JP6719216B2 - α−β型チタン合金 - Google Patents

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Description

本発明は、α−β型チタン合金に関する。特には被削性に優れたα−β型チタン合金に関する。
Ti−6Al−4Vに代表される高強度α−β型チタン合金は、軽量、高強度、高耐食性であることに加え、熱処理により容易に強度レベルを変化させることが可能であるため、従来から航空機産業を中心に多用されてきた。これらの特性を更に活用すべく、近年では、自動車や自動二輪車のエンジン部材といった自動車部品、ゴルフ用品をはじめとしたスポーツ用品、土木建築用素材、各種工具類、眼鏡フレームなどの民生品分野や、深海やエネルギー開発用途などへの適用拡大も進んでいる。
前記α−β型チタン合金として、例えば特許文献1には、疲労強度に優れたα−β型チタン合金押出材、およびそのα−β型チタン合金押出材の製造方法が示されている。具体的にα−β型チタン合金押出材として、規定量のC、Alを含有すると共に、V、Cr、Fe、Mo、Ni、Nb、Taのいずれかを合計で2.0〜10.0%含有し、一次α相の面積率が一定範囲内にあり、その一次α相のうちの80%以上の一次α粒の長径の方向が、規定の角度範囲内に収まり、且つ、二次α相の平均短径が0.1μm以上であることが示されている。
また、鍛造性を高めたα−β型チタン合金として、特許文献2には、Ti−6Al−4V合金よりも強度が高く、鋳造性に優れた鋳造用α−β型チタン合金が示されている。具体的には、規定量のAl、Fe+Cr+Ni、およびC+N+O、更には必要に応じて規定量のVを含み、残部がTi及び不可避的不純物からなるα−β型チタン合金が示されている。
しかしながら、α−β型チタン合金の著しく高い製造コストに加えて、特に被削性が悪いことが、α−β型チタン合金の適用拡大の妨げとなっており、使用範囲は限定されているのが現状である。このような実情に鑑みて、近年は、被削性を改善した種々のチタン合金が提案されている。
例えば特許文献3には、希土類元素(REM、Rare Earth Metal)とCa、S、Se、Te、Pb、Biを適宜含有させて、粒状の化合物を形成することによって靭性、延性の低下を抑制しつつ、被削性を向上させたコンロッド用チタン合金が記載されている。特許文献4にも、希土類元素を含有させることにより被削性を向上させ、Bを含有させることにより熱間加工性を改善させた快削チタン合金が記載されている。
特許文献5には、快削成分として、PとS、PとNi、またはPとSとNi、更にはこれらの元素に加えてREMを添加することにより、マトリックスの延性低下と介在物の微細化を図り、快削性を改善しつつ、熱間加工性を確保すると共に疲労強度の低下を抑制した快削性チタン合金が記載されている。
また特許文献6には、被削性及び熱間加工性に優れたα−β型チタン合金として、規定量のC、Alと共に、各規定量のV、Cr、Fe、Mo、Ni、Nb、Taのβ安定化元素群から1種又は2種以上を合計で2.0〜10%含み、残部Ti及び不純物からなり、組織中のTiC析出物の平均面積率が1%以下で、かつTiC析出物の平均円相当径の平均値が5μm以下であるチタン合金が示されている。
特開2012−52219号公報 特開2010−7166号公報 特公平6−99764号公報 特公平6−53902号公報 特許第2626344号公報 特開2007−84865号公報
しかしながら、上記特許文献3や特許文献4の様にREMを用いて金属介在物を析出させたり、上記特許文献5の様にPを積極的に含有させてP介在物を形成させたり、また特許文献6の通りTiC析出物のサイズを制御する方法では、これらの析出物や介在物の析出が、溶解−鍛造工程における温度や冷却速度の影響を受けやすく、該析出物等のサイズの制御が難しいことが考えられる。また素材の形状やサイズによって、上記析出物や介在物のサイズ等のばらつきも生じやすい。よって、目的の介在物を析出させて優れた被削性を得るには、製造工程上、厳密な管理が必要であるといった問題がある。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、上記製造工程の厳密な管理等を必要としなくとも、前記Ti−6Al−4Vに代表されるα−β型チタン合金レベルの高強度と優れた熱間加工性を有すると共に、前記Ti−6Al−4Vよりも優れた被削性を示すα−β型チタン合金を実現することにある。
上記課題を解決し得た本発明のα−β型チタン合金は、質量%で、Cu:0.1〜2.0%、およびNi:0.1〜2.0%のうちの少なくとも1種の元素、Al:2.0〜8.5%、C:0.08〜0.25%、ならびに、Cr:0〜4.5%、およびFe:0〜2.5%のうちの少なくとも1種の元素を合計で1.0〜7.0%を含み、残部がTiおよび不可避不純物からなるところに特徴を有する。
前記α−β型チタン合金は、更に、質量%で、V:0%超5.0%以下、Mo:0%超5.0%以下、Nb:0%超5.0%以下、およびTa:0%超5.0%以下よりなる群から選択される1種以上の元素を、合計で0%超10%以下含んでいてもよい。
また前記α−β型チタン合金は、更に、質量%で、Si:0%超0.8%以下を含んでいてもよい。
本発明によれば、Ti−6Al−4Vに代表されるα−β型チタン合金レベルの高強度と優れた鍛造性等の熱間加工性を有すると共に、前記Ti−6Al−4Vよりも優れた被削性を示し、良好な工具寿命の確保が可能であるα−β型チタン合金を提供できる。
図1は、本発明のチタン合金の顕微鏡写真である。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、特にCuとNiのうちの少なくとも1種を規定量含有させることによって、高温での延性が大幅に向上し、特には、変形抵抗の低下により切削加工時に切粉が薄く形成されて切削抵抗が低くなる、すなわち被削性が向上することを見出した。以下、本発明のα−β型チタン合金の成分組成について、本発明の特徴であるCu、Niから順に説明する。
Cu:0.1〜2.0%、およびNi:0.1〜2.0%のうちの少なくとも1種の元素
これらの元素は、合金中のα相およびβ相に固溶し、高温での延性を増大させ、熱間加工性を向上させる。それにより特に切削抵抗が低くなり、被削性が向上する。これらの元素は、単独で用いてもよいし2種を併用してもよい。各元素の含有量が0.1%未満だと上記延性向上の効果が小さい。よって各元素の含有量を0.1%以上とした。各元素の含有量は、好ましくはそれぞれ0.3%以上、より好ましくはそれぞれ0.5%以上である。一方、各元素の含有量が2.0%を超えると、硬度が上昇することによる被削性の低下や鍛造性等の熱間加工性の低下が生じやすくなる。よって各元素の含有量を2.0%以下とした。各元素の含有量は、好ましくはそれぞれ1.5%以下であり、より好ましくはそれぞれ1.0%以下である。
Al:2.0〜8.5%
Alはα安定化元素であり、α相を生成させるために含有させる。Al量が2.0%未満だとα相の生成が過少になり、十分な強度が得られない。よってAl量は2.0%以上とする。Al量は、好ましくは2.2%以上、より好ましくは3.0%以上である。一方、Al量が8.5%を超えて過剰になると、延性が劣化する。よってAl量は8.5%以下とする。Al量は、好ましくは8.0%以下、より好ましくは7.0%以下、更に好ましくは6.0%以下である。
C:0.08〜0.25%
Cは、強度向上効果を示す元素であり、この効果を発揮させるには、C量を0.08%以上とする必要がある。C量は好ましくは0.10%以上である。一方、C量が0.25%を超えると、α相中に固溶されない粗大なTiCが残留し、機械的特性が劣化する。よってC量は0.25%以下とする。C量は好ましくは0.20%以下である。
Cr:0〜4.5%、およびFe:0〜2.5%のうちの少なくとも1種の元素を合計で1.0〜7.0%
これらの元素はβ安定化元素である。これらの元素は、単独で用いてもよいし2種を併用してもよい。上記効果を発揮させるには、これらの元素を合計で1.0%以上とする必要がある。これらの元素の含有量は、好ましくは合計で2.0%以上、より好ましくは合計で3.0%以上である。これらの元素の含有量の下限は、上記の通り合計量が1.0%以上であればよく、個々の元素の含有量の下限は特に限定されない。個々の元素の含有量の下限は例えば、Crを含有させる場合、0.5%以上とすることができ、更には1.0%以上とすることができる。Feを含有させる場合は、0.5%以上とすることができ、更には1.0%以上とすることができる。
一方、これらの元素の合計量が過剰の場合も延性は劣化する。よってこれらの元素は合計で7.0%以下とする。好ましくは合計で5.0%以下、より好ましくは合計で4.0%以下である。上記合計量の範囲内であっても、Fe量が過剰の場合は延性の低下が顕著になる。よってFe量は2.5%以下に抑える。Fe量は好ましくは2.0%以下である。またCr量が過剰の場合は被削性が低下する。よってCr量は4.5%以下とする。Cr量は、好ましくは4.0%以下、より好ましくは3.0%以下である。
本発明のα−β型チタン合金は、上記成分を含み、残部がTiおよび不可避不純物からなる。不可避不純物としてP、N、S、O等が挙げられる。本発明のα−β型チタン合金は、P量が0.005%以下、N量が0.05%以下、S量が0.05%以下、O量が0.25%以下にそれぞれ抑えられている。本発明のα−β型チタン合金は、更に下記の元素を含んでいてもよい。
V:0%超5.0%以下、Mo:0%超5.0%以下、Nb:0%超5.0%以下、およびTa:0%超5.0%以下よりなる群から選択される1種以上の元素を、合計で0%超10%以下
これらの元素はβ安定化元素である。これらの元素は、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。β相を生成させるためには、これらの元素を合計で2.0%以上含有させることが好ましく、より好ましくは合計で3.0%以上である。合計量が0%超であればよく、個々の元素の含有量の下限は特に限定されない。個々の元素の含有量の下限は例えば、Vを含有させる場合、0.5%以上、更には2.0%以上とすることができる。Moを含有させる場合、0.1%以上、更には1.0%以上とすることができる。Nbを含有させる場合、0.1%以上、更には1.0%以上とすることができる。Taを含有させる場合、0.1%以上、更には1.0%以上とすることができる。
一方、これらの元素の合計量が過剰であると延性が劣化する。よって、これらの元素の合計量を10%以下とすることが好ましく、より好ましくは5.0%以下である。また該合計量の範囲内であっても、少なくともいずれかの元素が過剰である場合は延性が劣化する。よって、いずれの元素も上限を5.0%以下とすることが好ましい。いずれの元素も、より好ましくは4.0%以下である。
Si:0%超0.8%以下
Siは、チタン合金中にTi5Si3を析出させる。切削時、このTi5Si3に応力が集中し、このTi5Si3を起点にボイドが発生することで、切粉が分断されやすくなる。その結果、切削抵抗が低下すると考えられる。この効果を十分に発揮させるには、Siを0.1%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.3%以上である。
一方、Si量が過剰であると、チタン合金の強度が高くなりすぎて、工具が著しく摩耗または欠損し、切削が困難となる。よって、Si量は0.8%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.7%以下、更に好ましくは0.6%以下である。
本発明のチタン合金として、その組織が室温で、α相およびβ相からなるか、またはα相、β相、および例えばTi2CuやTi2Ni等の第3相からなるものが挙げられる。また、Siを含む場合には、上述の通りチタン合金中にTi5Si3が析出する。
このα−β型チタン合金の製造方法は特に限定されず、例えば次の方法で製造することができる。即ち、前記成分のチタン合金を溶製し、その鋳塊に対して熱間加工、即ち熱間鍛造または熱間圧延を行った後、必要により焼鈍を施すことによって製造される。前記熱間加工は、鋳塊をβ変態温度Tβ〜(Tβ+250)℃程度の温度域に加熱し、「元の断面積/熱間加工後の断面積」で表される加工比で1.2〜4.0程度の粗鍛造または粗圧延を行い、次いで(Tβ−50)〜800℃程度の温度域で、加工比1.7以上の仕上加工を行う。前記仕上加工の後、必要に応じて700〜800℃で焼鈍を施してもよい。焼鈍は例えば2〜24時間行うことが挙げられる。更にその後、必要に応じて時効処理を施してもよい。
尚、上記Tβは下記式(1)から求められる。下記式(1)は、森永ら,「d電子論を応用したチタン合金の設計」,軽金属,Vol.42,No.11(1992),p.614−621における式(1)〜(3)に相当するものである。
Boave=0.326Mdave−1.95×10-4β+2.217・・・(1)
式(1)において、
Boave=ΣXi・(Bo)i・・・(2)
Mdave=ΣXi・(Md)i・・・(3)
βはβ変態温度(K)
を意味する。
式(2)において、各元素を元素iと表現したとき、
Boaveは元素iの結合次数Boの平均値、Xiは元素iの原子比率、(Bo)iは元素iの結合次数Boの値を示す。
式(3)において、各元素を元素iと表現したとき、
Mdaveは元素iのd軌道エネルギーパラメータMdの平均値、Xiは元素iの原子比率、(Md)iは元素iのd軌道エネルギーパラメータMdの値を示す。
各元素の結合次数Boとd軌道エネルギーパラメータMdは、上記文献のp.616の表1に記載されている。またXiは成分組成から求められる。これらのデータから、Tiを含む各元素のBoaveとMdaveを求め、上記式(1)に代入して、Tβを算出することができる。尚、この文献には、CのBoやMdのデータはないが、本発明においてC量は少ないことから、Cは無視してTβを算出した。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
供試材を以下の要領で製作した。ボタンアーク溶解により、下記表1に示す各成分組成のチタン合金であってサイズが直径約40mm×高さ20mmの鋳塊を製造した。尚、いずれの例も、P量は0.005%以下、N量は0.05%以下、S量は0.05%以下、かつO量は0.25%以下にそれぞれ抑えられていた。また、表1において「−」はその元素を添加していないことを意味する。この鋳塊を、1200℃に加熱し、「元の断面積/熱間加工後の断面積」で表される加工比2.4で粗鍛造し、次いで870℃で、加工比を4.4として鍛造で仕上加工した。その後、750℃で12時間保持する焼鈍を施して供試材を得た。尚、下記表1の比較例7に示す通り、粗鍛造で割れが生じたものは仕上鍛造を行わなかった。
鍛造性の評価
熱間加工性の評価を、本実施例では熱間での鍛造性で評価した。詳細には、上記粗鍛造と仕上鍛造の各鍛造時での割れの有無で評価した。即ち、各鍛造後に前記供試材の表面を目視で観察し、割れが生じている場合をNG、割れが生じていない場合をOKと判断した。そして、粗鍛造と仕上鍛造のいずれにおいてもOKの場合を鍛造性に優れると評価した。
被削性の評価
前記鍛造性が良好であったものを対象に、被削性の評価を下記の通り行った。即ち、前記供試材から、下記サイズの試験片を採取し、下記の切削条件で切削試験を行った。そして被削性は、キスラー社製の切削動力計、型式:9257Bを用いて切削開始から切削終了までの切り込み方向の切削抵抗を測定し、この切削開始から切削終了までの切削抵抗の平均値を平均切削抵抗として求めた。そして、一般的なα−β型チタン合金であるTi−6Al−4Vを同条件で切削試験した場合、平均切削抵抗は180Nであることから、この実施例1では、平均切削抵抗が180Nよりも低い場合を被削性に優れていると評価し、平均切削抵抗が180N以上の場合を被削性に劣ると評価した。
切削条件
試験片:高さ10mm×幅10mm×長さ150mm
工具:サンドビック社製超硬チップ S30T(ノーズ0.4mm)
サンドビック社製エンドミルR390(直径20mm、1枚刃)
切削速度Vc:100m/min
軸方向切り込み量:1.2mm
径方向切り込み量:1mm
送り速度:0.08mm/刃
切削長さ:150mm
切削油:無し
引張強度の測定
参考までに本発明のα−β型チタン合金の引張強度も測定した。詳細には、実施例1、実施例3、および比較例1のチタン合金を用い、下記試験片形状および下記試験速度の条件で引張試験を行った。その結果、実施例1では948MPa、実施例3では1125MPa、比較例1では948MPaであり、強度についてはいずれも高めであり、一般的なα−β型チタン合金であるTi−6Al−4Vの焼鈍材の強度:896MPaよりも高い強度を示した。
試験片形状:ASTM E8/E8M Fig.8 Specimen3
試験速度:4.5mm/min
上記鍛造性の評価結果と平均切削抵抗の値を表1に併記する。
表1より次のことがわかる。実施例1〜8は、いずれも本発明で規定の成分組成を満たしており、いずれも良好に鍛造することができて優れた鍛造性を有することが分かる。更にこれらの例では、一般的なα−β型チタン合金であるTi−6Al−4Vよりも平均切削抵抗が小さく、良好な被削性も併せ持つことがわかる。
これに対して比較例1〜7は、いずれも本発明で規定の成分組成を満たしていないため、鍛造性に劣るか、被削性に劣る結果となった。詳細には、比較例1はCuとNiのいずれも含まないため平均切削抵抗が大きくなった。この比較例1は、特許文献6と同様の成分組成である。前記実施例1〜3と、CuとNi以外の含有元素およびその量が該実施例1〜3と同じである比較例1とを対比すると、平均切削抵抗を十分に低減させて良好な被削性を確実に得るには、本発明の通り、Cu、Niの少なくともいずれかを規定量含有させる必要があることがわかる。
比較例2は、Niを含む例であるがNi量が過剰であるため、また比較例5は、Cuを含む例であるがCu量が過剰であるため、いずれも平均切削抵抗が180Nより高くなり、被削性が悪くなった。比較例3と比較例6は、CuとNiの各量が過剰であるため、いずれも平均切削抵抗が180Nより高くなり、被削性が悪くなった。
比較例4は、Cu量が過剰であるため鍛造性が低下した。比較例7は、CuとNiの各量が著しく過剰であるため、粗鍛造の段階で割れが生じ、鍛造性に劣る結果となった。
[実施例2]
本実施例では、Siを含む場合の、特に被削性に及ぼす影響について検討した。表2に示す通り、Si量が種々の鋳塊を製造し、実施例1と同様にして供試材を得た。尚、いずれの例も、P量は0.005%以下、N量は0.05%以下、S量は0.05%以下、かつO量は0.25%以下にそれぞれ抑えられていた。また、表2において「−」はその元素を添加していないことを意味する。
上記供試材を用い、下記の通り、析出相の有無を確認すると共に、実施例2では強度の指標としてビッカース硬さを測定した。更に、実施例1と同様に鍛造性について評価すると共に、下記の通り被削性の評価を行った。尚、参考までに、表2のNo.3について、実施例1と同様に引張強度を測定したところ、968MPaであり、一般的なα−β型チタン合金であるTi−6Al−4Vの焼鈍材の強度:896MPaよりも高い強度を示した。
析出相の有無の評価
断面を鏡面研磨し、硝フッ酸を用いて粒界が見られる程度の酸処理を行った後、FE−SEM(Field Emission−Scanning Electron Microscope、電界放射型走査電子顕微鏡)にて、倍率4000倍で、視野サイズ40μm×40μmを合計10視野観察した。そして、円相当直径2μm以上の析出相が、上記10視野の合計で5つ以上確認できた場合を析出相「あり」と評価し、上記10視野の合計で4つ以下の場合を析出相「なし」と評価した。尚、上記析出相は、Ti5Si3であることをXRD(X‐Ray Diffraction、X線回折)で別途確認している。
上記顕微鏡で観察した一例を図1に示す。図1は、表2のNo.3について測定したものであり、矢印が析出相の一つである。
ビッカース硬さHVの測定
荷重10kgfの条件でビッカース硬さHVを5点測定し、その平均値を求めた。
被削性の評価
実施例1と同様に評価した鍛造性が良好であったもの、即ち表2の全ての例を対象に、被削性の評価を下記の通り行った。即ち、前記供試材から、下記サイズの試験片を採取し、下記の切削条件で切削試験を行った。そして被削性は、キスラー社製の切削動力計、型式:9257Bを用いて切削開始から切削終了までの切り込み方向の切削抵抗を測定し、この切削開始から切削終了までの切削抵抗の平均値を平均切削抵抗として求めた。そして、一般的なα−β型チタン合金であるTi−6Al−4Vを同条件で切削試験した場合、平均切削抵抗は122Nであることから、この実施例2では、平均切削抵抗が122Nよりも低い場合を被削性に優れていると評価し、平均切削抵抗が122N以上の場合を被削性に劣ると評価した。
切削条件
試験片:高さ10mm×幅10mm×長さ60mm
工具:サンドビック社製超硬チップ S30T(ノーズ0.4mm)
サンドビック社製エンドミルR390(直径20mm、1枚刃)
切削速度Vc:100m/min
軸方向切り込み量:1.2mm
径方向切り込み量:1mm
送り速度:0.08mm/刃
切削長さ:15mm
切削油:無し
これらの結果を表2に併記する。
表2より次のことがわかる。即ち、表1の実施例1と同じ成分組成のNo.1と、No.2〜6、特にはSi以外の含有量が前記表1の実施例1と同じであるNo.2〜4との対比から明らかな通り、Siを含有させることによって、Siを含まない場合よりも平均切削抵抗を更に低減でき、十分に高い被削性を確保できることがわかる。一方、No.7やNo.8の通りSi含有量が過剰の場合は、硬さが高くなりすぎ、かえって平均切削抵抗が高くなったり、工具が損傷する等の不具合が生じた。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    Cu:0.1〜2.0%、
    i:0.1〜2.0%
    Al:2.0〜8.5%、
    C:0.08〜0.25%、ならびに、
    Cr:0〜4.5%、およびFe:0.5〜2.5%であって、CrとFeの合計で1.0〜7.0%
    を含み、残部がTiおよび不可避不純物からなることを特徴とするα−β型チタン合金。
  2. 更に、質量%で、Si:0%超0.8%以下を含む請求項1に記載のα−β型チタン合金。
JP2016009417A 2015-03-26 2016-01-21 α−β型チタン合金 Expired - Fee Related JP6719216B2 (ja)

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