JPH0741651A - ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物並びにリレー、スイッチ、コネクターおよびセンサー - Google Patents

ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物並びにリレー、スイッチ、コネクターおよびセンサー

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JPH0741651A
JPH0741651A JP28918393A JP28918393A JPH0741651A JP H0741651 A JPH0741651 A JP H0741651A JP 28918393 A JP28918393 A JP 28918393A JP 28918393 A JP28918393 A JP 28918393A JP H0741651 A JPH0741651 A JP H0741651A
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weight
composition
flame retardant
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molecular weight
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JP28918393A
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Inventor
Yutaka Takenaka
豊 竹中
Tetsuo Hayase
哲生 早瀬
Shiyuunaiku Gaburieru
ガブリエル・シューナイク
Shingo Shimada
真吾 島田
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融時における流動性が高く、熱安定性に優
れ、アウトガスの少ないポリブチレンテレフタレート樹
脂組成物、並びにその組成物より構成される接点の接触
不良を生じないリレー、スイッチ、コネクターおよびセ
ンサーを提供する。 【構成】 組成物は、(A)重量平均分子量が27,00
0〜35,000で重量平均分子量/数平均分子量が1.
20〜1.50のポリブチレンテレフタレート樹脂、
(B)両末端にエポキシ基を有しエポキシ当量が1,00
0〜50,000の臭素化エポキシ樹脂よりなる難燃
剤、(C)難燃助剤、および(D)ガラス繊維よりなり、そ
の組成物を用い射出成形によってリレー、スイッチ、コ
ネクター、またはセンサーを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリブチレンテレフタレ
ート樹脂組成物並びに該組成物より構成されるリレー、
スイッチ、コネクターおよびセンサーに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレート(以下、P
BTと略す)樹脂は機械的特性、熱的特性、電気的特性
および化学的特性のバランスが良く各種の電気機器に幅
広く利用されている。電気機器のうち、微少負荷領域で
使用されるリレー、スイッチ、コネクター、センサー等
には特に高い信頼性が要求されるが、近年、接点部の接
触不良を起こすアウトガスの問題が指摘されている。成
形時および/または成形後にPBTおよび/または添加
剤が熱分解して生じたガス(アウトガス)が接点表面と直
接反応してブラウンパウダーを生成したり、接点表面と
アースを介して反応してブラックパウダーを生成し、接
触不良の原因となるものである。PBTおよび/または
添加物が熱分解して生じるガスはまた成形時においては
高温の金型と直接反応して金型腐食の原因ともなる。こ
の問題に対する対策として、成形部品から出るアウトガ
スが接点に及ぼす影響を除くために、真空ベーキングに
よる脱ガス処理を行った成形部品を使用してきた。しか
しながら、この方法では生産性が低くコストアップにつ
ながるという問題があった。さらに真空ベーキングを過
剰に行うと、接点が粘着するいわゆるスティッキングの
現象が経時的に発生することもある。これらの問題を解
決するためにはアウトガスの発生のない成形材料(PB
Tと添加剤よりなる組成物)および成形品が要求され
る。さらに電気機器にはいわゆる軽薄短小化の要請があ
る、その要請に答えるために溶融時に高流動性を示す成
形材料が必要であるし、さらに成形材料はリサイクルの
要請に応え得るものでなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は接点部の接触
不良や金型腐食の原因となるアウトガスが極めて少な
く、真空ベーキングによる脱ガス処理が不要である低ア
ウトガスポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、およ
びこの組成物より構成されるリレー、スイッチ、コネク
タおよびセンサーを提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明者等は鋭意検討を加えた。その結果、特定の分子
量および分子量分布を有するPBT樹脂を用い、これに
難燃剤として特定のエポキシ当量を有する臭素化エポキ
シ樹脂、難燃助剤、およびガラス繊維を加えた組成物に
より、上記課題を解決できることを見出したことに基づ
いて本発明を完成させた。すなわち本発明は、(A)重量
平均分子量が27,000〜35,000で、重量平均分
子量/数平均分子量が1.20〜1.50のPBT樹脂3
6〜90重量%、(B)式:
【化2】 の繰り返し単位からなり、両末端にエポキシ基を有し、
エポキシ当量が1,000〜50,000の臭素化エポ
キシ樹脂よりなる難燃剤3〜25重量%、(C)難燃助剤
1〜20重量%、および(D)ガラス繊維5〜50重量
%、よりなるPBT樹脂組成物を要旨とする。本発明は
また上記の組成物より構成されるリレー、スイッチ、コ
ネクターおよびセンサーをも要旨とする。なお本明細書
において「組成物」には成形前の材料のみならずその材
料を成形して得られる成形体をも含むものとする。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0005】本発明の組成物に用いるPBT樹脂は、そ
の重量平均分子量が、27,000〜35,000の範
囲、好ましくは29,000〜32,000の範囲のもの
である。分子量が35,000以上であると組成物の流
動性が悪く、ショートショットを起こし易いし、27,
000以下とするとブリードアウトが生じる。また、重
量平均分子量と数平均分子量の比は1.20〜1.50、
好ましくは1.25〜1.40の範囲とする。この範囲を
外れるとアウトガスとなる成分が増加し、さらには熱安
定性も低下する。PBT樹脂の組成物中において36〜
90重量%、好ましくは40〜65重量%とする。
【0006】本発明の組成物には上記の式(I)で示され
る繰り返し単位からなり、両末端にエポキシ基を有し、
エポキシ当量が1,000〜50,000、好ましくは
5,000〜30,000の臭素化エポキシ樹脂を加え
る。この樹脂は本来難燃作用を期待するものであるが、
本発明者等はエポキシ当量を上記範囲とすることによ
り、難燃効果の外に(1)組成物を溶融状態に置いた場合
に熱安定性が良い。(2)溶融物から成形した成形体にブ
リードアウトが発生しない、(3)成形時および成形体使
用時におけるアウトガスの発生が少ない等の効果が生じ
ることを見出した。エポキシ価が50,000以上であ
ると、PBT樹脂組成物の調整時、十分な分散ができな
い上に組成物の流動性を悪くする。また、1,000以
下であると、熱安定性が損なわれ、腐食性ガスの発生が
増加する。本発明の組成物中において臭素化エポキシ樹
脂は3〜25重量%、好ましくは10〜23重量%とな
る。3重量%以下では本発明の効果が得られないし、2
5重量%以上とすると組成物の流動性、成形体の機械的
物性の低下がおこる。
【0007】本発明の組成物には難燃助剤を1〜20重
量%、好ましくは5〜17重量%用いる。難燃助剤とし
ては三酸化アンチモン、五酸化アンチモンおよびそれら
の混合物を挙げることができる。使用量が1重量%以下
では難燃効果が十分でないし、20重量%以上では組成
物中での分散が困難となり、成形物の機械的特性の低下
も見られる。
【0008】使用するガラス繊維としては、長さが20
0〜400μ、径9〜15μのものが好ましい。長さが
400μ以上となると組成物の流動性が悪くなり、また
得られる成形体の表面が粗になるし、200μ以下にす
ると成形体の機械的強度が低下する。組成物中において
ガラス繊維は5〜50重量%、好ましくは10〜30重
量%とする。5重量%以下では補強効果が十分でない
し、50重量%以上では組成物中のガラス繊維の分散、
長さの制御が困難となり、組成物の流動性が損なわれ
る。
【0009】本発明の組成物においては、以上の構成成
分の外に必要に応じて熱安定剤、滑剤および着色剤を添
加することができるが、これ等以外の成分は添加しな
い。多くの成分を用いることはアウトガスの発生の原因
となり避けるべきである。本発明の組成物の特徴の一つ
はその成分を限定したことにある。
【0010】本発明の組成物では熱安定剤を用いないこ
とも可能であるが、使用すれば熱安定性を一層向上させ
ることができる。熱安定剤としては、トリフェニルホス
ファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニ
ルジイソデシルホスファイト、4,4'−ブチリデン−ビ
ス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシ
ル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライ
ルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(ノニル・
フェニル)ホスファイト、トリス(モノおよび/またはジ
ノニルホスファイト)、トリデシルホスファイト、トリ
オクチルホスファイト等の亜リン酸エステル、リン酸エ
ステル、亜リン酸またはリン酸の塩等、リン系のものが
好ましい。熱安定剤を使用する場合は組成物において
0.005〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%用
いる。
【0011】滑剤の使用は離型性を高め薄肉成形の場合
に有効である。用いる滑剤としてはポリエチレンワック
ス、天然ワックス、エチレングリコール、グリセリン、
ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、エチレングリコールモノステアレート等
を挙げることができる。滑剤を使用する場合は組成物に
おいて1.0重量%までとする。1重量%以上とすると
アウトガス量が増加する。
【0012】本発明の組成物は240℃において剪断速
度1,000秒-1で測定した場合の溶融粘度が1,000
〜5,000ポアズの範囲にある。従って本発明の組成
物は240℃で成形する場合にも流動性に富む。上記と
同一の条件で測定した溶融粘度が1,000〜3,000
ポアズの範囲とすると流動性は更に保証されることにな
るのでいっそう好ましい。
【0013】組成物の調製は公知の方法で可能である。
例えば、各成分を予めタンブラーまたはヘンシェルミキ
サーのような混合機で均一に混合した後、一軸または二
軸の押出機に供給して225〜260℃の温度で溶融混
練した後に押出してペレット状の組成物として調製する
方法がある。組成物から本発明のリレー、スイッチ、コ
ネクターおよびセンサーを成形するには射出成形法によ
り行う。組成物の溶融温度は235〜270℃、射出圧
力300〜500kg/cm2、金型温度40〜80℃の範
囲とする。本発明の組成物は溶融粘度が低く流動性に富
んでいるので、通常は成形が困難な235℃の溶融温度
としても成形可能である。組成物の成分の分解によるア
ウトガスの発生を避けるためにはできるだけ低温で成形
を行うのが好ましい。
【0014】本願発明にかかる組成物の実施態様として
は、例えば、図1に示すように、箱形ベース1内に収納
した電磁石ブロック2の上面中央部に可動ブロック3を
回動可能に支持し、前記ベース1にケース4を嵌合して
密閉した電磁継電器5がある。そして、前記ベース1の
本体部1a、電磁石ブロック2のスプール2a、可動ブ
ロック3の中央連結部3aおよびケース4は本願発明に
かかる組成物で形成されている。ただし、これらのもの
はすべて本願発明にかかる組成物で形成する必要はな
く、その成形材料は必要に応じて適宜選択してもよい。
また、他の実施態様としては、例えば、図2に示すよう
に、接点機構を内蔵するハウジング6aや押しボタン6
bが成形品であるマイクロスイッチ6、さらに、図3に
示す先端部7aが成形品である近接センサー7、図4に
示す成形品のハウジング8aからなるコネクターソケッ
ト8が挙げられる。
【0015】本発明のリレー、スイッチ、コネクターお
よびセンサーの接点に用いる金属としてはAu、Au−A
g、Pt−Au−Ag、Ag−Pd、Pd−Ni、Ag、Ag−N
i、Ag−CdO、Ag−SnO2、Ag−SnO2−In23
Sn−Pd、Ni等を挙げることができる。
【0016】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明がこれ等実施例によって限定されるもので
ないことは勿論である。
【0017】実施例1 ポリブチレンテレフタレート(重量平均分子量31,00
0、重量平均分子量/数平均分子量=1.34)100重
量部に上記式(I)で示した繰返し単位を有し両末端がエ
ポキシ基であるブロム化エポキシ樹脂(エポキシ当量1
8,000)34重量部、および三酸化アンチモン22重
量部、ガラス繊維(繊維長300〜350μ、径13μ)
66重量部を加えヘンシェルミキサーで混合した後、二
軸押出機を用いて250℃で溶融混練し、押出してペレ
ット状にした。次に、このペレットを用いて射出成形機
によりシリンダー温度255℃、樹脂温度240℃、射
出圧力400kg/cm2、金型温度50℃の条件で成形し
て図1〜4に示すリレー、スイッチ、コネクターおよび
センサー用成形体を得た。
【0018】実施例2 実施例1で示した組成の組成物にさらに熱安定剤として
サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシ
ルホスファイト)0.15重量部を加えて、ヘンシェルミ
キサーで混合した後、二軸押出機を用いて250℃で溶
融混練し、押出してペレット状にした。次に、このペレ
ットを用いて射出成形機によりシリンダー温度255
℃、射出圧力400kg/cm2、金型温度50℃の条件で
成形して図1〜4に示すリレー、スイッチ、コネクター
およびセンサー用成形体を得た。
【0019】実施例3 実施例2で示した組成の組成物にさらに滑剤としてポリ
エチレンワックスを0.45重量部加えてなる組成物の
ペレットを実施例1と同様にして調製した。次に実施例
1と同様にして図1〜4に示すようなリレー、スイッ
チ、コネクターおよびセンサー用成形体を得た。
【0020】比較例1〜2 ガラス繊維強化難燃性PBT組成物として市販されてい
る2種のペレットを用いて、射出成形機によりシリンダ
ー温度265℃、射出圧力500kg/cm2、金型温度6
0℃の条件でそれぞれリレー、スイッチ、コネクターお
よびセンサー用成形体の成形を行った。
【0021】性能評価 本発明の組成物のアウトガス特性、熱安定性、流動性お
よびリレーの接点寿命特性を評価した。
【0022】(1)アウトガスの評価 GC/MS(ガスクロマトグラフ/質量分析装置、パー
キンエルマー社製、HS−101/GC−8700/I
TD)を用いて保持時間(リテンションタイム)に対する
アウトガス量の値を測定することによりアウトガスの評
価を行った。用いた試料は実施例1および比較例1のペ
レットおよび成形体である。サンプル採取量は1.00
g、アウトガス発生条件は120℃、16時間であり、
GCオーブン温度は35℃で3分保持後、10℃/分の
割合で200℃まで上昇させ、次に30℃/分の割合で
250℃まで上昇させて5分間保持とした。結果を図5
〜8に示す。図5は実施例1のペレット、図6は実施例
1の成形品、図7は比較例1のペレット、図8は比較例
1の成形品のクロマトグラフのチャートである。一般に
保持時間の低い低沸点成分は蒸気圧が高く揮発しやすい
ので接点表面(または金型表面)に残りにくく接触不良
(または金型腐食)の原因になりにくい。これに対して保
持時間が長い高沸点成分は蒸気圧が低く揮発しにくいの
で接点表面(または金型表面)に残りやすく、接触不良
(または金型腐食)の原因になりやすい。図5および図6
から明らかなように本発明の組成物のアウトガスはテト
ラヒドロフラン(保持時間2分30秒)より大きい保持
時間を有するガス成分、すなわちテトラヒドロフランよ
り蒸気圧が低く、揮発しにくく、沸点が高い成分はほと
んど含まれていない。図5と図7および図6と図8を比
較すると比較例の組成物および成形品はテトラヒドロフ
ランより保持時間が長い、すなわち蒸気圧が低い、揮発
しにくい、沸点が高いガス成分がかなり含まれておりブ
ラックパウダーやブラウンパウダーの生成、したがって
接触抵抗の増大が危惧される。これに対して本発明の組
成物はTHFより蒸気圧の低い成分はほとんど含まれて
いないので接触不良の原因となることがない。
【0023】(2)接点の寿命特性 本発明の組成物より構成されるリレー接点の寿命特性を
接点間の接触抵抗(CR)を接点開閉回数の関数として
測定することにより評価した。接点はAu−Ag系であ
る。85℃の雰囲気下に置いたリレーについて、(1)
電圧50V、電流100mA、(2)電圧28V、電流
100A または(3)電圧10V、電流10mAの負
荷の下に、接点開閉頻度5Hzで、接点の接触抵抗の測
定を接点開閉回数が250万回に達するまで測定した。
測定したサンプルの数は40個である。用いたサンプル
は実施例1で製造したリレーであり、脱ガスのための真
空ベーキングを行うことなく接触抵抗の測定に使用し
た。比較のために比較例1で製造したリレーについても
同様の試験を行った。結果を図9(実施例1のリレー)
および図10(比較例1のリレー)に示す。なお図9お
よび10において40個のサンプルで得られた各負荷条
件下における接触抵抗の最大値をMAX、最小値をMI
N、平均値をXとして示す。接触抵抗が100mΩを越
えたとき接点寿命が終わると一般的には考えられる。図
9の結果から本発明のリレーは接触抵抗の増大がほとん
どなく、接点開閉を250万回行っても接触抵抗が10
0mΩを超過することがなく長い接点寿命を有すること
がわかる。前記のようにこの試験に用いたリレーは真空
ベーキングを行っていないものである。したがって接点
の高信頼性を得るために従来行われてきた成形品の真空
ベーキングによる脱ガス処理は必ずしも実施する必要が
なくなった。一方図10に示すように比較例1のリレー
は負荷条件によっては接触抵抗が相当増大し、接点開閉
回数250万回において100mΩを越える。また試験
終了後接点表面において比較例では実施例に比べ多量の
カーボンが生成していた。
【0024】(3)熱安定性 フローテスター(島津製作所製、CFT−500C)を用
いて一定温度で保持した場合の滞留時間に対する溶融粘
度の変化を測定することにより、組成物の熱安定性を評
価した。一般に成形時のPBTの樹脂温度は240〜2
70℃であり、ここでは260℃での熱安定性を評価し
た。用いた試料は実施例2並びに比較例1および2のペ
レットである。結果を図11に示す。図11より明らか
なように、本発明の組成物は100分までほぼ一定の粘
度を示し、熱的に安定であるのに対し、比較例1および
2の組成物では溶融粘度の経時変化が大きく熱的に不安
定であり、成形体のリサイクルにも適さない。
【0025】(4)流動性 フローテスター(前記)を用いて剪断速度に対する溶融粘
度の値を測定することにより、流動性の評価を行った。
用いた試料は実施例2および比較例1,2の組成物であ
り、測定温度は240℃である。なお、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂の成形温度は240〜270℃であ
り、測定温度の240℃は成形温度の下限に対応し、一
般にこの温度で流動性が最も悪く(すなわち、粘度が高
く)なる。結果を図12に示す。また下の表2は温度2
40℃、剪断温度1,000秒-1である場合の、組成物
に用いたポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂の重
量平均分子量および組成と溶融粘度との関係を示したも
のである。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明の組成物はアウトガスの発生が極
めて少ないので、該組成物より構成されるリレー、スイ
ッチ、コネクター、センサー等の導体の接点におけるカ
ーボン生成が減少し、接触不良が低減し、これら部品の
長寿命化が実現する。接触不良を回避するために従来行
われていた部品の真空ベーキングによる処ガス処理が不
要となり工程が簡易化されるばかりでなくスティッキン
グも防止できる。またアウトガスの発生が少ないため成
形時における金型腐食が低減できる。さらに本発明の組
成物は、熱安定性に優れる。すなわち、溶融時の熱安定
性が優れているので、安定した性能の製品を供給でき、
かつ成形体のリサイクルが可能となる。また本発明の組
成物は流動性が高いので金型への充填性がよく薄肉成形
が可能でショートショットが起こらない。また、流動性
が高いため、従来の組成物に比べて低い温度で成形で
き、組成物成分の分解によるアウトガスを阻止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施態様であるリレーの分解斜視図
である。
【図2】 本発明の実施態様であるスイッチの内部構造
を示す正面図である。
【図3】 本発明の実施態様であるセンサーを示す斜視
図である。
【図4】 本発明の実施態様であるコネクターを示す斜
視図である。
【図5】 本発明の組成物のアウトガスを示すGCチャ
ートである。
【図6】 本発明の成形品のアウトガスを示すGCチャ
ートである。
【図7】 比較例の組成物のアウトガスを示すGCチャ
ートである。
【図8】 比較例の成形品のアウトガスを示すGCチャ
ートである。
【図9】 本発明のリレーの寿命特性を示す図である。
【図10】 比較例のリレーの寿命特性を示す図であ
る。
【図11】 本発明の組成物の溶融粘度の経時変化を示
す図である。
【図12】 本発明の組成物の流動特性を示す図であ
る。
【符号の説明】
5…リレー、1…ベース、2…電磁石ブロック、3…可
動ブロック、4…ケース、6…マイクロスイッチ、6a
…ハウジング、6b…押しボタン
フロントページの続き (72)発明者 島田 真吾 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)重量平均分子量が27,000〜3
    5,000で、重量平均分子量/数平均分子量が1.20
    〜1.50のポリブチレンテレフタレート樹脂36〜9
    0重量%、 (B)式: 【化1】 の繰り返し単位からなり、両末端にエポキシ基を有し、
    エポキシ当量が1,000〜50,000の臭素化エポキ
    シ樹脂よりなる難燃剤3〜25重量%、 (C)難燃助剤1〜20重量%、および (D)ガラス繊維5〜50重量%よりなるポリブチレンテ
    レフタレート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 更に熱安定剤を0.005〜5重量%含
    む請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 更に滑剤を1重量%まで含む請求項1ま
    たは2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 温度240℃において剪断速度1,00
    0秒-1で測定した時の溶融粘度が1,000〜5,000
    ポアズである請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 本質的にテトラヒドロフランより蒸気圧
    の低い成分を含まないことを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物
    より構成されるリレー。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物
    より構成されるスイッチ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物
    より構成されるコネクター。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物
    より構成されるセンサー。
JP28918393A 1992-11-18 1993-11-18 ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物並びにリレー、スイッチ、コネクターおよびセンサー Pending JPH0741651A (ja)

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