JP6715667B2 - 既設2車線道路トンネルの覆工部の改築方法 - Google Patents
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Description
特に、従来の補修方法は、補修中はトンネル内を全面通行止めにしたり、或いは危険性を伴う片側規制で施工を行わなければならないという制約があった。
しかしながら、このトンネル補修方法は、既設トンネルの内壁面を所定厚さではつり取りを行うようにしているため、はつり取り時の衝撃によって既設トンネルの内壁の残存部にクラック等の欠陥が新たに発生したり、新たな内壁面を高強度モルタルを塗着することにより構築するようにしているため、耐久性の点で問題があった。
この既設2車線道路トンネルの覆工部の改築方法は、既設の2車線道路トンネル1内に、車両の通行を可能にする1車線の通路を確保するプロテクタ2をトンネル1の長さ方向に沿って移動可能に設け、プロテクタ2をトンネル1の長さ方向に間欠的に移動させながら、トンネル1の内壁面とプロテクタ2の外壁面との間に形成された作業空間3内で既設の覆工コンクリートからなる内壁面10Aを所定厚さで除去する切削作業と、新たな内壁面10Bを構築する内壁面構築作業とを行うようにした既設2車線道路トンネルの覆工部の改築方法であって、切削作業が、周面に多数のビットを設けたドラムカッタ41を備えた切削機4を用いた切削工程からなるとともに、内壁面構築作業が、トンネル1の内壁面とプロテクタ2の外壁面との間に形成された作業空間3内で行う、補修、防水シート施工工程と、この作業空間3内でプロテクタ2に対して移動可能に配設した覆工型枠5を用いた覆工コンクリート打設工程とからなることを特徴としている。
そして、プロテクタ2は、トンネル1の長さ方向に沿って敷設されたレール21上を走行するようにするとともに、油圧ジャッキ等の移動装置22によってトンネル1の長さ方向に間欠的に移動できるようにしている。
なお、既設の覆工コンクリートの全体に亘って補修が必要な場合には、その全部を除去することもでき、これを排除するものでない。
これにより、アーチ状に形成された支持部材42の設置角度(移動支持台43の移動角度)よりも実質的に広い範囲で切削を行うようにすることができ、既設の覆工コンクリートからなる内壁面を所定厚さで除去する切削作業を、例えば、トンネル1の踏前部を含むトンネル1の底盤面の位置まで、単一の工程で実施することができる。
なお、アーチ状に形成された支持部材42を安定設置するために、支持部材42にトンネル1の内壁面に接地するアウトリガ装置44を付設するようにしている。
また、切削機4の駆動機構としては、周辺機器や作業環境に合わせて、電動モータや油圧モータを選択的に使用することができる。
また、本実施例においては、切削機4の本体をプロテクタ2上に配置し、切削機4全体をプロテクタ2に対して移動可能となるように配設するようにしているが、上部空間の広さとの関係で、切削機4の本体をプロテクタ2の側方空間に配置することもできる。
これにより、切削屑の搬出作業を行う場所と車両が通行する通路とを完全に分離することができ、これによって、安全性を高めることができる。
また、必要に応じて、トンネル1の内壁面とプロテクタ2の外壁面との間に形成された作業空間3内には、切削作業によって発生した粉塵を吸引する集塵装置73を配置することもできる。
この場合、覆工型枠5内にミキシングノズル51を介して覆工コンクリートを打設するためのコンクリートポンプ52や硬化材供給装置53等のコンクリート打設装置は、トンネル1の内壁面とプロテクタ2の外壁面との間に形成された作業空間3内を走行可能に配置するようにしたり、プロテクタ2に固定設置することができる。
この場合において、打設する覆工コンクリートに急硬性(早強性)のコンクリートを用いることにより、タクトタイム(プロテクタ2をトンネル1の長さ方向に間欠的に移動する時間間隔)を短くし、工期の一層の短縮化を図ることができる。
なお、打設する覆工コンクリートに急硬性(早強性)のコンクリートを用いる場合のミキシングノズル51等のコンクリート打設装置については、適宜、公知の技術(例えば、特開平8−135387号公報、特開平8−135389号公報等参照。)を適用することができる。
このうち、設備の撤去工程や復旧工程は、プロテクタ2の外周囲に移動可能に作業台車81、83を配置して、トンネル1の内壁面とプロテクタ2の外壁面との間に形成された作業空間3内で作業員が自由に作業をできるようにしている。
なお、本実施例においては、削孔機6をプロテクタ2上に配置するようにしているが、上部空間の広さとの関係で、プロテクタ2の側方空間に配置することもできる。
この既設2車線道路トンネルの覆工部の改築方法は、既設の2車線道路トンネル1内に、車両の通行を可能にする1車線の通路を確保するプロテクタ2をトンネル1の長さ方向に沿って移動可能に設け、プロテクタ2をトンネル1の長さ方向に間欠的に移動させながら、トンネル1の内壁面とプロテクタ2の外壁面との間に形成された作業空間3内で既設の覆工コンクリートからなる内壁面を所定厚さで除去する切削作業と、新たな内壁面を構築する内壁面構築作業とを行うようにした既設2車線道路トンネルの覆工部の改築方法であって、切削作業が、周面に多数のビットを設けたドラムカッタ41を備えた切削機4を用いた切削工程からなるとともに、内壁面構築作業が、トンネル1の内壁面とプロテクタ2の外壁面との間に形成された作業空間内で行う、補修、防水シート施工工程と、プロテクタ2の後方に配置したプレキャストコンクリートパネル設置装置(図示省略)を用いたプレキャストコンクリートパネル設置工程(PCL工程)とからなることを特徴としている。
ここで、覆工部の改築は、補修の必要がある区間の既設の覆工コンクリートからなる内壁面10Aに対して行うことができ、その必要がない区間については、既設の覆工コンクリートからなる内壁面10Aを残存させるようにして工事を行うことができる(上記第1実施例の既設2車線道路トンネルの覆工部の改築方法も同様。)。
そして、プレキャストコンクリートパネル設置装置によって設置されたプレキャストコンクリートパネル10Cの背面側には、裏込モルタル充填機9を用いて、プレキャストコンクリートパネル10Cと切削された既設の覆工コンクリートからなる内壁面10Aとの空隙にモルタルを充填するようにする。
そして、その後に、照明器具や換気装置等の設備の復旧工程を行うことができる。
なお、この既設2車線道路トンネルの覆工部の改築方法のその他の構成及び作用は、上記第1実施例の既設2車線道路トンネルの覆工部の改築方法と同様である。
2 プロテクタ
3 作業空間
4 切削機
41 ドラムカッタ
42 支持部材
43 移動支持台
44 アウトリガ装置
5 覆工型枠
51 ミキシングノズル
52 コンクリートポンプ
53 硬化材供給装置
6 削孔機
7 搬出装置
71 シャフローダ
72 切削屑キャリヤ
73 集塵装置
81、82、83 作業台車
9 裏込モルタル充填機
10A トンネルの内壁面(既設)
10B トンネルの内壁面(新設)
10C プレキャストコンクリートパネル(新設)
Claims (3)
- 既設の2車線道路トンネル内に、車両の通行を可能にする1車線の通路を確保するプロテクタをトンネルの長さ方向に沿って移動可能に設け、プロテクタをトンネルの長さ方向に間欠的に移動させながら、トンネルの内壁面とプロテクタの外壁面との間に形成された作業空間内で既設の覆工コンクリートからなる内壁面を所定厚さで除去する切削作業と、新たな内壁面を構築する内壁面構築作業とを行うようにした既設2車線道路トンネルの覆工部の改築方法であって、
前記切削作業が、周面に多数のビットを設けたドラムカッタを備えた切削機を用い、トンネルの内壁面とプロテクタの外壁面との間に形成された作業空間内でプロテクタに対して移動可能に配設したトンネルの内壁面の周方向に沿ってアーチ状に形成された支持部材及び該支持部材に沿って周方向に移動可能な移動支持台に配置した2台以上のドラムカッタを備えた切削機で、かつ、該ドラムカッタのうち、一方の端部側に配設したドラムカッタが、該ドラムカッタの回転支軸の移動支持台に対する取付位置を移動支持台の周方向の移動方向に対して一方の端部側に偏倚して設けた切削機を用い、他方の端部側に配設したドラムカッタが、該ドラムカッタの回転支軸の移動支持台に対する取付位置を移動支持台の周方向の移動方向における他方の端部側に偏倚して設けた切削機を用いることにより、アーチ状に形成された支持部材の設置角度よりも広い範囲で切削を行う切削工程からなるとともに、
前記内壁面構築作業が、トンネルの内壁面とプロテクタの外壁面との間に形成された作業空間内で行う、補修工程及び防水シート施工工程と、該作業空間内でプロテクタに対して移動可能に配設した覆工型枠を用いた覆工コンクリート打設工程とからなる
ことを特徴とする既設2車線道路トンネルの覆工部の改築方法。 - 既設の2車線道路トンネル内に、車両の通行を可能にする1車線の通路を確保するプロテクタをトンネルの長さ方向に沿って移動可能に設け、プロテクタをトンネルの長さ方向に間欠的に移動させながら、トンネルの内壁面とプロテクタの外壁面との間に形成された作業空間内で既設の覆工コンクリートからなる内壁面を所定厚さで除去する切削作業と、新たな内壁面を構築する内壁面構築作業とを行うようにした既設2車線道路トンネルの覆工部の改築方法であって、
前記切削作業が、周面に多数のビットを設けたドラムカッタを備えた切削機を用い、トンネルの内壁面とプロテクタの外壁面との間に形成された作業空間内でプロテクタに対して移動可能に配設したトンネルの内壁面の周方向に沿ってアーチ状に形成された支持部材及び該支持部材に沿って周方向に移動可能な移動支持台に配置した2台以上のドラムカッタを備えた切削機で、かつ、該ドラムカッタのうち、一方の端部側に配設したドラムカッタが、該ドラムカッタの回転支軸の移動支持台に対する取付位置を移動支持台の周方向の移動方向に対して一方の端部側に偏倚して設けた切削機を用い、他方の端部側に配設したドラムカッタが、該ドラムカッタの回転支軸の移動支持台に対する取付位置を移動支持台の周方向の移動方向における他方の端部側に偏倚して設けた切削機を用いることにより、アーチ状に形成された支持部材の設置角度よりも広い範囲で切削を行う切削工程からなるとともに、
前記内壁面構築作業が、トンネルの内壁面とプロテクタの外壁面との間に形成された作業空間内で行う、補修工程及び防水シート施工工程と、プロテクタの後方に配置したプレキャストコンクリートパネル設置装置を用いたプレキャストコンクリートパネル設置工程とからなる
ことを特徴とする既設2車線道路トンネルの覆工部の改築方法。 - 前記既設の覆工コンクリートからなる内壁面を所定厚さで除去する切削作業によって発生した切削屑を搬出する搬出装置を、前記トンネルの内壁面とプロテクタの外壁面との間に形成された作業空間内を走行可能に配置するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の既設2車線道路トンネルの覆工部の改築方法。
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