JP6715765B2 - 携帯電子デバイス用の充填材入りポリマー組成物 - Google Patents

携帯電子デバイス用の充填材入りポリマー組成物 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年6月5日出願の米国仮特許出願第61/831323号に対するおよび2013年8月23日出願の欧州特許出願第131815979号に対する優先権を主張するものであり、これらの出願のそれぞれの全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
本発明は、それらを薄物部品の製造に極めて好適なものにする機械的性能と加工性能との傑出したバランスを特徴とする高性能ポリマー組成物に関する。特に、本発明は、少なくとも20重量パーセントの非円形断面およびASTM C1557−03に従って測定されるように少なくとも76GPaの弾性率を有するある種類のガラス繊維を含むポリマー組成物、ならびに前記ポリマー組成物で製造された少なくとも1つの部品を含む携帯電子デバイスに関する。
今日、携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、MP3プレーヤーなどの携帯電子デバイスは、広範に使用されている。多くの進展がより小さい電子デバイスの製造においてなされてきたが、これらの携帯電子デバイスのより高い品質およびより大きな実用性を求めるますます多くの要求がある。今日、携帯電子デバイスは、さらにもっと携帯性および利便性を求めてますます薄く、小さくなりつつあるが、同時により進んだ機能およびサービスを行うことがますますできるようになってきており、両方ともデバイスおよびネットワークシステムの技術開発によっている。
この発展は、最終顧客にとってすべて重要な因子であると考えられる多くの相反する要件を伴う。基本的には、デバイスは、できるかぎり小さく、軽量であり、ますます進んだ機能を提供し、長い電池寿命を有し、そしてユーザーに使いやすいインターフェースを有するべきである。さらに、電子デバイスにおけるスペースは限られており、競争力をつけるために、デバイスの要素は、慎重に設計され、組み立てられ、包装されなければならない。
しかし、便宜上、これらのデバイスは、小さく、軽量であることが多くの場合望ましいが、それらは、通常の取扱いおよび偶発的な落下で損傷されないように、一定の構造強度を有することが依然として必要である。したがって、通常そのようなデバイスに組み込まれるのは、その主要な機能が、強度および/または剛性および/または耐衝撃性をデバイスに与え、おそらく様々な内部構成要素または携帯電子デバイスケースの外側部分のための取付け場所も与える構造部品である。これらの部材の強度および剛性要件のために、それらは通常、マグネシウムまたはアルミニウムなどの低密度金属で製造される。しかし、これらの部品のための金属の使用は、ある種の欠点を伴う。マグネシウムなどのこれらの低密度金属のいくつかは幾分高価であり、それらの使用は時々設計融通性を制限する。
合成樹脂は、金属の上述の制限のいくつかを克服することができるが、それらは通常、携帯電子デバイスにおける構造部品の製造のために用いられるべき強度および/または剛性を持たない。結果として、携帯電子デバイス用の改善された構造部品が必要とされる。
米国特許出願公開第2010/0291381号は、その表面が金属によって少なくとも部分的に被覆されている合成樹脂組成物を含む携帯電子デバイス用の構造部材に関する。合成樹脂の長いリスト開示されている。
実際に、ポリマー組成物は、携帯電子デバイスの製造において長年使用されてきた。アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)ポリマー、ポリカーボネート、PBTなどのポリエステルまたはポリオレフィンは、過去に幅広く使用され、時々金属と組み合わせて使用されてきた。
しかし、様々な技術が、デバイスの小型化と平行して、非常に高いペースで発達し、向上しているので、上に例示された汎用樹脂はもはや市場ニーズを満たさない。製造技術はそれ故、増加した製造要求を満たすために発達し、向上しなければならない。これらの増加した要求としては、上に説明されたように、より軽く、より小さい、しかし携帯電子デバイスの部品の製造のためにより高い性能材料の使用を含めて、匹敵するまたは向上さえした全体的特性の構造体が挙げられる。
携帯電子デバイスの部品の製造のために要求される主な特性としては、良好な流動特性、高い衝撃強度、高い剛性(および特に高い曲げ弾性率)ならびに良好な伸び特性が挙げられる。また、ある場合には、携帯電子デバイスの構造部品が、射出成形におけるように、形成の間に反ることがある複雑な形状を有する場合には、低い反りを有するように特に設計されている合成樹脂組成物を使用することが有利であり得る。
反りは、それらの凹面湾曲または凸面湾曲をもたらす成形品における寸法変形を意味する用語である。固有の収縮は、ポリマーの密度が加工温度から周囲温度まで変わるので、いかなる射出成形プロセス中にも起こる。射出成形中に、収縮のばらつきは内部応力を生み出し、内部応力は、鋳型からの排出時に部品の反りをもたらす。部品全体にわたった収縮が一様である場合には、成形品は、変形しないしまたは反らないであろうし、それは、より小さくなるにすぎないであろう。しかし、低い、一様な収縮の達成は、分子配向および繊維配向、鋳型冷却、部品および鋳型設計、ならびにプロセス条件などの多くの因子の存在および相互作用のために複雑な課題である。
さらに、携帯電子デバイスの総原価を下げるという大きな要求があり、高性能材料の価格はそれ故また、許容できる範囲内に維持されるべきである。
それ故、携帯電子デバイスおよびその構造部品の製造に好適な新規ポリマー組成物が、上記の欠点を克服するために望まれている。
本発明はしたがって、ポリマー組成物(C)の総重量を基準として、
−少なくとも20重量パーセントの少なくとも1つのポリマーと、
−少なくとも20重量パーセントのガラス繊維と
を含む、ポリマー組成物(C)であって、
ガラス繊維が非円形断面およびASTM C1557−03に従って測定されるように少なくとも76GPaの弾性率を有する、ポリマー組成物(C)に関する。
本発明はまた、物品、特に本ポリマー組成物(C)で製造された少なくとも1つの部品を含む携帯電子デバイスに関する。
本発明は最後に、本ポリマー組成物(C)の製造方法およびそのような組成物から製造された上述の物品の製造方法に関する。
本ポリマー組成物(C)のガラス繊維の断面アスペクト比を示す概略図である。
ポリマー組成物(C)
ポリマー組成物(C)は、ポリマー組成物(C)の総重量を基準として、少なくとも20重量パーセントの少なくとも1つのポリマーを含む。前記ポリマーの本質は、本明細書で以下に詳述される。
少なくとも1つのポリマーは、ポリマー組成物(C)の総重量を基準として、好ましくは少なくとも25重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、さらにより好ましくは少なくとも35重量%、最も好ましくは少なくとも40重量%の量で存在する。
少なくとも1つのポリマーはまた、ポリマー組成物(C)の総重量を基準として、有利には最大でも80重量%、好ましくは最大でも75重量%、より好ましくは最大でも70重量%、さらにより好ましくは最大でも65重量%、その上最も好ましくは最大でも60重量%、最も好ましくは最大でも55重量%の量で存在する。
優れた結果は、少なくとも1つのポリマーが、ポリマー組成物(C)の総重量を基準として、約30〜約60重量%、好ましくは約35〜約55重量%の量でポリマー組成物(C)中に存在する場合に得られた。
ポリマー組成物(C)の少なくとも1つのポリマーは、任意の種類のポリマーから選ばれてもよい。もちろん、2つ以上のポリマーがポリマー組成物(C)中に存在してもよい。
より具体的には、そのようなポリマーは、ポリアミド、ポリエステル、ポリアリールエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリアクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレンポリマー、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、ポリアリーレンスルフィド、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデンおよびポリ塩化ビニルからなる群から選択されてもよい。
ポリマー組成物(C)の少なくとも1つのポリマーはより好ましくは、本明細書で以下に詳細に説明される、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアリーレンスルフィドおよびポリアリールエーテルケトンからなる群から選択される。
ポリアミド
語句「ポリアミド」は、少なくとも1つのジカルボン酸成分(もしくはその誘導体)と、少なくとも1つのジアミン成分との重縮合、ならびに/またはアミノカルボン酸および/もしくはラクタムの重縮合から誘導される繰り返し単位(RPA)を含む任意のポリマーを意味することを意図する。
語句「その誘導体」は、語句「カルボン酸」と組み合わせて用いられる場合には、重縮合条件下で反応してアミド結合を生じやすいいずれの誘導体をも意味することを意図する。アミド形成誘導体の例としては、モノ若しくはジメチル、エチル若しくはプロピルエステルのようなカルボン酸のモノまたはジアルキルエステル;それらのモノまたはジアリールエステル;それらの一酸または二酸ハロゲン化物;およびその一酸または二酸アミド、モノまたはジカルボン酸塩が挙げられる。
ある好ましい実施態様では、ポリマー組成物(C)のポリアミドは、少なくとも50モル%、好ましくは少なくとも60モル%、より好ましくは少なくとも70モル%、さらにより好ましくは少なくとも80モル%、最も好ましくは少なくとも90モル%の繰り返し単位(RPA)を含む。優れた結果は、ポリマー組成物(C)のポリアミドが繰り返し単位(RPA)からなる場合に得られた。
ポリマー組成物(C)は、2つ以上のポリアミドを含んでもよい。
ポリマー組成物(C)のポリアミドは、脂肪族ポリアミドポリマーであっても芳香族ポリアミドポリマーであってもよい。
本発明の目的のためには、語句「芳香族ポリアミドポリマー」は、35モル%超、好ましくは45モル%超、より好ましくは55モル%超、さらにより好ましくは65モル%超、最も好ましくは75モル%超の芳香族繰り返し単位である繰り返し単位(RPA)を含むポリアミドを意味することを意図する。
本発明の目的のために、語句「芳香族繰り返し単位」は、少なくとも1つの芳香族基を含むあらゆる繰り返し単位を意味することを意図する。芳香族繰り返し単位は、少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとの重縮合によってもしくは少なくとも1つの脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとの重縮合によって、または芳香族アミノカルボン酸の重縮合によって形成され得る。
本発明の目的のためには、ジカルボン酸またはジアミンは、それが一または複数の芳香族基を含む場合には「芳香族」と考えられる。
芳香族ジカルボン酸の非限定的な例は、とりわけ、イソフタル酸(IA)、テレフタル酸(TA)およびオルトフタル酸(OA)などの、フタル酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、3,5−ピリジンジカルボン酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ケトン、4,4’−ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、ビス(3−カルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ケトン、ビス(3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸,1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸である。
脂肪族ジカルボン酸の中に、とりわけ、シュウ酸[HOOC−COOH、マロン酸(HOOC−CH−COOH)、アジピン酸[HOOC−(CH−COOH]、コハク酸[HOOC−(CH−COOH]、グルタル酸[HOOC−(CH−COOH]、2,2−ジメチル−グルタル酸[HOOC−C(CH−(CH−COOH]、2,4,4−トリメチル−アジピン酸[HOOC−CH(CH)−CH−C(CH−CH−COOH]、ピメリン酸[HOOC−(CH−COOH]、スベリン酸[HOOC−(CH−COOH]、アゼライン酸[HOOC−(CH−COOH]、セバシン酸[HOOC−(CH−COOH]、ウンデカン二酸[HOOC−(CH−COOH]、ドデカン二酸[HOOC−(CH10−COOH]、テトラデカン二酸[HOOC−(CH11−COOH]、シス−および/またはトランス−シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸および/またはシス−および/またはトランス−シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸(CHDA)を挙げることができる。
本発明の好ましい実施態様によれば、ジカルボン酸は好ましくは芳香族であり、有利には、イソフタル酸(IA)、およびテレフタル酸(TA)からなる群から選択される少なくとも1つのフタル酸を含む。イソフタル酸およびテレフタル酸を単独でまたは組み合わせて使用することができる。フタル酸は好ましくは、任意選択的にイソフタル酸と組み合わせて、テレフタル酸である。
脂肪族ジアミンの非限定的な例は典型的には、2〜18個の炭素原子を有する脂肪族アルキレンジアミンであり、それらは有利には、1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノプロパン、プロピレン−1,3−ジアミン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−ジアミノ−1,1−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−1−エチルブタン、1,4−ジアミノ−1,2−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−1,3−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−1,4−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−2,3−ジメチルブタン、1,2−ジアミノ−1−ブチルエタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノ−オクタン、1,6−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,4−ジメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−3,3−ジメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,2−ジメチルヘキサン、1,9−ジアミノノナン、1,6−ジアミノ−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,4,4−トリメチルヘキサン、1,7−ジアミノ−2,3−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,4−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,5−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,2−ジメチルヘプタン、1,10−ジアミノデカン、1,8−ジアミノ−1,3−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−1,4−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−2,4−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−3,4−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−4,5−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−2,2−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−3,3−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−4,4−ジメチルオクタン、1,6−ジアミノ−2,4−ジエチルヘキサン、1,9−ジアミノ−5−メチルノナン、1,11−ジアミノウンデカンおよび1,12−ジアミノドデカンからなる群から選択される。
また、脂肪族ジアミンは、イソホロンジアミン(5−アミノ−(1−アミノメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンとしても知られる)、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)(1,3−BAMC)、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)(1,4−BAMC)、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン(PACM)、およびビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミンから選ばれてもよい。
本発明の好ましい実施態様によれば、脂肪族ジアミンは好ましくは、1,6−ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミンとしても知られる)、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカンおよび1,12−ジアミノドデカンからなる群から選択される。
芳香族ジアミンの中に、とりわけ、メタ−フェニレンジアミン(MPD)、パラ−フェニレンジアミン(PPD)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4’−ODA)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−ODA)、メタ−キシリレンジアミン(MXDA)、およびパラ−キシリレンジアミン(PXDA)を挙げることができる。
本発明の好ましい実施態様によれば、芳香族ジアミンは好ましくはメタ−キシリレンジアミン(MXDA)である。
さらに、芳香族アミノカルボン酸またはそれらの誘導体はまた、ポリマー組成物(C)のポリアミドの製造のために使用されてもよく、それは一般に、4−(アミノメチル)安息香酸および4−アミノ安息香酸、6−アミノヘキサン酸、1−アザ−2−シクロノナノン、1−アザ−2−シクロドデカノン、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、4−(アミノメチル)安息香酸、シス−4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸、トランス−4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸、シス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸およびトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸からなる群から選択される。
ポリマー組成物(C)のポリアミドの非限定的な例は、アジピン酸とメタ−キシリレンジアミンとのポリマー(Solvay Specialty Polymers U.S.A、L.L.C.からIXEF(登録商標)ポリアリールアミドとしてとりわけ商業的に入手可能である、PAMXD6ポリマーとしても知られる)、イソフタル酸(IA)およびテレフタル酸(TA)の中から選ばれる、フタル酸と、1,6−ジアミノヘキサンなどの少なくとも1つの脂肪族ジアミンとのポリマー(Solvay Specialty Polymers U.S.A、L.L.C.からAMODEL(登録商標)ポリフタルアミドとしてとりわけ商業的に入手可能な)、テレフタル酸と1,9−ノナメチレンジアミンとのポリマー、テレフタル酸と1,10−デカメチレンジアミンとのポリマー、テレフタル酸とドデカメチレンジアミンとのポリマー、1,11−ウンデカンジアミンとテレフタル酸とのポリマー、テレフタル酸およびイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとのコポリマー、テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンおよびデカメチレンジアミンとのコポリマー;テレフタル酸およびイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンおよびデカメチレンジアミンとのコポリマー;テレフタル酸とデカメチレンジアミンおよび11−アミノ−ウンデカン酸とのコポリマー、テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンおよび11−アミノ−ウンデカン酸とのコポリマー;テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンおよびビス−1,4−アミノメチルシクロヘキサンとのコポリマー;テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンおよびビス−1,3−アミノメチルシクロヘキサンとのコポリマー;ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸とのコポリマー;ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸およびセバシン酸とのコポリマー;ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸および1,12−ジアミノドデカン酸とのコポリマー;ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸、イソフタル酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とのコポリマー;デカメチレンジアミンとテレフタル酸および4−アミノシクロヘキサンカルボン酸とのコポリマー;デカメチレンジアミンとテレフタル酸および4−(アミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸とのコポリマー;デカメチレンジアミンと2,6−ナフタレンジカルボン酸とのポリマー;2,6−ナフタレンジカルボン酸とヘキサメチレンジアミンおよびデカメチレンジアミンとのコポリマー;2,6−ナフタレンジカルボン酸とヘキサメチレンジアミンおよびデカメチレンジアミンとのコポリマー;デカメチレンジアミンと1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とのポリマー、ヘキサメチレンジアミンと11−アミノ−ウンデカン酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸とのコポリマー;テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンおよび2−メチルペンタメチレンジアミンとのコポリマー;テレフタル酸とデカメチレンジアミンおよび2−メチルペンタメチレンジアミンとのコポリマー;2,6−ナフタレンジカルボン酸とヘキサメチレンジアミンおよび2−メチルペンタメチレンジアミンとのコポリマー;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とデカメチレンジアミンおよび2−メチルペンタメチレンジアミンとのコポリマーである。
本発明の目的のためには、語句「脂肪族ポリアミドポリマー」は、脂肪族繰り返し単位だけを含むポリアミドを意味することを意図し、前記脂肪族繰り返し単位は、上述のような、少なくとも1つの脂肪族ジカルボン酸と、上述のような、少なくとも1つの脂肪族ジアミンとから誘導され、ならびに/または前記脂肪族繰り返し単位は、脂肪族アミノカルボン酸および/もしくは脂肪族ラクタムから誘導される。
脂肪族ラクタムの非限定的な例は、とりわけ、カプロラクタムおよびラウリルラクタムからなる群から選択される。
脂肪族ポリアミドポリマーの非限定的な例は、とりわけ、PA6、PA 6,6、PA10,10、PA6,10、コポリアミドPA 6,6/6、PA 11、PA 12およびPA 10,12からなる群から選択される。
好ましい脂肪族ポリアミドの第1群は、PA 6,6として一般に知られ、とりわけTECHNYL(登録商標)ポリアミドとしてSolvay Engineering Plasticsから商業的に入手可能な、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの間の重縮合によって形成される繰り返し単位から本質的になるものである。
本発明のある種の特有の実施形態では、ポリマー組成物(C)は、第1ポリアミドと第2ポリアミドとのブレンドを含み、特に第1ポリアミドは脂肪族ポリアミドから選択され、第2ポリアミドは芳香族ポリアミドから選択される。そのような場合には、第1脂肪族ポリアミドは好ましくは、PA 6、PA 6,6、PA 10,10、PA 6,10、コポリアミドPA 6,6/6、PA 11、PA 12およびPA 10,12からなる群から選択され、一方第2ポリアミドは好ましくは、ポリフタルアミドおよびPAMXD6から選択される。
優れた結果は、2つのポリアミドがPAMXD6およびPA 6,6である場合に得られた。
ポリエステル
ポリエステルは、少なくとも50モル%、好ましくは少なくとも85モル%の、(式:R−(C=O)−OR’で一般に表される)少なくとも1つのエステル部分を含む繰り返し単位(RPE)を含むポリマーを意味することを意図する。ポリエステルは、少なくとも1つのエステル部分を含む環状モノマー(M)の開環重合によって;少なくとも1つのヒドロキシル基と少なくとも1つのカルボン酸基とを含むモノマー(M)の重縮合によって、または少なくとも2つのヒドロキシル基を含む少なくとも1つのモノマー(M)(ジオール)と少なくとも2つのカルボン酸基を含む少なくとも1つのモノマー(M)(ジカルボン酸)との重縮合によって得ることができる。
モノマー(M)の非限定的な例としては、ラクチドおよびカプロラクトンが挙げられる。
モノマー(M)の非限定的な例としては、グリコール酸、4−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸が挙げられる。
モノマー(M)の非限定的な例としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ヒドロキノン、4,4−ビフェノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、2,2,4−トリメチル 1,3−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、およびネオペンチルグリコールが挙げられるが、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキノン、4,4−ビフェノールおよびネオペンチルグリコールが好ましい。
モノマー(M)の非限定的な例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、およびアジピン酸が挙げられるが、テレフタル酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
ある種の好ましい実施態様では、ポリマー組成物(C)のポリエステルは、少なくとも1つのエステル部分に加えて、少なくとも50モル%、好ましくは少なくとも60モル%、より好ましくは少なくとも70モル%、さらにより好ましくは少なくとも80モル%、最も好ましくは少なくとも90モル%の、少なくとも1つのエステル部分に加えて、少なくとも1つの脂環式基を含む繰り返し単位(RPE)を含む。優れた結果は、ポリエステルが少なくとも1つのエステル部分および少なくも1つの脂環式基を含む繰り返し単位から本質的になる場合に得られた。脂環式基は、脂肪族および環式の両方である少なくとも1つの基を含むモノマー(M)、モノマー(M)またはモノマー(M)に由来してもよい。
ある種の好ましい実施態様では、ポリマー組成物(C)のポリエステルは、少なくとも50モル%、好ましくは少なくとも60モル%、より好ましくは少なくとも70モル%、さらにより好ましくは少なくとも80モル%、最も好ましくは少なくとも90モル%の、少なくとも1つのエステル部分に加えて、少なくとも1つの芳香族基を含む繰り返し単位(RPE*)を含む。好ましくは、ポリマー組成物(C)のポリエステルは、繰り返し単位(RPE*)以外の繰り返し単位をまったく含有しない。芳香族基は、少なくとも1つの芳香族基を含むモノマー(M)、モノマー(M)、モノマー(M)またはモノマー(M)に由来してもよい。
ポリエステルがホモポリマーである場合、それは、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンナフタレート)(PCN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカプロラクトン(PCL)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)から選択されてもよい。最も好ましくは、それは、PCT(すなわち、テレフタル酸と1,4−シクロヘキシレンジメタノールとの重縮合によって得られるホモポリマー)である。
ポリスルホン
スルホンポリマーは、その繰り返し単位(RSP)の少なくとも50%モルが、式(SP):
−Ar−SO−Ar’− 式(SP)
(互いに等しいかまたは異なる、ArおよびAr’は芳香族基である)
の少なくとも1つの基を含む、任意のポリマーを意味することを意図する。
繰り返し単位(RSP)は一般に、式:
−Ar−(T’−Ar−O−Ar−SO−[Ar−(T−Ar−SO−Ar−O−
[式中:
−互いにかつ出現ごとに等しいかまたは異なる、Ar、Ar、Ar、Ar、およびArは独立して、芳香族単核基または多核基であり;
−互いにかつ出現ごとに等しいかまたは異なる、TおよびT’は独立して、結合または1つもしくは2つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含む二価基であり;好ましくはTおよびT’は独立して、結合、−CH−、−C(O)−、−C(CH−、−C(CF−、−C(=CCl)−、−SO−、および−C(CH)(CHCHCOOH)−からなる群から選択され、
−互いに等しいかまたは異なる、nおよびmは独立して、ゼロまたは1〜5の整数である]
に従う。
繰り返し単位(RSP)は、とりわけ、本明細書で下の式(S−A)〜式(S−D):
[式中:
−互いに等しいかまたは異なる、R’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され;
−j’は、ゼロであるか、または0〜4の整数であり;
−互いに等しいかまたは異なる、TおよびT’は上に定義された通りである]
のものからなる群から選択することができる。
本発明の好ましい実施形態では、スルホンポリマーの繰り返し単位の少なくとも50%モルは、繰り返し単位(RSP−2)および/または繰り返し単位(RSP−3):
[式中:
互いにかつ出現ごとに等しいかまたは異なる、QおよびArは独立して、二価の芳香族基であり;好ましくは、互いにかつ出現ごとに等しいかまたは異なるArおよびQは独立して、次の構造:
および相当する任意選択的に置換された構造からなる群から選択され、Yは、−O−、
−CH=CH−、−C≡C−、−S−、−C(O)−、−(CH−、−C(CF−、−C(CH−、−SO−、−(CF−(nは1〜5の整数およびその混合である);およびその混合物である]
である。
繰り返し単位(RSP−2)は好ましくは、
およびそれらの混合物からなる群から選択される。
繰り返し単位(RSP−3)は好ましくは、
およびそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の好ましい実施態様によれば、ポリマー組成物(C)のスルホンポリマーは、少なくとも50%モル、好ましくは70%モル、より好ましくは75%モルの繰り返し単位(RSP−2)および/または(RSP−3)を含み、さらにより好ましくは、それは、繰り返し単位(RSP−2)および/または(RSP−3)以外の繰り返し単位をまったく含有しない。
本発明のさらに好ましい実施態様では、ポリマー組成物(C)のスルホンポリマーの繰り返し単位の少なくとも50%モルは、繰り返し単位(j)である。スルホンポリマーの繰り返し単位の好ましくは少なくとも60%モル、より好ましくは少なくとも70%モル、さらにより好ましくは少なくとも80%モル、最も好ましくは少なくとも90%モルは、繰り返し単位(j)である。優れた結果は、スルホンポリマーが繰り返し単位(j)以外の繰り返し単位をまったく含有しない場合に得られ、そのようなポリマー(本明細書では以下、ポリフェニルスルホン(PPSU))は、とりわけ、Solvay Specialty Polymers USA,L.L.C.から市販されているRADEL(登録商標)PPSUとして入手可能である。
本発明の別の好ましい実施態様では、ポリマー組成物(C)のスルホンポリマーの繰り返し単位の少なくとも50%モルは、繰り返し単位(jj)である。ポリマー組成物(C)のスルホンポリマーの繰り返し単位の好ましくは少なくとも60%モル、より好ましくは少なくとも70%モル、さらにより好ましくは少なくとも80%モル、最も好ましくは少なくとも90%モルは、繰り返し単位(jj)である。優れた結果は、スルホンポリマーが繰り返し単位(jj)以外の繰り返し単位をまったく含有しない場合に得られ、そのようなポリマー(本明細書では以下、ポリエーテルスルホン(PESU))は、とりわけ、Solvay Specialty Polymers USA,L.L.C.から市販されている、VERADEL(登録商標)PESUとして入手可能である。
本発明のその上別の好ましい実施態様では、ポリマー組成物(C)のスルホンポリマーの繰り返し単位の少なくとも50%モルは、繰り返し単位(jv)である。ポリマー組成物(C)のスルホンポリマーの繰り返し単位の好ましくは少なくとも60%モル、より好ましくは少なくとも70%モル、さらにより好ましくは少なくとも80%モル、最も好ましくは少なくとも90%モルは、繰り返し単位(jv)である。優れた結果は、スルホンポリマーが繰り返し単位(jv)以外の繰り返し単位をまったく含有しない場合に得られ、そのようなポリマー(本明細書では以下、ポリスルホン(PSU))は、とりわけ、Solvay Specialty Polymers USA,L.L.C.から市販されているUDEL(登録商標)PSUとして入手可能である。
優れた結果は、スルホンポリマーがPPSU、PESU、PSUまたはそれらの混合物からなる群から選択される場合に得られた。
1つのみのスルホンポリマーがポリマー組成物(C)中に存在する場合、それは好ましくは、ポリフェニルスルホン(PPSU)である。2つのスルホンポリマーがポリマー組成物(C)中に存在する場合、それらは好ましくは、ポリフェニルスルホン(PPSU)およびポリスルホン(PSU)である。
ポリアリーレンスルフィド
ポリアリーレンスルフィドは、繰り返し単位を含み、前記繰り返し単位の50%モル超が、Ar−S基(Arは芳香族基である)を含む繰り返し単位(RPAS)である任意のポリマーを意味することを意図する。特に明記しない限り、Ar基は、置換もしくは非置換であり得る。さらに、特に明記しない限り、ポリフェニレンスルフィドは、ポリマー中に任意の異性体関係のスルフィド結合を含むことができ;例えば、アリーレン基がフェニレン基である場合にはスルフィド結合は、オルト、メタ、パラ、またはそれらの組み合わせであり得る。
本発明の好ましい実施態様によれば、ポリマー組成物(C)のポリアリーレンスルフィドは、少なくとも60%モル、好ましくは70%モル、より好ましくは80%モルの繰り返し単位(RPAS)を含み、さらにより好ましくは、それは、繰り返し単位(RPAS)以外の繰り返し単位をまったく含有しない。優れた結果は、ポリアリーレンスルフィドが繰り返し単位(RPAS)以外の繰り返し単位をまったく含有しない場合に得られた。
好ましくは、繰り返し単位(RPAS)は、次式:
の繰り返し単位(p)である。
本発明のその上別の好ましい実施態様では、ポリマー組成物(C)のポリアリーレンスルフィドポリマーの繰り返し単位の少なくとも50%モルは、繰り返し単位(p)である。ポリマー組成物(C)のポリアリーレンスルフィドポリマーの繰り返し単位の好ましくは少なくとも60%モル、より好ましくは少なくとも70%モル、さらにより好ましくは少なくとも80%モル、最も好ましくは少なくとも90%モルは、繰り返し単位(p)である。優れた結果は、ポリアリーレンスルフィドポリマーが繰り返し単位(p)以外の繰り返し単位をまったく含有しない場合に得られ、そのようなポリマー(本明細書では以下、ポリフェニレンスルフィド(PPS))は、とりわけ、The Woodlands,TexasのChevron Phillips Chemical Company LPによってから市販されているRyton(登録商標)PPSとして入手可能である。
他の好適なポリアリーレンスルフィドポリマーのいくつかの例としては、ポリ(2,4−トルエンスルフィド)、ポリ(4,4’−ビフェニレンスルフィド)、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)、ポリ(オルト−フェニレンスルフィド)、ポリ(メタ−フェニレンスルフィド)、ポリ(キシレンスルフィド)、ポリ(エチルイソプロピルフェニレンスルフィド)、ポリ(テトラ−メチルフェニレンスルフィド)、ポリ(ブチルシクロヘキシルフェニレンスルフィド)、ポリ(ヘキシルドデシルフェニフェンスルフィド)、ポリ(オクタデシルフェニレンスルフィド)、ポリ(フェニフェニレン)、ポリ(トリルフェニレンスルフィド)、ポリ(ベンジルフェニレンスルフィド)、およびポリ[オクチル−4−(3−メチルシクロペンチル)フェニレンスルフィドが挙げられる。
優れた結果は、ポリアリーレンスルフィドポリマーがポリフェニレンスルフィド(PPS)である場合に得られた。
ポリアリールエーテルケトン
ポリアリールエーテルケトン(すなわちPAEK)は、繰り返し単位を含み、前記繰り返し単位の50%モル超がAr−C(O)−Ar’基(互いに等しいかもしくは異なる、ArおよびAr’は芳香族基である)を含む繰り返し単位(RPAEK)である、任意のポリマーを意味することを意図する。繰り返し単位(RPAEK)は一般に、本明細書で下の式(J−A)〜式(J−O):
[式中:
−互いに等しいかまたは異なる、R’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され;
−j’は、ゼロであるかまたは0〜4の整数である]
からなる群から選択される。
繰り返し単位(RPAEK)において、それぞれのフェニレン部分は独立して、繰り返し単位においてR’とは異なる他の部分に対して1,2−、1,4−または1,3−結合を有していてもよい。好ましくは、前記フェニレン部分は1,3−または1,4−結合を有し、より好ましくは、それらは1,4−結合を有する。
さらに、繰り返し単位(RPAEK)において、j’は、出現ごとにゼロである、すなわち、フェニレン部分は、ポリマーの主鎖における結合を可能にするもの以外の置換基をまったく持たない。
好ましい繰り返し単位(RPAEK)はしたがって、本明細書で下の式(J’−A)〜(J’−O):
のものから選択される。
上に詳述されたような、PAEKポリマーにおいて、繰り返し単位の好ましくは60%モル超、より好ましくは80%モル超、さらにより好ましくは90%モル超が、上に詳述されたような、繰り返し単位(RPAEK)である。
さらに、PAEKポリマーの実質的にすべての繰り返し単位が、上に詳述されたような、繰り返し単位(RPAEK)であることが一般に好ましい。
PAEKポリマーは、とりわけ、ホモポリマー、ランダム、交互またはブロックコポリマーであってもよい。PAEKポリマーがコポリマーである場合、それはとりわけ、(i)式(J−A)〜(J−O)から選らばれる少なくとも2つの異なる式の繰り返し単位(RPAEK)、または(ii)1つもしくは複数の式(J−A)〜(J−O)の繰り返し単位(RPAEK)および繰り返し単位(RPAEK)とは異なる繰り返し単位(R PAEK)を含有してもよい。
後で詳述されるように、PAEKポリマーはポリエーテルエーテルケトンポリマー(すなわちPEEKポリマー)であってもよい。
本発明の目的のためには、用語「PEEKポリマー」は、その繰り返し単位の50モル%超が式J’−Aの繰り返し単位(RPAEK)である任意のポリマーを意味することを意図する。
PEEKポリマーの繰り返し単位の好ましくは75モル%超、好ましくは85モル%超、好ましくは95モル%超、好ましくは99モル%超が、式J’−Aの繰り返し単位である。最も好ましくはPEEKポリマーの繰り返し単位はすべて、式J’−Aの繰り返し単位である。
あるいは、PAEKポリマーは、ポリエーテルケトンケトンポリマー(すなわちPEKKポリマー)、ポリエーテルケトンポリマー(すなわちPEKポリマー)、ポリエーテルエーテルケトンケトンポリマー(すなわちPEEKKポリマー)、またはポリエーテルケトンエーテルケトンケトンポリマー(PEKEKKポリマー)であってもよい。
本発明の目的のためには、用語「PEKKポリマー」は、その繰り返し単位の50モル%超が式J’−Bの繰り返し単位(RPAEK)である任意のポリマーを意味することを意図する。
PEKKポリマーの繰り返し単位の好ましくは75モル%超、好ましくは85モル%超、好ましくは95モル%超、好ましくは99モル%超が、式J’−Bの繰り返し単位である。最も好ましくはPEKKポリマーの繰り返し単位はすべて、式J’−Bの繰り返し単位である。
本発明の目的のためには、用語「PEKポリマー」は、その繰り返し単位の50モル%超が式J’−Cの繰り返し単位(RPAEK)である任意のポリマーを意味することを意図する。
PEKポリマーの繰り返し単位の好ましくは75モル%超、好ましくは85モル%超、好ましくは95モル%超、好ましくは99モル%超が、式J’−Cの繰り返し単位である。最も好ましくはPEKポリマーの繰り返し単位はすべて、式J’−Cの繰り返し単位である。
本発明の目的のためには、用語「PEEKKポリマー」は、その繰り返し単位の50モル%超が式J’−Mの繰り返し単位(RPAEK)である任意のポリマーを意味することを意図する。
PEEKKポリマーの繰り返し単位の好ましくは75モル%超、好ましくは85モル%超、好ましくは95モル%超、好ましくは99モル%超が、式J’−Mの繰り返し単位である。最も好ましくはPEEKKポリマーの繰り返し単位はすべて、式J’−Mの繰り返し単位である。
本発明の目的のためには、用語「PEKEKKポリマー」は、その繰り返し単位の50モル%超が式J’−Lの繰り返し単位(RPAEK)である任意のポリマーを意味することを意図する。
PEKEKKポリマーの繰り返し単位の好ましくは75モル%超、好ましくは85モル%超、好ましくは95モル%超、好ましくは99モル%超が、式J’−Lの繰り返し単位である。最も好ましくはPEKEKKポリマーの繰り返し単位はすべて、式J’−Lの繰り返し単位である。
優れた結果は、PAEKポリマーがPEEKホモポリマー、すなわち、とりわけ、Solvay Specialty Polymers USA,L.L.C.からKETASPIRE(登録商標)ポリエーテルエーテルケトンとして商業的に入手可能な、PEEKポリマーの繰り返し単位が実質的にすべて式J’−Aの繰り返し単位であるポリマーである場合に得られた。
本発明によるポリマー組成物(C)は、上記のポリマーの好ましくは1つのみまたは2つの混合物を含む。
好ましくは、ポリマー組成物(C)は、(i)少なくとも1つのポリアリールエーテルケトン(PAEK)と、(ii)少なくとも1つのポリフェニルスルホン(PPSU)と(iii)少なくとも1つのポリスルホン(PSU)との混合物を含まない。また、ポリマー組成物(C)は有利には、少なくとも1つのポリフェニルスルホン(PPSU)と少なくとも1つのポリスルホン(PSU)との混合物を含まない。好ましくは、ポリマー組成物(C)は、少なくとも1つのポリアリールエーテルケトン(PAEK)と少なくとも1つのポリスルホン(PSU)との混合物を含まない。
ガラス繊維
上記のポリマーに加えて、ポリマー組成物(C)はまた、非円形断面およびASTM C1557−03に従って測定されるように少なくとも76GPaの弾性率を有する少なくとも1つの特有のガラス繊維を含む。
ポリマー組成物(C)のガラス繊維は、卵形、楕円形または長方形などの、非円形断面を有する(いわゆる「扁平ガラス繊維」)。
ガラス繊維は、エンドレス繊維としてかまたはチョップドガラス繊維として添加されてもよいが、好ましくは約2〜約13mm、より好ましくは約3〜約6mmの範囲の長さのチョップドガラス繊維が好ましい。
ポリマー組成物(C)のガラス繊維は好ましくは、特殊なサイズおよびアスペクト比を特徴とする。図1は、一実施形態によるガラス繊維のアスペクト比を示す概略図である。
ポリマー組成物(C)のガラス繊維は一般に、少なくとも15μm、好ましくは少なくとも20μm、より好ましくは少なくとも22μm、さらにより好ましくは少なくとも25μmの断面最長径(a)を有する。それは有利には、最大でも40μm、好ましくは最大でも35μm、より好ましくは最大でも32μm、さらにより好ましくは最大でも30μmのものである。優れた結果は、断面直径が15〜35μmの、好ましくは20〜30μmの、より好ましくは25〜29μmの範囲にある場合に得られた。
ポリマー組成物(C)のガラス繊維は一般に、少なくとも4μm、好ましくは少なくとも5μm、より好ましくは少なくとも6μm、さらにより好ましくは少なくとも7μmの断面最短径(b)を有する。それは有利には、最大でも25μm、好ましくは最大でも20μm、より好ましくは最大でも17μm、さらにより好ましくは最大でも15μmのものである。優れた結果は、断面最短径(b)が5〜20の、好ましくは5〜15μmの、より好ましくは7〜11μmの範囲にある場合に得られた。
ポリマー組成物(C)のガラス繊維は、少なくとも2、好ましくは少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、さらにより好ましくは少なくとも3のアスペクト比を有する。図1について言及すると、アスペクト比は、ガラス繊維の最短径(b)に対するガラス繊維の断面における最長径(a)の比として定義される。また、ポリマー組成物(C)のガラス繊維のアスペクト比は、最大でも8の、好ましくは最大でも6、より好ましくは最大でも4のものである。優れた結果は、前記比が約2〜約6、好ましくは、約2.2〜約4のものである場合に得られた。
ガラス繊維の断面の形状、その長さ、その断面直径およびそのアスペクト比は、光学顕微鏡法を用いて容易に測定することができる。例えば、繊維断面のアスペクト比は、Euromex光学顕微鏡および画像解析ソフトウェア(Image Focus 2.5)を用いて、繊維断面の最長(幅)および最小(高さ)寸法を測定し、第1数を第2数で割ることによって測定された。
ポリマー組成物(C)のガラス繊維は、ASTM C1557−03に従って測定されるように少なくとも76GPa、ASTM C1557−03に従って測定されるように、好ましくは少なくとも78、より好ましくは少なくとも80、さらにより好ましくは少なくとも82、最も好ましくは少なくとも84GPaの弾性率を有する。
また、ポリマー組成物(C)のガラス繊維は、ASTM C1557−03に従って測定されるように少なくとも3.5GPa、ASTM C1557−03に従って測定されるように、好ましくは少なくとも3.6、より好ましくは少なくとも3.7、さらにより好ましくは少なくとも3.8、最も好ましくは少なくとも3.9GPaの引張強度を有する。
弾性率および引張強度のこのレベルは典型的には、ガラス繊維を製造するために使用されるガラスの特有の化学組成を用いる場合に達せられる。ガラスは、異なる種類のガラスを生み出すために調整することができる幾つかの金属酸化物を含有するシリカ系ガラス化合物である。主な酸化物は、ケイ砂の形態のシリカであり;カルシウム、ナトリウムおよびアルミニウムなどの他の酸化物が、溶融温度を低下させ、かつ、結晶化を妨げるために組み込まれる。Alの高いローディングのガラスを使用する場合に、それから誘導されるガラス繊維は高い弾性率を示すことが当技術分野においてはよく知られている。特に、それらのガラス繊維は典型的には、ガラス組成物の総重量を基準として、55〜75重量%のSiOから、16〜28重量%のAlから、および5〜14重量%のMgOからなる。ポリマー組成物に幅広く使用される普通のE−ガラス繊維とは反対に、高弾性率ガラス繊維は、5重量%未満、好ましくは1重量%未満のBを含む。
ポリマー組成物(C)のガラス繊維は、ガラス組成物の総重量を基準として、Alの高いローディング、典型的にはAl16〜28重量%を特徴とするガラス組成物を使用して米国特許第4698083号に記載されているものなどの周知の技術によって製造され得る。
一実施態様によれば、ガラス繊維は、ポリマー組成物(C)のポリマーと他の原料との反応を防ぎ、そして含浸度を向上させるためにその表面上を所定の材料で被覆されてもよい。被覆材料は、ガラス繊維強化ポリマー組成物の全体的流動性、衝撃強度などを変化させ得る。ガラス繊維を被覆し、そしてガラス繊維強化ポリマー組成物の流動性、衝撃強度などに影響を及ぼすのに好適な材料は当業者に周知であり、得られる組成物の所望の特性に依存して必要以上の実験なしで選択され得る。
非円形断面およびASTM C1557−03に従って測定されるように少なくとも76GPaの弾性率を有する上述のガラス繊維に加えて、ポリマー組成物(C)は、繊維状または粒状充填材であってもよい、追加の強化充填材をさらに含んでもよい。
好ましくは、追加の強化充填材は、無機充填材(タルク、雲母、カオリン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの)、ガラス繊維(上述のガラス繊維とは異なる)、炭素繊維、合成ポリマー繊維、アラミド繊維、アルミニウム繊維、チタン繊維、マグネシウム繊維、炭化ホウ素繊維、ロックウール繊維、スチール繊維、ウォラストナイトなどから選択される。さらにより好ましくは、それは、雲母、カオリン、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ウォラストナイトおよび、非円形断面および特定の弾性率を有する上述のガラス繊維とは異なるガラス繊維から選択される。
ポリマー組成物(C)において、非円形断面およびASTM C1557−03に従って測定されるように少なくとも76GPaの弾性率を有するガラス繊維は、ポリマー組成物(C)の総重量を基準として、有利には少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも15重量%、さらにより好ましくは少なくとも25重量%、なおさらより好ましくは少なくとも30重量%、その上なおさらより好ましくは少なくとも35重量%、最も好ましくは少なくとも40重量%の量で存在する。
前記ガラス繊維はまた、ポリマー組成物(C)の総重量を基準として、有利には最大でも80重量%、好ましくは最大でも75重量%、より好ましくは最大でも70重量%、さらにより好ましくは最大でも65重量%、なおさらより好ましくは最大でも60重量%、最も好ましくは最大でも55重量%の量で存在する。
好ましくは、非円形断面およびASTM C1557−03に従って測定されるように少なくとも76GPaの弾性率を有するガラス繊維は、ポリマー組成物(C)の総重量を基準として、30〜70重量%、より好ましくは35〜65重量%、さらにより好ましくは40〜60重量%、最も好ましくは45〜55重量%の範囲の量で存在する。
優れた結果は、強化充填材が、ポリマー組成物(C)の総重量を基準として、約50重量%の量で存在する場合に得られた。
他の任意選択の原料
ポリマー組成物(C)は任意選択的に、紫外線安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、加工助剤、潤滑剤、難燃剤、ならびに/またはカーボンブラックおよびカーボンナノフィブリルなどの導電性添加剤などの追加の添加剤をさらに含んでもよい。
ポリマー組成物(C)はまた、上記のポリマー以外のポリマーをさらに含んでもよい。
ポリマー組成物(C)は、ハロゲン難燃剤およびハロゲンを含まない難燃剤をさらに含んでもよい。
ポリマー組成物(C)の調製は、熱可塑性成形組成物の調製に好適である任意の公知の溶融−混合方法によって実施することができる。そのような方法は典型的には、熱可塑性ポリマーを熱可塑性ポリマーの溶融温度よりも上に加熱し、それにより熱可塑性ポリマーの溶融物を形成することによって実施される。
本発明のさらなる態様はしたがって、少なくとも1つのポリマーを溶融させ、その後溶融ポリマーにガラス繊維を混ぜ合わせる工程を含むポリマー組成物(C)の製造方法に関する。組成物(C)の調製方法は、溶融混合装置で実施することができ、そのために、溶融混合によってポリマー組成物を調製する技術分野の当業者に知られた任意の溶融混合装置を用いることができる。好適な溶融混合装置は、例えば、ニーダー、Banbury(バンバリー)ミキサー、単軸スクリュー押出機、および二軸スクリュー押出機である。好ましくは、所望の成分をすべて押出機に、押出機のスロートにか溶融物にかのどちらかに投与するための手段を備えた押出機が用いられる。ポリマー組成物(C)の調製方法において、組成物を形成するための構成成分は、溶融混合装置に供給され、その装置内で溶融混合される。構成成分は、乾燥ブレンドとしても知られる、粉末混合物または顆粒ミキサーとして同時に供給されてもよいし、または別個に供給されてもよい。
物品
ポリマー組成物(C)は、ある種の造形品、特に携帯電子デバイスの部品の製造に好適である。
用語「携帯電子デバイス」は、便利に運ばれ、そして様々な場所で用いられるように設計されている電子デバイスを意味することを意図する。携帯電子デバイスの代表的な例は、携帯電子電話、携帯情報端末、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラジオ、カメラおよびカメラ付属品、時計、計算器、音楽プレーヤー、グローバル・ポジショニング・システム受信機、携帯ゲーム機、ハード・ドライブならびに他の電子記憶装置からなる群から選択されてもよい。
好ましい携帯電子デバイスは、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータおよび携帯電子電話である。
本発明による携帯電子デバイスの少なくとも1つの部品は、取付け部品、スナップ式部品、相互可動式部品、機能素子、作動要素、トラッキング素子、調整要素、キャリア要素、フレーム要素、スイッチ、コネクタ、ケーブル、ハウジング、および例えばスピーカー部品などの、携帯電子デバイスで使用されるようなハウジング以外の任意の他の構造部品などの物品の大きいリストから選択されてもよい。前記携帯電子デバイス部品は、とりわけ、射出成形、押出または他の造形技術によって製造することができる。
「携帯電子デバイスハウジング」とは、携帯電子デバイスの裏面カバー、前面カバー、アンテナハウジング、フレームおよび/またはバックボーンの1つもしくは複数を意味する。ハウジングは、単一の物品であっても、2つ以上の構成要素を含んでいてもよい。「バックボーン」とは、エレクトロニクス、マイクロプロセッサ、スクリーン、キーボードおよびキーパッド、アンテナ、電池ソケットなどの、デバイスの他の構成要素がその上へ取り付けられる構造構成要素を意味する。バックボーンは、携帯電子デバイスの外部からは見えないかまたは部分的に見えるにすぎない内部構成要素であってもよい。ハウジングは、衝撃と、環境試剤(液体、ちりなど)による汚染および/または損傷とからの保護をデバイスの内部構成要素に提供し得る。カバーなどのハウジング構成要素はまた、スクリーンおよび/またはアンテナなどの本デバイスの外部に露出しているある種の構成要素の衝撃に対する実質的なまたは主な構造支持と衝撃からの保護とを提供し得る。
好ましい実施形態では、携帯電子デバイスハウジングは、携帯電話ハウジング、タブレットハウジング、ラップトップコンピュータハウジングおよびタブレットコンピュ−タハウジングからなる群から選択される。優れた結果は、本発明による携帯電子デバイスの部品が携帯電話ハウジングおよびラップトップコンピュータハウジングである場合に得られた。
本発明による携帯電子デバイスの少なくとも1つの部品は有利には、平均して2.0mm以下、好ましくは1.6mm以下、より好ましくは1.2mm以下、さらにより好ましくは0.8mm以下である前記部品の平坦部分の厚さで特徴づけられる。用語「平均して」は本明細書では、その平坦な部分の少なくとも1つの少なくとも3点でのその厚さの測定に基づく部品の平均厚さを意味することを意図する。
本発明による携帯電子デバイスなどの物品は、任意の好適な溶融加工方法を用いて本ポリマー組成物(C)から製造される。特に、それらは、射出成形または押出成形によって製造される。射出成形が、好ましい方法である。
本発明の最後の態様はしたがって、好ましくは射出成形を用いる、本発明の物品の製造方法を指向する。
参照により本明細書に援用される特許、特許出願、および刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合には、本記載が優先するものとする。
本発明はこれから、以下の実施例に関してより詳細に記載され、実施例の目的は、例示的であるにすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
原材料
ポリアミド1(PA1):RADIPOL(登録商標)A45としてRADICI GROUPから商業的に入手可能な、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との重合によって得られるPA6,6。
ポリアミド2(PA2):IXEF(登録商標)PARAとしてSOLVAY SPECIALTY POLYMERS USA、LLCから商業的に入手可能な、メタ−キシリレンジアミンとアジピン酸との重合によって得られるPA MXD6。
ポリアミド3(PA3):RADIPOL(登録商標)DC 45 DとしてRADICI GROUPから商業的に入手可能な、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との重合によって得られるPA 6,10。
ガラス繊維1(GF1):3.1のアスペクト比、3mmのストランド長さおよびASTM C1557−03に従って測定されるように85GPaの弾性率を有する高弾性率ガラスで製造されたチョップド扁平繊維。繊維(ならびに以下のもの)の寸法は、Euromex光学顕微鏡および画像解析ソフトウェア(Image Focus 2.5)を用いて、繊維断面の最長(幅)および最小(高さ)寸法を測定し、第1数を第2数で割ることによって測定した。
ガラス繊維2(GF2):2.4のアスペクト比、3mmの呼びストランド長さおよびASTM C1557−03に従って測定されるように85GPaの弾性率を有するチョップド扁平繊維。
ガラス繊維3(GF3):日東紡績株式会社、日本国からNITTOBO CSG3PA−820として商業的に入手可能な、4のアスペクト比、3mmの呼びストランド長さ、アミノシランサイジングおよびASTM C1557−03に従って測定されるように75GPaの弾性率を有するチョップド扁平繊維。
ガラス繊維4(GF4):OWENS CORNINGからOCVTM EC10 4.5mm 995として商業的に入手可能な、10μmの断面直径、4.5mmのストランド長さ、アミノシランサイジングおよびASTM C1557−03に従って測定されるように75GPaの弾性率を有するチョップド円形繊維。
ガラス繊維5(GF5):OWENS CORNINGからOCVTM CS HP XSS PAX95として商業的に入手可能な、10μmの断面直径、4.7mmのストランド長さ、アミノシランサイジングおよびASTM C1557−03に従って測定されるように88GPaの弾性率を有するチョップド円形繊維。
ガラス繊維6(GF6):6μmの断面直径、3mmの呼びストランド長さ、アミノシランサイジングおよびASTM C1557−03に従って測定されるように85GPaの弾性率を有するチョップド円形繊維。
顔料:Plasblack UN 2014(50%のカーボンブラックベースのマスターバッチ)。
潤滑剤:Barlocher製のステアリン酸Ca、Ceasit−1。
ポリマー組成物の配合プロセスの概要
上記のポリアミド樹脂を、減量フィーダーによって10ゾーンを含むZSK−30二軸スクリュー押出機の第1バレルに供給した。バレル設定は260〜290℃の範囲にあり、樹脂はゾーン5の前に溶解した。他の原料は、減量フィーダーによってサイドスタッファーを通してゾーン8で供給した。スクリュー速度は300rpmであった。押出物を、従来の装置を用いて冷却し、ペレット化した。結果を、使用された樹脂のそれぞれと、重量%で与えられる各原料の量とを示す、表1にまとめる。
調製されたポリマー組成物の機械的特性は、ISO標準に従って試験した。試験検体の調製のためには、Axxicon AIM鋳型を用い、引張試験片は、ISO 1Aインサートを用いて調製した。衝撃および曲げ評価のためには、ISO Bインサートを用いた。試料は、290℃材料および120℃鋳型温度を用いて、Engel e−モーション200/100で成形した。異方性および成形収縮測定は、1および2mmの呼び厚さを有する40×20mmの試験片に関して測定した。報告される収縮値は、750バール圧力を用いて成形された試験片に関して得られた。
用いられた様々なISO試験方法は、引張特性についてはISO 527−4、曲げ特性についてはISO 178ならびにノッチ付きおよびノッチなしアイゾット衝撃についてはISO 180/1Aであった。
らせん流データは、Fanuc 100トン電気成形機を用いて測定した。材料を、280℃材料温度および130℃鋳型温度で1mm厚さの空洞に射出する。報告される長さは、1000バール射出圧力で達した長さである。
機械的な、収縮および流れ特性を表2にまとめる。
表2に示されるデータから、4のアスペクト比および75GPaの弾性率を有するチョップド扁平繊維を含む比較例CE1〜CE5が流れおよび反りの観点からある興味深い特性を提供するが、非常に要求が厳しい携帯電子デバイス用途向けに要求される機械的特性の最低レベルに達するに至らないことを理解することができる。
異なる種類のチョップド円形繊維を含む比較例CE2、CE3およびCE4は、それらがすべてそれらの低い流れのために著しい加工障害を示すことを言うまでもなく、それらがすべて反り問題を解決するに至らないので満足できない。
反対に、高弾性率ガラス(85GPaの弾性率の)で製造されたチョップド扁平繊維を含む実施例E1、E2およびE3(本発明による)は、機械的な、反りおよび流れの観点から秀でた特性を示す。
特に、それらはすべて、非常に低い異方性および並外れた流れと結び付いた衝撃、引張および曲げ特性などの特性の桁外れのバランスを示し、そのことは、それらを携帯電子デバイスの部品の製造のための選択の候補にする。

Claims (7)

  1. ポリマー組成物(C)の総重量を基準として、
    −少なくとも20重量パーセントの少なくとも1つのポリマーと、
    −少なくとも20重量パーセントのガラス繊維と
    を含むポリマー組成物(C)であって、
    ガラス繊維が非円形断面およびASTM C1557−03に従って測定したときに少なくとも80GPaの弾性率を有し、
    少なくとも1つのポリマーが、PA6、PA 6,6、PA 6,6/6およびPA6,10からなる群から選択される第1ポリアミドとPA MXD6である第2ポリアミドとのブレンドである、
    ポリマー組成物(C)。
  2. ガラス繊維が、2〜6のアスペクト比を有する、請求項1に記載のポリマー組成物(C)。
  3. ガラス繊維が、ポリマー組成物(C)の総重量を基準として、30〜70重量%の量で存在する、請求項1または2に記載のポリマー組成物(C)。
  4. 少なくとも1つのポリマーを溶融させ、その後溶融ポリマーにガラス繊維を混ぜ合わせる工程を含む請求項1〜のいずれか一項に記載のポリマー組成物(C)の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載のポリマー組成物(C)を含む物品。
  6. 前記物品が、携帯電子デバイスの部品である、請求項に記載の物品。
  7. 携帯電子デバイスが、携帯電子電話、携帯情報端末、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラジオ、カメラ、時計、計算器、音楽プレーヤー、グローバル・ポジショニング・システム受信機、携帯ゲーム機、ハード・ドライブおよび他の電子記憶装置からなる群から選択される、請求項に記載の携帯電子デバイスの部品。
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