JP2007138018A - 難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 Download PDF

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敏之 田尻
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Abstract

【課題】 難燃性に優れ、且つ耐加水分解性、対流熱安定性、耐ヒートショック性を同時に向上させた、耐衝撃性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して、(B)臭素化エポキシ化合物3〜50重量部、(C)酸化アンチモン化合物1〜30重量部、及び(D)強化充填剤0〜150重量部を含有し、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂が(a)チタン化合物と、(b)1族金属化合物及び/または2族金属化合物とを含有し、(a)チタン化合物の含有量が、チタン原子換算で10ppm以上80ppm以下であり、(b)1族金属化合物及び/または2族金属化合物の含有量が、その金属原子換算で1ppm以上50ppm以下であることを特徴とする、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、及びこれを用いた、樹脂成形品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐加水分解性、滞留熱安定性と耐ヒートショック性に優れた難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に関する。
ポリブチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性ポリエステル樹脂は、機械的性質、電気的性質、その他物理的・化学的特性に優れ、且つ加工性が良好であるので、エンジニアリングプラスチックとして自動車、電気・電子部品等の広汎な用途に使用されている。具体的には例えば、自動車電装イグニッションコイルや、小型モータのステータコア等の樹脂部品が挙げられる。
この様な樹脂部品は、一般的に、インサート成形方法により成形されることが多い。インサート成形方法とは、所望の樹脂部品(樹脂成形品)の補強や、アンダーカット成形を目的として部品(インサート)を樹脂成形品中に埋込む射出成形法である。この「インサート」としては、金属や金属酸化物等の無機固体部品の他、木製部品、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂部品等の有機固体部品が用いられている。
一般的にポリブチレンテレフタレート樹脂は、高温スチーム下においては加水分解を受けて分子量が低下し、機械的強度が低下し易い(低耐加水分解性)。また高温雰囲気と低温雰囲気とに交互に晒された後の物理的特性の保持が困難である(低耐ヒートショック性)。
この様な性質は、特に、上述のインサート成形方法の場合に問題となる。即ち、インサート成形においては、熱膨張係数の差による樹脂とインサートとの境界付近にクラックが発生し易くなる。この様なクラック抑制の為に、樹脂側の肉厚、金属の材質の選定を考慮することが知られている。またインサートが回転または脱落しないよう、形状を考慮する必要がある。
ポリブチレンテレフタレート樹脂をインサート成形方法に用いる際には、この様な過酷な使用環境によるクラック発生が従来から問題となっており、例えば、薄肉成形品や肉厚変化の大きい部分があるもの、そして鋭角コーナーを有する様なインサート成形品への適応が困難であり、用途や成形品の形状等が制限されていた。
更にガラス繊維等の強化充填剤を配合したポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を使用した場合には、充填剤の配向により生ずる樹脂組成物の膨脹・収縮率の異方性や、充填剤配合による樹脂の伸度が低下してしまうので、例えば温度変化の大きな環境下でインサート成形品を使用すると、温度変化による該成形品の割れ発生頻度が高くなってしまうという問題があった。
一方、電気、電子部品や自動車部品その他の電装部品、機械部品等に使用される樹脂には、難燃性が求められている。一般に、樹脂成形品が薄肉化、小型化するほど、難燃化の達成は困難となる。近年では電気、電子部品や電装部品の各種機器の小型化、軽量化の趨勢から、樹脂部品等は薄肉・小型化が進んでいる。そして薄肉成形品においては、その最も薄い部分の難燃性が要求される場合が多く、難燃性としてはUL−94に規定されるランクV−0の、高い難燃性が指標とされている。
一方で、高い難燃性を達成するために難燃剤を多量に配合したポリブチレンテレフタレート樹脂は、耐加水分解性、耐ヒートショック性の悪化がより惹起されやすくなるので、更に成形時に安定した成形を維持するに為に、成形滞留時の粘度変化を低く抑えることが求められている。
この様に、ポリブチレンテレフタレート樹脂の様なポリエステル樹脂に対しては、成形性と難燃性の双方の効果を同時に実現することが望まれてきた。これに対して例えば、インサート成形品のクラックを防止する為に、柔軟樹脂の添加が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また難燃性を向上する方法として、例えばエポキシ系難燃剤の配合が知られている。但し高度な難燃性確保のために大量のエポキシ化合物を配合すると、エポキシによる架橋反応のために成形時の流動性が著しく悪化する問題があるので、これを克服し、耐加水分解性と難燃性の双方を向上する方法が提案されている(例えば特許文献2、3参照)。
特開平11−140287号公報 特開平5−17669号公報 特開平8−157701号公報
近年では、樹脂部品に対する小型化、精密化の要求が高まるにつれて、一層の肉薄化・モジュール化が進み、樹脂部品形状がより複雑化してきた為、樹脂部品に対する難燃性や成型性、耐ヒートショック性、及び耐加水分解性の改善要求が更に厳しくなってきた。
そしてこの成形品の小型化、薄肉化への対応の為、用いる樹脂組成物の流動性も高いことが必要となり、樹脂組成物の流動性についても良好である樹脂組成物の提供が望まれていた。
しかし先述の特許文献1に記載の柔軟樹脂の添加方法は、難燃性を維持するために難燃剤の添加量を増やす必要があり、コスト上昇に結びつき、化学産業上、好ましいことではなかった。
一方、特許文献2においては、例えば実施例に於いて(A)熱可塑性ポリエステル樹脂100 重量部に(B)ハロゲン化エポキシ化合物0.5〜50重量部と(C)無機系難
燃助剤0.1〜20重量部、及び(D)エポキシ反応触媒0.001〜2重量部を配合し、好適な(D)成分の触媒がホスホニウム化合物であるとの記載がある。但し、実際の化学工業製品への適応を考慮すると、ホスホニウム化合物は高価であり、且つ取り扱いが困難であるという問題がある為に、代替化合物の使用が望まれていた。
そして特許文献3の実施例においては、エポキシ化合物が2重量部、エポキシ開環触媒がステアリン酸Naで0.1重量部もの多量高配比率となっている上に、さらに別の添加物が配合されることでガス発生やその他の問題が危惧される為に、実際の化学工業製品へ適応するには困難であるという問題があった。
本発明の目的は、難燃性に優れ、且つ耐加水分解性、対流熱安定性、耐ヒートショック性を同時に向上させた、耐衝撃性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供することにある。そして本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、その優れた諸物性から、自動車エンジン部品、コネクター、リレー部品などの電気・電子部品に好適に使用することができる。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく検討を開始した。そして、ポリブチレンテレフタレート樹脂に含有されている金属化合物に着目し、その種類と含有量、及び、ポリブチレンテレフタレート樹脂以外の、他の添加剤との関係について鋭意検討を行った。
その結果、ポリブチレンテレフタレート樹脂として、チタン化合物および1族または2族の金属化合物を特定量含有するものを用いること、特にポリブチレンテレフタレート樹脂の重合触媒としてこれらの金属化合物を特定量用い、これらを特定量含有するポリブチ
レンテレフタレート樹脂を用い、そして特定量の難燃剤及び難燃助剤を配合して得られたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が、良好な難燃性を示すばかりでなく、高い耐加水分解性、滞留熱安定性、及び耐ヒートショック性を同時に発現することを見出した。
そしてこのポリブチレンテレフタレート樹脂を用いて得られた樹脂成形品、特にインサートを用いてインサート成形方法により得られた樹脂成形品(インサート成形品)が、上述したような諸特性に優れた樹脂成形品となることをも見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して、(B)臭素化エポキシ化合物3〜50重量部、(C)酸化アンチモン化合物1〜30重量部、及び(D)強化充填剤0〜150重量部を含有し、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂が(a)チタン化合物と、(b)1族金属化合物及び/または2族金属化合物とを含有し、(a)チタン化合物の含有量が、チタン原子換算で10ppm以上80ppm以下であり、(b)1族金属化合物及び/または2族金属化合物の含有量が、その金属原子換算で1ppm以上50ppm以下であることを特徴とするポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、及びこれを成形してなる樹脂成形品に存する.
本発明により、難燃性を有し、同時に加水分解性、滞留熱安定性、耐ヒートショック性が高く、コネクター、リレー部品などの電気・電子部品に好適に使用することができる難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物への提供が可能となる。本発明の組成物は単純な構成であるので、コスト面からも有利であり、品質の安定性にも寄与する。
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂
本発明に用いる(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂とは、テレフタル酸単位および1,4−ブタンジオール単位がエステル結合した構造を有し、ジカルボン酸単位の50モル%以上がテレフタル酸単位から成り、ジオール成分の50モル%以上が1,4−ブタンジオール単位から成る高分子を言う。
テレフタル酸単位または1,4−ブタンジオール単位が低すぎると、例えば50モル%より少ないと、PBTの結晶化速度が低下し、得られるポリブチレンテレフタレート樹脂の成形性が低下する場合がある。よって全ジカルボン酸単位中のテレフタル酸単位の割合は、通常70モル%以上、中でも80モル%以上、更には95モル%以上、特に98%以上であることが好ましく、また全ジオール単位中の1,4ブタンジオール単位の割合は、通常70モル%以上、中でも80モル%以上、更には95モル%以上、特に98%以上であることが好ましい。
本発明に用いる(A)PBTの原料であるジカルボン酸成分に於いて、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては特に制限はない。具体的には例えば、フタル酸、イソフタル酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4'−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸類;1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸類;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸類;等が挙げられる。
これらのジカルボン酸成分は、ジカルボン酸として、または、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸ハライド等のジカルボン酸誘導体を原料として、ポリマー骨格に導入できる。
また、本発明に用いる(A)PBTの原料であるジオール成分に於いて、1,4−ブタンジオール以外のジオール成分としては特に制限はない。具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール類;1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール類;キシリレングリコール、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等の芳香族ジオール類;等が挙げられる。
更に、本発明に用いる(A)PBTとしては、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸類;アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分;トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分;等を共重合させたものをも、使用することができる。
本発明に用いる(A)PBTは、(a)チタン化合物と、(b)1族金属化合物及び/または2族金属化合物とを含有し、(a)チタン化合物の含有量が、チタン原子換算で10ppm以上80ppm以下であり、(b)1族金属化合物及び/または2族金属化合物の含有量が、その金属原子換算で1ppm以上50ppm以下であることを特徴とする。
本発明に用いる(A)PBTは、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸(又はテレフタル酸ジアルキル)とのエステル化反応(又はエステル交換反応)で得られたオリゴマーを重縮合したものであり、中でも、この重縮合の際に用いる触媒(重縮合触媒)として、(a)チタン化合物と、(b)1族金属化合物及び/又は2族金属化合物を用いることによって、(A)PBT中における(a)、(b)の金属化合物の分散性を良好なものとすることができるので、好ましい。
これらの重縮合触媒の使用時期は任意であり、具体的には使用方法として例えば以下の(1)〜(4)等の方法が挙げられる。尚、以下、(a)チタン化合物をチタン触媒、また(b)1族金属化合物及び2族金属化合物を、各々、1族金属触媒、2族金属触媒と言うことがある。
(1)エステル化反応(またはエステル交換反応)に(a)、(b)、両方を使用し、重縮合反応に持ち込む方法。
(2)エステル化反応(またはエステル交換反応)に(a)、(b)、両方を一部使用し、重縮合反応開始時又は反応中に追加する方法。
(3)エステル化反応(またはエステル交換反応)では(a)、(b)、どちらか一方の触媒を使用し、他方を重縮合反応開始時又は反応中に追加する方法。
(4)エステル化反応(またはエステル交換反応)では(a)、(b)、いずれも使用せず、重縮合反応開始時に両方を追加する方法。
本発明に用いる(a)チタン化合物としては特に制限はなく、具体的には例えば、酸化チタン、四塩化チタン等の無機チタン化合物類;テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート類;テトラフェニル
チタネート等のチタンフェノラート類;等が挙げられる。中でもチタンアルコラート類が好ましく、更にはテトラアルキルチタネート類が好ましく、特にテトラブチルチタネートが好ましい。
本発明に用いる(b)1族金属化合物及び/又は2族金属化合物としては特に制限はなく、具体的には例えば、1族金属化合物としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの、水酸化物類;酸化物類;アルコラート類;酢酸塩、リン酸塩、炭酸塩等の各種有機酸塩類;等の各種化合物が挙げられ、また2族金属化合物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの、水酸化物類;酸化物類;アルコラート類;酢酸塩、リン酸塩、炭酸塩等の各種有機酸塩類;等の各種化合物が挙げられる。これらは単独で使用しても、また併用してもよい。
中でも、取り扱いや入手の容易さ、触媒効果の点から、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の化合物が好ましく、更には触媒効果と色調に優れる、リチウム又はマグネシウムの化合物が好ましく、特にマグネシウム化合物が好ましい。マグネシウム化合物としては、具体的には例えば酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイド、燐酸水素マグネシウム等が挙げられる。中でも有機酸塩類が好ましく、特に酢酸マグネシウムが好ましい。
本発明に用いる(A)PBTにおける、(a)チタン化合物の含有量は、チタン原子換算で10ppm以上80ppm以下である。このチタン化合物の含有量が多過ぎると、(A)PBTの色調や耐加水分解性が低下したり、またチタン触媒の失活による溶液ヘイズや異物が増加する場合がある。逆に少な過ぎても、(A)PBTの重合性が低下してしまう
。よって(a)チタン化合物の含有量は、70ppm以下、中でも60ppm以下、更には50ppm以下、特に40ppm以下であることが好ましく、その下限は15ppm以上、中でも20ppm以上、特に30ppm以上であることが好ましい。
本発明に用いる(A)PBTにおける、(b)1族金属化合物及び/又は2族金属化合物の含有量は、各々の金属原子換算で、1ppm以上50ppm以下である。この1族金属化合物及び/又は2族金属化合物の含有量が多過ぎると、本発明のPBT組成物の成形性や、得られる樹脂成形品の耐加水分解性が低下する場合がある。逆に少な過ぎても、耐ヒートショック性が低下する場合がある。よって(b)1族金属化合物及び/又は2族金属化合物の含有量は、40ppm以下、中でも30ppm以下、更には20ppm以下、特に15ppm以下であることが好ましく、その下限は3ppm以上、中でも5ppm以上、特に10ppm以上であることが好ましい。
チタン原子などの金属含有量は、湿式灰化などの方法でポリマー中の金属を回収した後、原子発光、原子吸光、Inductively Coupled Plasma(ICP)等の方法を使用して測定することが出来る。
本発明に用いる(A)PBTの重縮合触媒としては、上述したようなチタン化合物や(b)1族金属化合物及び/又は2族金属化合物が挙げられるが、その他の重縮合触媒としては、例えばスズやその化合物が挙げられる。スズは通常、スズ化合物として使用され、具体的には例えば、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、シクロヘキサヘキシルジスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸、ブチルスタンノン酸等が挙げられる。
但し一般的に、スズやスズ化合物は(A)PBTの色調を悪化させるため、本発明に用い
る(A)PBT中におけるスズ化合物の含有量は低い方が好ましく、含有しないことが好ましい。具体的には、通常、スズ化合物の含有量が、スズ原子換算で200ppm以下、中でも100ppm以下、更には10ppm以下であることが好ましい。
また本発明に用いる(A)PBTの製造においては、先述のチタン触媒や、1族金属触媒、2族金属触媒の他に、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物;二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物;マンガン化合物;亜鉛化合物;ジルコニウム化合物;コバルト化合物;正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸等やこれらのエステルや金属塩などの燐化合物;等の反応助剤を用いてもよい。
本発明に用いる(A)PBTの末端カルボキシル基濃度は任意だが、低い方が好ましく、具体的には30μeq/g以下であることが好ましく、更に好ましくは5〜25μeq/g、特に好ましくは5〜20μeq/gである。30μeq/gを超えると耐加水分解性、滞留熱安定性が悪化する傾向にあり、低すぎると耐ヒートショック性が悪化する。
次に、本発明に用いる(A)PBTの製造方法について説明する。本発明に用いる(A)PBTの製造方法は任意であり、一般的には使用する原料によって、ジカルボン酸を主原料とする方法(直接重合法)と、ジカルボン酸ジアルキルエステルを主原料とする方法(エステル交換法)とがある。前者は初期のエステル化反応で主に水が生成し、後者は初期のエステル交換反応で主にアルコールが生成するという違いがある。
また、本発明に用いる(A)PBTの製造方法は、一般的に、原料供給または生成ポリマーであるポリブチレンテレフタレート樹脂の抜き出し形態(反応槽等から生成(溶融)ポリマーを抜き出す方法)により、回分法と連続法に大別される。初期のエステル化反応またはエステル交換反応を連続操作で行い、それに続く重縮合を回分操作で行う方法や、初期のエステル化反応またはエステル交換反応を回分操作で行い、それに続く重縮合を連続操作で行う方法等が知られている。
本発明に用いる(A)PBTの製造方法としては、原料原単位の優位性、副生成物の処理の容易さ等から、直接重合法を用いることが好ましく、また得られる(A)PBTの品質安定性や、製造に係るエネルギー効率の面から、エステル化反応および重縮合反応を連続的に行う、いわゆる連続法を用いることが好ましい。
本発明に用いる(A)PBTの製造に際して用いる、先述の1族金属触媒及び/又は2族金属触媒は、エステル化反応槽またはエステル交換反応槽に供給することが出来るが、その供給位置に特に制限はなく、これら反応槽の反応液気相部から反応液上面へ供給してもよいし、反応液液相部に直接供給してもよい。また、この場合、原料であるテレフタル酸や、チタン触媒と共に供給してもよいし、独立して供給してもよい。中でも、触媒の安定性の観点からはテレフタル酸やチタン触媒とは独立して、且つ、反応液気相部から反応液上面に供給することが好ましい。
2族金属触媒の供給方法としては、例えば2族触媒が常温で固体の場合には、固体のまま反応液へ供給することも出来るが、供給量を安定化させ、熱による変性などの悪影響を軽減するためには、水、1,4−ブタンジオール等の溶媒に溶解し、溶液として供給することが好ましい。この溶液中の2属金属触媒の濃度は、通常0.01重量%以上、中でも0.05重量%以上、特に0.08重量%以上であることが好ましく、その上限は20重量%以下、中でも10重量%以下、特に8重量%以下であることが好ましい。
また1族金属触媒及び/又は2族金属触媒は、エステル化反応槽またはエステル交換反応槽に続く重縮合反応槽や、それに付帯したオリゴマー配管に添加してもよい。この場合の添加方法も、供給量を安定化させ、熱による変性などの悪影響を軽減するために、水、1,4−ブタンジオール等の溶媒や、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の共重合成分に溶解し、溶液として供給することが好ましく、この際の濃度は、上述の溶液濃度と同様である。
本発明に用いる(A)PBTの製造方法の具体例として、例えば直接重合法を用いる連続エステル化法の場合には、以下の様な方法により行えばよい。原料であるテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とを、原料混合槽で混合してスラリーとし、単数または複数のエステル化反応槽内で、好ましくはチタン触媒と1族金属触媒及び/又は2族金属触媒との存在下に、通常、温度条件として180〜260℃、好ましくは200〜245℃、更に好ましくは210〜235℃の条件下、圧力(絶対圧力を示す。以下、同様である。)条件として、通常、10〜133kPa、好ましくは13〜101kPa、更に好ましくは60〜90kPaの圧力下で、通常0.5〜10時間、好ましくは1〜6時間、連続的にエステル化反応させる。
エステル化反応槽またはエステル交換反応槽としては、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、縦型攪拌完全混合槽、縦型熱対流式混合槽、塔型連続反応槽等が挙げられる。これらは単数槽としても、また、同種又は異種の反応槽を直列または並列させた複数反応槽として用いてもよい。中でも攪拌装置を有する反応槽を用いることが好ましく、攪拌装置としては、動力部、軸受、軸、攪拌翼等を含む通常の攪拌装置の他、タービンステーター型高速回転式攪拌機や、ディスクミル型攪拌機、ローターミル型攪拌機等の高速回転が可能なものを用いてもよい。
次に、得られたエステル化反応生成物(またはエステル交換反応生成物)としてのオリゴマーを重縮合反応槽に移送する。このオリゴマーのエステル化率は任意だが、通常90%以上、好ましくは95%以上であり、また数平均分子量は通常300〜3000、好ましくは500〜1500である。
重縮合反応槽の形態は任意であり、例えば縦型攪拌完全混合槽、縦型熱対流式混合槽、塔型連続反応槽などが挙げられ、またこれらを組み合わせて用いてもよい。中でも、少なくとも1つの重縮合反応槽においては攪拌装置を有することが好ましく、攪拌装置としては上述したエステル化反応層と同様である。
攪拌の形態は、特に制限されず、反応槽中の反応液を反応槽の上部、下部、横部等から直接攪拌する通常の攪拌方法の他、配管などで反応液の一部を反応器の外部に持ち出してラインミキサー等で攪拌し、反応液を循環させる方法も用いてもよく、更には水平方向に回転軸を有する表面更新とセルフクリーニング性に優れた横型の反応器を用いてもよい。
重縮合反応は、チタン触媒と、1族金属触媒及び/又は2族金属触媒との存在下に行う。反応温度は、通常210〜280℃、中でも220〜250℃、特に230〜245℃の範囲で行うことが好ましい。例えば複数の反応槽を用いる場合には、そのうちの少なくとも一つの反応槽の温度を230〜240℃とすることが好ましい。また反応は攪拌条件下にて行うことが好ましい。重縮合反応時間は、通常1〜12時間、好ましくは3〜10時間である。また反応雰囲気の圧力条件は、通常27kPa以下、中でも20kPa以下、特に13kPa以下の減圧状態で行うことが好ましい。例えば複数の反応槽を用いる場合には、生成物の着色や劣化を抑えるため、そのうちの少なくとも一つの反応槽内の圧力を、通常1.3kPa以下、中でも0.5kPa以下、特に0.3kPa以下の高真空下
とすることが好ましい。
重縮合反応により得られたポリマーは、通常、重縮合反応槽の底部からポリマー抜き出しダイに移送されてストランド状に抜き出され、水冷されながら又は水冷後、カッターで切断され、ペレット状、チップ状などの粒状体とされる。
更に、PBTの重縮合反応工程は、一旦、溶融重縮合で比較的分子量の小さい、例えば、固有粘度0.1〜0.9程度のPBTを製造した後、引き続き、PBTの融点以下の温度で固相重縮合(固相重合)させてもよい。
本発明のPBTの固有粘度に制限はないが、は、1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=1/1(重量比)の混合溶媒を用いて、温度30℃で測定した値として、0.70〜3.0であることが好ましく、より好ましくは0.80〜1.5、特に好ましくは0.80〜1.2である。固有粘度が、0.70より小さいと機械的性質が発揮されなく、3.0より大きいと成形加工が困難になる。2種類以上の固有粘度のポリエステル樹
脂を併用してもよい。
(B)臭素化エポキシ化合物
本発明に用いる(B)臭素化エポキシ化合物は下記の構造(I)で表される骨格を有し、臭素含有率が5重量%以上である臭素化エポキシ化合物である。
Figure 2007138018

(上記式中、Xは水素原子または臭素原子を、Yは炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルキリデン基、炭素数3〜10のシクロアルカン基、カルボニル基、−O−、−S−、−SO2−、または直接結合を、nは数平均重合度で2〜100の数値を示
す)
この様な臭素化エポキシ化合物は、従来公知の任意の方法により、合成することが出来る。具体的には例えば、臭素化ビスフェノールAの単独、または必要に応じてビスフェノールAを併用し、これらにエピクロルヒドリンとを縮合させて臭素化ビスフェノールAグリシジルエーテルとし、次いで臭素化ビスフェノールAの単独、またはこれとビスフェノールAとの混合物を触媒の存在下で80〜250℃に加熱して得ることができる。
本発明に用いる(B)臭素化エポキシ化合物の平均重合度nは、適宜選択して決定すればよいが、通常、5〜30であり、中でも6〜20であることが好ましい。また本発明に用いる(B)臭素化エポキシ化合物の臭素化率は適宜選択して決定すればよいが、臭素化率が高い程、難燃性の観点から好ましく、通常、40〜60%である。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物における(B)臭素化エポキシ化合物の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート100重量部に対して3〜50重量部である。(B)臭素化エポキシ化合物の含有量が少なすぎると難燃効果が不十分であり、逆に多すぎても機械的強度が低下し、溶融時の熱安定性が低下しやすい。よって臭素化エポキシ化合物の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート100重量部に対し、好ましくは5〜40重量部、中でも6〜30重量部であることが好ましい。
(C)酸化アンチモン化合物
本発明に用いる(C)アンチモン化合物としては、例えば酸化アンチモンやアンチモン酸塩が挙げられる。具体的には例えば、三酸化アンチモン(Sb)、四酸化アンチモン(Sb)、五酸化アンチモン(Sb)等の、アンチモン酸化物やアンチモン酸ナトリウム等のアンチモン酸塩が挙げられる。中でも、入手のしやすさや等の理由から、三酸化アンチモンが好ましい。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物における(C)アンチモン化合物の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート100重量部に対して1〜30重量部である。(C)アンチモン化合物の含有量が少なすぎると難燃効果が不十分であり、逆に多すぎても機械的強度が低下し、溶融時の熱安定性が低下しやすい。よって(C)アンチモン化合物の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート100重量部に対して、2〜25重量部であることが好ましく、特に3〜20重量部であることが好ましい。
(D)強化充填剤
本発明に用いる(D)強化充填剤は、特に制限はなく、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、ガラス繊維、カーボン繊維(炭素繊維)、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素チタン酸カリウム繊維、金属繊維などの無機繊維、芳香族ポリアミド繊維、フッ素樹脂繊維などの有機繊維;などを挙げることができる。
これらの強化充填剤は、1種を単独で用いても、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、無機系強化充填剤が好適に用いられ、特にガラス繊維を好適に用いることができる。
本発明に用いる(D)強化充填剤が無機繊維又は有機繊維である場合、その平均繊維径に特に制限はないが、1〜100μmであることが好ましく、2〜50μmであることがより好ましく、3〜30μmであることがさらに好ましく、5〜20μmであることが特に好ましい。また、平均繊維長にも特に制限はないが、0.1〜20mmであることが好ましく、1〜10mmであることがより好ましく、更に好ましくは2〜6mmである。
例えばガラス繊維は、長繊維タイプ(ロービング)や短繊維タイプ(チョップドストランド)等から適宜選択して決定すればよく、用いるガラス繊維の繊維径としては通常、6〜15μmである。またガラス繊維は集束剤(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ノボラックエポキシ化合物 等)やカップリング剤(例えば、シラン化合物、アミノシラ
ン化合物、ボロン化合物等)、その他の表面処理剤等で処理されていてもよい。
また本発明に用いる(D)強化充填剤は、ポリブチレンテレフタレートとの界面密着性を向上させるために、収束剤又は表面処理剤で表面処理した強化充填材を用いることが好ましい。収束剤又は表面処理剤としては、例えば、エポキシ系化合物、アクリル系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物などの官能性化合物を挙げることができる。
強化充填材は、収束剤又は表面処理剤によりあらかじめ表面処理しておくことができ、あるいは、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の調製の際に、収束剤又は表面処理剤を添加して表面処理することもできる。強化充填剤の添加量は、ポリブチレンテレフタレート100重量部に対して、0〜150重量部であることが好ましく、中でも剛性、寸法安定性向上の面から、5〜100重量部であることが好ましい。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、強化充填剤ともに他の充填剤を配合することができる。配合する他の充填剤としては、例えば、板状無機充填剤、セラミックビーズ、アスベスト、ワラストナイト、タルク、クレー、マイカ、ゼオライト、カオ
リン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどを挙げることができる。板状無機充填剤を配合することにより、成形品の異方性及びソリを低減することができる。板状無機充填剤しては、例えば、ガラスフレーク、雲母、金属箔などを挙げることができる。これらの中で、ガラスフレークを特に好適に用いることができる。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、(B)臭素化芳香族化合物、(C)アンチモン化合物以外の難燃剤を含有していてもよい。この様な難燃剤としては特に制限はなく、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、フッ素系樹脂、有機塩素系化合物、リン化合物、その他の有機難燃剤、無機難燃剤などを挙げることができる。フッ素系樹脂として、例えばポリテトラフルオロエチレン繊維である。リン化合物としては、例えば、リン酸エステル、ポリリン酸、ポリリン酸アンモニウム、赤リンなどを挙げることができる。その他の有機難燃剤としては、例えば、メラミンシアヌール酸などの窒素化合物などを挙げることができる。その他の無機難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ素化合物、ホウ素化合物などを挙げることができる。
本発明において好ましく使用されるポリテトラフルオロエチレンとしては、フィブリル形成能を有するものが好ましい。すなわち、樹脂中に容易に分散し、且つ重合体同士が結合して繊維状材料を作る傾向を示すものであり、滴下防止剤として機能する。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ3に分類され、例えば、ダイキン化学工業社製ポリフロンFA−500、F−201L、旭硝子社製フルオンCD−123、三井・デュポンフロロケミカル社製テフロン(R)6Jとして商業的に入手できる。
ポリテトラフルオロエチレンを用いる場合、その含有量は通常、(A)ポリブチレンテレフタレート100重量部に対し、0.1〜5重量部である。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンの配合量が0.1重量部未満であると本発明の効果が発揮されず、5重量部を越えると押出性、成形性等の加工性が損なわれる。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンの配合量は、(A)ポリブチレンテレフタレート100重量部に対し、好ましくは0.2〜4重量部であり、より好ましくは0.3〜3重量部である。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、必要に応じて、難燃性樹脂組成物に慣用の添加剤などを配合することができる。配合する添加剤に特に制限はなく、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤などの安定剤、滑剤、離型剤、触媒失活剤、結晶核剤、結晶化促進剤などの添加剤は、重合途中あるいは重合後に添加することができる。また、耐加水分解性をさらに向上させるべくエポキシ化合物、カルボジイミド、オキサゾリンなどを添加できる。さらに、ポリブチレンテレフタレート樹脂に、所望の性能を付与するために、紫外線吸収剤、耐候安定剤などの安定剤、染顔料などの着色剤、帯電防止剤、発泡剤、可塑剤、耐衝撃性改良剤などを含有していてもよい。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、その効果を阻害しない範囲で、他の熱可塑性樹脂を補助的に少量併用してもよい。この様な他の熱可塑性樹脂としては、前述の如き、ハロゲン化エポキシ化合物と共存しても、高温において安定な熱可塑性樹脂であれば、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル酸(又はそのエステル)共重合体、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レン−プロピレン共重合、エポキシ変性ポリオレフィン共重合体、ポリブタジエン、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリハロゲン化ビニル、ブチルゴム、ポリアクリレートを主とする共重合体(多層グラフト共重合体も含む)、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは目的に応じて一種、または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の製造する方法は、特に制限されることはなく、従来公知の任意の方法を使用できる。具体的には例えば、(A)ポリブチレンテレフタレート、(B)臭素化エポキシ化合物、(C)アンチモン化合物、および必要に応じて(D)強化充填剤、他の添加剤を混合し、スクリュー型押出機によって溶融・混練してペレット化する一括ブレンド方法;まず(A)ポリブチレンテレフタレートをスクリュー型押出機によって溶融・混練し、押出機の他の供給口から(D)強化充填材などの他の成分、および必要に応じてその他の添加剤を供給し、溶融・混練して、ペレット化する分割ブレンド方法;一旦組成の異なるペレットを調製し、そのペレットを所定量混合して成形に供し成形後に目的組成の成形品を得る方法;または、成形機に各成分の1又は2以上を直接仕込む方法等、何れも使用できる。
またこの様な混合は、通常用いられる方法、例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、ドラムブレンダー等で行うことができる。溶融混練には従来公知の任意の各種押出機、ブラベンダープラストグラフ、ラボプラストミル、ニーダー、バンバリーミキサー等を用いることができる。溶融混練時の温度は、通常230〜290℃である。また、混練時における各種配合成分の分解を抑制する為には、先述の熱安定剤を用いることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、従来公知の、任意の種々の成形方法、例えば、射出成形、中空成形、押出成形、圧縮成形、カレンダー成形、回転成形等により成形し、例えば電機・電子機器分野、自動車分野、機械分野、医療分野等の成形品とすることができる。中でも、本発明の樹脂組成物の特徴である、高い流動性を利用して、射出成形による成形方法を用いることで、生産性が向上するので産業状有利である。射出成形に当たっては、樹脂温度を240〜280℃にコントロールするのが好ましい。
射出成形の中でも、インサート成形に適応することで、本発明の効果が顕著となるので、解説する。本発明のポリブチレンテレフタレート組成物を用いてインサート成形を行う際には、例えば以下のようにして行えばよい。即ち、まずインサートとしては例えば、金属や金属酸化物等の無機固体部品の他、木製部品やエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂部品等の有機固体部品等を用いることができる。これらインサートは、機械加工等の処理をされているのが一般的である。
次いでこの様なインサートを射出成形金型に挿入する。インサート成形機は、所望のインサート成形品の形状、大きさ等を考慮し、適宜選択して決定すればよいが、縦型成形機や、横型成形機のいずれであってもよい。横型成形機の場合、インサートの固定法として、例えば金型のインサート箇所に減圧穴を開けておき減圧にすることでインサートを吸いつけて落下しないようにして、成形作業してもよい。多数の成形を効率的に済ますには、横型成形機を使ってインサートの固定をロボット等により行うことが好ましい。
具体的な射出成形方法としては例えば、まず金型を開き、インサートを固定してから金型を閉め、本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を射出する。次いで冷却後に金型を開き、インサート成形品を離型する。射出成形による接着を好ましい状態で進めるには、接合面に出来るだけ高温で溶融樹脂組成物が接触させることが好ましい。それ故、金型温度も成形に支障ないレベルで高い方がよい。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物のインサート成形においては、一般的に金型温度を40〜100℃の範囲に設定すればよいが、接着強度向上のためには金型温度を高めにすることが好ましい。またキャビティー形状によっては金型温度を上げると離型困難になって成形が困難となる場合があるので、具体的には例えば70〜120℃とすることが好ましい。また例えば、成形サイクルを短縮する為に低温度の金型温度設定となる場合には、固定前のインサートに接着剤をコーティングしたり、温度を高めるなどして、本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物との反応性を高めてもよい。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によりなんら限定されるものではない。
<実施例及び比較例で用いた原料>
(A)PBTの製造方法(A−1〜A−8)
(A−1)
図1に示すエステル化工程と、図2に示す重縮合工程を用い、以下の方法によりPBTを製造した。先ず、テレフタル酸1.00モルに対して、1,4−ブタンジオール1.80モルの割合で混合した60℃のスラリーを、スラリー調製槽から原料供給ライン1を通じ、予め、エステル化率99%のPBTオリゴマーを充填したスクリュー型攪拌機を有するエステル化のための反応槽Aに、41kg/hとなる様に連続的に供給した。
同時に、再循環ライン2から185℃の精留塔Cの塔底成分(98重量%以上が1,4−ブタンジオール)を20kg/hで供給し、チタン触媒供給ライン3から触媒として65℃のテトラブチルチタネートの6.0重量%1,4−ブタンジオール溶液を99g/hで供給した(理論ポリマー収量に対し30ppm)。
この触媒溶液中の水分は0.2重量%であった。2族金属触媒供給ライン15から触媒として65℃の酢酸マグネシウム・4水塩の6.0重量%1,4−ブタンジオール溶液を62g/hで供給した(理論ポリマー収量に対し15ppm)。この触媒溶液中の水分は10.0重量%であった。
反応槽Aの内温は230℃、圧力は78kPaとし、生成する水とテトラヒドロフラン及び余剰の1,4−ブタンジオールを、留出ライン5から留出させ、精留塔Cで高沸成分と低沸成分とに分離した。系が安定した後の塔底の高沸成分は、98重量%以上が1,4−ブタンジオールであり、精留塔Cの液面が一定になる様に、抜出ライン8を通じてその一部を外部に抜き出した。一方、低沸成分は塔頂よりガスの形態で抜き出し、コンデンサGで凝縮させ、タンクFの液面が一定になる様に、抜出ライン13より外部に抜き出した。
反応槽Aで生成したオリゴマーの一定量は、ポンプBを使用し、抜出ライン4から抜き出し、反応槽A内液の平均滞留時間が2.5hrになる様に液面を制御した。抜出ライン4から抜き出したオリゴマーは、図2に示す第1重縮合反応槽aに連続的に供給した。系が安定した後、反応槽Aの出口で採取したオリゴマーのエステル化率は96.5%であった。
第1重縮合反応槽aの内温は240℃、圧力2.1kPaとし、滞留時間が120分になる様に液面制御を行った。減圧機(図示せず)に接続されたベントラインL2から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、初期重縮合反応を行った。抜き出した反応液は第2重縮合反応槽dに連続的に供給した。
第2重縮合反応槽dの内温は240℃、圧力130Paとし、滞留時間が85分になる様に液面制御を行い、減圧機(図示せず)に接続されたベントラインL4から、水、テト
ラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、更に重縮合反応を進めた。得られたポリマーは、抜出用ギヤポンプeにより抜出ラインL3を経由し、ダイスヘッドgからストランド状に連続的に抜き出し、回転式カッターhでカッティングした。得られたPBTの分析値は表1に記した。
(A−2)
(A−1)において、第2重縮合反応槽dの滞留時間を60分にし、得られたポリマーチップをダブルコニカル型ブレンダー(内容量100リットル)にて195℃、減圧下(0.133kPa以下)、5時間の固相重合処理を実施した。固相重合処理されたポリマーの固有粘度は0.85dL/g、末端カルボキシル基濃度は5.1μeq/gであった。得られたPBTの分析値は表1に記した。
(A−3)
(A−1)において、ポリマー中のチタン及びマグネシウム含有量が表1の通りとなる様にテトラブチルチタネート及び酢酸マグネシウム・4水塩の供給量を調節し、第2重縮合反応槽dでの滞留時間を75分にした以外は、(A−1)と同様に行った。得られたPBTの分析値は表1に記した。
(A−4)
(A−1)において、ポリマー中のチタン及びマグネシウム含有量が表1の通りとなる様にテトラブチルチタネート及び酢酸マグネシウム・4水塩の供給量を調節し、第2重縮合反応槽dの温度を244℃、滞留時間を75分にした以外は、(A−1)と同様に行った。得られたPBTの分析値は表1に記した。
(A−5)
(A−1)において、酢酸マグネシウム・4水塩に代えて酢酸リチウム・2水塩を用い、ポリマー中のチタン及びリチウム含有量が表1の通りとなる様に供給量を調節し、第2重縮合反応槽dの温度を244℃、滞留時間を70分にした以外は、(A−1)と同様に行った。得られたPBTの分析値は表1に記した。
(A−6)
(A−1)において、酢酸マグネシウム・4水塩を用いず、またポリマー中のチタン含有量が表2の通りとなる様にテトラブチルチタネートの供給量を調節し、第2重縮合反応槽dの滞留時間を105分にした以外は、(A−1)と同様に行った。得られたPBTの分析値は表1に記した。
(A−7)
(A−1)において、ポリマー中のチタン及びマグネシウム含有量が表1の通りとなる様にテトラブチルチタネート及び酢酸マグネシウム・4水塩の供給量を調節し、第2重縮合反応槽dの滞留時間を75分にした以外は、(A−1)と同様に行った。得られたPBTの分析値は表1に記した。
(A−8)
(A−1)において、ポリマー中のチタン及びマグネシウム含有量が表1の通りとなる様にテトラブチルチタネート及び酢酸マグネシウム・4水塩の供給量を調節し、第2重縮合反応槽(d)の滞留時間を90分にした以外は、(A−1)と同様に行った。得られたPBTの分析値は表1に記した。
PBT特性の評価法
(1)エステル化率:
下記の計算式によって酸価およびケン化価から算出した。酸価は、ジメチルホルムアミドにオリゴマーを溶解させ、0.1NのKOH/メタノール溶液を使用して滴定により求めた。ケン化価は0.5NのKOH/エタノール溶液でオリゴマーを加水分解し、0.5Nの塩酸で滴定し求めた。
エステル化率=(ケン化価−酸価)/ケン化価)×100
(2)末端カルボキシル基濃度(μeq/g):
ベンジルアルコール25mlにPBT又はオリゴマー0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/Lベンジルアルコール溶液を使用して滴定した(表2にてはCOOHと表記した)。
(3)固有粘度(IV):
ウベローデ型粘度計を使用し次の要領で求めた。すなわち、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃において、濃度1.0g/dlのポリマー溶液および溶媒のみの落下秒数を測定し、下記の式より求めた。
IV=((1+4KHηsp0.5−1)/(2KHC) (2)
(但し、ηsp=η/η0−1であり、ηはポリマー溶液落下秒数、η0は溶媒の落下秒数、Cはポリマー溶液濃度(g/dL)、KHはハギンズの定数であり、0.33とした。
(4)PBT中のチタン、及び1族、2族金属濃度:
電子工業用高純度硫酸及び硝酸でPBTを湿式分解し、高分解能ICP−MS(Inductively Coupled Plasma−Mass Spectromet
er)(サーモクエスト社製)を使用して測定した。
(5)ペレット色調:
日本電色社製色差計(Z−300A型)を使用し、L、a、b表色系におけるb値で評価した。値が低いほど黄ばみが少なく、色調が良好であることを示す。
PBT(A)以外の原材料
(B−1)テトラブロモビスフェノールA−テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル・コポリマー (阪本薬品工業社製、SR−T5000、臭素含有量:52%)(B−2)ポリペンタブロモベンジルアクリレート
(ブロモケム・ファーイースト社製、PBBPA−FR1025、臭素含有量:70%)
(B−3)臭素化ポリスチレン
(マナック社製、プラセフティ1200Z、臭素含有量:68%)
(C)三酸化アンチモン (森六社製)
(D)ガラス繊維 (日本電気硝子社製:T−187 直径13ミクロン、繊維長3mm
<評価方法>
臭素濃度が5.6%になるように各成分を表−2に示す割合で秤量し、ガラス繊維以外は一括混合して、2軸押出機(日本製鋼所社製、型式TEX30C、スクリュー径30mm)を用いてシリンダ設定温度255℃、スクリュー回転数200rpmで、ガラス繊維をサイドフィードして通常通りコンパウンドを実施し、ペレットを得た。表1に示す実施例及び比較例の樹脂組成物について、2軸押出機にてコンパウンドを実施した。尚、実施例6では比較例1の組成にステアリン酸マグネシウムを608ppm(金属マグネシウムとして25ppm)添加したものを同様にコンパウンドした。
得られたペレットに対して住友重機社製射出成型機(型式SG-75SYCAP−MII
I)を使用して、シリンダ温度250℃、金型温度80℃の条件で、下記の機械的物性測定用ISO試験片を成形し、下記の試験方法により性能評価を行った。また耐ヒートショック試験を後述する方法にて実施した。結果を表2に示した。
難燃性試験
UL94試験法に従い難燃性の試験をした。サンプル厚み1/32インチ、燃焼時間はサンプル5本で実施した。
機械的強度試験
引張試験:ISO527に準拠して測定。強度および伸びの単位は、各々、MPa、%である。
曲げ試験:ISO178に準拠して測定。強度および弾性率の単位はMPaである。
耐加水分解性試験
ISO527に準拠してPBTの引張試験を行う。同じ試験片を、純水を張った圧力容器に直接水に触れない様に入れ、密閉した後、121℃、飽和水蒸気中、203kPaで、100時間湿熱処理し、処理前後の引張強度を測定し、次式に従い、強度保持率を求めた。強度保持率が大きいほど耐加水分解性が良好なことを示す。
強度保持率(%)=(処理後の引張強度/処理前の引張強度)×100
ヒートショック試験
日精TH60R5VSE縦型射出成形機を用いて、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で、図3に示す直方体形状の鉄のインサート物(16mm×33mm×3mm)を、図4に示すように金型内に仕込み、インサート成形により、図5に示すインサート成型品(18mm×35mm×5mm)を作製した。このインサート成型品の樹脂部の肉厚は1mmである。インサート成型品には支持ピン跡に2つのウェルドラインが発生する。このインサート成型品を用いて入江製作所製DTS−30型ヒートショック試験を行った。ヒートショック試験の条件は、−40℃で30分、130℃で30分のヒートショック試験にかけ100、200、300および400サイクル後、5個の成型品の計10ヶ所のウェルドラインにおける割れの発生した数を求めた。
滞留熱安定性試験
得られたペレットを280℃に保持したキャピログラフ(東洋精機社製)に入れ、所定時間5分と20分の保持後、せん断速度91.2/secで粘度を測定し、次式により粘度変化率を測定した。変化率が100に近いほど滞留熱安定性が良好なことを示している。なおオリフィスは穴直径1mmで30mm長のオリフィスを使用した。
粘度変化率(%)=(20分後の粘度)/(5分後の粘度)×100
Figure 2007138018
Figure 2007138018
表2に記した実施例(1〜6)と比較例(1〜3)とを比較すると、何れの実施例も、耐加水分解性、耐ヒートショック性、滞留熱安定性の全てが良好な結果となった。TiまたはMgの含有量が本発明の範囲外である比較例は、耐加水分解性、耐ヒートショック性、滞留熱安定性のいずれかが低下し、バランスの良くない樹脂であることが明白である。
また実施例1と比較例4〜5を比較すると、エポキシ基を有していない難燃剤を使用した比較例は、耐加水分解性、耐ヒートショック性、滞留熱安定性のいずれもが、実施例1より低下していることが明白である。
これらの結果から、本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品は、機械的物性、耐加水分解性と耐ヒートショック性、滞留熱安定性に優れているので、高湿度雰囲気下また温度の高低温の変化に対しても割れの発生が少なく、射出成形時の流動性が安定し、高い品質要求に応えることが可能になり、エンジン部品等の自動車においても有用であることが判る。
そして電機・電子機器分野、自動車分野、機械分野等、多分野において幅広く、好適に使用出来ることが期待される。
(A)PBT製造における、エステル化(又はエステル交換)反応工程の一例の説明図 (A)PBT製造における、重縮合工程の一例の説明図 実施例で用いた、直方体形状のインサート鉄片の模式図。 インサート物を支持ピンで支えられた金型キャビティーの断面概略図。 支持ピン跡に2つのウェルドラインが発生しているインサート成型品の模式図。
符号の説明
1 :原料供給ライン
2 :再循環ライン
3 :チタン触媒供給ライン
4 :抜出ライン
5 :留出ライン
6 :抜出ライン
7 :循環ライン
8 :抜出ライン
9 :ガス抜出ライン
10 :凝縮液ライン
11 :抜出ライン
12 :循環ライン
13 :抜出ライン
14 :ベントライン
15 :2A族金属触媒供給ライン
A :反応槽
B :抜出ポンプ
C :精留塔
D :ポンプ
E :ポンプ
F :タンク
G :コンデンサ
L1 :抜出ライン
L2 :ベントライン
L3 :抜出ライン
L4 :ベントライン
a :第1重縮合反応槽
c :抜出用ギヤポンプ
d :第2重縮合反応槽
e :抜出用ギヤポンプ
g :ダイスヘッド
1’ :インサート鉄片
2’ :インサート物
3’ :支持ピン
4’ :キャビティー
5’ :支持ピン跡
6’ :ウェルドライン

Claims (5)

  1. (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して、(B)臭素化エポキシ化合物3〜50重量部、(C)酸化アンチモン化合物1〜30重量部、及び(D)強化充填剤0〜150重量部を含有し、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂が(a)チタン化合物と、(b)1族金属化合物及び/または2族金属化合物を含有し、(a)チタン化合物の含有量が、チタン原子換算で10ppm以上80ppm以下であり、(b)1族金属化合物及び/または2族金属化合物の含有量が、その金属原子換算で1ppm以上50ppm以下であるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  2. (a)チタン化合物と、(b)1族金属化合物及び/または2族金属化合物とが、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂を製造する為の重縮合触媒であることを特徴とする請求項1記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  3. (b)1族金属化合物または2族金属化合物が、マグネシウム化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を成形してなる、ポリブチレンテレフタレート樹脂成形品。
  5. インサート成形方法により成形されたものであることを特徴とする請求項4記載のポリブチレンテレフタレート樹脂成形品。
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