JP2008214526A - 摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物、および摺動部を有する筐体 - Google Patents

摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物、および摺動部を有する筐体 Download PDF

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直史 西田
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Abstract

【課題】機械特性、摺動特性、耐摩擦特性・耐摩耗特性の優れた摺動部品が得られる、摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
【解決手段】A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、(B)繊維状強化材であって、繊維状強化材の長さ方向に直角な断面の長径D2、短径をD1とするとき、D2/D1比(扁平率)が2.5〜10の範囲のものを5〜150重量部含有することを特徴とする、摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物、および摺動部を有する筐体に関する。さらに詳しくは、機械特性、摺動特性、耐摩擦特性・耐摩耗特性の優れた摺動部品が得られる、摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物、およびこの摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物から得られる摺動部を有する筐体に関する。
熱可塑性樹脂は、金属に比べ、軽量で、加工性が優れていることから、自動車、電気電子、OA機器、精密機械などの各種分野に使用されている。このような用途の中で、計器やモーター類の歯車や軸受けに代表される摺動部品において、樹脂製部品が各種産業分野において重要な役割を担っている。しかし、このような摺動部品に対して要求される特性は、次第に高度化しつつあり、摺動特性の一層の向上が望まれている。特に、繊維状強化材を含む樹脂組成物、非晶性樹脂を含む樹脂組成物は、優れた機械特性・寸法安定性を示すものの、これら樹脂組成物製製品と金属製品、またはこれら樹脂組成物製製品同士が接触・摺動した場合、接触・摺動し合う一方(自材)および他方(相手材)のいずれもが摩耗する、軋み音が発生する、摺動特性が低下する、さらには摩耗粉が発生し飛散するなどの種々の不都合が生じることがある。
熱可塑性樹脂製品の摺動特性を改善する方法としては、従来、基体となる樹脂に摺動改良剤、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粉末、超高分子量ポリエチレン、黒鉛などを配合する技術が提案されている。これら摺動改良剤を配合した樹脂組成物は、摩擦係数に若干の改善が認められるものの、摩耗特性は改善されず、むしろ悪化する傾向にある。また、摩擦係数を小さくするためには、摺動改良剤を多量の添加する必要があり、機械的強度、靭性などの機械的性質が低下するという欠点がある。このため、機械的強度が改善され、同時に摺動特性、特に耐摩耗特性の改善される繊維状強化材が強く求められている。なお、本発明おいて摺動特性とは、接触し合い摺動し合う二つの部材の摺動面が円滑に摺動し合って、軋み音が発生しないことを言い、耐摩擦特性・耐摩耗特性とは、接触し合い摺動し合う二つの部材の摺動面が摩耗し難く、摩耗粉が発生し難いことを言う。
特許文献1には、ポリアミドMXD6を基体樹脂とし、これに変成ポリオレフィン、超高分子量ポリエチレンおよびガラス繊維を配合した樹脂組成物からなる歯車が記載されている。この特許文献1に記載されている歯車は、ガラス繊維が、長さ方向に対して直角に切断した断面における長径と短径との比が、1.5〜6:1の非円形断面のものである。しかしながら、段落「0026」には、「(D)成分のガラス繊維の繊維長さ方向に直角な断面における形状は円形であっても良いが、長径と短径との比が1.5〜6:1程度の非円形、例えば楕円、長円、繭型等の非円形断面形状であることが好ましい。このような非円形断面のガラス繊維であれば、円形断面のガラス繊維よりも比表面積が大きくなり、繊維と樹脂との密着性が向上して補強効果が高められ、得られる歯車の長期強度が改善される。」と記載され、非円形断面ガラス繊維により機械的強度が改善されるとの記述はあるものの、摺動特性が改善されるとの直接的な記載はない。
特開2003−201398号公報
本発明者らは、かかる状況にあって、鋭意検討した結果本発明を完成したものである。本発明の目的は、次のとおりである。
1.機械特性、摺動特性、耐摩擦特性・耐摩耗特性の優れた摺動部品が得られる、摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物を提供すること。
2.摩耗粉の発生が少なく、長期間にわたって安定した摺動性能が得られ、繊維状強化材の配合された摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物を提供すること。
3.上記摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物から得られる摺動部品を提供すること。
上記目的を達成するため、第一発明では、(A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、
(B)繊維状強化材であって、繊維状強化材の長さ方向に直角な断面の長径D2、短径をD1とするとき、D2/D1比(扁平率)が2.5〜10の範囲のものを5〜150重量部含有することを特徴とする、摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物を提供する。
また、第二発明では、第一発明に係る摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物を原料として、製造されたものであることを特徴とする摺動部を有する筐体を提供する。
本発明は以下詳細に説明するとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物は、機械特性、摺動特性、耐摩擦特性・耐摩耗特性の優れた摺動部品製造用として極めて有用である。
2.本発明に係る摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物から製造される摺動部品は、磨耗粉の発生が少ないので、長期間にわたって安定した摺動性能が得られ、この摺動部品を組み込んだ機器の信頼性が高まる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係る摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物において基体となる樹脂は、熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂には特に制限がなく、従来から知られているものでよい。具体的には、ポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルファイド、液晶ポリマーなどが挙げられる。これら熱可塑性樹脂は、一種でも二種以上の混合物でもよい。
上に例示した熱可塑性樹脂の中では、繊維状強化材を配合した樹脂組成物の機械的強度が高く、耐熱性も優れ、摺動特性に優れた部品が得られて特に好ましいのは、(A1)ポリエステル樹脂と(A2)ポリアミド樹脂である。摺動部品は、一般に精密部品として使用されるので、摺動特性、耐摩耗特性・耐摩擦特性と同時に高度な寸法精度が要求される。ポリアミド樹脂は吸水により部品の寸法が変化するのに対して、ポリエステル樹脂は吸水により部品の寸法が変化し難いので、摺動部品用の基体樹脂としてさらに好ましい。
本発明において(A1)熱可塑性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸またはその誘導体と、ジオール成分とからなるポリエステル樹脂を言う。ジカルボン酸またはその誘導体としては、芳香族ジカルボン酸類、脂環式ジカルボン酸類、および、脂肪族ジカルボン酸類、ならびに、これらの低級アルキルまたはグリコールのエステル類などが挙げられる。中でも、芳香族ジカルボン酸類またはこの低級アルキル(例えば、炭素原子数1〜4)、あるいはグリコールのエステル類がより好ましく、テレフタル酸またはこの低級アルキルエステルがさらに好ましい。ジカルボン酸またはその誘導体は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。
芳香族ジカルボン酸類としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、および2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
脂環式ジカルボン酸類としては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸およびセバシン酸などが挙げられる。
ジオール成分としては、脂肪族ジオール類、脂環式ジオール類および芳香族ジオール類などが挙げられる。脂肪族ジオール類としては、炭素数2〜20のものが好ましい。具体的には、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールおよび1,8−オクタンジオールなどが挙げられる。中でも、炭素数2〜4のジオールが好ましい。ジオール成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。
脂環式ジオール類としては、炭素数2〜20のものが好ましい。具体的には、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロールおよび1,4−シクロヘキサンジメチロールなどが挙げられる。芳香族ジオール類としては、炭素数6〜14のものが好ましい。具体的には、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよびビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。
(A1)ポリエステル樹脂には、上記ジカルボン酸またはその誘導体の一部を置換して、他の共重合体成分を含ませることができる。他の共重合体成分としては、ヒドロキシカルボン酸類、単官能成分、および/または、三官能以上の多官能成分が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸類としては、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸およびp−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。単官能成分としてはアルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸およびベンゾイル安息香酸などが挙げられる。多官能成分としては、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロールおよびペンタエリスリトールなどが挙げられる。
(A1)ポリエステル樹脂として好ましいのは、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN樹脂)などの芳香族ポリエステル樹脂であり、中でも、PBT樹脂が特に好ましい。PBT樹脂は、テレフタル酸を唯一のジカルボン酸成分とし、1,4−ブタンジオールを唯一のジオール成分とする単独重合体が、成形性や耐熱性の観点では好ましいが、低そり性の観点からは、他の共重合成分、例えば、少量のイソフタル酸を含ませた共重合も好ましい。本発明においてPBT樹脂とは、テレフタル酸が全ジカルボン酸成分の50モル%以上を占め、1,4−ブタンジオールが全ジオール成分の50モル%以上を占めることをいう。PBT樹脂は、さらに、ジカルボン酸成分中のテレフタル酸の割合が70モル%以上のものが好ましく、90モル%以上のものがより好ましい。また、ジオール成分中の1,4−ブタンジオールの割合は、70モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。このようなPBT樹脂は、機械的性質および耐熱性がより向上する傾向にあり好ましい。
(A1)ポリエステル樹脂の製造法は、特に制限がなく、従来から知られている方法によることができる。例えば、テレフタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分とからなるPBT樹脂の場合、(i)直接重合法、および(ii)エステル交換法のいずれの方法も採用できる。(i)直接重合法は、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールを直接エステル化反応させる方法であり、初期のエステル化反応で水が生成する。(ii)エステル交換法は、テレフタル酸ジメチルを主原料として使用する方法であり、初期のエステル交換反応でアルコールが生成する。原料コストの観点からは、(i)直接重合法が好ましい。
また、(A1)ポリエステル樹脂として好ましいPBT樹脂を(i)直接重合法によって製造する際には、例えば、以下の方法によることができる。テレフタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分、必要に応じ、他の共重合体成分とを、重縮合触媒、助触媒の存在下、必要に応じて他の添加剤を加え、連続式または回分式にエステル化反応を行い、オリゴマーを調製する。このエステル化反応は、単独のエステル化反応槽、または複数の槽よりなるエステル化反応槽の最初の槽に、上記原料成分を仕込み、必要に応じて触媒、助触媒、その他の添加物を加え、不活性ガス雰囲気下、攪拌しつつ、反応によって生じる水を留去しつつ反応を行う。エステル化反応終了後は、反応混合物をエステル化反応槽と同一反応槽で、または、反応混合物をエステル化反応槽から単独の重縮合反応槽、または複数の槽よりなる重縮合反応槽の最初の槽に移送し、移送後の反応混合物に、必要に応じて、重縮合触媒、助触媒、その他の添加物を仕込み、不活性ガス雰囲気下、攪拌しつつ、温度、圧力を調節しながら、連続的または回分式に重縮合反応を行う。
エステル化反応槽および重縮合反応槽の形態、構造には特に制限がなく、従来から知られている、縦型攪拌完全混合槽、縦型熱対流混合槽、横型攪拌完全混合槽、塔型連続反応槽、これらを組み合わせた形態、構造のものをそのまま使用できる。中でも、少なくとも一つの重縮合槽においては、攪拌装置を装備したものが好ましい。攪拌装置は、槽の形式、大きさなどにより、従来から知られている、動力部,軸受、攪拌翼などによって構成される攪拌翼のほか、タービンステーター型高速回転式攪拌機、ディスクミル型攪拌機、ローターミル型攪拌機などの高速回転可能な攪拌機が挙げられる。
エステル化反応、重縮合反応を行う際には、触媒を使用するのが好ましい。これら反応を行う際に使用できる触媒としては、従来からポリエステル樹脂を製造する際に使用されている触媒が、そのまま使用できる。エステル化反応、重縮合反応を行う際に使用できる触媒としては、(a)チタン化合物、(b)周期表第1族金属化合物および/または周期表第2族金属化合物、(c)スズ化合物などが挙げられ、助触媒を併用することもできる。(a)チタン化合物の具体的としては、酸化チタン、四塩化チタンなどの無機チタン化合物類、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネートなどのチタンアルコラート類、テトラフェニルチタネートなどのチタンフェノラート類などが挙げられる。中でも、チタンアルコラート類、テトラアルキルチタネート類などが好ましく、特にテトラブチルチタネートが好ましい。
(b)周期表第1族金属化合物の金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどが挙げられる。この金属を含む化合物としては、酢酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの各種有機酸塩類、水酸化物類、酸化物類、アルコラート類などが挙げられる。(b)周期表第2族金属化合物の金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。この金属を含む化合物としては、酢酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの各種有機酸塩類、水酸化物類、酸化物類、アルコラート類などが挙げられる。取り扱いや入手の容易さ、触媒効果の点から、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の化合物が好ましい。得られるポリエステル樹脂の色調を勘案すると、リチウムまたはマグネシウムの化合物が好ましく、特にマグネシウム化合物が好ましい。マグネシウム化合物としては、具体的には、酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイド、燐酸水素マグネシウムなどが挙げられる。中でも有機酸塩類が好ましく、特に酢酸マグネシウムが好ましい。これら(a)と(b)は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。
(c)スズ化合物としては、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、シクロヘキサヘキシルジスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸、ブチルスタンノン酸などが挙げられる。
助触媒としては、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、ジルコニウム化合物、コバルト化合物、正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸などやこれらのエステルや金属塩などの燐化合物などが挙げられる。
(A1)ポリエステル樹脂として好ましいPBT樹脂を製造する際に、触媒として(a)チタン化合物を使用する場合には、得られるPBT樹脂の理論収量に対して、チタン原子換算で10〜80ppm、好ましくは15〜70ppmの範囲で使用することができる。チタン化合物をこのような範囲で使用することにより、得られるPBT樹脂中のチタン化合物の残存量を、チタン原子換算で10〜80ppm、好ましくは15〜70ppmの範囲とすることができる。この(a)チタン化合物の使用量が多過ぎると、得られるPBT樹脂に残存するチタン化合物が多くなり、PBT樹脂の色調低下、耐加水分解性の低下、チタン触媒の失活による溶液ヘイズ、異物増加などの原因になる場合があり、逆に少な過ぎても原料混合物の重合性が低下し、いずれも好ましくない。
チタン化合物の残存量とPBT樹脂の上記した物性の低下との関係は不明であるが、触媒由来のチタン残存量が多いと高温でのPBT樹脂の分解が促進され、上記した物性が低下するものと推定される。PBT樹脂にエポキシ化合物を配合することにより、PBT樹脂の上記した物性は向上するが、チタンがエポキシ化合物との反応性に関与し、チタン残存量が少なすぎるとエポキシの反応性が低下し上記した物性も低下すると推定される。
PBT樹脂製造用触媒として(b)周期表第1族金属化合物および/または周期表第2族金属化合物を使用する場合には、得られるPBT樹脂の理論収量に対して、各々の金属原子換算で1〜50ppmの範囲が好ましい。(b)周期表第1族金属化合物および/または周期表第2族金属化合物が多すぎると、最終的に得られる樹脂組成物の耐加水分解性が低下する場合がある。逆に少なすぎると、樹脂組成物から得られる成形品の表面外観が低下する場合がある。(b)の使用量の範囲で好ましいのは3〜40ppm、より好ましくは5〜30ppm、特に好ましいのは5〜20ppの範囲である。
PBT樹脂製造用触媒として(c)スズ化合物を使用する場合は、その使用量は、得られるPBT樹脂の理論収量に対して、スズ原子換算で200ppm以下、好ましくは100ppm以下、特に好ましくは10ppm以下とする。スズ化合物の使用量が多過ぎると、得られるPBT樹脂に残存するスズ化合物が多くなり、得られるPBT樹脂の色調を悪化させるので、可及的少なくするのが好ましい。
(A1)成分を製造する際に上記触媒、助触媒を反応系に添加する時期は、特に制限されない。(a)チタン化合物や(b)周期表第1族金属化合物および/または周期表第2族金属化合物、(c)スズ化合物は、原料の(A1)成分または(A2)成分に添加する方法、エステル化反応槽、またはエステル化反応槽に続く重縮合反応槽などの反応槽の気相部から、反応液上面に添加する方法、反応液相部に直接添加する方法、これら槽に付帯して設けられたオリゴマー配管に添加する方法、触媒の一部をエステル化反応槽に添加し、残部を重縮合反応槽に添加する方法、エステル化反応槽では添加せずに重縮合反応槽で添加する方法、などのいずれであってもよい。触媒が常温で固体の場合には、固体のまま反応液に添加することもできるが、添加量を安定化させ、熱による変性などの悪影響を軽減するためには、水、ジオール成分などに溶解し、溶液として添加することが好ましい。この溶液中の上記触媒の濃度は、通常0.01重量%以上、中でも0.05重量%以上、特に0.08重量%以上であることが好ましく、その上限は20重量%以下、中でも10重量%以下、特に8重量%以下とするのが好ましい。
熱可塑性ポリエステル樹脂に残存する(含有する)チタン原子などの金属残存(含有)量は、湿式灰化などの方法でポリマー中の金属を回収した後、原子発光、原子吸光、Inductively Coupled Plasma(ICP)などの方法を駆使して測定することができる。
エステル化反応工程での反応条件は、(A1)および(A2)の種類、触媒の有無・種類・量、助触媒の有無・種類・量、その他の化合物の種類、添加(使用)量などにより変わる。温度条件としては、通常、180〜260℃の範囲で選ばれる。この反応温度範囲で好ましいのは200〜245℃であり、特に好ましいのは210〜235℃である。圧力条件としては、通常は10〜133kPaの範囲で選ばれる。この圧力範囲で好ましいのは13〜101kPa、特に好ましいのは60〜90kPaである。反応時間は、通常、0.5〜10時間の範囲で選ばれ、特に1〜6時間が好適である。エステル化反応生成物(またはエステル交換生成物)としてのオリゴマーは、重縮合工程に移送される。オリゴマーのエステル化率は任意であり、通常90%以上、好ましくは95%以上であり、このオリゴマーの数平均分子量は、通常、300〜3000であり、好ましくは500〜1500である。
重縮合反応工程での反応条件は、(A1)および(A2)の種類、触媒の有無・種類・量、助触媒の有無・種類・量、その他の化合物の種類、添加(使用)量などにより変わる。温度条件としては、通常、210〜280℃の範囲で選ばれる。この反応温度範囲で好ましいのは220〜250℃であり、特に好ましいのは230〜240℃である。なお、複数の重縮合反応槽を使用する場合には、そのうちの少なくとも一つの反応槽の温度を230〜240℃とするのが好ましい。圧力条件としては、通常は27kPa以下、中でも20kPa以下、特に13kPa以下とするのが好ましい。複数の重縮合反応槽を使用する場合には、生成物の着色や劣化を抑制する目的で、そのうちの少なくとも一つの反応槽の圧力を1.3kPa以下とするのが好ましく、中でも0.5kPa以下、特に0.3kPa以下の高真空とするのが好ましい。反応時間は、通常、1〜12時間の範囲で選ばれ、特に3〜10時間が好適である。
重縮合反応により得られたポリエステル樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部から、流路に異物を除去するフィルターを装備した抜き出しラインを経て、ダイヘッドから溶融したストランド状で抜き出され、水などで冷却し、カッターによって切断し、ペレット状、チップ状などの粒状体とされる。得られた固有粘度0.1〜0.9程度のポリエステル樹脂は、さらに、ポリエステル樹脂の融点以下の温度で固相重縮合(固相重合)させて、分子量を高めることもできる。
上記反応によって得られた(A)成分のポリエステル樹脂は、その末端カルボキシル基濃度が10〜80eq/トンの範囲が好ましい。末端カルボキシル基濃度が80eq/トンを超えると、強化樹脂組成物の滞留熱安定性や、強化樹脂組成物から得られる成形品の耐加水分解性が低下する場合がある。末端カルボキシル基が低いほど、長期熱老化性、耐加水分解性の観点では好ましいが、樹脂の生産性に影響し、かつ、低すぎても機械的強度の改善効果、および摺動特性や耐摩耗特性が低下する場合がある。実用的には,末端カルボキシル基濃度の下限は10eq/ton程度である。末端カルボキシル基濃度で好ましいのは10〜30eq/トン、とりわけ好ましいのは10〜25eq/tonの範囲である。本発明において、末端カルボキシル基濃度は、ベンジルアルコール25mLにポリエステル樹脂ト0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/Lベンジルアルコール溶液を使用して滴定法により測定することができる。
末端カルボキシル基濃度を調整する方法としては、重合時の原料仕込み比、重合温度、減圧方法などの重合条件を調節する方法や、末端封鎖剤を反応させる方法などによることができる。末端カルボキシル基濃度が上記範囲のPBT樹脂を得る方法は特に限定されるものではなく、例えば、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールを溶融重縮合して比較的分子量の小さい、例えば固有粘度0.1〜0.9のポリブチレンテレフタレートを製造し、次いで、所望の分子量となるまで固相重縮合する方法によることができる。
(A)成分のポリエステル樹脂の固有粘度は、成形材料として使用できる範囲であれば特に制限はなく、1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=1/1(重量比)の混合溶媒を使用して、温度30℃で測定した値が、PBT樹脂では0.7〜1.5dL/gの範囲、PET樹脂では0.5〜1.5dL/gの範囲のものが好ましい。各ポリエステル樹脂の固有粘度が小さ過ぎると、機械的特性が劣り、逆に大きすぎると成形性が低下し、加工が困難になる。固有粘度が異なる二種類以上のポリエステル樹脂を混合し、固有粘度を調整することができる。その場合は混合物の固有粘度は、0.6〜1.5dL/gの範囲とするのが好ましい。
熱可塑性樹脂として好ましい(A2)ポリアミド樹脂は、分子鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有し、加熱すると溶融する樹脂を言う。具体的には、(i)ラクタム類の重縮合物、(ii)ジアミン化合物類とジカルボン酸化合物との重縮合物、(iii)ω−アミノカルボン酸の重縮合物などの各種タイプのポリアミド樹脂、またはそれら原料から誘導されるポリアミドホモポリマー、または、コポリマーの一種または二種以上の混合物をいう。
ジアミン化合物類には、ベンゼン環やナフタリン環などの芳香環を分子中に少なくとも1個有する芳香族基含有ジアミン類、脂環式基含有ジアミン類、脂肪族ジアミン類などが挙げられる。ジカルボン酸化合物には、ベンゼン環やナフタリン環などの芳香環を分子中に少なくとも1個有する芳香族基含有ジカルボン酸類、脂環族ジカルボン酸類、脂肪族ジアミン類などが挙げられる。ω−アミノカルボン酸には、ベンゼン環やナフタリン環などの芳香環を分子中に少なくとも1個有する芳香族基含有ω−アミノカルボン酸も含まれる。
ラクタム類は、炭素数が4〜15個の化合物が好ましい。炭素数が4個未満であると吸湿性が大きくなる傾向にあり、15個より多いと一般的に剛性が低くなり、最終的に得られる樹脂組成物から製造される製品を後加工でレーザー溶着する際の溶着性が悪くなる。ラクタム類の具体例としては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタムラウリルラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドンなどが挙げられる。
ジアミン化合物類もまた、ラクタム類と同じ理由で、炭素数が4〜15個の化合物が好ましい。ジアミン化合物類の具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、(2,2,4−または2,4,4−)トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどが挙げられる。
ジカルボン酸化合物は、ラクタム類と同じ理由で、炭素数が4〜15個の化合物が好ましい。炭素数が4個未満であると吸湿性が大きくなる傾向にあり、15個より多いと一般的に剛性が低くなり、製品を後加工でレーザー溶着する際の溶着性悪くなる。ジカルボン酸化合物の具体例としては、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などが挙げられる。また、ω−アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などが挙げられる。
(A2)ポリアミド樹脂を製造する際は、上記したジアミン類とジカルボン酸化合物などの原料成分を、加圧下高温度の水溶液中で中和することにより塩の生成が行われる。これらポリアミド構成単位である塩やラクタム類、ジアミン類を加圧、高温度下で縮合させることにより、オリゴマー化反応を進行させ、その後減圧により重合を進行させ、所定の溶融粘度に達するまで重合を進行させ、ポリアミド樹脂を製造することができる。
(A2)ポリアミド樹脂の中でも好ましいのは、芳香族基含有ポリアミド樹脂であり、このものは脂肪族ジアミンと芳香族基含有ジカルボン酸からなる塩、芳香族基含有ジアミンと脂肪族ジカルボン酸との塩、ならびに芳香族基含有アミノカルボン酸の群より少なくとも1種が選定された芳香族ポリアミド構成単位(c)と、脂肪族ラクタムと脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とからなる塩より少なくとも1種選定された脂肪族ポリアミド構成単位(d)とからなり、その組成比(モル比)は、(c)/(d)=100/0〜5/95(モル比)の範囲で選ばれる。製品製造(成形)時の結晶化速度などの生産性と剛性などの機械的特性の点からは、(c)/(d)比は、98/2〜10/90、さらには95/5〜15/85の範囲が好ましい。ポリアミド構成単位(c)が多くなると、ポリアミド樹脂の吸水率が小さく、吸水した際の寸法変化が小さくなるので寸法精度が向上し、また剛性も高く機械強度など物性が保持できるので好ましい。
(A2)ポリアミド樹脂の中でも好ましいのは、芳香族基含有ポリアミド樹脂であり、(A2)ポリアミド樹脂の中にそれぞれのポリアミド構成単位が均一に存在するのが好ましい。この観点からは、芳香族ポリアミド構成単位(c)の単独重合体(ホモポリマー)、または芳香族ポリアミド構成単位(c)と脂肪族ポリアミド構成単位(d)の共重合体(コポリマー)が好ましい。芳香族ポリアミドの単独重合体(ホモポリマー)および共重合体(コポリマー)と、脂肪族ポリアミド構成単位(d)のみによる単独重合体あるいは共重合体との混合物であっても、両者が均一に分散しておれば使用できる。しかし、芳香族ポリアミド構成単位(c)が15モル%より少ない場合には、芳香族ポリアミド構成単位(c)が均一に分散していることが望ましく、ポリアミド樹脂が共重合法で製造されたものが好ましい。
このような芳香族基含有ポリアミド樹脂としては、例えば、アジピン酸と、メタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミンとから得られるポリアミド、テレフタル酸および/またはイソフタル酸と、ヘキサメチレンジアミンとから得られるポリアミド、テレフタル酸および/またはイソフタル酸と、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとから得られるポリアミド、テレフタル酸および/またはイソフタル酸と、アジピン酸とメタキシリレンジアミンとから得られるポリアミド、共重合成分として1,3−フェニレンジオキシジ酢酸を含む共重合ポリアミドなどが挙げられる。中でも、特にアジピン酸などのα,ω−直鎖脂肪族二塩基酸とキシリレンジアミンとから得られる芳香族系ポリアミドが、優れた耐熱性や剛性を示す点で好適である。芳香環が30モル%以上の芳香族基含有ポリアミド樹脂と、ポリアミド6やポリアミド66などの脂肪族ポリアミドとの混合物も、成形性の向上も図れるので好ましい。
上記(A2)ポリアミド樹脂は、その末端基がカルボン酸またはアミンによって封止されていてもよく、特に、炭素数6〜22のカルボン酸またはアミンによって封止されたポリアミド樹脂が望ましい。具体的に、封止に用いるカルボン酸としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などの脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。また、アミンとしては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミンなどの脂肪族第一級アミンが挙げられる。封止に使用するカルボン酸又はアミンの量は、30μeq/g程度がよい。
また、好適な(A2)ポリアミド樹脂は、次の範囲内の溶融粘度を有するものである。好ましい溶融粘度は、キャピラリーレオメーター(東洋精機社製、機種名:キャピログラフ1C)を使用し、280℃の温度で、せん断速度100sec−1の条件で測定した値が、750〜10000ポイズの範囲のものである。この方法で測定した溶融粘度が750ポイズより低いと、最終的に得られる樹脂組成物の機械的強度が悪化し、10000ポイズより高いと、最終的に得られる樹脂組成物の流動性が低下し、摺動部品(製品)の生産性が悪化する。溶融粘度のさらに好ましい範囲は800〜8000ポイズであり、とりわけ好ましいのは850〜7000ポイズである。
(A)熱可塑性樹脂が芳香族ポリエステル樹脂の場合には、芳香族ポリエステル樹脂を主成分としこれに(C)芳香族基含有非晶性樹脂を混合した混合物であってもよい。本発明において(C)芳香族基含有非晶性樹脂とは、樹脂成分中にベンゼン環または縮合ベンゼン環を有し、分子量比率として30%以上含む非晶性樹脂をいう。具体的には、ポリスチレン樹脂(PS)、ハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、AAS樹脂、AES樹脂、無水マレイン酸スチレン共重合体樹脂などのスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、およびポリフェニレンエーテル樹脂などを挙げることができる。(C)芳香族基含有非晶性樹脂は、上に例示したものに限定されるものではない。(C)芳香族基含有非晶性樹脂の中で最も好ましいは、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂である。(C)芳香族基含有非晶性樹脂は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。
ここで、ベンゼン環または縮合ベンゼン環を有する樹脂成分中に占める分子量比率(%)とは、一分子の分子量の中に含まれる、ベンゼン環および縮合ベンゼン環の総分子量の占める割合をいう。例えば、ポリスチレンの構造式は(CHCHCとして表され、この構造式における水素、炭素、酸素各原子の原子量をそれぞれ、1、12、16とすると、この構造式に占めるベンゼン環の分子量比率は、(12×6+5)/(1×8+12×8)=74%となる。また、ポリカーボネートの場合には、構造式は(COCO)にとして表され、この構造式に占めるベンゼン環の分子量比率は、(12×12+8)/(1×16+12×16+16×2)=63.3%となる。
(C)芳香族基含有非晶性樹脂成分中に占めるベンゼン環または縮合ベンゼン環の分子量比率が、30%未満であると、芳香族ポリエステル樹脂との相溶性が悪くなり、最終的に得られる樹脂組成物の機械的強度が著しく低下する。したがって、代表的な非晶性樹脂であるアクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート樹脂)は、分子鎖中に芳香族基を有していないので、芳香族ポリエステル樹脂との相溶性が悪く不適当である。さらに、ベンゼン環および縮合ベンゼン環に結合している水素原子の一部が、臭素などのハロゲン原子で置換されたものは排除しないが、ハロゲン原子で置換されてないものが好ましい。
(C)芳香族基含有非晶性樹脂の配合量は、芳香族ポリエステル樹脂と(C)芳香族基含有非晶性樹脂とを、重量比で95/5〜50/50の範囲とするのが好ましい。(C)芳香族基含有非晶性樹脂の配合量が5重量部より少ないと成形品の表面平滑性向上効果が発揮されず、50重量部より多いと機械的性質および耐熱性の低下が発生する。両者のより好ましい配合割合は、重量比で95/5〜30/70である。
本発明において(B)繊維状強化材は、強化樹脂組成物の機械的特性(引張強度、曲げ強度、耐衝撃強度など)を向上させ、同時に、成形品が長期間摩擦しても摩耗粉の発生を少なく摺動特性を向上させるように機能する。本発明における(B)繊維状強化材は、異形断面を有する繊維状強化材をいう。繊維状強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維、玄武岩繊維、金属繊維、合成繊維、炭化珪素繊維、チタン酸カリウム繊維などが挙げられる。機械的強度の改善効果が大きい点でガラス繊維、炭素繊維、玄武岩繊維が好ましく、さらには入手のしやすさなどから、ガラス繊維が好ましい。
(B)繊維状強化材は、繊維の長さ方向に直角に切断した断面(以下、単に断面と略称する)の長径をD2、短径をD2とするとき、D2/D1比(扁平率)が1.5〜10の異形断面を有するものであり、繊維状強化材の平均繊維長Lとするとき、(L×2)/(D2+D1)比(アスペクト比)が10以上のものをいう。
(B)繊維状強化材の扁平率(長径と短径との比)は、繊維状強化材の断面の顕微鏡により長径と短径の測定値から算出することができる。熱可塑性樹脂組成物に含有される繊維状強化材の繊維長を測定するには、繊維状強化材を含有する強化樹脂組成物(ペレット)、またはこのペレットから得られた成形品の中央部から約5gのサンプルを切り出し、温度600℃の電気炉中で2時間置いて灰化させた後、残った繊維状強化材について測定する。繊維状強化材を折損しないように中性表面活性剤水溶液中に分散させ、その分散水溶液をピペットによってスライドグラス上に移し、顕微鏡で写真撮影を行う。この写真画像について、画像解析ソフトによって、1000〜2000本の強化繊維について測定を行い、平均繊維長が算出できる。
(B)繊維状強化材のアスペクト比は、上記扁平率を測定する場合と同様、繊維状強化材を含有する強化樹脂組成物(ペレット)、またはこのペレットから得られた成形品の中央部から約5gのサンプルを切り出し、温度600℃の電気炉中で2時間置いて灰化させた後、残った繊維状強化材について測定する。繊維状強化材を折損しないように中性表面活性剤水溶液中に分散させ、その分散水溶液をピペットによってスライドグラス上に移し、顕微鏡で写真撮影を行う。この写真画像について、画像解析ソフトによって、1000〜2000本の強化繊維について測定を行い、平均繊維長を算出し、アスペクト比を算出できる。平均繊維長は、厳密にいえばペレットのものと成形品のものとは値が一致せず、前者の値より後者の値が若干小さい。これは、成形品は溶融・混練工程が一工程多くなるからである。
(B)繊維状強化材の断面は、例えば、長方形、長方形に近い長円形、楕円形、長手方向の中央部がくびれた繭型などが挙げられる。これら繊維状強化材の異形断面の例は、特開昭62−268612号公報に記載されている。断面が繭型の繊維状強化材は、中央部がくびれていて、その部分の強度が低く中央部で割れることがあり、またこのくびれた部分が基体樹脂との密着性が劣る場合もあるので、機械的特性向上を目的する場合は、断面が長方形、長方形に近い長円形、または楕円形のものを使用するのが好ましい。
(B)繊維状強化材の断面が通常の円形断面のものは、射出成形法によって成形品を製造する際に、成形品表面で繊維状強化材の配列が乱れ、成形品表面に繊維状強化材が浮きでて粗面化した表面になる。一方、断面が扁平断面のものは、射出成形法によって成形品を製造する際に、扁平断面の長径(D2)の方向が、成形品表面に平行に配向する傾向があり、さらには扁平率が高いほど平行に配向する傾向が強く、繊維状強化材による成形品表面の粗面化は少なくなる。さらに、長径に平行な繊維状強化材の表面に凹凸がないほど、成形品表面の平滑性が高くなるので、異形断面の形状としては長方形、長方形に近い長円形および楕円形、さらには長方形、長方形に近い長円形が好ましい。
(B)繊維状強化材は、一般的には取り扱いの容易さなどから、短繊維タイプ(チョップドストランド)のものが好ましいが、最終的に得られる樹脂組成物に耐衝撃特性が要求される場合には、成形品中の繊維状強化材の繊維長をより長く保つ点から、長繊維タイプのものを使用することがより好ましい。熱可塑性樹脂組成物に含有される繊維状強化材の断面のD2/D1比(扁平率)は、2.5〜10とする。扁平率が2.5未満であると、断面が円形の繊維状強化材と同様、最終的に得られる強化樹脂組成物製成形品の摩耗特性劣り、扁平率が10より大きい場合は、基体樹脂などとの混合・混練工程、成形工程などで繊維状強化材に加わる荷重で破砕され、成形品中での実際の繊維状強化材のD2/D1が小さくなる場合が多く、繊維強化材の製造コストも高くなるので、いずれも好ましくない。扁平率のより好ましい範囲は、3〜6である。
異形断面の(B)繊維状強化材の径(太さ)は、繊維状強化材の断面の短径D1が0.5〜25μm、繊維状強化材の断面の長径D2が1.25〜300μmの範囲が好ましい。細すぎる場合、繊維状強化材の紡糸が困難な場合があり、大きすぎる場合、基体樹脂との接触面積の減少等により、最終的に得られる成形品の強度が低下する場合がある。好ましい繊維状強化材は、短径D1が3μm以上で、D2/D1が2.5より大きいものが好ましい。
熱可塑性樹脂組成物に含まれる(B)繊維状強化材の繊維長は、溶融・混練前の繊維長に比べ、通常、溶融・混練する際に繊維が折れるので、短くなる。溶融・混練前の繊維長は0.5〜5mm程度であり、押出機による溶融・混練後の繊維長は0.1〜1mm程度であり、好ましくは0.2〜0.8mm程度である。本発明に係る熱可塑性樹脂組成物(ペレット)に含まれる(B)繊維状強化材のアスペクト比は、繊維状強化材の平均繊維長をLとしたとき、次式すなわち、(L×2)/(D2+D1)、によって計算した値が10以上とするのが好ましい。
熱可塑性樹脂組成物に含有されている(B)繊維状強化材のアスペクト比が10以上とすると、最終的に得られる樹脂組成物からの成形品の剛性、機械的強度の向上が図られ、好ましい。アスペクト比があまり大きすぎると、樹脂組成物の流動性が低下し、好適な成形条件幅が狭くなり易い。好ましいアスペクト比は、15〜100である。異形断面の(B)繊維状強化材は、扁平率の異なる繊維状強化材を併用してもよい。その際の扁平率やアスペクト比は、重量平均で算出された数値が、前記扁平率やアスペクト比の範囲内に入ればよい。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物に好適な異形断面の繊維状強化材は、例えば、特公平3−59019号公報、特公平4−13300号公報、特公平4−32775号公報などに記載の方法によって製造することができる。特に、特に、扁平なガラス繊維は、底面に多数のオリフィスを有するオリフィスプレートにおいて、複数のオリフィス出口を囲み、このオリフィスプレート底面より下方に延びる凸状縁を設けたオリフィスプレート、または、単数もしくは複数のオリフィス孔を有するノズルチップの外周部先端から、下方に延びる複数の凸状縁を設けた異形断面ガラス繊維紡糸用ノズルチップを用いて製造することができる。
上記(B)繊維状強化材は、シランカップリング剤、潤滑剤、帯電防止剤、被膜形成能を有する樹脂などで表面処理したものであってもよい。シランカップリング剤として、例えば、γーメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。このシランカップリング剤の付着量は、繊維状強化材の0.01重量%以上とすることが好ましい。潤滑剤としては、脂肪酸アミド化合物、シリコーンオイルなどが挙げられ、帯電防止剤としては第4級アンモニウンム塩などが挙げられ、被膜形成能を有する樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。被膜形成能を有する樹脂には、あらかじめ熱安定剤、難燃剤などを配合しておくこともできる。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物おいて、(B)繊維状強化材の含有量は、(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し、5〜150重量部である。繊維状強化材の含有量が5重量部未満では、樹脂組成物の補強効果が小さく、弾性率や耐衝撃性が不充分であり、150重量部を超えるとコンパウンド化が困難となるばかりでなく、成形品の耐摩耗性が低下するので好ましくない。(B)繊維状強化材の好ましい含有量は10〜120重量部であり、さらに好ましいのは20〜100重量部である。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物には、上記(B)繊維状強化材の他に、必要応じて、樹脂組成物の特性を阻害しない範囲で、(D)エポキシ化合物、(E)摩擦・摩耗特性改良剤、他の樹脂添加剤、例えば、(F)離型剤、ヒンダードフェノール系、亜燐酸エステル系、硫黄含有エステル化合物系などの熱安定剤、耐衝撃改良剤、タルクなどの結晶化促進剤、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、耐候性付与剤、染料・顔料などの着色剤、発泡剤などを含有させることができる。
本発明に係る樹脂組成物に必要に応じて含有させる(D)エポキシ化合物は、本発明に係る樹脂組成物の摺動特性、耐摩擦特性を向上させるように機能する。(D)エポキシ化合物は、一分子中に一個以上のエポキシ基を有する化合物、アルコール、フェノール系化合物、またはカルボン酸とエピクロロヒドリンとの反応から得られるグリシジル化合物、脂環式エポキシ化合物などを言う。エポキシ化合物は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。
(D)エポキシ化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、レゾルシン型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、脂環化合物型ジエポキシ化合物、グリシジルエーテル類、エポキシ化ポリブタジエン、更に具体的には、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、レゾルシン型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどのジグリシジルエーテル類、安息香酸グリシジルエステル、ソルビン酸グリシジルエステルなどの脂肪酸グリシジルエステル類、アジピン酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、オルトフタル酸ジグリシジルエステルなどのジグリシジルエステル類、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシドなどの脂環化合物型エポキシ化合物類などが挙げられる。
(D)エポキシ化合物は、グリシジル基含有共重合体であってもよい。グリシジル基含有共重合体は、α,β−不飽和酸のグリシジルエステルと、α−オレフィン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルからなる群より選ばれる一種または二種以上のモノマーから構成される共重合体が好ましい。
(D)エポキシ化合物は、好ましくはエポキシ当量が100〜500g/eq、分子量2000以下のエポキシ化合物である。エポキシ当量が100g/eq未満であると、エポキシ基の量が多すぎ樹脂組成物の粘度が高くなる原因となり、500g/eqを超えると、エポキシ基の量が少なくなり樹脂組成物より得られる摩擦特性、摺動特性向上の効果が得られない。分子量が2000以上では、熱可塑性ポリエステルとの相溶性が低下し、樹脂組成物の強度が低下する傾向にある。好ましいエポキシ化合物は、上記要件を満たすビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの反応から得られるグリシジルエーテル化合物、特に、ビスフェノールA型エポキシ化合物やノボラック型エポキシ化合物が好ましい。
(D)エポキシ化合物の含有量は、芳香族ポリエステル樹脂100重量部当たり0〜3重量部であり、さらに好ましくは0〜2重量部である。3重量部より多いと架橋化が進行し成形時の流動性が悪くなる。成分(D)の含有量は、任意であるが、0.1重量部以上でその効果が発揮される。
本発明に係る樹脂組成物に必要に応じて含有させる(E)摩擦・摩耗改良剤は、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物から得られる製品(部品)の耐摩擦特性・耐摩耗特性を向上させるものを言う。具体的には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粉末、超高分子量ポリエチレン粉末、グラファイト粉末、二硫化モリブデン粉末などが挙げられる。これらの摩擦・摩耗性改良剤は、摩擦係数を低下し、かつ安定化させることにより、摺動による発熱の発生を抑制することにより、耐摩耗性の向上が期待される。これらは一般的にポリエステル樹脂やポリアミド樹脂との相溶性がないので、高分子量ポリエチレンの変性物を配合する、高分子量ポリエチレン樹脂と不飽和ジカルボン酸やグリシジル基含有ポリオレフィンなどの変性ポリオレフィンとを併用する、などの配慮が必要である。(E)摩擦・摩耗特性改良剤の含有量は、(A)熱可塑性樹脂の中で好ましい(A1)ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部が好ましい。
本発明に係る樹脂組成物に必要に応じて含有させる(F)離型剤は、炭素数12〜36の脂肪酸残基と炭素数1〜36のアルコール残基から成る脂肪酸エステル類、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ビスアミド化合物、シリコーンオイルなどが挙げられる。ポリオレフィンの分散も兼ねて分子量900〜8000のポリエチレンワックスを含有させるのが好ましい。含有させる量は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する樹脂成分の合計量100重量部に対して、0.01〜2重量部である。
本発明に係る熱が組成樹脂組成物の調製は、従来から知られている方法によればよく、中でも押出混練機などを使用して溶融・混練する方法が好ましい。具体的には、例えば、上記した(A)熱可塑性樹脂、(B)繊維状補強材、(C)芳香族基含有非晶性樹脂、および(D)エポキシ化合物を所定量秤量し、必要に応じて各種添加成分とともに、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンセルミキサー、ドラムブレンダーなどの混合機によって混合し、溶融・混練機によって溶融・混練する方法が挙げられる。溶融・混練機には各成分を一括フィードする方法でもよいし、逐次フィードする方法でもよい。溶融・混練機としては、各種押出機、ブラベンダープラストグラフ、ラボプラストミル、ニーダー、バンバリーミキサーなどが挙げられる。溶融・混練する際に、熱分解し易いもの、破損し易いものは途中フィードするのが好ましい。各種添加成分は、基体樹脂や他の添加成分とあらかじめ混合しておくこともできる。(B)繊維状強化材は、混練時に破損し易いので、途中フィードするのが好ましい。溶融・混練する際の加熱温度は、強化樹脂組成物に含まれる成分の種類、各成分の割合、その他添加剤の種類、配合量などにより変わり、230〜290℃の範囲とするのが好ましい。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、従来から知られている熱可塑性樹脂の成形方法によって、目的の成形品(製品)を成形(製造)することができる。本発明に係る熱可塑性樹脂組成物に適用できる成形方法としては、射出成形法、中空成形法、押出成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法、回転成形法などである。中でも成形品の寸法精度、成形品の表面平滑性、生産性などの観点から、射出成形法による成形が好適である。射出成形法によって成形品を成形するに当たっては、熱可塑性樹脂が芳香族ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂の場合には、樹脂温度を240〜280℃とし、金型温度を60〜120℃に調節するのが好ましい。金型温度は、成形品表面の平滑性および結晶化度の観点から高い方が好ましく、80〜120℃が望ましい。成形品(製品)の用途は、電機・電子機器分野、自動車分野、機械分野、日用雑貨分野、建材分野、医療分野などが挙げられる。
好ましくは摺動部を有する非可動部品であり、さらに好ましくは摺動部を有する筐体部品である。部品が摺動部を有する筐体の場合には、高い機械的強度が要求されるため、繊維状充填材などを配合した強化樹脂が望ましい。一方、これら筐体と組合されるギア部品などは、非常に優れた摺動性が要求される場合が多く、繊維状強化材などを配合しない非強化樹脂が望ましい。このような非強化樹脂部品との摺動部を有し、強化樹脂からなる筐体部品では、基体樹脂に含有させる繊維状強化材の断面の扁平率が2.5〜10の範囲にある、熱可塑性樹脂組成物を使用するのが好ましい。
図1は、本発明に係る摺動部を有する筐体を使用した機械部品の一例の分解斜視図である。図1において、10は本発明に係る熱可塑性樹脂組成物製筐体(ハウジング)であり、11は筐体に設けられた摺動部、12は摺動面、13は金属シャフト19の軸支穴、14はウォームギア回転用モーターを配置する中空部、15はPOM製ギア、16は金属シャフト固定穴、17はPOM製のウォームギア、18はウォームギア回転用モーター、19は金属シャフトである。金属シャフト19は、ギア15の穴16の挿入し、ギア15を固定し、ギア15の下面は摺動部11の摺動面に載置された状態で、一端を摺動部の軸支穴13に回転自在に支持されている。ウォームギア回転用モーター18を稼動させてウォームギア17回転させ、この回転によってギア15を回転させ、ギア15に固定された金属シャフト19を回転させ、この回転を他の機械部品に伝達する。筐体摺動部の摺動面12は、POM製のウォームギア14の下側面と摺動する。
図2は、他の例の分解斜視図である。図2において、20は本発明に係る熱可塑性樹脂組成物製筐体、21は筐体に設けられた摺動部、22は摺動面、23は金属シャフト29の軸支穴、24はレバー28の配置用切欠き、25はPOM製ギア、26は金属シャフト固定穴、27、27’は小型ギア、28はレバー、28’は金属シャフト固定穴、29は金属シャフトである。金属シャフト29は、レバー28の金属シャフト固定穴28’に挿入・固定し、ギア25の金属シャフト固定穴26に挿入・固定し、金属シャフト29の一端は摺動部の軸支穴23に回転自在に支持されている。小型ギア27、27’を回転させた状態とし、レバー28を操作してギア25を小型ギアに噛み合わせ、小型ギアの回転をギア25に伝達し、金属シャフト29を回転させ、この回転を他の機械部品に伝達する。レバー28を上とは逆に操作して、ギア25を小型ギアに噛み合わせを解除することもできる。回転の伝達は、ギア25から小型ギア27、27’側とすることもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は以下に記載して例に限定されるものではない。なお、以下に記載の例で使用した原料成分、任意成分の諸特性は、以下に記載したとおりである。
(A)熱可塑性樹脂
(A−1)PBT樹脂:末端カルボキシル基濃度が12eq/tonのポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ノバデュラン5008)である。
(A−2)PET樹脂:ポリエチレンテレフタレート(三菱化学社製、商品名:ノバペックスGS385)である。
(A−3)PA6樹脂:ポリアミド6(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ノバミッド1010J)である。
(A−4)MXD6樹脂:ポリアミドMXD6(三菱ガス化学社製、商品名:ポリアミドMXD6#6000)である。
(A−5)PC樹脂:ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:7022J)である。
(A−6)AS樹脂:アクリロニトリル・スチレン樹脂(テクノポリマー社製、商品名:サンレックス、銘柄名:SAN−C)である。
(B)繊維状補強材
(B−1)長円形断面GF:扁平率4、{(D+D)/2}=17.5μm、繊維長L=3mmの長円形断面のガラス繊維(PBT、AS用)(日東紡社製、銘柄名:CSG3PA830)で、アスペクト比が171のものである。
(B−2)長円形断面GF:扁平率4、{(D+D)/2}=17.5μm、繊維長L=3mmの長円形断面のガラス繊維(PA、PC用)(日東紡社製、銘柄名:CSG3PA820)で、アスペクト比が171のものである。
(B−3)繭形断面GF:扁平率2、{(D+D)/2}=15μm、繊維長L=3mmの繭形断面のガラス繊維(PBT用)(日東紡社製、銘柄名:CSH3PA860)で、アスペクト比が200のものである。
(B−4)繭形断面GF:扁平率2、{(D+D)/2}=15μm、繊維長L=3mmの繭形断面のガラス繊維(PA、PC用)(日東紡社製、銘柄名:CSH3PA870)で、アスペクト比が200のものである。
(B−5)円形断面GF:円形断面のガラス繊維(日本電気硝子社製、銘柄名:ECT03T187)である。
(B−6)円形断面GF:円形断面のガラス繊維(日本電気硝子社製、銘柄名:ECT03T289)である。
(B−7)円形断面GF:円形断面のガラス繊維(日本電気硝子社製、銘柄名:ECT03T571)である。
(B−8)円形断面GF:円形断面のガラス繊維(日本電気硝子社製、銘柄名:ECT03T351)である。
(D)エポキシ化合物
(D−1)N型エポキシ:ノボラック型エポキシ化合物(東都化成社製、商品名:エポトートYDCN704)である。
(D−2)BA型エポキシ:ビスフェノールA型エポキシ化合物(旭電化社製、商品名:アデカサイザーEP17)である。
[実施例1〜実施例13、比較例1〜比較例15]
上記の(A)熱可塑性樹脂、(B)繊維状補強材、および、(D)エポキシ化合物を、表−2〜表−5に示す割合(重量部)で秤量し、ヘンシェルミキサーで10分間混合し、得られた混合物を、バレル(シリンダー)温度を260℃の温度に設定した二軸押出機(日本製鋼所社製、型式:TEX−30C、バレルは9ブロックで構成されている)によって、溶融・混練してペレット化した。溶融・混練に際して、繊維状強化材は、押出機ホッパー側から5番目のブロックからサイドフィード方式で供給した。得られたペレットを原料として、射出成形機(住友重機械社製、型式:SG−75SYCAP−MIII)を使用し、シリンダー温度と金型温度とを、以下の表−1に記載した温度に設定し、機械的強度測定用のISOに準拠した試験片、および、内径20mm、外径26mm、長さ15mmの筒状摩擦・摩耗特性試験片(後記、図2参照)を成形し、機械的強度の測定を行った。試験片の評価方法、成形品の強度の評価試験を下記に示す方法に従って行い、評価結果を表−2〜表−5に示した。
Figure 2008214526
筒状摩擦・摩耗特性試験片とISO試験片についての評価方法は、次のとおりである。
(a)比摩耗量(mm/kgf・km):スラスト摩擦・摩耗試験機(オリエンテック社製)に、二個の筒状試験片を一対にして、図3に斜視図として示したように固定した。図3において、31は上側試験片、32は下側試験片、33は摺動面、34は回転軸、35は回転方向である。二個の試験片の接触面圧力(面圧)を5Kgfとし、下方の試験片を線速度10cm/secの速度で回転させた。20時間回転させたあと、二個の筒状試験片の合計摩耗量を測定した。二個の筒状試験片の組合せを、二個とも実施例または比較例の樹脂組成物製試験片同士の摺動(同材との摺動)、一方を実施例または比較例の樹脂組成物製の試験片とし、他方をポリアセタール樹脂(POM)(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ユピタールF20−03)製の試験片としたもの(POMとの摺動)、一方を実施例または比較例の樹脂組成物製の試験片とし、他方を鉄(S45C)製の試験片としたもの(金属との摺動)の三種類の組合せとし、これら三種類の組合せについて同様の試験を行った。比摩耗量の単位はmm/kgf・kmであり、この数値が大きいほど摩耗が激しく、耐摩耗特性が劣ることを意味する。
(b)引張強度(MPa):ISO527に準拠して測定した。
(c)曲げ強度(MPa)、曲げ弾性率(MPa):ISO178に準拠して測定した。
(d)シャルピー衝撃強度:ISO179−1、179−2に準拠して測定した。
(e)ペレット中のGF長さ(mm)、(f)成形品中のGF長さ(mm):ペレットまたはこのペレットから得られた成形品の中央部から、約5gのサンプルを切り出し、温度600℃の電気炉中で2時間置いて灰化させた後、残った繊維状強化材について測定した。繊維状強化材を折損しないように中性表面活性剤水溶液中に分散させ、その分散水溶液をピペットによってスライドグラス上に移し、顕微鏡で写真撮影を行った。この写真画像について、画像解析ソフトによって、1000〜2000本の強化繊維について測定を行い、平均GF長さを算出した。
Figure 2008214526
Figure 2008214526
Figure 2008214526
Figure 2008214526
耐摩耗特性を評価した上記(a)比摩耗量の試験では、二個の筒状試験片の組合せを、実施例または比較例の樹脂組成物製試験片とした組合せ(同材との摺動)では、二個の筒状試験片とも同程度に摩耗した。一方の筒状試験片をポリアセタール樹脂(POM)とした組合せ(POMとの摺動)では、ポリアセタール樹脂製の筒状試験片摩耗が激しかった。さらに、一方の筒状試験片を鉄(S45C)とした組合せ(金属との摺動)では、実施例または比較例の樹脂組成物製試験片が摩耗した。
表1〜表5より、次のことが明らかとなる。
1.断面が長円形のガラス繊維を配合した本発明の実施例の樹脂組成物は、耐摩耗特性試験における比摩耗量が、比較例のものよりも優れている(実施例1と比較例1および比較例14、実施例2と比較例2および比較例2、実施例3と比較例3、実施例4と比較例4および比較例15、実施例5と比較例5、実施例6と比較例6、実施例7と比較例7、実施例8と比較例8、実施例9と比較例9、実施例10と比較例10、実施例11と比較例11、実施例12と比較例12、実施例13と比較例13)。
2.エポキシ化合物を配合した実施例12と実施例13は、これを配合しない実施例1の樹脂組成物に較べて、比摩耗量が若干少なく、耐摩耗特性が優れている。
3.ポリエステル樹脂の芳香族基含有非晶性樹脂を配合した実施例10と実施例11は、これを配合していない実施例1の樹脂組成物に較べて、比摩耗量が若干少なく、耐摩耗特性が優れている。
4.本発明の実施例の樹脂組成物では、機械的強度も優れている。
[実施例14、比較例16]
実施例1と比較例1のペレットを原料とし、射出成形機(東芝機械社製、型式:IS−150)を使用し、シリンダー温度260℃、金型温度80℃、1サイクルを60秒として、図1に示した筐体(150mm×100mm×25mm)を成形した。ポリアセタール樹脂(POM)(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ユピタールF20−03)を原料とし、射出成形機(住友重機械社製、型式:SE−50D)を使用し、シリンダー温度190℃、金型温度80℃、1サイクルを60秒として、厚さ10mm、直径60mmのギアを成形した。筐体摺動部の摺動面(外径30mm、内径20mm)に、POM製ギアを図1に示したように重ね、接触面圧力(面圧)を5Kgfとし、上方のPOM製ギアを2回/secの速度で、20時間回転させた後、筐体摺動部の摺動面とギア双方から摩耗分を測定した。実施例1のペレットからの筐体とPOM製ギア双方の摩耗量は(実施例14)、比較例1のペレットからの筐体とPOM製ギア双方の摩耗量(比較例16)の半分以下であった。
本発明に係る摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物は、摩耗粉の発生が少ないため、長期間にわたって安定した摺動性能を発揮する摺動部品が得られ、本発明の樹脂組成物を使用した機器の信頼性の向上に寄与する。信頼性の高い製品が得られることにより商品価値が高まり、そのため、電機・電子機器分野をはじめとして、自動車分野、機械分野等多くの分野において幅広く使用することができる。摺動部品の例としては、軸受け、カム、ローラー、滑り板、プーリー、レバー、ガイドなどのほか、これらと摺動部品と組合せて使用される非可動部品などが挙げられる。好ましくは摺動部を有する非可動部品であり、さらに好ましいのは摺動部を有する筐体、例えば、ハウジング、フレーム、シャーシ、ケースなどである。
本発明に係る樹脂組成物製筐体の一例の分解斜視図 本発明に係る樹脂組成物製筐体の他の例の分解斜視図 スラスト摩耗試験法の説明図
符号の説明
10:本発明に係る樹脂組成物製の一例の筐体
11、21:摺動部
12、22:摺動面
13、23:金属シャフト軸支穴
14:ウォームギア回転用モーターを配置する中空部
15、25:POM製ギア
16、26:金属シャフト固定穴
17:ウォームギア
18:ウォームギア回転用モーター
19:金属シャフト
20:本発明に係る樹脂組成物製の他の筐体
24:レバーの配置用切欠き
27、27’:ギア
28:レバー
28’:金属シャフト固定穴
29:金属シャフト
31:上側試験片
32:上側試験片
33:摺動面
34:回転軸
35:回転方向

Claims (11)

  1. (A)熱可塑性樹脂100重量部に対して、
    (B)繊維状強化材であって、繊維状強化材の長さ方向に直角な断面の長径D2、短径をD1とするとき、D2/D1比(扁平率)が2.5〜10の範囲のものを5〜150重量部含有することを特徴とする、摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
  2. (A)熱可塑性樹脂の主成分が、熱可塑性ポリエステル樹脂である、請求項1に記載の摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
  3. (A)熱可塑性樹脂が、ポリブチレンテレフタレート樹脂と(C)芳香族基含有非晶性樹脂との混合物であって、両者の重量比率が95/5〜50/50とされたものである、請求項1または請求項2に記載の摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
  4. (A)熱可塑性樹脂の主成分が、ポリアミド樹脂である、請求項1に記載の摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
  5. ポリアミド樹脂が、芳香族化合物単量体由来の繰り返し単位を5モル%以上含むポリアミド樹脂を主成分としているものである、請求項4に記載の摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
  6. 芳香族化合物単量体が、メタキシレンジアミンまたはパラキシレンジアミンから選定された少なくとも1種類である、請求項5に記載の摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
  7. (B)繊維状強化材の断面が、長方形または長方形に近い長円形のものである、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
  8. (B)繊維状強化材が、ガラス繊維である、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
  9. (B)繊維状強化材が、繊維状強化材の長さ方向に直角な断面の長径D2、短径をD1とし、繊維状強化材の平均繊維長Lとするとき、(L×2)/(D2+D1)比(アスペクト比)が10以上のものである、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の摺動部品用熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、さらに、(D)エポキシ化合物を0.1〜3重量部含有する、摺動部品製造用熱可塑性樹脂組成物。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を原料として、製造されたものであることを特徴とする摺動部を有する筐体。
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