JP3216480B2 - サスペンション装置 - Google Patents

サスペンション装置

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JP3216480B2
JP3216480B2 JP12540395A JP12540395A JP3216480B2 JP 3216480 B2 JP3216480 B2 JP 3216480B2 JP 12540395 A JP12540395 A JP 12540395A JP 12540395 A JP12540395 A JP 12540395A JP 3216480 B2 JP3216480 B2 JP 3216480B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サスペンション装置に
係り、詳しくは周波数感応式のショックアブソーバを備
えたサスペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両等の車輪と車体とは、懸架
装置(サスペンション)によって連結さている。この
サスペンションは、スプリングとダンパ(ショックアブ
ソーバ)とから構成されており、これにより、路面変化
等により発生する走行時の車両への衝撃力がスプリング
で緩和され、スプリングの振動がショックアブソーバで
減衰され、これにより、乗員や車両積載物へのショック
が低減されるとともに車両の走行安定性が良好に保持さ
れるようになっている。
【0003】ところで、スプリングは、車輪への外力の
入力状況等に応じてさまざまな振動周波数を有して振動
する。そして、これら異なる周波数の振動を一定の減衰
力を有するショックアブソーバで好適に減衰することは
困難であり、乗り心地や安定性を常に良好に維持するに
は限界がある。そこで、近年、振動の周波数に応じ
波数特性を有することで、その減衰力を切換え可能な周
波数依存型の周波数感応式ショックアブソーバが考案さ
れている。このような周波数感応式ショックアブソーバ
では、通常、ショックアブソーバ内のピストンに設けら
れ、ピストンの摺動速度に応じて開度が異なるよう設定
された弁機構により減衰力を切換えるようにしている。
つまり、この弁機構では、摺動速度が速く周波数が大き
いときには弁開度が大きく開成されて減衰力が小さくな
り、一方、摺動速度が遅く周波数が小さいときには弁開
度が小さく抑えられて減衰力が大きくなるように設定さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に、ピストンに弁機構を有する周波数感応式ショックア
ブソーバでは、ピストンの大きさや形状には制約があ
り、これにより、弁開度の変化量を大きくすることが困
難になっている。従って、周波数が大きいときと小さい
ときでの弁開度の差を大きくできず、例えば、車体がゆ
っくり大きく振動している場合、つまり周波数が低い
きにおいて、大きな減衰力を得て速やかに振動を減衰さ
せたい場合であっても、充分な減衰力を得ることが
ないことになる。
【0005】本発明は、上述した事情に基づいてなされ
たもので、その目的とするところは、周波数依存型にし
て減衰力の調節範囲が大きく、低周波数時において確実
に大きな減衰力を発生可能なサスペンション装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、車体車輪との間に設けられ、
これら車体及び車輪を互いに離間する方向にエアにより
付勢するとともに該エアのエア圧が前記車体車輪間の
距離の変化に応じて変動するエアスプリングと、前記
車輪間に設けられ、減衰力を発生するショックアブ
ソーバとを備え、前記ショックアブソーバは、内部にピ
ストンにより区画された上部室及び下部室とを有するシ
リンダと、前記シリンダの外部側面に沿って形成されて
前記上部室と前記下部室とを接続し、途中に絞り部を有
した絞り流路と、前エアスプリングの圧力変動に応じ
て前記絞り部の流路断面積を調節する調節手段とを具備
し、前記調節手段は、弁体がこの弁体の一端に作用する
エア圧で押され弁シリンダ内を移動することで弁開度が
変化し、この弁開度が前記絞り部の流路断面積を決定す
るスプール弁を有し、前記エアスプリングの圧力変動に
より変動する該エアスプリング内のエア圧をエア通路を
介して該スプール弁の弁体の一端に向け供給し、該エア
圧により前記弁体を付勢することで前記絞り流路の断面
積を可変とし前記絞り部の流路断面積を調整することを
特徴とする。
【0007】また、請求項2の発明では、記調節手段
は、前記絞り流路に設けられた前記スプール弁と前記
エア通路と、このエア通路の途中に設けられたオリフィ
スとを含み、前記流路断面積の調節は、前記弁体の一端
に作用するエア圧が前記オリフィスにより前記圧力変動
に応じて低減され、前記スプール弁の弁開度がこの低減
されたエア圧に応じて変化することによって実施される
ことを特徴とする。
【0008】
【0009】
【作用】請求項1のサスペンション装置によれば、車体
車輪エアスプリングにより振動すると、ショックア
ブソーバ内の液体が上部室と下部室間を繋ぐ絞り流路内
を流れることになる。そして、車体車輪間の距離の変
化に基づきエアスプリングエア圧が変動すると、この
変動周波数に応じ、スプール弁の弁体がエア圧を受ける
ことで、調節手段により絞り部の流路断面積が調節さ
れ、これにより、絞り流路内を流れる液体の流量が好適
に変化させられ、ショックアブソーバの減衰力が周波数
依存性を有して増減する。このスプール弁からなる調節
手段は、ショックアブソーバのピストン以外の部位に設
けられることからスペース的な制約はなく、調節手段に
よる流路断面積の調節範囲は広く設定されている。従っ
て、エアスプリングエア圧の変化度合いが緩やかで変
動周波数が低い場合にあっては大きな減衰力が発生する
ことになる。
【0010】また、請求項2のサスペンション装置によ
れば、絞り部としての弁通路を有するスプール弁はその
弁体の一端に、弁シリンダの一端とエアスプリングとを
連結するエア通路を介してエアスプリング内のエア圧を
受ける。そして、このエア圧は、エア通路の途中に設け
られたオリフィスの作用により、圧力変動の変動周波数
に応じて低減されることになり、弁体の一端にはこの変
動周波数に依存して低減されたエア圧が作用することに
なる。従って、スプール弁の弁開度は、この低減された
エア圧に応じて変化することになり、これにより流路断
面積の調節が良好に実施されて、ショックアブソーバの
減衰力が周波数依存性を有して増減することになる。
【0011】
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1には、本発明に係るサスペンション装置のシス
テム構成図を示してある。同図に示すように、車体2と
車輪3との間には、空気ばねであるエアスプリング4
接続され、このエアスプリング4と並列にショックアブ
ソーバ6が接続されている。そして、エアスプリング4
からは、エアチューブ(エア通路)8が延びており、こ
のエアチューブ8は、後述するショックアブソーバ6の
スプール弁50に接続されている。
【0013】図2には、ショックアブソーバ6の断面図
を示してある。以下、同図に基づきショックアブソーバ
6の構成について説明する。尚、エアスプリング4の構
成については公知であり、ここでは説明を省略する。同
図に示すように、このショックアブソーバ6は、ツイン
チューブ式のショックアブソーバであり、円筒状のアウ
タシリンダ10の内部にインナシリンダ20を内装して
構成されている。
【0014】アウタシリンダ10の下端の開口部は、キ
ャップ12によって塞がれ、アウタシリンダ10内部が
密閉状態に保持されている。キャップ12にはジョイン
ト14が取付けられており、このジョイント14は車輪
3側に連結されている。アウタシリンダ10とキャップ
12とは、例えば、溶接により接合されており、この接
合部は、車輪3側からの入力に充分耐えられるように高
い強度を有している。
【0015】アウタシリンダ10の内部には、アウタシ
リンダ10の内面との間に所定の間隔を有して円筒状の
インナシリンダ(シリンダ)20が挿入されている。こ
のインナシリンダ20の上端開口部は、樹脂等からなる
ブッシュ22の中央凸部22aが嵌合するようにして塞
がれている。また、下端開口部も、樹脂等からなるイン
ナキャップ24の凸部24aが嵌合するようにして塞が
れている。そして、これらブッシュ22とインナキャッ
プ24で密閉されたインナシリンダ20内には、作動油
が充填されている。
【0016】ブッシュ22には、油通路23が穿設され
ており、この油通路23の一端はインナシリンダ20の
内部に、一方、他端は、後述するリザーバ室40に臨ん
で開口している。インナシリンダ20内には、アウタシ
リンダ10の上面10a、パッキン18及びブッシュ2
2を貫通してピストンロッド30が挿入されている。そ
して、ピストンロッド30の先端には、外嵌してピスト
ン32が取り付けられている。
【0017】このピストン32は、樹脂等で成形されて
おり、ピストンロッド30の先端に螺合するナット34
によってピストンロッド30に固定されている。このピ
ストン32は、インナシリンダ20内をインナシリンダ
20の内面に沿って摺動するようになっている。そし
て、このピストン32により、インナシリンダ20の内
部が、上部室20aと下部室20bとに区分される。
【0018】ピストンロッド30の上端には、ピストン
ロッド30を保護するためのカバー36が取付けられて
おり、このカバー36は、ピストンロッド30とともに
動くようになっている。そして、ピストンロッド30の
延長上には、カバー36を挟んでジョイント14と同様
のジョイント38が取付けられており、このジョイント
38は車体2側に接続されている。
【0019】インナシリンダ20とアウタシリンダ10
間は、リザーバ室40になっている。そして、このリザ
ーバ室40にも一定量の作動油が注入されている。この
リザーバ室40の作動油は、インナシリンダ20の下部
に穿設された貫通孔26を介してリザーバ室40とイン
ナシリンダ20間で行き来自在になっている。これによ
り、ピストン32が摺動すると、インナシリンダ20内
に挿入されるピストンロッド30の体積分だけインナシ
リンダ20内の作動油量が変化するが、この作動油量を
自在に調節可能になっている。尚、リザーバ室40内の
作動油の上部空間42には、低圧の空気が充填されてい
る。
【0020】また、リザーバ室40の略中央位置には、
調節手段としてのスプール弁50が設けられている。こ
のスプール弁50は、アウタシリンダ10を貫通して外
部に突出するようにしてアウタシリンダ10に取り付け
られているが、スプール弁50とアウタシリンダ10と
の接続部は、溶接等により密接されており、リザーバ室
40内の作動油が外部に漏洩しないようになっている。
【0021】このスプール弁50の上部からは、チュー
ブ(絞り流路)52がインナシリンダ20の外部側面を
リザーバ室40に沿って上方に延びており、チューブ5
2の上端は、上述した油通路23と連通するようにして
ブッシュ22に接続されている。チューブ52とブッシ
ュ22との接合部は、溶接や蝋付け等により密接されて
おり、内部を流れる作動油がリザーバ室40内に漏洩し
ないようになっている。また、スプール弁50には、後
述するように、連通孔54が穿設されており、この連通
孔54は、スプール弁50を貫通し、その下端はリザー
バ室40に臨んで開口している。
【0022】従って、ピストンロッド30が伸び側に移
動し、ピストン32が上方向に摺動するときには、イン
ナシリンダ20内の上部室20a内の作動油が、ブッシ
ュ22内部の油通路23、チューブ52、スプール弁5
0内の連通孔54、リザーバ室40、貫通孔26を通っ
てインナシリンダ20内の下部室20bに回流する。ま
た、ピストンロッド30が縮み側に移動し、ピストン3
2が下方向に摺動したときには、逆に、下部室20b内
の作動油が、貫通孔26、リザーバ室40、連通孔5
4、チューブ52、油通路23を通って上部室20aに
回流することになる。
【0023】図3には、図2のA−A断面に沿うスプー
ル弁50の断面図を示してある。スプール弁50には、
上述したように、連通孔54が設けられており、この連
通孔54は、上述のチューブ52の内部に連通してい
る。チューブ52とスプール弁50との接合部は、溶接
や蝋付け等により密接されており、内部を流れる作動油
がリザーバ室40内に漏洩しないようになっている。
【0024】また、スプール弁50には、連通孔54と
直交するようにして、筒状の弁シリンダ孔56が穿設さ
れている。この弁シリンダ孔56の一端は、底壁部56
aによって塞がれている一方、他端は開口している。こ
の開口部の手前には、流路面積を絞るオリフィス57が
形成されている。そして、開口部には、上述したエアチ
ューブ8が螺合して接続されている。
【0025】弁シリンダ孔56内には、弁シリンダ孔5
6の内壁面に沿って摺動可能な弁ピストン58が収納さ
れている。この弁ピストン58の中央部では、外周が中
心部のみを残して連通孔54の通路幅と同一幅で削り取
られており、この削り取られた部分が弁通路60を形成
している。これにより、スプール弁50がスプール弁と
して機能するようになっている。
【0026】図4には、図3中のB−B線に沿う断面を
示してあるが、同図に示すように、連通孔54は、弁シ
リンダ孔56の軸線に対し偏心するようにして設けられ
ている。よって、図3に示すように、弁ピストン58の
弁通路60が連通孔54と一致して位置しているときに
は、スプール弁50は開弁した状態となり、作動油が弁
通路60を流通可能となる。これに対し、弁ピスント5
8が左右に移動すると、スプール弁50の弁開度は減少
される。つまり、弁ピストン58は連通孔54及び弁通
路60と協働して絞り部を構成し、弁開度は絞り部の流
路断面積を決定する。
【0027】弁ピストン58の一端58aと底壁部56
aとから形成される空気室61内には、弁ピストン58
を底壁部56aと離間する方向に付勢するコイルスプリ
ング62が介装されている。ところで、弁ピストン58
の他端58bとオリフィス57とから形成される空気室
63内には、エアチューブ8を介して供給されるエアス
プリング4内の空気圧が作用しており、これにより、弁
ピストン58が空気室61側に付勢されている。従っ
て、コイルスプリング62は、コイルスプリング62の
付勢力とエアスプリング4からの空気圧による付勢力と
が釣り合った状態のとき、弁通路60と連通孔54とが
一致するようばね定数やばね長が設定されている。尚、
底壁部56aには、孔59が穿設されており、これによ
り、空気室61内の空気圧は常時大気圧に維持される。
【0028】一方、空気室63内にも、同様にしてコイ
ルスプリング62と同一ばね定数のコイルスプリング6
4が介装されているが、このコイルスプリング64は、
弁通路60と連通孔54とが一致しているときには、弁
ピストン58を付勢せずに無負荷状態となっている。つ
まり、このコイルスプリング64は、弁ピストン58が
空気室63側に移動したときにのみ弁ピストン58に対
して付勢力を発生するようになっている。
【0029】以下、上記のように構成されるサスペンシ
ョン装置の作用について説明する。車両2或いは車輪3
に外力が加わると、エアスプリング4内の空気圧が変動
し、エアスプリング4が振動するようになる。この空気
圧の変動は、エアチューブ8を介して空気室63に伝達
される。そして、弁ピストン58が、空気圧の変動に応
じ、コイルスプリング62或いはコイルスプリング64
の付勢力に抗して空気室61側、或いは空気室63側に
摺動することになる。
【0030】このように、弁ピストン58が弁シリンダ
孔56内で振動するようになると、弁通路60と連通孔
54間の開口面積、つまりスプール弁開度が変化し、弁
通路60内を通る作動油量が増減することになる。つま
り、エアスプリング4が圧縮しているときには、弁ピス
トン58が空気室61側に摺動してスプール弁開度を小
さくし、一方、エアスプリング4が膨張しているときに
は、弁ピストン58が空気室63側に摺動してスプール
弁開度をやはり小さくする。
【0031】ところで、弁シリンダ孔56には、上述し
たように、オリフィス57が設けられている。これによ
り、エアスプリング4内の空気圧の変動周波数fが小さ
いときには、オリフィス57の抵抗は小さく、空気圧の
変動を充分に空気室63に伝達することができる。しか
し、一方、エアスプリング4内の空気圧の変動周波数f
が大きいときには、オリフィス57の抵抗は大きく、空
気圧の変動を空気室63に伝達し難くなっている。
【0032】従って、エアスプリング4内の空気圧の変
動周波数fが小さいときには、弁ピストン58は、空気
圧の変動に応じて大きく振動し、スプール弁開度が小さ
く絞られる一方、エアスプリング4内の空気圧の変動周
波数fが大きいときには、弁ピストン58は殆ど振動せ
ず、スプール弁開度が常に開成された状態に維持される
ことになる(図3に示す状態)。
【0033】このような現象は、一般的に知られたオリ
フィス57の持つ特性によるものであり、この特性は、
次式(1) によって表される。 X=A/k×〔1+(ζ×A2 ×ω/k)2 1/2 …(1) ここに、Xは弁ピストン58の移動量を示しており、A
は弁ピストン58の他端58bの面積を、kはコイルス
プリング62,64のばね定数を、ζはオリフィス57
の絞り抵抗係数を、またωは変動周波数fの角速度を示
している。
【0034】つまり、この式(1) は、角速度ωが大きく
なり、変動周波数fが大きくなると、弁ピストン58の
移動量Xが小さくなり、一方、角速度ωが小さくなり、
変動周波数fが小さくなると、弁ピストン58の移動量
Xが大きくなることを表している。このように、スプー
ル弁50は、エアスプリング4内の空気圧の変動周波数
f、つまり、車体2或いは車輪3に作用する外力の変動
周波数に応じて、弁開度が変化することになるため、シ
ョックアブソーバ6は、周波数依存型のショックアブソ
ーバとして好適に機能することになる。
【0035】このとき、コイルスプリング62,64の
ばね定数を比較的小さくしておくことにより、エアスプ
リング4内の空気圧の変動周波数fが小さい場合の弁ピ
ストン58の振幅、つまり移動量を大きくできることに
なり、変動周波数fが小さいときのショックアブソーバ
6の減衰力を大きなものとすることができる。尚、変動
周波数fが大きい場合にあっては、コイルスプリング6
2,64のばね定数に依らず、常にスプール弁開度は大
きく維持される。
【0036】以上、詳細に説明したように、本発明のサ
スペンション装置では、スプール弁50とオリフィス5
7とを用いて、エアスプリング4内の空気圧の変動周波
数fに応じて弁開度が変化する周波数依存型のショック
アブソーバ6を実現するようにしたので、ショックアブ
ソーバ6内のピストンに減衰力切換弁機構を設ける場合
のようなスペース的な制約なく、コイルスプリング6
2,64のばね定数等を適宜設定するようにして容易に
変動周波数fに応じた好適な減衰力を発生させることが
できる。
【0037】これにより、車両がうねり路のような緩慢
なカーブの道路を走行し、変動周波数fが小さい場合に
あっては、振動を良好に吸収して車両姿勢を一定に保持
するようにでき、乗り心地を向上させることができる。
一方、車両が段差路やランダム路のような道路を走行
し、変動周波数fが大きい領域の場合にあっては、ショ
ックアブソーバ6の減衰力に基づき発生するショックを
軽減して乗り心地を向上させることができる。
【0038】ところで、スプール弁50は、上述したよ
うに、変動周波数fが小さい場合においては、エアスプ
リング4の振幅、つまりストローク量が大きくなると、
エアスプリング4内の空気圧が大きくなるほど、弁ピス
トン58の移動量が大きくなり、スプール弁開度が小さ
くなるような構造になっている。従って、エアスプリン
グ4のストローク量が大きくなるほど、大きな減衰力が
発生することになるため、このサスペンション装置は、
位置依存性も併せもっている。
【0039】尚、上記実施例では、スプール弁50内に
弁ピストン58を付勢するためのコイルスプリング62
とコイルスプリング64の2個のコイルスプリングを用
いるようにしたが、コイルスプリング62のみであって
も良好な結果が得られる。また、上記実施例では、車体
2と車輪3間には弾性体としてエアスプリング4のみを
備えるようにしたが、エアスプリング4の他にコイルス
プリング等の他のスプリングを併せて備えるようにして
もよい。
【0040】また、スプール弁50には、エアスプリン
グ4からの空気、つまり圧縮流体を供給するようにした
が、エアスプリング4や他のスプリングとともに振動
し、そのストローク量に応じて液体(非圧縮流体)をス
プール弁50に供給し、またスプール弁50から排出さ
せるような液体シリンダを流体圧変化手段として設け、
これにより弁ピストン58を作動させるような構成にし
ても同様の効果が得られる。尚、このように液体を用い
る場合には、液体シリンダとスプール弁50との間に、
余剰の液体を一時的に逃がすためのリザーバタンクを分
岐して接続しておけばよい。
【0041】
【発明の効果】上述のように、請求項1のサスペンショ
ン装置によれば、車体車輪との間に設けられ、これら
車体及び車輪を互いに離間する方向にエアにより付勢す
とともに該エアのエア圧が車体車輪間の距離の変化
に応じて変動するエアスプリングと、車体車輪間に設
けられ、減衰力を発生するショックアブソーバとを備
え、ショックアブソーバは、内部にピストンにより区画
された上部室及び下部室とを有するシリンダと、シリン
ダの外部側面に沿って形成されて上部室と下部室とを接
し、途中に絞り部を有した絞り流路と、エアスプリン
の圧力変動に応じて絞り部の流路断面積を調節する調
節手段とを具備し、調節手段は、弁体がこの弁体の一端
に作用するエア圧で押され弁シリンダ内を移動すること
で弁開度が変化し、この弁開度が絞り部の流路断面積を
決定するスプール弁を有し、エアスプリングの圧力変動
により変動する該エアスプリング内のエア圧をエア通路
を介して該スプール弁の弁体の一端に向け供給し、該エ
ア圧により弁体を付勢することで絞り流路の断面積を可
変とし絞り部の流路断面積を調整するようにしたので、
調節手段をショックアブソーバ内のピストンに設ける必
要がないことで減衰力の調節範囲を広くでき、これによ
り、エアスプリングによるエア圧の変動周波数に応じた
減衰力を良好に発生することができる。従って、エア
圧力の変化度合いが緩やかでエアスプリングエア圧の
変動周波数が低い場合にあっては、ショックアブソーバ
は好適に大きな減衰力を発生させることができる。
【0042】また、請求項2のサスペンション装置によ
れば、調節手段は、絞り流路に設けられたスプール弁
エア通路と、このエア通路の途中に設けられたオリ
フィスとを含み、流路断面積の調節は、弁体の一端に作
用するエア圧がオリフィスにより圧力変動に応じて低減
され、スプール弁の弁開度がこの低減されたエア圧に応
じて変化することによって実施されるので、減衰力の調
節範囲を好適に広くでき、ショックアブソーバは、エア
スプリングによるエア圧の変動周波数に応じた減衰力を
周波数依存性よく良好に発生することができる。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサスペンション装置のシステム構成を
示す図である。
【図2】ショックアブソーバを示す断面図である。
【図3】図2中のA−A線に沿うスプール弁の断面を示
す図である。
【図4】図3中のB−B線に沿うスプール弁の平断面を
示す図である。
【符号の説明】 2 車体 3 車輪 4 エアスプリン 6 ショックアブソーバ 8 エアチューブ(エア通路) 10 アウタシリンダ 20 インナシリンダ 23 油通路 40 リザーバ室 50 スプール弁 52 チューブ(絞り流路) 54 連通孔 60 弁通路 56 弁シリンダ孔 57 オリフィス 58 弁ピストン 62 コイルスプリング 64 コイルスプリング
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 9/50 F16F 9/06 B60G 17/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体車輪との間に設けられ、これら
    体及び車輪を互いに離間する方向にエアにより付勢する
    とともに該エアのエア圧が前記車体車輪間の距離の変
    化に応じて変動するエアスプリングと、 前記車体車輪間に設けられ、減衰力を発生するショッ
    クアブソーバとを備え、 前記ショックアブソーバは、内部にピストンにより区画
    された上部室及び下部室とを有するシリンダと、前記シ
    リンダの外部側面に沿って形成されて前記上部室と前記
    下部室とを接続し、途中に絞り部を有した絞り流路と
    エアスプリングの圧力変動に応じて前記絞り部の流
    路断面積を調節する調節手段とを具備し、 前記調節手段は、弁体がこの弁体の一端に作用するエア
    圧で押され弁シリンダ内を移動することで弁開度が変化
    し、この弁開度が前記絞り部の流路断面積を決定するス
    プール弁を有し、前記エアスプリングの圧力変動により
    変動する該エアスプリング内のエア圧をエア通路を介し
    て該スプール弁の弁体の一端に向け供給し、該エア圧に
    より前記弁体を付勢することで前記絞り流路の断面積を
    可変とし前記絞り部の流路断面積を調整 することを特徴
    とするサスペンション装置。
  2. 【請求項2】 記調節手段は、前記絞り流路に設けら
    た前記スプール弁と前記エア通路と、このエア通路
    の途中に設けられたオリフィスとを含み、 前記流路断面積の調節は、前記弁体の一端に作用する
    圧が前記オリフィスにより前記圧力変動に応じて低減
    され、前記スプール弁の弁開度がこの低減されたエア
    に応じて変化することによって実施されることを特徴と
    する、請求項1記載のサスペンション装置。
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