JP5428154B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、耐絶縁破壊性が改善された主として芳香族ポリエステルとポリカーボネートとからなる樹脂組成物に関するものである。
ポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略記することがある)及びポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記することがある)に代表される熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂は機械的強度、耐薬品性及び電気絶縁性などの電気的特性等に優れるために電気、電子部品、自動車部品その他の機械部品等に広く用いられている。しかし、芳香族ポリエステル樹脂は、ポリアミド6やポリアミド66に比べ耐絶縁破壊性が劣っているため、負荷電圧が高い用途分野においては、使用に制限があった(しかし、ポリアミド樹脂は吸水による電気絶縁性が低下する問題ある)。また、最近の電子機器の小型化の趨勢から部品自体も薄肉化されてきており、その結果絶縁距離が小さくなり、成形品の耐絶縁破壊性のさらなる向上が望まれている。
耐絶縁破壊性を改善する試みとして、特許文献1にポリエステルにポリプロピレン、特定のエポキシ化合物で変性したポリプロピレン及びガラス繊維を配合する技術が開示されているが、特定のエポキシ化合物で変性したポリプロピレンは一般的でなく高価であった。
また、PBTのような芳香族ポリエステル樹脂は、ガラス繊維などの無機充填剤を配合すると、成形品に異方性が発生し、寸法精度の優れた成形品を得るには、成形品形状や、射出成形条件に著しい制約があった。また、充填剤が成形品表面に浮き出し、成形品外観を阻害するなどの問題を抱えている。
次いで、特許文献2は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂 40〜80重量%及び(B)芳香族ポリカーボネート樹脂 20〜60重量%からなる(A)+(B)のブレンド物100重量部に対し、(C)ポリエチレンテレフタレート樹脂5〜30重量部と(D)充填材5〜50重量部とを配合してなる熱可塑性樹脂組成物が開示され、充填剤強化PBTに芳香族ポリカーボネートを配合することにより寸法安定性が改良され、成形品にソリの発生を低減することが可能であることが示されている。しかし、絶縁破壊については記述がない。
ところで、芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂は一般的に石油資源から誘導される原料を用いて製造される。しかしながら、近年、石油資源の枯渇が危惧されており、少しでもこの危惧に配慮した形で、植物などのバイオマス資源から得られる原料を少しでも用いたプラスチックの提供が求められている。また、二酸化炭素排出量の増加、蓄積による地球温暖化が、気候変動などをもたらすことが危惧されていることからも、使用後の廃棄処分をしてもカーボンニュートラルな、植物由来モノマーを原料としたプラスチックからの資材の開発が同様に求められている。
従来、植物由来モノマーとしてイソソルビドを使用し、炭酸ジフェニルとのエステル交換により、ポリカーボネートを得ることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、得られたポリカーボネートは、褐色であり、満足できるものではない。また、イソソルビドと他のジヒドロキシ化合物との共重合ポリカーボネートとして、ビスフェノールAを共重合したポリカーボネートが提案されており(例えば、特許文献4参照)、更に、イソソルビドと脂肪族ジオールとを共重合することにより、イソソルビドからなるホモポリカーボネートの剛直性を改善する試みがなされている(例えば、特許文献5参照)。
一方、脂環式ジヒドロキシ化合物である1,4−シクロヘキサンジメタノールを重合したポリカーボネートとしては、多数提案されているが(例えば、特許文献6、7)これらのポリカーボネートの分子量は高々4000程度と低いものであり、このため、ガラス転移温度が低いものが多い。
このようにイソソルビドを用いたポリカーボネート重合体の提案はなされているが、これらの文献にて開示されているのは、ガラス転移温度、さらには基本的な機械的特性のみで、上述の芳香族ポリエステル樹脂とのアロイについての特性について開示されていない。
特開平04−202447号公報 特開平08−73717号公報 GB1079686号公報 特開昭56−55425号公報 WO 2004/111106 公報 特開平6−145336号公報 特公昭63−12896号公報
上述のような状況に鑑み、環境・資源保全について少しでも改良し、同時に、ポリアミド樹脂のように吸水による電気絶縁性能が低下することがなく、耐絶縁破壊性、寸法精度、表面外観の向上した樹脂組成物を提供することである。
上記課題に鑑み、本発明者らはかかる特性を改善すべく鋭意検討を行った結果、芳香族ポリエステル樹脂に特定の植物由来のモノマーであるイソソルビドを含むポリカーボネートを配合することにより耐絶縁破壊性が向上することを見出し、更には無機充填剤を配合することにより得られる組成物が耐絶縁破壊性及び寸法精度(または異方性)、表面外観に優れることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[7]に存する。
[1] (A)芳香族ポリエステル樹脂100重量部に対して、
(B)下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むポリカーボネート 2〜80重量部 を配合してなる樹脂組成物。
Figure 0005428154
[2] [1]に記載の樹脂組成物100重量部に対し、(C)無機充填剤 0.01〜80重量部を配合してなる樹脂組成物。
[3] 前記(B)ポリカーボネートのガラス転移温度が80℃以上であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記(B)ポリカーボネートが、更に脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] 前記(B)ポリカーボネートに含まれる上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%)が100:0〜30:70であることを特徴とする[4]に記載の樹脂組成物。
[6] 前記(B)ポリカーボネートに含まれる上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%)が90:10〜40:60の範囲であることを特徴とする[4]に記載の樹脂組成物。
[7] 前記(B)ポリカーボネートに含まれる上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%)が85:15〜45:55の範囲であることを特徴とする[4]に記載の樹脂組成物。
本発明の樹脂組成物により、環境・資源保全、耐絶縁破壊性、更には、無機充填剤強化の場合は寸法精度(または異方性)、成形品表面外観に優れた成形品が得られるので、利用分野が広がる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。
(A)芳香族ポリエステル樹脂
本樹脂組成物に用いる(A)芳香族ポリエステル樹脂は、その酸成分がテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸の少なくとも1種よりなり、ジオール成分がエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオールの少なくとも1種よりなる芳香族ポリエステルを主成分とする。これらの中で結晶化速度の速いポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等が成形性の点で好ましい。また芳香族ポリエステルとしては上述のポリエステルの一部を共重合成分で置換したものでもよく、かかる共重合成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸;メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸等のアルキル置換フタル酸類;2,6-ナフタリンジカルボン酸、2,7-ナフタリンジカルボン酸、1,5-ナフタリンジカルボン酸等のナフタリンジカルボン酸類;4,4'-ジフェニルジカルボン酸、3,4'-ジフェニルジカルボン酸等のジフェニルジカルボン酸類;4,4'-ジフェノキシエタンジカルボン酸等のジフェノキシエタンジカルボン酸類などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸類などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸;1,4-シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール;ハイドロキノン、レゾルシン等のジヒドロキシベンゼン類;2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-スルホン等のビスフェノール類、ビスフェノール類とエチレングリコールのごときグリコールとから得られるエーテルジオールなどの芳香族ジオール;ε-オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等が挙げられる。
さらに上述の芳香族ポリエステルに分岐成分として、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸のごとき多官能のエステル形成能を有する酸またはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能のエステル形成能を有するアルコールを1.0モル%以下、好ましくは0.5モル%以下、さらに好ましくは0.3モル%以下を共重合せしめてもよい。
本樹脂組成物に用いられる芳香族ポリエステルの固有粘度は0.5〜1.5dl/gであり、更に好ましくは、0.6〜1.3dl/gである。0.5より小さいと十分な特性が得られず、1.5より大きくなると熔融粘度が高く流動性が低下して成形性が損なわれるため好ましくない。ここで固有粘度とは30℃でのフェノール/テトラクロルエタン(重量比1/1)混合溶媒中での測定値である。また、末端カルボキシル基濃度は、80eq/ton以下、更に好ましくは40eq/tonが好ましい。末端カルボキシル基濃度が80eq/tonより多いと、ポリカーボネートとの反応が進行しやすく、成形性が著しく悪化する。
上述の芳香族ポリエステルは通常の製造方法、例えば溶融重縮合反応またはこれと固相重合反応とを組み合わせた方法等によって製造できる。例えば、ポリブチレンテレフタレートの製造例について説明すると、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体(例えばジメチルエステル、モノメチルエステル等の低級アルキルエステル)とテトラメチレングリコール又はそのエステル形成性誘導体とを触媒の存在下、加熱反応せしめ、次いで得られるテレフタル酸のグリコールエステルを触媒の存在下、所定の重合度まで重合せしめる方法によって製造することができる。
(B)ポリカーボネート
本発明の樹脂組成物で用いられるポリカーボネートは、下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むことを特徴とするものであるが、当該ジヒドロキシ化合物の一部を他種類のジヒドロキシ化合物、例えば脂肪族、芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位、またはポリアルキレングリコールなどの共重合構成単位に置き換えた共重合体であってもよい。
Figure 0005428154
本発明において、上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物としては、立体異性体の関係にある、イソソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられ、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
これらのジヒドロキシ化合物のうち、資源として豊富に存在し、容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、光学特性、成形性の面から最も好ましい。
なお、イソソルビドは酸素によって徐々に酸化されやすいので、保管や、製造時の取り扱いの際には、酸素による分解を防ぐため、水分が混入しないようにし、また、脱酸素剤を用いたり、窒素雰囲気下にしたりすることが肝要である。イソソルビドが酸化されると、蟻酸をはじめとする分解物が発生する。例えば、これら分解物を含むイソソルビドを用いてポリカーボネートを製造すると、得られるポリカーボネートに着色が発生したり、物性を著しく劣化させる原因となる。また、重合反応に影響を与え、高分子量の重合体が得られないこともある。また、蟻酸の発生を防止するような安定剤を添加してあるような場合、安定剤の種類によっては、得られるポリカーボネートに着色が発生したり、物性を著しく劣化させたりする。安定剤としては還元剤や制酸剤が用いられ、このうち還元剤としては、ナトリウムボロハイドライド、リチウムボロハイドライドなどが挙げられ、制酸剤としては水酸化ナトリウム等のアルカリが挙げられるが、このようなアルカリ金属塩の添加は、アルカリ金属が重合触媒ともなるので、過剰に添加し過ぎると重合反応を制御できなくなることもある。
酸化分解物を含まないイソソルビドを得るために、必要に応じてイソソルビドを蒸留しても良い。また、イソソルビドの酸化や、分解を防止するために安定剤が配合されている場合も、必要に応じて、イソソルビドを蒸留しても良い。この場合、イソソルビドの蒸留は単蒸留であっても、連続蒸留であっても良く、特に限定されない。雰囲気はアルゴンや窒素などの不活性ガス雰囲気にした後、減圧下で蒸留を実施する。
このようなイソソルビドの蒸留を行うことにより、本発明では蟻酸含有量が20ppm未満、更に10ppm以下、特に5ppm以下であるような高純度のイソソルビドを用いることが好ましい。
一方、本発明に用いるに適した共重合構成単位のジヒドロキシ化合物としては、直鎖脂肪族、環式脂肪族、芳香族系ジヒドロキシ化合物のいずれでも良い。直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物として、例えばブタンジオール−1,4,ペンタンジオール−1,5,ネオペンチルグリコール,ヘキサンジオール−1,6,ヘプタンジオール−1,7,オクタンジオール−1,8,2−エチルヘキサンジオール−1,6,2,2,4−トリメチルヘキサンジオール−1,6,デカンジオール−1,10,水素化ジリノレイルグリコール,水素化ジオレイルグリコールなどを挙げることができる。
また、本発明に使用できる環式脂肪族(脂環式と表記する場合がある)ジヒドロキシ化合物としては、例えば1,2-シクロヘキ サンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジオールなどのヘキサンジオール類、1,2-シクロ ヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノールなどのノルボルナンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、1,3−アダマンタンジオール、2,2−アダマンタンジオール類などが挙げられる。これらのうち、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられ、好ましくはビスフェノールAが挙げられる。
また、共重合構成単位のポリアルキレングリコールとしては炭素数2〜4のアルコシル基を1分子あたり2〜40個含有するものが好ましく、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができる。
これらの共重合構成単位であるヒドロキシ化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物あるいはポリアルキレングリコールを共重合成分として使用すると、ガラス転移温度の低下が激しく、芳香族ポリエステル樹脂組成物の耐熱性が低下し不利である。芳香族ジヒドロキシ化合物を共重合成分として使用すると、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と反応性が激しく異なり、一般に高分子量のものを得るのが困難であり、さらに耐絶縁破壊性の改良の効果が小さい。一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物単独のポリカーボネート樹脂は、一般的に高分子量のものを得るのが困難であり、芳香族ポリエステル樹脂組成物の機械的強度が低下しやすい。一方、環式脂肪族(脂環式)ジヒドロキシ化合物を共重合成分として使用する場合は、以下に示すように一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と脂環式ジヒドロキシ化合物との反応性のバランスが良好であり、且つ高分子量化も比較的容易であり、ガラス転移温度の低下も直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物よりも程度が小さく、芳香族ポリエステル樹脂組成物の耐熱性、機械的強度も十分高いという点で望ましい。
上記のように本発明において好ましいポリカーボネートである、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位とを共重合したポリカーボネートはいまだ報告されておらず、その詳細を以下に述べるが、他のジヒドロキシ化合物との共重合体についても基本的には類似であり、また上記特許文献などを参考に製造等も可能である。
一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との含有割合については、任意の割合で選択できる。しかし、示差走査熱量測定(DSC)を行ったとき、単一のガラス転移温度を与えるが、本発明のポリカーボネートは、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と脂環式ジヒドロキシ化合物の種類や配合比を調整することで、そのガラス転移温度を、45℃程度から155℃程度まで任意のガラス転移温度を持つ重合体として得ることができる。
したがって、本発明の芳香族ポリエステル樹脂とのアロイ用途向けには、ガラス転移温度を80℃以上にすることにより、樹脂組成物の耐熱性の低下を抑制することができることから、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率を適切に選択する必要がある。当該比率は100:0〜30:70(モル%)、特に90:10〜40:60(モル%)、さらには85:15〜45:55(モル%)であることが好ましい。上記範囲よりも一般式(1)で表わされるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が多く脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が少ないと着色しやすくなり、逆に一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が少なく脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が多いと分子量が上がりにくく、また耐熱性が低下する傾向がある。
また、本発明のポリカーボネートの重合度は、溶媒としてフェノールと1,1,2,2,−テトラクロロエタンの重量比1:1の混合溶液を用い、ポリカーボネート濃度を1.00g/dlに精密に調整し、温度30.0℃±0.1℃で測定した還元粘度(以下、単に「ポリカーボネートの還元粘度」と称す。)として、0.40dl/g以上、特に0.40dl/g以上で2.0dl/g以下であるような重合度であることが好ましい。このポリカーボネート還元粘度が極端に低いものでは芳香族ポリエステル樹脂組成物の機械的強度が弱い。また、ポリカーボネートの還元粘度が大きくなると、成形する際の流動性が低下し、サイクル特性を低下させる。従って、本発明のポリカーボネートの還元粘度は0.40dl/g以上2.0dl/g以下、特に0.45dl/g以上1.5dl/g以下の範囲内であることが好ましい。
本発明のポリカーボネートは、一般に用いられる重合方法で製造することができ、その重合方法は、ホスゲンを用いた溶液重合法、炭酸ジエステルと反応させる溶融重合法のいずれの方法でも良いが、重合触媒の存在下に、ジヒドロキシ化合物を、より環境への毒性の低い炭酸ジエステルと反応させる溶融重合法が好ましい。
この溶融重合法で用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。
Figure 0005428154
(一般式(2)において、A及びA’は、置換基を有していても良い炭素数1〜18の脂肪族基又は置換基を有していても良い芳香族基であり、A及びA’は同一であっても異なっていても良い。)
上記一般式(2)で表される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネートに代表される置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びジ−t−ブチルカーボネート等が例示されるが、特に好ましくはジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
炭酸ジエステルは、ジヒドロキシ化合物に対して、0.90〜1.10のモル比率で用いることが好ましく、さらに好ましくは、0.94〜1.04のモル比率である。このモル比が0.90より小さくなると、製造されたポリカーボネートの末端OH基が増加して、ポリマーの熱安定性が悪化し、また、モル比が1.10より大きくなると、同一条件下ではエステル交換反応の速度が低下し、所望とする分子量のポリカーボネートの製造が困難となるばかりか、製造されたポリカーボネート中の残存炭酸ジエステル量が増加し、この残存炭酸ジエステルが、成形時、または成形品の臭気の原因となり好ましくない。
また、溶融重合における重合触媒(エステル交換触媒)としては、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が使用される。アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と共に補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能であるが、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物のみを使用することが特に好ましい。
重合触媒として用いられるアルカリ金属化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸セシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素セシウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素セシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸セシウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、リン酸水素2セシウム、フェニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、フェニルリン酸2セシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムのアルコレート、フェノレート、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2リチウム塩、2セシウム塩等が挙げられる。
また、アルカリ土類金属化合物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。
これらのアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
またアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と併用される塩基性ホウ素化合物の具体例としては、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩、あるいはストロンチウム塩等が挙げられる。
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、あるいは四級ホスホニウム塩等が挙げられる。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
これらの塩基性化合物も1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
上記重合触媒の使用量は、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いる場合、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と脂環式ジヒドロキシ化合物との合計1モルに対して、金属換算量として、通常、0.1〜100μモルの範囲内で用い、好ましくは0.5〜50μモルの範囲内であり、さらに好ましくは1〜25μモルの範囲内である。重合触媒の使用量が少なすぎると、所望の分子量のポリカーボネートを製造するのに必要な重合活性が得られず、一方、重合触媒の使用量が多すぎると、得られるポリカーボネートの色相が悪化し、副生成物が発生したりして流動性の低下やゲルの発生が多くなり、目標とする品質のポリカーボネートの製造が困難になる。
このような本発明のポリカーボネートの製造に当たり、前記一般式(I)で表されるジヒドロキシ化合物などのジヒドロキシ化合物は、固体として供給しても良いし、加熱して溶融状態として供給しても良いし、水溶液として供給しても良い。これらの原料ジヒドロキシ化合物を溶融状態や、水溶液で供給すると、工業的に製造する際、計量や搬送がしやすいという利点がある。
本発明において、一般式(I)で表されるジヒドロキシ化合物あるいは共重合成分を重合触媒の存在下で炭酸ジエステルと反応させる方法は、通常、2段階以上の多段工程で実施される。具体的には、第1段目の反応は140〜220℃、好ましくは150〜200℃の温度で0.1〜10時間、好ましくは0.5〜3時間実施される。第2段目以降は、反応系の圧力を第1段目の圧力から徐々に下げながら反応温度を上げていき、同時に発生するフェノールを反応系外へ除きながら、最終的には反応系の圧力が200Pa以下で、210〜280℃の温度範囲のもとで重縮合反応を行う。
この重縮合反応における減圧において、温度と反応系内の圧力のバランスを制御することが重要である。特に、温度、圧力のどちらか一方でも早く変化させすぎると、未反応のモノマーが留出し、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルのモル比を狂わせ、重合度が低下することがある。例えば、ジヒドロキシ化合物としてイソソルビドと1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いる場合は、全ジヒドロキシ化合物に対し、1,4−シクロヘキサンジメタノールのモル比が50モル%以上の場合は、1,4−シクロヘキサンジメタノールがモノマーのまま留出しやすくなるので、反応系内の圧力が13kPa程度の減圧下で、温度を1時間あたり40℃以下の昇温速度で上昇させながら反応させ、さらに、6.67kPa程度までの圧力下で、温度を1時間あたり40℃以下の昇温速度で上昇させ、最終的に200Pa以下の圧力で、200から250℃の温度で重縮合反応を行うと、十分に重合度が上昇したポリカーボネートが得られるため、好ましい。
また、全ジヒドロキシ化合物に対し、1,4−シクロヘキサンジメタノールのモル比が50モル%より少なくなった場合、特に、モル比が30モル%以下となった場合は、1,4−シクロヘキサンジメタノールのモル比が50モル%以上の場合と比べて、急激な粘度上昇が起こるので、例えば、反応系内の圧力が13kPa程度の減圧下までは、温度を1時間あたり40℃以下の昇温速度で上昇させながら反応させ、さらに、6.67kPa程度までの圧力下で、温度を1時間あたり40℃以上の昇温速度、好ましくは1時間あたり50℃以上の昇温速度で上昇させながら反応させ、最終的に200Pa以下の減圧下、220から290℃の温度で重縮合反応を行うと、十分に重合度が上昇したポリカーボネートが得られるため、好ましい。
反応の形式は、バッチ式、連続式、あるいはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよい。
本発明のポリカーボネートを溶融重合法で製造する際に、着色を防止する目的で、リン酸化合物や亜リン酸化合物を重合時に添加することができる。
リン酸化合物としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン酸トリアルキルの1種又は2種以上が好適に用いられる。これらは、全ヒドロキシ化合物成分に対して、0.0001モル%以上0.005モル%以下添加することが好ましく、さらに好ましくは0.0003モル%以上0.003モル%以下添加することが好ましい。リン化合物の添加量が上記下限より少ないと、着色防止効果が小さく、上記上限より多いと、ヘイズが高くなる原因となったり、逆に着色を促進させたり、耐熱性を低下させたりする。
亜リン酸化合物を添加する場合は、下記に示す熱安定剤を任意に選択して使用できる。特に、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスフェート、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトの1種又は2種以上が好適に使用できる。これらの亜リン酸化合物は、全ヒドロキシ化合物成分に対して、0.0001モル%以上0.005モル%以下添加することが好ましく、さらに好ましくは0.0003モル%以上0.003モル%以下添加することが好ましい。亜リン酸化合物の添加量が上記下限より少ないと、着色防止効果が小さく、上記上限より多いと、ヘイズが高くなる原因となったり、逆に着色を促進させたり、耐熱性を低下させたりすることもある。
リン酸化合物と亜リン酸化合物は併用して添加することができるが、その場合の添加量はリン酸化合物と亜リン酸化合物の総量で、先に記載した、全ヒドロキシ化合物成分に対して、0.0001モル%以上0.005モル%以下とすることが好ましく、さらに好ましくは0.0003モル%以上0.003モル%以下である。この添加量が上記下限より少ないと、着色防止効果が小さく、上記上限より多いと、ヘイズが高くなる原因となったり、逆に着色を促進させたり、耐熱性を低下させたりすることもある。
本発明の樹脂組成物において、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むポリカーボネート(B)は、(A)芳香族ポリエステル樹脂100重量部に対して、2〜80重量部の範囲であり、更には5〜60重量部の範囲が好ましい。2重量部より少ないと、本発明の目的である絶縁破壊電圧、寸法安定性の向上が図れない。一方80重量部より多いと、耐熱性が低下する。
(C)無機充填剤
本発明の樹脂組成物において好適に使用される(C)無機充填剤としては繊維状、板状、粒状物などの一般的に樹脂組成物において使用されるものであり、またこれらの混合物が挙げられる。具体的にはガラス繊維、鉱物繊維、セラミックスウイスカー、ワラストナイト、カーボン繊維等の繊維状物;ガラスフレーク、マイカ、タルクなどの板状物;シリカ、アルミナ、ガラスビーズ、カーボンブラック、炭酸カルシュウム等の粒状物など周知のものが挙げられる。これらの選定の基準は製品の必要とされる特性によるが、機械的強度や剛性については繊維状物、特にガラス繊維が選定され、成形品の異方性および反りの低減が重要な際は板状物、特にマイカが選ばれる。また、粒状物は成型時の流動性も加味された全体的なバランスのもとで最適なものが選ばれる。
ガラス繊維は、一般に樹脂強化用に使用されるものならば特に限定されない。例えば、長繊維タイプ(ロービング)や短繊維タイプ(チョップドストランド)などから選択して用いることができ、繊維断面は円形でも、異形断面でもかまわず、また繊維径(異形断面は、その断面積を円で換算したときの直径で表す)のは6〜25μm が一般的である。また、ガラス繊維は集束剤(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル等)、カップリング剤(例えば、シラン化合物、ボロン化合物等)、その他の表面処理剤等で処理されていてもよい。その中でも、強度の点からアミノシラン化合物とノボラックエポキシ化合物で表面処理されたものが好ましい。さらに、本発明の主目的の耐絶縁破壊性の向上のためには、マイカやガラスフレークなどの板状物の配合は、絶縁距離の増大につながり、耐絶縁破壊電圧が向上するため好ましく、強度の向上等も含めた全体のバランスからは、ガラス繊維との併用が推奨される。ガラス繊維と板状充填剤との比率は1/2〜10/1である。
上記(C)無機充填材の配合量は、(A)芳香族ポリエステル樹脂と(B)ポリカーボネートの合計量100重量部に対して0.01〜80重量部が好ましく、更に好ましくは0.1〜75重量部である。100重量部より多いと、機械的性質が低下するが、無機充填剤の配合量は、機械的強度の改善が目標となる場合は、5重量部以上が好ましく選定され、結晶化促進が主目的なら0.01〜1重量部の範囲が好ましく選定される。
本樹脂組成物には、難燃性を付与する目的で樹脂組成物において広く用いられている難燃剤を配合することができる。好適な難燃剤としては、臭素化ビスフェノールA系ポリカーボネート類、臭素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂類、臭素化された置換基を有するビニル系ポリマー(例えば、ペンタブロモベンジルポリアクリレート)などの臭素系難燃剤、ならびに赤燐や燐酸系難燃剤等が挙げられる。
難燃剤の配合量は全組成物中2〜30重量%である。全組成物中の無機充填剤の配合量が多いほど、また難燃助剤を併用した場合には難燃剤の配合量を少なくできるが、その場合でも少なくとも2重量%は必要であり、2重量%未満では得られる組成物の難燃性が不充分である。30重量%より多いと、機械的強度が低下する。
更に、難燃効果を助長する目的で難燃助剤を配合することができる。好適な難燃助剤の例として、Sb2 3 及び/又はxNa2 O・Sb2 5 ・yH2 O (x=0〜1, y=0〜4)、ほう酸金属化合物(ほう酸亜鉛、ほう酸アルミニウム、ほう酸マグネシウム等)を挙げることができる。難燃助剤の粒径は特に限定されないが、0.02〜5μmが好ましい。また所望により、エポキシ化合物、シラン化合物、イソシアネート化合物、チタネート化合物等で表面処理されたものを用いることができる。難燃助剤の配合量は0〜15重量%であるが、効果的に難燃性を付与するためには難燃剤に対して20〜70重量%となるように配合することが好ましい。添加量が15重量%を超えると樹脂や配合剤の分解を促進し、成形品の特性が低下することがあり好ましくない。
本樹脂組成物には、(A)芳香族ポリエステル、(B)ポリカーボネート、ならびに好適に用いられる(C)無機充填剤の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、所望により、核剤(例えば、タルク、安息香酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム)、滑剤(例えばパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸およびそのエステルまたは塩、シリコンオイル)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、顔料、耐衝撃性改良剤等の改質剤、エポキシ化合物などの耐加水分解性改良剤等の通常の添加剤を含有せしめることができる。
本樹脂組成物の製造方法に関しては特に制限はなく、公知の方法を採用することができる。すなわち、(A)芳香族ポリエステル、(B)ポリカーボネート及び好適に用いられる(C)無機充填剤をペレット、粉末、細片状態などで、ブレンダーなどを用いて均一混合した後、バンバリーミキサ、加熱ロールや単軸または多軸押出機等を用いて230〜360℃、好ましくは230〜290℃の温度で熔融混練する方法など種々の方法により製造することができる。また、(A)芳香族ポリエステルに高濃度の(B)ポリカーボネートなどを予め混練しておき、後に芳香族ポリエステルで希釈して所定の配合比に調節して混練する方法も可能である。
なお、本発明の樹脂組成物は、通常の成形方法、すなわち射出成形、押出成形、圧縮成形、中空成形などで種々の電機・電子機器分野、自動車分野、機械分野、医療分野等の成形品が得られる。特に好ましい成形方法は、流動性の良さから、射出成形である。射出成形に当たっては、樹脂温度を240〜280℃にコントロールするのが好ましい。
以下実施例を挙げ、本発明を詳述するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例中の部は重量部を意味する。
なお、下記の製造例1〜5で用いたイソソルビドの蟻酸含有量は5ppmであった。イソソルビドに含まれる蟻酸の定量方法は、次のような方法によって実施した。
<蟻酸の定量>
イソソルビドに含まれる蟻酸量をイオンクロマトグラフで測定した。イソソルビド0.5gを精秤し50mlのメスフラスコに採取して純水で定容した。標準試料にはギ酸ナトリウム水溶液を用い、標準試料とリテンションタイムの一致するピークを蟻酸として、ピーク面積から絶対検量線法で定量した。
イオンクロマトグラフは、Dionex社製のDX−500型を用い、検出器には電気伝導度検出器を用いた。測定カラムとして、Dionex社製ガードカラムにAG−15、分離カラムにAS−15を用いた。測定試料を100μlのサンプルループに注入し、溶離液に10mM−NaOHを用い、流速1.2ml/min、恒温槽温度35℃で測定した。サプレッサーには、メンブランサプレッサーを用い、再生液には12.5mM−H2SO4水溶液を用いた。
[製造例1]
(B)ポリカーボネートの製造
イソソルビド(ロケットフルーレ社製)27.7重量部(0.516モル)に対して、1,4−シクロヘキサンジメタノール(イーストマン社製、以下「1,4−CHDM」と略する。)13.0重量部(0.221モル)、ジフェニルカーボネート(三菱化学社製、以下、「DPC」と略する。)59.2重量部(0.752モル)、および触媒として、炭酸セシウム(和光純薬社製)2.21×10−4重量部(1.84×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaにし、加熱槽温度を190℃まで1時間で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
反応容器全体を190℃で15分保持した後、第2段目の工程として、反応容器内の圧力を6.67kPaとし、加熱槽温度を230℃まで、15分で上昇させ、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。攪拌機の攪拌トルクが上昇してくるので、8分で250℃まで昇温し、さらに発生するフェノールを取り除くため、反応容器内の圧力を0.200kPa以下に到達させた。所定の攪拌トルクに到達後、反応を終了し、生成した反応物を水中に押し出して、ポリカーボネートのペレットを得た。 得られたポリカーボネートの特性(還元粘度、ガラス転移温度)について、それぞれ下記の(a)、(b)の方法に従って測定した。結果を表1に示す。なお、本製造例で得られたポリカーボネートを「ISOB−PC1」とした。
[製造例2]
製造例1において、イソソルビド19.7重量部(0.363モル)、1,4−CHDM21.6重量部(0.404モル)、DPC58.8重量部(0.741モル)、触媒として、炭酸セシウム2.19×10−4重量部(1.82×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。得られたポリカーボネートの特性(還元粘度、ガラス転移温度)について、それぞれ下記の(a)、(b)の方法に従って測定した。結果を表1に示す。本製造例で得られたポリカーボネートを「ISOB−PC2」とした。
[製造例3]
製造例1において、イソソルビド15.7重量部(0.288モル)、1,4−CHDM25.8重量部(0.480モル)、DPC58.6重量部(0.734モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.18×10−4重量部(1.80×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。得られたポリカーボネートの特性(還元粘度、ガラス転移温度)について、それぞれ下記の(a)、(b)の方法に従って測定した。結果を表1に示す。本製造例で得られたポリカーボネートを「ISOB−PC3」とした。
[製造例4]
製造例1において、イソソルビド35.9重量部(0.674モル)、1,4−CHDM4.4重量部(0.083モル)、DPC59.7重量部(0.764モル)、触媒として、炭酸セシウム2.22×10−4重量部(1.87×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。得られたポリカーボネートの特性(還元粘度、ガラス転移温度)について、それぞれ下記の(a)、(b)の方法に従って測定した。結果を表1に示す。本製造例で得られたポリカーボネートを「ISOB−PC4」とした。
[製造例5]
製造例1において、イソソルビド40.1重量部(0.581モル)、DPC59.9重量部(0.592モル、触媒として、炭酸セシウム2.23×10−4重量部(1.45×10−6モル)に変更した以外は、同様に実施した。得られたポリカーボネートの特性(還元粘度、ガラス転移温度)について、それぞれ下記の(a)、(b)の方法に従って測定した。結果を表1に示す。本製造例で得られたポリカーボネートを「ISOB−PC5」とした。
(a)還元粘度
ウベローデ型粘度計を用い、溶媒としてフェノールと1,1,2,2,−テトラクロロエタンの重量比1:1の混合溶液を用い、濃度を1.00g/dlに精密に調整し、温度30.0℃±0.1℃で測定した。この数値が高いほど分子量が大きい。
(b)ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(メトラー社製「DSC822」)に試料約10mgを用いて、10℃/minの昇温速度で加熱して測定し、JIS K 7121(1987)に準拠して、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた折線との交点の温度である、補外ガラス転移開始温度Tgを求めた。
実施例及び比較例の各樹脂組成物を得るに当たり、上記ポリカーボネート以外の原料として、下記の原料を準備した。
(1) ポリブチレンテレフタレート:テレフタル酸とブタンジオールからなる芳香族ポリエステルで、融点は225℃である。固有粘度は0.85dl/g。三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名ノバデュラン5008。
(2) ビスフェノールAタイプの芳香族ポリカーボネート樹脂 三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名ユーピロンS3000。以下、「PC」と略記する。
(3) ポリアミド6.三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名ノバミッド1010。以下、PA6と略記する。
(4) 日本電気硝子製ガラス繊維、商品名T187、繊維径13μm、チョップドストランド長3mm。以下、「GF」と略記する。
(5) 山口雲母社製、商品名A−21、マイクロトラック法による平均粒子径23μm。以下、「マイカ」と略記する。
[実施例1〜5、参考例1
二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数400rpmの条件にて、成分(A)および(B)を表2に示す種類のものと配合量で、タンブラーミキサーに投入し、均一に混合した後、バレル1よりフィードし溶融混合させて組成物を作成した。得られた組成物に対して以下に示す(1)〜(4)の方法によって樹脂組成物の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例6〜11、参考例2
二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数400rpmの条件にて、成分(A)、成分(B)、および成分(C)を表3に示す種類のものと配合量で、タンブラーミキサーに、投入し、均一に混合した後、バレル1よりフィードし溶融混合させた後、バレル5より成分(C)をフィードして溶融混合させて組成物を作成した。組成物を作成した。得られた組成物に対して以下に示す(1)〜(4)の方法によって樹脂組成物の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例3〜4]
二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数400rpmの条件にて、成分(A)およびPCを表2に示す種類のものと配合量で、タンブラーミキサーに、投入し、均一に混合した後、バレル1よりフィードし溶融混合させて組成物を作成した。得られた組成物に対して以下に示す(1)〜(4)の方法によって樹脂組成物の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例5]
二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数400rpmの条件にて、PA6を100重量部タンブラーミキサーに投入し、均一に混合した後、バレル1よりフィードし溶融混合させて組成物を作成した。得られた組成物に対して以下に示す(1)〜(4)の方法によって樹脂組成物の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例7〜13]
二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数400rpmの条件にて、成分(A)、成分(B)、および成分(C)を表3に示す種類のものと配合量で、タンブラーミキサーに、投入し、均一に混合した後、バレル1よりフィードし溶融混合させた後、バレル5より成分(C)をフィードして溶融混合させて組成物を作成した。組成物を作成した。得られた組成物に対して以下に示す(1)〜(4)の方法によって樹脂組成物の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例6〜7]
二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数400rpmの条件にて、成分(A)と成分(C)とを表3に示す種類のものと配合量で、タンブラーミキサーに、投入し、均一に混合した後、バレル1よりフィードし溶融混合させた後、バレル5より成分(C)をフィードして溶融混合させて組成物を作成した。組成物を作成した。得られた組成物に対して以下に示す(1)〜(4)の方法によって樹脂組成物の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例8〜9]
二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数400rpmの条件にて、成分(A)、PC、及び成分(C)をそれぞれ表3に示す種類のものと配合量で、タンブラーミキサーに、投入し、均一に混合した後、バレル1よりフィードし溶融混合させた後、バレル5より成分(C)をフィードして溶融混合させて組成物を作成した。組成物を作成した。得られた組成物に対して以下に示す(1)〜(4)の方法によって樹脂組成物の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例10]
二軸押出機(日本製鋼所製、TEX30XCT、L/D=42、バレル数12)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数400rpmの条件にて、PA6及び成分(C)をそれぞれ表3に示す種類のものと配合量で、タンブラーミキサーに、投入し、均一に混合した後、バレル1よりフィードし溶融混合させた後、バレル1よりフィードし溶融混合させた後、バレル5より成分(C)をフィードして溶融混合させて組成物を作成した。組成物を作成した。得られた組成物に対して以下に示す(1)〜(4)の方法によって樹脂組成物の評価を行った。結果を表3に示す。
<樹脂組成物の評価方法>
(1) 絶縁破壊電圧:射出成形機(東芝IS150)を用い、シリンダー温度270℃、金型温度80℃の条件で射出成形して得た100mmφ×1mmtの円盤状成形品(乾燥状態)に対してIEC602431の方法に準じて試験。単位はMV/mで、数値が大きいほど耐絶縁破壊性が良好であることを示す。
(2) 体積固有抵抗:射出成形機(東芝IS150)を用い、シリンダー温度270℃、金型温度80℃の条件で射出成形して得た100mmφ×3mmtの円盤状成形品を水中に24時間保持後、23℃、65%湿度下で1週間調湿した成形品に対して、IEC93に準じて試験した。単位はΩ・mで数値が大きいほど絶縁性が良好であることを示す。
(3) 反り量:射出成型機(住友重機械(株)製:型式SG−75 MIII)を使用し、シリンダー温度260℃で、金型温度80℃にて直径100mm、厚さ1.6mmの円板を成形した。ゲートは円周上の1点ゲートである。円板の片端を平板に固定し、反対側が平板から浮き上がった距離を測定し反り量とした。単位はmmで、数値が大きいほど反り量が大きいことを示す。
(4) 成形品表面外観:射出成形機(東芝IS150)を用い、シリンダー温度270℃、金型温度90℃の条件で射出成形して、100mmφ×3mmtの円盤状成形品の表面外観を目視にて観察し、蛍光灯の像が極めてくっきりと写るものを◎、くっきりと写るものを○、少し揺らいで写るものを△、揺らいで写るものを×として評価した。
Figure 0005428154
Figure 0005428154
Figure 0005428154
表2および表3の結果から次の点が明らかになった。
1) 比較例5と比較例1〜2の比較において、PBTまたはPETは、ポリアミド6に比べ絶縁破壊電圧が劣っているが、電気絶縁抵抗においては優れている。一方、PBTやPETに芳香族ポリカーボネート樹脂を配合した比較例3および4の組成物は、比較例1および2に比べ絶縁破壊電圧をはじめ他の特性もほとんど変わっていない。本発明のポリカーボネート(共)重合体を配合した実施例1〜は、比較例1〜4に比べ絶縁破壊電圧は改良され、他の特性はほとんど変わっていない。
2) 無機充填剤を配合し、芳香族ポリカーボネート樹脂を配合した比較例8および9は、芳香族ポリカーボネート樹脂を配合してない比較例6および7に比べ、絶縁破壊電圧はほとんど変化がないが、成形品の反り量、表面外観が改善されている。本発明のポリカーボネート(共)重合体を配合した実施例〜1は、比較例6および7に比べ、絶縁破壊電圧、成形品の反り量、表面外観とも著しく改良されている。また、芳香族ポリカーボネート樹脂を配合した比較例8および9との比較で、成形品の反り量、表面外観についてはほぼ同等の効果であるが、絶縁破壊電圧については、本発明のポリカーボネート共重合体の方が、芳香族ポリカーボネート樹脂より優れた結果を得た。
3) 板状充填剤のマイカとGFを配合した実施例1とGFのみの実施例の比較において、絶縁破壊電圧が向上しており、反り量も改善される。
以上のように、芳香族ポリエステルにイソソルビドを含むポリカーボネートを配合した組成物は、環境保全・資源保全に配慮された材料であり、同時に絶縁破壊電圧などの電気的性質および寸法の異方性、成形品外観改善に効果が認められ、本発明に到達したものである。
本発明の芳香族ポリエステル樹脂組成物により、耐絶縁破壊性、更には、無機充填剤強化の場合は寸法精度(または異方性)、成形品表面外観に優れた成形品が得られるので、コネクター、リレー、スイッチなどの電気電子部品、ディストリビューターなどの自動車電装部品、電動工具などの機械部品などに利用分野が広がる。

Claims (6)

  1. (A)ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートからなる群より選ばれる少なくともひとつの芳香族ポリエステル樹脂100重量部に対して、
    (B)下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むポリカーボネート共重合体 2〜80重量部 を配合してなり、前記(B)ポリカーボネートのガラス転移温度が80℃以上である樹脂組成物。
    Figure 0005428154
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物100重量部に対し、(C)無機充填剤 0.01〜80重量部を配合してなる樹脂組成物。
  3. 前記(B)ポリカーボネートが、更に脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(B)ポリカーボネートに含まれる上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%)が100:0〜30:70であることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記(B)ポリカーボネートに含まれる上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%)が90:10〜40:60の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
  6. 前記(B)ポリカーボネートに含まれる上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%
    )が85:15〜45:55の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
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