JP2001310990A - リサイクル性に優れた難燃性ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

リサイクル性に優れた難燃性ポリエステル系樹脂組成物

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JP2001310990A
JP2001310990A JP2000131495A JP2000131495A JP2001310990A JP 2001310990 A JP2001310990 A JP 2001310990A JP 2000131495 A JP2000131495 A JP 2000131495A JP 2000131495 A JP2000131495 A JP 2000131495A JP 2001310990 A JP2001310990 A JP 2001310990A
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flame
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retardant
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Junji Nantaku
淳二 南宅
Shinichiro Kato
慎一朗 加藤
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Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
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Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】難燃性、機械特性に優れ、成形時における滞留
熱安定性が良好で、リサイクル使用しても難燃性や機械
強度の低下がほとんど無く、しかも、ハロゲン系発生ガ
スが少ない、難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】一般式 (ただし、式中R及びRはグリシジル基、水素基又
で示される基であり、Rは低級アルキル基、Yはハロ
ゲン原子、rおよびsは0〜5の範囲で且つr+sは5
以下の整数、また、Xはハロゲン原子、pおよびqは0
〜4の範囲で且つ全部のpとqが0になることのない整
数、nは平均重合度であり、11以上の整数を示す。)
で表され、かつ99重量%以上の粒径が3mm以下であ
るハロゲン含有エポキシ変性物をポリエステル系樹脂1
00重量部に対し3〜50重量部、難燃助剤0.1〜2
0重量部、強化充填剤0〜150重量部を配合してなる
難燃性ポリエステル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性、機械特性に優
れ、成形時における滞留熱安定性が良好で、リサイクル
使用、すなわち成型品を繰り返し再使用しても難燃性や
機械強度の低下がほとんど無く、しかも、ハロゲン系発
生ガスが少なく、金属接点部分の腐食がほとんどない為
精密機器、OA機器、電子部品など特にリレーやコネク
ターなどの有接点電気部品材料に適した難燃性ポリエス
テル樹脂組成物とそれに配合するポリエステル用難燃剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートなどに代表される熱可塑性ポリエス
テル系樹脂は、成形加工性、機械特性などの優れた諸特
性を利用して機械機構部品、電気部品及び自動車部品な
どに、エンジニアリングプラスチックとして近年広く用
いられている。一方これらの工業材料の中でも特に電気
及び電子部品の分野では火災に対する安全性の要求が高
まり、米国UL規格に代表される難燃化に関する各種規
制が強化されるにともない、多くの使用上の制限を受け
てきている。
【0003】一般に、ポリエステル系樹脂の難燃剤とし
ては、デカブロモジフェニルオキシド(以下DBDPO
と略す)やヘキサブロモベンゼン等のハロゲン系難燃剤
を添加混合し、難燃助剤として三酸化アンチモンを併用
して使用されている。しかしながら、このような従来の
低分子量型難燃剤の欠点として、成形品の表面に難燃剤
がブリードし、外観が悪くなったり、高温で長時間放置
すると難燃剤が昇華し、難燃効果が消失したりしてい
た。更に、熱分解による腐食性ガスの発生により、成形
加工時においては金型を腐食したり、電気絶縁材料とし
て使用した場合には、接点不良などのトラブルが起こる
といった問題点があった。
【0004】これらの問題点を解決する為、オリゴマー
或はポリマー型難燃剤を使用する方法が考えられ、臭素
化エポキシ樹脂を用いる例が特公昭53−18068号
公報等に示されている。しかし、末端がエポキシ基のま
まで、しかも低分子量である場合、成型加工時にポリエ
ステル樹脂がシリンダー内で滞留した時には、加熱によ
りエポキシ基による三次元架橋反応が起こりやすくな
り、ゲル化しやすいため成型が困難となる場合があっ
た。
【0005】又、この問題点を改良する方法として、特
公昭60−26431号公報に示された末端封鎖型の臭
素化エポキシ樹脂を用いる例がある。しかし、トリブロ
モフェノール等を末端封鎖剤として多く使用している
為、難燃剤合成時の残存触媒と、成形時の加熱による悪
影響が重なって、熱に対して不安定なものとなる。尚か
つ重合度があまり高くないため、成形品の表面に油状の
ブリードなどを発生して外観を悪くするのみならず腐食
性ガスの発生による電気特性への悪影響など種々の不都
合を有している。
【0006】又、特開昭59−149954号公報にお
いては、高分子量ハロゲン化ビスフェノールA型フェノ
キシ樹脂を使用する例が挙げられている。この特許の場
合には、エポキシ価とフェノール性酸価の合計の数値を
10(KOHmg/g)以下に規定している。しかし、実際に
はフェノール性酸価が1(KOHmg/g)以上に高い場合
等、高温での熱安定性が悪くなり、成型時250℃以上
の高温にさらされると、この残存フェノール基の活性が
高くなるため、このものと残存触媒の悪影響により、熱
分解による腐食性ガスの発生の大きな原因ともなる。こ
のものを電気絶縁材料として使用した場合など接点不良
などによるトラブル発生の可能性があった。
【0007】本発明者らは、この欠点に関し、特開平3
−203954号公報にて臭素化エポキシ型難燃剤の優
れた特徴を持ち、更に成形時の滞留による、着色、ゲル
化の恐れがなく、成形品表面への難燃剤のブリードもな
い、しかも、電気特性に悪影響を及ぼす腐食性ガスの発
生が少ない難燃剤を開発するため、鋭意検討を重ねた結
果、 一般式
【化1】 (ただし、式中R及びRはグリシジル基、水素基又
【化2】 で示される基であり、Rは低級アルキル基、Yはハロ
ゲン原子、rおよびsは0〜5の範囲で且つr+sは5
以下の整数、また、Xはハロゲン原子、pおよびqは0
〜4の範囲で且つ全部のpとqが0になることのない整
数、nは平均重合度で15以上の整数を示す。)で表さ
れ、このもののフェノール性酸価が1.0(KOHmg/g)以
下であるハロゲン含有エポキシ変性物を配合することに
より、樹脂本来の特性を著しく低下させることなく、更
に成形時の滞留による着色、ゲル化の恐れがなく、成形
品表面への難燃剤のブリードもない、しかも、電気特性
に悪影響を及ぼす腐食性ガスの発生が少ない難燃剤を見
いだした。
【0008】しかし、技術の進歩にともなって、ワープ
ロや電話機にみられるように電子・電気部品の携帯性が
重視され、軽薄短小化の傾向がある。この小型化にとも
なって、使用される電流も微弱電流となってきており、
これらの機器に使用されるリレーやコネクターにおいて
は、ほんの僅かな金属接点の汚れでも接触不良の原因と
なってしまう。
【0009】更に、1998年に家電リサイクル法が制
定され、2001年より事業者による回収・再商品化が
実施される事により、樹脂をリサイクル使用しても腐食
性ガスの発生が少なく、尚かつ難燃性、機械特性の低下
がほとんどない樹脂が要求されるようになった。そのた
め、本発明者らが見いだした前述の難燃剤を使用しただ
けでは、これらの問題を解決するには十分なものではな
くなった。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上記目
的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ハロゲン含有
エポキシ変性物の酸価及びエポキシ当量を厳しく限定
し、その粒径を小さくすること、更に、配合した樹脂組
成物を熱可塑性プラスチックの流れ試験方法の装置を用
いて、235℃で325gの荷重をかけたときの流れ性
が1.0g/10分以上とすることよって、成形時など
の熱滞留に対しても、リサイクル使用した時も、エンプ
ラとしての特徴である耐衝撃性、耐熱性などの物性低下
が生じないで、高い難燃性が付与でき、得られたポリエ
ステル系樹脂組成物及びリサイクル樹脂組成物は腐食性
ガスの発生が極めて少なくなることを見いだし、本発明
に至った。尚、本発明では、成型品を繰り返し再使用
し、配合した樹脂をリサイクル樹脂という。
【0011】すなわち、一般式
【化1】 (ただし、式中R及びRはグリシジル基、水素基又
【化2】 で示される基であり、Rは低級アルキル基、Yはハロ
ゲン原子、rおよびsは0〜5の範囲で且つr+sは5
以下の整数、また、Xはハロゲン原子、pおよびqは0
〜4の範囲で且つ全部のpとqが0になることのない整
数、nは平均重合度で11以上の整数を示す。)で表さ
れ、このもののフェノール性酸価が1.0(KOHmg/g)以
下あり、エポキシ当量が4000(g/eq)以上であり、
99重量%以上の粒径が3mm以下であるハロゲン含有エ
ポキシ変性物をポリエステル系樹脂100重量部に対し
3〜50重量部、難燃助剤0.1〜20重量部、強化充
填剤0〜150重量部を配合してなる樹脂組成物あり、
JISK7210の熱可塑性プラスチックの流れ試験方
法の装置を用いて、235℃で325gの荷重をかけた
ときの流れ性が1.0g/10分以上の難燃性ポリエス
テル系樹脂組成物である。更に、この難燃性ポリエステ
ル系樹脂組成物100重量部に対して、難燃性ポリエス
テル系樹脂組成物を一度射出成型機などで成形し、熱履
歴の加わった樹脂を120重量部以下で配合した難燃性
リサイクル樹脂組成物や、難燃性ポリエステル系樹脂組
成物100重量部に対して、リサイクル樹脂組成物を一
度射出成型機などで成形し、熱履歴の加わった樹脂を1
20重量部以下で配合した難燃性リサイクル樹脂組成物
などである。
【0012】
【発明の細部構成と作用】本発明でいうポリエステル系
樹脂とは、芳香族ジカルボン酸とジオールの重縮合によ
り得られる線状高分子量のポリエステルのことである。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン
酸等とそのエステル類が挙げられ、特にテレフタル酸が
好ましい。
【0013】又、ジオールとしては、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられるが特
にエチレングリコール、テトラメチレングリコール等が
好ましい。
【0014】本発明のハロゲン含有エポキシ変性物の製
造方法としては、ハロゲン化ビスフェノールAとハロゲ
ン化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、場合によ
ってはハロゲン化フェノールを触媒存在化で加熱して得
ることができるがこれのみに限定されるものではない。
【0015】特に、本発明に使用するハロゲン含有エポ
キシ変性物を得る理想的な製造方法としては、本発明者
らが特開平1−185323号公報及び特開平1−24
0520号公報で開示した製造方法であり、この方法で
は、フェノール性酸価が1(mgKOH/g)以下で、触媒の
残存量の極めて少ないものの製造が可能であり、本発明
でいう成形加工時の熱安定性が極めて良いハロゲン含有
エポキシ変性物を得ることができる。
【0016】すなわち、ハロゲン化ビスフェノールAと
ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、場
合によってはハロゲン化フェノールも加え、触媒存在
下、溶媒中で加熱反応を行ない、反応終了後、反応液を
生成物がほとんど溶解しない大量の溶媒中に投入し生成
物を析出させた後、乾燥させることによりハロゲン含有
エポキシ変性物を得る方法、もしくは、ハロゲン化ビス
フェノールAとハロゲン化ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル、場合によってはハロゲン化フェノールも加
え、触媒存在化、溶媒中で加熱反応を行ない、反応終了
後、反応液をイオン交換樹脂で処理し、触媒を除いた
後、溶媒を除去乾燥することによりハロゲン含有エポキ
シ変性物を得る方法である。
【0017】本発明でいうフェノール性酸価の定量は、
難燃剤1gをジオキサン10mlに溶かし、これをフェノ
ールフタレインを指示薬として、1/10NKOHメタノー
ル溶液で滴定し、下記の式によって算出した。
【0018】
【数1】
【0019】ハロゲン含有エポキシ変性物のフェノール
性酸価は、1.0(KOHmg/g)以下であることが重要で
あり、フェノール性酸価が1.0(KOHmg/g)以上の場
合等、高温での熱安定性が悪くなり、成型時250℃以
上の高温にさらされると、この残存フェノール基の活性
が高くなるため、このものと残存触媒の悪影響により、
熱分解による腐食性ガスの発生の大きな原因ともなる。
更に好ましくは、ハロゲン含有エポキシ変性物のフェノ
ール性酸価を0.5(KOHmg/g)以下にする方がよい。
【0020】本発明でいうエポキシ当量の定量は、JI
SK7236の方法に準じて測定した。
【0021】ハロゲン含有エポキシ変性物のエポキシ当
量は、4000(g/eq)以上であることが重要であり、
エポキシ当量が4000(g/eq)以下の場合、ハロゲン
含有エポキシ変性物に存在するエポキシ基がポリエステ
ル樹脂への練り込み時や成型時にポリエステル樹脂と反
応し流れ性が極端に悪くなる。更に、この様な樹脂組成
物をリサイクル使用した場合、流れ性が大きく変化し、
安定した成形条件で成型品を得ることが出来なくなる。
更に好ましくは、ハロゲン含有エポキシ変性物のエポキ
シ当量を10000(g/eq)以上にする方がよい。
【0022】ハロゲン含有エポキシ変性物の粒径につい
ては、99重量%以上の粒径が3mm以下であることが重
要であり、その粒径が3mm以上の場合には、ポリエステ
ル系樹脂への分散性が悪くなり、成型品によって機械特
性などにばらつきが生じる。特に好ましくは、全ての粒
径を2mm以下にする方がよい。
【0023】本発明でいう流れ性は、JISK7210
の方法に準じて測定した。すなわち、JISに示された
熱可塑性プラスチックの流れ試験方法の装置を用いて、
235℃で325gの荷重をかけたときの樹脂組成物の
流れ性を測定した。
【0024】難燃性ポリエステル系樹脂組成物の流れ性
は、1.0(g/10分)以上であることが重要であり、流
れ性が1.0(g/10分)以下の場合、リサイクル使用し
本発明で言う難燃リサイクル樹脂組成物とした場合の流
れ性がもとの難燃性ポリエステル系樹脂組成物の流れ性
と大きく異なることとなり、安定した成形条件で成型品
を得ることが出来なくなる。好ましくは、難燃性ポリエ
ステル系樹脂組成物の流れ性を2.0(g/10分)以上に
する方がよい。
【0025】難燃助剤としては、酸化アンチモン、酸化
モリブデン、酸化スズなどが挙げられるが、好ましくは
酸化アンチモン化合物で三酸化アンチモン、四酸化アン
チモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダなどが
挙げられる。
【0026】また、強化充填剤としては、公知のものが
そのまま利用できるが、代表的なものとしては、ガラス
繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、チタン酸
カリ繊維、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグ
ネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化鉄黒
鉛、カーボンブラック、雲母、アスベスト、セラミッ
ク、金属フレーク、ガラスビーズ、ガラスパウダーなど
が挙げられる。
【0027】本発明の組成物には、その目的を阻害しな
い範囲で他の熱可塑性樹脂を併用することができる。例
えば、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、
ポリスチレン、AS、ABS、ポリアセタール、ポリフ
ェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
ブタジエン、ポリオレフィンなどを目的に応じて任意の
割合で配合することが可能である。
【0028】本発明に係る樹脂組成物には、耐熱性、耐
候性、耐衝撃性を著しく損わない範囲で、他の公知の難
燃剤(窒素系化合物、リン化合物、ハロゲン系化合物な
ど)を配合しても良く、更に、他の各種の添加剤、例え
ば、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤、充填剤、滑剤、安
定剤などを添加してもよい。
【0029】以下に合成例及び実施例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明は、その要旨をこえないか
ぎり、以下に示す合成例及び実施例に制約されるもので
はない。
【0030】
【合成例1】臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(SR−TBA400、エポキシ当量395(阪本薬品
工業製))790g(1モル)とテトラブロモビスフェ
ノールA(以下TBAと略す)473g(0.873モ
ル)とジオキサン600gを四つ口フラスコにとり、ト
リブチルアミン5gを添加したのち、窒素気流下、還流
温度(約100℃)にて24時間反応した。反応終了
後、ジオキサン2000g、陽イオン交換樹脂(アンバ
ーリスト15(オルガノ製))60ml、陰イオン交換樹
脂(ダイヤイオンWA−20(三菱化成工業製))90
mlを加え、50〜60℃で1時間攪拌した。この溶液を
濾過しイオン交換樹脂を除去した後、濾液中の溶媒を加
熱真空乾燥装置で除去し、冷却後粉砕後、淡黄色粒状の
生成物を得た。この生成物は、酸価0.2(mgKOH/g)、
エポキシ当量5050、軟化点190℃、平均重合度n
=15、臭素含有量52.1重量%であった。
【0031】
【合成例2】臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(SR−TBA400、エポキシ当量395(阪本薬品
工業製))790g(1モル)とテトラブロモビスフェ
ノールA(以下TBAと略す)446g(0.904モ
ル)とトリブロモフェノール(以下TBPと略す)5
5.3g(0.167モル)とジオキサン600gを四つ
口フラスコにとり、トリブチルアミン5gを添加したの
ち、窒素気流下、還流温度(約100℃)にて24時間
反応した。反応終了後、合成例1と同様にし、淡黄色粒
状の生成物を得た。この生成物は、酸価0.3(mgKOH/
g)、エポキシ当量40,300、軟化点203℃、平均
重合度n=22、臭素含有量53.3重量%であった。
【0032】
【合成例3】臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(SR−TBA400、エポキシ当量395(阪本薬品
工業製))790g(1モル)とTBA526g(0.
967モル)とジオキサン600gを四つ口フラスコに
とり、テトラメチルアンモニウムクロライド5gを添加
したのち、窒素気流下、還流温度(約100℃)にて、
24時間反応した。反応終了後、合成例1と同様にし、
淡黄色粒状の生成物を得た。この生成物は、酸価0.4
(mgKOH/g)、エポキシ当量19,100、軟化点245
℃、平均重合度n=54、臭素含有量52.5重量%で
あった。
【0033】
【合成例4】臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(SR−TBA400、エポキシ当量395(阪本薬品
工業製))790g(1モル)とTBA394g(0.
725モル)とジオキサン600gを四つ口フラスコに
とり、テトラメチルアンモニウムクロライド5gを添加
したのち、窒素気流下、還流温度(約100℃)にて、
24時間反応した。反応終了後、合成例1と同様にし、
淡黄色粉末の生成物を得た。この生成物は、酸価0.2
(mgKOH/g)、エポキシ当量2,100、軟化点165
℃、平均重合度n=6、臭素含有量52.1重量%であ
った。
【0034】また、合成例1で得た生成物については、
2.8mm、と1mmのふるいを使用し、その粒径により3
つに分類した。2.8mm以上のものを難燃剤(A1)、
1〜2.8mmのものを難燃剤(A2)、1mm以下のもの
を難燃剤(A3)とし、合成例2、3、4で得た生成物
については、2mmのふるいを使用し、その粒径を2mm以
下にした。以下これを難燃剤(B)、(C)、(D)と
いう。
【0035】今回、実施例及び比較例に使用するために
合成した難燃剤をまとめて第1表に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【実施例1〜4、比較例1〜3】PBT樹脂(バロック
ス310(日本ジーイープラスチックス製))、に合成
例で得られた難燃剤A〜D、三酸化アンチモン、ガラス
繊維などを第2表の割合で配合し、押出機にてペレタイ
ズし、難燃性ポリエステル系樹脂組成物のペレット
(A)を得た。
【0038】これを射出成型機にてそれぞれUL−94
燃焼試験、アイゾット衝撃試験、引張試験、曲げ試験、
熱変形温度測定の各種試験片を成型し、各試験を行っ
た。その結果を通常成型品の場合として第2表に示し
た。
【0039】次に、難燃性ポリエステル系樹脂組成物の
ペレット(A)100重量部に対して、通常成型品を粉
砕して100重量部配合し、射出成型機にてそれぞれU
L−94燃焼試験、アイゾット衝撃試験、引張試験、曲
げ試験、熱変形温度測定の各種試験片を成型し、各試験
を行った。その結果をリサイクル1回目の場合として第
3表に示した。ただし、ばらつき、燃焼試験以外は、下
記式のようにして保持率を求めた。
【0040】
【数2】
【0041】更に、難燃性ポリエステル系樹脂組成物の
ペレット(A)100重量部に対して、リサイクル1回
品を粉砕して100重量部配合し、射出成型機にて各種
試験片を成型し、各試験を行った。その結果をリサイク
ル2回目の場合として、上記と同様に通常成型品に対す
る保持率として第4表に示した。
【0042】同様に、難燃性ポリエステル系樹脂組成物
のペレット(A)100重量部に対して、リサイクル2
回品を粉砕して100重量部配合し、射出成型機にて各
種試験片を成型した。この操作を繰り返し7回行ったそ
の結果をリサイクル7回目の場合として、上記と同様に
通常成型品に対する保持率として第5表に示した。
【0043】また、難燃性ポリエステル系樹脂組成物の
ペレット及びリサイクル成型品を作るときに配合した混
合ペレット5gを入れ密封した容器に導入管と排気管を
取り付け、導入管からはHeが50ml/minの速度で入る
ように、排気管出口は2mM-Na水溶液の吸
収液に排気されるようにセットした。この容器を恒温槽
中で280℃、1時間加熱し、発生したBr系ガスを吸
収液に補足した。この後、対試料で0. 1ppmまで検出
できるように吸収液を濃縮し、イオンクロマト分析法に
てBrイオンを定量した。この時得られた値を試料量に
対しての量として表わしppm単位で表示した。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【各種試験方法】引張試験はJISK7113、曲げ試
験はJISK7203、アイゾット衝撃試験はJISK
7110(Vノッチつき、1/8")、熱変形温度測定はJ
ISK7207(18.6kg/cm)、メルトインデック
ス(以下M.I.と略す)はJISK7210、燃焼性試
験はUL−94(1/16")に準じて行なった。また、引
張試験と曲げ試験のばらつきについては、5本の試験片
を用いて測定を行い、その強度の最大値と最小値の差を
ばらつきとした。
【0049】
【発明の効果】以上、本発明による一般式のハロゲン含
有エポキシ変性物の酸価及びエポキシ当量を厳しく限定
し、その粒径を小さくすること、更に、難燃助剤や強化
充填剤と共にポリエステル系樹脂に配合した樹脂組成物
を熱可塑性プラスチックの流れ試験方法の装置を用い
て、235℃で325gの荷重をかけたときの流れ性が
1.0g/10分以上とすることよって、成形時などの
熱滞留に対しても、リサイクル使用した時も、エンジニ
アリングプラスチックスとしての特徴である耐衝撃性、
耐熱性などの物性低下が生じないで、高い難燃性が付与
でき、得られたポリエステル系樹脂組成物及びリサイク
ル樹脂組成物は腐食性ガスの発生が極めて少なくなるこ
とにより、微弱電流を使用するリレーやコネクターの金
属接点部分の腐食がない成形品を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CD052 CD122 CF041 CF051 CF061 CF071 DA017 DA037 DA067 DE096 DE126 DE187 DE237 DG047 DG057 DJ007 DJ027 DJ057 DL007 DM007 FA047 FD017 FD136 GQ01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (ただし、式中R及びRはグリシジル基、水素基又
    は 【化2】 で示される基であり、Rは低級アルキル基、Yはハロ
    ゲン原子、rおよびsは0〜5の範囲で且つr+sは5
    以下の整数、また、Xはハロゲン原子、pおよびqは0
    〜4の範囲で且つ全部のpとqが0になることのない整
    数、nは平均重合度であり、11以上の整数を示す。)
    で表され、このもののフェノール性酸価が1.0(KOHmg
    /g)以下であり、エポキシ当量が4000(g/eq)以上
    であり、かつ99重量%以上の粒径が3mm以下であるハ
    ロゲン含有エポキシ変性物をポリエステル系樹脂100
    重量部に対し3〜50重量部、難燃助剤0.1〜20重
    量部、強化充填剤0〜150重量部を配合してなる難燃
    性ポリエステル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 JISK7210の熱可塑性プラスチッ
    クの流れ試験方法の装置を用いて、235℃で325g
    の荷重をかけたときの流れ性が1.0g/10分以上で
    ある請求項1記載の難燃性ポリエステル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の難燃性ポリエス
    テル系樹脂組成物100重量部に対して、この難燃性ポ
    リエステル系樹脂組成物を一度射出成型機などで成形
    し、熱履歴の加わった樹脂を120重量部以下で再使用
    し配合した難燃性リサイクル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の難燃性ポリエス
    テル系樹脂組成物100重量部に対して、請求項3記載
    のリサイクル樹脂組成物を一度射出成型機などで成形
    し、熱履歴の加わった樹脂を120重量部以下で再使用
    し配合した難燃性リサイクル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の難燃性ポリエス
    テル系樹脂組成物100重量部に対して、請求項4記載
    のリサイクル樹脂組成物を一度射出成型機などで成形
    し、熱履歴の加わった樹脂を120重量部以下で再使用
    し配合するという操作を繰り返してできる難燃性リサイ
    クル樹脂組成物。
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