JP2013245144A - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】転位を減少することを可能とする炭化珪素単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素単結晶の製造方法は、第1種結晶及び原材料を加熱することによって、原材料を昇華して、昇華された原材料を第1種結晶において再結晶するステップBと、ステップBで生成された塊体をスライスして、炭化珪素単結晶によって構成される第2種結晶を生成するステップCと、第2種結晶及び原材料を加熱することによって、原材料を昇華して、昇華された原材料を第2種結晶において再結晶するステップEとを備える。ステップBにおいて、z軸方向の成長応力は、0.5MPa以下であり、θ軸及びr軸方向の成長応力は、25MPa以下である。
【選択図】図6
【解決手段】炭化珪素単結晶の製造方法は、第1種結晶及び原材料を加熱することによって、原材料を昇華して、昇華された原材料を第1種結晶において再結晶するステップBと、ステップBで生成された塊体をスライスして、炭化珪素単結晶によって構成される第2種結晶を生成するステップCと、第2種結晶及び原材料を加熱することによって、原材料を昇華して、昇華された原材料を第2種結晶において再結晶するステップEとを備える。ステップBにおいて、z軸方向の成長応力は、0.5MPa以下であり、θ軸及びr軸方向の成長応力は、25MPa以下である。
【選択図】図6
Description
本発明は、坩堝内において、炭化珪素単結晶の原材料の昇華及び再結晶を利用して、炭化珪素単結晶を製造する炭化珪素単結晶の製造方法に関する。
従来、炭化珪素単結晶を製造する方法として、坩堝内において、炭化珪素単結晶の原材料の昇華及び再結晶を利用して、炭化珪素単結晶を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
具体的には、第1に、坩堝内の下面側に、炭化珪素単結晶の原材料を配置し、坩堝内の上面側に、種結晶を配置する。第2に、坩堝内に配置される原材料及び種結晶を加熱する。これによって、昇華された原材料が種結晶において再結晶し、炭化珪素単結晶を製造することができる。
ところで、様々な種類の転位が低減された炭化珪素単結晶が提案されている(例えば、特許文献2−4)。
しかしながら、炭化珪素単結晶の製造工程において、転位が発生する要因が複雑であり、詳細には明らかになっていない。発明者らは、鋭意検討の結果、炭化珪素単結晶を構成する各面で生じる種結晶の成長応力が転位と相関を有することを見出した。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するあめになされたものであり、転位を減少することを可能とする炭化珪素単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
第1の特徴に係る炭化珪素単結晶の製造方法は、炭化珪素単結晶によって構成される第1種結晶及び炭化珪素単結晶の原材料を坩堝内に配置するステップAと、前記第1種結晶及び前記原材料を加熱することによって、前記原材料を昇華して、昇華された原材料を前記第1種結晶において再結晶するステップBと、前記ステップBで生成された塊体をスライスして、炭化珪素単結晶によって構成される第2種結晶を生成するステップCと、前記第2種結晶及び炭化珪素単結晶の原材料を坩堝内に配置するステップDと、前記第2種結晶及び前記原材料を加熱することによって、前記原材料を昇華して、昇華された原材料を前記第2種結晶において再結晶するステップEとを備える。前記炭化珪素単結晶は、C軸に沿ったz軸、前記C軸を中心とする円の接線方向に沿ったθ軸、r軸は、前記C軸を中心とする円の径方向に沿ったr軸によって定義される。前記ステップBにおいて、前記z軸方向の成長応力は、0.5MPa以下であり、前記θ軸及び前記r軸方向の成長応力は、25MPa以下である。
第1の特徴において、前記第1種結晶のマイクロパイプ転位密度が、10/cm2以下であり、前記第1種結晶のらせん転位密度が、2.0×103/cm2以下であり、前記第1種結晶の基底面内転位密度は、2.0×104/cm2以下であり、前記第1種結晶の刃状転位密度が、2.0×104/cm2以下である。
第1の特徴において、前記ステップEにおいて、前記z軸方向の成長応力は、1.5MPa以下である。
第1の特徴において、前記ステップEにおいて、前記θ軸及び前記r軸方向の成長応力は、9MPa以下である。
本発明によれば、転位を減少することを可能とする炭化珪素単結晶の製造方法を提供することができる。
以下において、本発明の実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[実施形態の概要]
実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法は、炭化珪素単結晶によって構成される第1種結晶及び炭化珪素単結晶の原材料を坩堝内に配置するステップAと、前記第1種結晶及び前記原材料を加熱することによって、前記原材料を昇華して、昇華された原材料を前記第1種結晶において再結晶するステップBと、前記ステップBで生成された塊体をスライスして、炭化珪素単結晶によって構成される第2種結晶を生成するステップCと、前記第2種結晶及び炭化珪素単結晶の原材料を坩堝内に配置するステップDと、前記第2種結晶及び前記原材料を加熱することによって、前記原材料を昇華して、昇華された原材料を前記第2種結晶において再結晶するステップEとを備える。前記炭化珪素単結晶は、C軸に沿ったz軸、前記C軸を中心とする円の接線方向に沿ったθ軸、r軸は、前記C軸を中心とする円の径方向に沿ったr軸によって定義される。前記ステップBにおいて、前記z軸方向の成長応力は、0.5MPa以下であり、前記θ軸及び前記r軸方向の成長応力は、25MPa以下である。
実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法は、炭化珪素単結晶によって構成される第1種結晶及び炭化珪素単結晶の原材料を坩堝内に配置するステップAと、前記第1種結晶及び前記原材料を加熱することによって、前記原材料を昇華して、昇華された原材料を前記第1種結晶において再結晶するステップBと、前記ステップBで生成された塊体をスライスして、炭化珪素単結晶によって構成される第2種結晶を生成するステップCと、前記第2種結晶及び炭化珪素単結晶の原材料を坩堝内に配置するステップDと、前記第2種結晶及び前記原材料を加熱することによって、前記原材料を昇華して、昇華された原材料を前記第2種結晶において再結晶するステップEとを備える。前記炭化珪素単結晶は、C軸に沿ったz軸、前記C軸を中心とする円の接線方向に沿ったθ軸、r軸は、前記C軸を中心とする円の径方向に沿ったr軸によって定義される。前記ステップBにおいて、前記z軸方向の成長応力は、0.5MPa以下であり、前記θ軸及び前記r軸方向の成長応力は、25MPa以下である。
ここで、炭化珪素単結晶を構成する1つの分子は、六角柱状の形状を有する。炭化珪素単結晶の面方位は、3つの軸(z軸、θ軸、r軸)によって表される。z軸は、C軸に沿った軸である。θ軸は、C軸を中心とする円の接線方向に沿った軸である。r軸は、C軸を中心とする円の径方向に沿った軸である。また、炭化珪素単結晶の面は、3つの面(z面、θ面、r面)によって表される。z面(z−plane)は、z軸を法線とする面である。θ面(θ−plane)は、θ軸を法線とする面である。r面(r−plane)は、r軸を法線とする面である。
このようなケースにおいて、z面(z−plane)で生じる応力は、z軸方向の応力σzz、θ軸方向の応力σzθ、r軸方向の応力σzrで表される。θ面(θ−plane)で生じる応力は、z軸方向の応力σθz、θ軸方向の応力σθθ、r軸方向の応力σθrで表される。r面(r−plane)で生じる応力は、z軸方向の応力σrz、θ軸方向の応力σrθ、r軸方向の応力σrrで表される。
実施形態において、“θ軸及びr軸方向の成長応力”は、θ軸及びr軸方向の応力(σzθ、σzr、σθθ、σθr、σrθ、σrr)であり、このような応力(σzθ、σzr、σθθ、σθr、σrθ、σrr)は、基底面内応力と称することもある。また、“z軸方向の成長応力”は、z軸方向の応力(σzz、σθz、σrz)である。
実施形態では、種結晶の成長応力(σzz、σzθ、σzr、σθz、σθθ、σθr、σrz、σrθ、σrr)が転位と相関を有するという知見から、ステップBにおいて、z軸方向の成長応力を0.5MPa以下に抑制することによって、炭化珪素単結晶の転位を減少することができる。
詳細には、ステップBにおいて、マイクロパイプ転位密度及びらせん転位密度が低減された状態の種結晶を生成することによって、ステップEにおいて、マイクロパイプ転位密度及びらせん転位密度が低減された状態の炭化珪素単結晶を製造することができる。
[第1実施形態]
(製造装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る製造装置について説明する。図1は、第1実施形態に係る製造装置100を示す図である。
(製造装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る製造装置について説明する。図1は、第1実施形態に係る製造装置100を示す図である。
図1に示すように、製造装置100は、石英管10と、坩堝20と、支持棒30と、加熱部40とを有する。
石英管10は、石英によって構成されており、製造装置100の外形を形成する。例えば、石英管10は、円筒形状を有しており、石英管10内の気密性が高い状態で坩堝20を収容する。
坩堝20は、坩堝本体21と、坩堝蓋体22とを有する。
坩堝本体21は、底部及び側壁を有しており、底部及び側壁は、一体として形成されている。坩堝本体21の底部は、原料配置面21Aを有しており、原料配置面21Aには、炭化珪素単結晶の原材料210が配置される。例えば、坩堝本体21の側壁は、円筒形状を有しており、坩堝本体21の側壁は、円形状を有する。
坩堝蓋体22は、坩堝本体21の開口を塞ぐように構成される。坩堝蓋体22は、種結晶配置面22Aを有しており、種結晶配置面22Aには、炭化珪素単結晶の種結晶220(第1種結晶又は第2種結晶)が配置される。種結晶配置面22Aは、坩堝20内において、原料配置面21Aと対向する面である。坩堝蓋体22は、例えば、円形状を有する。
支持棒30は、石英管10内において、坩堝20を支持する棒状部材である。詳細には、支持棒30は、坩堝本体21を支持しており、坩堝本体21をA方向に沿って移動可能に構成される。
加熱部40は、石英管10の外周に設けられており、坩堝20内に配置される原材料210及び種結晶220を加熱する。詳細には、加熱部40は、複数のコイルによって構成されており、複数のコイルは、石英管10の外周に沿って配置される。
(炭化珪素単結晶の面方位等)
以下において、炭化珪素単結晶の面方位等について説明する。図2及び図3は、炭化珪素単結晶の面方位等を説明するための図である。詳細には、図2は、炭化珪素単結晶の塊体を示しており、図3は、炭化珪素単結晶の塊体の一部拡大図を示している。なお、炭化珪素単結晶を構成する1つの分子は、六角柱状の形状を有するものとする。
以下において、炭化珪素単結晶の面方位等について説明する。図2及び図3は、炭化珪素単結晶の面方位等を説明するための図である。詳細には、図2は、炭化珪素単結晶の塊体を示しており、図3は、炭化珪素単結晶の塊体の一部拡大図を示している。なお、炭化珪素単結晶を構成する1つの分子は、六角柱状の形状を有するものとする。
図2に示すように、炭化珪素単結晶の面方位は、3つの軸(z軸、θ軸、r軸)によって表される。z軸は、C軸に沿った軸である。θ軸は、C軸を中心とする円の接線方向に沿った軸である。r軸は、C軸を中心とする円の径方向に沿った軸である。また、炭化珪素単結晶の面は、3つの面(z面、θ面、r面)によって表される。z面(z−plane)は、z軸を法線とする面である。θ面(θ−plane)は、θ軸を法線とする面である。r面(r−plane)は、r軸を法線とする面である。
このようなケースにおいて、図3に示すように、z面(z−plane)で生じる応力は、z軸方向の応力σzz、θ軸方向の応力σzθ、r軸方向の応力σzrで表される。θ面(θ−plane)で生じる応力は、z軸方向の応力σθz、θ軸方向の応力σθθ、r軸方向の応力σθrで表される。r面(r−plane)で生じる応力は、z軸方向の応力σrz、θ軸方向の応力σrθ、r軸方向の応力σrrで表される。
(転位/欠陥の種類)
以下において、第1実施形態に係る転位/欠陥の種類について説明する。図4及び図5は、第1実施形態に係る転位/欠陥の種類を示す図である。詳細には、図4は、炭化珪素単結晶の塊体の一部を示しており、図5は、炭化珪素単結晶の塊体の断面を示している。ここで、転位及び欠陥は、バーカースベクトル及び伝播方向によって分類される。
以下において、第1実施形態に係る転位/欠陥の種類について説明する。図4及び図5は、第1実施形態に係る転位/欠陥の種類を示す図である。詳細には、図4は、炭化珪素単結晶の塊体の一部を示しており、図5は、炭化珪素単結晶の塊体の断面を示している。ここで、転位及び欠陥は、バーカースベクトル及び伝播方向によって分類される。
具体的には、図4及び図5に示すように、転位/欠陥の種類は、以下に示す通りである。
マイクロパイプ転位:バーカースベクトルがC軸(z軸)に平行であり、伝播方向がC軸(z軸)に平行である転位
らせん転位:バーカースベクトルがC軸(z軸)に平行であり、伝播方向がC軸(z軸)に平行である転位
刃状転位:バーカースベクトルがC軸(z軸)に垂直(又は、a軸方向に平行)であり、伝播方向がC軸(z軸)に平行である転位
基底面内転位:バーカースベクトルがC軸(z軸)に垂直(又は、a軸方向に平行)であり、伝播方向がC軸(z軸)に垂直(又は、a軸方向に平行)である転位
積層欠陥:バーカースベクトルがC軸(z軸)に垂直であり、伝播方向がC軸(z軸)に垂直である転位
(炭化珪素単結晶の製造方法)
以下において、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。図6は、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法を示すフロー図である。なお、以下においては、上述した製造装置100を用いて炭化珪素単結晶を製造するケースについて説明する。
らせん転位:バーカースベクトルがC軸(z軸)に平行であり、伝播方向がC軸(z軸)に平行である転位
刃状転位:バーカースベクトルがC軸(z軸)に垂直(又は、a軸方向に平行)であり、伝播方向がC軸(z軸)に平行である転位
基底面内転位:バーカースベクトルがC軸(z軸)に垂直(又は、a軸方向に平行)であり、伝播方向がC軸(z軸)に垂直(又は、a軸方向に平行)である転位
積層欠陥:バーカースベクトルがC軸(z軸)に垂直であり、伝播方向がC軸(z軸)に垂直である転位
(炭化珪素単結晶の製造方法)
以下において、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。図6は、第1実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法を示すフロー図である。なお、以下においては、上述した製造装置100を用いて炭化珪素単結晶を製造するケースについて説明する。
図6に示すように、ステップ10において、炭化珪素単結晶によって構成される種結晶220(第1種結晶)及び炭化珪素単結晶の原材料210を坩堝20内に配置する。詳細には、種結晶220は、坩堝蓋体22の種結晶配置面22Aに配置され、原材料210は、坩堝本体21の原料配置面21Aに配置される。
第1実施形態において、種結晶220(第1種結晶)の転位密度は、以下の通りであることが好ましい。詳細には、第1種結晶のマイクロパイプ転位密度が、10/cm2以下であり、第1種結晶のらせん転位密度が、2.0×103/cm2以下であり、第1種結晶の基底面内転位密度は、2.0×104/cm2以下であり、第1種結晶の刃状転位密度が、2.0×104/cm2以下である。
なお、種結晶220(第1種結晶)において、基底面内転位及び刃状転位が交切する完全転位(Kink Pair)の密度が10/cm2以下であることが好ましい。
ステップ20において、種結晶220(第1種結晶)及び原材料210を加熱することによって、原材料210を昇華して、昇華された原材料210を種結晶220において再結晶する。詳細には、石英管10の外周に設けられる加熱部40によって、坩堝20内に配置される種結晶220及び原材料210を加熱する。
第1実施形態では、ステップ20において、z軸方向の成長応力(σzz、σθz、σrz)のいずれもが0.5MPa以下である。また、θ軸及びr軸方向の成長応力(σzθ、σzr、σθθ、σθr、σrθ、σrr)のいずれもが25MPa以下である。
ステップ30において、ステップ20で生成された塊体をスライスして、種結晶220(第2種結晶)を生成する。
ステップ40において、炭化珪素単結晶によって構成される種結晶220(第2種結晶)及び炭化珪素単結晶の原材料210を坩堝20内に配置する。詳細には、種結晶220は、坩堝蓋体22の種結晶配置面22Aに配置され、原材料210は、坩堝本体21の原料配置面21Aに配置される。
ステップ50において、種結晶220(第2種結晶)及び原材料210を加熱することによって、原材料210を昇華して、昇華された原材料210を種結晶220において再結晶する。詳細には、石英管10の外周に設けられる加熱部40によって、坩堝20内に配置される種結晶220及び原材料210を加熱する。
第1実施形態では、ステップ50において、θ軸及びr軸方向の成長応力(σzθ、σzr、σθθ、σθr、σrθ、σrr)は、9MPa以下であることが好ましい。また、ステップ50において、z軸方向の成長応力(σzz、σθz、σrz)のいずれもが1.5MPa以下であることが好ましい。
なお、基底面内応力(θ軸及びr軸方向の成長応力)は、z面内において、種結晶220の中心で生じる応力と種結晶220の端部で生じる応力との差分(せん断応力)によって生じる。従って、z面内において、種結晶220の温度分布を均一化することによって、基底面内応力を低減することができる。
(作用及び効果)
第1実施形態では、種結晶220の成長応力(σzz、σzθ、σzr、σθz、σθθ、σθr、σrz、σrθ、σrr)が転位と相関を有するという知見から、ステップ20において、z軸方向の成長応力を0.5MPa以下に抑制することによって、炭化珪素単結晶の転位を減少することができる。
第1実施形態では、種結晶220の成長応力(σzz、σzθ、σzr、σθz、σθθ、σθr、σrz、σrθ、σrr)が転位と相関を有するという知見から、ステップ20において、z軸方向の成長応力を0.5MPa以下に抑制することによって、炭化珪素単結晶の転位を減少することができる。
詳細には、ステップ20において、マイクロパイプ転位密度及びらせん転位密度が低減された状態の種結晶220を生成して、ステップ50において、マイクロパイプ転位密度及びらせん転位密度が低減された状態の炭化珪素単結晶を製造することができる。
[評価結果1]
評価結果1では、第1種結晶の成長(上述したステップ20)の条件について評価した。第1種結晶の転位は、以下に示す通りである。
評価結果1では、第1種結晶の成長(上述したステップ20)の条件について評価した。第1種結晶の転位は、以下に示す通りである。
第1種結晶のマイクロパイプ転位密度:10/cm2
第1種結晶のらせん転位密度:2.0×103/cm2
第1種結晶の基底面内転位密度:2.0×104/cm2
第1種結晶の刃状転位密度:2.0×104/cm2
第1種結晶の積層欠陥面内比率:40%
ここでは、図7及び図8に示すように、θ軸及びr軸方向の成長応力(σzθ、σzr、σθθ、σθr、σrθ、σrr)が20MPa、25MPa、30MPaである場合において、z軸方向の成長応力(σzz、σθz、σrz)が0.5MPa〜3MPaの範囲において0.5単位で変化するケースについて、らせん転位密度及びマイクロパイプ転位密度を評価した。
第1種結晶のらせん転位密度:2.0×103/cm2
第1種結晶の基底面内転位密度:2.0×104/cm2
第1種結晶の刃状転位密度:2.0×104/cm2
第1種結晶の積層欠陥面内比率:40%
ここでは、図7及び図8に示すように、θ軸及びr軸方向の成長応力(σzθ、σzr、σθθ、σθr、σrθ、σrr)が20MPa、25MPa、30MPaである場合において、z軸方向の成長応力(σzz、σθz、σrz)が0.5MPa〜3MPaの範囲において0.5単位で変化するケースについて、らせん転位密度及びマイクロパイプ転位密度を評価した。
図7に示すように、θ軸及びr軸方向の成長応力が20MPa又は25MPaであり、z軸方向の成長応力が0.5MPaである場合に、らせん転位密度が1.0×103/cm2以下に低減することが確認された。
図8に示すように、θ軸及びr軸方向の成長応力が20MPa又は25MPaであり、z軸方向の成長応力が0.5MPaである場合に、マイクロパイプ転位密度が1.5/cm2以下に低減することが確認された。
このように、第1種結晶の成長(上述したステップ20)では、θ軸及びr軸方向の成長応力が25MPa以下であり、z軸方向の成長応力が0.5MPa以下であることが好ましいことが確認された。
[評価結果2]
評価結果2では、第2種結晶の成長(上述したステップ50)の条件について評価した。
評価結果2では、第2種結晶の成長(上述したステップ50)の条件について評価した。
第2種結晶のマイクロパイプ転位密度:1.5/cm2
第2種結晶のらせん転位密度:1.0×103/cm2
第2種結晶の基底面内転位密度:5.0×104/cm2
第2種結晶の刃状転位密度:4.0×104/cm2
第2種結晶の積層欠陥面内比率:50%
ここでは、図9〜図13に示すように、z軸方向の成長応力(σzz、σθz、σrz)が0.5MPa、1.0MPa、1.5MPaである場合において、θ軸及びr軸方向の成長応力(σzθ、σzr、σθθ、σθr、σrθ、σrr)が7MPa、9MPa、10MPa、15MPa、20MPa、25MPaであるケースについて、基底面内転位密度、刃状転位密度、積層欠陥面内比率、らせん転位密度及びマイクロパイプ転位密度を評価した。
第2種結晶のらせん転位密度:1.0×103/cm2
第2種結晶の基底面内転位密度:5.0×104/cm2
第2種結晶の刃状転位密度:4.0×104/cm2
第2種結晶の積層欠陥面内比率:50%
ここでは、図9〜図13に示すように、z軸方向の成長応力(σzz、σθz、σrz)が0.5MPa、1.0MPa、1.5MPaである場合において、θ軸及びr軸方向の成長応力(σzθ、σzr、σθθ、σθr、σrθ、σrr)が7MPa、9MPa、10MPa、15MPa、20MPa、25MPaであるケースについて、基底面内転位密度、刃状転位密度、積層欠陥面内比率、らせん転位密度及びマイクロパイプ転位密度を評価した。
図9に示すように、z軸方向の成長応力によらずに、θ軸及びr軸方向の成長応力(基底面内応力)が9MPa以下である場合に、基底面内転位密度が1.5×103/cm2以下に低減されることが確認された。
図10に示すように、z軸方向の成長応力によらずに、θ軸及びr軸方向の成長応力(基底面内応力)が9MPa以下である場合に、刃状転位密度が4.0×103/cm2以下に低減されることが確認された。
図11に示すように、z軸方向の成長応力によらずに、θ軸及びr軸方向の成長応力(基底面内応力)が9MPa以下である場合に、積層欠陥面内比率が14%以下に低減されることが確認された。
図12に示すように、θ軸及びr軸方向の成長応力(基底面内応力)によらずに、z軸方向の成長応力が1.5MPa以下である場合に、らせん転位密度が低減されることが確認された。
図13に示すように、θ軸及びr軸方向の成長応力(基底面内応力)によらずに、z軸方向の成長応力が1.5MPa以下である場合に、マイクロパイプ転位密度が低減されることが確認された。
このように、第2種結晶の成長(上述したステップ50)では、θ軸及びr軸方向の成長応力が9MPa以下であり、z軸方向の成長応力が1.5MPa以下であることが好ましいことが確認された。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
10…石英管、20…坩堝、21…坩堝本体、21A…原料配置面、22…坩堝蓋体、22A…種結晶配置面、30…支持棒、40…加熱部、100…製造装置、210…原材料、220…種結晶
Claims (4)
- 炭化珪素単結晶によって構成される第1種結晶及び炭化珪素単結晶の原材料を坩堝内に配置するステップAと、
前記第1種結晶及び前記原材料を加熱することによって、前記原材料を昇華して、昇華された原材料を前記第1種結晶において再結晶するステップBと、
前記ステップBで生成された塊体をスライスして、炭化珪素単結晶によって構成される第2種結晶を生成するステップCと、
前記第2種結晶及び炭化珪素単結晶の原材料を坩堝内に配置するステップDと、
前記第2種結晶及び前記原材料を加熱することによって、前記原材料を昇華して、昇華された原材料を前記第2種結晶において再結晶するステップEとを備え、
前記炭化珪素単結晶は、C軸に沿ったz軸、前記C軸を中心とする円の接線方向に沿ったθ軸、r軸は、前記C軸を中心とする円の径方向に沿ったr軸によって定義されており、
前記ステップBにおいて、前記z軸方向の成長応力は、0.5MPa以下であり、前記θ軸及び前記r軸方向の成長応力は、25MPa以下であることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。 - 前記第1種結晶のマイクロパイプ転位密度が、10/cm2以下であり、
前記第1種結晶のらせん転位密度が、2.0×103/cm2以下であり、
前記第1種結晶の基底面内転位密度は、2.0×104/cm2以下であり、
前記第1種結晶の刃状転位密度が、2.0×104/cm2以下であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。 - 前記ステップEにおいて、前記z軸方向の成長応力は、1.5MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
- 前記ステップEにおいて、前記θ軸及び前記r軸方向の成長応力は、9MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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JP7042996B2 (ja) | 2020-07-14 | 2022-03-29 | セニック・インコーポレイテッド | ウエハ及びウエハの製造方法 |
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