JPH05306166A - 炭素複合材料 - Google Patents

炭素複合材料

Info

Publication number
JPH05306166A
JPH05306166A JP3073296A JP7329691A JPH05306166A JP H05306166 A JPH05306166 A JP H05306166A JP 3073296 A JP3073296 A JP 3073296A JP 7329691 A JP7329691 A JP 7329691A JP H05306166 A JPH05306166 A JP H05306166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
ceramics
composite material
thermal expansion
coefficient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3073296A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirohisa Miura
宏久 三浦
Kunihiko Imahashi
邦彦 今橋
Yoshiteru Nakagawa
喜照 中川
Takayuki Azuma
隆行 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP3073296A priority Critical patent/JPH05306166A/ja
Priority to EP92302860A priority patent/EP0507564A2/en
Publication of JPH05306166A publication Critical patent/JPH05306166A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】耐摩耗性の優れた炭素複合材料を提供する。 【構成】この炭素複合材料は、その構成成分であるマト
リックス炭素よりなる基材の20〜1000℃の平均熱
膨張係数α1 と、基材中に埋設されたセラミックスの2
0〜1000℃の平均熱膨張係数α2 との関係を −2≦a−a≦+3.5 として規定した。このように基材とセラミックスとが近
似した平均熱膨張係数を持つことにより、セラミックス
と基材との境界部分に生ずる隙間あるいは歪みを小さく
でき、摩擦、摺動に伴う摺動抵抗に耐え、セラミックス
の脱落を最小にすることができる。本発明の炭素複合材
料の耐摩耗性は、セラミックスを含まない基材のみで構
成された炭素材料より優れている。酸化物系のセラミッ
クスを用いると摩擦係数が高く、硼化物系のセラミック
スを用いると摩擦係数が低くなる。窒化物系のセラミッ
クスを用いるとその中間の摩擦係数が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摩耗に強く、耐熱性お
よび耐酸化性にも優れ、航空機およびレ−ス車両などの
ブレ−キシュ−、ブレ−キライニングおよびブレ−キパ
ッド、ブッシユ、ワッシヤ、ロ−タ、スリ−ブ、軸受け
などの摺動部材に利用して好適な炭素複合材料に関す
る。
【0002】本発明の炭素複合材料は、摺動下で優れた
耐摩耗性が要求されかつ摩擦係数が高く、耐焼付き性に
優れる特性を必要とするブレ−キ材料とかフリクション
ドライブ用の機械構造体とか、乾式摺動下あるいは高温
摺動下で優れた耐摩耗性が要求されかつ摩擦係数が低
く、耐焼付き性に優れる特性を必要とする無潤滑状態で
使用される機械構造体等の双方に摺動部材として適用す
ることができる。
【0003】
【従来の技術】航空機およびレ−ス車両などのブレ−キ
材などに利用される炭素複合材料は、耐熱性および耐摩
耗性が特に要求される。一方、機械構造体の摺動部分は
その耐焼付き性が低いので、通常はオイル潤滑下で使用
される。乾式下で使用する摺動部材としてはオイルを含
浸した焼結材、銅系の焼結合金、炭素材料が知られてい
る。炭素材料は炭素粉末とピッチ粉末とを焼き固めたも
の、高温で焼結することにより黒鉛化したものが使用さ
れている。
【0004】近年、かかる目的で使用される炭素材料の
強度を向上させた材料として、炭素繊維強化炭素材料が
提供されている。この炭素繊維強化炭素材料は、例え
ば、炭化又は黒鉛化されかつ酸化処理などの表面処理の
施された強化材としての炭素繊維に、タ−ル、ピッチま
たは熱硬化性樹脂などの結合材としての液状炭素質材料
を含浸し、不活性雰囲気下で焼成、必要に応じて黒鉛化
することにより製造される(特開昭63−206351
号公報)。
【0005】さらに、炭素繊維強化炭素材料の摩擦係数
を高める等を目的として、炭素繊維強化炭素材料に金属
とか炭化物セラミック粉を配合した炭素繊維強化炭素複
合材料が報告されている(特開昭63−13926号公
報、特開昭63−60173号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の炭素繊維強化炭
素および炭素複合材料は、一般的に耐摩耗性が低い。特
にセラミックスを配合した複合材料は耐摩耗性が劣る。
また、炭素繊維強化炭素および炭素複合材料は、室温等
の比較的低い温度域とか低荷重時において、摩擦係数μ
が低いが、高温下とか高荷重下では比較的摩擦係数μが
高い。特開昭63−13926号公報、特開昭63−6
0173号公報に記載されている金属、炭化物セラミッ
クを含有する炭素繊維強化炭素複合材料は、炭素繊維強
化炭素材料より高い摩擦係数をもつ。しかし、用途によ
ってはさらに高い摩擦係数を持つ炭素繊維強化炭素複合
材料が求められている。また、逆に高温下とか高荷重下
で低い摩擦係数を持つ炭素繊維強化炭素複合材料が求め
られている。
【0007】本発明は、これらの問題点に鑑みてなされ
たものであり、本発明はまず第一に、耐摩耗性に優れた
炭素複合材料を提供することを目的とする。第二に、高
い耐摩耗性をもつとともに低い摩擦係数から高い摩擦係
数まで広い範囲の摩擦係数を選択できる優れた炭素複合
材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の炭素複合材料
は、マトリックス炭素で構成された基材と、この基材中
に埋設されたセラミツクス粉末および/または繊維とで
構成され、基材の20〜1000℃の平均熱膨張係数α
1 とセラミックスの20〜1000℃の平均熱膨張係数
α2 との差が以下の条件 −2×10-6/℃≦α1 −α2 ≦3.5×10-6/℃ を満たす関係にあることを特徴とするものである。
【0009】本発明者は、炭素繊維強化炭素材料に各種
のセラミックスを配合して各種の炭素繊維強化炭素複合
材料を作り、得られた複合材料の密度、強度、乾式下お
よび湿式下の摩擦係数および摩耗量を詳細に調べてき
た。セラミックスを使用した場合には、多くの場合、非
常に脆い複合材料しか得られないが、基材を特定するこ
とにより、耐摩耗性が高く優れた機械的特性を持つ炭素
繊維強化炭素複合材料が得られることが判明した。
【0010】そこで、本発明者等は、一部の知見を特願
平1−341883および特願平2−163388とし
て特許出願した。これら特許出願した発明は、主に炭素
繊維強化炭素材料からなる基材に特色を持つもので、自
己焼結性をもつ炭素粉末と完全炭化前の未炭化炭素質繊
維とを一体的に焼結した焼結体であり、耐摩耗性が特に
優れている。そして、この焼結体を基材とし、これに各
種セラミックスを配合した炭素繊維強化炭素複合材料
は、優れた耐摩耗性とともに、セラミックスを選択する
ことにより、所望の摩擦係数が得られる。
【0011】本発明者は、さらに基材となる炭素繊維強
化炭素の範囲を広げ、かつ広い範囲のセラミックスを組
合わせて研究した結果、炭素複合材料を構成する基材お
よびセラミックスの熱膨張係数が特定の関係、具体的に
は両者の熱膨張係数が互いに近似している場合には、基
材の材質に関係なく耐摩耗性が高いことを見出し、本発
明を完成したものである。
【0012】すなわち、本発明の炭素複合材料は、基材
の20〜1000℃の平均熱膨張係数α1 とセラミック
スの20〜1000℃の平均熱膨張係数α2 との差が −2×10-6/℃≦α1 −α2 ≦3.5×10-6/℃ を満たす関係にあるものである。炭素複合材料では、金
属材料と異なり、基材の炭素と基材中に埋設されている
セラミックスとが互いに濡れ性等で結合していることは
ほとんどない。また、炭素複合材料は、通常1500〜
3000℃という高温で焼結されるため焼結中に基材と
セラミックスの境界部分に隙間が生ずやすい。このため
セラミックスは、基材より脱落しやすい。特に摺動等の
シェアーが作用した場合には、炭素複合材料の摺動面よ
りセラミックスが脱落し易く、脱落したセラミックスが
炭素材料を摩耗させるため一層耐摩耗性が悪くなる。
【0013】炭素複合材料を構成する基材とセラミック
スとの熱膨張の差も、基材とセラミックスとの境界部分
に生ずる隙間の原因になる。本発明の炭素複合材料で
は、その基材とセラミックスとの熱膨張係数の差が小さ
いため、熱膨張によって基材とセラミックスとの境界部
分に生ずる隙間が小さい。また、熱膨張の差に起因する
歪みも小さい。このため本発明の炭素複合材料は、基材
よりセラミックスが脱落しにくく、その分摩耗が少な
い。
【0014】本発明の炭素複合材料を構成する基材は、
マトリックス炭素のみでも構成できる。しかし、炭素繊
維とマトリツクス炭素とから構成されするのが好まし
い。炭素繊維としては、PAN(ポリアクリロニトリ
ル)、石炭または石油系ピッチを原料として紡糸し、炭
化した炭素繊維が使用できる。好ましい炭素繊維とし
て、ピッチ系の光学的等方性の炭素繊維がある。この光
学的等方性炭素繊維は繊維方向による熱膨張係数の異方
性がなく20〜1000℃の範囲の平均熱膨張係数は2
〜4×10-6/℃である。また、PAN系およびピッチ
系で、高強度、高剛性の光学的異方性をもつ炭素繊維が
知られている。この炭素繊維は、繊維方向の熱膨張係数
が室温から400℃程度まで負の係数をもち、400〜
1000℃の熱膨張係数は0〜2×10-6/℃であり、
かつ繊維の長手方向とそれに直行する方向の熱膨張係数
が異なる。この繊維も用途によっては充分に活用でき
る。
【0015】また、炭素繊維として完全炭化前の未炭化
炭素繊維も使用できる。ここで未炭化の炭素繊維とは、
通常の完全な炭化処理の施されていない状態の炭素繊維
を言う。換言すれば、さらに熱処理をすることによりさ
らに炭化する余地を有する炭素繊維を言う。具体的に
は、原料ピッチを使用した場合には、ビッチを紡糸した
ままの繊維または紡糸した繊維を550℃を越えない温
度で不融化した繊維を言う。PAN(ポレアクリロニト
リル系繊維)等の高分子系の繊維では、分解工程を終
え、黒鉛化処理前の繊維を言う。
【0016】これら炭素繊維の繊維長さは、短繊維、長
繊維に限らない。しかし、短繊維の場合には0.01〜
50mmのものを使用することができる。特に、0.0
3〜10mmのものが混合のしやすさ、アスペクト比の
関係から好ましい。長すぎては繊維同士が絡みあい分散
性が低下し、ひいては製品特性の均等性に劣り、また
0.01mmより短くては製品の強度が急激に低下して
好ましくない。また、繊維径としては、5〜25μm程
度のものが好ましい。さらに、これらの繊維からなる不
織布またはコ−ティング布として使用することもでき
る。
【0017】炭素繊維は、さらにタ−ル、ピッチ、有機
高分子などの粘結成分を含有する材料で表面処理し、結
合材とのなじみ性を向上させることが好ましい。この表
面処理は、炭素繊維100重量部に100〜1000重
量部程度の粘結成分含有材料を加えて攪拌し、有機溶媒
により洗浄後、乾燥して行うことができる。炭素繊維
は、必要に応じて分散処理される。すなわち、乾燥させ
た繊維が、塊状化または凝集していることがあるので、
このような場合には、通常の粉体ミル、アトマイザ−、
パルバライザ−などの任意の手段により分散を行う。
【0018】マトリックス炭素としては、フェノール樹
脂等の樹脂を炭化したもの、石炭または石油ピッチを加
熱してさらに炭化したもの、コークス粉砕品、メソカー
ボンマイクロビーズのように自己焼結性をもつ粉、CV
Dによる気相法で得られる炭素等が利用できる。一般に
マトリックス炭素としては、メソカーボンマイクロビー
ズ、CVDによる気相炭素、メソフェーズピッチが比較
的高い熱膨張係数をもつ。
【0019】基材は前記した炭素繊維とマトリツクス炭
素とから構成され、基材の熱膨張係数α1 は使用する炭
素繊維とマトリツクス炭素とで定まる。また、基材の熱
膨張係数α1 は炭素繊維の配向の方向により定まる。基
材の20〜1000℃の平均熱膨張係数α1 は、炭素繊
維の配向の仕方によっても異なるが、繊維方向で0.3
〜3×10-6/℃、繊維の長手方向と直角の方向で2.
0〜8.0×10-6/℃が普通である。
【0020】また、基材の熱膨張係数α1 は炭素繊維の
配合割合によっても異なる。一般に炭素繊維はマトリッ
クス炭素より熱膨張係数が小さい。従って炭素繊維の配
合割合の低い炭素繊維強化炭素は、炭素繊維の配合割合
が多い炭素繊維強化炭素に比較して熱膨張係数α1 が大
きい。また、基材の熱膨張係数α1 は、基材の密度によ
っても変わり、密度が高くなる程熱膨張係数α1 も大き
くなる。例えば、図1に炭素繊維強化炭素複合材料の2
0〜1000℃の平均熱膨張係数αと密度との関係を示
す。図1のデータは、初期の炭素繊維強化炭素複合材料
を使用し、緻密化条件を変えて初期の炭素繊維強化炭素
複合材料を緻密化し、密度の異なる数種類の炭素繊維強
化炭素複合材料を作り、これらの20〜1000℃の平
均熱膨張係数αおよび密度を測定することにより求めた
ものである。図1の結果は、直接基材の熱膨張係数α1
を測定しているものではないが、基材についても同じ現
象が生じることは容易に類推できる。
【0021】さらに、黒鉛化の割合、無定形炭素の割合
等で基材の熱膨張係数α1 は異なる。このため上記した
炭素繊維の種類、配合割合、黒鉛化の程度等を最適に選
択することにより目的とする熱膨張係数α1 あるいはそ
れに近い熱膨張係数を持つ基材を得ることができる。炭
素繊維として前述した繊維方向に異方性をもたない等方
性の炭素繊維を使用し、マトリックス炭素として比較的
熱膨張係数の大きい炭素を使用することにより、繊維方
向によって熱膨張係数に異方性がない熱膨張係数α1
3〜9.0×10-6/℃程度の基材が得られる。
【0022】セラミックスとしては、1600℃以上の
高融点を有し、複合材製造時に炭素と反応しにくいもの
であることが好ましい。また、基材の熱膨張係数α1
3〜9.0×10-6/℃程度と比較的小さいので、セラ
ミックスとしては、比較的熱膨張係数α2 が小さいもの
が好ましい。このような高融点を有し、炭素と反応しに
くくかつ比較的小さい熱膨張係数α 2 をもつ無機酸化物
よりなるセラミックスとして、例えばムライト(3Al
2 3 ・2SiO2 、α2 ;4.5〜5.7×10-6
℃)、アルミナ(Al2 3、α2 ;7.2〜9.0×
10-6/℃)、ルチル(TiO2 、α2 ;6.8〜8.
3×10-6/℃)、ジルコニア(ZrO2 ;α2 ;1
0.4×10-6/℃)、ベリリア(BeO、α2 ;7.
5〜9.0×10-6/℃)が推奨される。なお、マグネ
シア(MgO、α;13.0〜13.5×10-6/℃)
は摩擦係数を高くする効果はあるが、熱膨張係数が大き
いため、複合材としたときに耐摩耗性が低下する。この
ため多量の配合は好ましくない。酸化物セラミックスを
配合することにより、乾式下の摩擦係数が0.28〜
0.45の範囲にある炭素複合材料が得られる。
【0023】好ましい硼化物セラミックスとして、硼化
チタン(TiB2 、α2 ;7.6〜8.3×10-6
℃)、硼化ジルコン(ZrB2 、α2 ;5.3〜6.2
×10 -6/℃)が推奨される。これら以外に用途によっ
てはB4 C、NiB、CoB、BN、TaB2 等を使用
できる。硼化物セラミックスを配合することにより、乾
式下の摩擦係数が0.05〜0.13の範囲の炭素繊維
強化炭素複合材料が得られる。
【0024】好ましい窒化物セラミックスとして、窒化
アルミ(AlN、α2 ;4.4〜5.0×10-6
℃)、窒化ジルコン(ZrN、α2 ;6.5〜7.5×
10-6/℃)、窒化チタン(TiN、α2 ;8.5〜
9.5×10-6/℃)、窒化タンタル(TaN、α2
3.8×10-6/℃)が推奨される。これら以外に用途
によってはCr2 N、BN等を使用できる。窒化物セラ
ミックスを配合することにより、乾式下の摩擦係数が
0.19〜0.43の範囲にある炭素複合材料が得られ
る。
【0025】他のセラミックスとしてB4 C、TiC、
TaC、ZrC等の炭化物も使用できる。前記したセラ
ミックスの一種または複数種類を混合して使用できる。
また、セラミックスとして粉末を採用する場合は、基材
とのなじみ性、分散性および複合材としての強度および
耐摩耗性を考慮して、粒径0.1〜10μmのものが好
ましく、より好ましくは粒径0.3〜5μmのものがよ
い。粒径が0.1μmより小さいと均一混合が難しく、
粒径が10μmより大きいと異常摩耗を起こす可能性が
ある。繊維を採用する場合は、基材とのなじみ性、分散
性および複合材としての強度および耐摩耗性を考慮し
て、直径0.7〜40μm、長さ0.01〜8mmのも
のが好ましく、より好ましくは直径1〜15μm、長さ
0.05〜3mmのものがよい。なお、クロス等にはフ
ィラメント等の長繊維を使用できる。繊維には、ウイス
カ、セラミックス繊維が含まれる。
【0026】本発明の炭素複合材料の基材20〜100
0℃の平均熱膨張係数α1 とセラミックスの20〜10
00℃の平均熱膨張係数α2 とは次の関係にある。 −2×10-6/℃≦α1 −α2 ≦3.5×10-6/℃ (α1 −α2 )が−2より小さい、すなわち基材の平均
熱膨張係数α1 が、セラミックスの平均熱膨張係数α2
より2×10-6/℃小さいと、基材とセラミックスとの
境界部分に無視できない隙間が生じ、耐摩耗性が低くな
る。また、同じことは、(α1 −α2 )が+3.5より
大きい、すなわち基材の平均熱膨張係数α 1 が、セラミ
ックスの平均熱膨張係数α2 より3.5×10-6/℃大
きいと、基材とセラミックスとの境界部分に無視できな
い歪みが生じ、耐摩耗性が低くなる。なお、(α1 −α
2 )がプラス側とマイナス側で異なるのは、炭素複合材
料の基材とセラミックスの境界部分の関係が焼成温度で
定まり、焼成温度から室温まで温度が低下すると、その
温度変化による熱収縮で基材とセラミックスとの境界部
分の関係が変化することによると考えている。(α1
α2 )がマイナス、すなわちセラミックスの熱膨張係数
が大きいと、室温まで温度が低下するとセラミックスが
大きく収縮し、基材とセラミックスとの境界部分に隙間
が生じる。逆に、(α1 −α2 )がプラス、すなわちセ
ラミックスの熱膨張係数が小さいと、室温まで温度が低
下すると基材が大きく収縮し、基材は焼き嵌めと同じ原
理でセラミックスを強く閉じ込め隙間が発生しない。な
お、(α1 −α2 )があまりにも大きいと、基材が熱膨
張の差に基ずく歪みを吸収できず、基材か破壊され、耐
摩耗性が大きく低下する。
【0027】参考までに、基材を一定にし、配合するセ
ラミックスの種類を変えて熱膨張係数の差(α1
α2 )を変えた数種類の炭素複合材料を作り、熱膨張係
数の差−(α1 −α2 )と比摩耗量との関係を示す線図
を図2に示す。なお、図2では、熱膨張の差を絶対値と
して示した。図2より、(α1 −α2 )がゼロ(0)に
近ずく程比摩耗量が低下しているのが判る。
【0028】本発明の炭素複合材料を100重量%(以
下、%は特に明記しないかぎり重量%を示す。)とした
とき、セラミツク粉末および/または繊維の割合は、1
〜20%であるのが好ましい。1%以下ではセラミック
スを配合したことによる摩擦係数の向上あるいは低下に
充分ではなく、逆に20%を越えると材料強度の低下が
著しい。
【0029】また、炭素繊維の含有量は0から40%の
範囲とするのが好ましい。40%を越えると材料強度が
著しく低下する。本発明の炭素複合材料はその見掛け密
度が1.7g/cm3 以上であるのが好ましい。見掛け
密度が高くなる程、材料強度、耐摩耗性等の機械的特性
が向上する。
【0030】本発明の炭素複合材料の形状は特に限定さ
れず、ブレ−キシュ−、ブレ−キライニング、ブレ−キ
パッド、ブッシユ、ワッシヤ、ロ−タ、スリ−ブなどの
所定の形状とすることができる。本発明の炭素複合材料
は公知の方法によって製造できる。マトリックス炭素と
して自己焼結性の炭素粉末を使用する場合は、例えば図
3に示すような乾式混合、乾式成形および焼成という簡
単な工程で製造できる。炭素粉末とセラミックス粉末お
よび繊維は、強度および耐摩耗性を等方的にするため
に、前記した原料を均一に混合することが好ましい。
【0031】成形は、常法によって行うことができ、通
常1〜10ton/cm2 程度の加圧下に所定の形状に
成形すればよい。または、CIP法、HIP法、ホット
プレス法などによって成形を行ってもよい。成形は、常
温でまたは不活性雰囲気下500℃程度までの加熱下に
行うことができる。焼成は、700〜1500℃程度に
加熱して炭素繊維および自己焼結性炭素粉末を炭化固結
させる。なお、必要に応じてこの炭化された複合体を黒
鉛化炉で焼結温度以上に加熱して黒鉛化させてもよい。
【0032】マトリックス炭素として液状あるいは加熱
により液化する原料を使用する場合は、セラミックスは
マトリックス炭素原料に混合するのが良い。炭素繊維は
従来の方法と同様にマトリックス炭素原料に混合して
も、あるいは炭素繊維でできた予備成形体にマトリック
ス炭素原料を付着させる方法でも良い。複合体を得るに
は得られた成形体を加熱しマトリックス炭素原料の炭化
を進め、全体を一体化する。炭化の条件は、特に限定さ
れないが、通常非酸化性雰囲気中0.1〜300℃/時
間程度の速度で常温から1500℃程度の温度まで昇温
し、0.5〜10時間程度保持して行えばよい。なお、
焼結時においてもより高温で焼結すると複合体の一部は
炭化の後、黒鉛化する。
【0033】また、黒鉛化の条件も、特に限定されず、
非酸化性雰囲気中で焼結時の温度から0.1〜500℃
/時間程度の速度で1500〜3000℃程度の温度ま
で昇温し、0.5〜10時間程度保持すればよい。黒鉛
化を行った場合には、黒鉛結晶が十分に成長するととも
に秩序正しく配向し、これにより製品の密度、強度およ
び耐摩耗性などがさらに向上する。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を示し、
本発明をさらに具体的に説明する。 (実施例1−1)炭素繊維として、フィラメント600
0本よりなるPAN系等方性炭素繊維を使用した。マト
リックス炭素原料としてフェノール樹脂粉末を、セラミ
ックスとして粒径1.0μmのアルミナ粉末(α2
7.2×10-6/℃)を使用した。まず、フェノール樹
脂粉末:水:アルミナ粉末を重量比で50:40:10
の配合比で配合混合し均一なスラリーを調製した。この
スラリーに前記炭素繊維束を浸漬し、各フィラメントの
表面にスラリーを付着させた。これを120℃で乾燥
し、乾燥後長さ30mmに切断した。このようにして得
られたプリプレグを直径100mmの金型内に入れ、1
60℃、120kg/cm2 で圧縮成形した後、窒素ガ
ス雰囲気中で1000℃まで徐々に加熱し、炭化焼結し
て初期の炭素複合材料を得た。
【0035】続いて、同じアルミナ粉末と軟化点80℃
の石炭系ピッチとの重量比で20:80の混合物を12
0℃で溶融した混合融液に、前記初期の炭素複合材料を
浸漬し、炭素複合材料の気孔中にこの混合融液を含浸さ
せた。得られた含浸材料を再度1000℃まで徐々に加
熱した。この含浸、加熱の操作を3度繰り返して、見掛
け密度1.56g/cm3 の中期の炭素複合材料を得
た。
【0036】この複合材をさらに1700℃で30分間
焼成し、見掛け密度1.70g/cm3 の最終的に本実
施例の炭素複合材料を得た。この炭素複合材料中のアル
ミナの割合は5.6%であり、この20〜1000℃の
平均熱膨張係数αは7.0×10-6/℃であった。な
お、本実施例のアルミナを含まない炭素繊維とフェノー
ル樹脂炭化物からなる基材の20〜1000℃の平均熱
膨張係数α1 は6.5×10-6/℃であった。従ってこ
の実施例の炭素複合材料の基材とセラミックスとの熱膨
張係数の差は−0.7×10-6/℃である。 (実施例1−2)実施例1−1のアルミナ粉末に代えて
粒径1.4μmの硼化チタン粉末(α2:8.2×10
-6/℃)を使用した以外は、実施例1−1とまったく同
じにして、硼化チタンを含有する本実施例の炭素複合材
料を得た。
【0037】この炭素複合材料の見掛け密度は1.72
g/cm3 、硼化チタンの割合は5.8%であり、この
20〜1000℃の平均熱膨張係数αは6.8×10-6
/℃であった。また、本実施例の炭素複合材料の基材と
セラミックスとの熱膨張係数の差は−1.7×10-6
℃であった。 (実施例1−3)実施例1−1のアルミナ粉末に代えて
粒径1.4μmの窒化アルミ粉末(α2:4.5×10
-6/℃)を使用した以外は、実施例1−1とまったく同
じにして、窒化アルミを含有する本実施例の炭素複合材
料を得た。
【0038】この炭素複合材料の見掛け密度は1.75
g/cm3 、窒化アルミの割合は5.7%であり、この
20〜1000℃の平均熱膨張係数αは6.7×10-6
/℃であった。また、本実施例の炭素複合材料の基材と
セラミックスとの熱膨張係数の差は+2.0×10-6
℃であった。 (実施例2−1)炭素繊維と
して、長さ20mmのピッチ系炭素繊維(光学的等方性
繊維、ドナック製 ドナカーボS210)を用い、これ
を粉砕してミルド粉(繊維長さ0.5mm)としたもの
を使用した。マトリックス炭素原料として平均粒径7μ
mのコールタール系メソカーボンマイクロビーズ(大阪
ガス製)を使用した。さらにセラミックスとして粒径
1.4μmの硼化チタン(TiB2 )粉末(α2 :8.
2×10-6/℃)を使用した。そして、炭素繊維;メソ
カーボンマイクロビーズ;硼化チタン粉を重量割合で2
5;75;5として配合した。得られた配合物をライカ
イ機で混合し、さらに室温で万能プレスで1ton/c
2 の成形圧力で成形した。その後、この成形体を常圧
で非酸化性雰囲気中、150℃/時間の加熱速度で10
00℃まで昇温し、同温度で1時間保持しさらに非酸化
性雰囲気中、500℃/時間の速度で1900℃まで加
熱して焼結した。これにより本実施例の炭素複合材料を
得た。
【0039】この炭素複合材料の見掛け密度は1.87
g/cm3 、硼化チタンの割合は5.8%であり、この
20〜1000℃の平均熱膨張係数αは7.5×10-6
/℃であった。なお、本実施例の硼化チタンを含まない
炭素繊維とメソカーボンマイクロビーズとからなる基材
の20〜1000℃の平均熱膨張係数α1 は7.3×1
-6/℃であった。従ってこの実施例の炭素複合材料の
基材とセラミックスとの熱膨張係数の差は−0.9×1
-6/℃である。 (実施例2−2)実施例2−1の硼化チタン粉末に代え
て粒径3.1μmの窒化タンタル(TaN)(α2
3.8×10-6/℃)粉末を使用した以外は、実施例2
−1とまったく同じにして、窒化タンタルを含有する本
実施例の炭素複合材料を得た。
【0040】得られた炭素複合材料の窒化タンタルの割
合および見掛け密度はそれぞれ5.7%と1.90g/
cm3 であった。また、この炭素複合材料の20〜10
00℃の平均熱膨張係数αは7.2×10-6/℃であっ
た。また、本実施例の炭素複合材料の基材とセラミック
スとの熱膨張係数の差は3.5×10-6/℃であった。 (比較例2−1)実施例2−1の硼化チタン粉末に代え
て粒径1.0μmのジルコニア(ZrO 2 )(α2 :1
0.4×10-6/℃)を使用した以外は、実施例2−1
とまったく同じにして、ジルコニアを含有する本実施例
の炭素複合材料を得た。
【0041】この炭素複合材料の見掛け密度は1.83
g/cm3 、ジルコニアの割合は6.2%であり、この
20〜1000℃の平均熱膨張係数αは7.6×10-6
/℃であった。また、本実施例の炭素複合材料の基材と
セラミックスとの熱膨張係数の差は−3.1×10-6
℃であった。 (実施例3−1)炭素繊維として、フィラメント300
0本よりなるピッチ系炭素繊維を使用した。マトリック
ス炭素原料として軟化点280℃のピッチ粉砕品とコー
クスの粉砕品の等体積混合物を使用した。そしてセラミ
ックスとして、粒径2.0μmの硼化ジルコニウム(Z
rB2 )粉末(α2 :8.3×10-6/℃)を使用し
た。
【0042】まずピッチ粉砕品、コークス粉砕品および
ジルコニウム粉末をそれぞれ重量換算で1:1:0.5
の割合で配合し、充分に混合して混合粉を得た。次に、
前記炭素繊維の各フィラメントの表面にこの混合粉を粒
子付着装置で付着させた。混合粉が付着した繊維の表面
を膜厚10μmのポリエチレンで被覆し、ボビンに巻き
取って中間体を作った。この中間体を成形型内に入れて
一方向に配列し板状の集積体とし、成形圧力500kg
/cm2 、600℃で30分間ホットプレスして焼結
し、さらに1700℃まで加熱して黒鉛化して本実施例
の炭素繊維強化炭素複合材量を得た。
【0043】この炭素複合材料のジルコニウムの見掛け
密度は1.95g/cm3 、硼化ジルコニウムの割合は
5.9%であり、この20〜1000℃の平均熱膨張係
数αは5.6×10-6/℃であった。なお、本実施例の
硼化ジルコニウムを含まない炭素繊維とマトリックス炭
素原料のみを同じ方法で製造した炭素繊維強化炭素より
なる基材の20〜1000℃の平均熱膨張係数α1
5.6×10-6/℃であった。従って本実施例の炭素複
合材料の基材とセラミックスとの熱膨張係数の差は+
0.3×10-6/℃である。 (実施例3−2)実施例3−1の硼化ジルコニウム粉末
に代えて粒径3.1μmの窒化タンタル(TaN)粉末
(α2 :3.8×10-6/℃)を使用した以外は、実施
例3−1とまったく同じにして、窒化タンタルを含有す
る本実施例の炭素複合材料を得た。
【0044】得られた炭素複合材料の窒化タンタルの割
合および見掛け密度はそれぞれ5.8%と1.98g/
cm3 であった。また、この炭素複合材料の20〜10
00℃の平均熱膨張係数αは5.4×10-6/℃であっ
た。また、本実施例の炭素複合材料の基材とセラミック
スとの熱膨張係数の差は+1.8×10-6/℃であっ
た。 (比較例3−1)実施例3−1の硼化ジルコニウム粉末
に代えて粒径0.4μmのルチル(TiO2 )粉末(α
2 :8.3×10-6/℃)を使用した以外は、実施例3
−1とまったく同じにして、ルチルを含有する本実施例
の炭素複合材料を得た。
【0045】この炭素複合材料の割合および見掛け密度
はそれぞれ5.8%と1.76g/cm3 であった。ま
たこの炭素複合材料の20〜1000℃の平均熱膨張係
数αは5.3×10-6/℃であった。また、この実施例
の炭素複合材料の基材とセラミックスとの熱膨張係数の
差は−2.7×10-6/℃であった。 (実施例4−1)炭素繊維としてフィラメント1000
本のPAN系炭素繊維を平織りにしたクロスを使用し
た。マトリックス炭素原料として、実施例2−1で使用
した自己焼結性炭素粉を用いた。セラミックスとして粒
径1.4μmの窒化アルミニウム(AlN)粉末
(α2 :4.5×10-6/℃)を使用した。
【0046】まず炭素粉およびセラミックスを重量換算
で4:1の割合で配合し、充分に混合して混合粉を得
た。次に、前記炭素繊維のクロスの表面にこの混合粉を
練り込んで付着させプレプリグを得、中間体を作った。
この中間体を成形型内に入れ、成形圧力200kg/c
2 、200℃で10分間ホットプレスして焼結し、さ
らに加圧を500kg/cm2 にして1700℃まで加
熱して30分間保持し、黒鉛化して本実施例の炭素繊維
強化炭素複合材量を得た。
【0047】この炭素複合材料の見掛け密度は1.82
g/cm3 、窒化アルミニウムの割合は6.1%であ
り、この20〜1000℃の平均熱膨張係数αは4.1
×10 -6/℃であった。なお、本実施例の窒化アルミニ
ウムを含まない炭素繊維とマトリックス炭素原料のみを
同じ方法で製造した炭素繊維強化炭素よりなる基材の2
0〜1000℃の平均熱膨張係数α1 は4.0×10-6
/℃であった。従って、本実施例の炭素複合材料の基材
とセラミックスとの熱膨張係数の差は−0.5×10-6
/℃である。 (実施例4−2)実施例4−1の窒化アルミニウム粉末
に代えて粒径3.1μmの窒化タンタル(TaN)粉末
(α2 :3.8×10-6/℃)を使用した以外は、実施
例4−1とまったく同じにして、窒化タンタルを含有す
る本実施例の炭素複合材料を得た。
【0048】得られた炭素複合材料の窒化タンタルの割
合および見掛け密度はそれぞれ5.3%と1.89g/
cm3 であった。また、この炭素複合材料の20〜10
00℃の平均熱膨張係数は4.9×10-6/℃であっ
た。また、本実施例の炭素複合材料の基材とセラミック
スとの熱膨張係数の差は+0.2×10-6/℃であっ
た。 (比較例4−1)実施例4−1の窒化アルミニウム粉末
に代えて粒径1.0μmのアルミナ(α 2 :7.2×1
-6/℃)を使用した以外は、実施例4−1とまったく
同じにして、アルミナを含有する本実施例の炭素複合材
料を得た。
【0049】この炭素複合材料のアルミナの割合および
見掛け密度はそれぞれ5.9%と1.73g/cm3
あった。この炭素繊維強化炭素複合材の20〜1000
℃の平均熱膨張係数αは3.8×10-6/℃であった。
この実施例の炭素複合材料の基材とセラミックスとの熱
膨張係数の差は−3.2×10-6/℃であった。 (評価1)前記実施例および比較例の12種類の炭素繊
維強化炭素複合材量につてい、無潤滑下における摩擦係
数を測定した。この測定は、機械試験所式摩擦摩耗試験
機により、回転数160rpm(すべり速度;2cm/
秒)で、荷重50kgfから荷重を2分毎に10kgf
ずつ上昇させ、50kgfまでの摩擦係数μを測定し
た。なお、相手材としては高炭素クロム軸受鋼材(JI
S SUJ2、以下、SUJ2と称する。)を使用し
た。その結果を図4に示す。
【0050】図4より明らかなように、本発明の実施例
1−1、比較例2−1、比較例3−1および比較例4−
1の酸化物セラミックスを配合した4種類の炭素繊維強
化炭素複合材量は、いずれも0.28ないし0.45程
度の摩擦係数の範囲にあり、いずれも高い摩擦係数を持
つ。一方、本発明の実施例1−3、実施例2−2、実施
例3−2、実施例4−1および実施例4−2の窒化物セ
ラミックスを配合した5種類の炭素繊維強化炭素複合材
量は、いずれも0.19ないし0.43程度の摩擦係数
の範囲にあり、比較的中程度の摩擦係数を持つ。
【0051】また、本発明の実施例1−2、実施例2−
1および実施例3−1の硼化物セラミックスを配合した
3種類の炭素繊維強化炭素複合材量は、いずれも0.0
5ないし0.13程度の摩擦係数の範囲にあり、いずれ
も低い摩擦係数を持つ。これらの結果より、配合するセ
ラミックスの種類を選択することにより、得られる炭素
複合材料の摩擦係数を変えることができることが明らか
になった。 (評価2)前記12種類の本発明の実施例および比較例
の炭素繊維強化炭素複合材につてい、湿式下(油潤滑)
における摩耗量を測定した。この測定は、LFW摩擦摩
耗試験機により、荷重15kgf、回転数160rpm
で15分間の試験を実施した。相手材としてはSUJ2
製のリングを使用し、テストピースとしては10.0m
m×15.7mmの平板を使用した。その結果の摩耗量
(μm)を表1に示す。また、各炭素複合材料の基材と
セラミックスとの20〜1000℃の平均熱膨張係数の
差(α1 −α2 )と摩耗量との相対関係を示す図を図5
に示す。
【0052】図5より、基材とセラミックスとの平均熱
膨張係数の差(α1 −α2 )が−2よりさらに小さくな
ると摩耗量が急激に増大しているのがわかる。今回の実
施例および比較例では示さなかったが、基材とセラミッ
クスとの平均熱膨張係数の差(α1 −α2 )が3.5を
越えて大きくなる場合も摩耗量は急激に増大する。な
お、セラミックスを含まない基材のみからなる炭素繊維
強化炭素材料の平均的な摩耗量は20〜25μmであ
る。従って本発明の炭素複合材料派、セラミックスを含
まない炭素繊維強化炭素材料より優れた耐摩耗性を持つ
ことが判る。
【0053】
【表1】
【効果】本発明のセラミックスを配合した炭素複合材料
は、その基材の熱膨張係数α1と配合されるセラミック
スの熱膨張係数α2 の差を−2×10-6/℃≦α1 −α
2 ≦3.5×10-6/℃の関係にあるように作られてい
る。このため、本発明の炭素複合材料は、耐摩耗性が高
く、セラミックスを配合していない炭素繊維強化炭素材
料よりも優れた耐摩耗性をもっている。
【0054】また、基材とセラミックスの熱膨張係数を
前記範囲の関係内に維持した状態でセラミックスを選択
することにより、本発明の炭素複合材料の優れた耐摩耗
性をもった状態で摩擦係数を任意に設定できる。このた
め本発明の炭素複合材料は、耐久性がありかつ所定の摩
擦特性を持つ、優れた航空機およびレ−ス車両などのブ
レ−キシュ−、ブレ−キライニングおよびブレ−キパッ
ド、ブッシユ、ワッシヤ、ロ−タ、スリ−ブ、軸受けな
どに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭素複合材料の密度と平均熱膨張係数の関係を
示す線図である。
【図2】炭素複合材料を構成する基材とセラミックスと
の平均熱膨張係数の差と比摩耗量との関係を示す図であ
る。
【図3】炭素複合材料の一製造方法を示すブロック図で
ある。
【図4】実施例および比較例で得られた炭素複合材料の
乾式摩耗下の摩擦係数とセラミックスとの関係を示す図
である。
【図5】実施例および比較例で得られた炭素複合材料の
基材とセラミックスとの平均熱膨張係数の差と摩耗量と
の関係を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本発明の炭素複合材料を構成する基材は、
マトリックス炭素のみでも構成できる。しかし、炭素繊
維とマトリツクス炭素とから構成されるのが好ましい。
炭素繊維としては、PAN(ポリアクリロニトリル)、
石炭または石油系ピッチを原料として紡糸し、炭化した
炭素繊維が使用できる。好ましい炭素繊維として、ピッ
チ系の光学的等方性の炭素繊維がある。この光学的等方
性炭素繊維は繊維方向による熱膨張係数の異方性がなく
20〜1000℃の範囲の平均熱膨張係数は2〜4×1
-6/℃である。また、PAN系およびピッチ系で、高
強度、高剛性の光学的異方性をもつ炭素繊維が知られて
いる。この炭素繊維は、繊維方向の熱膨張係数が室温か
ら400℃程度まで負の係数をもち、400〜1000
℃の熱膨張係数は0〜2×10-6/℃であり、かつ繊維
の長手方向とそれに直行する方向の熱膨張係数が異な
る。この繊維も用途によっては充分に活用できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】好ましい窒化物セラミックスとして、窒化
アルミ(AlN、α2 ;4.4〜5.0×10-6
℃)、窒化ジルコン(ZrN、α2 ;6.5〜7.5×
10-6/℃)、窒化チタン(TiN、α2 ;8.5〜
9.5×10-6/℃)、窒化タンタル(TaN、α2
3.8×10-6/℃)が推奨される。これら以外に用途
によってはCr2 N、BN等を使用できる。窒化物セラ
ミックスを配合することにより、乾式下の摩擦係数が
0.19〜0.34の範囲にある炭素複合材料が得られ
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】本発明の炭素複合材料の基材20〜100
0℃の平均熱膨張係数α1 とセラミックスの20〜10
00℃の平均熱膨張係数α2 とは次の関係にある。−2
×10-6/℃≦α1 −α2 ≦3.5×10-6/℃(α1
−α2 )が−2×10-6 より小さい、すなわち基材の平
均熱膨張係数α1が、セラミックスの平均熱膨張係数α
2 より2×10-6/℃小さいと、基材とセラミックスと
の境界部分に無視できない隙間が生じ、耐摩耗性が低く
なる。また、同じことは、(α1 −α2 )が+3.5×
10-6 より大きい、すなわち基材の平均熱膨張係数α1
が、セラミックスの平均熱膨張係数α2 より3.5×1
-6/℃大きいと、基材とセラミックスとの境界部分に
無視できない歪みが生じ、耐摩耗性が低くなる。なお、
(α1 −α2 )がプラス側とマイナス側で異なるのは、
炭素複合材料の基材とセラミックスの境界部分の関係が
焼成温度で定まり、焼成温度から室温まで温度が低下す
ると、その温度変化による熱収縮で基材とセラミックス
との境界部分の関係が変化することによると考えてい
る。(α1 −α2)がマイナス、すなわちセラミックス
の熱膨張係数が大きいと、室温まで温度が低下するとセ
ラミックスが大きく収縮し、基材とセラミックスとの境
界部分に隙間が生じる。逆に、(α1 −α2 )がプラ
ス、すなわちセラミックスの熱膨張係数が小さいと、室
温まで温度が低下すると基材が大きく収縮し、基材は焼
き嵌めと同じ原理でセラミックスを強く閉じ込め隙間が
発生しない。なお、(α1 −α 2 )があまりにも大きい
と、基材が熱膨張の差に基ずく歪みを吸収できず、基材
か破壊され、耐摩耗性が大きく低下する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】また、炭素繊維の含有量は0から40%の
範囲とするのが好ましい。40%を越えると材料強度が
著しく低下する。本発明の炭素複合材料はその見掛け密
度が1.65g/cm3 以上であるのが好ましい。見掛
け密度が高くなる程、材料強度、耐摩耗性等の機械的特
性が向上する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】この炭素複合材料のアルミナの割合および
見掛け密度はそれぞれ5.9%と1.73g/cm3
あった。この炭素繊維強化炭素複合材の20〜1000
℃の平均熱膨張係数αは3.8×10-6/℃であった。
この実施例の炭素複合材料の基材とセラミックスとの熱
膨張係数の差は−3.2×10-6/℃であった。(評価
1)前記実施例および比較例の12種類の炭素繊維強化
炭素複合材量につてい、無潤滑下における摩擦係数を測
定した。この測定は、機械試験所式摩擦摩耗試験機によ
り、回転数160rpm(すべり速度;20cm/秒
で、荷重50kgfから荷重を2分毎に10kgfずつ
上昇させ、200kgfまでの摩擦係数μを測定した。
なお、相手材としては高炭素クロム軸受鋼材(JIS
SUJ2、以下、SUJ2と称する。)を使用した。そ
の結果を図4に示す。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】図4より明らかなように、本発明の実施例
1−1、比較例2−1、比較例3−1および比較例4−
1の酸化物セラミックスを配合した4種類の炭素繊維強
化炭素複合材量は、いずれも0.28ないし0.45程
度の摩擦係数の範囲にあり、いずれも高い摩擦係数を持
つ。一方、本発明の実施例1−3、実施例2−2、実施
例3−2、実施例4−1および実施例4−2の窒化物セ
ラミックスを配合した5種類の炭素繊維強化炭素複合材
量は、いずれも0.19ないし0.34程度の摩擦係数
の範囲にあり、比較的中程度の摩擦係数を持つ。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】図5より、基材とセラミックスとの平均熱
膨張係数の差(α1 −α2 )が−2×10-6 よりさらに
小さくなると摩耗量が急激に増大しているのがわかる。
今回の実施例および比較例では示さなかったが、基材と
セラミックスとの平均熱膨張係数の差(α1 −α2 )が
3.5×10-6 を越えて大きくなる場合も摩耗量は急激
に増大する。なお、セラミックスを含まない基材のみか
らなる炭素繊維強化炭素材料の平均的な摩耗量は20〜
25μmである。従って本発明の炭素複合材料、セラ
ミックスを含まない炭素繊維強化炭素材料より優れた耐
摩耗性を持つことが判る。
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【図5】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月6日
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
フロントページの続き (72)発明者 中川 喜照 大阪市中央区平野町4丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 東 隆行 大阪市中央区平野町4丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス炭素で構成された基材と、
    該基材中に埋設されたセラミツクス粉末および/または
    繊維とで構成され、該基材の20〜1000℃の平均熱
    膨張係数α1 と該セラミックスの20〜1000℃の平
    均熱膨張係数α2 との差が以下の条件 −2×10-6/℃≦α1 −α2 ≦3.5×10-6/℃ を満たす関係にあることを特徴とする炭素複合材料。
  2. 【請求項2】 全体を100重量%としたときセラミッ
    クスの含有量が3〜20重量%であり、炭素繊維の含有
    量が40重量%以下である請求項1記載の炭素複合材
    料。
  3. 【請求項3】 見掛け密度が1.7g/cm3 以上であ
    る請求項1記載の炭素複合材料。
  4. 【請求項4】 セラミックスは酸化物であり、乾式下の
    摩擦係数が0.28〜0.45の範囲にある請求項1記
    載の炭素複合材料。
  5. 【請求項5】 セラミックスは窒化物であり、乾式下の
    摩擦係数が0.19〜0.43の範囲にある請求項1記
    載の炭素複合材料。
  6. 【請求項6】 セラミックスは硼化物であり、乾式下の
    摩擦係数が0.05〜0.13の範囲にある請求項1記
    載の炭素複合材料。
JP3073296A 1991-04-05 1991-04-05 炭素複合材料 Pending JPH05306166A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3073296A JPH05306166A (ja) 1991-04-05 1991-04-05 炭素複合材料
EP92302860A EP0507564A2 (en) 1991-04-05 1992-04-01 Carbon composite material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3073296A JPH05306166A (ja) 1991-04-05 1991-04-05 炭素複合材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05306166A true JPH05306166A (ja) 1993-11-19

Family

ID=13514061

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3073296A Pending JPH05306166A (ja) 1991-04-05 1991-04-05 炭素複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05306166A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04310568A (ja) * 1991-04-05 1992-11-02 Toyota Motor Corp 高摩擦係数を持つ炭素繊維強化炭素複合材料
JP2006306714A (ja) * 2005-03-30 2006-11-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 炭素/セラミックス複合材とその製造方法
JP2012254916A (ja) * 2011-05-18 2012-12-27 Covalent Materials Corp 炭素繊維強化炭素複合円筒部材及び炭素繊維強化炭素複合円筒部材の製造方法、並びに炭素繊維強化炭素複合材ルツボ及びこのルツボの製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61215256A (ja) * 1985-03-19 1986-09-25 株式会社小松製作所 高温用摺動部材
JPS62252370A (ja) * 1986-03-27 1987-11-04 アライド コ−ポレ−シヨン 改良された静摩擦を有するカ−ボン材料を含むカ−ボンブレ−キ部材の製造法
JPS6313926A (ja) * 1986-07-03 1988-01-21 Showa Denko Kk 炭素質摩擦材
JPS63123862A (ja) * 1986-11-10 1988-05-27 花王株式会社 ガラス状カ−ボン複合材料およびその製造方法
JPH01145371A (ja) * 1987-11-30 1989-06-07 Agency Of Ind Science & Technol 耐摩耗性に優れたc−b↓4c系摺動部材
JPH0238365A (ja) * 1988-07-27 1990-02-07 Agency Of Ind Science & Technol 耐高温高強度黒鉛系複合摺動部材
JPH04310568A (ja) * 1991-04-05 1992-11-02 Toyota Motor Corp 高摩擦係数を持つ炭素繊維強化炭素複合材料

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61215256A (ja) * 1985-03-19 1986-09-25 株式会社小松製作所 高温用摺動部材
JPS62252370A (ja) * 1986-03-27 1987-11-04 アライド コ−ポレ−シヨン 改良された静摩擦を有するカ−ボン材料を含むカ−ボンブレ−キ部材の製造法
JPS6313926A (ja) * 1986-07-03 1988-01-21 Showa Denko Kk 炭素質摩擦材
JPS63123862A (ja) * 1986-11-10 1988-05-27 花王株式会社 ガラス状カ−ボン複合材料およびその製造方法
JPH01145371A (ja) * 1987-11-30 1989-06-07 Agency Of Ind Science & Technol 耐摩耗性に優れたc−b↓4c系摺動部材
JPH0238365A (ja) * 1988-07-27 1990-02-07 Agency Of Ind Science & Technol 耐高温高強度黒鉛系複合摺動部材
JPH04310568A (ja) * 1991-04-05 1992-11-02 Toyota Motor Corp 高摩擦係数を持つ炭素繊維強化炭素複合材料

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04310568A (ja) * 1991-04-05 1992-11-02 Toyota Motor Corp 高摩擦係数を持つ炭素繊維強化炭素複合材料
JP2006306714A (ja) * 2005-03-30 2006-11-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 炭素/セラミックス複合材とその製造方法
JP2012254916A (ja) * 2011-05-18 2012-12-27 Covalent Materials Corp 炭素繊維強化炭素複合円筒部材及び炭素繊維強化炭素複合円筒部材の製造方法、並びに炭素繊維強化炭素複合材ルツボ及びこのルツボの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6703117B2 (en) Friction body or sliding body formed from composite materials reinforced with fiber bundles and containing a ceramics matrix and process for the production of a friction or sliding body
US6261981B1 (en) Fibre-reinforced composite ceramics and method of producing the same
EP1416185B1 (de) Faserverstärkte keramische Bremsbeläge
EP0507564A2 (en) Carbon composite material
EP0404571B1 (en) Sliding member
JP2006511417A (ja) 複合セラミック体およびその製造方法
US6447893B2 (en) Fibrous composite material and process for producing the same
EP1481954A1 (en) Oxidation resistant carbon fiber reinforced carbon composite material and process for producing the same
US5202293A (en) Carbon fiber reinforced carbon
US5169718A (en) Sliding member
JPH05306166A (ja) 炭素複合材料
JPH07115958B2 (ja) 高摩擦係数を持つ炭素繊維強化炭素複合材料
EP0379328B1 (en) Carbon fiber reinforced carbon
JPH04310567A (ja) 低摩擦係数を持つ炭素繊維強化炭素複合材料
JPH0478374A (ja) 変速機のシフトフォーク
US11795114B1 (en) Process far revolutionary, very thick and very high thermal conductivity carbon-carbon composites
JPH0476226A (ja) ターボチャージャー用フロート軸受
JPH068217B2 (ja) 炭素繊維強化炭素焼結体
JPH0476298A (ja) ベーンポンプ
JPH0476085A (ja) 差動制限装置
JPH0476256A (ja) 内燃機関用ピストン
JPH068213B2 (ja) 摺動部材
JPH0476258A (ja) 内燃機関用ピストンリング
JPH0475819A (ja) 放電加工用複合電極
JPH0476251A (ja) シリンダブロック