JP2014205424A - 車高制御装置 - Google Patents

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【課題】旋回時に車体が外側に傾斜することをより抑制できる車高制御装置を提供すること。
【解決手段】車高制御装置としてのECU30は、旋回時に旋回内側の車輪2を支持するアブソーバ10の中立位置を、旋回外側の車輪2を支持するアブソーバ10の中立位置よりも低くする。ECU30は、非旋回時に、各アブソーバ10の中立位置が、各アブソーバ10に横方向の力が作用した時に生じる摩擦力が最小となる位置に、各アブソーバ10を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車高制御装置に関する。
従来、車両の姿勢を制御する技術が提案されている。例えば、特許文献1の車高制御装置は、旋回時に旋回内側の車輪を支持するアブソーバの中立位置を旋回外側の車輪を支持するアブソーバの中立位置をよりも低くする。特許文献1の車高制御装置は、旋回時に車体が外側に傾斜することを抑制して、車両の操縦安定性が損なわれることを抑制する。
特開昭62−299416号公報
前述した車高制御装置では、なお改善の余地がある。例えば、車高制御装置は、旋回時に車体が外側に傾斜することをより抑制できることが望まれている。
本発明の目的は、旋回時に車体が外側に傾斜することをより抑制することができる車高制御装置を提供することである。
本発明の車高制御装置は、旋回時に、旋回内側の車輪を支持するアブソーバの中立位置を旋回外側の車輪を支持するアブソーバの中立位置よりも低くする車高制御装置において、各アブソーバの非旋回時の中立位置が、各アブソーバに横方向の力が作用した時に生じる摩擦力が最小となる位置に、各アブソーバの伸縮を制御することを特徴とする。
上記車高制御装置において、前記アブソーバに横方向の力が作用した時に生じる摩擦力は、非旋回時にピストンユニットとシリンダの接触箇所で発生する摩擦力を含んでいることが好ましい。
上記車高制御装置において、前記アブソーバのシリンダ内のピストンの移動可能範囲の長さをLtとし、前記非旋回時の前記ピストンの前記移動可能範囲の下死点からの位置をLとし、前記ピストンに取り付けられたロッドとロッドガイドとの摩擦係数をμ1とし、前記ピストンと前記シリンダとの摩擦係数をμ2とすると、非旋回時に、L=(−(μ2/μ1)+((μ2/μ1)+(μ2/μ1))1/2)×Ltを満たすように、各アブソーバの伸縮を制御することが好ましい。
上記車高制御装置において、前記アブソーバのシリンダ内のピストンの移動可能範囲の長さをLtとし、前記非旋回時の前記ピストンの前記移動可能範囲の下死点からの位置をLとすると、非旋回時に、L=0.414Ltを満たすように、各アブソーバの伸縮を制御することが好ましい。
本発明に係る車高制御装置は、旋回時に車体が外側に傾斜することをより抑制することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る車高制御装置を備えた車両用サスペンション装置の概略構成を示す図である。 図2は、実施形態に係る車高制御装置により制御されるアブソーバの概略構成を示す縦断面図である。 図3は、実施形態に係る車高制御装置により制御されるアブソーバの作用する力を概略的に示す図である。 図4は、実施形態に係る車高制御装置により制御されるアブソーバのピストンユニットに作用する力を概略的に示す図である。 図5は、実施形態に係る車高制御装置により制御されるアブソーバのシリンダに作用する力を概略的に示す図である。 図6は、実施形態に係る車高制御装置によるアブソーバの伸縮制御のフローチャートの一例である。 図7は、ピストンのシリンダに対する位置を適宜変化させた時の摩擦力の変化を示す図である。 図8は、本発明品と比較例との乗り心地を示す図である。 図9は、図8中のIXを拡大して示す図である。 図10は、本発明品と比較例との操安性を示す図である。 図11は、図10中のXIを拡大して示す図である。
以下に、本発明の実施形態に係る車高制御装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
本発明の実施形態に係る車高制御装置を図面に基いて説明する。図1は、実施形態に係る車高制御装置を備えた車両用サスペンション装置の概略構成を示す図、図2は、実施形態に係る車高制御装置により制御されるアブソーバの概略構成を示す縦断面図である。
本発明の実施形態に係る車高制御装置としてECU30(図1に示す)は、自動車3などの車両に搭載される車両用サスペンション装置(図1に示し、以下、単に、サスペンション装置と記す)1を構成する。
図1に示されたサスペンション装置1は、例えば、車輪2として、左右一対の前輪と、左右一対の後輪とを備える自動車3に搭載される。サスペンション装置1は、図1に示すように、複数のアブソーバ10と、エアサスペンションシステム20と、車高制御装置としてECU30とを備えている。
アブソーバ10は、自動車3の各車輪2と一対一で対応して設けられ、各車輪2を自動車3の車体に支持するものである。アブソーバ10は、自動車3のバネ上部材4とバネ下部材5との間に設けられている。バネ上部材4は、アブソーバ10によって支持される部材であり、車体を含むものである。バネ下部材5は、アブソーバ10よりも車輪2側に配置された部材であり、車輪2、車輪2に連結されたナックルや、ナックルに連結されたロアアーム、ブラケット等を含むものである。
アブソーバ10は、バネ上部材4とバネ下部材5とを接続し、バネ上部材4とバネ下部材5との相対移動を減衰させる減衰力を発生させる。バネ上部材4とバネ下部材5との相対移動とは、バネ上部材4とバネ下部材5とが伸縮方向において接近あるいは離間する方向の相対移動である。アブソーバ10は、この相対移動におけるバネ上部材4とバネ下部材5との相対速度に応じた減衰力を発生させることで相対移動を減衰させる。なお、ここでは、伸縮方向は、鉛直方向に沿った方向であるものとして図示しているが、鉛直方向に対して所定の傾斜を有していてもよい。
アブソーバ10は、図2に示すように、バネ上部材4あるいはバネ下部材5の一方に接続され、作動油(作動流体に相当)が封入されたシリンダ11と、他方に接続されシリンダ11内を往復動するピストン13を有するピストンユニット12と、ロッドガイド14とを備えている。
シリンダ11は、下端が閉塞しかつ上端が開放した円筒状に形成され、粘性によって流体抵抗を発生する前述の作動油が封入されている。シリンダ11の上方の開口は、ロッドガイド14により閉塞されている。シリンダ11は、ロッドガイド14により、シリンダ11の内側が外側から遮断されてシリンダ11内が密閉されている。本実施形態では、シリンダ11には、前述したバネ下部材5が取り付けられている。
ピストンユニット12は、シリンダ11内に収容されるピストン13と、ピストン13から上方に延在したロッド15とを備えている。ピストン13は、シリンダ11内に移動可能に設けられている。ピストン13は、シリンダ11内の空間をピストン13よりも上側のピストン上室16とピストン13よりも下側のピストン下室17とに仕切っている。また、ピストン13は、作動油が通るポート(図示せず)やポートを開閉するバルブ(図示せず)が設けられており、ポートやバルブによって発生する作動油の流体抵抗を受けながらシリンダ11内を移動する。ロッド15は、ピストン13から上方に延在してピストン上室16内に通されている。ピストンユニット12のロッド15の上端部は、シリンダ11外に突出している。
また、シリンダ11の上方の開口を閉塞したロッドガイド14は、ロッド15を内側に通す。ロッドガイド14は、内側にロッド15を通すことで、ロッド15をシリンダ11外に突出させている。また、ロッドガイド14は、ロッド15の長手方向に沿って移動可能に内側にロッド15を通しており、内面とロッド15との間から作動油が漏れることを抑制して、シリンダ11内に作動油を封入している。また、ロッドガイド14は、内側に通すロッド15の移動方向を案内する。本実施形態では、ロッド15の上端部には、前述したバネ上部材4が取り付けられている。
エアサスペンションシステム20は、自動車3の車高を変更する、即ち、アブソーバ10を伸縮させるものである。エアサスペンションシステム20は、図1に示すように、複数のエアばね21と、ハイトコントロールバルブ22と、圧縮空気供給部23とを備えている。
エアばね41とハイトコントロールバルブ22は、自動車3の車輪2と一対一で対応して設けられている。エアばね41は、アブソーバ10とともに、車輪2を自動車3の車体に支持する所謂エアサスペンションであり、かつ自動車3の車高を調整する車高調整機能を有している。また、エアばね21は、バネ上部材4とバネ下部材5との相対変位に応じたバネ力を発生させ、そのバネ力をバネ上部材4およびバネ下部材5に作用させる。
エアばね41は、車体側外殻部材21a、車輪側外殻部材21bおよびローリングダイアフラム21cを有する。車体側外殻部材21aは、ロッド15に連結されており、ロッド15と共にアブソーバ10の軸方向に移動することができる。また、車体側外殻部材21aは、バネ上部材4を支持している。
車輪側外殻部材21bは、アブソーバ10のシリンダ11に連結されている。すなわち、車輪側外殻部材21bは、シリンダ11を介して、バネ下部材5によって支持されている。
ローリングダイアフラム21cは、車体側外殻部材21aと車輪側外殻部材21bとを接続している。車体側外殻部材21a、ローリングダイアフラム21cおよび車輪側外殻部材21bによって、空気室21dが形成されている。各エアばね41の空気室21dには、エア配管24が接続されている。
エア配管24には、圧縮空気供給部23が接続している。圧縮空気供給部23は、周知のフィルタやコンプレッサなどを備えている。圧縮空気供給部23は、フィルタを介して吸入した作動気体としての空気をコンプレッサが圧縮して、各エアばね21の空気室21dに供給する。
ハイトコントロールバルブ22は、エア配管24における圧縮空気供給部23と各エアばね21の空気室21dとの流路を開閉するものである。ハイトコントロールバルブ22は、圧縮空気供給部23のコンプレッサの作動時に流路を開放すると、圧縮空気供給部23から吐出された空気がエアばね41の空気室21dに流入する。これにより、車体側外殻部材21aは、上側に向けて車輪側外殻部材21bに対して相対移動する。つまり、車体側外殻部材21aと車輪側外殻部材21bとはアブソーバ10の軸方向において離間する方向に相対移動する。その結果、アブソーバ10のピストン13及びロッド15がシリンダ11内を上方に向けて移動して、アブソーバ10が伸張するとともに、バネ上部材4がバネ下部材5に対して離間する。つまり、自動車3の車高が高くなる。
また、エア配管24などには、図示しない排気バルブが接続している。排気バルブは、大気圧よりも低い気圧に保たれた低圧タンクに接続されたり大気解放されている。排気バルブは、開くことで、エア配管24を通してエアばね21の空気室21d内の気体を低圧タンクに導いたり外部に排出する。排気バルブは、圧縮空気供給部23のコンプレッサが停止され、ハイトコントロールバルブ22とともに開かれると、エアばね21の空気室21d内の気体を空気室21d外に排出する。空気室21d内の空気が排出されることで、車体側外殻部材21aは、下側に向けて車輪側外殻部材21bに対して相対移動する。つまり、車体側外殻部材21aと車輪側外殻部材21bとはアブソーバ10の軸方向において互いに接近する方向に相対移動する。従って、エア配管24に圧縮空気が供給されておらず、かつ排気バルブが開かれた状態で、ハイトコントロールバルブ22が開かれると、アブソーバ10のピストン13及びロッド15がシリンダ11内を下方に向けて移動して、アブソーバ10が縮小するとともに、バネ上部材4がバネ下部材5に対して近付く。つまり、自動車3の車高が低くなる。
エアサスペンションシステム40は、車高制御装置としてのECU30によって制御される。ECU30は、例えばコンピュータを有する電子制御ユニットである。ECU30は、自動車3の旋回時に、旋回内側の車輪2を支持するアブソーバ10の中立位置を旋回外側の車輪2を支持するアブソーバ10の中立位置よりも低くするように、エアサスペンションシステム40の圧縮空気供給部23、排気バルブ、各ハイトコントロールバルブ22など即ちアブソーバ10の伸縮を制御する。なお、中立位置とは、アブソーバ10に横方向の力が作用しないと仮定したときのシリンダ11に対するピストン13の位置をいい、あくまでも各アブソーバ10におけるシリンダ11に対するピストン13の位置の制御目標値である。即ち、中立位置の各アブソーバ10に横方向の力が作用すると、横方向の力の向きや大きさに応じて、シリンダ11内でピストン13が移動して、アブソーバ10は伸縮する。横方向の力とは、シリンダ11及びピストン13の軸心方向に直交する方向の力をいう。
ECU30には、自動車3の走行状態を検出するセンサ70が接続されている。本実施形態では、舵角センサ74および車高センサ75がECU30に接続されている。
舵角センサ74は、運転者によって操作されるステアリングホイールの操作量(操舵角)を検出することができる。車高センサ75は、自動車3の車高を検出することができる。車高センサ75は、各車輪2に対応してそれぞれ配置されている。車高センサ75は、各車輪2近傍における車高、すなわち車輪2が接地する路面に対する車体の高さ位置を検出することができる。各センサ74,75の検出結果を示す信号は、それぞれECU30に出力される。なお、ECU30は、電源回路76から供給される電力によって作動する。
ECU30は、各車輪2のエアばね41を制御することにより、各車輪2の車高を他の車輪2の車高と独立して増減させることが可能である。例えば、ECU30は、自動車3の旋回時には、旋回内側の車輪2のエアばね41の空気室21d内の空気量を非旋回時よりも減少させ、旋回外側の車輪2のエアばね41の空気室21d内の空気量を非旋回時よりも増加させる。こうして、ECU30は、自動車3の旋回時には、旋回内側の車輪2を支持するアブソーバ10の中立位置を非旋回時の中立位置よりも低くし、かつ旋回外側の車輪2を支持するアブソーバ10の中立位置を非旋回時の中立位置よりも高くする。また、ECU30は、乗員や積載量にかかわらず一定の車高を保持するオートレベリング制御を実行することができる。オートレベリング制御は、例えば、各車高センサ75によって検出された各車輪の車高に基づいて、一定の車高を保持するようにエアサスペンションシステム40即ちアブソーバ10の伸縮を制御するものである。
本実施形態のオートレベリング制御では、ECU30は、非旋回時には、各アブソーバ10の中立位置即ちシリンダ11に対するピストン13の位置が、アブソーバ10の横方向の力が作用した時に生じるシリンダ11に対するピストン13の摩擦力が最小となる位置に、圧縮空気供給部23、排気バルブ、各ハイトコントロールバルブ22即ちアブソーバ10の伸縮を制御する。なお、アブソーバ10の横方向の力が作用した時に生じる摩擦力は、非旋回時にピストンユニット12とシリンダ11との接触箇所で発生する摩擦力を含んでいる。具体的には、ECU30は、非旋回時には、以下の式1を満たすように、エアサスペンションシステム20の圧縮空気供給部23、排気バルブ、各ハイトコントロールバルブ22などを制御する。式1では、アブソーバ10のシリンダ11内のピストン13の移動可能範囲の軸方向の長さをLt(図2に示す)とし、ピストン13の移動可能範囲の下死点からの位置(距離)をL(図2に示す)としている。図2では、ピストン13の移動可能範囲を、シリンダ11の下面とロッドガイド14との間とし、ピストン13の下死点をシリンダ11の下面とし、ピストン13の位置をこのピストン13の厚み方向の中央としているが、本発明では、これらに限定されることは無い。
Figure 2014205424
また、本発明では、ECU30は、式1の代わりに、以下の式2を満たすように、エアサスペンションシステム20の圧縮空気供給部23、排気バルブ、各ハイトコントロールバルブ22などを制御しても良い。式2では、ロッド15とロッドガイド14との摩擦係数(静止摩擦係数と動摩擦係数の少なくとも一方)をμ1とし、ピストン13とシリンダ11との摩擦係数(静止摩擦係数と動摩擦係数の少なくとも一方)をμ2としている。摩擦係数μ1,μ2は、予め記憶しておいたり、車高センサ75の検出結果などを用いて算出しても良い。
Figure 2014205424
なお、前記式1及び式2は、以下のように求められている。自動車3の非旋回時に車体に横方向の力が作用した際には、アブソーバ10の各部位には、図3に示すように、力Fy,Fy1,Fy2が作用して、ピストン13をシリンダ11内で移動させようとするアブソーバ発生力Fz(アブソーバ10に横方向の力が作用した時に生じる摩擦力に相当)が生じる。図3は、実施形態に係る車高制御装置により制御されるアブソーバの作用する力を概略的に示す図である。
なお、前述した横方向の力により、ロッド15の上端には、アブソーバ10の軸方向に直交するロッド先端横力Fyが作用し、ピストン13には、アブソーバ10の軸方向に直交しかつロッド先端横力Fyと同じ向きのピストン横力Fy2が作用する。また、ロッドガイド14には、アブソーバ10の軸方向に直交し、かつロッド先端横力Fy及びピストン横力Fy2と逆向きのガイド横力Fy1が作用する。また、アブソーバ発生力Fzは、アブソーバ10の軸方向に沿って、ロッド15及びシリンダ11に作用する。
そして、図3に示された場合では、ピストンユニット12には、図4に示すように、力Fy,Fy1,Fy2,Fz,Fz1,Fz2,Fdが作用し、シリンダ11には、図5に示すように、力Fy1,Fy2,Fz,Fz1,Fz2が作用する。図4は、実施形態に係る車高制御装置により制御されるアブソーバのピストンユニットに作用する力を概略的に示す図、図5は、実施形態に係る車高制御装置により制御されるアブソーバのシリンダに作用する力を概略的に示す図である。
ピストンユニット12には、図4に示すように、ロッド先端横力Fy、ガイド横力Fy1、ピストン横力Fy2及びアブソーバ発生力Fzが作用する。ピストンユニット12には、アブソーバ発生力Fzによりアブソーバ発生力Fzと逆向きのロッドガイド14との摩擦力Fz1が、ロッド15のロッドガイド14との接触箇所に作用する。ピストンユニット12には、アブソーバ発生力Fzによりアブソーバ発生力Fzと逆向きのシリンダ11との摩擦力Fz2が、ピストン13に作用する。なお、摩擦力Fz1,Fz2は、非旋回時にピストンユニット12とシリンダ11との接触箇所で発生する摩擦力に相当し、アブソーバ発生力Fzを構成する(に含まれている)。ピストンユニット12には、アブソーバ発生力Fzによりピストンロッド15がシリンダ11に対して移動すると、アブソーバ発生力Fzと逆向きの減衰力Fdが、ピストン13に作用する。
シリンダ11には、図5に示すように、ガイド横力Fy1、ピストン横力Fy2及びアブソーバ発生力Fzが作用する。さらに、シリンダ11には、アブソーバ発生力Fzによりロッド15との摩擦力Fz1が、ロッドガイド14に作用する。シリンダ11には、アブソーバ発生力Fzによりピストン13との摩擦力Fz2が、ピストン13との接触箇所に作用する。
すると、図4によれば、ピストンユニット12の軸方向の力が釣り合うので、以下の式3が成立し、ピストンユニット12の回転モーメントが釣り合うので、以下の式4及び式5が成立し、摩擦力Fz1,Fz2により、以下の式6及び式7が成立する。
Figure 2014205424
Figure 2014205424
Figure 2014205424
Figure 2014205424
Figure 2014205424
また、図5によれば、シリンダ11の回転モーメントが釣り合うので、以下の式8及び式9が成立する。
Figure 2014205424
Figure 2014205424
これら式3〜式9によれば、以下の式10が成立する。
Figure 2014205424
式10において、アブソーバ発生力Fzは、ピストン13の位置Lの関数で示されているので、アブソーバ発生力Fzを最小値とするのは、FzをLで微分した値が零となるLの値である。このために、式10をLで微分すると、以下の式11が成立する。
Figure 2014205424
式11からLを求めようとすると、以下の式12から式16が成立し、Lを式17に示すように求めることができる。
Figure 2014205424
Figure 2014205424
Figure 2014205424
Figure 2014205424
Figure 2014205424
Figure 2014205424
ここで、式17において、ロッド15とロッドガイド14との摩擦係数μ1と、ピストン13とシリンダ11との摩擦係数μ2とが等しいと仮定すると、以下の式18が成立する。
Figure 2014205424
このように、本実施形態のECU30は、非旋回時に、式1又は式2を満たすように、エアサスペンションシステム20の圧縮空気供給部23、排気バルブ、各ハイトコントロールバルブ22などを制御することで、各アブソーバ10に横方向の力が作用した時に生じるシリンダ11に対するピストン13の摩擦力Fzが最小値となる。そして、式1又は式2を満たすように、エアサスペンションシステム20の圧縮空気供給部23、排気バルブ、各ハイトコントロールバルブ22などを制御した状態で、自動車3が旋回すると、ECU30は、旋回内側の車輪2を支持するアブソーバ10の中立位置を非旋回時よりも低くし即ちアブソーバ10を縮小させ、旋回外側の車輪2を支持するアブソーバ10の中立位置を非旋回時よりも高くし即ちアブソーバ10を伸張させる。特に、ECU30は、旋回時の自動車3の重心の位置が非旋回時の自動車3の重心の位置から変化しないように、アブソーバ10を伸縮させるのが望ましい。
このように、自動車3が旋回すると、ECUは、旋回内側のアブソーバ10を旋回外側のアブソーバ10よりも縮小させるので、旋回時のアンチロール性を向上させる。さらに、ECUは、非旋回時には、アブソーバ10の中立位置が、各アブソーバ10に横方向の力が作用した時に生じるシリンダ11に対するピストン13の摩擦力Fzが最小値となる位置に、各アブソーバ10の伸縮を制御する。このために、自動車3の旋回時には、旋回内外側双方のアブソーバ10の摩擦力が高くなるので、各アブソーバ10に横方向の力が作用しても、旋回内外側双方のアブソーバ10が伸縮しにくくなり、即ち、車高が変化しにくくなり、旋回時のアンチロール性を更に向上させることができる。
次に、図6に示されたフローチャートに基いて、実施形態に係るECU30によるエアサスペンションシステム20即ちアブソーバ10の伸縮制御の一例を説明する。図6は、実施形態に係る車高制御装置によるアブソーバの伸縮制御のフローチャートの一例である。なお、図6に示されたフローチャートの制御ルーチンは、数msないし数十ms毎の制御周期で繰り返し実行される。
まず、ECU30は、舵角センサ74の検出結果を取得し(ステップST1)、ステアリングホイールの操舵角が予め定められた閾値を超えているか否かを判定する(ステップST2)。ECU30は、操舵角が閾値以下であると判定する(ステップST2:No)と、自動車3が非旋回時であると判定して、全てのアブソーバ10が式1又は式2を満たすように、エアサスペンションシステム20の圧縮空気供給部23、排気バルブ、各ハイトコントロールバルブ22などを制御する(ステップST3)。
ECU30は、操舵角が閾値を超えていると判定する(ステップST2:Yes)と、自動車3が旋回時であると判定して、車高センサ75の検出結果に基いて、全てのアブソーバ10が式1又は式2を満たしているか否かを判定する(ステップST4)。なお、閾値とは、車輪2としての前輪が実際に操舵される角度であるのが望ましい。ECU30は、車高センサ75の検出結果に基いて、全てのアブソーバ10のうち少なくとも一つが式1又は式2を満たしていないと判定する(ステップST4:No)と、式1又は式2を満たしていないアブソーバ10が式1又は式2を満たすように、エアサスペンションシステム20の圧縮空気供給部23、排気バルブ、各ハイトコントロールバルブ22などを制御する(ステップST5)。
また、ECU30は、操舵角が閾値を超えていると判定する(ステップST2:Yes)と、旋回方向(右旋回なのか、左旋回なのか)を算出する(ステップST10)。
ECU30は、車高センサ75の検出結果に基いて、全てのアブソーバ10が式1又は式2を満たしていると判定した後(ステップST4:Yes)、又は式1又は式2を満たしていないアブソーバ10が式1又は式2を満たすようにハイトコントロールバルブ22などを制御した後(ステップST5)、各アブソーバ10が、旋回内側の車輪2に対応しているかを判定する(ステップST6)。
ECU30は、旋回内側の車輪2に対応した(ステップST6:Yes)アブソーバ10のロッド15が下方に移動する即ちアブソーバ10が非旋回時の中立位置から所定距離縮小するように、エアサスペンションシステム20を制御する(ステップST7)。ECU30は、旋回内側の車輪2に対応していない(ステップST6:No)アブソーバ10のロッド15が上方に移動する即ちアブソーバ10が非旋回時の中立位置から所定距離伸張するように、エアサスペンションシステム20を制御する(ステップST8)。こうして、ECU30は、自動車3の旋回時に、旋回内側の車輪2のアブソーバ10を式1又は式2を満たす位置から縮小させ、旋回外側の車輪2のアブソーバ10を式1又は式2を満たす位置から伸張させる。ECU30は、ステップST1からステップST8を繰返すことで、非旋回時のアブソーバ10の中立位置が、各アブソーバ10の生じる摩擦力が最小となる位置となる。また、ECU30は、ステップST1からステップST8を繰返すことで、旋回時には、旋回内側のアブソーバ10の中立位置を非旋回時の中立位置よりも低くし、旋回外側のアブソーバ10の中立位置を非旋回時の中立位置よりも高くする。
本実施形態のECU30は、非旋回時に各アブソーバ10のシリンダ11に対するピストン13の位置を、横方向の力が作用した時のアブソーバ10の摩擦力が最小となる位置とする。ECU30は、旋回時には、旋回内側の車輪2に取り付けられたアブソーバ10では、摩擦力が最小となる位置から縮小させ、旋回外側の車輪2に取り付けられたアブソーバ10では、摩擦力が最小となる位置から伸長させる。このために、ECU30は、旋回時には、非旋回時よりも旋回内外側双方のアブソーバ10の摩擦力を確実に強くさせ、全てのアブソーバ10を伸縮し難くする。したがって、ECU30は、旋回内側のアブソーバ10を旋回外側のアブソーバ10よりも縮小させて、旋回時のアンチロール性を向上させることに加えて、旋回時には非旋回時よりも旋回内外側双方のアブソーバ10を伸縮し難くする。したがって、ECU30は、旋回時のアンチロール性をさらに向上させることができる。
また、サスペンション装置1は、非旋回時に、アブソーバ10が式1又は式2を満たすように、エアサスペンションシステム20を制御するので、非旋回時に、横方向の力が作用しても、アブソーバ10の伸縮するのにしたがって摩擦力が徐々に増加する。したがって、サスペンション装置1は、非旋回時に、横方向の力が作用しても、車高が変化しにくくなり、エアサスペンションシステム20により車高即ちエアばね21を制御する頻度を抑制することができる。
次に、本発明の発明者は、本件発明の効果を確認した。そこで、Ltが400mm、Lpが300mm、μ1及びμ2は共に0.04であるアブソーバ10において、ロッド先端横力Fyとして200Nの力が作用した時の摩擦力を、減衰力Fdをゼロと仮定して推定した。推定結果を、図7に示す。図7は、ピストン13のシリンダ11に対する位置(図7中に横軸で示す)を適宜変化させた時の摩擦力(図7中に縦軸で示す)を示す図である。式1及び式2によると、L=165.6mmとなり、図7では、摩擦力が最小となる位置である。したがって、図7の推定結果によると、非旋回時に、式1または式2を満たすことで、アブソーバ10の摩擦力が最小値となり、旋回時に、自動車3の車体が外側に傾斜することを抑制できることが明らかとなった。
また、本発明の発明者は、本発明品と比較例との乗り心地と操安性の効果を確認した。乗り心地の効果を図8及び図9に示し、操安性の効果を図10及び図11に示している。図8は、本発明品と比較例との乗り心地を示す図、図9は、図8中のIXを拡大して示す図、図10は、本発明品と比較例との操安性を示す図、図11は、図10中のXIを拡大して示す図である。
比較例では、非旋回時に、全てのアブソーバ10のピストン13の位置Lを200mmとして、アブソーバ10の摩擦力が36Nであるのに対し、本発明品では、非旋回時に、全てのアブソーバ10のピストン13の位置Lを160mmとして、アブソーバ10の摩擦力が35Nとなる。本発明品は、図8及び図9によると、乗り心地が向上することが明らかとなった。
また、比較例では、旋回時に、全てのアブソーバ10のピストン13の位置Lを200mmとして、アブソーバ10の摩擦力が36Nであるのに対し、本発明品では、旋回時に、旋回内側の車輪2を支持するアブソーバ10のピストン13の位置Lを160mmとして摩擦力を35Nとし、旋回外側の車輪2を支持するアブソーバ10のピストン13の位置Lを240mmとして摩擦力を40Nとしている。本発明品は、自動車3全体の摩擦力を比較例よりも2N増加させている。本発明品は、図10及び図11によると、操安性が向上することが明らかとなった。
なお、上述した本発明の実施形態に係るECU30は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。以上の説明では、ECU30は、全てのアブソーバ10を制御しているものとして説明したがこれに限らない。また、本発明は、図6に示されたフローチャートに限定されることはない。本発明では、エアサスペンションシステム20の他にも、車高を変更可能なサスペンションシステムを用いても良い。
また、アブソーバに横方向の力が作用した時に生じる摩擦力に相当するアブソーバ発生力Fzを構成する摩擦力として、非旋回時にロッド15とロッドガイド14との接触箇所で発生する摩擦力Fz1と、非旋回時にピストン13とシリンダ11との接触箇所で発生する摩擦力Fz2とを示している。しかしながら、本発明では、他の非旋回時にロッド15とロッドガイド14との接触箇所で発生する摩擦力が存在している場合では、アブソーバ発生力Fzは、他の非旋回時にロッド15とロッドガイド14との接触箇所で発生する摩擦力を含んで構成されてもよい。また、本発明では、非旋回時にロッド15とロッドガイド14との接触箇所で発生する摩擦力が複数存在している場合には、アブソーバ発生力Fzを構成する摩擦力として、大きな値の接触箇所で発生する摩擦力を考慮すれば、全ての接触箇所で発生する摩擦力を考慮しなくてもよい。
1 車両用サスペンション装置
2 車輪
10 アブソーバ
11 シリンダ
12 ピストンユニット
13 ピストン
14 ロッドガイド
15 ロッド
30 ECU(車高制御装置)
L ピストンの位置
Lt ピストンの移動可能範囲の長さ
Fz アブソーバ発生力(アブソーバに横方向の力が作用した時に生じる摩擦力)
Fz1,Fz2 摩擦力(非旋回時にピストンユニットとシリンダの接触箇所で発生する摩擦力)
μ1 ロッドとロッドガイドとの摩擦係数
μ2 ピストンとシリンダとの摩擦係数

Claims (4)

  1. 旋回時に、旋回内側の車輪を支持するアブソーバの中立位置を旋回外側の車輪を支持するアブソーバの中立位置よりも低くする車高制御装置において、
    各アブソーバの非旋回時の中立位置が、各アブソーバに横方向の力が作用した時に生じる摩擦力が最小となる位置に、各アブソーバの伸縮を制御する
    ことを特徴とする車高制御装置。
  2. 前記アブソーバに横方向の力が作用した時に生じる摩擦力は、非旋回時にピストンユニットとシリンダの接触箇所で発生する摩擦力を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1記載の車高制御装置。
  3. 前記アブソーバのシリンダ内のピストンの移動可能範囲の長さをLtとし、前記非旋回時の前記ピストンの前記移動可能範囲の下死点からの位置をLとし、前記ピストンに取り付けられたロッドとロッドガイドとの摩擦係数をμ1とし、前記ピストンと前記シリンダとの摩擦係数をμ2とすると、
    非旋回時に、L=(−(μ2/μ1)+((μ2/μ1)+(μ2/μ1))1/2)×Ltを満たすように、各アブソーバの伸縮を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車高制御装置。
  4. 前記アブソーバのシリンダ内のピストンの移動可能範囲の長さをLtとし、前記非旋回時の前記ピストンの前記移動可能範囲の下死点からの位置をLとすると、
    非旋回時に、L=0.414Ltを満たすように、各アブソーバの伸縮を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車高制御装置。
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