JPH0776996A - トンネルの一次覆工打設装置 - Google Patents

トンネルの一次覆工打設装置

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Publication number
JPH0776996A
JPH0776996A JP5222438A JP22243893A JPH0776996A JP H0776996 A JPH0776996 A JP H0776996A JP 5222438 A JP5222438 A JP 5222438A JP 22243893 A JP22243893 A JP 22243893A JP H0776996 A JPH0776996 A JP H0776996A
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JP
Japan
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tunnel
concrete
frame
mold
primary lining
Prior art date
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Withdrawn
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JP5222438A
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English (en)
Inventor
Kaiji Yanagihara
海二 柳原
Kyohei Takahashi
恭平 高橋
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TOKAI KIKO KK
Nippon Koki Co Ltd
Original Assignee
TOKAI KIKO KK
Nippon Koki Co Ltd
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Publication date
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  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリートの歩留り及び作業環境を向上さ
せるとともに、効率よく精度の高い一次覆工を形成可能
にする。 【構成】 内周に所定の空間を形成したフレーム1と、
フレーム1を支持するとともにこのフレーム1に対して
相対変位可能な複数のメッセル2A、2Bと、メッセル
2A、2Bをそれぞれ駆動する油圧シリンダと、トンネ
ル50の内周に沿って係合可能に形成されるとともにト
ンネル50の内周に向けて変位可能にフレーム1で支持
された型枠3A〜3Gと、これら型枠3A〜3Gを駆動
する油圧シリンダ31と、型枠3の端部に設けられて可
撓性を備えた妻型枠と、この妻型枠をトンネル50の内
周に向けて付勢する油圧シリンダと、トンネル50の内
周に面した型枠3A〜3Gに開口した注入口と連通する
ポンプを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネルのコンクリー
ト内壁としての一次覆工を打設する自走可能な型枠に関
する。
【0002】
【従来の技術】山岳などにおけるトンネルの掘削は、地
山が自立でき、かつ涌水が滴下する程度の地質におい
て、図13(A)〜(D)に示すように、ブームカッタ
等の掘削機90により切羽の掘削を行い(A)、ダンプ
等でずりを坑内から排出した後(B)、吹き付け機92
によって地山70に掘削したトンネルの内周にコンクリ
ート60を吹き付けて一次覆工としての内壁52を形成
して地山70の崩落を防いでから(C)、ロックボルト
93を打設するものが知られている。また、地山の自立
が不安定な場合などでは鉄骨と金網にコンクリートを吹
き付けた支保工吹き付けを行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記吹
き付け機92等の従来の装置では、吹き付けられたコン
クリートの粉塵、跳ね返り、はげ落ち等によりコンクリ
ートの歩止まりが良好ではない上に作業環境の改善を難
しくしており、また、吹き付け作業の度ごとに切羽に面
して配置される掘削機90と吹き付け機92等の装置を
入れ換える必要があり、この入れ換えに多大な労力及び
時間を必要とするため作業効率を低下させる一因となっ
ていた。さらに、吹き付けによる一次覆工では形成され
る内壁の精度を均一に保持することが難しく、施工品質
の管理を容易に行うことができないという問題があっ
た。
【0004】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、コンクリートの歩止まり及び作業環境を向
上させるとともに、効率よく精度の高い一次覆工を形成
可能なトンネルの一次覆工打設装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、内周
に所定の空間を形成したフレームと、前記フレームを支
持するとともに前記フレームに対して所定の範囲で相対
変位可能な複数の接地部材と、前記複数の接地部材をそ
れぞれ駆動するアクチュエータとを備えたトンネルの一
次覆工打設装置において、トンネルの内周に係合可能に
形成されるとともにトンネルの内周に向けて変位可能に
前記フレームで支持された複数の型枠と、前記型枠を駆
動するアクチュエータと、前記型枠の端部に設けられて
可撓性を備えた妻型枠と、前記トンネル内周に面した型
枠に開口した注入口と、前記注入口と連通するコンクリ
ート供給手段とを備える。
【0006】また、請求項2の発明は、前記妻型枠をト
ンネルの内周に向けて付勢するアクチュエータを備え
る。
【0007】また、請求項3の発明は、前記注入口を少
なくともトンネル内周の側方及び頂部にそれぞれ配設す
る。
【0008】また、請求項4の発明は、前記注入口とコ
ンクリート供給手段との間に介装されてコンクリートの
圧力が所定値を越えると閉弁する弁を備える。
【0009】また、請求項5の発明は、前記弁の上流に
介装されて前記トンネルの中心に対して左右の型枠への
コンクリートの流量をそれぞれ制御する手段と、下方か
ら上方の型枠へ向けて順次コンクリートを分配する手段
とを備える。
【0010】
【作用】したがって、請求項1の発明は、トンネルの内
周に沿ってフレームで支持された複数の型枠をアクチュ
エータにより地山と所定の間隔となる所定の位置に変位
させるとともに可撓性を備えた妻型枠をトンネル内周の
地山に向けて押圧する。コンクリート供給手段から圧送
されたコンクリートが型枠に形成した注入口から地山と
型枠との間隙に流入する。このとき、型枠によって地山
に押圧された妻型枠は可撓性を備えているため地山の凹
凸になじんで型枠と地山の間に画成した空間を閉鎖する
ためコンクリートは型枠から漏れることなく内壁を形成
することができ、コンクリートの歩止まりを向上すると
ともに粉塵などを発生することがない。このコンクリー
トが硬化する間にフレームの内周に形成した所定の空間
に掘削機を収装して掘削作業を並行することができ、コ
ンクリートの硬化後には型枠を移動して形成された内壁
との間に所定の間隔を設け、複数の接地部材の内の一つ
でフレームを支持する一方、他方を前方(切羽方向)に
変位させ、この後、前方に変位した接地部材でフレーム
を支持する一方、他方を前方に変位させることでフレー
ムは掘削方向へ自走することができ、効率良く一次覆工
を形成しながら掘削を推進することができる。
【0011】また、請求項2の発明は、可撓性を備えた
妻型枠をトンネルの内周に向けて付勢するアクチュエー
タを設けたため、型枠と地山の間隔に影響されることな
く妻型枠と地山との間を閉鎖してコンクリートの漏れを
防いで、打設する内壁の肉厚を調整することができる。
【0012】また、請求項3の発明は、前記注入口を少
なくともトンネル内周の側方及び頂部にそれぞれ配設す
ることで、打設する内壁の厚さが薄い場合でもコンクリ
ートを型枠の全周へ円滑に流し込んで均一な一次覆工を
形成することができる。
【0013】また、請求項4の発明は、コンクリートの
圧力が所定値を越えると閉弁する弁を備えたため、型枠
及び妻型枠からのコンクリートの漏れを防いで、コンク
リートの歩止まりを向上させるとともに、自動的にコン
クリートの充填を行うことができる。
【0014】また、請求項5の発明は、流量制御手段に
より左右の型枠へのコンクリートの流量を均一に保持す
るとともに、下方から上方の型枠へ向けて順次コンクリ
ートを分配するため、不均一なコンクリートによる横方
向のフレームのずれを抑制して精度の高い一次覆工を形
成することができる。
【0015】
【実施例】以下、図面に従って本発明の実施例を説明す
る。
【0016】図1〜図3において、ほぼ半円形に掘削さ
れたトンネル50の内部には、鋼板によって半円形の円
弧状に形成された一次覆工打設装置のフレーム1が配設
される。フレーム1はトンネル50の内周に形成する内
壁52の半径より小さい所定の外径を備える一方、フレ
ーム1の内周には所定の空間を形成しており、この空間
は、例えば、図示しない掘削機等がフレーム1の内周で
作業可能な幅及び高さを備える。
【0017】半円形の円弧状に形成されたフレーム1は
両端にそれぞれ設けた接地部材としての2組のメッセル
2A、2A及び2B、2Bを介して床面に支持される。
これらメッセル2A、2Bは図2にも示すように、先端
を楔状に形成された板状部材で構成され、メッセル2
A、2Aはトンネル50の内周側に、メッセル2B、2
Bをトンネル50の中心線側にそれぞれ配設されて、メ
ッセル2A、2Bはトンネル50の前後方向(トンネル
50の全長方向で、図2において切羽51側を前方とす
る。以下同)で平行に設けられる。
【0018】そして、これらメッセル2A、2Bは後述
の台座10を介してフレーム1に対して所定の範囲でそ
れぞれ相対変位可能、すなわち、トンネル50の前後方
向、上下方向及び幅方向へ相対変位可能に取り付けられ
る。
【0019】フレーム1の両端にはトンネル50の幅方
向へ相対変位可能な台座10、10がそれぞれ設けら
れ、この台座10は図4にも示すように、台座10の上
面でトンネル50の幅方向に設けたガイド16、16で
前後方向にそれぞれ配設したフレーム1、1の端部を支
持するとともに係合し、フレーム1は台座10の上面で
ガイド16に沿って摺動自由に支持される。フレーム1
と台座10との間にはアクチュエータとしての油圧シリ
ンダ23、23が介装されて、油圧シリンダ23を駆動
することによってフレーム1をトンネル50の幅方向へ
変位させる。
【0020】台座10の両端で鉛直方向に立設された外
筒13、13の内周には図5にも示すように、内筒12
が下方に向けて伸縮自由に突出し、この内筒12の端部
に設けたスライドシュー11を介して台座10はメッセ
ル2Aに支持される。そして、内筒12に収装されて外
筒13とスライドシュー11との間に介装されたアクチ
ュエータとしての油圧シリンダ21Aを駆動することに
よって台座10を上下方向へ変位させることができ、メ
ッセル2Aでフレーム1が上下方向へ相対変位可能に支
持される。
【0021】メッセル2Aの上部には断面をT字状に形
成したガイド24が設けられ、このガイド24に嵌合す
る溝12を介して台座10に取り付けられたスライドシ
ュー11、11がメッセル2Aの上部に外周から係合
し、スライドシュー11、11はガイド24に沿ってメ
ッセル2Aの長手方向で摺動自由に支持され、フレーム
1は台座10を介してメッセル2Aで前後方向で相対変
位可能に支持される。
【0022】メッセル2Aと台座10との間の所定の位
置にはメッセル2Aをフレーム1の前後方向へ駆動する
油圧シリンダ22Aが介装され、油圧シリンダ22Aを
駆動することによりメッセル2Aとフレーム1の前後方
向への相対変位が行われ、フレーム1とメッセル2Aの
相対変位の範囲は、上下方向への駆動を行う油圧シリン
ダ21A、前後方向への駆動を行う油圧シリンダ22
A、幅方向への駆動を行う油圧シリンダ23のストロー
クに応じて規制される。
【0023】フレーム1の中心に面してメッセル2Aと
平行に配設されたメッセル2Bも上記メッセル2Aと同
様に台座10を介して前後及び上下方向でフレーム1を
変位可能に支持しており、フレーム1を前後方向に駆動
する油圧シリンダ22B、同じく上下方向へ駆動する油
圧シリンダ21Bがメッセル2Bと台座10との間に介
装される。
【0024】フレーム1の外周にはトンネル50の内周
に係合可能な所定の曲面を備えた型枠3A〜3Gが後述
のアクチュエータとしての油圧シリンダ31を介してト
ンネル50の内周に向けた半径方向で変位可能に支持さ
れる。
【0025】これら型枠3A〜3Gは、図1〜3に示し
たように、トンネル50の底面に面した側面下方に型枠
3A、3Gを配設する一方、トンネル50の頂部に面し
て型枠3Dを配設しており、型枠3A、3Dの間に型枠
3B、3Cを、型枠3G、3Dの間に型枠3E、3Fを
それぞれ配設する。
【0026】型枠3A〜3Gは図6にも示すように、ト
ンネル50の内周に係合可能な所定の曲率を備えて表面
に樹脂のコーティングを備える板状部材で形成された樹
脂コーティングプレート33をトンネル50の前後方向
に沿ってそれぞれ固設しており、型枠3A〜3Gに固設
された樹脂コーティングプレート33は互いに隣合う樹
脂コーティングプレート33の端部と重なって半円形の
トンネル50の曲面全周を覆うことができる。この樹脂
コーティングプレート33の重なりは図3に示すよう
に、頂部の型枠3Dの樹脂コーティングプレート33の
両端が地山70と対向するように隣合う型枠3C、3E
の樹脂コーティングプレート33の端部と内周で摺接
し、頂部に近い樹脂コーティングプレート33の下方の
端部内周が、トンネル50の下方で隣合う樹脂コーティ
ングプレート33の頂部側の端部外周と摺接し、樹脂コ
ーティングプレート33の表面を流れるコンクリートを
円滑にトンネル50の底面へ導くとともに、型枠3A〜
3Gの内周へコンクリートの漏れを防ぐ。
【0027】型枠3Aは図7、図8に示すように、フレ
ーム1の外周に面した所定の位置で半径方向に沿って固
設された外筒37にはフレーム1の外周に向けて伸縮自
由な内筒38が収装され、この内筒38の端部に設けた
スライドシュー35を介して型枠3Aはフレーム1に支
持される。
【0028】内筒38に収装されて外筒37とスライド
シュー35との間に介装されたアクチュエータとしての
油圧シリンダ31を駆動することによって型枠3Aをト
ンネル50の内周に向けた半径方向へ変位させるととも
に付勢する。油圧シリンダ31の最収縮位置では、図
1、図3の中心線より右半分に示すように、トンネル5
0の内周に形成された内壁52と樹脂コーティングプレ
ート33との間に所定の間隙が設けられる。
【0029】なお、外筒37、内筒38及び油圧シリン
ダ31は一つの型枠3Aに対してフレーム1の前方及び
後方のそれぞれ所定の2カ所に配設され、スライドシュ
ー35はこれらフレーム1の前方及び後方にそれぞれ設
けられる。
【0030】型枠3Aの下部には断面をT字状に形成し
たガイド34が設けられ、このガイド34と摺接する溝
36を備えたスライドシュ−35に型枠3Aが摺動自由
に支持され、型枠3Aはスライドシュー35に沿ってフ
レーム1の前後方向で相対変位可能に支持される。そし
て、型枠3Aとフレーム1との間には外筒37に固設し
たブラケット15を介して油圧シリンダ32が介装さ
れ、油圧シリンダ32を駆動することにより型枠3Aを
フレーム1の前後方向へ変位させることができる。な
お、型枠3B〜3Gも上記型枠3Aと同様に構成され、
それぞれ油圧シリンダ31、32を備える。
【0031】型枠3A〜3Gの前方、すなわち、フレー
ム1の切羽51側に面した端部には3枚の板状部材で構
成される妻型枠4がそれぞれヒンジ結合され、妻型枠4
の自由端には可撓性を備えたワイヤブラシ40が突設さ
れる。
【0032】妻型枠4は図9にも示すように、型枠3A
の端部に設けたピン43を介してトンネル50の内周に
向けて回動可能にヒンジ結合されており、妻型枠4は下
面に設けたブラケット42と型枠3Aの下面との間に介
装したアクチュエータとしての油圧シリンダ41によっ
て図9の実線で示す妻型枠4の最大締切位置から妻型枠
4′に示す水平位置の間で駆動される。
【0033】ここで、上記型枠3A〜3Gのうち、図3
に示すトンネル50の側方に面した型枠3B、3F及び
頂部に面した型枠3Dには樹脂コーティングプレート3
3のほぼ中央部に開口した注入口5がそれぞれ形成され
る。これら注入口5にはコンクリートの圧力が所定値を
越えると閉弁するシャットオフバルブ8がそれぞれ設け
られ、これらシャットオフバルブ8にそれぞれ接続され
た配管61はフレーム1の台座10の所定の位置に設け
られた分配器7に接続される。なお、シャットオフバル
ブ8には図示しない圧力センサ及びアクチュエータが収
装され、この圧力センサの検出値に基づいてアクチュエ
ータが閉弁駆動を行う。
【0034】この分配器7は台座10に設けられたコン
クリートポンプ6から圧送されるコンクリートの流量を
シャットオフバルブ8に設けた圧力センサの検出値に基
づいて制御するとともに、トンネル50の側面の型枠3
B、3Fから頂部の型枠3Dへ向けて順次コンクリート
を分配するものである。
【0035】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0036】一次覆工打設装置は図10に示すように、
フレーム1の内周に掘削機90を収装し、切羽51を掘
削する掘削機90とともに一次覆工としての内壁52を
打設しながらトンネル50の内部を前進する。
【0037】フレーム1の前進は一組のメッセル2A、
2Bを交互に前進、後退させることで歩行するように行
われる。すなわち、図2に示すように、フレーム1の左
右に配設したメッセル2B、2Bによりフレーム1を支
持した状態で油圧シリンダ21Aを収縮し、メッセル2
Aの負荷を除去してから油圧シリンダ22Aを伸長させ
て左右のメッセル2A、2Aを切羽51に向けて前進さ
せた後、油圧シリンダ21Aを伸長させ、メッセル2A
によってフレーム1を支持する。そして、油圧シリンダ
21Bを収縮してメッセル2Bの負荷を除去してから油
圧シリンダ22Aを収縮することでフレーム1はメッセ
ル2Aに沿って前進する。このメッセル2A、2Bによ
るフレーム1の支持、前進を繰り返すことで、図2に示
すように型枠3A〜3Gの樹脂コーティングプレート3
3の後端が既に打設した内壁52の前端と係合可能な所
定の施工位置までフレーム1を前進させる。
【0038】この施工位置において、トンネル50の中
心とフレーム1の中心が一致していない場合には、フレ
ーム1を幅方向へ変位させる油圧シリンダ23を駆動す
ることで調整を行い、同様に、トンネル50の勾配等に
より上下方向の位置を調整するには、フレーム1を上下
方向へ駆動する油圧シリンダ21A、21Bを調整する
ことで行う。
【0039】フレーム1の所定の施工位置では油圧シリ
ンダ31を伸長させて、型枠3A〜3Gを掘削した地山
70の内周に向けて変位させ、樹脂コーティングプレー
ト33の後端が既に硬化した内壁52の前端に当接し、
かつ樹脂コーティングプレート33の前端と地山70の
間隙、すなわち、形成する内壁52の肉厚が所定の値と
なる位置で油圧シリンダ31を保持して型枠3A〜3G
を支持する。このとき、例えば、頂部に配設した型枠3
Dは、図2に示す3D′の位置まで上昇して樹脂コーテ
ィングプレート33の後端を内壁52に押圧する。この
油圧シリンダ31の伸長は樹脂コーティングプレート3
3の重なり状況に応じて行われ、本実施例では、まず頂
部の型枠3Dをトンネル50の内周へ変位させてから、
順次下方の型枠3C、3B、3Aを変位させることによ
り、樹脂コーティングプレート33の端部に損傷を与え
ることがない。
【0040】ここで、油圧シリンダ41を伸長させて妻
型枠4を回動させ、妻型枠4の端部が地山70に当接す
る締切位置で油圧シリンダ41を保持する。このとき、
妻型枠4の端部から突出したワイヤブラシ40が可撓性
を備えているため地山70の凹凸に押圧されるとともに
密着し、型枠3A〜3Gの樹脂コーティングプレート3
3と地山70の間には前方を妻型枠4及びワイヤブラシ
40で、後方を内壁52の前端に押圧した樹脂コーティ
ングプレート33でそれぞれ密封した空間を画成し、こ
のときの樹脂コーティングプレート33と地山70との
間隙が打設する内壁52の肉厚となる。
【0041】なお、妻型枠4の前後方向への位置調整は
油圧シリンダ32を伸長することにより型枠3A〜3G
を前方へ、収縮させることにより型枠3A〜3Gを後方
へ変位させて妻型枠4の位置調整を行うことができる。
【0042】油圧シリンダ31、41の圧力を保持した
状態でコンクリートポンプ6を駆動して、図3の中心よ
り左半分に示すように、分配器7により内壁52の下方
から上方へ向けて順次打設を行う。
【0043】この打設順次は分配器7によって予め設定
されたもので、図3において、トンネル50の側方に面
した型枠3B、3Fの注入口5からコンクリートの打設
を開始する。
【0044】型枠3B、3Fの注入口5から圧送された
コンクリートは型枠3A、3Gの樹脂コーティングプレ
ート33の表面に沿って床面に落下し、内壁52の下方
から上方に向けて内壁52を形成する。このとき、分配
器7は型枠3B、3Fに圧送するコンクリートの流量が
均等となるように、シャットオフバルブ8に設けた図示
しない圧力センサの検出値に基づいて流量制御を行うた
め、フレーム1は幅方向から均等な荷重を受けてトンネ
ル50の中心からずれることなく打設を行うことができ
る。
【0045】型枠3B、3Fの上方までコンクリートが
充填されるとコンクリートの圧力が上昇するため型枠3
B、3Fのシャットオフバルブ8が閉弁し、型枠3B、
3Fからのコンクリートの打設が停止する。同時に、分
配器7は型枠3B、3Fのシャットオフバルブ8の検出
値からコンクリートの圧送先をトンネル50の頂部に面
した型枠3Dに切り換える。
【0046】以降、頂部の型枠3Dの注入口5からコン
クリートが圧送され、樹脂コーティングプレート33の
全周と地山70との間の空間にコンクリートが充填され
ると、型枠3Dに設けたシャットオフバルブ8がコンク
リートの圧力の上昇に伴って閉弁して自動的に打設が終
了する。こうして、トンネル50の内周と樹脂コーティ
ングプレート33との間に画成した空間の側方に設けた
注入口5からコンクリートの注入を行って、側方の打設
が終了してから頂部に設けた注入口5からの打設を行う
ため、内壁52の肉厚が薄く、かつコンクリートの流動
性が低い場合においても内壁52の全周へ均等にコンク
リートを注入することができる。
【0047】コンクリートの圧力が所定値を越えると閉
弁するシャットオフバルブ8を設けたため、コンクリー
トに過大な圧力が加わることがなくなって内壁52の型
を画成する妻型枠4及びワイヤブラシ40と地山70と
の間、または樹脂コーティングプレート33と既設の内
壁52との間からのコンクリートの漏れを抑制してコン
クリートの歩止まりを向上させるとともに、型枠3A〜
3Gの変位を抑制して精度の高い内壁52を形成するこ
とができるのである。
【0048】型枠3A〜3G及び妻型枠4は地山70と
の間のコンクリートが硬化するまで所定の位置に保持さ
れる。この間、フレーム1の内周に収装した掘削機など
で切羽51の掘削を進めることができ、型枠3A〜3G
が一回で打設する内壁52の全長と掘削機の掘進量が同
期するようにコンクリートの硬化剤を調合することによ
り掘削作業と打設作業を常時切羽51で並行して行うこ
とができる。
【0049】型枠3A〜3G、妻型枠4で画成された空
間内に充填されたコンクリートが硬化して所定の耐力に
達したら型枠3A〜3Gを内壁52から取り外す離型を
行う。
【0050】離型作業は隣合う樹脂コーティングプレー
ト33の重なり具合に応じて行えばよく、本実施例の場
合、トンネル50の底面側から頂部に向けて順次離型を
行い、まず型枠3A、3Gの油圧シリンダ31を収縮さ
せて樹脂コーティングプレート33を内壁52から引き
離し、以降、型枠3Dへ向けて順次油圧シリンダ31を
収縮させることで容易に離型作業を行うことができる。
【0051】離型が終了したら、上記と同様にメッセル
2A、2Bを交互に駆動してフレーム1を次の施工位置
へ移動させて新規の内壁52を打設する。
【0052】このようにして、フレーム1の内周に掘削
機を収装可能な空間を形成するとともに、フレーム1を
自走させるメッセル2A、2Bを配設したため、切羽5
1の掘削と内壁52の打設を同時に並行することが可能
となって、従来の吹き付け工法では避けられなかった装
置の入れ換えを不要にして効率良く施工を行うことが可
能となって、工期を短縮することが可能となり、また、
型枠3A〜3Gを既に形成した内壁52へ押圧するとと
もに型枠3A〜3Gの端部に設けた妻型枠4及びワイヤ
ブラシ40を地山70へ押圧して密封した空間の下方か
ら上方へ向けて順次コンクリートを圧送するとともに、
コンクリートの圧力をシャットオフバルブ8で制御する
ようにしたため、コンクリートの漏れや剥がれを抑制し
て精度の高い内壁を形成することが可能となり、コンク
リートの歩止まりを向上させるとともに、施工品質管理
を向上することが可能となるのである。
【0053】図11は他の実施例を示し、前記第1の実
施例において可撓性を備えた妻型枠としてのワイヤブラ
シ40の代わりにゴムチューブ40Aをシール部材とし
たもので、図12は同じくワイヤブラシ40の代わりに
型枠3Aの端部に固設した妻型枠4Aの上面にスポンジ
などで形成されて可撓性を備えた発泡材料40Bを突設
したもので、その他の構成、作用は前記第1の実施例と
同様であり、妻型枠4からのコンクリートの漏れを防ぐ
ことができる。
【0054】なお、上記実施例において、注入口5をト
ンネル50の側方に面した型枠3B、3Fと頂部に面し
た型枠3Dにのみ設けたが、図示はしないが型枠3A〜
3Gに注入口5及びシャットオフバルブ8をそれぞれ設
けてもよく、この場合においても、分配器7によりトン
ネル50の側面下方の注入口5から頂部に面した注入口
5へ順次切り換えてコンクリートを圧送することによ
り、内壁52の肉厚が薄い場合でも品質の高い内壁52
を形成することができる。
【0055】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
フレームの内周に掘削機を収装可能な所定の空間を形成
する一方、複数の型枠を既に形成した内壁へ押圧すると
ともに型枠の端部に設けた可撓性を備えた妻型枠を掘削
した地山へ押圧して画成した空間へコンクリートを圧送
し、さらにフレームを自走可能な設置部材を配設したた
め、切羽の掘削と内壁の打設を同時に並行することが可
能となって、従来の吹き付け工法では避けられなかった
装置の入れ換えを不要にして効率良く施工を行うことが
可能となって、工期を短縮することが可能となるととも
にコンクリートの漏れや剥がれを抑制して精度の高い内
壁を形成することが可能となり、コンクリートの歩止ま
りを向上させるとともに、施工品質管理を向上すること
が可能となるのである。
【0056】また、請求項2の発明は、可撓性を備えた
妻型枠をトンネルの内周に向けて付勢するアクチュエー
タを設けて型枠と地山の間隔に影響されることなく妻型
枠と地山との間を閉鎖してコンクリートの漏れを防ぐた
め、打設する内壁の肉厚を精度よく管理することが可能
となる。
【0057】また、請求項3の発明は、型枠に形成した
注入口を少なくともトンネル内周の側方及び頂部にそれ
ぞれ配設したため、コンクリートを型枠の全周へ円滑に
流し込んで均一な一次覆工を形成することができ、肉厚
の薄い内壁を形成することが可能となる。
【0058】また、請求項4の発明は、コンクリートの
圧力が所定値を越えると閉弁する弁を備えたため、コン
クリートの圧力の過大な上昇を防いで型枠及び妻型枠か
らのコンクリートの漏れを抑制し、コンクリートの歩止
まりを向上させるとともに、内壁の打設を自動化して作
業効率を向上させることが可能となる。
【0059】また、請求項5の発明は、流量制御手段に
より左右の型枠へのコンクリートの流量を均一に保持す
るとともに、下方から上方の型枠へ向けて順次コンクリ
ートを分配するため、偏ったコンクリートの荷重による
幅方向のフレームのずれを抑制して打設する内壁の精度
を向上させて、高品質の一次覆工を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す正面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】型枠への配管を示す部分断面図である。
【図4】フレームとメッセルの結合を示す側面図であ
る。
【図5】メッセルの断面図である。
【図6】型枠の外周からの斜視図である。
【図7】同じく型枠の内周からの斜視図である。
【図8】型枠とフレームの結合部分の斜視図である。
【図9】妻型枠を示す断面図である。
【図10】掘削作業を示す概略図である。
【図11】他の実施例を示す妻型枠の拡大図である。
【図12】さらに他の実施例を示す妻型枠の拡大図であ
る。
【図13】従来の掘削作業を示す概略図である。
【符号の説明】
1 フレーム 2A、2B メッセル 3A〜3G 型枠 4 妻型枠 5 注入口 6 ポンプ 7 分配器 8 シャットオフバルブ 21A、21B、22、23 油圧シリンダ 31、32 油圧シリンダ 33 樹脂コーティングプレート 40 ワイヤブラシ 41 油圧シリンダ 50 トンネル 52 内壁 70 地山

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周に所定の空間を形成したフレーム
    と、前記フレームを支持するとともに前記フレームに対
    して所定の範囲で相対変位可能な複数の接地部材と、前
    記複数の接地部材をそれぞれ駆動するアクチュエータと
    を備えたトンネルの一次覆工打設装置において、トンネ
    ルの内周に係合可能に形成されるとともにトンネルの内
    周に向けて変位可能に前記フレームで支持された複数の
    型枠と、前記型枠を駆動するアクチュエータと、前記型
    枠の端部に設けられて可撓性を備えた妻型枠と、前記ト
    ンネル内周に面した型枠に開口した注入口と、前記注入
    口と連通するコンクリート供給手段とを備えたことを特
    徴とするトンネルの一次覆工打設装置。
  2. 【請求項2】 前記妻型枠をトンネルの内周に向けて付
    勢するアクチュエータを備えたことを特徴とする請求項
    1に記載のトンネルの一次覆工打設装置。
  3. 【請求項3】 前記注入口を少なくともトンネル内周の
    側方及び頂部にそれぞれ配設したことを特徴とする請求
    項1又は2に記載のトンネルの一次覆工打設装置。
  4. 【請求項4】 前記注入口とコンクリート供給手段との
    間に介装されてコンクリートの圧力が所定値を越えると
    閉弁する弁を備えたことを特徴とする請求項1、2又は
    3に記載のトンネルの一次覆工打設装置。
  5. 【請求項5】 前記弁の上流に介装されて前記トンネル
    の中心に対して左右の型枠へのコンクリートの流量をそ
    れぞれ制御する手段と、下方から上方の型枠へ向けて順
    次コンクリートを分配する手段とを備えたことを特徴と
    する請求項4に記載のトンネルの一次覆工打設装置。
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