JPH11255586A - 単結晶引き上げ用炭素繊維強化炭素材るつぼおよびその製造方法 - Google Patents

単結晶引き上げ用炭素繊維強化炭素材るつぼおよびその製造方法

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JPH11255586A
JPH11255586A JP10061374A JP6137498A JPH11255586A JP H11255586 A JPH11255586 A JP H11255586A JP 10061374 A JP10061374 A JP 10061374A JP 6137498 A JP6137498 A JP 6137498A JP H11255586 A JPH11255586 A JP H11255586A
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JP
Japan
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crucible
carbon fiber
carbon
round bottom
winding
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Withdrawn
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JP10061374A
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English (en)
Inventor
Takeshi Jo
毅 城
Hidetoshi Murakami
秀俊 村上
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で、強度が高く、製作が容易であり、し
かも寿命が長い単結晶引き上げ用炭素材るつぼを提供す
る。 【解決手段】 炭素材るつぼ20は、その全体がフィラ
メントワインディング法によって形成された炭素繊維強
化炭素材の組織を有する。るつぼの丸底部22を構成す
る材料組織は、フィラメントワインディング法により配
置された炭素繊維の積層構造を有し、この積層構造に
は、丸底部22の中心軸24を通ることなく中心軸24
から種々の距離で離れた軌道をそれぞれ通る炭素繊維が
混在して配置されている。るつぼの嵩密度は1.0g/
cc以上であり、るつぼを構成する炭素繊維強化炭素材
は、300kg/cm2 以上の曲げ強度を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素繊維強化炭素
材からなる単結晶引き上げ用るつぼおよびその製造方法
に関し、特に、チョクラルスキー法により半導体材料等
の単結晶を引き上げる装置において溶融材料を直接収容
するるつぼを支持するために用いられるるつぼおよびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】結晶成長法には種々の方法があるが、そ
の1つとしてたとえばチョクラルスキー法により代表さ
れる引き上げ法が挙げられ、たとえば図1に示すような
装置において行なわれる。
【0003】図1に示す結晶引き上げ装置において、チ
ャンバ18内には、その中心部に原料融液を保持するた
めの結晶引き上げ用るつぼ10が配置される。結晶引き
上げ用るつぼ10は、側壁が円筒状の石英るつぼ10a
と、それを取囲む側壁が円筒状の炭素材るつぼ10bか
ら構成される。石英るつぼ10aは、炭素材るつぼ10
b内に嵌合されている。結晶引き上げ用るつぼ10の外
側には、抵抗加熱式のヒータ12および黒鉛製の保温筒
14が同心円状に配置されている。結晶引き上げ用るつ
ぼ10内には原料の溶解液13が収容される。溶解液1
3は、所定重量の原料をヒータ12により溶融すること
によって調製される。結晶引き上げ用るつぼ10の中心
軸上には、図中矢印で示す方向に所定速度で回転するこ
とのできる引き上げ棒16が設けられ、その先端には種
結晶15が取付けられる。結晶引き上げ用るつぼ10
は、引き上げ棒16と同一の軸について同方向または逆
方向に回転することのできるるつぼ支持軸17により支
持されている。調製された溶解液13の表面に種結晶1
5を接触させ、その成長に合わせて結晶を回転させかつ
上方に引き上げていくことにより、単結晶11を成長さ
せていくことができる。
【0004】上述したような装置においてシリコン等の
半導体材料の単結晶を引き上げるとき、炭素材るつぼ
は、高温となって軟化した石英るつぼを外側から支持す
る。このような炭素材るつぼは、以下に述べるような種
々の要因により、ダメージを受けやすい。
【0005】単結晶引き上げ作業が完了し、るつぼが冷
却されるとき、炭素材るつぼには主としてるつぼの周方
向に引っ張り応力が作用する。これは、炭素材が内側の
るつぼを構成する石英と比べてより大きな熱膨張係数を
有することに起因する。この応力は、時に炭素材るつぼ
を破損させ、るつぼの寿命を短くする。また、単結晶引
き上げ後に石英るつぼの底部に残留する半導体材料、た
とえばシリコンは、冷却によって固化されるときに体積
が膨張する。この膨張に伴って、時にるつぼの底部が破
損するような応力が作用する。半導体ウェハの大径化が
進むにつれ、用いるるつぼも大径化し、それに伴ってこ
れらの問題は一層顕著になってきた。
【0006】炭素材るつぼの周方向に作用する引っ張り
応力を緩和する方法として、るつぼを縦方向に分割して
用いる方法がある。この方法は、引っ張り応力の緩和に
関しては一定の効果がある。しかし、るつぼ底部に残留
する材料が固化するときに作用する膨張による応力の問
題は、この方法によって十分に解決されるものではなか
った。
【0007】また、炭素材るつぼを分割することによっ
て新たな問題点が生じてきている。溶融半導体材料を収
容した石英るつぼは、軟化して、半導体材料の重量やる
つぼの自重により外側に膨れる。その結果、石英るつぼ
を支持している炭素材るつぼの各部材は外側に倒れよう
とする。その際、分割面に局部的な応力が作用する。こ
れは、分割面の局部的な破損およびるつぼの寿命低下の
原因となる。
【0008】さらに、炭素材るつぼの分割面には、溶融
半導体の蒸気が付着しやすく、化合物が生成しやすい。
たとえば溶融半導体がSiであれば、分割面においてS
iC化合物が生成しやすい。この化合物と炭素材との熱
膨張係数が異なるため、るつぼを冷却するときに化合物
が生成した部分は剥離しやすい。
【0009】一方、石英るつぼの外側に設けられる炭素
材るつぼの材質として、炭素繊維強化炭素材を用いるこ
とも提案されている(実公平3−43250号公報、実
用新案登録第3012299号公報、特開平9−263
482号公報参照)。炭素繊維強化炭素材は、繊維方向
の強度が大きく、発生する応力に耐える強度を有し得る
可能性がある。しかしながら、以下の理由で、これらの
従来技術は、実用的な技術を開示するものではなく、以
下に述べるような問題を有している。
【0010】実公平3−43250号公報は、円筒状の
炭素繊維強化炭素材で構成された側壁部分と、黒鉛材で
構成された底部の台座部分とを組合せた構造の単結晶引
き上げ用るつぼを開示する。また、実用新案登録第30
12299号公報は、るつぼの直胴部とそれから連続す
るR部とを炭素繊維強化炭素複合材料で構成し、それを
黒鉛材からなる底部と組合せた構造のシリコン単結晶引
き上げ用るつぼを開示する。これらのるつぼはいずれ
も、少なくとも2種類の材質からなる部材を組合せるも
ので、その底部には炭素繊維強化炭素材を用いていな
い。これらのるつぼにおいて、黒鉛材で構成されるるつ
ぼ底部は、上述した材料の固化時における膨張に起因す
る応力に対して十分な強度を有するものではない。ま
た、複数の部材を組合せたるつぼは、上述したように分
割面において溶融材料の蒸気との反応が起こりやすく、
反応生成物の剥離が起こるという問題を抱えている。
【0011】実公平3−43250号公報はまた、るつ
ぼの全体を炭素繊維強化炭素材によって構成することを
示唆する。同公報は、るつぼ形状のマンドレルにフルフ
リルアルコール初期縮合物を含浸した炭素繊維の連続ト
ウをヘリカル状に巻き付けて成形硬化し、マンドレルを
除去した後、不活性雰囲気下で焼成してマトリックス結
合材を炭化することによりるつぼを製造する方法を開示
する。しかし、同公報は、具体的にどのようなワインデ
ィングを行なえば実用的なるつぼが得られるかを何ら開
示していない。実際のところ、このようなフィラメント
ワインディング法により、適当な強度の底部を得ること
は容易なことではない。底部を具体的にどのように形成
するのか、またそのように形成される底部がどれだけの
強度を有するのか開示されていなければ、当業者は到
底、適当な底部を有する炭素繊維強化炭素材のるつぼを
製造することはできない。たとえば、上述した実用新案
登録第3012299号公報は、るつぼ底部を炭素繊維
強化炭素材で成形するのは非常に困難であるため、底部
まで一体となったるつぼを作製する必要はないとし、底
部とそれ以外の部分とを別々に準備し、それを組合せる
方法を採用している。
【0012】特開平9−263482号公報もまた、る
つぼ全体を炭素繊維強化炭素で構成することを開示す
る。同公報は、一例として、るつぼ内側を炭素繊維クロ
ス積層体または炭素繊維フェルト積層体を用いた炭素繊
維強化炭素材とし、るつぼ外側をフィラメントワインデ
ィング法により成形した炭素繊維強化炭素材とするるつ
ぼを開示する。同公報はまたもう1つの例として、炭素
繊維強化炭素材からなる複数の部材を組合せたるつぼを
開示する。しかし、同公報もまた、具体的にどのような
工程によってフィラメントワインディング法を行なえば
適当な強度を有するるつぼが得られるかについて何ら開
示していない。上述したとおり、一般にフィラメントワ
インディング法によって適当な強度を有するるつぼ底部
を構成することは困難であり、そのための具体的な条件
が示されてなければ、当業者は望ましい強度を有する炭
素繊維強化炭素材るつぼをフィラメントワインディング
法によって製造することは非常に困難である。また、る
つぼを複数の部材に分割すると、上述したような問題が
生じる。
【0013】炭素繊維強化炭素材からなるるつぼは、る
つぼの大型化に対応できるものとして期待されており、
上述したように種々の提案がなされている。しかし、従
来技術は、真に実用的なるつぼの構造およびその製造方
法について有用な技術を提供するものではない。従来技
術は、実用上、どれだけの強度が必要であり、そのよう
な強度を得るため具体的にどのような構造および製造条
件が望ましいかを何ら開示していない。高い強度、軽量
性といった炭素繊維強化炭素材の特性を十分に発揮させ
た、真に実用的なるつぼおよびその製造方法の提案は、
まだなされていないというのが実情である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
したるつぼ周方向に発生する引っ張り応力等、および材
料固化時の膨張による応力に耐え得る強度または構造を
有する炭素材るつぼを提供することである。
【0015】本発明のさらなる目的は、全体が炭素繊維
強化炭素材で構成されるるつぼであって、十分な強度を
有し、軽量でかつ容易に製造できるものを提供すること
である。
【0016】本発明のさらなる目的は、炭素繊維強化炭
素材からなるるつぼの実用的な構造および製造方法を提
供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によるるつぼは、
中心に極点を有する丸底部とそれに一体不可分につなが
る直胴部とを有する単結晶引き上げ用炭素繊維強化炭素
材るつぼであって、その全体がフィラメントワインディ
ング法によって形成された炭素繊維強化炭素材の組織を
有し、該丸底部を構成する材料組織は、フィラメントワ
インディング法により配置された炭素繊維の積層構造を
有し、該丸底部における炭素繊維の積層構造には、中心
軸から種々の距離で離れた軌道をそれぞれ通る炭素繊維
が混在しており、かつるつぼを構成する炭素繊維強化炭
素材は、1.0g/cc以上の嵩密度および300kg
/cm2 以上の曲げ強度を有することを特徴としてい
る。特に、るつぼの丸底部を構成する炭素繊維強化炭素
材が、1.0g/cc以上の嵩密度および300kg/
cm2 以上の曲げ強度を有することが好ましい。
【0018】本発明によるるつぼにおいて、中心軸から
種々の距離で離れた軌道をそれぞれ通る炭素繊維は、中
心軸の周りに環状に配置された炭素繊維の積層構造を形
成することができ、この積層構造において、中心軸と環
状に配置された炭素繊維との間の距離は、直胴部の半径
またはその近傍まで段階的に変化することができる。環
状の形状は、本来限定されるものではないが、炭素繊維
のフィラメントをワインディングした時のるつぼの厚み
の均一性や、表面の凹凸や、ワインディングのし易さを
考慮すれば、8角形以上の多角形または円形が望まし
い。ただし、ワインディングの回数が少なく、厚みの均
一性等に関し考慮する必要がない場合は、3角形から7
角形までの多角形や楕円形であっても差支えない。
【0019】本発明によるるつぼにおいて、丸底部およ
び/または丸底部と直胴部との境界部分には、炭素繊維
クロスを用いることが好ましい。
【0020】本発明によるるつぼにおいて、直胴部は、
るつぼの水平方向にほぼ垂直な方向および/または水平
方向に対して所定の角度で傾けられた方向に配置される
炭素繊維と、水平方向にほぼ平行な方向に配置される炭
素繊維とを含有することができる。
【0021】本発明によるるつぼは、その全体が炭素繊
維強化炭素材で構成された一体型のるつぼであり、高い
強度および軽量性の特徴を十分に発揮できるものであ
る。本発明者は、上述したような構造、嵩密度および曲
げ強度を有する炭素繊維強化炭素材でるつぼを構成する
ことによって、高強度および軽量性の特徴を十分に発揮
することができ、実用に適したるつぼを提供できること
を見出している。
【0022】本発明者は、特に、炭素繊維フィラメント
のワインディング方法を工夫することによって、適当な
強度を有するるつぼ底部を構成できることを見出した。
すなわち、本発明による製造方法は、中心に極点を有す
る丸底部とそれに一体不可分につながる直胴部とを有す
る単結晶引き上げ用炭素繊維強化炭素材るつぼをフィラ
メントワインディング法を用いて製造する方法におい
て、結合材を付着させた炭素繊維をマンドレル上に巻き
重ねていくに際し、丸底部を構成すべき炭素繊維の軌道
を、底部極点またはその近傍から段階的に遠ざけていく
工程を備えることを特徴とする。
【0023】本発明による製造方法では、丸底部を構成
すべき炭素繊維の軌道を底部極点またはその近傍から段
階的に遠ざけていく工程において、該軌道と該底部極点
との間の距離が大きくなるに従い、底部極点を通る中心
軸からの距離が同じ軌道上に巻かれる炭素繊維を段階的
に増やしていくことが好ましい。
【0024】また本発明による製造方法では、複数のフ
ィラメントからなるストランドを炭素繊維として用い、
丸底部を構成すべき炭素繊維の軌道を底部極点またはそ
の近傍から段階的に遠ざけていく工程において、該軌道
と該底部極点との間の距離が大きくなるに従い、フィラ
メント数のより多いストランドを用いることが好まし
い。
【0025】さらに本発明による製造方法において、得
られる成形体の厚みを調整するため、丸底部を構成すべ
き部分および/または丸底部と直胴部との境界領域を構
成すべき部分に炭素繊維クロスを貼付ける工程を用いる
ことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明によるるつぼの各部分は、
次のように定義することができる。図2を参照して、る
つぼ20において、直胴部21は、るつぼ20の上端を
含み、ほぼ円筒状の形状をなしている部分である。丸底
部22は、直胴部21に一体不可分につながり、直胴部
21の一端における開口を塞ぐものである。丸底部22
の表面は概ね球面状の曲面をなしている。丸底部22に
おける極点23は、このような曲面とるつぼの中心軸2
4との交点を指し、球面状の曲面の頂点である。本発明
によるるつぼ20は、連続する材料によって直胴部21
および丸底部22が構成される。
【0027】一般に、炭素繊維強化炭素材からなるるつ
ぼを製造する方法には、主に以下の2つの方法がある。
【0028】(1) フィラメントワインディング法 通常炭素繊維フィラメントを束ねたストランドを熱硬化
性樹脂、溶剤等からなる低粘度の結合材に浸漬した後、
結合材の付着したストランドをるつぼ形状を有するマン
ドレルに巻き付けて必要なるつぼ形状に成形する。その
後、100〜300℃の温度で熱硬化を行ない、マンド
レルを除去した後、得られる成形体をN 2 ガス等の不活
性ガス中で約1000℃の温度で炭素化する。炭素化の
後、必要に応じてフェノール樹脂、タールピッチ等を含
浸させ、1500℃以上の温度で加熱して黒鉛化を行な
う。黒鉛化工程により得られたるつぼを、通常1500
℃から2500℃の温度に加熱して、高純度化処理を施
し、炭素繊維強化炭素材からなるるつぼを得る。
【0029】(2) ハンドレイアップ法 炭素繊維クロスをるつぼ型に貼付けて成形体を作製した
後、フィラメントワインディング法と同様に熱硬化、炭
素化、黒鉛化および高純度化処理を施して炭素繊維強化
炭素材からなるるつぼを得る。
【0030】一般に、フィラメントワインディング法で
は炭素繊維の方向を制御することによってるつぼの強度
を制御しやすく、またハンドレイアップ法は炭素繊維ク
ロスの価格が高く、製造コストを高くするため、本発明
では主としてフィラメントワインディング法を用いる。
但し、本発明で、必要に応じてハンドレイアップ法を用
いれば、成形体の厚みの制御が容易になり、より好まし
い組織構造および強度を有するるつぼを得ることができ
る。
【0031】フィラメントワインディング法における炭
素繊維の巻き方には、基本的にポーラー巻き法とフープ
巻き法がある。それらの代表的な巻き方をそれぞれ図3
および図4に示す。図3は、極点を通る軌道をとったポ
ーラー巻きの様子を示している。図3(a)は炭素繊維
が巻き重ねられている様子を底の方から模式的に示す底
面図であり、図3(b)は巻き付けの様子を示す側面図
である。このようなポーラー巻きにおいて、炭素繊維3
1はいずれも底部の極点33を通っている。図4に示す
フープ巻き法では、炭素繊維31は、マンドレルの中心
軸に対してほぼ垂直な方向(るつぼの水平方向にほぼ平
行な方向)、すなわち横方向に巻かれる。
【0032】さて、図3に示すようなポーラー巻きで
は、底部極点またはその近傍の厚みが大きくなり、そこ
から離れた部分すなわち低緯度の部分ではその厚みが小
さくなる。すなわち、極点に近くなればなるほど(高緯
度になればなるほど)炭素繊維の重なりは多くなり、そ
れによる厚みは増していく。特に、極点およびその近傍
では、重ねられた炭素繊維で盛り上がった形状ができ
る。このような盛り上がった部分にさらにワインディン
グを重ねていくと、ワインディングした繊維と繊維との
間に隙間ができるようになり、黒鉛化を行なった段階で
も空隙が残るようになる。このような局部的な厚みの増
加および空隙の形成は、るつぼの形状および強度の点か
ら好ましくない。また、盛り上がった部分にさらに炭素
繊維をワインディングしようとすると、繊維の滑りが生
じてワインディングを続行することが困難になってくる
という事態も生じる。
【0033】このようなポーラー巻き法でワインディン
グを行なうと、極点あたりのるつぼの厚みが極端に増
し、それから離れた部分(低緯度の部分)および直胴部
の厚みは不十分になる。このような状態でさらにワイン
ディングを重ねていくと、繊維の滑り、極端に盛り上が
った形状、および空隙が発生してくる。したがって、極
点を通るポーラー巻き法のみによって適当な形状および
強度を有するるつぼを得ることは困難である。
【0034】一方、図4に示すフープ巻きは、るつぼ直
胴部のような円筒状のものに対して均一な厚みを付与す
るのに適している。しかし、るつぼ底部のような形状の
ものについては適していない。
【0035】そこで、本発明では、以下のような工程を
用いて、適当な形状および高い強度を有するるつぼを製
造する。まず、フィラメントワインディング法におい
て、炭素繊維のワインディングを重ねるに際し、極点ま
たはその近傍を通る軌道から低緯度を通る軌道へ炭素繊
維を移行させてワインディングを行なっていく。すなわ
ち、るつぼの丸底部を構成すべき炭素繊維の軌道を、極
点またはその近傍から段階的に遠ざけていく。そのよう
な巻き方の具体例を図5および図6に示す。いずれの図
においても、(a)は底面図、(b)は側面図である。
図5において、フィラメントワインディング法により巻
かれた炭素繊維51は、極点を含む中心軸上の点を通る
ことなく巻き付けられている。るつぼの丸底部を構成す
べく巻き付けられた炭素繊維51は、その極点側に直径
1 の内接円ができるように円環状に配置される。した
がって、炭素繊維51は、その底部において、中心軸か
ら約d1 /2だけ離れた軌道を通って巻かれる。このよ
うな巻き方を行なえば、極点部分が極端に厚くなるのを
防ぐことができる。図5に示すように、中心軸から所定
の距離だけ離れた軌道を通るワインディングを行なった
後、ワインディング軌道の中心軸からの距離を変えて、
ワインディングを行なっていく。たとえば図6に示すよ
うに、中心軸からの距離がより大きな軌道(低緯度を通
る軌道)へ移行してワインディングを行なう。図6にお
いて、炭素繊維51は、極点側に直径d 2 (d2
1 )の内接円ができるように円環状に配置される。炭
素繊維51は、中心軸から約d2 /2離れた軌道を通っ
ている。このようにして高緯度を通る軌道から低緯度を
通る軌道へ移行させていくことにより、すなわち底部を
構成すべき炭素繊維の軌道を極点またはその近傍から遠
ざけていくことにより、局所的に(特に極点部分におい
て)るつぼの厚みが大きくなるのを防ぐことができる。
底部を構成すべき炭素繊維の軌道と中心軸との距離は、
製造すべきるつぼの大きさおよび形状に応じて種々の値
に変えていくことができる。この距離を段階的に徐々に
変えていきながらワインディングを多数重ねていけば、
厚みのばらつきが少ないるつぼ底部を構成することがで
きる。またそのようにして構成されたるつぼ底部は、望
ましい強度を有するようになる。なお、本発明の製造方
法は、少なくとも上述したように炭素繊維の軌道を極点
またはその近傍から段階的に遠ざけていく工程を備える
が、そのような工程の前および/または後において、極
点またはその近傍を通るワインディングを行なってもよ
い。上述したようにるつぼ底部の構成において中心軸か
らの距離を変えて炭素繊維をワインディングすることに
より、中心軸から種々の距離で離れた軌道をそれぞれ通
る炭素繊維が混在した炭素繊維の積層構造を形成するこ
とができる。また、上述したように中心軸からの距離を
段階的に変えながら底部を構成すべき炭素繊維の軌道を
円環状に移動させていけば、炭素繊維は、中心軸の周り
に環状に配置された積層構造を形成することができ、こ
のような積層構造において、中心軸と環状に配置された
炭素繊維との間の距離は、直胴部の半径またはその近傍
まで段階的に変化させることができる。
【0036】また本発明の製造方法において、極点また
はそれを通る軌道から低緯度を通る軌道へワインディン
グを重ねるに従って、すなわち底部を構成する炭素繊維
の軌道を極点またはその近傍から遠ざけていくに従っ
て、中心軸からの距離が同じ軌道上に巻かれる炭素繊維
を段階的に増やしていくことが好ましい。たとえば、図
5に示すように直径d1 の内接円ができるような配置の
炭素繊維よりも、図6に示すように直径d2 の内接円が
できるような配置の炭素繊維が多い方が好ましい。すな
わち、るつぼの丸底部を構成するに際し、ワインディン
グされる炭素繊維と底部極点との間の距離が大きくなる
に従い、極点からの距離が同じような配置となる炭素繊
維の数を増やしていくことが好ましい。このような巻き
方により、丸底部の厚みのばらつきをさらにコントロー
ルすることができる。
【0037】さらに、本発明において、極点または極点
近傍を通る軌道から低緯度を通る軌道へワインディング
を移行させるに従って、フィラメント数の少ない炭素繊
維ストランドからフィラメント数の多い炭素繊維ストラ
ンドへ移行させることが好ましい。たとえば、図5に示
すようなワインディングに用いる炭素繊維のフィラメン
ト数よりも、図6に示すワインディングに用いる炭素繊
維のフィラメント数の方が多いことが好ましい。すなわ
ち、底部を構成する炭素繊維について、ワインディング
の軌道と極点との間の距離が大きくなるに従い、フィラ
メント数のより多いストランドを用いることが好まし
い。このようなワインディングによって、丸底部の厚み
のばらつきをさらにコントロールすることができる。
【0038】また、本発明において、必要に応じて炭素
繊維クロスを用いることが好ましい。炭素繊維クロス
は、るつぼの厚みの調整を容易にする。炭素繊維クロス
は、特に、丸底部および/または丸底部と直胴部との境
界領域に用いることが好ましい。これらの部分は、他の
部分よりも厚みの調整が困難であるからである。炭素繊
維クロスの貼付けは、ワインディングの前、ワインディ
ングの後およびワインディングの途中の少なくともいず
れかの段階において適宜行なうことができる。丸底部に
おける炭素繊維クロスの貼付けは、たとえば図7および
図8に示すようにして行なうことができる。図7に示す
工程では、ワインディングされた炭素繊維71上に適当
な大きさおよび形状(たとえば直胴の直径よりも適当に
小さな直径を有する円形状)の炭素繊維クロス72が貼
付けられている。このような貼付けは、炭素繊維クロス
に結合材を付着させて所定の部分に置くことにより容易
に行なうことができる。さらに、貼付けた炭素繊維クロ
ス上にワインディングを行なった後、図8に示すように
より大きな(たとえばより大きな直径を有する円形状
の)炭素繊維クロスを貼付けることができる。このよう
な工程によって、丸底部の肉厚を確保し、厚みのばらつ
きをコントロールしていくことができる。このような工
程により、丸底部において炭素繊維とクロスとが重ねら
れた積層組織を有する炭素繊維強化炭素材をもたらすこ
とができる。そのような組織を有する材料は、より高い
強度を有することができる。
【0039】また図9に示すように、丸底部と直胴部と
の境界領域に適当な大きさおよび形状の炭素繊維クロス
を貼付ることが好ましい。図9に示す工程では、所定の
大きさを有する複数の炭素繊維クロス92が、直胴部と
丸底部との境界領域においてるつぼを一周するように貼
付けられている。このような貼付けは、ワインディング
を中断して複数の炭素繊維クロスを一度に貼付けること
によって行なうことができる。また、所定の枚数の炭素
繊維クロスを一度に貼付ける代わりに、1枚または複数
枚のクロスを貼付けながら、ワインディングを行なう工
程を繰返していってもよい。また、直胴部と丸底部との
間の領域には図10に示すような炭素繊維クロス102
を貼付けてもよい。この炭素繊維クロスは、直胴部を一
周できるような長さを有し、かつ直径の小さくなった丸
底部にうまく沿うように部分的に切れ込みが設けられて
いる。上述したように、丸底部および直胴部と丸底部と
の境界領域に炭素繊維クロスを貼付けることが好ましい
が、必要に応じてるつぼ厚みを調整するためその他の部
分に炭素繊維クロスを貼付けてもよい。
【0040】上述したポーラー巻きにおいて、炭素繊維
が極点を通る場合、直胴部の炭素繊維はるつぼの水平方
向と垂直である。一方、ポーラー巻きにおいて極点から
所定の距離離れた軌道を通る炭素繊維は、るつぼの水平
方向に対して所定の角度で傾いている。直胴部における
炭素繊維は、これらポーラー巻きによる炭素繊維と上述
したフープ巻きによる炭素繊維とが重ねられていること
が好ましい。フープ巻きによる炭素繊維は、るつぼの水
平方向に対して若干傾いた角度からほぼ平行な角度の間
で巻かれる。直胴部のフープ巻きは、ポーラー巻きの前
またはポーラー巻きの後のいずれにおいても行なうこと
ができる。またポーラー巻きとフープ巻きを交互に行な
ってもよい。このようにフープ巻きおよびポーラー巻き
の炭素繊維が混在する直胴部は、るつぼの水平方向にほ
ぼ垂直な方向および/または該水平方向に対して所定の
角度で傾けられた方向に配置される炭素繊維と、該水平
方向にほぼ平行な方向に配置される炭素繊維とが積層さ
れた構造を有する。
【0041】本発明に用いられる炭素繊維の種類は、特
に制限されるものではなく、PAN系、レーヨン系、ピ
ッチ系のいずれの炭素繊維も用いることができる。フィ
ラメントワインディング法で用いることのできる強度を
考慮すれば、PAN系炭素繊維がより好ましい。炭素繊
維の直径も特に限定されるものではないが、フィラメン
トワインディング時の繊維切れを防止することを考慮す
れば、2μmφ以上のものが好ましい。用いられる炭素
繊維ストランドのフィラメント数は、フィラメントワイ
ンディング時の繊維切れを防止する観点から、1000
本/ストランド以上が好ましい。さらに極点およびその
近傍の盛り上がりを考慮すると、1000〜20000
0本/ストランドの範囲のものが好ましい。
【0042】本発明に用いられる結合材には、特に限定
されることなく、フェノール樹脂を含む熱硬化性樹脂、
ピッチ等の有機バインダを用いることができる。
【0043】上述したような工程によって製造され、上
述したような組織構造を有する本発明によるるつぼ材の
嵩密度は、1.0g/cc以上である。嵩密度が1.0
g/cc未満では、るつぼを構成する材料において空隙
が多くなり、特に表面に露出した空隙に、たとえばシリ
コン単結晶の引き上げを行なう場合、引き上げ中に溶融
シリコンから発生するSiO2 ガスが入り込む。このよ
うなガスは、炭素材と反応してSiCを生成させる。反
応生成物と炭素材との間の熱膨張係数の差に起因して、
反応生成物は炭素材から剥離し、るつぼの寿命を低下さ
せる要因となる。嵩密度の上限は特に限定されるもので
はないが、炭素繊維の密度が通常約1.8g/cc以下
であることを考えれば、一般に本発明のるつぼ材の嵩密
度は1.0以上1.7g/cc以下の範囲にある。
【0044】本発明によるるつぼを構成する炭素繊維強
化炭素材の曲げ強度は、300kg/cm2 以上であ
る。このような曲げ強度は、通常材料を構成する主要な
炭素繊維の方向に対して垂直な荷重を加えたときの強度
で表わされる。より好ましい曲げ強度は400kg/c
2 以上である。るつぼを構成する材料の曲げ強度が3
00kg/cm2 未満であると、単結晶引き上げ後の冷
却時に破損が生じる可能性が高くなり、より寿命の長い
るつぼを得ることが困難になる。
【0045】このような強度および嵩密度を有する実用
的な炭素材るつぼを提供するため、本発明は上述したよ
うな工程を用いる。底部極点またはその近傍を通る軌道
から低緯度を通る軌道へ移行する工程において、その移
行量は、同一軌道をワインディングする周回数やストラ
ンドを構成する炭素繊維フィラメントの数に応じて調節
することができる。たとえば、ワインディングにおいて
形成される成形体の表面の凹凸が5mm以下になるよう
に、高緯度側から低緯度側へ軌道を移していくことが好
ましい。成形体の厚みは、丸底部の緯度方向になるべく
均等になることが好ましい。そのようなワインディング
を行なって成形体の厚みが、特に低緯度の部分の厚みが
所望する厚みを下回っている場合、炭素繊維クロスを適
宜貼付けることによって厚みを調節することができる。
上述したように、たとえば中心軸から所定の距離だけ離
れた円環状の軌道でワインディングを行ない、中心軸か
らの距離を段階的に大きくしていくことができるが、こ
のような距離は、たとえば0〜直胴部直径の間で、形成
するるつぼの大きさや形状に応じて、たとえば5段階〜
50段階の間で変化させることができる。このような距
離の変更は、たとえば一定の長さだけ段階的に増加させ
ていってもよいし、それ以外の対応で段階的に増加させ
ていってもよい。
【0046】なお、炭素繊維のワインディングを重ねる
にしたがって、低緯度を通る軌道から極点またはその近
傍を通る軌道へ移行させる工程も、場合によっては用い
てもよい。
【0047】また、底部極点またはその近傍を通る軌道
から低緯度を通る軌道へ移行するに従い、極点からの距
離が同じ軌道を炭素繊維が周回する回数を増加させなが
らワインディングを行なうことができる。ポーラー巻き
を行なうと、概して極点に近い部分、すなわち高緯度の
部分ほど炭素繊維ストランドが多く集まり、その結果、
高緯度の部分の方が低緯度の部分よりも厚くなりやす
い。高緯度の部分が所望する厚みになっても、低緯度の
部分および直胴部周辺の部分の厚みが不足することがあ
る。このような場合、低緯度におけるワインディングの
周回数を高緯度のものよりも増加させることによってそ
のような厚みの不均一を解消することができる。ワイン
ディング周回数の増加は、たとえば得られる成形体表面
の凹凸が5mmを超えないように行なうことが好まし
い。周回数の増加量は、用いる炭素繊維のストランドの
太さ、ストランドを構成するフィラメントの数等に応じ
て決定することができる。周回数を段階的に徐々に増加
させることによって、高緯度の部分と低緯度の部分の肉
厚がほぼ等しくなるようにすることができる。
【0048】さらに本発明において、底部極点またはそ
の近傍を通る軌道から低緯度を通る軌道へ移行するに際
し、フィラメント数の少ない炭素繊維ストランドからフ
ィラメント数の多い炭素繊維ストランドへ切換えること
ができる。このような切換えによって、低緯度の部分に
おいて厚みが不足する傾向を抑制することができる。フ
ィラメント数の増加量は、使用している炭素繊維ストラ
ンドの太さまたはフィラメント数、高緯度から低緯度へ
の移行量、極点からの距離が同じ軌道を通る周回数等に
応じて設定することができる。フィラメント数の増加量
は、たとえば、得られる成形体表面の凹凸が5mm以下
となるように設定することが好ましい。フィラメント数
を徐々に段階的に増加させていくことによって、るつぼ
厚みのばらつきをなくし、均等な厚みの丸底部を形成す
ることができる。
【0049】以上に示す工程と炭素繊維クロスを貼付け
る工程とを併用すれば、より厚みの調節が容易となり、
所定の部分に必要な厚みをもたらすことができる。特
に、丸底部、および直胴部と丸底部との境界領域に炭素
繊維クロスを貼付ける方法は現実的でかつ有用な方法で
ある。炭素繊維クロスには、特に制限されることなく、
種々の織り方により作製された2−DクロスやUDクロ
スを用いることができる。特に、連続炭素繊維を直交交
差織にした平織2−Dクロスが異方性が少ないため好ま
しい。クロスを構成する炭素繊維の種類は、特に限定さ
れることなく、PAN系、レーヨン系、ピッチ系のいず
れも用いることができる。強度の観点からは、PAN系
炭素繊維からなるクロスがより好ましく用いられる。使
用する炭素繊維クロスの厚みは、たとえば0.1mm〜
1.0mmとすることができる。
【0050】以上のような製造工程を用いることによっ
て、表面の凹凸が小さく、内部および表面における空隙
が少なく、比較的大きな嵩密度を有し、相対的に強度が
高い炭素材るつぼを製造することができる。以下、実施
例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以
下の実施例に限定されるものではない。
【0051】
【実施例】[原料]直径7μm、密度1.77g/cc
のPAN系炭素繊維が予め3000本、6000本、1
2000本それぞれ束ねられた市販の3種類の炭素繊維
を用いた。これらの炭素繊維を5本ずつ束ねて、フィラ
メント数がそれぞれ15000本、30000本および
60000本である3種類のストランドを作製し、ワイ
ンディングに使用した。
【0052】炭素繊維クロスとして、PAN系炭素繊維
を平織にした市販のものを用いた。クロスにおける経糸
および緯糸はともに6000本の炭素繊維フィラメント
で構成されていた。
【0053】結合材として市販のフェノール樹脂を用い
た。 [一般工程]PAN系炭素繊維をロービング装置にて5
本に束ねたものをワインディングのための炭素繊維スト
ランドとした。ストランドを、フィラメントワインディ
ング装置内の浸漬槽に導入し、室温においてフェノール
樹脂をストランドに付着させた。るつぼ形状に対応した
マンドレルに、フェノール樹脂を付着させたストランド
をワインディングして所定の形状に成形した。途中必要
に応じて炭素繊維クロスを貼付けた。得られた成形体を
大気中で200℃において3時間保持し、フェノール樹
脂を熱硬化させた。熱硬化後、マンドレルを外し、得ら
れた成形体をN 2 ガス雰囲気中で1000℃において6
時間保持し炭素化を行なった。炭素化した成形体をフェ
ノール樹脂浴に浸漬させ、樹脂を含浸させた。上記炭素
化およびフェノール樹脂含浸の工程を3回繰返した。最
後の含浸工程の後、N2 ガス雰囲気中で2000℃にお
いて6時間保持し、黒鉛化を行なった。次いで2000
℃に6時間保持して高純度化処理を行なった。以上の一
般工程により単結晶引き上げ用炭素材るつぼの素材を作
製した。
【0054】[材料の物理試験]図11に示すような位
置において、物理試験のための試料を採取した。試料1
10は、るつぼの丸底部から採取された。採取位置は、
底部極点と直胴部との間であり、るつぼ厚み方向におい
てほぼ中心の位置であった。試料の軸方向は中心軸から
直胴部に向かう方向(半径方向)であった。5mm×5
mm×50mmのサイズの試験片を採取し、その嵩密度
および曲げ強度を測定した。曲げ強度および嵩密度の測
定は、試験片のサイズを上記とした以外はJIS R
7222高純度黒鉛素材の物理試験方法に準じた。すな
わち、曲げ強度は、JIS B7733(圧縮試験機)
に規定する曲げ試験機を用いて測定した。嵩密度は、試
験片を105〜110℃の空気浴中で2時間保ち、これ
をデシケータ中で冷却して室温に達した後直ちに質量を
測り、再び空気浴中に移し、1時間ごとに冷却して質量
を測り、これを恒量に達するまで繰返し、その体積を求
めた後、乾燥重量の値を求めた体積で除して嵩密度とし
た。
【0055】[実施例1]上述した一般工程において、
次に示すようなワインディングおよび炭素繊維クロスの
貼付けを行なって単結晶引き上げ用炭素材るつぼを作製
した。
【0056】まず、直胴部についてフープ巻きでワイン
ディングを行ない、適当な厚みとした後、図12に示す
ように、炭素繊維ストランドを16回ワインディングし
てマンドレル底部を一周するようなワインディングを行
なった。このとき、底部極点が中心となり、ワインディ
ングされたストランドの内側に生じる内接円の直径は3
0mmであった。このワインディングが終了した後、5
0mm×50mmの炭素繊維クロスをその中心を直径3
0mmの内接円の中心にほぼ合せて貼付けた。貼付け
は、クロスに結合材を付着させた後所定の部分に置くこ
とによって行なった。
【0057】次いで、内側にできる内接円の直径が60
mmとなるように、16回のワインディングで一周する
ワインディングを行なった。その後、80mm×80m
mの炭素繊維を上記と同様に底部の中心に合せて貼付け
た。さらに、図13に示すように、底部と直胴部との境
界領域に250mm×120mmの炭素繊維クロスを貼
付けた。貼付けは、マンドレルを一周するようにクロス
を一様に並べて行なった。次に、ストランドの幅だけワ
インディングの軌道を底部の周方向に少しずらして同じ
く直径60mmの内接円ができるようなワインディング
を行なった。このようなワインディングを行なえば、上
下のストランド間で隙間がほとんどできない。同様に1
6回1周のワインディングを行なった後、底部の中心お
よび底部と直胴部との境界領域に上記と同様のサイズの
炭素繊維クロスを貼付けた。このようなワインディング
の軌道を少しずらして16回1周するワインディングを
行なった後、炭素繊維クロスを貼付ける工程を直胴部で
のストランド間の隙間がなくなるまで繰返した。
【0058】以降同様に、内接円の直径を30mmずつ
大きくしながら、すなわち内接円の直径を90mm、1
20mm、150mm…のように段階的に大きくしなが
ら、同時に、底部に貼付ける炭素繊維クロスの一辺を3
0mmずつ大きくして、すなわち110mm×110m
m、140mm×140mm、170mm×170mm
…のように大きくして、各内接円の段階で、直胴部での
ストランド間の隙間がなくなるまで上記と同様に16回
1周のワインディングとクロス貼付けの工程を繰返し
た。なお、底部と直胴部との境界領域に貼付けるクロス
の寸法は、終始250mm×120mmとした。このよ
うにして、内接円の直径を大きくしながら、ワインディ
ングとクロス貼付けとを繰返し、内接円の直径がるつぼ
直胴部の直径とほぼ同一の値になるまでワインディング
の軌道を高緯度から低緯度に移行させながら作業を繰返
していった。
【0059】ただし、上述したワインディングにおい
て、さらに次のようにストランドのフィラメント数、ワ
インディングの周回数を変えていった。図14に示すA
の領域、すなわち内接円が底部極点(緯度90度)から
緯度45度の間にくるワインディングでは、フィラメン
ト数が15000本の炭素繊維ストランドを用いた。ま
た図14に示すBの領域すなわち内接円が緯度45度〜
30度の間にくるワインディングでは、フィラメント数
が30000本の炭素繊維ストランドを用いた。さら
に、内接円が緯度45度〜30度の間にくるワインディ
ングでは、同一の内接円の段階で、炭素繊維ストランド
が直胴部を隙間なく覆うまで炭素繊維の軌道を少しずつ
ずらしながら16回1周のワインディングすることとク
ロスの貼付けとを繰返す工程を、さらにもう一度繰返し
た。すなわち、緯度90度〜45度の間では1ラウンド
であった工程が、緯度45度〜30度の間では2ラウン
ド行なわれた。次いで、図14に示すC領域、すなわち
内接円が緯度30度〜0度の間にくるワインディングで
は、フィラメント数が60000本のストランドを用い
た。さらに、内接円の緯度が30度〜0度の間にくるワ
インディングでは、同一内接円の段階で、ストランドが
隙間なく直胴部を覆うまで16回1周のワインディング
とクロスの貼付けを行なう工程を3ラウンド行なった。
【0060】また、底部の肉厚が所定の値となったとこ
ろで、直胴部の肉厚が不足している部分にフープ巻きに
より炭素繊維のワインディングを行ない、全体を所定の
肉厚とした。
【0061】以上の方法によってワインディングおよび
クロスの貼付けを繰返し、成形体を2個作製した。得ら
れた成形体を上述した一般工程に従って処理し2個の単
結晶引き上げ用炭素材るつぼの素材を得た。得られたる
つぼの形状は図15に示すとおりである。るつぼの寸法
は、内径d1 が760mm、外径d2 が785mm、内
部深さh1 が460mm、高さh2 が465mm、内周
面曲率半径R1 が750mm、外周面曲率半径R2 が7
80mm、直胴部に近い内周面R部の曲率半径R3 が1
50mm、R部の外周面曲率半径R4 が160mmであ
った。1個のるつぼ素材より上述したように試料を採取
し、嵩密度および曲げ強度を測定した。他方のるつぼ素
材に機械加工を施して、単結晶引き上げ用炭素材るつぼ
製品を得、シリコン単結晶引き上げ作業に供し、その寿
命を評価した。
【0062】[実施例2]最初から最後まで炭素繊維の
フィラメント数が30000本のストランドを用いる以
外は実施例1と同一の方法を用いて単結晶引き上げ用炭
素材るつぼの素材を2個作製した。同様に1個のるつぼ
素材について試料を採取し、その嵩密度および曲げ強度
を測定した。他方のるつぼ素材に機械加工を施してるつ
ぼ製品を得、シリコン単結晶引き上げ作業に供してその
寿命を評価した。
【0063】[実施例3]ストランドが直胴部を隙間な
く覆うまで16回1周のワインディングとクロスの貼付
けを行なう工程を、最初から最後まで2ラウンドとした
以外は実施例1と同一の方法でるつぼ素材を作製した。
1個のるつぼは上記と同様に物理試験に供し、他方のる
つぼ素材に機械加工を施してるつぼ製品を得、シリコン
単結晶引き上げ作業に供してその寿命を評価した。
【0064】[比較例]炭素繊維ストランドを、底部極
点を通る軌道のみでワインディングして成形体を作製し
ようとしたが、600回のワインディング後は、極点付
近でストランドが滑りワインディングを続行することが
できなかった。このような段階でワインディングを中止
し、未完成となった成形体を、上記一般工程に従って高
純度化処理まで行ない、得られた素材から試料を採取し
て嵩密度および曲げ強度を測定した。
【0065】以上の結果を表1に示す。なお、従来の炭
素繊維を用いない3分割型黒鉛るつぼの嵩密度は約1.
8g/cc、曲げ強度は約400kg/cm、使用可能
な単結晶引き上げ回数は約60回であった。比較から明
らかなように、本発明によるるつぼは、従来の黒鉛から
なるるつぼより嵩密度が小さく、したがって軽量のるつ
ぼとなっている一方、より高い曲げ強度を有し、さらに
単結晶引き上げについて寿命のより長いものであった。
【0066】
【表1】
【0067】上記実施例では、16回一周のワインディ
ングを行なったが、一周を何回のワインディングで行な
うかは、るつぼのサイズ、形状等に応じて適宜変更する
ことができる。また、内接円の直径、クロスのサイズ、
クロスの貼付け位置、ストランドのフィラメント数、そ
の変更のタイミング、工程のラウンド数、その変更のタ
イミング等の種々の条件も、適宜変更していくことが可
能である。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、軽量で、強度が高く、
製作が容易でありかつ寿命の長い単結晶引き上げ用るつ
ぼを提供することができる。本発明によるるつぼは、そ
の全体が高い強度を有する炭素繊維強化炭素材からなる
ものであり、従来よりも応力の作用に耐え、溶融材料蒸
気による反応生成物の剥離の問題が少なく、より長い寿
命を有している。上述したような本発明の製造方法によ
り、上述したような優れた特性を有する実用的なるつぼ
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単結晶引き上げ装置の一例を示す模式図であ
る。
【図2】本発明によるるつぼの各部分を説明するための
模式図である。
【図3】極点を通るポーラー巻きを示す図である。
【図4】直胴部に適用されるフープ巻きを示す模式図で
ある。
【図5】本発明において、丸底部を構成すべき炭素繊維
が中心軸から所定の距離だけ離れてポーラー巻きされる
様子を示す図である。
【図6】図5よりも中心軸からの距離が大きな状態で炭
素繊維がポーラー巻きされる様子を示す図である。
【図7】丸底部に炭素繊維クロスを貼付ける工程を説明
するための底面図である。
【図8】図7よりもサイズの大きな炭素繊維クロスを丸
底部に貼付ける工程を説明するための底面図である。
【図9】本発明において、丸底部と直胴部との境界領域
に炭素繊維クロスを貼付ける工程を説明するための側面
図である。
【図10】貼付けられる炭素繊維クロスの一例を示す側
面図である。
【図11】実施例において得られるるつぼ素材から試験
片が採取される位置を示す模式図である。
【図12】実施例1において最初に炭素繊維ストランド
がポーラー巻きされる様子を示す底面図である。
【図13】実施例1において炭素繊維クロスが貼付けら
れる様子を示す側面図である。
【図14】炭素繊維がワインディングされる軌道のそれ
ぞれの領域を示す模式図である。
【図15】実施例において得られるるつぼの形状を示す
概略断面図である。
【符号の説明】
10a 石英るつぼ 10b 炭素材るつぼ 20 るつぼ 21 直胴部 22 丸底部 23 極点 24 中心軸 31、51、71、81 炭素繊維

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心に極点を有する丸底部とそれに一体
    不可分につながる直胴部とを有する単結晶引き上げ用炭
    素繊維強化炭素材るつぼであって、 その全体が、フィラメントワインディング法によって形
    成された炭素繊維強化炭素材の組織を有し、 前記丸底部を構成する材料組織は、前記フィラメントワ
    インディング法により配置された炭素繊維の積層構造を
    有し、 前記丸底部における前記炭素繊維の積層構造には、中心
    軸から種々の距離で離れた軌道をそれぞれ通る炭素繊維
    が混在しており、 前記るつぼを構成する炭素繊維強化炭素材は、1.0g
    /cc以上の嵩密度および300kg/cm2 以上の曲
    げ強度を有することを特徴とする、単結晶引き上げ用炭
    素繊維強化炭素材るつぼ。
  2. 【請求項2】 前記中心軸から種々の距離で離れた軌道
    をそれぞれ通る炭素繊維は、前記中心軸の周りに環状に
    配置された炭素繊維の積層構造を形成しており、 前記積層構造において、前記中心軸と前記環状に配置さ
    れた炭素繊維との間の距離は、前記直胴部の半径または
    その近傍まで、段階的に変化していることを特徴とす
    る、請求項1に記載の単結晶引き上げ用炭素繊維強化炭
    素材るつぼ。
  3. 【請求項3】 前記丸底部および/または前記丸底部と
    前記直胴部との境界部分に、炭素繊維クロスによる組織
    が存在することを特徴とする、請求項1または2に記載
    の単結晶引き上げ用炭素繊維強化炭素材るつぼ。
  4. 【請求項4】 前記直胴部は、前記るつぼの水平方向に
    ほぼ垂直な方向および/または前記水平方向に対して所
    定の角度で傾けられた方向に配置される炭素繊維と、前
    記水平方向にほぼ平行な方向に配置される炭素繊維とを
    含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の単結晶引き上げ用炭素繊維強化炭素材るつ
    ぼ。
  5. 【請求項5】 中心に極点を有する丸底部とそれに一体
    不可分につながる直胴部とを有する単結晶引き上げ用炭
    素繊維強化炭素材るつぼをフィラメントワインディング
    法を用いて製造する方法において、 結合材を付着させた炭素繊維をマンドレル上に巻き重ね
    ていくに際し、前記丸底部を構成すべき炭素繊維の軌道
    を、底部極点またはその近傍から段階的に遠ざけていく
    工程を備えることを特徴とする、単結晶引き上げ用炭素
    繊維強化炭素材るつぼの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記丸底部を構成すべき炭素繊維の軌道
    を底部極点またはその近傍から段階的に遠ざけていく工
    程において、前記軌道と前記底部極点との間の距離が大
    きくなるに従い、底部極点を通る中心軸からの距離が同
    じ軌道上に巻かれる炭素繊維を段階的に増やしていくこ
    とを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 複数のフィラメントからなるストランド
    を前記炭素繊維として用い、 前記丸底部を構成すべき炭素繊維の軌道を底部極点また
    はその近傍から段階的に遠ざけていく工程において、前
    記軌道と前記底部極点との間の距離が大きくなるに従
    い、フィラメント数のより多いストランドを用いること
    を特徴とする、請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 得られる成形体の厚みを調整するため、
    前記丸底部を構成すべき部分および/または前記丸底部
    と前記直胴部との境界領域を構成すべき部分に炭素繊維
    クロスを貼付ける工程を備えることを特徴とする、請求
    項5〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
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