JPH0834907A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
内燃機関用点火装置Info
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- JPH0834907A JPH0834907A JP6192136A JP19213694A JPH0834907A JP H0834907 A JPH0834907 A JP H0834907A JP 6192136 A JP6192136 A JP 6192136A JP 19213694 A JP19213694 A JP 19213694A JP H0834907 A JPH0834907 A JP H0834907A
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Abstract
樹脂部品よりなる内燃機関用点火装置を提供すること。 【構成】 内燃機関用点火装置に用いる合成樹脂部品に
おいて,該合成樹脂部品は,(A)芳香族ポリエステル
系樹脂100部(重量部,以下同じ)と,(B)芳香族
アルケニル化合物及びジエン系単量体より誘導されるブ
ロック共重合体3〜150部と,(C)エポキシ基もし
くはオキサゾリニル基含有オレフィン系重合体3〜12
0部と,(D)難燃剤8〜130部とよりなる樹脂組成
物により作成されている。上記点火装置は,例えば,点
火コイル1であって,上記合成樹脂部品は,コイルケー
ス11である。
Description
点火コイル等の内燃機関用点火装置に関する。
ダ内混合気を点火するための装置であって,該装置は一
般的には,点火コイル,ディストリビューター,ハイテ
ンションコード,スパークプラグ及びこれらに加えられ
る電圧,電流の制御部等からなる。特に,上記点火コイ
ルはスパークプラグで放電を行うための高電圧を発生さ
せる部品であるため,電気絶縁性等に優れていることが
要求される。
スは,コア等の金属インサート,圧入に起因するクラッ
ク,他の部品との線膨張差による熱応力に起因するクラ
ック防止等を目的として,次の樹脂により作製すること
が提案されている。即ち,この樹脂は,ポリエステル系
樹脂にゴム質ブロック共重合体等を配合し,耐衝撃性に
ついて改良した材料である(特公昭58−47419
号)。
して,上記点火コイルケースの材料に難燃性を付与する
ことが求められている。ところが,上述の材料に対して
難燃剤を添加し,難燃性材料とした場合には,耐衝撃強
度,破断伸び等が添加前より低下し,機械的特性に劣っ
た材料となってしまう。
イルケースを構成する場合には,機械的特性,耐衝撃性
を補うためにケースの肉厚を増加する,コア等のインサ
ート,圧入を極力廃止する等の構造変更を余儀なくされ
る。よって,点火コイル自身が大型化し,また形状の自
由度が減少する等の問題点が発生する。
50044号に示される耐衝撃性に優れたポリエステル
系材料により作製することも可能である。しかし,上記
材料についても,耐衝撃性はともかく,難燃性に関して
十分な性能を有しているとはいい難い。
性に優れ,かつ難燃性に優れた合成樹脂部品よりなる内
燃機関用点火装置を提供しようとするものである。
いる合成樹脂部品において,該合成樹脂部品は,(A)
芳香族ポリエステル系樹脂100部(重量部,以下同
じ)と,(B)芳香族アルケニル化合物及びジエン系単
量体より誘導されるブロック共重合体3〜150部と,
(C)エポキシ基もしくはオキサゾリニル基含有オレフ
ィン系重合体3〜120部と,(D)難燃剤8〜130
部とよりなる樹脂組成物により作製されていることを特
徴とする内燃機関用点火装置にある。
て説明する。上記(A)成分である芳香族ポリエステル
系樹脂とは,芳香環を重合体の連鎖単位に有するポリエ
ステルで,芳香族ジカルボン酸及びジオール(あるいは
そのエステル形成性誘導体)とを主成分とする重縮合反
応により得られる重合体もしくは共重合体である。
タル酸,イソフタル酸,オルトフタル酸,1,5−ナフ
タレンジカルボン酸,ナフタレン−2,5−ジカルボン
酸,ナフタレン−2,6−ジカルボン酸,ビフェニル
2,2′−ジカルボン酸,ビフェニル3,3′−ジカル
ボン酸,ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸,ジフェ
ニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸,ジフェニルメ
タン−4,4′−ジカルボン酸,ジフェニルスルフォン
−4,4′−ジカルボン酸,ジフェニルイソプロピリデ
ン−4,4′−ジカルボン酸,1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4′−ジカルボン酸,アントラセン−
2,5−ジカルボン酸,アントラセン−2,6−ジカル
ボン酸,P−ターフェニレン−4,4′−ジカルボン
酸,ピリジン−2,5−ジカルボン酸等が挙げられる。
そして,上記芳香族ジカルボン酸の中では,テレフタル
酸が最も好ましい。
合して使用しても良い。なお,少量であれば,上記芳香
族ジカルボン酸と共に,アジビン酸,アゼライン酸,ド
デカンジオン酸,セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸,
シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を
一種以上混合することができる。
ール,脂環式ジオール及び両者の混合物等が挙げられ
る。上記脂肪族ジオールとしては,エチレングリコー
ル,プロピレングリコール,ブチレングリコール,ヘキ
シレングリコール,ネオペンチルグリコール,2−メチ
ルプロパン−1,3−ジオール,ジエチレングリコー
ル,トリエチレングリコールが挙げられる。上記脂環式
ジオールとしては,シクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ールが挙げられる。
000の長鎖ジオールを一種以上共重合させてもよい。
上記長鎖ジオールとしては,ポリエチレングリコール,
ポリ−1,3−プロピレングリコール,ポリテトラメチ
レングリコールが挙げられる。
応させて得られる芳香族ポリエステル樹脂を以下に挙げ
る。即ち,上記芳香族ポリエステル系樹脂の重合体とし
ては,ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリプ
ロピレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート
(PBT),ポリエチレンナフタレート,ポリブチレン
ナフタレート,ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート,ポリシク
ロヘキサンジメタノールテレフタレート等を挙げること
ができる。
重合体としては,ポリエチレンイソフタレート/テレフ
タレート,ポリブチレンテレフタレート/イソフタレー
ト,ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシ
レート等を挙げることができる。上記重合体及び共重合
体の中で,(A)成分として好ましいのは,ポリエチレ
ンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートであ
り,特に好ましいのは,ポリブチレンテレフタレートで
ある。
ニル化合物及びジエン系単量体より誘導されるブロック
共重合体は,以下の(a)及び(b)に示す型のもので
ある。 (a) ABA型もしくはABA′型共重合体またはこ
れらの組合せ (b) AB型ダイブロック共重合体。
化合物,例えばスチレン,α−メチルスチレン,ビニル
キシレン,ビニルナフタレン等のコモノマーまたはこれ
らの混合物から誘導されるブロックである。また,B
は,ジエン系単量体,例えばブタジエン,クロロブタジ
エン,イソプレン,1,3−ペンタジエン,2,3−ジ
メチルブタジエン等のコモノマーまたはこれらの混合物
から誘導されるブロックである。
しくはABA′型共重合体は,互いに直接結合した3つ
のブロックよりなるか,ブロックが構成される芳香族ア
ルケニル化合物とジエン系単量体とのランダム共重合体
を介して互いに結合したいわゆる「テーパー」型ブロッ
ク共重合体か,または芳香族アルケニル化合物とジエン
系単量体とのラジアルテレブロック型共重合体である。
ブロック共重合体は,互いに直接結合した2つのブロッ
クよりなるか,または,ブロックが構成される芳香族ア
ルケニル化合物とジエン系単量体とのランダム共重合体
を介して互いに結合したテーパー型ダイブロック共重合
体である。
しい具体例としては,スチレン−エチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体,スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体,スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体等を挙げることができる。ま
た,上記(b)成分のブロック共重合体の好ましい具体
例としては,スチレン−エチレン−プロピレンブロック
共重合体,スチレン−ブタジエンブロック共重合体等を
挙げることができる。
重合体において,ジエン系単量体より誘導されるブロッ
クは,水素化されていても良い。また,上記ブロック共
重合体は,ポリエステルとの相溶性(界面密着性)を高
めるために,例えば酸化合物等で変性されていても良
い。
しくはオキサゾリニル基含有オレフィン系重合体は,エ
ポキシ基もしくはオキソザリニル基含有不飽和単量体と
オレフィン系単量体が共重合したものである。上記エポ
キシ基もしくはオキサゾリニル基含有不飽和単量体とし
ては,次のものが挙げられる。好ましい上記エポキシ基
含有不飽和単量体としては,グリシジルメタクリレー
ト,グリシジルアクリレート,ビニルグリシジルエーテ
ル,ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシ
ジルエーテル,ポリアルキレングリコール(メタ)アク
リレートのグリシジルエーテル,グリシジルイタコネー
ト等が挙げられる。
和単量体を,以下の(化1)式に示す。同式におけるZ
は,重合可能な二重結合を含有する置換基である。
(化8)式に示す置換基が好ましい。上記(化2)式〜
(化8)式において,Rは水素原子,1〜6個の炭素原
子を有するアルキル基,アルコキシ基である。上記アル
キル基としては,例えばメチル基,i−及びn−プロピ
ル基,ブチル基がある。
るオキサゾニル基含有不飽和単量体の中で,最も好まし
いのは,以下の(化9)式に示すビニルオキサゾリンで
ある。同式のRは,前述の(化2)式〜(化8)式と同
様,水素原子,1〜6個の炭素原子を有するアルキル
基,アルコキシ基であり,最も好ましくは水素原子,メ
チル基である。
含有不飽和単量体と共重合可能なオレフィン系単量体と
しては,エチレン,プロピレン,1−ブチン,1−ペン
テン,4−メチル−1−ペンテン,1−ヘキセン,1−
オクテン,1−デセン,1−テトラデセン,1−ヘキサ
デセン,1−オクタデセン,1−エイコセン等のα−オ
レフィンが挙げられる。
ン成分,不飽和カルボン酸及びその誘導体,スチレン等
の芳香族ビニル単量体,アクリロニトリル等のシアン化
ビニル系単量体が共重合されていてもかまわない。上記
ジエン成分としては,ブタジエン,イソプレン,1,4
−ヘキサジエン,5−エチリデン−2−ノルボルネン,
5−ビニル−2−ノルボルネン等が挙げられる。
体としては,酢酸ビニル,アクリル酸(塩),メタクリ
ル酸(塩),アクリル酸エステル,メタクリル酸エステ
ル,(無水)マレイン酸,マレイン酸エステル,2−ノ
ルボルネン−5,6−ジカルボン酸(無水物)が挙げら
れる。また,上記(C)成分であるオレフィン系重合体
が,エポキシ基とオキサゾリニル基の両者を有すること
もできる。
ては,臭素系難燃剤であることが好ましい。上記臭素系
難燃剤としては,臭素化エポキシ,臭素化ポリカーボネ
ート,臭素化ビスフェノール,臭素化ジフェニルエーテ
ル等が挙げられる。上記臭素系難燃剤は,少量の添加で
難燃効果を発揮するという利点がある。
と共に無機系難燃剤を用いることも好ましい。上記無機
系難燃剤としては,三酸化アンチモン,水酸化アルミニ
ウム,水酸化マグネシウムが等が挙げられる。これらの
無機系難燃剤には,上述の臭素系難燃剤の効果を増すと
いう利点がある。
に対して無機系難燃剤を20〜100部加えることが好
ましい。また,臭素系難燃剤として,臭素化エポキシ,
臭素化ポリカーボネートを用いる場合には,無機系難燃
剤として,三酸化アンチモンを加える。
分〜(D)成分の含有量について説明する。まず,
(A)成分である芳香族ポリエステル系樹脂100部
(重量部)に対して,(B)成分のブロック共重合体は
3〜150部であることが好ましい。上記(B)成分
が,3部よりも少ない場合には,樹脂組成物の耐衝撃性
が低下するおそれがある。一方,150部よりも多い場
合には,樹脂組成物の機械的特性が著しく低下するおそ
れがある。なお,(B)成分の含有量の上限は,好まし
くは70部とする。
(C)成分のオレフィン系重合体は3〜120部である
ことが好ましい。上記(C)成分が,3部よりも少ない
場合には,樹脂組成物の耐衝撃性が低下するおそれがあ
る。一方,120部よりも多い場合には,樹脂組成物の
機械的特性が著しく低下するおそれがある。なお,
(B)成分の含有量の上限は,好ましくは70部とす
る。また,上記(A)成分100部に対して,(B)成
分,(C)成分共に3〜70部であることも好ましい。
この場合には,耐衝撃性,機械的特性のバランスがよく
なるという利点がある。
(D)成分の難燃剤は8〜130部であることが好まし
い。上記(D)成分が,8部より少ない場合には,樹脂
組成物の難燃性が発揮されないおそれがある。一方,1
30部より多い場合には,耐衝撃性,機械的特性が著し
く低下するという問題が生じる。
囲とし,例えば30部としてもよい。この難燃剤の混入
量としては,上述のとおり8〜130部でよいが,難燃
性と耐衝撃性等の機械的特性とのトレードオフから,2
0〜50部程度の範囲が特に望ましい。即ち,難燃性を
重視したものが例えば49部であり,耐衝撃性を重視し
たものが30部である。そして,両方とも内燃機関用点
火装置における合成樹脂部品として必要とされる難燃性
と耐衝撃性とは満足している。
損なわない程度に,上述の(A)成分〜(D)成分以外
の物質を添加することも可能である。上記添加物質の例
としては,顔料及び染料,補強剤であるガラス繊維,炭
素繊維等,充填剤であるカーボンブラック,ミネラル
等,耐熱剤,酸化防止剤,流動性改良剤,帯電防止剤が
挙げられる。
について,例示説明する。即ち,上記点火装置は自動車
エンジンにおける点火コイルであって,該点火コイルに
おける合成樹脂部品は,コイルケースである。なお,上
記コイルケースには,種々の形態が存在するが,例えば
ハイテンションコードを接続する高圧タワーを一体的に
有するものがある。更に,その内部に,圧入された中心
コア及び外周コアを有するものがある(図1)。また,
これ以外にも,高圧タワーが別体となったコイルケース
もある。
ており,機械的特性,耐衝撃性が大きく向上している。
また,上記各種成分には,難燃剤も含まれている。この
ため,上記樹脂組成物による点火コイルは,難燃性を有
しながら,点火コイルに必要な機械的特性,耐衝撃性の
条件を満たしている。よって,上記のごとく,その内部
に部品を圧入することも可能で,点火コイルを小型化す
ることが容易で,形状の自由度も高い。
タ,コイルボビン,またコイルケースと別体となった高
圧タワー等を上記合成樹脂部品により作製することもで
きる。更に,上記点火装置としては,点火コイル以外に
も,ディストリビュータ,ハイテンションコード等が挙
げられ,これらの合成樹脂部品を,上記樹脂成分により
作製することもできる。
て,該点火装置の合成樹脂部品は,上記の所定量の上記
(A)成分〜(D)成分の樹脂組成物により作製されて
いる。
(D)成分を含有しているため,難燃性に優れている。
また,(B)成分,(C)成分を含有しているので,機
械的特性,耐衝撃性が大きく向上する。このため,難燃
剤の添加から生じる強度低下が補われ,難燃性と機械的
特性とを同時に満たすことができる組成物となる。
樹脂部品は肉厚を薄くすることが可能で,インサートの
圧入を容易に行うことができる。よって,上記合成樹脂
部品を用いた点火装置は,小型化が容易で,形状の自由
度が大きい。従って,従来の難燃性材料による合成樹脂
部品を使用する場合に見られるような,点火装置の仕様
変更を伴うことなく,難燃性に優れた点火装置を製造す
ることができる。
れ,かつ難燃性に優れた合成樹脂部品よりなる内燃機関
用点火装置を提供することができる。
いて説明する。本例の点火装置は,自動車エンジンに用
いる,高圧タワー一体式の点火コイルである。図1及び
図2に示すごとく,本例の点火コイル1は,コイルケー
ス11と,コイルケース11の下方に設けられたコイル
ブーツ19とよりなり,上記コイルケース11は,ハイ
テンションコード8を接続するための高圧タワー12を
一体的に有している。
された中心コア116及び外周コア117を有する。上
記中心コア116の周囲には,コイルボビン113及び
114に巻回された一次コイル111及び二次コイル1
12が配置されている。なお,符号115はコネクタ,
符号128は絶縁用封入樹脂である。また,図2は図1
に示した点火コイルの斜視図であって,上記コイルケー
ス11の外側面にはコイル取り付け用の金属インサート
18が設けられている。また,図1は図2のA−A矢視
断面図である。
イテンションコード8を取り付けるための電極120が
設けられており,該電極120は金属製ターミナルピン
129及び接続プレート127を介して,上記コイルケ
ース11内の二次コイル112に接続されている。な
お,上記ハイテンションコード8のコード80は,他の
気筒のスパークプラグへと伸びている。
エンジン点火用のプラグ99と接続するためのスプリン
グ193が設けられ,該スプリング193は導電用金属
パイプ192,金属製ターミナルピン191及び接続プ
レート198を介して,上記コイルケース11内の二次
コイル112に接続されている。
るシリンダヘッド9内のプラグホール90内に挿入され
ており,上記プラグの先端99はエンジンの燃焼室91
に突出配置されている。
ルケース11,高圧タワー12,コイルブーツ19,コ
イルボビン113,114,コネクタ115は本発明に
かかる合成樹脂部品である。そして,上記合成樹脂部品
は,全て以下の(A)成分〜(D)成分よりなる樹脂組
成物より作製されている。
の,ポリブチレンテレフタレート100部(重量部,以
下同じ)。 (B)芳香族アルケニル化合物及びジエン系単量体より
誘導されるブロック共重合体としての,スチレン・エチ
レン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体12部。
基含有オレフィン系重合体としての,グリシジルメタア
クリレート変性ポリエチレン10部。 (D)無機系難燃剤としての三酸化アンチモンを併用し
た臭素系難燃剤としての臭素化エポキシ30部。 更に,上記(A)成分〜(D)成分以外にも,上記樹脂
組成物は,補強材であるガラス繊維を73部含有してい
る。
る。本例の点火コイル1におけるコイルケース11は,
上述の(A)〜(D)成分よりなる樹脂組成物より作製
されている。それ故,上記樹脂組成物は,難燃性に優れ
ている。また,機械的特性が大きく向上する。このた
め,難燃剤の添加から生じる強度低下が補われ,難燃性
と機械的特性とを同時に満たすことができる組成物とな
る。よって,上記樹脂組成物から作製した合成樹脂部品
は強度が高く,肉厚を薄くすることが可能で,インサー
トの圧入を容易に行うことができる。
中心コア,外周コアの圧入に伴って,クラック等が生じ
るおそれもない。また,コイルケースの肉厚も薄くする
ことできる。従って,本例の点火コイルは,難燃性に優
れ,その上,従来の点火コイルと形状,大きさが変わら
ない。
れ,かつ難燃性に優れた合成樹脂部品よりなる内燃機関
用点火装置を提供することができる。
脂組成物について,表1及び表2を用いて,本発明にか
かる試料の性能につき,比較例と共に説明する。まず,
試料1及び2,比較例C1〜C4の樹脂組成物の成分を
表1に示す。同表において,PBTとはポリブチレンテ
レフタレートであって,前述した(A)成分の芳香族ポ
リエステル系樹脂である。
体は,前者がスチレン・エチレン・ブタジエン・スチレ
ンブロック共重合体,後者が無水マレイン酸変性スチレ
ン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体
であって,前述した(B)成分のブロック共重合体であ
る。
グリシジルメタアクリレート変性ポリエチレン,後者が
グリシジルメタアクリレート変性エチレン・エチルアク
リレート共重合体であって,前述した(C)成分のオレ
フィン系重合体である。また,臭素系難燃剤は,無機系
難燃剤として三酸化アンチモンを併用した,臭素化エポ
キシであって,前述した(D)成分の難燃剤である。ま
た,上記試料及び比較例には,補強材であるガラス繊維
を添加してある。
について説明する。上記含有量はすべてPBT100重
量部に対する分量である。試料1はPBT100重量部
に対し,ブロック共重合体12重量部,変性PE10重
量部,臭素系難燃剤49重量部,ガラス繊維73重量部
よりなる。以下,試料2及び比較例C1〜C4も同様で
ある。ただし,比較例C1,C2,C4は臭素系難燃剤
を含有していない。
いて説明する。まず,上記(A)〜(D)の全各成分を
リボンミキサーにて予備混合し,予備混合物を作製す
る。上記予備混合物を押出機にて,260℃で押出し,
ペレット化する。得られたペレットを120℃で4時間
乾燥後,255℃で射出成形を行い,各試料及び比較例
とする。
性であるアイゾット衝撃強度,機械的特性である引張強
度,高電圧絶縁寿命を測定することにより行う。また,
上記測定の結果を表2に示す。上記アイゾット衝撃強度
は,ASTM D256,上記引張強度は,ASTMD
638により測定した。
同様の点火コイルに,試料1,2及び比較例C1〜C4
よりなるコイルケースを装着し,該点火コイルに対し点
火コイル高電圧耐久試験を行うことにより測定する。そ
して,上記耐久試験では,コイルケースの高圧タワーに
おける貫通リークの寿命により判定をした。なお,上記
寿命について,表2に,充分長時間の絶縁性能を保持し
たものについては○を,短時間しか絶縁性能を保持し得
なかったものについては×を記した。また,両者の中間
のものについては△を記した。
て説明する。まず,通常コイルケースにおいて必要とさ
れるアイゾット衝撃強度は,好ましくは10kgcm/cm以
上である。表2に示すごとく,これを満足するのは,試
料1及び2,比較例C1及びC2である。また,最もア
イゾット衝撃強度に優れているのは,比較例C2であ
る。そして,試料1及び2は,難燃剤を含有し,かつコ
イルケースに必要とされる,アイゾット衝撃強度の値を
満たしている。
を含有しておらず,点火コイルに必要とされる難燃性と
いう性質を満たしているとは言えない。また,比較例3
は難燃剤を含有しているが,アイゾット衝撃強度の値が
低く,コイルケースには適さない。比較例C4は難燃剤
を含有しておらず,またアイゾット衝撃強度も低いた
め,コイルケースには適さない。よって,アイゾット衝
撃強度に関して,本発明の試料は比較例よりも優れてい
る。
張強度は好ましくは1100kg/cm2 以上である。表2
に示すごとく,これを満足するのは,試料1及び2,比
較例C1である。また,最も引張強度に優れているの
は,試料1である。試料1及び2は,難燃剤を含有し,
かつコイルケースに必要とされる,引張強度の値を満た
している。
を含有しておらず,点火コイルに必要とされる性質を満
たしているとは言えない。比較例C3は難燃剤を含有し
ているが,引張強度の値が低く,コイルケースには適さ
ない。比較例C4は臭素系難燃剤を含有しておらず,ま
た引張強度も低いため,コイルケースには適さない。よ
って,引張強度に関しても,本発明の試料は比較例より
も優れている。
較例C1及びC2が優れており,比較例C3は短く,比
較例C4は両者の中間である。よって,本発明にかかる
試料1及び2は,機械的特性において優れているばかり
でなく,電気絶縁性である絶縁寿命についても優れてい
る。以上より,本例の試料1及び2の樹脂組成物及びこ
れより作製したコイルケースは難燃性を有し,また機械
的特性に優れ,更には電気絶縁性にも優れている。
料1及び2では,難燃剤を49部混入したが,これを2
8〜32部程度の低い範囲とし,例えば実施例1のごと
く30部としてもよい。この難燃剤の混入量としては,
前述のとおり8〜130部でよいが,難燃性と耐衝撃性
等の機械的特性とのトレードオフから,20〜50部程
度の範囲が特に望ましい。よって,難燃性を重視したも
のが49部であり,耐衝撃性を重視したものが30部で
ある。そして,両方とも点火コイルケースとして必要と
される難燃性と耐衝撃性とは満足している。
の,高圧タワー一体型の点火コイル2である。同図に示
すごとく,上記点火コイル2は,高圧タワー22と一体
となったコイルケース21よりなり,上記コイルケース
21の側面にはコネクタ215が設けられ,コイルケー
ス21の下方には,圧入されたコア28が設けられい
る。
例1と同様に,一次コイル,二次コイル及びこれらのコ
イルボビン等が設けられている。なお,符号280は点
火コイル設置用の止め具である。そして,上記コイルケ
ース21は実施例1と同様の樹脂組成物からなる合成樹
脂部品である。その他は,実施例1と同様であり,実施
例1と同様の効果が得られる。
タワー別体型の点火コイル3である。同図に示すごと
く,上記点火コイル3は,高圧タワー32と別体となっ
たコイルケース31よりなり,上記コイルケース31の
上部にはコネクタ315が設けられている。また,コイ
ルケース31の内部には,実施例1と同様に,一次コイ
ル,二次コイル及びこれらのコイルボビン等が設けられ
ている。なお,符号38は金属インサートである。そし
て,上記コイルケース31は実施例1と同様の樹脂組成
物からなる合成樹脂部品である。その他は,実施例1と
同様であり,同様の効果が得られる。
ルの断面図。
ルの斜視図。
ルの斜視図。
ルの斜視図。
Claims (6)
- 【請求項1】 内燃機関用点火装置に用いる合成樹脂部
品において,該合成樹脂部品は,(A)芳香族ポリエス
テル系樹脂100部(重量部,以下同じ)と,(B)芳
香族アルケニル化合物及びジエン系単量体より誘導され
るブロック共重合体3〜150部と,(C)エポキシ基
もしくはオキサゾリニル基含有オレフィン系重合体3〜
120部と,(D)難燃剤8〜130部とよりなる樹脂
組成物により作製されていることを特徴とする内燃機関
用点火装置。 - 【請求項2】 請求項1において,上記点火装置は点火
コイルであって,上記合成樹脂部品は,コイルケースで
あることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 【請求項3】 請求項2において,上記コイルケース
は,ハイテンションコードを接続する高圧タワーを一体
的に有することを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 【請求項4】 請求項2または3のいずれか一項におい
て,上記コイルケースは圧入またはインサートされた中
心コア及び外周コアを有することを特徴とする内燃機関
用点火装置。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
上記難燃剤は,臭素系難燃剤であることを特徴とする内
燃機関用点火装置。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか一項において,
上記難燃剤は,臭素系難燃剤及び無機系難燃剤であるこ
とを特徴とする内燃機関用点火装置。
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---|---|---|---|
JP19213694A JP3430652B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | 内燃機関用点火装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19213694A JP3430652B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | 内燃機関用点火装置 |
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---|---|
JPH0834907A true JPH0834907A (ja) | 1996-02-06 |
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ID=16286289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19213694A Expired - Lifetime JP3430652B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | 内燃機関用点火装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3430652B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006278673A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Hanshin Electric Co Ltd | 内燃機関用点火コイル |
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JP2007138018A (ja) * | 2005-11-18 | 2007-06-07 | Mitsubishi Chemicals Corp | 難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 |
JP2008166365A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Denso Corp | 点火コイル用の絶縁部材 |
JP2008187025A (ja) * | 2007-01-30 | 2008-08-14 | Diamond Electric Mfg Co Ltd | 内燃機関用点火コイル |
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JP2008239656A (ja) * | 2007-03-26 | 2008-10-09 | Hitachi Cable Ltd | 高耐熱性樹脂組成物及びそれを用いた高耐熱絶縁電線 |
JP2016058225A (ja) * | 2014-09-09 | 2016-04-21 | 日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ |
-
1994
- 1994-07-22 JP JP19213694A patent/JP3430652B2/ja not_active Expired - Lifetime
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