要である。従って、
第二底部5の側面の縦方向の長さhが、第一底部4の端
部4cの肉厚tと第三底部6の陥孔6aの深さdとに一
致することが必要である。
【0024】また、第三底部6の上面6bの曲率は、第
二底部4の外面4bの曲率と一致する必要がある。ま
た、第二底部5の上面5aが、第一底部4の内面4aと
滑らかに連続する一体的な形状をなすことが必要であ
る。即ち、小Rと該小Rに一体に連続する大Rとからな
る内面4aと、大Rからなる底部5の上面5aとの間
で、内面4aから上面5aに渡って連続的に曲率が変化
するように構成されることが必要である。
二底部4の外面4bの曲率と一致する必要がある。ま
た、第二底部5の上面5aが、第一底部4の内面4aと
滑らかに連続する一体的な形状をなすことが必要であ
る。即ち、小Rと該小Rに一体に連続する大Rとからな
る内面4aと、大Rからなる底部5の上面5aとの間
で、内面4aから上面5aに渡って連続的に曲率が変化
するように構成されることが必要である。
【0025】このように構成されるルツボ1について、
ルツボ本体2の底部分には、前記のように開孔7が形成
されているので、かかる部分より結晶製造終了後に生ず
る応力を解放することができ、クラックの発生を防止す
ることができる。即ち、結晶製造終了後には、内側に支
持される石英ルツボ中に残存するシリコン残渣14が冷
却されて膨張し、図3に示すように、第一底部4の小R
部を押し広げるように力fが作用する。本発明にかかる
ルツボ本体2は、開孔7の形成により、第一底部4の端
部4cに開孔7を外側に押し広げるような力Fを作用さ
せることによって、前記の力fが最終的に解放される。
ルツボ本体2の底部分には、前記のように開孔7が形成
されているので、かかる部分より結晶製造終了後に生ず
る応力を解放することができ、クラックの発生を防止す
ることができる。即ち、結晶製造終了後には、内側に支
持される石英ルツボ中に残存するシリコン残渣14が冷
却されて膨張し、図3に示すように、第一底部4の小R
部を押し広げるように力fが作用する。本発明にかかる
ルツボ本体2は、開孔7の形成により、第一底部4の端
部4cに開孔7を外側に押し広げるような力Fを作用さ
せることによって、前記の力fが最終的に解放される。
【0026】ここで、ルツボ1を一体形状に構成し、第
二底部5のような分離可能な部材を設ける構成としない
場合には、前記のようなシリコン残渣14の膨張により
生ずる応力を解放することができない。そのため、該応
力はルツボ本体2の小R部の周辺に残留することにな
る。前記に説明したように、第一底部4をC/C材を含
んで形成すると、特に、その内面4aには脆いSiCが
形成され易いので、前記応力を解放できないとクラック
を生ずるに至るのである。従って、本発明のようにルツ
ボ本体2と第二底部5とを分離可能にルツボ1を構成す
ると、前記応力を解放することができるので、C/C材
を含んで形成されるルツボの長寿命化を図ることができ
るのである。
二底部5のような分離可能な部材を設ける構成としない
場合には、前記のようなシリコン残渣14の膨張により
生ずる応力を解放することができない。そのため、該応
力はルツボ本体2の小R部の周辺に残留することにな
る。前記に説明したように、第一底部4をC/C材を含
んで形成すると、特に、その内面4aには脆いSiCが
形成され易いので、前記応力を解放できないとクラック
を生ずるに至るのである。従って、本発明のようにルツ
ボ本体2と第二底部5とを分離可能にルツボ1を構成す
ると、前記応力を解放することができるので、C/C材
を含んで形成されるルツボの長寿命化を図ることができ
るのである。
【0027】また、上記のように構成されるルツボ1
は、その第二底部5が第三底部6に嵌合するように構成
されているので、結晶製造時において回転動作を受ける
ルツボ1の支持を安定させることができる。
は、その第二底部5が第三底部6に嵌合するように構成
されているので、結晶製造時において回転動作を受ける
ルツボ1の支持を安定させることができる。
【0028】上記のルツボ1の構成において、第一底部
4の全体、および第二底部5をもC/C材を含んで形成
することができる。かかる構成とすると、第一底部4の
全体について熱膨張や収縮の差異を生じないようにする
ことができ、また、第二底部5に隣接する前記第一底部
4との間で熱膨張や収縮の差異を生じないようにするこ
とができる。
4の全体、および第二底部5をもC/C材を含んで形成
することができる。かかる構成とすると、第一底部4の
全体について熱膨張や収縮の差異を生じないようにする
ことができ、また、第二底部5に隣接する前記第一底部
4との間で熱膨張や収縮の差異を生じないようにするこ
とができる。
【0029】また、ルツボ1の上記の各構成部材につい
て、その一部のみを部分的にC/C材により形成するこ
ともできる。例えば、第一底部4の小R部の内面4aに
面する部分のみをC/C材により形成するのであっても
構わない。
て、その一部のみを部分的にC/C材により形成するこ
ともできる。例えば、第一底部4の小R部の内面4aに
面する部分のみをC/C材により形成するのであっても
構わない。
【0030】また、ルツボ1の上記構成の全ての場合に
ついて、第二底部5を形成する材質を、第一底部4のう
ち大R部を形成する材質と一致させて構成すると、複数
の部材が組み合わされてなるルツボ1の安定をより高め
ることができる。即ち、単結晶の製造時には、シリコン
等の結晶の材料を溶融するために高温の環境とされるの
で、第二底部5、および、底部5に隣接する第一底部4
の大R部ともに膨張する。そして、結晶の引き上げが終
了し、冷却されると、これらの部材は収縮する。従っ
て、第二底部5と第一底部4の大R部とを同一の材質に
より形成すると、隣接するこれら部材相互間の熱膨張や
収縮の程度を同程度とすることができ、隣接部材間に生
ずるズレ等を極力抑えることができる。
ついて、第二底部5を形成する材質を、第一底部4のう
ち大R部を形成する材質と一致させて構成すると、複数
の部材が組み合わされてなるルツボ1の安定をより高め
ることができる。即ち、単結晶の製造時には、シリコン
等の結晶の材料を溶融するために高温の環境とされるの
で、第二底部5、および、底部5に隣接する第一底部4
の大R部ともに膨張する。そして、結晶の引き上げが終
了し、冷却されると、これらの部材は収縮する。従っ
て、第二底部5と第一底部4の大R部とを同一の材質に
より形成すると、隣接するこれら部材相互間の熱膨張や
収縮の程度を同程度とすることができ、隣接部材間に生
ずるズレ等を極力抑えることができる。
【0031】また、C/Cルツボの成形体を形成するに
あたっては、前記のC/C材からなる成形体を形成する
方法のうち、FW法、または、2Dクロスを積層する方
法等により形成することができる。具体例を上げると、
ルツボ本体2を、FW法により形成することができ、炭
素繊維の巻き取りに用いられる型に備わる回転軸の径を
前記の開孔7の径に対応させると、ルツボ本体2の成形
体を形成することができる。底部5については、底部5
の径rからなる円状の2Dクロスを積層させることによ
り、底部5の成形体を形成することができる。
あたっては、前記のC/C材からなる成形体を形成する
方法のうち、FW法、または、2Dクロスを積層する方
法等により形成することができる。具体例を上げると、
ルツボ本体2を、FW法により形成することができ、炭
素繊維の巻き取りに用いられる型に備わる回転軸の径を
前記の開孔7の径に対応させると、ルツボ本体2の成形
体を形成することができる。底部5については、底部5
の径rからなる円状の2Dクロスを積層させることによ
り、底部5の成形体を形成することができる。
【0032】図4は、結晶の製造を開始する時点、また
は、結晶の製造を終了した時点においてルツボ1を組み
立て、または分解する様子を示している。まず、第二底
部5を、前記陥孔6aに嵌合させることにより、第三底
部6に設置する。次に、矢印9に示すように、ルツボ本
体2を、開孔7が第二底部5に嵌まるようにし、ルツボ
本体2の第一底部4の外面4bが第三底部6の上面6b
に接して支持されるように、第三底部6の上部に載置す
る。この状態で、図1に示されるような結晶引き上げ用
ルツボ1として組み立てられることになる。
は、結晶の製造を終了した時点においてルツボ1を組み
立て、または分解する様子を示している。まず、第二底
部5を、前記陥孔6aに嵌合させることにより、第三底
部6に設置する。次に、矢印9に示すように、ルツボ本
体2を、開孔7が第二底部5に嵌まるようにし、ルツボ
本体2の第一底部4の外面4bが第三底部6の上面6b
に接して支持されるように、第三底部6の上部に載置す
る。この状態で、図1に示されるような結晶引き上げ用
ルツボ1として組み立てられることになる。
【0033】次に、単結晶の引き上げを終了すると、ル
ツボ1は分解される。ルツボ1を分解する場合は、第二
底部5を第三底部6の側に残したままとして、ルツボ本
体2のみを上方へ取り外す。ルツボ本体2をこのように
取り外した状態においては、ルツボ本体2の第一底部4
には開孔7が形成されるので、結晶の製造終了後に残留
している石英ルツボの破砕片等を開孔7より除去するこ
とが容易である。即ち、結晶の製造を終了すると、ルツ
ボ本体2の第一底部4の内面4aには、石英ルツボの破
砕片等が付着しており、これをルツボ本体2の直胴部3
の上縁側の開口部より除去するのは容易ではないが、第
一底部4の開孔7は内面4aに近接しているので、この
部分から石英ルツボの破砕片等を除去することは容易で
ある。
ツボ1は分解される。ルツボ1を分解する場合は、第二
底部5を第三底部6の側に残したままとして、ルツボ本
体2のみを上方へ取り外す。ルツボ本体2をこのように
取り外した状態においては、ルツボ本体2の第一底部4
には開孔7が形成されるので、結晶の製造終了後に残留
している石英ルツボの破砕片等を開孔7より除去するこ
とが容易である。即ち、結晶の製造を終了すると、ルツ
ボ本体2の第一底部4の内面4aには、石英ルツボの破
砕片等が付着しており、これをルツボ本体2の直胴部3
の上縁側の開口部より除去するのは容易ではないが、第
一底部4の開孔7は内面4aに近接しているので、この
部分から石英ルツボの破砕片等を除去することは容易で
ある。
【0034】また、図5に示すように、第二底部5の上
部から縦方向に第三底部6へと貫通するボルト8を設け
て第二底部5を第三底部6に固定することができる。こ
のようにすると、第二底部5が第三底部6に固定される
ので、結晶引き上げ時における第三底部6による第二底
部5とルツボ本体2の支持を、より安定させることがで
きる。この場合、ボルト8は、石英ルツボをC/Cルツ
ボの内側に安定して支持できるように、その端面8aを
底部5の上面5aと連続する滑らかな一体形状に構成す
るか、または、第二底部5への埋め込みを深くする等す
る必要がある。
部から縦方向に第三底部6へと貫通するボルト8を設け
て第二底部5を第三底部6に固定することができる。こ
のようにすると、第二底部5が第三底部6に固定される
ので、結晶引き上げ時における第三底部6による第二底
部5とルツボ本体2の支持を、より安定させることがで
きる。この場合、ボルト8は、石英ルツボをC/Cルツ
ボの内側に安定して支持できるように、その端面8aを
底部5の上面5aと連続する滑らかな一体形状に構成す
るか、または、第二底部5への埋め込みを深くする等す
る必要がある。
【0035】このボルト8は、図6(a)に示すように
2本設けるのであってもよく、さらに多数本設ける構成
としても構わない。また、第二底部5を固定できるので
あれば、図6(b)に示すように第三底部6の底面6e
側から第三底部6の陥孔6aの底面6cを通って第二底
部5へボルト8を貫通させるようにしても構わない。な
お、この場合には、ボルト8の端面8aを第三底部6の
底面6eと一致させる等により、第三底部6の姿勢を安
定させる必要がある。
2本設けるのであってもよく、さらに多数本設ける構成
としても構わない。また、第二底部5を固定できるので
あれば、図6(b)に示すように第三底部6の底面6e
側から第三底部6の陥孔6aの底面6cを通って第二底
部5へボルト8を貫通させるようにしても構わない。な
お、この場合には、ボルト8の端面8aを第三底部6の
底面6eと一致させる等により、第三底部6の姿勢を安
定させる必要がある。
【0036】また、図1から図6においては、第三底部
6の陥孔6aの径を開孔7の径と略同径に構成する例を
上げて説明したが、図7(a)に示すように、陥孔6a
の径を開孔7より小径に構成しても構わない。また、図
7(b)に示すように、陥孔6aとして一定幅qの同心
円状の溝を構成するのであっても構わない。そして、底
部5を、かかる形状からなる陥孔6aに嵌合する形状と
し、開孔7に対して前記の条件を満たすような寸法から
なる形状に構成されるのであればよい。
6の陥孔6aの径を開孔7の径と略同径に構成する例を
上げて説明したが、図7(a)に示すように、陥孔6a
の径を開孔7より小径に構成しても構わない。また、図
7(b)に示すように、陥孔6aとして一定幅qの同心
円状の溝を構成するのであっても構わない。そして、底
部5を、かかる形状からなる陥孔6aに嵌合する形状と
し、開孔7に対して前記の条件を満たすような寸法から
なる形状に構成されるのであればよい。
【0037】第二底部5と陥孔6aとを、かかる形状に
構成する場合であっても、第三底部6と第二底部5とを
嵌合させ、第二底部5とルツボ本体2とを組み合わせた
状態、即ち、ルツボ1として組み立てた状態において、
回転動作を受けるルツボ1のこれら部材の組み立てが相
互に安定に構成されており、また、第一底部4の内面4
aと第二底部5の上面5aとによって形成されるルツボ
1の内面が滑らかに連続する一体的な形状に構成され、
内側に石英ルツボを安定に支持できるようになっていれ
ばよい。
構成する場合であっても、第三底部6と第二底部5とを
嵌合させ、第二底部5とルツボ本体2とを組み合わせた
状態、即ち、ルツボ1として組み立てた状態において、
回転動作を受けるルツボ1のこれら部材の組み立てが相
互に安定に構成されており、また、第一底部4の内面4
aと第二底部5の上面5aとによって形成されるルツボ
1の内面が滑らかに連続する一体的な形状に構成され、
内側に石英ルツボを安定に支持できるようになっていれ
ばよい。
【0038】また、第三底部6に第二底部5を嵌合させ
た状態で、ルツボ本体2を、第二底部5に組み合わせ易
く、または、第二底部5から取り外し易いように、第一
底部4の端部4cと第二底部5の側面に勾配を設ける形
状に構成しても構わない。
た状態で、ルツボ本体2を、第二底部5に組み合わせ易
く、または、第二底部5から取り外し易いように、第一
底部4の端部4cと第二底部5の側面に勾配を設ける形
状に構成しても構わない。
【0039】なお、第二底部5をどのような形状に構成
するとしても、結晶製造時の回転動作において、ルツボ
1全体の回転に偏りを生じないように、第二底部5の前
記中心2dに対する重量分布に均衡が図られるように留
意する必要がある。
するとしても、結晶製造時の回転動作において、ルツボ
1全体の回転に偏りを生じないように、第二底部5の前
記中心2dに対する重量分布に均衡が図られるように留
意する必要がある。
【0040】図8は、本発明にかかる結晶引き上げ用ル
ツボ1を単結晶の製造に用いる例を示している。本発明
にかかるルツボ1を組み込み、結晶製造に用いる装置の
主要部分を示している。ルツボ1の一構成部分であるル
ツボ本体2は、その内側に石英ルツボ11を支持する。
ルツボ1の外側には、ルツボ1より一定距離の位置でル
ツボ1を覆うようにヒータ20が設けられる。石英ルツ
ボ11内の結晶の原料としてのシリコン原料13を溶融
するため、ヒータ20によりルツボ1の外部より、ルツ
ボ本体2を通して石英ルツボ11の内部が加熱される。
ツボ1を単結晶の製造に用いる例を示している。本発明
にかかるルツボ1を組み込み、結晶製造に用いる装置の
主要部分を示している。ルツボ1の一構成部分であるル
ツボ本体2は、その内側に石英ルツボ11を支持する。
ルツボ1の外側には、ルツボ1より一定距離の位置でル
ツボ1を覆うようにヒータ20が設けられる。石英ルツ
ボ11内の結晶の原料としてのシリコン原料13を溶融
するため、ヒータ20によりルツボ1の外部より、ルツ
ボ本体2を通して石英ルツボ11の内部が加熱される。
【0041】また、受皿12が回転軸12aを介して図
示しない駆動機構により回転すると、ルツボ1が回転動
作を受けるようになっている。そして、単結晶の製造
は、ヒータ20の加熱により石英ルツボ11内のシリコ
ン13を溶融しつつ、ルツボ1とともに石英ルツボ11
を回転させながら、上方の図示しない引き上げ装置上で
成長させることにより行う。
示しない駆動機構により回転すると、ルツボ1が回転動
作を受けるようになっている。そして、単結晶の製造
は、ヒータ20の加熱により石英ルツボ11内のシリコ
ン13を溶融しつつ、ルツボ1とともに石英ルツボ11
を回転させながら、上方の図示しない引き上げ装置上で
成長させることにより行う。
【0042】ルツボ1を受皿12の上に設置する場合
に、受皿12に接続される回転軸12aの中心12d
と、ルツボ本体2の中心2dとを一致させるようにする
必要がある。前記のように、ルツボ1を回転させつつ上
方に引き上げて結晶を成長させるので、ルツボ本体2の
中心2dが回転の中心である12dから偏心することの
ないようにし、ルツボ1に安定した平均的な回転を与え
る必要があるからである。
に、受皿12に接続される回転軸12aの中心12d
と、ルツボ本体2の中心2dとを一致させるようにする
必要がある。前記のように、ルツボ1を回転させつつ上
方に引き上げて結晶を成長させるので、ルツボ本体2の
中心2dが回転の中心である12dから偏心することの
ないようにし、ルツボ1に安定した平均的な回転を与え
る必要があるからである。
【0043】そして、結晶の引き上げを終了すると、シ
リコン13のうち結晶として引き上げられなかったシリ
コン残渣14が残留する。そして、これらが冷却される
過程において、先の図3に示したようにシリコン残渣1
4は膨張し、また、石英ルツボ11は破砕される。本発
明におけるルツボ1においては、これに備わるルツボ本
体2の底部分には開孔7が形成されているので、シリコ
ン残渣14が膨張しても、前記のようにクラックを生ず
ることはない。
リコン13のうち結晶として引き上げられなかったシリ
コン残渣14が残留する。そして、これらが冷却される
過程において、先の図3に示したようにシリコン残渣1
4は膨張し、また、石英ルツボ11は破砕される。本発
明におけるルツボ1においては、これに備わるルツボ本
体2の底部分には開孔7が形成されているので、シリコ
ン残渣14が膨張しても、前記のようにクラックを生ず
ることはない。
【0044】また、結晶の製造を終了すると、ルツボ本
体2をルツボ1から取り外し、第一底部4の開孔7よ
り、ルツボ本体2の内面4aに付着している石英ルツボ
11の破砕片や残留しているシリコン残渣14を除去す
ることが容易である。
体2をルツボ1から取り外し、第一底部4の開孔7よ
り、ルツボ本体2の内面4aに付着している石英ルツボ
11の破砕片や残留しているシリコン残渣14を除去す
ることが容易である。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる請求項1
記載の発明は、炭素繊維強化炭素複合材料を含んで形成
されるルツボの底部を第一底部と第二底部とを備える構
成とし、第二底部を第一底部に対して分離可能に構成し
ているので、結晶製造終了後の冷却時のシリコン残渣の
膨張により作用する応力を解放することができる。これ
により、ルツボにクラックを生ずることを防ぎ、前記ル
ツボの長寿命化を図ることができるという効果を奏す
る。また、前記第二底部を分離し、第一底部の開孔より
石英ルツボの破砕片等の回収が容易であるので、該ルツ
ボのメンテナンスを行い易いという効果も奏する。さら
に、前記第二底部が第三底部に嵌合するように構成され
るので、ルツボを回転させながら行われる結晶の製造に
おいて、ルツボの支持を安定させることができるという
効果を奏する。
記載の発明は、炭素繊維強化炭素複合材料を含んで形成
されるルツボの底部を第一底部と第二底部とを備える構
成とし、第二底部を第一底部に対して分離可能に構成し
ているので、結晶製造終了後の冷却時のシリコン残渣の
膨張により作用する応力を解放することができる。これ
により、ルツボにクラックを生ずることを防ぎ、前記ル
ツボの長寿命化を図ることができるという効果を奏す
る。また、前記第二底部を分離し、第一底部の開孔より
石英ルツボの破砕片等の回収が容易であるので、該ルツ
ボのメンテナンスを行い易いという効果も奏する。さら
に、前記第二底部が第三底部に嵌合するように構成され
るので、ルツボを回転させながら行われる結晶の製造に
おいて、ルツボの支持を安定させることができるという
効果を奏する。
【0046】請求項2記載の発明は、第一底部全体を炭
素繊維強化炭素複合材料を含んで形成するので、小R部
を含む第一底部全体において熱膨張や収縮の差異を生じ
ないようにすることができ、第一底部の機械的強度を高
めることができるという効果を奏する。また、第二底部
を炭素繊維強化炭素複合材料を含んで構成するため、第
一底部との間で熱膨張や収縮の差異を生じず、これら二
つの部材間相互の安定を図りつつルツボを構成すること
ができるという効果を奏する。
素繊維強化炭素複合材料を含んで形成するので、小R部
を含む第一底部全体において熱膨張や収縮の差異を生じ
ないようにすることができ、第一底部の機械的強度を高
めることができるという効果を奏する。また、第二底部
を炭素繊維強化炭素複合材料を含んで構成するため、第
一底部との間で熱膨張や収縮の差異を生じず、これら二
つの部材間相互の安定を図りつつルツボを構成すること
ができるという効果を奏する。
【0047】請求項3記載の発明は、前記ルツボの第二
底部を第三底部に固定するように構成されるので、前記
ルツボを回転させながら行われる結晶の製造において、
ルツボの支持の安定をより高めることができるという効
果を奏する。また、第三底部にルツボをセットし、取り
外すことの操作をより安定して行えるという効果も奏す
る。
底部を第三底部に固定するように構成されるので、前記
ルツボを回転させながら行われる結晶の製造において、
ルツボの支持の安定をより高めることができるという効
果を奏する。また、第三底部にルツボをセットし、取り
外すことの操作をより安定して行えるという効果も奏す
る。
【図1】本発明にかかる単結晶引き上げ用ルツボの断面
図を示す図である。
図を示す図である。
【図2】単結晶引き上げ用ルツボの構成各部を分離した
状態を示す図である。
状態を示す図である。
【図3】シリコン残渣の膨張により生ずる応力が解放さ
れる状況を示す図である。
れる状況を示す図である。
【図4】結晶引き上げ用ルツボを組み立て、または、分
解する状況を示す図である。
解する状況を示す図である。
【図5】第二底部を第三底部に固定した結晶引き上げ用
ルツボの例を示す図である。
ルツボの例を示す図である。
【図6】第二底部を第三底部に固定した結晶引き上げ用
ルツボの例を示す図である。
ルツボの例を示す図である。
【図7】第二底部と第三底部の形状の例を示す図であ
る。
る。
【図8】本発明にかかる単結晶引き上げ用ルツボにより
結晶を製造する状況を示す図である。
結晶を製造する状況を示す図である。
1 単結晶引き上げ用ルツボ 2 ルツボ本体 2d ルツボの中心 3 ルツボの直胴部 4 第一底部 4a 第一底部の内面 4b 第一底部の外面 4c 第一底部の端部 5 第二底部 5a 第二底部の上面 5c 第二底部の底面 6 第三底部 6a 陥孔 6b 第三底部の上面 6c 陥孔の底面 6e 第三底部の底面 7 開孔 8 ボルト 8a ボルトの端面 11 石英ルツボ 12 受皿 12a 回転軸 12d 回転軸の中心 13 溶融シリコン 14 シリコン残渣 20 ヒータ
Claims (3)
- 【請求項1】 直胴部と、該直胴部からの小R部と底に
到る大R部を有する底部とからなり、少なくとも前記小
R部が炭素繊維強化炭素複合材料を含んで形成される単
結晶引き上げ用ルツボであって、 前記底部は、前記直胴部から延在し少なくとも前記小R
部を含む第一底部と、前記大R部に設けられ前記第一底
部に対して上下方向に分離可能に構成される第二底部
と、前記第二底部の下方突出部に嵌合し前記第一底部を
上方に支持するように構成される第三底部とからなる単
結晶引き上げ用ルツボ。 - 【請求項2】 前記第一底部と第二底部とを炭素繊維強
化炭素複合材料によって形成し、前記第三底部を黒鉛材
によって形成することを特徴とする請求項1記載の単結
晶引き上げ用ルツボ。 - 【請求項3】 前記第二底部を前記第三底部に固定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の単結晶
引き上げ用ルツボ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34265796A JPH10167878A (ja) | 1996-12-05 | 1996-12-05 | 単結晶引き上げ用ルツボ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34265796A JPH10167878A (ja) | 1996-12-05 | 1996-12-05 | 単結晶引き上げ用ルツボ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10167878A true JPH10167878A (ja) | 1998-06-23 |
Family
ID=18355477
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34265796A Pending JPH10167878A (ja) | 1996-12-05 | 1996-12-05 | 単結晶引き上げ用ルツボ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10167878A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003514759A (ja) * | 1999-11-24 | 2003-04-22 | スネクマ・モートゥール | 熱構造複合材の容器を製造する方法 |
JP2011195375A (ja) * | 2010-03-19 | 2011-10-06 | Fuji Electric Co Ltd | 単結晶成長方法および装置 |
WO2014007196A1 (ja) * | 2012-07-04 | 2014-01-09 | 東洋炭素株式会社 | カーボン製ルツボ及びその製造方法 |
-
1996
- 1996-12-05 JP JP34265796A patent/JPH10167878A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003514759A (ja) * | 1999-11-24 | 2003-04-22 | スネクマ・モートゥール | 熱構造複合材の容器を製造する方法 |
JP2011195375A (ja) * | 2010-03-19 | 2011-10-06 | Fuji Electric Co Ltd | 単結晶成長方法および装置 |
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