JP6733517B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の乗員が着座する着座部の上面である着座面に入力される荷重に対して当該着座面が非線形に変位するシートを備える車両のサスペンション装置に関する。
従来から、入力荷重(X)に対してストローク量(Y)が線形的に変化する(即ち、kを一定の定数とするとき、Y=k・Xである。)サスペンション装置が知られている。即ち、従来のサスペンション装置(以下、「従来装置」と称呼する。)は、実際のストローク量が「所定の入力荷重があるときのストローク量」よりも小さくなっている場合と、実際のストローク量が「所定の入力荷重があるときのストローク量」よりも大きくなっている場合と、において、互いに同じ「入力荷重−ストローク特性」を有している(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2013−116641号公報(図3)
ところで、車両のシート(座席)の着座面(着座部の上面)の変位量(以下、「撓み量」とも称呼する。)は、当該着座面に加わる荷重(以下、「シート荷重」と称呼する。)が大きいほど大きくなる。より具体的に述べると、図14の曲線C1により示したように、一般に車両に採用されているシートは、シート荷重が大きくなるほど、「シート荷重の単位変化量、に対する、着座面の撓み量の変化量、の比(曲線C1の傾きに対応する値。)」が小さくなるという特性を有する。例えば、図14に示した例において、シート荷重が基本荷重5Aから単位荷重Aだけ増加した場合の着座面の撓み量の変化量の大きさdpは、シート荷重が基本荷重5Aから単位荷重Aだけ減少した場合の着座面の撓み量の変化量の大きさdmより、小さい(dp<dm)。換言すると、シートは、撓み量が大きくなるほど大きくなる「ばね定数」を有するばね装置の一種であると考えることができる。
一方、乗員は最終的には着座面を通して振動を感じるが、路面から着座面までにはタイヤ、サスペンション装置及びシートが介在している。従って、車両の乗り心地について検討する場合、車両のタイヤ及びサスペンション装置の特性のみならず、シートの特性も考慮する必要がある。しかしながら、従来装置は、シートの特性をも考慮して設計されたサスペンション装置を有していない。
本発明は上記問題に対処するために為されたものである。即ち、本発明の目的の一つは、車両のシートの特性を考慮することによって、車両の乗り心地を更に向上させることが可能な車両のサスペンション装置を提供することにある。
本発明の車両のサスペンション装置の態様(以下、「本発明装置」とも称呼する。)は、着座面に入力される荷重であるシート荷重が大きくなるほど当該シート荷重の単位変化量に対する当該着座面の変位量が小さくなるシート(42)であって前記着座面と車両(100)のばね上部材(40)との間に介装され且つ前記着座面を前記ばね上部材に対して弾性的に支持するシートを備える前記車両(100)に適用される。本発明装置は、前記ばね上部材と前記車両のばね下部材(50)との間に介装され且つ前記ばね上部材を前記ばね下部材に対して弾性的に支持するばね装置(30、30A)を備えている。
発明装置を特定するにあたり、
基準ストローク量は、乗員がシートに着座したときの前記ばね装置のストローク量であると規定され、
前記ばね装置のストローク量は、前記ばね装置が縮む方向に変位するほど正方向に大きくなると規定される。
この規定を用いた場合、前記ばね装置は、次に述べる特性を有する。
[条件A]前記ストローク量が前記基準ストローク量よりも大きいときの前記ばね装置のばね定数(k2c)が、前記ストローク量が前記基準ストローク量よりも小さいときの前記ばね装置のばね定数(k2e)以下であり(即ち、k2c≦k2e)、且つ、
[条件B]ストローク量が基準ストローク量に対して正の所定量(α)だけ大きいストローク量以上であるときのばね定数が、ストローク量が基準ストローク量に対して正の所定量(α)だけ小さいストローク量以下であるときのばね定数よりも小さい。
以下、本発明装置の一例を用いて、本発明装置の作用について説明する。図15(A)乃至(C)に示したグラフの横軸は、ばね装置のストローク量zsである。縦軸は、ばね装置のばね力Fssである。これらの各グラフには、本発明装置の一例の「ストローク量と、ばね力と、の関係」が示されている。この関係を示した「直線S1及び直線S2」の傾きは、ばね装置のばね定数を表している。
図15(A)に示したように、この一例のばね装置においては、乗員の体重が標準体重である場合、基準ストローク量がストローク量zs0となる。このばね装置のばね定数は、ストローク量zsが基準ストローク量zs0よりも大きいか否かに応じて変化する。より具体的に述べると、ストローク量zsが基準ストローク量zs0より大きい場合(縮み側に変位している場合)、直線S1により示されているように、ばね定数は「相対的に小さい値k2c」である。ストローク量zsが基準ストローク量zs0より小さい場合(伸び側に変位している場合)、直線S2により示されているように、ばね定数は「相対的に大きい値k2e」である。値k2cは値k2eよりも小さいので(即ち、k2c<k2e)、このばね装置は、上記[条件A]を満たしている。
更に、図15(A)から理解されるように、ストローク量zsが基準ストローク量zs0に対して正の所定量(α)だけ大きいストローク量(zs0+α)以上であるときのばね定数は値k2cであり(領域R11を参照。)、ストローク量zsが基準ストローク量zs0に対して正の所定量(α)だけ小さいストローク量(zs0−α)以下であるときのばね定数は値k2eである(領域R12を参照。)。従って、このばね装置は、上記[条件B]を満たしている。
図15(B)には、乗員の体重が標準体重よりも軽い場合における「ストローク量と、ばね力と、の関係」が示されている。この場合、基準ストローク量は、ストローク量zs0よりも小さいストローク量zs1となる。この図から明らかなように、ストローク量zsが基準ストローク量zs1より大きい場合(縮み側に変位している場合)、ばね定数は「値k2e又は値k2c」である。ストローク量zsが基準ストローク量zs1より小さい場合(伸び側に変位している場合)、ばね定数は「値k2e」である。よって、このばね装置は、上記[条件A]を満たしている
更に、図15(B)から理解されるように、ストローク量zsが基準ストローク量zs1に対して正の所定量(α)だけ大きいストローク量(zs1+α)以上であるときのばね定数は値k2cであり(領域R21を参照。)、ストローク量zsが基準ストローク量zs1に対して正の所定量(α)だけ小さいストローク量(zs1−α)以下であるときのばね定数は値k2eである(領域R22を参照。)。従って、このばね装置は、上記[条件B]を満たしている。
図15(C)には、乗員の体重が標準体重よりも重い場合における「ストローク量と、ばね力と、の関係」が示されている。この場合、基準ストローク量は、ストローク量zs0よりも大きいストローク量zs2となる。この図から明らかなように、ストローク量zsが基準ストローク量zs2より大きい場合(縮み側に変位している場合)、ばね定数は「値k2c」である。ストローク量zsが基準ストローク量zs2より小さい場合(伸び側に変位している場合)、ばね定数は「値k2c又は値k2e」である。よって、このばね装置は、上記[条件A]を満たしている。
更に、図15(C)から理解されるように、ストローク量zsが基準ストローク量zs2に対して正の所定量(α)だけ大きいストローク量(zs2+α)以上であるときのばね定数は値k2cであり(領域R31を参照。)、ストローク量zsが基準ストローク量zs2に対して正の所定量(α)だけ小さいストローク量(zs2−α)以下であるときのばね定数は値k2eである(領域R32を参照。)。従って、このばね装置は、上記[条件B]を満たしている。
そして、このように「ばね定数」が変化するばね装置を用いると、後に「路面の凹凸による振動が乗員に伝達される状態を表す伝達特性」のゲインを用いて説明するように、車両の乗り心地が改善されることが判明した。
この理由は必ずしも明らかではないが、次のように推定される。
即ち、本発明装置によれば、ばね装置のストローク量がある程度縮み側の値になっているとき、ばね装置のばね定数は、ばね装置のストローク量がある程度伸び側の値になっているときに比べ、小さくなる。これに対し、概して言えば、図14において直線によって近似した破線B1及びB2にて示したように、ばね装置が縮むほどシートの着座面の変位量(撓み量)がより大きくなる場合が多いので、ばね装置が縮むほどシートのばね定数は大きくなる。この結果、乗員の乗り心地に影響を与える「サスペンション装置及びシート」の全体のばね特性がより線形に近付く。その結果、乗り心地が改善される。なお、一般的にタイヤのばね特性は線形であり、且つタイヤのばね定数はシートのばね定数及びサスペンション装置のばね定数にくらべて1桁程度大きい。従って、タイヤのばね特性が車両の乗り心地に与える影響は小さいと考えられる。
本発明装置の一態様に係る車両のサスペンション装置は、前記ばね装置が、前記ばね上部材と前記ばね下部材との間に配設された第1ばね(31)と、前記ばね上部材と前記ばね下部材との間に配設された第2ばね(32)と、を備える。
更に、前記第1ばねは、前記ばね上部材と前記ばね下部材とによって常時圧縮されるように配設されている。
前記第2ばねは、前記ストローク量が閾値ストローク量よりも小さい場合に前記ばね上部材と前記ばね下部材とによって圧縮され、前記ストローク量が前記閾値ストローク量よりも大きい場合に前記ばね上部材と前記ばね下部材とによって圧縮も伸長もされないように配設されている。
この態様によれば、ストローク量が閾値ストローク量よりも小さい場合、第1ばねは、ばね上部材とばね下部材との間において圧縮されるので、ばね装置に第1ばねのばね力が作用する。更に、この場合、第2ばねも、ばね上部材とばね下部材との間において圧縮されるので、ばね装置に第2ばねのばね力が作用する。よって、この場合におけるばね装置のばね定数は第1ばねのばね定数(k1)と第2ばねのばね定数(k2)との和(k1+k2)と等しくなる。
一方、ストローク量が閾値ストローク量よりも大きい場合、第1ばねは、ばね上部材とばね下部材との間において圧縮されるので、ばね装置に第1のばね力が作用する。ところが、この場合、第2ばねは、ばね上部材とばね下部材との間において圧縮も伸長もされないので、第2ばねのばね力は発生しない。よって、この場合のばね装置のばね定数は第1ばねのばね定数(k1)と等しくなる。
従って、この態様は、第1ばねと第2ばねとを用いる簡単な構成により上記の[条件A]及び[条件B]を満たす「乗り心地に優れたサスペンション装置」となっている。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記名称及び/又は符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両のサスペンション装置が適用される車両の概略構成図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る車両のサスペンション装置の中心軸に沿った断面図である。 図3は、図2に示したサスペンション装置の作動を説明するための断面図である。 図4は、ばねの変位と発生するばね力との関係を示した図であり、図4(A)はシートの発生するばね力、図4(B)はサスペンション装置の発生するばね力を示した図である。 図5は、図1に示した車両の3自由度単輪モデルを説明するための図である。 図6は、図5に示したモデルに基づいて計算した、路面速度に対する乗員加速度の伝達特性を示した図である。 図7は、図5に示したモデルに基づいて計算した、路面速度に対する乗員加速度の伝達特性を示した図である。 図8は、本発明の第1実施形態の変形例に係る車両のサスペンション装置の中心軸に沿った断面図である。 図9は、図8に示したサスペンション装置の作動を説明するための断面図である。 図10は、本発明の第2実施形態に係る車両のサスペンション装置の中心軸に沿った断面図である。 図11は、図10に示したサスペンション装置の作動を説明するための断面図である。 図12は、本発明の第3実施形態に係る車両のサスペンション装置の概略構成図である。 図13は、図12に示したエアサスペンションECUのCPUが実行する「ばね定数変更ルーチン」を示したフローチャートである。 図14は、シートの荷重と撓み量との関係を示した図である。 図15は、本発明の実施形態に係るばね装置のストローク量に対するばね力の関係を示した図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る車両のサスペンション装置は、図1に示したように、車両10に適用される。車両10は、サスペンション装置20、ばね上部材40及びばね下部材50を含んでいる。ばね上部材40は、車体41、乗員HMが着座するシート42及びマウント部43を含んでいる。ばね下部材50は車輪WHを含んでいる。
サスペンション装置20は、図2に示したように、上部リテーナ21、下部リテーナ22、シリンダハウジング23、ピストンロッド24、インナーチューブ25、ピストン26、環状プレート27、ベースバルブ28及びばね装置30を含んでいる。
上部リテーナ21は円板形状を有する部材であり、ばね上部材40のマウント部43に固定されている。下部リテーナ22は円環形状を有する部材である。シリンダハウジング23は底面を有する円筒形状の部材である。下部リテーナ22は、シリンダハウジング23の径方向外側においてシリンダハウジング23に固定されている。下部リテーナ22の上面及び下面は、シリンダハウジング23の軸に垂直な面と平行である。
ピストンロッド24は円柱形状を有する部材であり、その軸が上部リテーナ21の軸と一致するように配置されるとともに、その一端が上部リテーナ21に固定されている。ピストンロッド24の他端を含む一部はシリンダハウジング23内に挿入されている。
シリンダハウジング23内には、インナーチューブ25が配設されている。インナーチューブ25は円筒形状を有する部材であり、その軸がシリンダハウジング23の軸と一致するように配置されている。インナーチューブ25の外径は、シリンダハウジング23の内径よりも小さい。インナーチューブ25の上端はシリンダハウジング23の上部内壁面23aと当接して固定されている。インナーチューブ25の下端はシリンダハウジング23の底部内壁面23cと軸方向において離間している。インナーチューブ25内は、作動液(例えば、オイル)WAにより満たされている。
ピストン26は円板形状を有する部材であり、その軸がピストンロッド24の軸と一致するように配置されるとともに、シリンダハウジング23(インナーチューブ25)内に挿入されたピストンロッド24の他端に固定されている。ピストン26の外径はインナーチューブ25の内径と等しく、ピストン26の外周面はインナーチューブ25の内周面に接している。従って、ピストン26は軸方向(上下方向)に移動するとき、インナーチューブ25の内周面に沿って摺動する。ピストン26は、インナーチューブ25内に画成される液室を上方液室R1と下方液室R2とに区切っている。ピストン26は上方液室R1及び下方液室R2の間において上下方向に摺動する。ピストン26は、ピストン26の上下動時に上方液室R1と下方液室R2との間の作動液WAの流れに抵抗を付与するためのオリフィスを備え、減衰力を発生させるピストンバルブとしての機能を有している。以下、ピストン26を「ピストンバルブ26」とも称呼する。
環状プレート27は円環形状を有する部材であり、インナーチューブ25内において所定の位置にてピストンロッド24に固定されている。環状プレート27の上面及び下面は、ピストンロッド24の軸に垂直な面と平行である。環状プレート27の外径はインナーチューブ25の内径よりも小さい。
シリンダハウジング23及びインナーチューブ25によりリザーバ室R3が画成されている。リザーバ室R3には作動液WAと大気圧の空気とが封入されている。インナーチューブ25下端の内周面にはベースバルブ28が固定されている。
ベースバルブ28はピストン26の上下動時に下方液室R2とリザーバ室R3との間の作動液WAの流れに抵抗を付与するオリフィスを備え、減衰力を発生させるようになっている。
以上、説明したように、シリンダハウジング23、インナーチューブ25、ピストン26、液室OR内のオイル及びリザーバRS内の作動液WA等により、減衰力を発生するショックアブソーバが構成されている。
ばね装置30は、第1コイルばね31、第2コイルばね32及び第3コイルばね33を含んでいる。図2は、標準体重の乗員(1名)HMがシート42に着座し、車両10が水平面上にて静止している状態におけるばね装置30の状態を表している。以下、この状態を「中立状態」とも称呼する。なお、この中立状態の定義は、後述する他のばね装置にも適用される。更に、「中立状態」にあるときのばね装置30の長さ(上部リテーナ21と下部リテーナ22との距離)を「基準長」とも称呼する。以下、「中立状態」におけるばね装置30について説明する。
第1コイルばね31は、第1コイルばね31の軸と上部リテーナ21の軸とが一致するように配置されている。第1コイルばね31の内径はシリンダハウジング23の外径よりも大きい。第1コイルばね31は上部リテーナ21と下部リテーナ22との間に上下に常時圧縮されて備えられている。
「常時圧縮」されている状態とは、上部リテーナ21の下面21aと下部リテーナ22の上面22aとの間の距離が最大となる状態(以下、「フルリバウンド状態」とも称呼する。)においても、下面21aと上面22aとの間においてばねが圧縮されている状態を言う。言い換えると、フルリバウンド状態における下面21aと上面22aとの間の距離は第1コイルばね31の自然長よりも小さい。つまり、サスペンション装置20の可動範囲において、第1コイルばね31は常に圧縮された状態となっている。
第2コイルばね32は、第2コイルバネ32の軸と環状プレート27の軸とが一致するように配置されている。第2コイルばね32の外径はインナーチューブ25の内径よりも小さい。第2コイルばね32の一端は環状プレート27の上面27aに固定されている。第2コイルばね32の他端は、第2コイルばね32が圧縮させられることなくシリンダハウジング23の上部内壁面23aに当接している。言い換えると、図2に示した中立状態において、環状プレート27の上面27aとシリンダハウジング23の上部内壁面23aとの間の距離は第2コイルばね32の自然長に等しい。つまり、環状プレート27が固定される「所定の位置」とは、中立状態において、環状プレート27の上面27aとシリンダハウジング23の上部内壁面23aとの間の距離が第2コイルばね32の自然長と等しくなる位置である。
第3コイルばね33は、第3コイルばね33の軸と上部リテーナ21の軸とが一致するように配置されている。第3コイルばね33の外径は第1コイルばね31の内径及びシリンダハウジング23の内径の何れよりも小さい。第3コイルばね33はその一端が上部リテーナ21の下面21aに固定されている。第3コイルばね33の他端はシリンダハウジング23の上部外壁面23bと軸方向において離間している。従って、この状態において第3コイルばね33の長さは自然長である。この状態において第3コイルばね33は、ばねとして作用(機能)しない。第3コイルばね33はバウンドストッパとして機能し、フルバウンド時に上部外壁面23bが上部リテーナ21の下部に接触することを防ぐ。
シリンダハウジング23の下部は、ばね下部材50のロアアーム52に固定されている。つまり、サスペンション装置20は、ばね上部材40とばね下部材50との間に配設され、ばね上部材40をばね下部材50に対して弾性的に支持するばね装置30を備えていると言える。
次に、図3を参照しながらサスペンション装置20の作動を説明する。図3(A)は、ばね装置30の長さが基準長である場合(ばね装置30が中立状態にある場合)のばね装置30の状態を示す。図3(B)は、ばね装置30の長さが基準長よりも短くなっている場合(ばね装置が中立状態にある場合よりも縮んでいる場合、つまり、バウンド状態にある場合)のばね装置30の状態を示す。図3(C)は、ばね装置30の長さが基準長よりも長くなっている場合(ばね装置が中立状態にある場合よりも伸びている場合、つまり、リバウンド状態にある場合)のばね装置30の状態を示す。なお、以下においては、第3コイルばね33がバウンドストッパとして機能するフルバウンド時の状態の説明は省略される。
ここで、第1コイルばね31のばね定数をks1、第2コイルばね32のばね定数をks2、第3コイルばね33のばね定数をks3として説明を続ける。
サスペンション装置20が図3(B)に示した状態となる場合、上部リテーナ21と下部リテーナ22との距離はばね装置30の基準長よりも短くなる。従って、第1コイルばね31は中立状態にある場合に比べて更に圧縮される。この場合、ピストンロッド24に固定された環状プレート27はシリンダハウジング23の下方に相対的に移動するので、シリンダハウジング23の上部(上部内壁面23a)と環状プレート27(環状プレート27の上面27a)との距離は大きくなる。
その結果、第2コイルばね32は、上部内壁面23aからその軸方向において離間する。従って、ばね装置30の長さが基準長よりも短くなっている場合(ばね装置30が中立状態に対して更に縮んでいる場合)、第2コイルばね32はばねとして作用(機能)しない。よって、この場合のばね装置30のばね定数k2cは、第1コイルばね31のばね定数ks1と等しい。
これに対し、サスペンション装置20が図3(C)に示した状態となる場合、上部リテーナ21と下部リテーナ22との距離はばね装置30の基準長よりも長くなる。従って、第1コイルばね31は、圧縮状態にあるものの、中立状態にある場合に比べて長くなる。言い換えると、第1コイルばね31の長さが自然長に更に近付く。この場合、ピストンロッド24に固定された環状プレート27は相対的にシリンダハウジング23の上部に近付くので、シリンダハウジング23の上部(上部内壁面23a)と環状プレート27(環状プレート27の上面27a)との距離は小さくなる。
その結果、第2コイルばね32は、上部内壁面23aと環状プレート27の上面27aとの間で圧縮される。つまり、ばね装置30の長さが基準長よりも長くなっている場合(ばね装置30が中立状態に対して伸びている場合)、第2コイルばね32がばねとして作用(機能)する。従って、この場合のばね装置30のばね定数k2eは、第1コイルばね31のばね定数ks1と第2コイルばね32のばね定数ks2との和(=ks1+ks2)と等しい。
このように、ばね装置30のばね定数は、ばね装置30の長さが基準長である状態を境として、バウンド状態におけるばね定数k2c(=ks1)と、リバウンド状態におけるばね定数k2e(=ks1+ks2)と、に切り替わる。
図4(A)には、ばね装置30の基準長からの変位量zsとばね装置30のばね力Fssとの関係が示されている。図4(A)における変位量zsは、ばね装置30の長さが基準長よりも短くなっている状態(バウンド状態)にあるとき正の値となり、ばね装置30の長さが基準長よりも長くなっている状態(リバウンド状態)にあるとき負の値となる。図4(A)からも理解されるように、ばね装置30は、ばね装置30の長さが基準長よりも短くなっている状態においてばね定数k2c(直線S1の傾き)を有し、ばね装置30の長さが基準長よりも長くなっている状態においてばね定数k2e(直線S2の傾き)を有する、特性を備えている。即ち、直線S1は式Fss=k2c・zsにより表され、直線S2は式Fss=k2e・zsにより表される。
ところで、図4(B)には、シート42に標準体重の乗員(1名)HMが着座したときのシート42の着座面(着座部の上面)の変位量(即ち、撓み量)を基準撓み量として、基準撓み量からの変位量zstとシート42の着座部のばね力Fcsとの関係が示されている。図4(B)における撓み量zstは、着座面の変位量が基準撓み量よりも大きい状態にあるとき正の値となり、着座面の変位量が基準撓み量よりも小さい状態にあるとき負の値となる。図4(B)から理解されるように、シート42の着座部は、着座面の変位量zstが正の値であるとき、ばね定数k3c(直線S3の傾き)を有し、着座面の変位量zstが負の値であるとき、ばね定数k3e(直線S4の傾き)を有する、特性を備えるばね装置と扱うことができる。即ち、直線S3は式Fcs=k3c・zstにより表され、直線S4は式Fcs=k3c・zstにより表される。ばね定数k3cは、ばね定数k3eよりも大きい(k3c>k3e)。このことは、図14を用いて説明した通りである。
一方、ばね装置30の長さが基準長よりも短くなっている場合(バウンド状態にある場合)、シート42の着座部も大きく撓むので、着座面の変位量は正の値になると考えることができる。他方、ばね装置30の長さが基準長よりも長くなっている場合(リバウンド状態にある場合)、シート42の着座部の撓みの程度は小さくなり、着座面の変位量は負の値になると考えることができる。このことから、ばね装置30のばね定数の特性と、シート42のばね定数の特性とは、ばね装置30の長さが基準長より長いか短いかに応じて「反対の関係」を有していると言うことができる。
次に、サスペンション装置20による効果について、図5及び図6を参照しながら説明する。先ず、車両10のシート42に着座した乗員HMが受ける振動を解析するために、図5に示したような3自由度単輪モデルを考える。
図5中に現れる記号は以下の通りである。
x0:路面上下変位入力[mm],
x1:ばね下部材上下変位[mm],
x2:ばね上部材(車体及びシート)上下変位[mm],
x3:乗員上下変位[mm]
m1:ばね下部材質量[kg],
m2:ばね上部材(車体及びシート)質量[kg],
m3:乗員質量[kg]
k1:タイヤばね定数[N/mm],
k2:ばね装置ばね定数[N/mm],
k3:シートばね定数[N/mm],
c1:タイヤ減衰係数[Ns/m],
c2:ショックアブソーバ減衰係数[Ns/m],
c3:シート減衰係数[Ns/m]
Figure 0006733517
上記モデルの運動方程式は以下の(1)乃至(6)式により表される。ところで、乗員が路面から受ける振動(路面振動)の影響は、路面速度v0(路面鉛直方向変位x0の1階微分)[m/s]を入力とし、乗員加速度a3(乗員上下変位x3の2階微分)[m/s2] を出力とする伝達特性G3から把握される。
Figure 0006733517
そこで、(1)乃至(6)式の運動方程式に基づいて、以下の表1及び表2にそれぞれ示した2つの条件にて、伝達特性G3の周波数特性を算出する。算出された伝達特性G3の周波数特性の一例が図6に示される。
(条件1)
Figure 0006733517
表1に示したように、条件1において、ばね装置30のばね定数k2はバウンド状態において20[N/mm]、リバウンド状態において40[N/mm]に設定されている。前述したように、サスペンション装置20のバウンド状態におけるばね定数kscは第1コイルばね31のばね定数ks1と等しい。一方、サスペンション装置20のリバウンド状態におけるばね定数kseは第1コイルばね31のばね定数ks1と第2コイルばね32のばね定数ks2との和(ks1+ks2)と等しい。従って、表1に示した条件は、第1コイルばね31のばね定数ks1の値が20[N/mm]、第2コイルばね31のばね定数ks2の値が20[N/mm]の場合に相当する。
(条件2)
Figure 0006733517
表2に示した条件2は、サスペンション装置20の比較対象として従来技術に基づくサスペンション装置の特性を算出するための条件である。条件1の下で車両が走行しているとき、バウンドとリバウンドとを繰り返す第2コイルばね32のばね定数k2の時間平均値は30[N/mm]と概ね等しい。そこで、条件2においてばね装置30のばね定数k2は、バウンド状態においてもリバウンド状態においても同じ30[N/mm]に設定されている。これにより、条件1のばね定数k2と条件2のばね定数k2は等価となり、ばね定数の相違がシミュレーションへ与える影響が排除される。
図6の実線は、路面速度v0[m/s]を入力とし、乗員加速度a3[m/s2] を出力とする伝達特性ゲインであって条件1に基づく伝達特性ゲインG31の周波数特性を示す。更に、図6の破線は、路面速度v0[m/s]を入力とし、乗員加速度a3[m/s2] を出力とする伝達特性ゲインであって条件2に基づく伝達特性ゲインG32の周波数特性を示す。
図6から理解されるように、1〜2Hz程度の低周波領域(ばね上部材共振領域)にて、伝達特性ゲインG31は伝達特性ゲインG32よりも小さい。より詳細には、伝達特性ゲインG31のピーク周波数は伝達特性ゲインG32のピーク周波数と略等しいが、伝達特性ゲインG31のピークの大きさが伝達特性ゲインG32のピークの大きさよりも小さい。つまり、ばね上部材共振領域においてサスペンション装置20(条件1)のゲイン(振動振幅)は従来装置(条件2)のゲインよりも低下している。即ち、図6に示した結果は、サスペンション装置の構成を従来装置からサスペンション装置20のように変えることにより、乗員HMに伝達される路面振動が低減されることを示している。
ところで、図6に示したシミュレーション結果は、乗員HMの体重が標準体重(50kg)であり、従って、乗員HMによるシート荷重が50kgfの場合において、第2コイルばね32の長さが自然長と等しくなり、第2コイルばね32の上端がシリンダハウジング23の上部内壁面23aに当接しているばね装置30を有するサスペンション装置20に基づいて計算された結果である。
しかしながら、実際には、乗員HMの体重は標準体重と異なる場合が殆どである。即ち、乗員HMによるシート荷重は常に50kgfとなるわけではない。そこで、乗員HMによるシート荷重が30kgf(m3=30kg)である場合及び乗員HMによるシート荷重が80kgf(m3=80kgf)である場合についても、上記と同様のシミュレーションを行った。図7(A)の実線は、シート荷重が30kgfである場合のシミュレーション結果を示す。図7(B)の実線は、シート荷重が80kgfである場合のシミュレーション結果を示す。なお、図7(A)及び(B)においても、図6と同様、第2コイルばね32のばね定数が全ストローク範囲にて一定である装置(従来装置)のシミュレーション結果が破線により示されている。
図7(A)及び(B)から理解されるように、シート荷重が30kgfである場合及びシート荷重が80kgfである場合の何れの場合であっても、図6に示した結果と同様、サスペンション装置20を用いた場合には、乗員HMに伝達される路面振動が従来装置に比べて低減される。即ち、サスペンション装置20によれば、ばね上部材共振周波数領域(約1〜2Hz)の伝達特性ゲインのピークが従来装置に比較して低下していることが分かる。従って、サスペンション装置20は、体重の異なる乗員HMがシート42に着座した場合であっても、乗員HMに伝達される路面振動を低減することができる。
ここで、所定の基準長からのばね装置30の長さを減じた値をばね装置30のストローク量と規定し、且つ、「任意の体重の乗員HMがシート42に着座し、車両10が水平面上にて静止している場合」のばね装置30のストローク量を基準ストローク量と規定する。この場合、ばね装置30が短くなるほどストローク量が正方向に大きくなる。この規定よれば、サスペンション装置20は、図15(A)乃至(C)の直線S1及び直線S2により表される特性を有する。図15(A)乃至(C)から、サスペンション装置20は、以下の[条件a]及び[条件b]を満たす装置であると言える。なお、図15(A)は乗員HMの体重が標準体重である場合の特性を示す。この場合、基準ストローク量は値zs0である。図15(B)は乗員HMの体重が標準体重よりも軽い場合の特性を示す。この場合、基準ストローク量は値zs0よりも小さい値zs1である。図15(C)は乗員HMの体重が標準体重よりも重い場合の特性を示す。この場合、基準ストローク量は値zs0よりも大きい値zs2である。
[条件a]ストローク量zsが基準ストローク量よりも大きいときのばね定数KLは、ストローク量zsが基準ストローク量よりも小さいときのばね定数KSと等しいか又は小さい。
[条件b]ストローク量zsが基準ストローク量zsに対して正の所定量(α)だけ大きいストローク量以上であるときのばね定数(k2c=ks1)が、ストローク量が基準ストローク量に対して前記正の所定量(α)だけ小さいストローク量以下であるときのばね定数(k2e=ks1+ks2)よりも小さい。
より具体的に述べると、サスペンション装置20は、ばね上部材40とばね下部材50との間において常時圧縮されている第1ばね(第1コイルばね)31を備える。更に、サスペンション装置20は、ストローク量が所定の閾値ストローク量(例えば、ばね装置30の長さが基準長であるときの基準ストローク量zs0)よりも小さいとき「ばね上部材40とばね下部材50との間において圧縮され」、ストローク量が所定の閾値ストローク量よりも大きいとき「ばね上部材40とばね下部材50との間において収縮も伸長もされずにばねとして作用しない」第2ばね(第2コイルばね)32と、を含む。
これにより、サスペンション装置20は、シート42のばね特性を考慮して路面から乗員へ伝わる路面振動を低減することができる。その結果、サスペンション装置20は車両10の乗り心地を向上させることができる。
<第1実施形態の変形例>
本発明の第1実施形態の変形例に係る車両のサスペンション装置20Aについて説明する。サスペンション装置20Aは、第2コイルばね32がシリンダハウジング23の外部に備えられているという点において、サスペンション装置20と相違している。従って、以下、この相違点を中心に説明する。
図8に示したように、サスペンション装置20Aは、上部リテーナ21、下部リテーナ22、シリンダハウジング23、鍔部23f、ピストンロッド24、ピストン26、環状プレート27、ブラケット29及びばね装置30Aを含んでいる。
ブラケット29は、円筒部29aと円環部29bとを有する。円筒部29aは、円筒形状を有する。円筒部29aの内径はシリンダハウジング23の外径(実際には、上述する鍔部23fの外径)よりも大きい。円筒部29aの外径は第1コイルばね31の内径よりも小さい。円環部29bは、円筒部29aと一体化していて、円筒部29aの下端から径方向内側に突出している部分である。円環部29bの径方向内側の端部の径は、シリンダハウジング23の外径よりも大きい。円環部29bは、円筒部29aの軸に垂直な面と平行な上面及び下面を形成している。
ブラケット29は、円筒部29aの軸と上部リテーナ21の軸とが一致するように配置されている。ブラケット29の上端(即ち、円筒部29aの上端)は上部リテーナ21の下面21aに固定されている。ブラケット29の下端(即ち、円環部29bの下面)は下部リテーナ22と軸方向において離間している。
ブラケット29の円環部29bの下面29cには円環形状を有するバウンドストッパ35が固定されている。バウンドストッパ35により、バウンド状態におけるブラケット29の円環部29bと下部リテーナ22との接触が回避される。
鍔部23fは、円環形状を有し、シリンダハウジング23と一体化されている。鍔部23fは、シリンダハウジング23の上端においてシリンダハウジング23の径方向外側に延出している。鍔部23fの外径はブラケット29の内径よりも僅かに小さい。鍔部23fの上面及び下面は、シリンダハウジング23の軸に垂直な面と平行となっている。
ばね装置30Aは、第1コイルばね31、第2コイルばね32A及び第3コイルばね33を含んでいる。第1コイルばね31及び第3コイルばね33は、前述したとおりの構成を備える。
第2コイルばね32Aは第2コイルばね32Aの軸とブラケット29の軸とが一致するように配置されている。第2コイルばね32Aの内径はシリンダハウジング23の外径より大きく、第2コイルばね32Aの外径は鍔部23fの外径より小さい。第2コイルばね32Aの一端(下端)は円環部29bの上面29dに固定されている。第2コイルばね32Aの他端(上端)は、ばね装置30Aが中立状態にある場合、第2コイルばね32Aが圧縮させられることなく鍔部23fの下面23gに当接している。言い換えると、図8に示した中立状態において円環部29bの上面29dと鍔部23fの下面23gとの間の距離は第2コイルばね32Aの自然長と等しい。
次に、図9を参照してサスペンション装置20Aの作動を説明する。図9(A)は、ばね装置30Aの長さが基準長である場合(ばね装置30Aが中立状態にある場合)のばね装置30Aの状態を示す。図9(B)は、ばね装置30Aの長さが基準長よりも短くなっている場合(ばね装置が中立状態にある場合よりも縮んでいる場合、つまり、バウンド状態にある場合)のばね装置30Aの状態を示す。図9(C)は、ばね装置30Aの長さが基準長よりも長くなっている場合(ばね装置が中立状態にある場合よりも伸びている場合、つまり、リバウンド状態にある場合)のばね装置30Aの状態を示す。なお、以下においては、第3コイルばね33がバウンドストッパとして機能するフルバウンド時の状態の説明は省略される。
以下、第1コイルばね31のばね定数をks1、第2コイルばね32Aのばね定数をks2A、第3コイルばね33のばね定数をks3として説明を続ける。
サスペンション装置20Aが図9(B)に示した状態となる場合、上部リテーナ21と下部リテーナ22との距離はばね装置30Aの基準長よりも短くなる。従って、第1コイルばね31は中立状態にある場合に比べて更に圧縮される。この場合、上部リテーナ21に固定されたブラケット29は相対的にシリンダハウジング23の下方に移動するので、シリンダハウジング23の上部に形成された鍔部23fとブラケット29の円環部29bとの距離は大きくなる。
その結果、第2コイルばね32Aは、鍔部23fの下面23gから軸方向において離間する。従って、ばね装置30Aの長さが基準長よりも短くなっている場合(ばね装置30Aが中立状態に対して更に縮んでいる場合)、第2コイルばね32Aはばねとして作用(機能)しない。よって、この場合のばね装置30Aのばね定数k2cAは第1コイルばね31のばね定数ks1と等しい。
これに対し、サスペンション装置20Aが図9(C)に示した状態となる場合、上部リテーナ21と下部リテーナ22との距離はばね装置30Aの基準長よりも大きくなる。従って、第1コイルばね31は、圧縮状態にあるものの、中立状態にある場合に比べて長くなる。言い換えると、第1コイルばね31の長さが自然長に更に近付く。この場合、ブラケット29は相対的にシリンダハウジング23の上部に近付くので、鍔部23fとブラケット29の円環部29bとの距離は小さくなる。
その結果、第2コイルばね32Aは、鍔部23fの下面23gと円環部29bとの間で圧縮される。つまり、ばね装置30Aの長さが基準長よりも長くなっている場合(ばね装置30Aが中立状態に対して伸びている場合)のばね定数k2eAは、第1コイルばね31のばね定数ks1と第2コイルばね32Aのばね定数ks2Aとの和(ks1+ks2A)と等しい。
このように、ばね装置30Aのばね定数は、ばね装置30Aの長さが基準長である状態を境として、バウンド状態におけるばね定数k2cA(=ks1)と、リバウンド状態におけるばね定数k2eA(=ks1+ks2A)と、に切り替わる。
従って、ばね装置30Aは、ばね装置30と同様、上記[条件a]及び上記[条件b]を満たす装置である。よって、サスペンション装置20Aはサスペンション装置20と同様の作用効果を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る車両のサスペンション装置20Bについて説明する。サスペンション装置20Bは、サスペンション装置20における第3コイルばねが、ばね装置30が中立状態にある場合にシリンダハウジング23に当接しているという点のみにおいて、サスペンション装置20と相違している。従って、以下、この相違点を中心に説明する。
図10に示したように、サスペンション装置20Bは、上部リテーナ21、下部リテーナ22、シリンダハウジング23、ピストンロッド24、インナーチューブ25、ピストン26、環状プレート27、ベースバルブ28及びばね装置30Bを含んでいる。
ばね装置30Bは、第1コイルばね31、第2コイルばね32及び第3コイルばね33Aを含んでいる。第1コイルばね31及び第2コイルばね32は、前述したとおりの構成を備える。
第3コイルばね33Aは、第3コイルばね33Aの軸と上部リテーナ21の軸とが一致するように配置されている。第3コイルばね33Aの外径は第1コイルばね31の内径より小さい。第3コイルばね33Aの一端(上端)は上部リテーナ21の下面21aに固定されている。第3コイルばね33Aの他端(下端)は、ばね装置30Bが中立状態にある場合、第3コイルばね33Aが圧縮させられることなくシリンダハウジング23の上部外壁面23bに当接している。言い換えると、図10に示した中立状態において、上部リテーナ21の下面21aとシリンダハウジング23の上部外壁面23bとの間の距離は第3コイルばね33Aの自然長と等しい。
次に、図11を参照してサスペンション装置20Bの作動を説明する。図11(A)は、ばね装置30Bの長さが基準長である場合(ばね装置30Aが中立状態にある場合)のばね装置30Bの状態を示す。図11(B)は、ばね装置30Bの長さが基準長よりも短くなっている場合(ばね装置が中立状態にある場合よりも縮んでいる場合、つまり、バウンド状態にある場合)のばね装置30Bの状態を示す。図11(C)は、ばね装置30Bの長さが基準長よりも長くなっている場合(ばね装置が中立状態にある場合よりも伸びている場合、つまり、リバウンド状態にある場合)のばね装置30Bの状態を示す。
以下、第1コイルばね31のばね定数をks1、第2コイルばね32のばね定数をks2、第3コイルばね33Aのばね定数をks3Aとして説明を続ける。
サスペンション装置20Bが図11(B)に示した状態となる場合、第1コイルばね31は更に圧縮され、第2コイルばね32は上部内壁面23aと軸方向において離間し、更に、第3コイルばね33Aは上部リテーナ21とシリンダハウジング23との間にて軸方向に圧縮される。
つまり、ばね装置30Bの長さが基準長よりも短くなっている場合(ばね装置30Bが中立状態に対して縮んでいる場合)、第1コイルばね31及び第3コイルばね33Aの両方がばねとして作用し、第2コイルばね32はばねとして作用しない。よって、この場合のばね装置30Bのばね定数k2cBは、第1コイルばね31のばね定数ks1と第3コイルばね33Aのばね定数ks3Aとの和(ks1+ks3A)と等しくなる。
これに対し、サスペンション装置20Bが図11(c)に示した状態となる場合、上部リテーナ21と下部リテーナ22との距離はばね装置30Bが基準長よりも大きくなる。従って、第1コイルばね31は、圧縮状態にあるものの、中立状態にある場合に比べて長くなる。言い換えると、第1コイルばね31の長さが自然長に更に近付く。この場合、ピストンロッド24に固定された環状プレート27は相対的にシリンダハウジング23の上部に近付くので、シリンダハウジング23の上部と環状プレート27との距離は小さくなる。その結果、第2コイルばね32は、上部内壁面23aと環状プレート27との間で圧縮される。
更に、この場合、上部リテーナ21とシリンダハウジング23の外壁面23bとの距離が大きくなる。従って、第3コイルばね33Aは、上部外壁面23bから軸方向に離間する。
つまり、ばね装置30Bの長さが基準長よりも長くなっている場合、第1コイルばね31及び第2コイルばね32がばねとして作用し、ばね装置30Bのばね定数k2eBは、第1コイルばね31のばね定数ks1と第2コイルばね32のばね定数ks2との和(ks1+ks2)と等しくなる。
ところで、第2コイルばね32のばね定数ks2及び第3コイルばね33Aのばね定数ks3Aは、第2コイルばね32のばね定数ks2が第3コイルばね33Aのばね定数ks3Aよりも大きいという関係が成立するように設定される(ks3A<ks2)。これにより、ばね定数k2cB(=ks1+ks3A)をリバウンド状態におけるばね定数k2eB(=ks1+ks2)よりも小さくすることができる。
このように、ばね装置30Bのばね定数は、ばね装置30Bの長さが基準長である状態を境として、バウンド状態におけるばね定数k2cBと、リバウンド状態におけるばね定数k2eB(>k2cB)と、に切り替わる。
従って、ばね装置30Bは、ばね装置30と同様、上記[条件a]及び上記[条件b]を満たす装置である。よって、サスペンション装置20Bはサスペンション装置20と同様の作用効果を得ることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る車両のサスペンション装置200について説明する。サスペンション装置200は、ばね装置30が空気ばねにより構成されているという点において、サスペンション装置20と相違している。
(構成)
図12に示したように、サスペンション装置200は、エアサスペンションアクチュエータ210、エアサスペンション230、車高センサ240及びエアサスペンションECU250を含んでいる。サスペンション装置200は、所謂「エアサスペンション装置」である。
エアサスペンションECU250は、エアサスペンションアクチュエータ210に電気的に接続されている。エアサスペンション230は、車両のフロント右、フロント左、リア右及びリア左の各車輪をそれぞれ懸架している。エアサスペンションアクチュエータ210は各エアサスペンション230に接続されている。
より具体的に述べると、エアサスペンション230は、フロント右サスペンション231、フロント左サスペンション232、リア右サスペンション233及びリア左サスペンション234を含む。
フロント右サスペンション231は、ダイヤフラムを含むエアスプリング(以下、「メインチャンバ」とも称呼する。)211、サブチャンバ211s及びショックアブソーバ231aを含んでいる。
ショックアブソーバ231aは、ピストンロッドとオイルを封入したシリンダとにより構成され、ピストンロッドが伸縮すると、オイルがシリンダ内を移動する際の抵抗により減衰力を発生するようになっている。
フロント左サスペンション232、リア右サスペンション233及びリア左サスペンション234のそれぞれは、フロント右サスペンション231と実質的に同じ構造を有するので説明を省略する。なお、図面に付された符号のみをもって対応関係を記述すると、212、213及び214のそれぞれは211に対応するメインチャンバであり、212s、213s及び214sのそれぞれは211sに対応するサブチャンバであり、232a、233a及び234aのそれぞれは231aに対応するショックアブソーバである。
エアサスペンションアクチュエータ210は、モータ215a、コンプレッサ215b、逆止弁215c、フロント車高調整バルブ216、リア車高調整バルブ217、排気バルブ218、フロントチャンバ容積変更バルブ219及びリアチャンバ容積変更バルブ220(及びエアドライヤ225)を含んでいる。
モータ215aはコンプレッサ215bを駆動する。モータ215aはエアサスペンションECU250により制御される。コンプレッサ215bはエアサスペンションECU250からの指示によって駆動されたとき空気を圧縮し、その圧縮された空気を空気配管PAに供給する。逆止弁215cは、コンプレッサ215bから空気配管PAへの空気の流れのみを許容し、その逆方向の空気の流れを阻止する。
フロント車高調整バルブ216は、フロント右用制御バルブ216Rと、フロント左用制御バルブ216Lと、を備える。フロント右用制御バルブ216Rは、連通位置及び遮断位置の何れか一方を択一的に選択する2位置電磁弁である。フロント右用制御バルブ216Rが連通位置にあるとき、空気配管PAと空気配管PFr及びメインチャンバ211(及びサブチャンバ211s)とが連通される。一方、フロント右用制御バルブ216Rが遮断位置にあるとき、空気配管PAと空気配管PFr及びメインチャンバ211とは遮断される。フロント右用制御バルブ216Rは、エアサスペンションECU250により制御される。フロント左用制御バルブ216Lは、フロント右用制御バルブ216Rと同じ構造及び機能を有するので、説明を省略する。
リア車高調整バルブ217は、リア右用制御バルブ217Rと、リア左用制御バルブ217Lと、を備える。リア右用制御バルブ217Rはフロント右用制御バルブ216Rと同じ構造及び機能を有し、リア左用制御バルブ217Lはリア右用制御バルブ217Rと同じ構造及び機能を有するので、説明を省略する。
排気バルブ218は、連通位置及び遮断位置の何れか一方を択一的に選択する2位置電磁弁である。排気バルブ218が連通位置にあるとき、空気配管PAが大気に開放される。一方、排気バルブ218が遮断位置にあるとき、空気配管PAは大気に開放されない。排気バルブ218は、エアサスペンションECU250により制御される。
フロントチャンバ容積変更バルブ219は、フロント右チャンバ容積変更バルブ219Rと、フロント左チャンバ容積変更バルブ219Lと、を備える。フロント右チャンバ容積変更バルブ219Rは、連通位置及び遮断位置の何れか一方を択一的に選択する2位置電磁弁である。フロント右チャンバ容積変更バルブ219Rはメインチャンバ211とサブチャンバ211sとを連通する連通路PBに介装されている。フロント右チャンバ容積変更バルブ219Rが連通位置にあるとき、メインチャンバ211とサブチャンバ211sとが連通状態とされる。一方、フロント右チャンバ容積変更バルブ219Rが遮断位置にあるとき、メインチャンバ211とサブチャンバ211sとが遮断状態とされる。フロント左チャンバ容積変更バルブ219Lはフロント右チャンバ容積変更バルブ219Rと同じ構造及び機能を有しているので、説明を省略する。
リアチャンバ容積変更バルブ220は、リア右チャンバ容積変更バルブ220Rと、リア左チャンバ容積変更バルブ220Lと、を備える。リア右チャンバ容積変更バルブ220Rはフロント右チャンバ容積変更バルブ219Rと同じ構造及び機能を有し、リア左チャンバ容積変更バルブ220Lはリア右チャンバ容積変更バルブ220Rと同じ構造及び機能を有しているので、説明を省略する。
エアドライヤ225はエアサスペンションアクチュエータ210内の湿度を所定値以下の値に維持する。
エアサスペンションECU250は、車高センサ240と電気的に接続されている。車高センサ240は、フロント右車高センサ241、フロント左車高センサ242、リア右車高センサ243及びリア左車高センサ244を含んでいる。
フロント右車高センサ241は、ショックアブソーバ231aの底面が固定されるロアアーム52の上面とエアサスペンション231の図示しないトッププレートが固定される車体41のマウント部43の下面との距離X(以下、「二点間の距離X」とも称呼する。)を測定する。フロント右車高センサ241は、例えば、レーザの反射を利用して二点間の距離Xを測定する。
即ち、フロント右車高センサ241は、ばね上部材40とばね下部材50との距離を検出する。二点間の距離Xと前述したストローク量との関係は以下のように説明される。例えば、ばね装置300のストローク量が基準ストローク量であるときの二点間の距離XをX0とすると、ばね装置300が基準ストローク量からX1だけストロークした(縮んだ)ときの二点間の距離Xは、X0−X1と表される。フロント左車高センサ242はフロント右車高センサ241と同じ構造及び機能を有しているので、説明を省略する。リア右車高センサ243はフロント右車高センサ241と同じ構造及び機能を有し、リア左車高センサ244はリア右車高センサ243と同じ構造及び機能を有しているので、説明を省略する。
エアサスペンションECU250は、車高センサ240が検出した二点間の距離Xが基準値Xth(ストローク量が「閾値ストローク量」であるときの二点間の距離X)以下である場合、バウンド状態(即ち、エアサスペンション230が縮んでいる状態)にあると判定する。一方、車高センサ240が検出した二点間の距離Xが基準値Xthより大きい場合、エアサスペンションECU250は、リバウンド状態(即ち、エアサスペンション230が伸びている状態)にあると判定する。
メインチャンバ211乃至214のそれぞれは「主室」とも称呼される。サブチャンバ211s乃至214sのそれぞれは「副室」とも称呼される。メインチャンバ211及びサブチャンバ211s乃至メインチャンバ214及びサブチャンバ214sはそれぞれ「空気ばね」とも称呼される。
フロント右チャンバ容積変更バルブ219R、フロント左チャンバ容積変更バルブ219L、リア右チャンバ容積変更バルブ220R及びリア左チャンバ容積変更バルブ220Lのそれぞれは「切替弁」とも称呼される。更に、空気ばね(メインチャンバ211及びサブチャンバ211s乃至メインチャンバ214及びサブチャンバ214s)及びエアサスペンションアクチュエータ210は「ばね装置300」とも称呼される。
従って、車高センサ240が検出した二点間の距離Xが基準値Xth以下である場合、ばね装置300が「メインチャンバ(主室)211の容積Vmがばね装置300の基準値Xthにおける容積Vmcから減少する」方向に変形している場合であると言える。一方、車高センサ240が検出した二点間の距離Xが基準値Xthより大きい場合、ばね装置300が「メインチャンバ(主室)211の容積Vmがばね装置300の基準値Xthにおける容積Vmcから増大する」方向に変形している場合であると言える。
従って、エアサスペンションECU250は、ばね装置300がメインチャンバ211の容積Vmが容積Vmcから減少する方向に変形しているとき、バウンド状態にあると判定する。一方、エアサスペンションECU250は、ばね装置300がメインチャンバ211の容積Vmが容積Vmcから増大する方向に変形しているとき、リバウンド状態にあると判定する。
エアサスペンションECU250は、所定の閾値ストローク量に対してばね装置300がメインチャンバ211の容積Vmが減少する方向に変形しているとき、即ち、ストローク量が閾値ストローク量よりも大きいとき、フロント右チャンバ容積変更バルブ219R(切替弁)を連通状態とする。これにより、メインチャンバ211とサブチャンバ211sとが連通され、空気ばね全体の容積が増大する。この場合、空気ばね全体の容積は、メインチャンバ211の容積Vmとサブチャンバ211sの容積Vsとの和となる。
一方、エアサスペンションECU250は、所定の閾値ストローク量に対してばね装置300がメインチャンバ211の容積Vmが増大する方向に変形しているとき、即ち、ストローク量が閾値ストローク量よりも小さいとき、フロント右チャンバ容積変更バルブ219R(切替弁)を遮断状態とする。つまり、エアサスペンションECU250は、メインチャンバ211とサブチャンバ211sとを遮断する。これにより、空気ばね全体の容積はメインチャンバ211の容積Vmとなる。
ところで、サスペンション装置200のばね定数kasは、一般的なエアサスペンション装置と同様に次式により求められる。

kas=n・P・A2 /V …(7)
上式において、nはポリトロープ指数、Pはエア圧力、Aはメインチャンバの有効受圧面積、Vは空気室の容積をそれぞれ表している。サスペンション装置200がバウンド状態となり、メインチャンバ211とサブチャンバ211sとの間が連通している(フロント右チャンバ容積変更バルブ219Rが連通位置にある)場合を考える。この場合、空気室の容積Vはメインチャンバ211の容積Vmとサブチャンバ211sの容積Vsとの和(Vm+Vs)となる。一方、サスペンション装置200がリバウンド状態となり、メインチャンバ211とサブチャンバ211sとの間が遮断している(フロント右チャンバ容積変更バルブ219Rが遮断位置にある)場合、空気室の容積Vはメインチャンバ211の容積Vmとなる。
従って、メインチャンバ211とサブチャンバ211sとの間が連通しているときのばね定数をkas1、メインチャンバ211とサブチャンバ211sとの間が遮断しているときのばね定数をkas2とすると、kas1はkas2よりも小さくなる。このように、サスペンション装置200は、バウンド状態となるときとリバウンド状態となるときとの間においてばね装置300のばね定数を変更することができる。
(具体的作動)
サスペンション装置200の具体的作動について図13を参照しながら説明する。エアサスペンションECU250のCPUは、所定時間が経過する毎に図13にフローチャートにより示したばね定数変更ルーチンを実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは図13のステップ1300から処理を開始してステップ1310に進み、二点間の距離Xが基準値Xth以下であるか否かを判定する。
二点間の距離Xが基準値Xth以下である場合、CPUはステップ1310にて「Yes」と判定してステップ1320に進み、フロントチャンバ容積変更バルブ219及びリアチャンバ容積変更バルブ220を連通位置とし、ステップ1395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、二点間の距離Xが基準値Xthよりも大きい場合、CPUはステップ1310にて「No」と判定してステップ1330に進み、フロントチャンバ容積変更バルブ219及びリアチャンバ容積変更バルブ220を遮断位置とし、ステップ1395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上、サスペンション装置200は、ばね装置300のストローク量が閾値ストローク量よりも大きいときフロントチャンバ容積変更バルブ219及びリアチャンバ容積変更バルブ220(切替弁)を連通状態に設定し、ストローク量が閾値ストローク量よりも小さいときフロントチャンバ容積変更バルブ219及びリアチャンバ容積変更バルブ220(切替弁)を遮断状態に設定する。上記説明から理解されるように、サスペンション装置200はサスペンション装置20、サスペンション装置20A及びサスペンション装置20Bと同様の作用効果を得ることができる。
<変形例>
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、以下に述べるように、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
サスペンション装置20において、第2コイルばね32の上端は固定されておらず、第2コイルばね32の下端は環状プレート27の上面27aに固定されていたが、第2コイルばね32は、そのどちらか一端が固定され、他端が固定されないように構成されればよい。例えば、第2コイルばね32は、その一端(上端)が上部内壁面23aに固定され、他端(下端)が環状プレート27の上面27aに当接していてもよい。
サスペンション装置20において、第3コイルばね33の上端は上部リテーナ21の下面21aに固定され、第3コイルばね33の下端は固定されていなかったが、第3コイルばね33は、そのどちらか一端が固定され、他端が固定されないように構成されればよい。例えば、第3コイルばね33は、その一端(下端)がシリンダハウジング23の上部外壁面23bに固定されていてもよい。
サスペンション装置20Aにおいて、第2コイルばね32Aの上端は固定されておらず、第2コイルばね32Aの下端は円環部29bの上面29dに固定されていたが、第2コイルばね32Aは、そのどちらか一端が固定され、他端が固定されないように構成されればよい。例えば、第2コイルばね32Aは、その一端(上端)が鍔部23fの下面23gに固定され、他端(下端)が円環部29bの上面29dに当接していてもよい。
サスペンション装置20Bにおいて、第3コイルばね33Aの上端は上部リテーナ21の下面21aに固定され、第3コイルばね33Aの下端は固定されていなかったが、第3コイルばね33Aは、そのどちらか一端が固定され、他端が固定されないように構成されればよい。例えば、第3コイルばね33Aは、その一端(下端)がシリンダハウジング23の上部外壁面23bに固定され、他端(上端)が上部リテーナ21の下面21aに当接していてもよい。
10…車両、20…サスペンション装置、21…上部リテーナ、22…下部リテーナ、23…シリンダハウジング、25…インナーチューブ、26…ピストン、27…環状プレート、28…ベースバルブ、30…ばね装置、31…第1コイルばね、32…第2コイルばね、33…第3コイルばね、40…ばね上部材、41…車体、42…シート、43…マウント部、50…ばね下部材、200…エアサスペンション装置、210…エアサスペンションアクチュエータ、230…エアサスペンション、240…変位センサ、250…エアサスペンションECU。

Claims (1)

  1. 着座面に入力される荷重であるシート荷重が大きくなるほど当該シート荷重の単位変化量に対する当該着座面の変位量が小さくなるシートであって前記着座面と車両のばね上部材との間に介装され且つ前記着座面を前記ばね上部材に対して弾性的に支持するシートを備える前記車両に適用され、
    前記ばね上部材と前記車両のばね下部材との間に介装され且つ前記ばね上部材を前記ばね下部材に対して弾性的に支持するばね装置を備える、車両のサスペンション装置において、
    乗員が前記シートに着座したときの前記ばね装置のストローク量を基準ストローク量と規定し、
    記ばね装置が縮む方向に変位するほど前記ストローク量が正方向に大きくなると規定した場合
    前記ばね装置は、
    記ストローク量が前記基準ストローク量よりも大きいときの前記ばね装置のばね定数が、前記ストローク量が前記基準ストローク量よりも小さいときの前記ばね装置のばね定数以下であるという特性を有するように、
    前記ばね上部材と前記ばね下部材との間に配設され且つバネ定数が第1の値k1のコイルばねである第1ばねと、
    前記ばね上部材と前記ばね下部材との間に配設され且つバネ定数が第2の値k2のコイルばねである第2ばねと、
    を備え、
    前記第1ばねは、
    前記ばね上部材と前記ばね下部材とによって常時圧縮されるように配設されており、
    前記第2ばねは、
    前記ストローク量が閾値ストローク量よりも小さい場合に前記ばね上部材と前記ばね下部材とによって圧縮され、前記ストローク量が前記閾値ストローク量よりも大きい場合に前記ばね上部材と前記ばね下部材とによって圧縮も伸長もされないように配設されていて、
    前記ばね装置が、
    前記ストローク量が前記基準ストローク量に対して正の所定量だけ大きいストローク量以上であるときのばね定数が前記第1の値k1に維持され、前記ストローク量が前記基準ストローク量に対して前記正の所定量だけ小さいストローク量以下であるときのばね定数が前記第1の値k1と前記第2の値k2との和(k1+k2)に維持され、前記ストローク量が前記基準ストローク量に対して前記正の所定量だけ大きいストローク量以上であるときのばね定数(k1)が前記ストローク量が前記基準ストローク量に対して前記正の所定量だけ小さいストローク量以下であるときのばね定数(k1+k2)よりも小さいという特性を有する、
    車両のサスペンション装置。
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