JP2608244B2 - トンネル補修工法 - Google Patents

トンネル補修工法

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JP2608244B2
JP2608244B2 JP5204444A JP20444493A JP2608244B2 JP 2608244 B2 JP2608244 B2 JP 2608244B2 JP 5204444 A JP5204444 A JP 5204444A JP 20444493 A JP20444493 A JP 20444493A JP 2608244 B2 JP2608244 B2 JP 2608244B2
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村 隆 幸 中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトンネル補修の合理化と
迅速化とを図れるとともに、作業環境を向上できるよう
にしたトンネル補修工法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば経年劣化した水路トンネルの補修
に際しては、水路断面の余裕の有無や変状の程度に応じ
て、劣化したコンクリート壁をはつり、型枠を用いて巻
き替えたり、コンクリートを吹き付ける方法と、はつり
を行なわないで内巻きする方法とを採ってきたが、狭隘
な作業条件や工期の制約から、何れも安全性、作業性、
経済性の面で課題を残していた。
【0003】しかも、最近ではいわゆる3K対策とし
て、作業環境の改善の必要性、熟練作業者の不足への対
応、工期短縮による溢水電力量低減等の観点から、補修
工事の省力化や迅速化の要請が一段と高まってきた
【0004】このような要請に応ずるはつり機として、
例えば特開平3ー202596号公報では、トンネルの
円周方向に旋回可能なカッタードラムを備え、該ドラム
に散水しながらトンネル内面を切削するようにしてい
る。また、上記要請に応ずる覆工装置として、例えば特
公平2ー26040号および同3ー58440号公報で
は、コンクリートを吹き付け可能なノズルを有するベル
ト式移動型枠を備え、該型枠をトンネルの円周方向に移
動可能に設け、ベルトとトンネル内面との間にコンクリ
ートを吹き込み、該コンクリートが硬化し自立強度を得
たところで前記型枠を移動し、覆工コンクリートを連続
的に形成するようにしている。
【0005】しかし、前述のはつり機は、カッタードラ
ムの旋回機構に多部材を要し、かつこれらを複雑に作動
させているため、構成や制御動作が複雑で作動誤差が大
きく、はつり面の起伏が大きくなる問題がある。したが
って、この後上記はつり面に前記覆工装置の移動型枠を
移動させて覆工する際、ノズルがはつり面の凹凸部に接
触して、故障したり作業不能になる惧れがあるため、は
つり機の切削後、人手によってはつり面を平滑に仕上げ
る手直し作業を要して、工期や工費の増大を助長する不
具合が生ずる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような
題を解決し、はつり機の構成を簡潔にし、旋回アームと
カッタードラムの正確な作動を促して、精度の高いはつ
り面を得られるとともに、コンクリート吹き込み時の粉
塵の発生とはね返りを防止して、作業環境を向上すると
ともに、コンクリートの空費を防止し、しかも平滑で一
様な仕上りの覆工面を得られるようにした、トンネル補
修工法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明のトン
ネル補修工法は、トンネルの切削部にはつり機を配置
し、該はつり機にトンネルの円周方向に旋回可能なカッ
タードラムを設け、トンネルの覆工部に覆工装置を配置
し、該装置にトンネルの円周方向に旋回可能な移動型枠
と、該型枠の一方からコンクリート覆工空間に向けてコ
ンクリートを吹き込み可能なノズルとを設けて、コンク
リートを覆工するようにしたトンネル補修工法におい
て、前記はつり機には、略直柱状に配設した旋回アーム
の先端に一対のカッタードラムを対称位置に配置し、か
つ、前記コンクリートの吹き込み圧力を低圧に設定し
て、はつり機の構成を簡潔化し、旋回アームの正確な作
動と、カッタードラムによる平滑で精度の高いはつり面
を得られるとともに、コンクリート吹き込み時の粉塵の
発生とコンクリートのはね返りを防止して、作業環境を
向上するとともに、コンクリートの空費を防止し、しか
も平滑で一様な仕上りの覆工面を得られるようにしたこ
とを特徴にしている。
【0008】
【作用】はつり機に略直状の旋回アームを配設し、
アームの先端に一対のカッタードラムを対称位置に配置
して、はつり機の構成を簡潔化し、旋回アームの正確な
作動と、カッタードラムの正確な作動を促し、平滑
度の高いはつり面を得るしたがって、はつり面を覆工す
る際、はつり面に移動型枠のノズルが接触することなく
能率良く行なえ、また新旧コンクリートの接合強度を強
化する。コンクリートの吹き込み圧力を低圧に設定し、
粉塵の発生とコンクリートのはね返りを防止して、コン
クリートの吹き込み時の作業環境を向上するとともに、
コンクリートの空費を防止するしかも、コンクリート
の飛散とはね返りを防止し、覆工面を緻密にして、平滑
で一様な仕上りの覆工面を得る
【0009】
【実施例】以下、本発明を水路トンネルの補修に適用し
た図示実施例について説明すると、図1乃至図3におい
て1は補修対象のトンネルで、その内周面全面にコンク
リート壁2が形成されており、その補修部は大別すると
コンクリート面切削部Aとコンクリート覆工部Bとに分
かれ、コンクリート面切削部Aに、はつり機3とコンク
リートガラ運搬車4とが配置され、コンクリート覆工部
Bに、覆工装置5とコンリート供給装置6とコンクリー
トミキサー車7とが配置されている。
【0010】このうち、はつり機3は、機体8と、一対
の走行用クローラ9と、機体8を昇降可能なアウトリガ
ー10と、サイドジャッキ11と、コンピュータ(図示
略)を装備したコントロールボックス12と、機体8上
を進退動可能な架枠13とを備えている。
【0011】架枠13はガイドロッド14に沿って摺動
可能に装着され、前記架枠13に駆動ギヤ(図示略)を
直結した旋回駆動用モータ15と、前記駆動ギヤ(図示
略)と噛合するリングギヤ(図示略)を備えた回転ドラ
ム16とが装着され、該ドラム16にアームホルダー1
7が連結されている。
【0012】アームホルダー17には、状の旋回
アーム18が摺動可能に嵌合しており、該アーム18の
内部には、例えば互いに噛合する複数のギヤ(図示略)
が縦列に配置されていて、その一端のギヤに、カッター
ドラム駆動用モータ19に直結した駆動ギヤ(図示略)
が噛合し、他端のギヤにカッターシャフト20が固定さ
れていて、該シャフト20の両側に同様なカッタードラ
ム21,21が固定されている。
【0013】アームホルダー17には、油圧シリンダか
らなる一対のアーム調整ジャッキ(図示略)が固定さ
れ、そのピストンロッド(図示略)の先端が旋回アーム
18に連結されていて、該アーム18の旋回半径を調整
可能にしている。
【0014】旋回アーム18の一端には、一対の散水管
(図示略)がカッタードラム21,21を挟んで、カッ
ターシャフト20と平行に配管され、該管に複数のノズ
ル(図示略)が配設されていて、その噴口がカッタード
ラム21,21の切削部周面に向けられている。実施例
では、8〜10kg/cm2 の水を8個のノズルから1
分間に70リットルの割合で散水可能にしている。
【0015】一方、前記コントロールボックス12のコ
ンピュータには、付設のキーボードまたはリモコン装置
を介して、トンネル径と、余掘オフセット量、つまりト
ンネル1の仕上り直径からの修正値と、切削開始位置
と、旋回速度、つまりカッタードラム21の移動速度
と、傾斜計の読み値であるローリング値と、機体8の位
置等が切削前に入力可能にされ、切削時には上記入力値
に基づき、カッタードラム21の旋回位置に応じて、旋
回アーム調整ジャッキ(図示略)のピストンロッドの制
御弁へ制御信号を出力し、該ピストンロッドを伸縮させ
て、旋回アーム18の旋回半径を制御可能にしている。
【0016】なお、機体8の位置は、レーザーターゲッ
ト読み値であるX,Y値で入力され、上記ターゲット
は、トンネル1内での機体1の設定位置をコンピュータ
のCRTにXY座標系で表示した目標区画域で、該目標
域の原点からのXY変位値に基いて、機体8の位置を修
正可能にしている。
【0017】前記覆工装置5は、機体22と、一対の走
行用クローラ23と、機体22を昇降可能なアウトリガ
ー24と、サイドジャッキ25と、コンピュータを装備
したコントロールボックス26と、機体22上に立設し
たガイドプレート27とを備えている。
【0018】ガイドプレート27の前部には、支持ブー
ム28の一端が適宜手段を介して昇降可能に装着され、
該ブーム28は斜め下向きに突出していて、その先端に
油圧モータに連係した旋回駆動機構29が設けられてい
る上記機構29には旋回ブーム30の基端部が固定さ
れ、該ブーム30は旋回駆動機構29の回転軸と直交す
る平面上を旋回可能にされ、これは複数のシリンダを伸
縮可能に構成していて、その先端にベルト式移動型枠3
1を連結している。
【0019】移動型枠31は後述する覆工コンクリート
の内面に沿って移動可能にされ、これは周回可能な無端
ベルト32を有し、該ベルト32の内側には複数のトラ
ックローラ33が上記周回方向に沿って回転自在に配置
されている上記ローラ33の両端には、シリンダ(図示
略)が配設され、それらの油圧を介してローラ33をベ
ルト32の厚さ方向に付勢している。
【0020】ベルト32の周回方向の一端にはノズル3
4が配置され、これをベルト32の周回方向と直交方
向、つまりトンネル1の坑道方向へ往復動させて、切削
後のコンクリート壁2とベルト32との間のコンクリー
ト覆工空間Sに向けて、急硬性コンクリートを吹き付け
可能にしている。コンクリートの吹き込み圧力は、従来
の5〜6kgf/cm2 に比べて低圧に設定され、実施
例では1.5〜2.0kgf/cm2 に設定されてい
て、粉塵とジャンカの発生を抑制している。
【0021】コントロールボックス26のコンピュータ
は、付設のキーボードまたはリモコン装置を介して、コ
ンクリート覆工後のトンネル径と、覆工開始位置と、旋
回速度、つまり旋回ブーム30の移動速度と、移動型枠
31のベルト周回速度と、コンクリートの吹き込み圧力
等を覆工前に入力可能にされ、覆工時には上記入力値に
基づき、旋回ブーム30の旋回位置に応じて、該ブーム
30を伸縮制御する油圧系統へ制御信号を出力し、その
旋回半径を制御可能にしている。
【0022】コンクリート供給装置6は移動可能な機体
35を有し、この機体35上に給水タンク36と、コン
クリートポンプ37と、コンピュータを装備したコント
ロールボックス38と、粉状の急結剤を収納する容器
(図示略)と、急結剤と水との混合用ミキサー39と、
液状の急結剤を所要量圧送するフィードポンプ(図示
略)と、液状の遅延剤を収納する容器(図示略)と、遅
延剤と水との混合用ミキサー(図示略)と、液状の遅延
剤を所要量圧送するフィードポンプ(図示略)と、複数
の電磁弁を備えた混和剤添加装置40とを装備してい
る。
【0023】すなわち、急結剤と遅延剤とは別系統のミ
キサーでそれぞれ液状に調製され、その液状の急結剤と
遅延剤の所要量を、各フィードポンプから導管を介して
混和剤添加装置(図示略)へ別々に導き、それらの混合
液を導管41を介して、旋回ブーム30の基部に配置し
たミキサー42に導いている。ミキサー42には、コン
クリートポンプ37に連通する導管43が接続され、該
ミキサー42でフレッシュコンクリートと前記混合液と
が混合され、これを吐出管44に導いて、前記移動型枠
31のノズル34へ供給している。
【0024】前記コンクリート供給装置6に装備したコ
ンピュータは、付設のキーボードまたはリモコン装置を
介して、急硬コンクリート打設時における急結剤と遅延
剤の作成および圧送に関する情報を入力可能にしてい
る。すなわち、コンクリート打設時期と打設現場の状況
および作業条件、例えばコンクリートの計測温度を入力
し、該温度情報とコンクリートの配合比率、特に水セメ
ント比W/Cとに基いて、コンクリートに添加する急結
剤と遅延剤の添加量を各種実験値の記憶情報から読み出
し、かつそれらの添加量に相当する制御信号を各フィー
ドポンプへ出力して、それらを圧送可能にしており、そ
の際フィードポンプの吐出量を計量して、その信号をフ
ィードバックさせている。
【0025】この他、図中45は切削後のコンクリート
壁2を補強する支保工で、チャンネル部材を略アーチ状
に折り曲げ、これを切削後のコンクリート壁2内面に等
間隔に配置しており、覆工時にはそれらの間に補強用の
金網46を配設して、これらを覆工コンクリート47に
埋め込むようにしている。48はコンクリートガラ49
を搬送するベルトコンベアで、トンネル1の底面からコ
ンクリートガラ運搬車4に亙って設置されている。
【0026】なお、この実施例ではトンネル1の通水断
面に余裕がないため、はつり工法との組み合わせで既設
覆工の一部を削り取り、その後薄肉覆工をしているが、
全面を巻き替えてもよい。また、通水断面に余裕がある
場合は、内巻き工法を採用することができる。
【0027】このように構成したトンネル補修工法は、
先ず補修対象のトンネル1内にはつり機3を搬入し、こ
れを坑内のコンクリート面切削部Aで停止後、アウトリ
ガー10とサイドジャッキ11とを伸縮操作し、機体8
を保持するとともに、旋回アーム18の旋回中心をトン
ネル1の中心位置に調整する。
【0028】この後、コントロールボックス12のコン
ピュータに、付設のキーボードまたはリモコン装置を介
して、トンネル径と、余掘オフセット量、切削開始位置
と、旋回速度、傾斜計の読み値であるローリング値と、
機体8の位置等の切削条件を入力して、例えば自動運転
を選択すると、一連の切削が前記入力条件を基にコンピ
ュータで制御され、自動的に行なわれる。
【0029】すなわち、自動運転開始と同時に、旋回駆
動用モータ15,15とカッタードラム駆動用モータ1
9とが駆動し、ノズルからは水が噴射する。このうち、
旋回駆動用モータ15が駆動すると、その動力が駆動ギ
ヤから、これと噛合するリングギヤに伝わり、該リング
ギヤを固定した回転ドラム16が回転して、該ドラム1
6に連結したアームホルダー17が同期回転する。
【0030】一方、カッタードラム駆動用モータ19が
駆動すると、その動力が直結した駆動ギヤを介して、こ
れと噛合する歯車列の一端のギヤに伝わり、該ギヤより
最終列のギヤに伝達されて、該ギヤに固定したカッター
シャフト20が回転し、該シャフト20に固定した一対
のカッタードラム21が回転する。
【0031】こうして、カッタードラム21,21は回
転しながら、トンネル1の中心位置を中心に旋回して、
トンネル1内面の既設コンクリートを切削する。このよ
うな切削時には、カッタードラム21,21のXY位置
が当初設定の位置検出域を通過時に検出され、その信号
がコンピュータへ入力される。コンピュータは、前記検
出位置とカッタードラム21の当初設定位置とのXY方
向の偏位を演算し、その制御信号を旋回アーム調整ジャ
ッキ(図示略)の制御弁へ出力して、そのピストンロッ
ドの伸縮量をその都度調節し、所期の切削を可能にす
る。
【0032】また、このような切削時には、カッタード
ラム21,21の前後のノズルから、コンクリート壁2
と切削ビットとの接点に向けて散水され、粉塵の発生を
阻止する。この場合、本発明は8〜10kg/cm2
を散水しているから、従来の散法に比べて、散水量
の増量を図れ、粉塵の発生を強力に阻止する。
【0033】一方、カッタードラム21,21は、旋回
アーム18の端部の対称位置にバランス良く取り付けら
れているから、切削時の反力による上記アーム18の曲
げを防止し、その作動誤差を防止する。しかも、旋回ア
ーム18は状に構成され、これが直線的に摺動す
る単純なものであるから、多くのリンクを駆使して複雑
に作動させる従来の旋回アームに比べて、構成および制
御が簡単で作動誤差が少なく、カッタードラム21,2
1が正確に作動して、トンネル1の内面を平滑かつ一様
に切削する。したがって、従来のようにはつり機の切削
後、はつり面を平滑にする手直し作業を要しない。
【0034】カッタードラム21がトンネル1の内面を
1旋回したところで、旋回駆動用モータ15とカッター
ドラム駆動用モータ19の駆動を停止し、旋回調整ジャ
ッキを収縮させて、カッタードラム21を切削面から後
退させ、これをカッタードラム21の幅分未切削側へ矢
視方向へ移動する。この後、カッタードラム21を前述
と同様に位置設定し、切削を再開する。
【0035】こうして、コンクリート壁2の内面を所定
距離切削後、当該部にチャンネル部材を略アーチ状に折
り曲げた支保工45を等間隔に配置し、かつそれらの間
に補強用の金網46を組み付ける。なお、コンクリート
ガラ49は、ベルトコンベア48等によってコンクリー
トガラ運搬車4へ搬送し、これを坑道外部に排出する。
【0036】一方、支保工45を一定距離組み付け後、
覆工装置5とコンクリート供給装置6とをトンネル1内
に搬入し、これらをコンクリート覆工部Bに移動して停
止する。この後、覆工装置5のアウトリガー10と、サ
イドジャッキ11とを伸縮操作し、機体8を保持すると
ともに、旋回アーム18の旋回中心をトンネル1の中心
位置に調整する。
【0037】覆工装置5とコンクリート供給装置6との
間には、旋回ブーム30の旋回動を許容する十分に長い
導管41,43が接続され、またこの搬入の前後にコン
クリートミキサー車7から、所要量のフレッシュコンク
リートをコンクリートポンプ37に供給する。
【0038】そして、このような作業と並行して、フレ
ッシュコンクリートに添加する所要量の急結剤と遅延剤
とを作成する。この作成に際しては、コンクリート供給
装置6に装備したコンピュータを、付設のキーボードま
たはリモコン装置を介して操作する。すなわち、作業者
は、急結剤と遅延剤のそれぞれを水と混合撹拌して液状
に作成するとともに、コンクリート打設時期と打設現場
の状況および作業条件、例えばフレッシュコンクリート
の温度を定期的に計測して、その温度情報をコンピュー
タへ入力する。
【0039】コンピュータは上記温度情報入力を条件
に、予め記憶した温度情報とコンクリートの配合比率、
特に水セメント比W/Cとの各種実験値の情報に基い
て、コンクリートに添加する急結剤と遅延剤の添加量を
読み出し、その添加量に相当する制御信号を各フィード
ポンプへ出力して、所要量の急結剤と遅延剤とを各導管
から混和剤添加装置40へ圧送する。その際、フィード
ポンプの吐出量を計量し、その信号を制御系へフィード
バックする。
【0040】一方、このような作業と並行して、作業者
は覆工装置5に装備したコンピュータを、付設のキーボ
ードまたはリモコン装置を介して操作し、コンクリート
覆工後のトンネル径と、覆工開始位置と、旋回速度、つ
まり旋回ブーム30の移動速度と、移動型枠31のベル
ト周回速度と、コンクリートの吹き込み圧力等の情報を
入力する。
【0041】そして、このような情報に基いて支持ブー
ム28を昇降し、かつ旋回ブームを伸縮操作して、移動
型枠31を覆工開始位置であるトンネル1の側壁下端部
の支保工45,45上に位置付ける。このような状況の
下でコンクリート覆工を開始すると、旋回駆動用機構2
9が駆動し、コンクリート覆工空間Sに定量のコンクリ
ートが吹き込まれたところで、旋回ブーム30が上向き
に旋回するとともに、移動型枠31のベルト32が周回
動して、隣接する覆工コンクリート47の内面に沿って
移動する。
【0042】また、コンクリート覆工開始と同時に混和
剤添加装置40の電磁弁が開弁して、内部の混合通路と
導管とが連通し、前記調製後の急結剤と遅延剤とが上記
装置40内に流入して、これらが混合する。急結剤と遅
延剤との混合液は、この後導管41に送り出されて、旋
回ブーム30の旋回中心部に設置したミキサー42に導
かれ、一方、コンクリート覆工開始と同時に、コンクリ
ートポンプ37が駆動して、フレッシュコンクリートが
圧送され、これが導管43を介しミキサー42へ送り込
まれて、前記混合液と混合し撹拌されて吐出管44に押
し出され、ノズル34からコンクリート覆工空間Sへ吹
き出される。
【0043】この場合、コンクリート壁2のはつり面
は、前述のようにはつり機3によって平滑かつ一様に切
削されているから、ノズル34が切削面に接触したり、
故障したりすることがない。また、コンクリートの吹き
込み圧力は、従来の5〜6kgf/cm2 に比べて低圧
に設定され、実施例では1.5〜2.0kgf/cm2
に設定しているから、粉塵の発生を抑制するとともに、
背面側からリバウンドした粗骨材をモルタルで内包し
て、良質な覆工コンクリート47を形成する。
【0044】覆工コンクリート47の厚さは、図3のよ
うにはつり前のコンクリート壁2の巻厚よりも厚く、そ
の内部に支保工45と金網46とが埋設され、覆工コン
クリート47の強度を強化する。また、この覆工時には
旋回ブーム30ないし移動型枠31の位置が適宜手段で
検出され、その情報がコンピュータへ入力されるととも
に、この入力情報を条件に前記設定した情報に基いて、
旋回ブーム30のXY方向の偏差を演算し、その制御信
号を旋回ブーム30の油圧系統へ出力して、該ブーム3
0を伸縮させ、その旋回半径を調整する。したがって、
種々のトンネル断面に対する覆工が可能になる。
【0045】こうして、トンネル1の片側側壁からアー
チ部を覆工し終えたところで、その覆工を一旦中断し、
したがってフレッシュコンクリートと混合液との混合を
中断し、移動型枠31を反対側の側壁の下端部へ移動さ
せて、当該側壁とアーチ部との覆工を再開し、最後に天
端部を覆工して、1サイクルの覆工を終了する。この
後、覆工装置5を矢視方向へ移動し、隣接の区域を覆工
する。
【0046】このようにして上記作業を繰り返し、所定
距離覆工するが、その間作業者は、刻々変化するコンク
リート温度を定期的に計測してコンピュータへ入力し、
作業条件に応じた急結剤と遅延剤とをコンクリートへ添
加する。
【0047】この場合、1サイクルの覆工速度は、実施
例の場合4m2 /hで、トンネル1の内面を1旋回して
はつりする、はつり機3の施工速度と略同速度に設定さ
れている。したがって、はつり作業と覆工作業とを略同
速度で行なえるから、それらの相違によって作業が停滞
することなく、双方の作業を能率良く迅速に行なえる。
【0048】また、このようなコンクリートの打設時に
は、トンネル1の側壁の打設時は、コンクリートがなる
べく早く凝結し、一方、天端部はゆっくり凝結すること
が望まれ、急結剤の添加量を異にした二様の急硬コンク
リートを要する。この点、本発明は急結剤と遅延剤とを
別々に調製し、その所要量をフレッシュコンクリートに
添加しているから、打設現場において作業進度を見極め
ながら異種の急硬コンクリートを製造することができ、
上記要望に応じられるとともに、コンクリートの打設作
業を円滑かつ能率良く行なえる。
【0049】
【発明の効果】本発明のトンネルの補修工法は以上のよ
うに、はつり機に略直状の旋回アームを配設し、該ア
ームの先端に一対のカッタードラムを対称位置に配置し
たから、従来のように多数のリンク部材を駆使して複雑
に作動させるものに比べて、はつり機の構成が簡潔にな
るとともに、旋回アームとカッタードラムが正確に作動
して、平滑で精度の高いはつり面を得られる。したがっ
て、従来のようにトンネルの補修部をはつりはつり
面の手仕上を要することがなく、またはつり面を覆工す
る際、はつり面に移動型枠のノズルが接触することなく
能率良く行なえ、しかも新旧コンクリートの接合強度を
強化することができる。 また、本発明はコンクリートの
吹き込み圧力を低圧に設定したから、粉塵の発生とコン
クリートのはね返りを防止することができ、コンクリー
トの吹き込み時の作業環境が向上するとともに、コンク
リートの空費が防止され、しかもコンクリートの飛散や
はね返りを防止して覆工面を緻密にし、平滑で一様な仕
上りの覆工面を得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図で、主に坑内で
のはつり機による切削作業の状況を示している。
【図2】本発明の一実施例を示す斜視図で、図1と同じ
坑内での覆工装置によるコンクリート覆工作業の状況
と、コンクリート供給装置の使用状況を示している。
【図3】本発明に適用したトンネルの一例を示す断面図
である。
【符号の説明】 1 トンネル 3 はつり機 5 覆工装置 6 コンクリート供給装置 18 旋回アーム 21 カッタードラム 31 移動型枠 34 ノズル 37 コンクリートポンプ S 覆工コンクリート空間

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネルの切削部にはつり機を配置し、
    該はつり機にトンネルの円周方向に旋回可能なカッター
    ドラムを設け、トンネルの覆工部に覆工装置を配置し、
    該装置にトンネルの円周方向に旋回可能な移動型枠と、
    該型枠の一方からコンクリート覆工空間に向けてコンク
    リートを吹き込み可能なノズルとを設けて、コンクリー
    トを覆工するようにしたトンネル補修工法において、前
    記はつり機には、略直柱状に配設した旋回アームの先端
    に一対のカッタードラムを対称位置に配置し、かつ、前
    記コンクリートの吹き込み圧力を低圧に設定したことを
    特徴とするトンネル補修工法。
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