JP6716274B2 - パテ組成物及びこれを用いた補修塗装方法 - Google Patents

パテ組成物及びこれを用いた補修塗装方法 Download PDF

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Description

本発明は、パテ組成物及びこれを用いた補修塗装方法に関する。
不飽和ポリエステル樹脂は、一般に、他の樹脂に比べて比較的安価であり、また常温でも短時間で硬化するため作業性に優れ、さらに主原料の選択によって種々のすぐれた物理的および化学的特性を有するため、パテ、塗料、FRP成形品、レジンコンクリート、注型品等の各種用途に使用されている。
従来、パテ組成物には不飽和ポリエステル樹脂の反応性希釈剤として、硬化性や物性の面からスチレンモノマーが用いられていた。
しかしながら近年、スチレンモノマーが特定化学物質障害予防規則での規制対象となり、スチレンを含まないパテ組成物、いわゆるノンスチレン型パテ組成物の開発が必要とされてきた。
ノンスチレン型パテ組成物として、例えば特許文献1には、スチレンモノマーに代えてヒドロキシアルキルメタクリレートを反応性希釈剤として用いた不飽和ポリエステル樹脂組成物が記載されている。この組成物によれば、臭気が低く、硬化安定性に優れ、表面乾燥性に優れるものの、基材との付着性が不十分な場合があった。
また、特許文献2〜3には、反応性希釈剤として特定の重合性不飽和化合物、硬化促進剤として特定の芳香族アミン化合物、防錆剤を含むパテ組成物が開示されている。かかる組成物によれば、表面乾燥性が良好で、上塗り塗装後の仕上がり面も黄変することなく良好な外観を有し、また厚塗りにした際の内部乾燥性にも優れ、基材や上塗り塗料に対する付着性にも優れたパテ層を形成できるものである。しかしながら、かかるパテ組成物を貯蔵後、硬化性、表面乾燥性、耐水付着性等の物性が低下する現象が起きることがあり、未だ改善の余地が残されている。
特開2005−162830号公報 特開2005−206781号公報 特開2006−206863号公報
本発明の目的は、貯蔵前後での物性の低下が抑制された、安定した性能を発揮するパテ組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記した課題に関して鋭意検討した結果、パテ組成物を構成する主剤成分の水分量を特定値以下に制御し、且つ脱水剤を特定量含ませることで、貯蔵による影響が少ない、安定した品質のパテ組成物を設計できることを見出した。
即ち本発明は、以下の態様を包含する。
項1、主剤成分(I)と硬化剤成分(II)を含む組成物であって、主剤成分(I)が、不飽和ポリエステル樹脂(A)、重合性不飽和化合物(B)、及び脱水剤(C)を含み、硬化剤成分(II)が有機過酸化物を含むものであり、脱水剤(C)の配合量が、不飽和ポリエステル樹脂(A)及び重合性不飽和化合物(B)の合計質量100質量部を基準にして0.1〜50質量部の範囲内にあり、主剤成分(I)中の含水量が、2000ppm以下であることを特徴とするパテ組成物。
項2、重合性不飽和化合物(B)が、その成分の一部としてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはジシクロペンテニル基含有重合性不飽和化合物を含む、項1に記載のパテ組成物。
項3、脱水剤(C)が、無機系脱水剤である項1または2に記載のパテ組成物。
項4、脱水剤(C)が、水吸着型脱水剤である項1〜3のいずれか1項に記載のパテ組成物。
項5、多価金属化合物(D)をさらに含む項1〜4のいずれか1項に記載のパテ組成物。
項6、平均粒子径が1〜70μmのタルクをさらに含む項1〜5のいずれか1項に記載のパテ組成物。
項7、平均粒子径が18〜70μmの範囲内の大粒子径タルク(d1)と平均粒子径が1μm以上で且つ18μm未満の範囲内の小粒子径タルク(d2)を併用する項6に記載のパテ組成物。
項8、ノンスチレン型である項1〜7のいずれか1項に記載のパテ組成物。
項9、項1〜8のいずれか1項に記載の主剤成分(I)及び硬化剤成分(II)を混合して得られるパテ組成物。
項10、塗装体の損傷部に項9に記載のパテ組成物の混合物を充填し、乾燥させた後にパテ層を研磨し、その上に補修用塗料組成物を塗装する補修塗装方法。
本発明のパテ組成物によれば、長期の貯蔵後でも表面乾燥性、硬化性、耐水付着性等に優れたパテ層が安定して得られる。
以下、本発明の塗料組成物に含まれる各成分について順に説明する。
<不飽和ポリエステル樹脂(A)>
本発明に使用される不飽和ポリエステル樹脂(A)としては、従来から塗料やパテに用いられている1以上の重合性不飽和結合を有するポリエステル樹脂を制限なく使用することができる。
重合性不飽和結合とは、ラジカル重合しうる不飽和結合を意味する。かかる重合性不飽和結合としては、例えば、エチレン性不飽和結合等が挙げられる。不飽和ポリエステル樹脂(A)の重合性不飽和結合は、後述の重合性不飽和化合物(B)の重合性不飽和基と共にラジカル重合反応をし、パテ層内部及び表面の硬化に寄与することができる。
不飽和ポリエステル樹脂(A)は、多価アルコールと不飽和多塩基酸を含む多塩基酸との縮合反応によって製造することができる。
多価アルコールとしては例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
本発明においてはパテ組成物を用いて形成されるパテ層の表面乾燥性が良好であることから、不飽和ポリエステル樹脂が、多価アルコールのアリルエーテル単位を有するものであることが望ましい。
上記多価アルコールのアリルエーテル単位を有する不飽和ポリエステル樹脂の製造原料としての多価アルコールとしては、例えば、水酸基を有するアリル化合物を挙げることができる。
かかる水酸基を有するアリル化合物としては、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明では、不飽和ポリエステル樹脂(A)は、パテ層の内部硬化性、表面乾燥性の点から、多価アルコールのアリルエーテル単位を不飽和ポリエステル樹脂(A)全構造単位の合計モル数に基づいて5〜50モル%、好ましくは10〜35モル%含有することが望ましい。
多塩基酸に含まれる不飽和多塩基酸として、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸等が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
不飽和多塩基酸には、飽和多塩基酸を併用してもよい。かかる飽和多塩基酸としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、並びにそれらのジアルキルエステル等を挙げることができ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
また、不飽和ポリエステル樹脂(A)は、必要に応じて脂肪酸により変性されていてもよい。かかる脂肪酸としては、乾性油脂肪酸および/または半乾性油脂肪酸が好適であり、例えば、魚油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブドウ核油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、クルミ油脂肪酸、ゴム種油脂肪酸、ハイジエン脂肪酸等を挙げることができ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
不飽和ポリエステル樹脂(A)は、常法によって製造することができ、例えば、前記多価アルコールと多塩基酸を含む成分を窒素雰囲気下に縮合反応させることにより得られる。縮合反応時の加熱温度は、140〜250℃、好ましくは160〜200℃の範囲内であることがゲル化防止の点から望ましい。
上記不飽和ポリエステル樹脂(A)は、耐水付着性の向上に効果があることから酸基を有するものであることが好ましく、酸価としては、10〜50mgKOH/g、好ましくは20〜40mgKOH/gの範囲内であるのが望ましい。
また、不飽和ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量は、1,000〜100,000、好ましくは2,000〜50,000の範囲内であることが望ましい。
本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、ポリスチレン換算した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置としては「HLC8120GPC」(東ソー(株)社製、商品名)が使用でき、これに用いるカラムとしては、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を使用することができる。ここでは、移動相としてテトラヒドロフランを用い、測定温度40℃、流速1cc/分とし、検出器としてRI屈折計を用いた。
<重合性不飽和化合物(B)>
本発明において、重合性不飽和化合物(B)は、塗布時には組成物の粘度を低くせしめて塗布作業性を向上させつつ、かつ、膜形成成分ともなりうる反応性希釈剤として作用するものであり、重合性不飽和基を有する化合物である。
重合性不飽和化合物(B)は、反応性希釈剤として用いるとの観点から、常温で液体であるものが好ましい。
本発明の好ましい態様においては、重合性不飽和化合物(B)はスチレン以外の重合性不飽和化合物である。
重合性不飽和基としては、ラジカル重合しうる不飽和基を意味する。かかる重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基等が挙げられる。
重合性不飽和化合物(B)の具体例としては、例えば、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)プロパン、ジ(メタクリロキシエチル)トリメチルヘキサメチレンジウレタン、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなどの1価または多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート等のジシクロペンテニル基含有重合性不飽和化合物;エチレングリコールジマレエート、プロピレングリコールジイタコネートなど;4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸などの4−(メタ)アクリロイルオキシ基含有芳香族ポリカルボン酸およびその酸無水物;ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレ−ト、トリアリルフタレ−ト等のアリル化合物;エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリジメチルシリコンジ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等のオリゴマーなどが挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
上記重合性不飽和化合物(B)の配合量としては、不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部を基準として10〜200質量部、好ましくは40〜120質量部が適している。
重合性不飽和化合物(B)としては、その成分の少なくとも一部として、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはジシクロペンテニル基含有重合性不飽和化合物を含むものが望ましい。
本発明において、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよびジシクロペンテニル基を有する重合性不飽和化合物を併用する場合には、その使用割合が、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート/ジシクロペンテニル基含有重合性不飽和化合物の質量比で95/5〜5/95、好ましくは90/10〜10/90の範囲内であると、表面乾燥性と基材に対する付着性を両立させることができ、望ましい。
<脱水剤(C)>
本発明のパテ組成物は主剤成分(I)が脱水剤(C)を不飽和ポリエステル樹脂(A)及び重合性不飽和化合物(B)の合計質量100質量部を基準にして0.1〜50質量部の範囲内で含むことを特徴とするものであり、2〜30質量部の範囲内で含めばより好ましく、3〜15重量部の範囲内さらに好ましく、5〜10重量部の範囲内が特に好ましい。
本発明では、理由は定かではないが、主剤成分(I)自体の含水量を調整し、且つ主剤成分(I)が脱水剤(C)を特定量含有することで、長期貯蔵後の主剤成分(I)を用いて形成されたパテ層の表面乾燥性、耐水性、耐水付着性の低下が抑制され、安定した品質のパテ組成物を得ることができる効果がある。
一方で脱水剤(C)の含有量が上記範囲外では、長期貯蔵後の主剤成分(I)を用いて形成されたパテ層の表面乾燥性、耐水性、耐水付着性が不十分となり、好ましくない。
上記脱水剤(C)としては、従来公知の無機系脱水剤及び有機系脱水剤を制限なく使用することができる。
無機系脱水剤の具体例としては、水素化カルシウム、酸化カルシウム(生石灰)、塩化カルシウム、硫酸カルシウム(石膏)等のカルシウム化合物;酸化バリウム等のバリウム化合物;硫酸マグネシウムなどのマグネシウム化合物;硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのナトリウム化合物;硫酸銅などの銅化合物;シリカゲルなどの無機珪素化合物;酸化アルミニウム(水硬性アルミナ、水素化アルミニウムリチウム、非結晶性シリカアルミナ、結晶性アルミノ珪酸塩(モレキュラーシーブ)などのアルミニウム化合物等を挙げることができる。
一方、有機系脱水剤の具体例としては、オルソ蟻酸トリメチル、オルソ蟻酸トリエチル、オルソ蟻酸トリブチル等のオルソ蟻酸アルキル;オルソ酢酸トリメチル、オルソ酢酸トリエチル、オルソ酢酸トリブチル等のオルソ酢酸アルキル;またはオルソほう酸トリメチル、オルソほう酸トリエチル、オルソほう酸トリブチル等のオルソほう酸アルキル等のオルソカルボン酸エステル;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のシリケート化合物;ベンゼンスルフォニルイソシアネート、トシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート等モノイソシアネート化合物;無水酢酸等の脂肪族酸無水物、無水安息香酸等の芳香族酸無水物;N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド化合物等を挙げることができる。
以上に述べた例示物は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明においては、上記脱水剤(C)としては無機系脱水剤がより好ましく、また、主剤成分(I)から水を除去する原理として、脱水剤と水が反応することによって水を除去する水反応性脱水剤、脱水剤と水が水和物を形成して水を除去する水和物生成性の脱水剤、脱水剤が水を吸着することによって水を除去する水吸着型脱水剤のいずれであってもよいが、特に水吸着型脱水剤が好ましい。
上記のうち水吸着型の脱水剤としては、例えば、シリカ、非結晶性シリカアルミナ、結晶性アルミノ珪酸塩を挙げることができる。
<多価金属化合物(D)>
本発明のパテ組成物には、多価金属化合物(D)を含有することが適している。多価金属化合物(D)は、脱水剤(C)以外の多価金属化合物を意味する。多価金属化合物を含むことによって上記不飽和ポリエステル樹脂(A)と共に強固な、耐水付着性に優れたパテ層を形成する効果がある。
多価金属化合物(D)としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の元素周期表2族元素;チタン、ジルコニウム等の元素周期表4族元素;クロム、モリブデン等の元素周期表6族元素;マンガン等の元素周期表7族元素;鉄、ルテニウム等の元素周期表8族元素;コバルト、ロジウム等の元素周期表9族元素;ニッケル、パラジウム等の元素周期表10族元素;銅、銀等の元素周期表11族元素;亜鉛、カドミウム等の元素周期表12族元素、アルミニウム等の元素周期表13族元素;セリウム等の元素周期表16族元素等の金属元素を含有する多価金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩等を挙げることができる。
具体的には、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化銅等の金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩;水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物等を挙げることができる。
本発明では、多価金属化合物として、元素周期表2族元素、特にマグネシウムを含有する化合物が好適である。
かかる多価金属化合物は、不飽和ポリエステル樹脂(A)及び重合性不飽和化合物(B)の合計質量100質量部を基準として3〜50質量部、好ましくは5〜30質量部含むことが適している。
本発明のパテ組成物には、さらに硬化性の向上を目的として、必要に応じて硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤としては、特に制限なく従来公知のものが使用できるが、特に硬化性、乾燥性の観点から芳香族アミンが好ましく、さらにパテ組成物上に塗装した上塗り塗膜の黄変が少ないことから、かかる芳香族アミンの中でも、ジメチルアミノ基を有する化合物が好適である。具体的には、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、3−ジメチルアミノ安息香酸、3−ジメチルアミノ安息香酸エチル、3−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、3−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2−ジメチルアミノ安息香酸、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、2−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。これらの中でも4−ジメチルアミノ安息香酸、3−ジメチルアミノ安息香酸が特に適している。
芳香族アミンの使用量は、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して0.01〜2.0質量部、好ましくは0.05〜1.5質量部の範囲内であることが、ポットライフ(ゲル化時間)、形成塗膜の空気乾燥性や研磨性、上塗り塗膜の耐熱黄変性などの観点から望ましい。
上記芳香族アミン以外の他の硬化促進剤としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム、オクテン酸コバルト、オクテン酸マンガン、オクテン酸亜鉛、オクテン酸バナジウム等の金属ドライヤー;上記に例示した芳香族アミン以外の3級アミン類、4級アンモニウム塩が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。上記金属ドライヤーを使用する場合、その量は不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲が適している。
本発明のパテ組成物は、パテ層の下地隠蔽性及び研磨作業性の点から顔料を含むことが適している。顔料としては塗料用として用いられる従来公知の顔料を使用できるが、特に好適には、チタン白、ベンガラ、カーボンブラック、鉄黒などの着色顔料;タルク、マイカ、硫酸バリウム、カオリン、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、石英、ガラスなどの体質顔料を挙げることができる。これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
上記顔料としては着色顔料と体質顔料を組み合わせたものであることが適している。また、体質顔料としてはその成分の一部としてタルクを含むことがパテ層の研磨性の点から好適である。
特にタルクとしては平均粒子径が1〜70μm、特に3〜60μmの範囲内にあるタルクを使用することが好ましい。
なお、タルクの平均粒子径とは、レーザー回折散乱法により測定される体積分布から導かれるメディアン径である。
また、本発明では、特に平均粒子径の異なる複数のタルクを併用することによって、鋼板に直接厚塗りが出来る鈑金パテや鈑金パテ層の凹みや巣穴を埋めるための中間パテ等への適用が可能となり好ましい。
平均粒子径の異なる複数のタルクを併用する場合、平均粒子径が18〜70μmの範囲内の大粒子径タルク(d1)と平均粒子径が1μm以上で且つ18μm未満の範囲内の小粒子径タルク(d2)を併用することが適しており、併用する場合の併用比率としては(d1)/(d2)質量比で90/10〜20/80、好ましくは80/20〜30/70の範囲内にあることが研磨作業性とヘラ付け作業性の点から好ましい。
顔料を使用する場合、その配合量は、研磨作業性とヘラ付け作業性の観点から、不飽和ポリエステル樹脂(A)及び重合性不飽和化合物(B)の合計質量100質量部に対して、50〜300質量部、好ましくは70〜250質量部の範囲であるのが適している。特に顔料としてタルクを使用する場合、その配合量は50〜200質量部、好ましくは60〜170質量部の範囲であるのが適している。
本発明のパテ組成物には、さらに必要に応じて、例えば、防錆剤、ガラスバルーン、プラスチックバルーンなどの中空粒子、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、低収縮剤、酸化防止剤、皮張り防止剤、重合禁止剤、可塑剤、骨材、難燃剤、安定剤、強化材、減粘剤等の粘度調節剤、顔料分散剤、改質用樹脂、溶剤、チキソ剤、チキソ助剤、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤、パラフィン等の空気遮断剤、アルデヒド捕捉剤等を配合することができる。
これらのうち防錆剤としては、例えば、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム等のリン酸塩系;トリポリリン酸二水素アルミニウム等のポリリン酸系;モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム等のモリブデン酸塩系、リンモリブデン酸アルミニウム等のリンモリブデン酸塩系;ホウ酸塩系;メタホウ酸バリウム等のメタホウ酸塩系;シアナミド亜鉛カルシウム系;カルシウム、亜鉛、コバルト、鉛、ストロンチウム、バリウム等のカチオンを多孔質シリカ粒子に結合させた変性シリカ、カチオンをイオン交換によって結合させたイオン交換シリカ;ピロリン酸アルミニウム系;酸化亜鉛などの防錆顔料や、さらに1−(ベンゾチアゾール−2−イルチオ)コハク酸、(2−ベンゾチアゾール−2−イルチオ)コハク酸ジ−(C12〜14アルキル)アンモニウム塩などのベンゾチアゾール系化合物;4−メチル−γオキソ−ベンゼンブタン酸とN−エチルモルホリンとの付加反応物、4−メチル−γオキソ−ベンゼンブタン酸とジルコニウムとの付加反応物などのケトカルボン酸系などの有機防錆剤が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
防錆剤を配合する場合、その配合量は、パテ層の研磨作業性や仕上り性、硬化性や乾燥性、ヘラ付け性、耐熱黄変性等の観点から、不飽和ポリエステル樹脂(A)の合計質量100質量部に対して、3〜50質量部、好ましくは5〜45質量部の範囲であるのがよい。
本発明のパテ組成物は、有機溶剤を実質的に配合しなくても、ヘラ付け作業性が良好で、諸物性に優れるパテ層を与えることができ、必要に応じてトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を粘度調整剤として配合することもできる。
以上に述べた主剤成分(I)の粘度は、パテ組成物の使用目的に応じて適宜調整できるが、厚塗り性、ヘラ付け性、表面仕上がり性の点から一般に、150〜1800Pa・sec、好ましくは250〜1300Pa・secの範囲内にあることが適している。
本明細書において上記主剤成分(I)の粘度は、B型粘度計「VISCOMETER TV−22」(商品名、東機産業社製)にて試料の温度を25℃に調整し、No7ロータ、回転速度2rpmで測定したものとする。
本発明では主剤成分(I)は含水量が2000ppm以下、特に1600ppm以下にあることを特徴とする。また、本発明のある態様においては、含水量は100ppm以上である。
本明細書において主剤成分(I)の含水量は、以下の方法により測定した、カールフィッシャー電量滴定法(単に、電量滴定法ともいう)に基づく値とする。
作成終了後10分後の試料を0.5g採取し、カールフィッシャー電量滴定法にて測定する。測定装置はカールフィッシャー水分計(電量滴定法)、「MKC−610−DT」(商品名、京都電子(株)製)を用い、該装置に備えられた水分気化装置(京都電子(株)製、ADP−611)の設定温度は130℃とする。
本発明では上記方法により測定した主剤成分(I)の含水量が2000ppmを超えると、貯蔵後の主剤成分(I)を用いて形成されたパテ層の表面乾燥性、耐水性、耐水付着性が著しく低下し、好ましくない。
<パテ組成物>
本発明のパテ組成物は、上記不飽和ポリエステル樹脂(A)、重合性不飽和化合物(B)、顔料(C)及び脱水剤(D)を含む成分を主剤成分(I)とし、有機過酸化物を含む成分を硬化剤成分(II)を含む多成分系である。多成分系は、一つの態様において主剤成分(I)と硬化剤成分(II)の2成分からなる。別の態様において、主剤成分(I)と硬化剤成分(II)の2成分に加えて、主剤成分(I)、硬化剤成分(II)以外の1以上の他の成分を任意に含む。他の成分としては、有機溶剤などの希釈剤が例示される。
有機過酸化物は、不飽和ポリエステル樹脂(A)と重合性不飽和化合物(B)とのラジカル重合反応の重合開始剤として作用する。
硬化剤成分(II)に含まれる有機過酸化物としては、具体的にはシクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド化合物;1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジtert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−ヘキシルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジクミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール化合物;クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド化合物;1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド化合物;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド化合物;ビス(tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート化合物;tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル化合物の化合物を使用でき、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記有機過酸化物の配合量は、特に制限されるものではなく、塗装環境や塗膜物性に応じて適宜調整可能であるが、不飽和ポリエステル樹脂(A)と、重合性不飽和化合物(B)との合計質量100質量部に対して、0.1〜6質量部の範囲内となるようにすることが好ましい。
以上の通り得られるパテ組成物はスチレンを含まなくても表面乾燥性、内部硬化性に優れたパテ層が得られ、ノンスチレン型として供することができるが、スチレンを含むことを排除するものではない。
本発明のパテ組成物が適用される基材面としては、特に制限はないが、鉄、亜鉛、アルミなどの金属面やその化学処理面、プラスチック、木材など、さらにこれらに塗装された塗装体などが挙げられる。
本発明のパテ組成物は、主剤成分(I)、硬化剤成分(II)及び任意で含むことができるその他の成分を混合してパテを得ることができる。得られるパテ(混合したパテ組成物)は、自動車等の車両等の塗装体の補修塗装に有用である。
各成分を混合する方法は、多成分系のパテ組成物の成分を混合する常法に従い行うことができる。
該塗装体の損傷部を中心に必要によりその周囲までサンディングを行い、該損傷部に混合したパテ組成物をヘラ等で充填し、常温乾燥または強制乾燥により塗膜内部まで硬化することができる。
乾燥条件は具体的には常温乾燥の場合は常温で5時間以上維持するか、強制乾燥の場合は3〜30分のセッティングタイムを取り、40〜120℃の温度で5〜60分間加熱することができる。
形成されたパテ層は耐水ペーパーやサンドペーパーなどで研磨され、研磨面に補修用塗料組成物を塗装することができる。
補修用塗料組成物としては、アクリルラッカー、アクリルメラミン樹脂系塗料、水酸基含有樹脂とポリイソシアネート化合物を含む2液型のウレタン硬化型塗料、酸−エポキシ硬化型塗料、フッ素樹脂系塗料、アルキド樹脂系塗料、アルキドメラミン樹脂系塗料、ポリエステルメラミン樹脂系塗料などの通常使用されている有機溶剤系、水系、粉体等の下塗り塗料、着色ベース塗料、トップクリヤー塗料等特に制限なく使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。ここで、『部』および『%』はそれぞれ『質量部』および『質量%』を意味する。
<不飽和ポリエステル樹脂組成物の製造>
製造例1
攪拌機、ガス導入管、精留塔、温度計、減圧装置及び還流冷却器を備えた2リットルの四つ口フラスコに、ジエチレングリコール397.5部、ジプロピレングリコール134部、フマル酸580部、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル256部、及びハイドロキノン0.5部を入れ、窒素ガスを吹き込みながら150℃に加熱後、180℃まで昇温した。つづいて同温度で精留塔を水分離器に換え、トルエンを還流させて縮合反応を行ない、反応終了時にはトルエンを減圧下で除いて、酸価35mgKOH/g、重量平均分子量3,000の不飽和ポリエステル樹脂(A−1)を得た。該樹脂(A−1)を2−ヒドロキシエチルメタクリレートに溶解し、固形分濃度65%になるように調整し、不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。
製造例2
製造例1において、2−ヒドロキシエチルメタクリレートに替えてジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートを同量使用する以外は、製造例1と同様にして不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。
製造例3
製造例1において、不飽和ポリエステル樹脂(A−1)55部に対し、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを30部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートを15部配合する以外は製造例1と同様にして、不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。
<パテ組成物の製造>
実施例1〜50及び比較例1〜14
上記製造例1〜3で得られた各不飽和ポリエステル樹脂組成物に、表1に示す配合組成となるように各成分を夫々配合攪拌し、これを300ml採取し、高速混練機で20分間混合分散して、各主剤成分を得た。各主剤成分に対して、シクロヘキサノンパーオキサイド30部及びエステル系有機溶剤70部含む硬化剤成分を2質量%各々添加し、手攪拌で均一に混合しパテ組成物(P−1)〜(P−64)を得た。
<試験塗板の作成>
上記パテ組成物において、各主剤成分のみを0.5L塗料缶に400gを入れて、40℃条件下で1ヶ月保存した。次いで「SPCC−SB」(日本テストパネル(株)製、商品名、軟鋼板)の表面を耐水ペーパー#240で軽く研磨し、これを基材面とした。上記で得られた貯蔵前後の各主剤成分を含む各パテ組成物を基材面上にヘラで塗布し、ならして2mm厚に塗布し、貯蔵前後の主剤成分に対して硬化剤成分を添加した各種パテ組成物が塗布された試験塗板を作成し、下記方法、基準にて評価した。
尚、表1記載の不飽和ポリエステル樹脂量は固形分表示であり、表1中、主剤成分の水分量(含水量)(ppm)は明細書記載の方法に準じて測定したものである。
<評価試験>
(*1)表面乾燥性:
上記貯蔵前後の各パテ組成物が塗布された試験塗板を常温(20℃)で放置して、各試験塗板の表面のタックがなくなるまでの時間を指触にて評価して、主剤成分を貯蔵したことによる表面乾燥性の影響を調べた。
○:貯蔵後の主剤成分を含むパテ組成物でも乾燥性良好、
×:貯蔵後の主剤成分を含むパテ組成物の乾燥時間が著しく長くなる。
<上塗り塗装板の作成>
上記貯蔵前後の各パテ組成物が塗布された試験塗板を室温(20℃)で6時間放置乾燥させた後、該塗面を#400耐水ペーパーで軽く研磨し、「レタンPG80ホワイトベース」(商品名、アクリルウレタン樹脂系上塗り塗料、関西ペイント(株)社製)を乾燥膜厚50μmになるようスプレ−塗装し、60℃で30分間乾燥させて貯蔵前後の各パテ組成物によるパテ層の上に上塗り塗装を施した塗装板をそれぞれ作成し、没水試験(フクレ評価、付着性)に供した。
(*2)フクレ:各上塗り塗装板を40℃の水に10日間浸漬した後、水中より取り出し、取り出した塗膜表面のフクレの有無を観察した。
○:フクレ無し、
△:一部フクレ
×:全面フクレ著しい
(*3)付着性:各上塗り塗装板を40℃の水に10日間浸漬した後、水中より取り出し、各塗装板を中央部より折り曲げて、折り曲げ部の塗膜状態を観察した
◎:良好、
○:パテ塗膜が鋼板−パテ間から僅かに剥離している、
△:パテ塗膜が鋼板−パテ間から部分的に剥離している、
×:パテ塗膜が鋼板−パテ間から完全に剥離している。

Claims (11)

  1. 主剤成分(I)と硬化剤成分(II)を含む組成物であって、主剤成分(I)が、重合性不飽和結合を有する不飽和ポリエステル樹脂(A)、重合性不飽和化合物(B)、及び脱水剤(C)を含み、硬化剤成分(II)が有機過酸化物を含むものであり、脱水剤(C)の配合量が、不飽和ポリエステル樹脂(A)及び重合性不飽和化合物(B)の合計質量100質量部を基準にして0.1〜50質量部の範囲内にあり、主剤成分(I)中の含水量が、2000ppm以下であることを特徴とするパテ組成物。
  2. 主剤の粘度が150〜1800Pa・secである、請求項1に記載のパテ組成物。
  3. 重合性不飽和化合物(B)が、その成分の一部としてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはジシクロペンテニル基含有重合性不飽和化合物を含む、請求項1又は2に記載のパテ組成物。
  4. 脱水剤(C)が、無機系脱水剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載のパテ組成物。
  5. 脱水剤(C)が、水吸着型脱水剤である請求項1〜のいずれか1項に記載のパテ組成物。
  6. 多価金属化合物(D)をさらに含む請求項1〜のいずれか1項に記載のパテ組成物。
  7. 平均粒子径が1〜70μmのタルクをさらに含む請求項1〜のいずれか1項に記載のパテ組成物。
  8. 平均粒子径が18〜70μmの範囲内の大粒子径タルク(d1)と平均粒子径が1μm以上で且つ18μm未満の範囲内の小粒子径タルク(d2)を併用する請求項に記載のパテ組成物。
  9. ノンスチレン型である請求項1〜のいずれか1項に記載のパテ組成物。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の主剤成分(I)及び硬化剤成分(II)を混合して得られるパテ組成物。
  11. 塗装体の損傷部に請求項10に記載のパテ組成物の混合物を充填し、乾燥させた後にパテ層を研磨し、その上に補修用塗料組成物を塗装する補修塗装方法。
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