JP2000169295A - ルツボ受け皿 - Google Patents
ルツボ受け皿Info
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Abstract
高強度なルツボ受け皿を得る。 【解決手段】黒鉛材からなるルツボ受け皿にC/Cコン
ポジットを環状に嵌着した部分を形成し、さらにはその
一部もしくは全面に熱分解炭素を含浸するとともに被膜
を形成したこと。
Description
き上げ装置を構成するための部材に関し、特に、シリコ
ン単結晶引き上げ装置を構成するヒーターの内側に配置
されて、ヒーターからの熱を受けてシリコン材料を溶融
するルツボを保持するためのルツボ受け皿に関するもの
である。
クラルスキー法と称される方法により、雰囲気ガスの存
在下で、ルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を
引き上げるもので、例えば、特公昭57−15079号
公報にて示されているような「単結晶引上装置」として
知られている。この公報に示された装置は、図2に示す
ように、「炉体容器1内にその下方より回転軸2が導入
され、その回転軸2の端面上に受け皿3を介してルツボ
4が配される。又該ルツボ4の周りに発熱体5と保温筒
6が配され、ルツボ4内でシリコンが溶融され融液7を
得る。一方炉体容器1の上方には上下に滑動する回転軸
9が設けられている。該回転軸9の遊端にシリコンの種
結晶8を取付け、回転軸9を種結晶8がルツボ4内の融
液7に触れている状態より上方に移動させて、種結晶8
の下に続くシリコン単結晶10を得る。単結晶を育成す
る際、不必要な反応生成ガスが、単結晶10及び融液7
の液面で反応しないように、これを排除する必要があ
る。このためにアルゴン等の不活性ガスを雰囲気ガスと
して、炉体容器1の上方より単結晶及び液面に供給し、
炉体容器下部より排出する」というものである(上記公
報の第2欄)。
いて、受け皿3は単にルツボを載せるだけでなく、シリ
コン融液を収容する石英ルツボを外側より包囲する黒鉛
ルツボは、前記石英ルツボと熱膨張係数が異なるため、
引き上げ後の冷却時に破損する恐れがある。そのため、
実公昭52−27880号公報に記載されているよう
に、前記黒鉛ルツボは2分割および3分割された形態を
とっており、単結晶引上げ装置においては、受け皿3は
単にルツボを載せるだけでなく、分割された黒鉛ルツボ
を一体に保つ必要がある。また、万が一受け皿が破損し
た場合にはルツボが落下することにより、最悪の場合、
溶融したシリコンが冷却層の隔壁を破壊し水蒸気爆発を
起こすという危険性がある。以上のようなルツボ受け皿
を構成するための材料としては、黒鉛材が通常用いられ
ている。
シリコン単結晶の大口径化に伴い、石英ルツボ及び黒鉛
ルツボが大型化し、前記石英ルツボに収容するシリコン
原料の重量は16インチφウェハの場合、500kgに
もおよぶ。したがって、ルツボ受け皿に対する応力も増
大し、強度的に問題があった。
結晶引上げ装置用のルツボ受け皿について、前述した問
題を解決するにはどうしたらよいかについて種々検討を
重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
めに、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、以下
の実施形態の説明中において使用する符号を付して説明
すると、「シリコン単結晶引き上げ装置100を構成す
るヒーター20の内側に配置されてこのヒーター20か
らの熱を受けてシリコン材料を溶融するために、前記シ
リコン材料を直接収容する石英ルツボと、前記石英ルツ
ボを外側から包み込む保護容器とにより構成したルツボ
10を保持するためのルツボ受け皿60であって、ルツ
ボを包囲する様に嵌着してなる環状のC/Cコンポジッ
トを有することを特徴とするルツボ受け皿60」であ
る。
け皿60は、図1に示すように、密閉本体50内のルツ
ボ10を保持するものであり、図3に示すようにルツボ
を包囲する様に環状のC/Cコンポジット61を嵌着し
て形成したものである。
ンポジット61は、高強度であり次のようにして形成さ
れる。まず、炭素繊維を、1軸配向あるいは複数軸配向
させて筒状素材としておいて、これに樹脂を含浸させ
て、これを炭化するのである。含浸に用いる樹脂として
は、フェノール、フラン等の樹脂の他、タール・ピッチ
等がある。
は、ルツボを包囲する様に嵌着してなる環状のC/Cコ
ンポジットを有することを内容とする。前記構成によ
り、環状のC/Cコンポジットがルツボに対し円周方向
に存在するので、ルツボからかかる応力に対して強度が
大幅にアップする。
れた環状のC/Cコンポジットの一部もしくは全面に熱
分解炭素を含浸するとともに被膜を形成したことを内容
とする。このような構成とする理由は、前記熱分解炭素
被膜によって、シリコン単結晶引き上げ時に発生するS
iOガスやシリコン蒸気が基材に接触することはなく、
従って基材中のC(炭素)と反応することを防止し珪化
及びシリコン浸透による強度の低下を防止できる。
ともルツボの接触面及びその周囲に熱分解炭素から成る
被膜を形成したことを内容とする。このような構成とす
る理由は、前記熱分解炭素被膜によって、シリコン単結
晶引き上げ時に発生するSiOガスや、シリコン蒸気が
基材に接触することはなく、従って基材中のC(炭素)
と反応することを防止し、珪化及びシリコン浸透による
強度の低下を防止出来ることをはじめとして、ルツボの
接触面及びその周囲に蒸着したシリコン蒸気が基材表面
を浸透し、冷却時に固化してルツボとルツボ受け皿の取
りはずしを困難にすることを防止出来る。
の形態について説明すると、図1には、本発明に係るル
ツボ受け皿60が適用されるシリコン単結晶引き上げ装
置100の縦断面図が示してある。このシリコン単結晶
引き上げ装置100は、その密閉本体50内に、シリコ
ンを溶融させるためのルツボ10を回転軸55にて回転
可能に収納したものであり、このルツボ10の下には本
発明に係るルツボ受け皿60が配置してある。
として形成し、ルツボを包囲する様に環状のC/Cコン
ポジットを嵌着したものである。その環状のC/Cコン
ポジットの一部もしくは全面に熱分解炭素を含浸すると
ともに被膜が形成してある。またルツボ受け皿60の少
なくともルツボの接触面及びその周囲に熱分解炭素から
成る被膜が形成してある。これらのC/Cコンポジット
および熱分解炭素被膜は、以下の実施例にて示すように
製造または形成されるものである。
ディング法により環状に形成し、この炭素繊維素材にフ
ェノール樹脂を含浸して、硬化後に900℃で焼成し
た。さらにフェノール樹脂含浸、硬化、焼成を2回繰り
返しこれを黒鉛化して環状のC/Cコンポジットを得
た。
D炉に入れて1400℃に加熱するとともに、水素ガス
をキャリアとしてメタンガスを炉内に連続的に供給し
た。これにより基材の表面全体に表面から約30μmの
深さまで熱分解炭素が含浸され、さらに表面に厚さ約5
0μmの熱分解炭素被膜が形成された。得られた環状の
C/Cコンポジットを黒鉛を加工して得られた32イン
チφルツボ用の受け皿に嵌着した。
ング法により環状に形成し、これにフェノール樹脂含
浸、硬化、焼成を2回繰り返して全体を炭素化し、これ
を黒鉛化してC/Cコンポジットを得た。
を加工して得られた32インチφルツボ用の受け皿に嵌
着した。この受け皿に実施例1と同様な方法によって熱
分解炭素被膜を形成した。
上記実施形態において例示した如く、「シリコン単結晶
引き上げ装置100を構成するヒーター20の内側に配
置されてこのヒーター20からの熱を受けてシリコン材
料を溶融するために、前記シリコン材料を直接収容する
石英ルツボと、前記石英ルツボを外側から包み込む保護
容器とにより構成したルツボ10を保持するためのルツ
ボ受け皿60であって、前記ルツボ受け皿60の基材を
黒鉛を材料として形成し、ルツボを包囲する様に環状の
C/Cコンポジットを嵌着したこと、そのC/Cコンポ
ジットの一部もしくは、全面に熱分解炭素を含浸すると
ともに被膜を形成したこと、またルツボ受け皿60の少
なくともルツボの接触面及びその周囲に熱分解炭素から
成る被膜を形成したこと」にその構成上の特徴があり、
それにより、高強度で、耐久性の高いルツボ受け皿を提
供することができる。
単結晶引き上げ装置の縦略断面図である。
図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】シリコン単結晶引き上げ装置を構成するヒ
ーターの内側に配置されて、前記ヒーターからの熱を受
けてシリコンを溶融するために、前記シリコン材料を直
接収容する石英ルツボと、前記石英ルツボを外側から包
み込む保護容器とにより構成したルツボを保持するため
の黒鉛からなるルツボ受け皿であって、ルツボを包囲す
る様に嵌着してなる環状のC/Cコンポジットを有する
ことを特徴とするルツボ受け皿。 - 【請求項2】前記環状のC/Cコンポジットの一部もし
くは、全面に熱分解炭素を含浸するとともに被膜を形成
したことを特徴とする請求項1に記載のルツボ受け皿。 - 【請求項3】請求項1に記載のルツボ受け皿において少
なくともルツボの接触面及びその周囲に熱分解炭素から
なる被膜を形成したことを特徴とするルツボ受け皿。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37607898A JP2000169295A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | ルツボ受け皿 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37607898A JP2000169295A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | ルツボ受け皿 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000169295A true JP2000169295A (ja) | 2000-06-20 |
Family
ID=18506544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37607898A Pending JP2000169295A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | ルツボ受け皿 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000169295A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012111648A (ja) * | 2010-11-22 | 2012-06-14 | Toyo Tanso Kk | 単結晶引き上げ装置、及び単結晶引き上げ装置に用いられる低熱伝導性部材 |
US8449674B2 (en) | 2008-08-27 | 2013-05-28 | Amg Idealcast Solar Corporation | System and method for liquid silicon containment |
CN103160936A (zh) * | 2013-02-26 | 2013-06-19 | 昱成光能股份有限公司 | 坩埚护框的制造方法 |
US9453291B2 (en) | 2010-11-22 | 2016-09-27 | Toyo Tanso Co., Ltd. | Single crystal pulling apparatus and low heat conductive member used for single crystal pulling apparatus |
-
1998
- 1998-11-30 JP JP37607898A patent/JP2000169295A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8449674B2 (en) | 2008-08-27 | 2013-05-28 | Amg Idealcast Solar Corporation | System and method for liquid silicon containment |
JP2012111648A (ja) * | 2010-11-22 | 2012-06-14 | Toyo Tanso Kk | 単結晶引き上げ装置、及び単結晶引き上げ装置に用いられる低熱伝導性部材 |
US9453291B2 (en) | 2010-11-22 | 2016-09-27 | Toyo Tanso Co., Ltd. | Single crystal pulling apparatus and low heat conductive member used for single crystal pulling apparatus |
CN103160936A (zh) * | 2013-02-26 | 2013-06-19 | 昱成光能股份有限公司 | 坩埚护框的制造方法 |
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