JP6732445B2 - 飲料用消泡剤 - Google Patents

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Description

本発明は、飲料用消泡剤に関する。
従来、コーヒーや紅茶等の飲料製品において、製造工程や流通過程における泡立ちが問題となっている。例えば、缶やペットボトル等の密封容器詰め飲料の容器充填時やカップ式飲料自動販売機の飲料供給時においては、発生した気泡が充填を阻害したり容器から溢れ出す場合がある。また、流通時の振動や消費者による振盪により密封容器内で気泡が生じると、開栓時に内容液が噴き出す原因となり得る。
このような泡立ちによる弊害を防止するため、従来シリコーン樹脂系消泡剤や食品用乳化剤を利用した消泡剤が用いられている。しかし、シリコーン樹脂系消泡剤は、食品に使用するには安全性のイメージが悪いという問題がある。また、シリコーン樹脂系消泡剤は、食品添加物としての使用量に制限があり、その制限内の使用では十分な効果を得難いという問題もある。このため、近時このような問題の少ない食品用乳化剤を利用した消泡剤が好まれる傾向にある。
一方で、食品用乳化剤を利用した消泡剤においても、使用する乳化剤の種類や添加量によっては乳化剤が飲料中に十分に分散せず液面に浮遊(油浮き)したり、乳化剤特有の風味が発現したりして飲料製品の外観や風味を損なう問題があった。
このような問題に対し、平均粒子径が0.1〜0.5μm未満の乳化物からなる消泡剤(特許文献1)や、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル12〜15重量%、グリセリン不飽和脂肪酸エステル8〜12重量%、グリセリン飽和脂肪酸エステル4〜8重量%、及び糖類65〜76重量%を含有することを特徴とする食品用消泡剤(特許文献2)等、食品用乳化剤を水性溶媒中に分散した水中油型乳化組成物状の消泡剤が提案されている。このような水中油型乳化組成物状の消泡剤は、水性の飲料への分散性が高いため油浮きが生じにくく、風味への影響も少ないので飲料に対して好ましく用いることができる。
しかしながら、水中油型乳化組成物状の消泡剤は一般に消泡性能が低く、上記特許文献1及び2に記載の消泡剤でも、十分な消泡効果を得るために添加量を増やすと油浮きや風味への影響を生じたり、添加コストが嵩むといった問題があった。そこで、油浮きや風味への影響を生じにくく、かつ消泡性能により優れた食品用消泡剤が求められていた。
特開2011−103842号公報 特開2010−193740号公報
本発明は、特定の食品用乳化剤を有効成分とする飲料用消泡剤であって、油浮きや風味への影響を生じにくく、かつ消泡性能により優れた飲料用消泡剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを水及び/又は多価アルコール中に分散することにより、油浮きや風味への影響を生じにくく、かつ消泡性能にも優れた飲料用消泡剤が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、次の(1)〜(2)からなっている。
(1)(a)グリセリン脂肪酸エステル、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステル及び(c)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有する、水及び/又は多価アルコール中油型乳化組成物であることを特徴とする飲料用消泡剤。
(2)(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルがジグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする前記(1)に記載の飲料用消泡剤。
本発明の飲料用消泡剤は油浮きや風味への影響を生じにくく、かつ消泡性能に優れるため、飲料の品質を害することなく飲料の製造工程や流通過程において発生する泡を消去及び/又は泡立ちを抑制することができる。
本発明の飲料用消泡剤は、有効成分である食品用乳化剤として、(a)グリセリン脂肪酸エステル、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステル及び(c)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(以下、それぞれ「(a)成分」、「(b)成分」、「(c)成分」ともいう)を含有する。
本発明の(a)成分であるグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンと脂肪酸とのエステルであり、エステル化反応、エステル交換反応等自体公知の方法で製造できる。該エステルはモノエステル体(モノグリセリド)、ジエステル体(ジグリセリド)のいずれであってもよく、あるいはそれらの混合物であってもよい。また、トリエステル体(トリグリセリド)を含んでいてもよい。
グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等)又は不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸等)が挙げられる。これらの中でも、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸等)が好ましく、オレイン酸が特に好ましい。これら脂肪酸は一種類のみを単独で用いてもよく、二種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリンオレイン酸エステル(商品名:ポエムOL−200V;モノエステル体含有量約45質量%;理研ビタミン社製)、グリセリンステアリン酸エステル(商品名:エマルジーMS;モノエステル体含有量90質量%以上;理研ビタミン社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
本発明の(b)成分であるポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応等自体公知の方法で製造できる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンは、通常グリセリンに少量の酸又はアルカリを触媒として添加し、窒素又は二酸化炭素等の任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させた組成物を所望により中和後、分子蒸留やイオン交換樹脂処理等で精製することで得られる。また、ポリグリセリンは、グリシドール又はエピクロルヒドリン等を原料として得られるものであってもよい。反応終了後、必要であれば中和、脱塩又は脱色等の処理を行ってもよい。
ポリグリセリンの平均重合度に特に制限はないが、例えば、平均重合度が2〜10のもの、具体的にはジグリセリン(平均重合度2)、トリグリセリン(平均重合度3)、テトラグリセリン(平均重合度4)、ヘキサグリセリン(平均重合度6)、オクタグリセリン(平均重合度8)又はデカグリセリン(平均重合度10)等が挙げられる。これらの中でも、ジグリセリンが好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等)又は不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸等)が挙げられる。これらの中でも、炭素数8〜12の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸等)又は炭素数16〜22の不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸等)が好ましく、カプリル酸又はオレイン酸が特に好ましい。これら脂肪酸は一種類のみを単独で用いてもよく、二種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ジグリセリンカプリル酸エステル(商品名:ポエムFB−28;理研ビタミン社製)、ジグリセリンオレイン酸エステル(商品名:ポエムDO−100V;理研ビタミン社製)、デカグリセリンオレイン酸エステル(商品名:SYグリスターDAO−7S;阪本薬品工業社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
本発明の(c)成分であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビトール又はソルビタンと脂肪酸とのエステルであるソルビタン脂肪酸エステルに、エチレンオキシドを付加重合させることにより製造される非イオン性界面活性剤である。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数8〜24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等)又は不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸等)が挙げられる。これら脂肪酸は一種類のみを単独で用いてもよく、二種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル(商品名:ウィルサーフTF−80;日油社製)、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステル(商品名:ウィルサーフTF−60;日油社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
本発明の飲料用消泡剤は、上記(a)〜(c)成分を水及び/又は多価アルコール中に分散してなる乳化組成物である。即ち、本発明の飲料用消泡剤は、上記(a)〜(c)成分が油相を構成し、水及び/又は多価アルコールが水相として連続相を構成する。
本発明で用いられる水としては、飲用可能なものであれば特に制限はなく、例えば蒸留水、イオン交換樹脂処理水、逆浸透膜(RO)処理水又は限外ろ過膜(UF)処理水等の精製水、水道水、地下水あるいは涌水等の天然水又はアルカリイオン水等が挙げられる。
本発明で用いられる多価アルコールは、1分子中に2つ以上のヒドロキシ基をもつ化合物であれば特に制限はなく、例えば、キシロース、ブドウ糖、果糖等の単糖類、ショ糖、乳糖、麦芽糖等のオリゴ糖類、デキストリンあるいは水飴等のでん粉分解物、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース等のマルトオリゴ糖類、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖等の異性化糖、蜂蜜等の転化糖、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、還元水飴等の糖アルコール類、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。これらの中でも、異性化糖及び糖アルコール類が好ましく、ソルビトールが特に好ましい。これら多価アルコールは、一種類のみを単独で用いてもよく、二種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
上記水及び/又は多価アルコールは、いずれか一方のみを用いてもよく、製剤の粘度調整等の目的でこれらを併用し、多価アルコール水溶液として用いてもよい。
本発明の飲料用消泡剤の製造方法に特に制限はないが、その好ましい製造方法の概略は以下の通りである。
即ち、(a)〜(c)成分を60〜90℃、好ましくは70〜80℃に加温して溶解し、これを油相とする。一方、水及び/又は多価アルコールをTKホモミクサー(プライミクス社製)又はクレアミックス(エムテクニック社製)等の高速回転式分散・乳化機を用いて低速(例えば、2000〜5000rpm)で攪拌しながら、ここに該油相を徐々に加えた後、該高速回転式分散・乳化機にて高速(例えば、7000〜12000rpm)で攪拌・分散し、水及び/又は多価アルコール中油型乳化組成物である飲料用消泡剤を得る。また、本発明の飲料用消泡剤の製造において、後述する「(a)〜(c)成分以外の食品用乳化剤」としてショ糖脂肪酸エステルを用いる場合には、水及び/又は多価アルコールに油相を加える前に、該水及び/又は多価アルコールにショ糖脂肪酸エステルを加え、これを60〜90℃、好ましくは70〜80℃に加温して溶解すると、ショ糖脂肪酸エステルによる「加熱殺菌による消泡性能の低下を抑制する効果」が十分に発揮されるため好ましい。なお、該飲料用消泡剤の性状は配合等により異なるが、常温で液状を呈するのが好ましい。
本発明の飲料用消泡剤全体に占める(a)〜(c)成分と水及び/又は多価アルコールの含有量の割合は特に制限されないが、本発明の飲料用消泡剤100質量%中、例えば、(a)〜(c)成分の合計量が10〜80質量%、好ましくは20〜60質量%であり、残余が水及び/又は多価アルコールとなるように調製することが好ましい。
本発明の飲料用消泡剤において、(a)〜(c)成分それぞれの配合割合は特に制限されないが、これらの合計量100質量%に対し、例えば、(a)成分が1〜98質量%、好ましくは15〜80質量%、より好ましくは30〜65質量%であり、(b)成分が1〜98質量%、好ましくは15〜80質量%、より好ましくは30〜65質量%であり、(c)成分が1〜98質量%、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。但し、(a)成分であるグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸が飽和脂肪酸である場合、飲料の風味に与える影響を少なくするため、又は、製剤化を容易にするため、その配合割合は1〜30質量%であることが好ましい。
また、本発明の飲料用消泡剤は、本発明の目的・効果を阻害しない範囲で、従来飲料用消泡剤に使用されている他の任意の成分を含んでもよい。例えば、(a)〜(c)成分以外の食品用乳化剤、油脂、シリコーン樹脂、酸化防止剤等を配合することができる。(a)〜(c)成分以外の食品用乳化剤としては、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、レシチン等が挙げられる。ここで、グリセリン有機酸脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル等が挙げられる。また、レシチンには分別レシチン、酵素分解レシチン又は酵素処理レシチン等が含まれる。
ここで、本発明の飲料用消泡剤を使用した飲料が加熱殺菌(例えば、レトルト殺菌、UHT殺菌等)に供されるものである場合、(a)〜(c)成分以外の食品用乳化剤としては、当該加熱殺菌による消泡性能の低下を抑制する観点からショ糖脂肪酸エステルを用いることが好ましい。
上記ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖と脂肪酸とのエステル化生成物であり、その構成脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はないが、例えば、ステアリン酸を70質量%以上含有する脂肪酸であっても良い。
上記ショ糖脂肪酸エステルとしては、HLBが約7より大きいものが好ましく、HLBが約9以上のものが更に好ましい。上記HLBを有するショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、リョートーシュガーエステルS−970(商品名;HLB9;三菱化学フーズ社製)、リョートーシュガーエステルS−1170(商品名;HLB11;三菱化学フーズ社製)、DKエステルF−110(商品名;HLB11;第一工業製薬社製)、DKエステルF−140(商品名;HLB13;第一工業製薬社製)、リョートーシュガーエステルP−1570(商品名;HLB15;三菱化学フーズ社製)、DKエステルF−160(商品名;HLB15;第一工業製薬社製)、リョートーシュガーエステルS−1670(商品名;HLB16;三菱化学フーズ社製)などが商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。ここでHLBは、製造メーカー等が公表している数値を採用することができる。
本発明の飲料用消泡剤において、(a)〜(c)成分以外の食品用乳化剤としてショ糖脂肪酸エステルを用いる場合、その配合割合は特に制限されないが、本発明の飲料用消泡剤100質量%に対し、例えば、0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜7質量%、より好ましくは1〜5質量%である。
なお、本発明の飲料用消泡剤はシリコーン樹脂を含有することを排除するものではないが、食品用乳化剤を有効成分とする飲料用消泡剤の提供を課題とすることから、シリコーン樹脂を実質的に含有しないことが好ましい。「シリコーン樹脂を実質的に含有しない」とは、飲料用消泡剤の消泡性能の向上に寄与しない程度の微量のシリコーン樹脂を含有又は混入していることを含むものとする。より具体的には、飲料用消泡剤100質量%中、シリコーン樹脂の含有量が通常0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下であることを意味する。
本発明の飲料用消泡剤は、飲料の製造工程(製造から製品化(包装等)までの種々の工程)において発生する泡の消去及び/又は泡立ちの抑制や、製造された飲料の運搬時や販売時等における泡立ちの抑制に使用することができる。なお、本発明の飲料用消泡剤を使用できる飲料に特に制限はないが、例えば、牛乳、乳酸菌飲料等の乳飲料;コーヒー飲料;ウーロン茶飲料、紅茶飲料、緑茶等の茶系飲料;調整豆乳等の豆乳飲料;オレンジ果汁、リンゴ果汁、グレープフルーツ果汁等の果汁飲料;果実飲料;コーラ、サイダー等の炭酸飲料;ビール、酎ハイ、カクテル等のアルコール飲料;栄養ドリンク、ビタミン・ミネラル飲料等の健康飲料;健康補助食品;スポーツ飲料等の機能性飲料が挙げられ、好ましくは乳飲料、コーヒー飲料、茶系飲料及び豆乳飲料である。
本発明の飲料用消泡剤を飲料に使用する際の添加方法に特に制限はなく、飲料の製造工程における任意の時点で飲料の原料又は中間原料に対して添加してもよく、製造された飲料に対して添加してもよいが、被添加成分(例えば、飲料若しくはその原料又はそれらの製造過程における中間原料)に添加した後、これを撹拌しながら50〜80℃に加温して混合することが好ましい。このようにすることで、被添加成分に対して本発明の飲料用消泡剤が均一に分散し、本発明の効果を十分に発揮することができる。
本発明の飲料用消泡剤を飲料に使用する際の添加量に特に制限はないが、例えば、0.1〜5000ppm、好ましくは5〜1000ppm、より好ましくは10〜500ppm、さらに好ましくは50〜250ppm添加することができる。
以下に本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[飲料用消泡剤の調製]
(1)原材料
1)グリセリンオレイン酸エステル(商品名:ポエムOL−200V;理研ビタミン社製)
2)グリセリンステアリン酸エステル(商品名:エマルジーMS;理研ビタミン社製)
3)ジグリセリンカプリル酸エステル(商品名:ポエムFB−28;理研ビタミン社製)
4)ジグリセリンオレイン酸エステル(商品名:ポエムDO−100V;理研ビタミン社製)
5)デカグリセリンオレイン酸エステル(商品名:SYグリスターDAO−7S;阪本薬品工業社製)
6)ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル(商品名:ウィルサーフTF−80;日油社製)
7)ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステル(商品名:ウィルサーフTF−60;日油社製)
8)ショ糖脂肪酸エステル(商品名:リョートーシュガーエステルS−1670;HLB16;三菱化学フーズ社製)
9)ソルビタンオレイン酸エステル(商品名:ポエムO−80V;理研ビタミン社製)
10)D−ソルビトール液(商品名:ソルビトールF;糖度70%;物産フードサイエンス社製)
11)ブドウ糖果糖液糖(商品名:ニューフラクトR−30;昭和産業社製)
12)イオン交換水
(2)飲料用消泡剤の配合
上記原材料を用いて調製した飲料用消泡剤1〜17の配合組成を表1及び2に示す。この内、表1に示す飲料用消泡剤1〜11は本発明に係る実施例であり、表2に示す飲料用消泡剤12〜17はそれらに対する比較例である。
Figure 0006732445
Figure 0006732445
(3)飲料用消泡剤の調製方法
<飲料用消泡剤1〜9及び12〜16の調製>
表1及び2に示した配合割合に基づき、各食品用乳化剤を精秤し、70℃に加温しながら混合及び溶解してこれを油相とした。一方、表1及び2に示した配合割合に基づき、D−ソルビトール液、ブドウ糖果糖液糖又はイオン交換水を500ml容量のビーカーに精秤し、70℃に加温してこれを水相とし、該水相をTKホモミクサー(型式:MARK2型 Fモデル;プライミクス社製)を用いて3000rpmで撹拌しながらここに該油相を加えた後、さらに7000rpmで5分間混合乳化した。これを室温まで自然冷却して、水及び/又は多価アルコール中油型乳化組成物である飲料用消泡剤1〜9及び12〜16各400gを得た。なお、飲料用消泡剤1〜3、5〜9及び12〜16は液状であり、飲料用消泡剤4はゲル状であった。
<飲料用消泡剤10及び11の調製>
表1に示した配合割合に基づき、ショ糖脂肪酸エステル以外の各食品用乳化剤を精秤し、70℃に加温しながら混合及び溶解してこれを油相とした。一方、表1に示した配合割合に基づき、D−ソルビトール液、イオン交換水及びショ糖脂肪酸エステルを500ml容量のビーカーに精秤し、70℃に加温しながら混合及び溶解してこれを水相とした。該水相をTKホモミクサー(型式:MARK2型 Fモデル;プライミクス社製)を用いて3000rpmで撹拌しながらここに該油相を加えた後、さらに7000rpmで5分間混合乳化した。これを室温まで自然冷却して、水及び/又は多価アルコール中油型乳化組成物である液状の飲料用消泡剤10及び11各400gを得た。
<飲料用消泡剤17の調製>
表2に示した配合割合に基づき、グリセリンオレイン酸エステル10g、ジグリセリンカプリル酸エステル10g及びポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル1g(合計21g)を精秤し、これらを70℃に加温しながら混合及び溶解した。これを室温まで自然冷却して、液状の飲料用消泡剤17を得た。
[飲料用消泡剤の評価1]
(1)消泡性能の評価
市販のペットボトル入りブラックコーヒー(商品名:BLENDED COFFEE 無糖;UCC上島珈琲社製)を試験管(直径30mm×長さ200mm)に30g入れ、これに飲料用消泡剤1〜8、12〜15及び17のうちいずれかを0.003g(100ppm)添加し、撹拌しながら70℃になるまで湯煎し、試験液を調製した。湯煎後、試験管をシリコン栓で密栓し、55℃に設定した恒温器(型式:DKM−400;ヤマト科学社製)で12時間保存した。12時間経過後、試験管を恒温器から取り出し、上下に激しく50回振盪した。振盪を停止してから10秒が経過した時点で、試験液に生じた泡沫の高さ(泡沫と試験液の界面から、泡沫の最上部までの高さ)を測定した。また、対照として飲料用消泡剤を添加しない試験区でも同様に試験を実施した。結果を表4に示す。
(2)油浮きの評価
市販のペットボトル入りブラックコーヒー(商品名:BLENDED COFFEE 無糖;UCC上島珈琲社製)を300ml容量のビーカーに200g入れ、これに飲料用消泡剤1〜8、12〜15及び17のうちいずれかを0.020g(100ppm)添加し、撹拌しながら70℃になるまで湯煎し、試験液を調製した。湯煎後、常温まで自然冷却し、試験液表面の状態を目視により観察して油浮きの有無を評価した。結果を表4に示す。
(3)風味の評価
上記(2)の評価の後、各試験液の風味を評価した。評価は表3に示す評価基準により、5名のパネラーで行った。結果は5名の評点の平均値として求め、下記基準に従って記号化した。結果を表4に示す。
○:良好 平均点2.5以上
△:やや悪い 平均点2.0以上、2.5未満
×:悪い 平均点2.0未満
Figure 0006732445
Figure 0006732445
表4の結果から明らかなように、本発明の実施例である飲料用消泡剤1〜8は、いずれも泡沫の高さが20mm未満で消泡性能に優れており、かつ油浮きが無く風味も良好であった。
一方、本発明の(a)〜(c)成分のいずれかを欠く飲料用消泡剤12〜14、(a)〜(b)成分に替えて他の食品用乳化剤(ソルビタン脂肪酸エステル)と(c)成分を併用した飲料用消泡剤15及び(a)〜(c)成分からなるが水及び/又は多価アルコール中油型乳化組成物でない飲料用消泡剤17は、消泡性能、油浮き及び風味のうち少なくとも一つにおいて評価結果が劣っており、本発明の課題を全て同時に解決することはできなかった。
[飲料用消泡剤の評価2]
(1)缶入りコーヒー飲料の調製
焙煎コーヒー豆100gを90℃の精製水1000gで抽出し、コーヒー抽出液(Brix3.0)800gを得た。該コーヒー抽出液に精製水1600gを加えコーヒー溶液(Brix1.0)2400gを得た。得られたコーヒー溶液のうち190gに飲料用消泡剤(飲料用消泡剤1〜3及び9〜11及び16のうちいずれか)を0.019g(100ppm)添加し、これを飲料缶に充填して密封し、約123℃で20分間レトルト殺菌し、缶入りコーヒー飲料(内容量約190g/缶)を得た。
(2)消泡性能の評価
(1)で得た缶入りコーヒー飲料を開缶して試験管(直径30mm×長さ200mm)に30g入れてシリコーン栓で密栓し、55℃に設定した恒温器(型式:DKM−400;ヤマト科学社製)で24時間保存した。24時間経過後、試験管を恒温器から取り出し、ストローク幅約20cmで上下に激しく50回振盪した。振盪を停止してから3秒が経過した時点で、試験液に生じた泡沫の高さ(泡沫と試験液の界面から、泡沫の最上部までの高さ)を測定した。また、上記(1)においてレトルト殺菌に供する前のコーヒー飲料についても同様に消泡性能の評価試験を実施した。結果を表6に示す。
(3)油浮きの評価
(1)で得たコーヒー溶液(Brix1.0)を300ml容量のビーカーに200g入れ、これに飲料用消泡剤1〜3、9〜11及び16のうちいずれかを0.020g(100ppm)添加し、撹拌しながら70℃になるまで湯煎し、試験液を調製した。湯煎後、常温まで自然冷却し、試験液表面の状態を目視により観察して油浮きの有無を評価した。結果を表6に示す。
(4)風味の評価
上記(3)の評価の後、各試験液の風味を評価した。評価は表5に示す評価基準により、5名のパネラーで行った。結果は5名の評点の平均値として求め、下記基準に従って記号化した。結果を表6に示す。
○:良好 平均点2.5以上
△:やや悪い 平均点2.0以上、2.5未満
×:悪い 平均点2.0未満
Figure 0006732445
Figure 0006732445
表6の結果から明らかなように、本発明の実施例である飲料用消泡剤1〜3及び9〜11は、いずれも泡沫の高さが比較例の飲料用消泡剤16に比べて低く消泡性能に優れており、かつ油浮きが無く風味も良好であった。また、実施例の飲料用消泡剤のうち、本発明の(a)〜(c)成分以外の食品用乳化剤としてショ糖脂肪酸エステルを用いた飲料用消泡剤10及び11は、レトルト殺菌による消泡性能の低下が見られず、より優れたものであった。

Claims (2)

  1. (a)炭素数16〜22の直鎖の不飽和脂肪酸又はステアリン酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステル(但し、食用油脂を除く)、(b)炭素数8〜12の直鎖の飽和脂肪酸又は炭素数16〜22の直鎖の不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とし、且つポリグリセリンの平均重合度が2〜10のポリグリセリン脂肪酸エステル及び(c)炭素数8〜24の直鎖の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有する水及び/又は多価アルコール中油型乳化組成物である飲料用消泡剤であって、(a)〜(c)の合計量100質量%に対し、(a)を15〜80質量%、(b)を15〜80質量%、(c)を1〜20質量%含有し、且つ、該飲料用消泡剤100質量%中、(a)〜(c)の合計量が10〜80質量%であることを特徴とする飲料用消泡剤。
  2. (b)炭素数8〜12の直鎖の飽和脂肪酸又は炭素数16〜22の直鎖の不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とし、且つポリグリセリンの平均重合度が2〜10のポリグリセリン脂肪酸エステルがジグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1に記載の飲料用消泡剤。
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