JP3052785B2 - サスペンション装置 - Google Patents

サスペンション装置

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JP3052785B2
JP3052785B2 JP14122495A JP14122495A JP3052785B2 JP 3052785 B2 JP3052785 B2 JP 3052785B2 JP 14122495 A JP14122495 A JP 14122495A JP 14122495 A JP14122495 A JP 14122495A JP 3052785 B2 JP3052785 B2 JP 3052785B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サスペンション装置に
係り、詳しくは減衰力特性の異なる2個の位置依存型シ
ョックアブソーバを備えたサスペンション装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両等の車輪と車体とは、懸架
装置(サスペンション)によって連結されている。この
サスペンションは、スプリングとダンパ(ショックアブ
ソーバ)とから構成されており、これにより、路面変化
等により発生する走行時の車両への衝撃力がスプリング
で緩和されるとともに、スプリングの振動がショックア
ブソーバで減衰されて、乗員や車両積載物へのショック
が低減され、車両の走行安定性が良好に保持されるよう
になっている。
【0003】ところで、スプリングの振動は、より短時
間で減衰させることが望まれており、近年、車輪と車体
の相対位置及び振動の方向に応じて減衰力を切換えるこ
との可能な減衰力可変ショックアブソーバが考案されて
いる。この減衰力の切換えは、通常、ショックアブソー
バの上部に取付けられたステップモータを回転させ、こ
れによりショックアブソーバ内の流体通路の開度を変化
させて達成するようになっている。そして、この減衰力
可変ショックアブソーバを用いることにより、スプリン
グの振動を良好且つ速やかに減衰させ、車両の安定性を
保持するようにしている。
【0004】図1には、1自由度の振動系モデルを示し
てあるが、同図において、符号1は車体を、符号2は車
輪を、符号3はスプリングを、符号4はショックアブソ
ーバを示している。そして、Mはスプリング上質量つま
り車体質量を、Kはスプリングのばね定数を、Cはショ
ックアブソーバの減衰定数を示しており、またXA は路
面に対する車体1の基準位置に対する相対変位を、XR
は車輪2に対する車体1の相対変位を、XO は路面に対
する車輪2の相対変位を示している。
【0005】この振動系モデルにおいては、次に示すよ
うな運動方程式及びエネルギの釣合式が成立している。 M・XA"+C・XR'+K・XR =0 …(1) d/dt{M・ (XA')2/2+K・ (XR)2 /2} =−(C・XR'+K・XR )・XO'−C・(XR')2 …(2) M・{ (XA2')2 − (XA1')2 }/2+K・{ (XR2)2− (XR1)2}/2 =−∫(C・XR'+K・XR )・XO'dt−∫C・(XR')2dt …(3) {質量Mの運動エネルギ}+{質量Mの位置エネルギ} ={スプリング,ショックアブソーバから質量Mに入るエネルギ} +{ショックアブソーバによって消費されるエネルギ} …(4) 式(1) は運動方程式であり、力の釣合いを示している。
【0006】ここに、M,C,Kについては上述したと
おりであり、XA"は変位量であるXA の2回時間微分
値、つまり車体1の路面に対する変化加速度を示してい
る。またXR'は変位量であるXR の時間微分値、つまり
車体1の車輪2に対する変化速度を示している。式(2)
はエネルギの釣合式であり、単位時間当たりの各種エネ
ルギの釣合いが示されている。
【0007】ここに、XA'はXA の時間微分値、つまり
車体1の路面に対する変化速度を示している。また、X
O'はXO の時間微分値、つまり路面に対する車輪2の変
化速度を示している。この式(2) を時間t1 から時間t
2 まで積分すると、式(3) のようになる。ここに、XA
1' はXA'(t1 )のことであり、XA2' はXA'(t2
)のことである。また、XR1' はXR'(t1 )のこと
であり、XR2' はXR'(t2 )のことである。さらに、
積分記号∫には積分範囲を明記していないが、ここでは
時間t1 から時間t2 まで積分することを示している。
【0008】そして、これら式(2) 及び式(3) は、式
(4) に示す内容を表している。つまり、車体1である質
量Mの運動エネルギ(左辺第1項)と位置エネルギ(左
辺第2項)との和は、スプリング3及びショックアブソ
ーバ4から車体1である質量Mに入るエネルギ(右辺第
1項)とショックアブソーバ4によって消費されるエネ
ルギ(右辺第2項)との和に等しいことを示している。
【0009】このことから、スプリング3の振動を減衰
させて、質量Mの運動エネルギと位置エネルギとをゼロ
に収束させるためには、この式(2) 及び式(3) の右辺の
値をゼロに収束させればよいことがわかる。そこで、式
(2) の右辺を変形することで好適な減衰制御を行うため
の制御則を求めるようにしている。次表1には、代表的
な減衰制御手法である制御則1及び制御則2を示してあ
り、以下これらの制御則1及び制御則2について説明す
る。
【0010】
【表1】
【0011】制御則1では、式(2) の右辺をショックア
ブソーバ4の減衰係数Cに着目して変形している。そし
て、減衰係数Cに掛かるXR'・XA'(XR'×XA')の正
負に基づいて減衰係数Cの大きさを変化させるようにし
ている。つまり、XR'・XA'がゼロ以上(XR'・XA'≧
0)である場合には減衰係数Cを大(CH )とし、一
方、XR'・XA'がゼロより小さい(XR'・XA'<0)場
合には減衰係数Cを小(CL )とするようステップモー
タを制御して減衰力を変化させている。
【0012】また、制御則2では、式(2) の右辺をスプ
リング3及びショックアブソーバ4から車体1である質
量Mに入るエネルギに着目して変形している。そして、
減衰係数Cに掛かるXR'・XR (XR'×XR )の正負に
基づいて減衰係数Cの大きさを変化させるようにしてい
る。つまり、XR'・XR がゼロより小さい(XR'・XR
<0)場合には減衰係数Cを大(CH )とし、一方、X
R'・XR がゼロ以上(XR'・XR ≧0)である場合には
減衰係数Cを小(CL )とするようステップモータを制
御して減衰力を変化させている。
【0013】図2には、車体1の振動周波数fと振動の
伝達率つまり振幅比との関係を、減衰制御しない場合、
制御則1及び制御則2に基づいて減衰制御した場合のそ
れぞれについてグラフで示してある。通常発生する振動
は、その周波数fがf1 (例えば、2Hz)からf2 (例
えば、8Hz)となっており、これらの周波数fの範囲で
は、同図に示すように、制御則1及び制御則2に基づい
て減衰制御を実施すると、減衰制御しない場合に比べ、
斜線で示した分だけ振動の伝達率が小さくなっている。
つまり、振動が良好に減衰することになる。
【0014】従って、これらの制御則1と制御則2に基
づく減衰制御を行うと、ともに良好な結果を示すことが
確認されている。そして、特に制御則2による減衰制御
では、XA'を検出する必要がないことから、最近では、
主に制御則2に基づく減衰制御が多用される傾向にあ
る。図3には、制御則2に基づく減衰制御を行うための
振動系モデルを示してある。
【0015】同図に示すように、車体1と車輪2との間
には、減衰力可変ショックアブソーバ6が設けられてお
り、この減衰力可変ショックアブソーバ6のステップモ
ータ(図示せず)は、電子制御装置(ECU)10の出
力側に電気的に接続されている。ECU10の入力側に
は、位置センサ(図示せず)からの変位信号XR が入力
するとともに、微分器12によって時間微分されたXR
の時間微分値信号XR'が入力するようになっている。よ
って、ECU10において、信号XR とXR'の入力に基
づきXR'・XR の正負が判別され、この判別結果に応じ
てステップモータが作動し、減衰力可変ショックアブソ
ーバ6の減衰力が変化して、制御則2に基づく減衰制御
が行われるようになっている。
【0016】図4には、上記のように構成された振動系
モデルによって実施された制御則2の制御結果をグラフ
にして示してある。同グラフでは、横軸が減衰力可変シ
ョックアブソーバ6の減衰力C・XR'(C×XR')を、
また縦軸がXR を表しており、軸交点がそれぞれのゼロ
値となっている。同グラフに示すように、XR 及びC・
XR'がともに正或いは負、つまりXR'・XR ≧0で、X
R'・XR が第1象限または第3象限にある場合には、減
衰係数Cは小としてCL (例えば、20kgfs/m )とさ
れ、減衰力C・XR'は小さく抑えられる。一方、XR が
正でありC・XR'が負、或いはXR が負でありC・XR'
が正、つまりXR'・XR <0で、XR'・XR が第2象限
または第4象限にある場合には、減衰係数Cが大として
CH (例えば、140kgfs/m )とされ、減衰力C・X
R'は大きくされる。
【0017】図5には、制御則2の制御結果の時間変化
をグラフにして示してある。最上段には減衰係数Cの時
間変化を、2段目にはXR とXR'の時間変化を、最下段
には車体1である質量Mに作用する伝達力の挙動の時間
変化を示してある。同グラフに示すように、XR とXR'
とがともに正、つまり、車体1が基準位置よりも車輪2
から遠ざかる位置に変位している状態(XR ≧0)にあ
り、且つ車体1がさらに車輪2から遠ざかるように変位
中の場合には(Aの領域)、図4の第1象限に示すよう
に減衰係数CはCL と小さくされ、伝達力は破線で示す
減衰係数CL に基づく挙動を示す。よって、この場合、
伝達力は減衰係数CH の場合よりも小さくなり、車体1
に作用する力は好適に小さくされてゼロ値側に保持され
ることになる。
【0018】一方、XR が正でXR'が負の場合、つま
り、車体1が基準位置よりも車輪2から遠ざかる位置に
変位している状態(XR ≧0)にありながら、車体1が
スプリング3の弾性力により車輪2に近づくように変位
中の場合には(Bの領域)、図4の第2象限に示すよう
に減衰係数CはCH と大きくされ、伝達力は破線で示す
減衰係数CH に基づく挙動を示す。よって、今度は、伝
達力は減衰係数CL の場合よりも図中斜線で示す分だけ
減衰係数CH 側に変化し、車体1に作用する力は好適に
ゼロ値側に保持されることになる。
【0019】そして、XR とXR'とがともに負の場合、
つまり、車体1が基準位置よりも車輪2に近づく位置に
変位している状態(XR <0)となり、且つ車体1が車
輪2にさらに近づくように変位中の場合には、図4の第
3象限に示すように減衰係数Cは再びCL と小さくされ
る。よって、伝達力は再び減衰係数CL に基づいて挙動
し、この場合にも、車体1に作用する力は好適にゼロ値
側に保持されることになる。
【0020】このように、制御則2に基づいて減衰力可
変ショックアブソーバ6の減衰力を制御することによ
り、スプリング3の振動を速やかに減衰させることが可
能となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な減衰力可変ショックアブソーバ6では、変位信号XR
に基づきステップモータを駆動させ、これにより減衰力
可変ショックアブソーバ6内の流体通路の開度を変えて
減衰力を変化させるようにしているが、変位信号XR の
検出からステップモータの駆動完了までにはある程度の
時間を要する。従って、レスポンス良く減衰力を変化さ
せることが困難となっている。
【0022】また、ステップモータを微小時間経過する
毎に頻繁に作動させる必要があることから、ステップモ
ータにかかる負荷が非常に大きく、ステップモータは劣
化し易くなっており耐久性に欠ける。従って、常に安定
した減衰制御の実施を維持することが困難となってい
る。また、ステップモータが作動して流体通路面積が切
換わる際には、ショックアブソーバ6内の流体の流れが
急激に変化することになるため、ハンチング等の切換シ
ョックが発生し、スムースな減衰力切換が実現されな
い。
【0023】さらに、ステップモータを搭載し流体通路
の開度を変化させる減衰力可変ショックアブソーバ6
は、構造が複雑なこともあって高価なものとなってお
り、コスト増に繋がる。本発明は、上述した事情に基づ
いてなされたもので、その目的とするところは、安価に
して応答性と耐久性とに優れ、好適な減衰制御をスムー
スに実施可能な信頼性の高いサスペンション装置を提供
することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、第1の物体と第2の物体との間
に設けられ、これら第1及び第2の物体を互いに離間す
る方向に付勢する弾性体と、前記第1及び第2の物体と
の間の離間距離を基準距離に調節する離間距離調節手段
と、前記第1及び第2の物体との間に設けられ、前記離
間距離が前記基準距離より小さい第1領域では減衰力を
発生せず、前記離間距離が前記基準距離より大きい第2
領域にあるときには、前記第1及び第2の物体とが互い
に離れる方向に移動している場合に第1の減衰力を発生
する一方、前記第1及び第2の物体とが互いに近づく方
向に移動している場合に前記第1の減衰力よりも大きな
第2の減衰力を発生する位置依存型の第1のショックア
ブソーバと、前記第1及び第2の物体との間に前記第1
のショックアブソーバと並列にして設けられ、前記第2
領域では減衰力を発生せず、前記第1領域にあるときに
は、前記第1及び第2の物体とが互いに近づく方向に移
動している場合に第3の減衰力を発生する一方、前記第
1及び第2の物体とが互いに離れる方向に移動している
場合に前記第3の減衰力よりも大きな第4の減衰力を発
生する位置依存型の第2のショックアブソーバとを備え
ることを特徴とする。
【0025】また、請求項2の発明では、前記第1の減
衰力と前記第3の減衰力とは大きさが同一であり、一方
前記第2の減衰力と前記第4の減衰力とは大きさが同一
であることを特徴とする。また、請求項3の発明では、
前記弾性体は、前記第1または第2のショックアブソー
バに直列に設けられていることを特徴とする。
【0026】また、好ましい態様として、請求項1また
は2のサスペンション装置において、前記弾性体は、前
記第1のショックアブソーバに直列に設けられた第1の
弾性体と前記第2のショックアブソーバに直列に設けら
れた第2の弾性体とからなるのがよい。また、さらに好
ましい態様として、請求項1乃至3のサスペンション装
置において、前記弾性体は、空気ばねであるのがよい
【0027】また、この場合、前記空気ばねは空気圧調
節手段を有し、前記離間距離調節手段は、前記空気圧調
節手段からなるのがよい
【0028】
【作用】請求項1のサスペンション装置によれば、先
ず、離間距離調節手段によって、第1及び第2の物体の
離間距離が基準距離にされる。そして、第1または第2
の物体に外力が作用し、これら第1及び第2の物体が弾
性体の弾性力によって振動する際、第1及び第2の物体
の離間距離が基準距離より大きい第1領域では、第2の
ショックアブソーバは減衰力を発生せず、第1のショッ
クアブソーバが減衰力を発生する。このとき、第1のシ
ョックアブソーバは、第1及び第2の物体とが互いに離
れる方向に移動している場合には比較的小さな第1の減
衰力を発生し、互いに近づく方向に移動している場合に
は第1の減衰力より大きな第2の減衰力を発生する。
【0029】一方、第1及び第2の物体の離間距離が基
準距離よりも小さい第2領域では、逆に、第1のショッ
クアブソーバは減衰力を発生せず、第2のショックアブ
ソーバが減衰力を発生する。このとき、第2のショック
アブソーバは、第1及び第2の物体とが互いに近づく方
向に移動している場合には比較的小さな第3の減衰力を
発生し、互いに離れる方向に移動している場合には第3
の減衰力より大きな第4の減衰力を発生する。
【0030】従って、第1及び第2のショックアブソー
バの持つ各減衰力特性が、第1及び第2の物体の挙動に
応じて使い分けられ、これにより、減衰制御が好適に実
施され、第1及び第2の物体の振動が良好に減衰する。
また、請求項2のサスペンション装置によれば、減衰力
の大きさは、第1及び第2の物体の離間距離が第1領域
にある場合と第2領域にある場合とで好適に対象とな
り、減衰制御が良好に実施される。
【0031】また、請求項3のサスペンション装置によ
れば、弾性体は、第1または第2のショックアブソーバ
に直列に設けられており、別途弾性体の取付けスペース
を設ける必要がなく、省スペース化が図られる。また、
請求項1または2のサスペンション装置の好ましい態様
では、第1のショックアブソーバに直列にして第1の弾
性体が設けられ、また第2のショックアブソーバに直列
にして第2の弾性体が設けられており、これら2個の弾
性体により省スペースにして良好な弾性力が得られる。
【0032】また、請求項1乃至3のサスペンション装
置のさらに好ましい態様では、弾性体は空気ばねである
ため、フィーリングのよい良好な弾性力が得られる。ま
た、この場合、離間距離調節手段を前記空気圧調節手段
とすると、第1及び第2の物体間の離間距離は、空気ば
ねの空気圧が空気圧調節手段により調圧されて容易に基
準距離に調節される。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図6には、本発明のサスペンション装置の振動系モ
デルを示してある。ここに、従来の技術のところで説明
したと同様に、符号1は車体(第1の物体)を、符号2
は車輪(第2の物体)を、符号3はスプリング(弾性
体)を示している。
【0034】また、符号20は位置依存式ショックアブ
ソーバ(第1のショックアブソーバ)を、また同様に、
符号22も位置依存式ショックアブソーバ(第2のショ
ックアブソーバ)を示している。この振動系モデルで
は、これらの位置依存式ショックアブソーバ20,22
は、スプリング3に並列に、且つ互いに並列にして車体
1と車輪2との間に設けられており、後述するように、
それぞれ異なった位置依存特性を有している。
【0035】さらに、符号30は車体1と車輪2との間
の離間距離(車高)を調節する車高調節装置(離間距離
調節手段)であり、車高センサ38からの情報に基づ
き、車体1が静止状態にあるときの車高を基準距離に、
つまり車体1を基準位置に調節可能にしている。従っ
て、車体1と車輪2との間の離間距離が広がり、車体1
がこの基準位置を越えると、前述したようにXR ≧0と
なり、一方、車体1と車輪2との間の離間距離が狭ま
り、車体1がこの基準位置を下回るときにはXR <0と
なる。
【0036】図7には、図6に示したと同様の機能を有
する本発明の他の振動系モデルを示してある。同図で
は、スプリング3が位置依存式ショックアブソーバ2
0,22と並列に設けられた図6の振動系モデルの場合
と異なり、スプリング(第1の弾性体)3aが位置依存
式ショックアブソーバ20に直列に、またスプリング
(第2の弾性体)3bが位置依存式ショックアブソーバ
22に直列に取付けられている。そして、車高調節装置
30による車高の調節をスプリング3a,3bにて実施
するようになっている。
【0037】具体的には、スプリング3a,3bとして
は、それぞれ位置依存式ショックアブソーバ20,22
と一体にして設けられたエアスプリング(空気ばね)が
使用される。そして、車高調節装置30としては、これ
らエアスプリング3a,3b内の空気圧を調節する空気
圧調節装置(空気圧調節手段)が適用される。以下、エ
アスプリング3a,3bと位置依存式ショックアブソー
バ20,22とを一体に備えたエアサスペンション20
a,22a及び空気圧調節装置(車高調節装置)30の
構成について、図8及び図9に基づいて説明する。
【0038】図8には、エアサスペンション20aの断
面図と空気圧調節装置30の概略構成図とを示してあ
る。先ず、エアサスペンション20aについて説明す
る。エアサスペンション20aは、位置依存式ショック
アブソーバ20の上部にエアスプリング3aが載置され
て構成されている。同図に示すように、ショックアブソ
ーバ20の外周部には、円筒状のアウタシリンダ50が
設けられており、このアウタシリンダ50の下端の開口
部は、キャップ52によって塞がれ、アウタシリンダ5
0内部が密閉状態に保持されている。キャップ52には
ジョイント54が取付けられており、このジョイント5
4は車輪2側に連結されている。アウタシリンダ50と
キャップ52とは、例えば、溶接により接合されてお
り、この接合部は、車輪2側からの入力に充分耐えられ
るように高い強度を有している。
【0039】アウタシリンダ50の内部には、アウタシ
リンダ50の内面との間に所定の間隔を有して円筒状の
インナシリンダ56が挿入されている。このインナシリ
ンダ56の上端開口部は、樹脂等からなるブッシュ58
の中央凸部58aが嵌合するようにして塞がれている。
また、下端開口部も、樹脂等からなるインナキャップ6
0の凸部60aが嵌合するようにして塞がれている。そ
して、これらブッシュ58とインナキャップ60で密閉
されたインナシリンダ56内には、作動油が充填されて
いる。
【0040】インナシリンダ56内には、アウタシリン
ダ50の上面50a、パッキン59及びブッシュ58を
貫通してピストンロッド64が挿入されている。このピ
ストンロッド64の先端は直径が小さく細く成形されて
おり、この細径部には、外嵌してピストン62が取り付
けられている。このピストン62は、樹脂等で成形され
ており、インナシリンダ56内をインナシリンダ56の
内面に沿って摺動するようになっている。また、このピ
ストン62には、貫通孔62a及び貫通孔62bがそれ
ぞれ所定の傾きをもって穿設されており、これら貫通孔
62a,62bを通って作動油が移動可能になってい
る。そして、貫通孔62bの孔径の方が貫通孔62aの
孔径よりも大きいものとなっている。
【0041】ピストン62の上下には、それぞれ弁プレ
ート66,68がピストンロッド64に外嵌して設けら
れており、弁プレート66が貫通孔62aの上部開口部
を塞ぎ、一方、弁プレート68が貫通孔62bの下部開
口部を塞ぐようになっている。弁プレート66の上方に
は、ストッパプレート74がピストンロッド64に外嵌
して設けられており、弁プレート66とストッパプレー
ト74間には、コイルスプリング70が縮設されてい
る。一方、弁プレート68の下方にも、同様のストッパ
プレート76がピストンロッド64に外嵌して設けられ
ており、弁プレート68とストッパプレート76間に
は、コイルスプリング72が縮設されている。尚、スト
ッパプレート76は、ピストンロッド64の先端部と螺
合するナット78によって落下しないように保持されて
いる。
【0042】これにより、ピストン62が静止した状態
にあっては、常時、弁プレート66によって貫通孔62
aが閉じられ、弁プレート68によって貫通孔62bが
閉じられた状態になり、作動油が貫通孔62a或いは貫
通孔62bを流通しないようになっている。しかしなが
ら、ピストンロッド64に外力が加わり、ピストン62
が押し下げられると、貫通孔62aを通して弁プレート
66に油圧が負荷されることになり、弁プレート66は
コイルスプリング70の付勢力に抗して開放され、作動
油は貫通孔62a内を下方から上方に流通することにな
る。
【0043】また、ピストン62が引き上げられると、
貫通孔62b通して弁プレート68に油圧が負荷される
ことになり、弁プレート68はコイルスプリング72の
付勢力に抗して開放され、作動油は貫通孔62b内を上
方から下方に流通することになる。このとき、上述した
ように、貫通孔62bの孔径の方が貫通孔62aの孔径
よりも大きいことから、ピストン62が押し下げられる
ときには作動油は流れ難く、抵抗が大きく、一方、ピス
トン62が引き上げられるときには作動油は流れ易く、
抵抗が小さくなっている。つまり、この位置依存式ショ
ックアブソーバ20は、ピストン62が押し下げられる
ときに減衰係数がCH で減衰力が大きく、引き上げられ
るときに減衰係数がCL で減衰力が小さく働くように作
られている。
【0044】ところで、上述のインナシリンダ56の略
中央位置より下方の内面には、インナシリンダ56の長
手方向に複数の溝80が刻まれている。この溝80の上
端は、車体1が上述した基準位置にあるときにおいて、
ピストン62の上面と一致するようになっている(図示
の状態)。そして、この溝80の存在により、ピストン
62の上面が溝80の上端よりも下方に移動し、ピスト
ン62が溝80の刻まれた範囲内で摺動するときにあっ
ては、作動油が貫通孔62aや貫通孔62bのみならず
溝80を介しても下方から上方或いは上方から下方に移
動することになり、ピストン62は抵抗なくインナシリ
ンダ56内を摺動し、ショックアブソーバ20としては
減衰力を発生しない。一方、ピストン62の上面が溝8
0の上端よりも上方に移動し、溝80の刻まれていない
範囲内で摺動するときにあっては、上述したように、作
動油はそれぞれ貫通孔62aや貫通孔62bを通って移
動することになり、ショックアブソーバ20は通常の減
衰力を発生させることになる。
【0045】インナシリンダ56とアウタシリンダ50
間は、リザーバ室82になっている。そして、このリザ
ーバ室82にも一定量の作動油が注入されている。この
リザーバ室82の作動油は、インナシリンダ56の下部
に穿設された貫通孔84を介してリザーバ室82とイン
ナシリンダ56間で行き来自在になっている。これによ
り、ピストン62が摺動するとき、インナシリンダ56
内に挿入されるピストンロッド64の体積分だけインナ
シリンダ56内の作動油量が変化するが、この作動油量
を自在に調整可能になっている。尚、リザーバ室82内
の作動油の上部空間86には、低圧の空気が充填されて
いる。
【0046】ショックアブソーバ20の上部に位置する
エアスプリング3aは、主として、ショックアブソーバ
20の上部を囲むエアシリンダ90と、ショックアブソ
ーバ20のアウタシリンダ50周りに取付けられたエア
ピストン92と、エアシリンダ90及びエアピストン9
2を繋ぐラバー製のダイヤフラム94とから構成されて
いる。そして、これらエアシリンダ90、エアピストン
92及びダイヤフラム94とで囲まれて空気室96が形
成されており、この空気室96内には、所定圧の空気が
充填されている。
【0047】ダイヤフラム94は、エアシリンダ90及
びエアピストン92に密接して接続されており、また、
エアピストン92とアウタシリンダ50間の隙間はシー
ル材100により塞がれている。これにより、空気室9
6は、エアシリンダ90、エアピストン92、ダイヤフ
ラム94、シール材100及びアウタシリンダ50の上
面50aによって密閉状態にされ、空気室96内の空気
が外部に漏れないようになっている。
【0048】エアシリンダ90の上部中央の内面側に
は、上述したピストンロッド64の上端が接続されてい
る。また、エアシリンダ90の上部中央の外面側には、
ジョイント54と同様のジョイント98が取付けられて
おり、このジョイント98は車体1側に接続されてい
る。よって、ピストンロッド64に外力が作用すると、
ピストンロッド64とともにエアシリンダ90も空気室
96内の空気を圧縮或いは膨張させながら移動すること
になる。そして、この圧縮或いは膨張に基づいて空気室
96内の空気圧が変化することにより、この空気が好適
に空気ばねとして機能することになる。尚、符号95
は、エアシリンダ90がアウタシリンダ50の上面50
aに当接した場合の衝撃を緩和する緩衝材であり、ま
た、符号91は、ダイヤフラム94を保護するスカート
である。
【0049】エアシリンダ90には、空気吸入用のニッ
プル102が設けられており、このニップル102に、
空気圧調節装置30が接続されている。以下、空気圧調
節装置30の構成について説明する。先ず、エアシリン
ダ90のニップル102には、空気圧調節装置30のエ
ア通路104が接続されている。このエア通路104
は、常閉の電磁開閉弁106を介して、空気圧が高圧に
保持されたエアタンク108に接続されている。電磁開
閉弁106は、電気的に電子制御装置(ECU)110
の出力側に接続されている。そして、ECU110の入
力側には、車高センサ38が電気的に接続されている。
【0050】この車高センサ38は、ショックアブソー
バ20のピストン62が静止した状態での車体1と車輪
2間の離間距離を検出し、ECU110に検出信号を出
力するようになっており、ECU110は、この検出信
号に基づいて電磁開閉弁106に作動信号を供給するよ
うになっている。つまり、車体1と車輪2間の離間距離
が適正な基準距離にあり、車体1が上記基準位置にある
ときには、ECU110は電磁開閉弁106に作動信号
を供給せず、電磁開閉弁106を閉弁状態に保持し、一
方、車体1と車輪2間の離間距離が適正でなく、車体1
が基準位置より下がっているようなときには、ECU1
10は電磁開閉弁106に作動信号を供給して電磁開閉
弁106を開弁し、車体1の位置が基準位置となるまで
空気室96内にエアタンク108から高圧空気を供給す
る。これにより、ショックアブソーバ20のピストン6
2が静止した状態にあっては、車体1は、常に基準位置
に維持され、上述した溝80の上端は、常時ピストン6
2の上面に一致していることになる。
【0051】図9には、もう一方のエアサスペンション
22aの断面図と空気圧調節装置30の概略構成図とを
示してある。以下、エアサスペンション22aの構成に
ついて説明するが、エアスプリング3bはエアスプリン
グ3aと同じものであり、また、位置依存式ショックア
ブソーバ22についてのショックアブソーバ20との共
通部分については上述したとおりであるため、ここでは
説明を省略する。また、空気圧調節装置30についても
上述したと同様であり、ここでは説明を省略する。
【0052】位置依存式ショックアブソーバ22のイン
ナシリンダ156内を摺動するピストン162には、上
述のショックアブソーバ20の貫通孔62bと同径の貫
通孔162aと、貫通孔62aと同径の貫通孔162b
とが穿設されている。つまり、位置依存式ショックアブ
ソーバ22は、ピストン162が押し下げられるときに
は作動油は流れ易く、抵抗が小さく、一方、ピストン1
62が引き上げられるときには作動油は流れ難く、抵抗
が大きくなっている。従って、この位置依存式ショック
アブソーバ22は、位置依存式ショックアブソーバ20
と減衰特性が逆になっており、ピストン162が押し下
げられるときに減衰力が小さく、引き上げられるときに
減衰力が大きくなるように作られている。
【0053】また、インナシリンダ156の略中央位置
より上方の内面には、ショックアブソーバ20の溝80
と同様の複数の溝180が刻まれている。そして、この
溝180の下端は、車体1が上述した基準位置にあると
きにおいて、ピストン162の下面と一致するようにな
っている(図示の状態)。従って、ピストン162の下
面が溝180の下端よりも上方に移動し、ピストン16
2が溝180の刻まれた範囲内で摺動するときには、作
動油が貫通孔162aや貫通孔162bのみならず溝1
80を介しても上方から下方或いは下方から上方に移動
することになり、ピストン162は抵抗なくインナシリ
ンダ156内を摺動し、位置依存式ショックアブソーバ
22としては減衰力を発生しないことになる。一方、ピ
ストン162の下面が溝180の下端よりも下方に移動
し、溝180の刻まれていない範囲内で摺動するときに
は、作動油は、上述したように、それぞれ貫通孔162
aや貫通孔162bを介して移動することになり、ショ
ックアブソーバ22は、通常の減衰力を発生させること
になる。
【0054】以上のように、位置依存式ショックアブソ
ーバ20と位置依存式ショックアブソーバ22は、それ
ぞれ位置依存性とともに減衰力特性が互いに逆になるよ
うに構成されており、これら位置依存式ショックアブソ
ーバ20,22が一対となって有する特性は、前述した
制御則2に基づく減衰制御を実施したのと全く同様の特
性を示すことになる。つまり、これらの位置依存式ショ
ックアブソーバ20,22が機能すると、前述した図4
に示すグラフと同様の特性を示すことになる。
【0055】以下、図4、図8及び図9に基づいて、位
置依存式ショックアブソーバ20,22の作用を説明す
る。先ず、車体1が基準位置以上の範囲、つまりXR ≧
0の範囲にある場合には、図8に示した位置依存式ショ
ックアブソーバ20のピストン62は、溝80の刻まれ
た範囲から外れているため、位置依存式ショックアブソ
ーバ20は通常の減衰力を発生する。一方、図9に示し
た位置依存式ショックアブソーバ22のピストン162
は、溝180の刻まれた範囲内にあるため、位置依存式
ショックアブソーバ22は減衰力を発生させない。従っ
て、このXR ≧0の範囲では、位置依存式ショックアブ
ソーバ20のみの減衰力特性に基づいて減衰力が作用す
ることになる。
【0056】そして、XR ≧0の範囲にあって、位置依
存式ショックアブソーバ20のピストン62が引き上げ
られているとき(図4の第1象限)、つまりピストンロ
ッド64の伸側に対して減衰力を発生させている場合に
は、作動油は孔径の大きい貫通孔62bを通るため、減
衰係数はCL となり、減衰力は小さく抑えられる。一
方、ピストン62が押し下げられているとき(図4の第
2象限)、つまりピストンロッド64の縮側に対して減
衰力を発生させている場合には、作動油は孔径の小さい
貫通孔62aを通るため、減衰係数はCH と大きくな
り、減衰力は大きなものとなる。
【0057】次に、車体1が基準位置未満の範囲、つま
りXR <0の範囲にある場合には、ショックアブソーバ
20のピストン62は、溝80の刻まれた範囲内にある
ため、ショックアブソーバ20は減衰力を発生させず、
一方、ショックアブソーバ22のピストン162は、溝
180の刻まれた範囲から外れているため、ショックア
ブソーバ22は通常の減衰力を発生させることになる。
従って、このXR <0の範囲では、位置依存式ショック
アブソーバ22のみの減衰力特性に基づいて減衰力が作
用することになる。
【0058】そして、XR <0の範囲にあって、位置依
存式ショックアブソーバ22のピストン162が押し下
げられているとき(図4の第3象限)、つまりピストン
ロッド64の縮側に対して減衰力を発生させている場合
には、作動油は孔径の大きい貫通孔162aを通るた
め、減衰係数はCL と小さくなり、減衰力は小さなもの
となる。
【0059】一方、ピストン162が引き上げられてい
るとき(図4の第4象限)、つまりピストンロッド64
の伸側に対して減衰力を発生させている場合には、作動
油は孔径の小さい貫通孔162bを通るため、減衰係数
はCH となり、減衰力は大きなものとなる。以上、詳細
に説明したように、車体1と車輪2間に、位置依存式シ
ョックアブソーバ20と位置依存式ショックアブソーバ
22のそれぞれ位置依存性と減衰力特性とが互いに逆で
あるショックアブソーバを並列に設けることにより、従
来のように、電気的にステップモータを作動させて減衰
力を変化させることなく、機械的な構成のみによって容
易に制御則2と全く同様の減衰制御を実施することがで
きることになる。これにより、ショックアブソーバの構
造を簡単にして、ステップモータの応答遅れや故障等の
ない、耐久性に優れ、且つ信頼性の高いサスペンション
装置を実現することができる。また、このサスペンショ
ン装置では、ショックアブソーバ内の流体通路面積の急
激な切換わりもないことから、ハンチング等のショック
の無いスムースな減衰制御を実施可能である。
【0060】そして、従来のように電気制御による減衰
制御を行っていた場合では、前述した図2のグラフに示
すように、制御則1に基づく減衰制御の方が制御則2に
基づく減衰制御よりも良好な結果を示していたが、本実
施例のサスペンション装置を用いるようにすれば、ステ
ップモータの応答遅れ等を削減できることから、制御則
2に基づく減衰制御結果を制御則1に基づく結果とほぼ
同等の良好な制御結果とすることが可能になる。
【0061】尚、上記実施例では、サスペンション装置
を車体1と車輪2との間のシャシサスペンションに適用
したが、これに限られず、上記サスペンション装置を、
例えばキャブサスペンションやシートサスペンション等
の他の振動系に適用してもよい。
【0062】
【発明の効果】上述のように、請求項1のサスペンショ
ン装置によれば、第1の物体と第2の物体との間に設け
られ、これら第1及び第2の物体を互いに離間する方向
に付勢する弾性体と、第1及び第2の物体との間の離間
距離を基準距離に調節する離間距離調節手段と、第1及
び第2の物体との間に設けられ、離間距離が基準距離よ
り小さい第1領域では減衰力を発生せず、離間距離が基
準距離より大きい第2領域にあるときには、第1及び第
2の物体とが互いに離れる方向に移動している場合に第
1の減衰力を発生する一方、第1及び第2の物体とが互
いに近づく方向に移動している場合に第1の減衰力より
も大きな第2の減衰力を発生する位置依存型の第1のシ
ョックアブソーバと、第1及び第2の物体との間に第1
のショックアブソーバと並列にして設けられ、第2領域
では減衰力を発生せず、第1領域にあるときには、第1
及び第2の物体とが互いに近づく方向に移動している場
合に第3の減衰力を発生する一方、第1及び第2の物体
とが互いに離れる方向に移動している場合に第3の減衰
力よりも大きな第4の減衰力を発生する位置依存型の第
2のショックアブソーバとを備えるようにしたので、第
1または第2の物体に外力が作用し、これら第1及び第
2の物体が弾性体の弾性力によって振動するとき、第1
及び第2の物体との離間距離が基準距離より大きい領域
では、第2のショックアブソーバに減衰力を発生させ
ず、第1のショックアブソーバに各物体の移動方向に応
じて異なる減衰力を発生させるようにできる。一方、第
1及び第2の物体との離間距離が基準距離よりも小さい
領域にあっては、逆に、第1のショックアブソーバに減
衰力を発生させず、第2のショックアブソーバに各物体
の移動方向に応じて異なる減衰力を発生させるようにで
きる。従って、制御則2に基づく減衰制御を、従来のよ
うに電気的な制御を行うことなく機械的に実施すること
ができ、安価にして信頼性の高いサスペンション装置を
実現することができる。
【0063】また、請求項2のサスペンション装置によ
れば、第1の減衰力と第3の減衰力とは大きさが同一で
あり、一方第2の減衰力と第4の減衰力とは大きさが同
一であるので、第1及び第2の物体の離間距離が第1領
域にある場合と第2領域にある場合とで減衰力の大きさ
を好適に対象にでき、減衰制御をむらなく良好に実施す
ることができる。
【0064】また、請求項3のサスペンション装置によ
れば、弾性体は、第1または第2のショックアブソーバ
に直列にして設けられているので、省スペースにして弾
性体をコンパクトに備えることができる。また、請求項
1または2のサスペンション装置の好ましい態様とし
、弾性体は、第1のショックアブソーバに直列に設け
られた第1の弾性体と第2のショックアブソーバに直列
に設けられた第2の弾性体とからなるのがよく、これに
より、省スペースにしてより良好な弾性力を得ることが
できる。
【0065】また、請求項1乃至3のサスペンション装
のさらに好ましい態様として、弾性体は、空気ばねで
あるのがよく、これにより、フィーリングのよい良好な
弾性力を得ることができる。また、この場合、空気ばね
は空気圧調節手段を有し、離間距離調節手段は、空気圧
調節手段からなるのがよく、これにより、第1及び第2
の物体との離間距離を容易に基準距離に調節することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1自由度の振動系モデルを示す図である。
【図2】減衰制御しない場合と制御則1及び制御則2に
基づいて減衰制御した場合のそれぞれについて、車体の
振動周波数fと振動の伝達率との関係を示したグラフで
ある。
【図3】制御則2に基づく減衰制御を行うための振動系
モデルを示す図である。
【図4】制御則2に基づく減衰制御結果を示すグラフで
ある。
【図5】制御則2に基づく減衰制御結果の時間変化を示
すグラフである。
【図6】本発明のサスペンション装置の振動系モデルを
示す図である。
【図7】本発明のサスペンション装置の他の振動系モデ
ルを示す図である。
【図8】第1のショックアブソーバの断面と空気圧調節
装置の概略構成を示す図である。
【図9】第2のショックアブソーバの断面と空気圧調節
装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 車体 2 車輪 3 スプリング(弾性体) 3a エアスプリング(第1の弾性体) 3b エアスプリング(第2の弾性体) 20 位置依存式ショックアブソーバ(第1のショック
アブソーバ) 22 位置依存式ショックアブソーバ(第2のショック
アブソーバ) 30 車高調節装置(離間距離調節手段) 38 車高センサ 50 アウタシリンダ 56 インナシリンダ 62 ピストン 62a 貫通孔 62b 貫通孔 80 溝 156 インナシリンダ 162 ピストン 162a 貫通孔 162b 貫通孔 180 溝

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の物体と第2の物体との間に設けら
    れ、これら第1及び第2の物体を互いに離間する方向に
    付勢する弾性体と、 前記第1及び第2の物体との間の離間距離を基準距離に
    調節する離間距離調節手段と、 前記第1及び第2の物体との間に設けられ、前記離間距
    離が前記基準距離より小さい第1領域では減衰力を発生
    せず、前記離間距離が前記基準距離より大きい第2領域
    にあるときには、前記第1及び第2の物体とが互いに離
    れる方向に移動している場合に第1の減衰力を発生する
    一方、前記第1及び第2の物体とが互いに近づく方向に
    移動している場合に前記第1の減衰力よりも大きな第2
    の減衰力を発生する位置依存型の第1のショックアブソ
    ーバと、 前記第1及び第2の物体との間に前記第1のショックア
    ブソーバと並列にして設けられ、前記第2領域では減衰
    力を発生せず、前記第1領域にあるときには、前記第1
    及び第2の物体とが互いに近づく方向に移動している場
    合に第3の減衰力を発生する一方、前記第1及び第2の
    物体とが互いに離れる方向に移動している場合に前記第
    3の減衰力よりも大きな第4の減衰力を発生する位置依
    存型の第2のショックアブソーバと、 を備えることを特徴とするサスペンション装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の減衰力と前記第3の減衰力と
    は大きさが同一であり、一方前記第2の減衰力と前記第
    4の減衰力とは大きさが同一であることを特徴とする、
    請求項1記載のサスペンション装置。
  3. 【請求項3】 前記弾性体は、前記第1または第2のシ
    ョックアブソーバに直列に設けられていることを特徴と
    する、請求項1または2記載のサスペンション装置。
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