JP6699656B2 - ホログラムシート、応力発光シートおよび偽造防止用紙 - Google Patents

ホログラムシート、応力発光シートおよび偽造防止用紙 Download PDF

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Description

本発明は、偽造防止効果に優れたホログラムシートに関するものである。
ホログラムは、波長の等しい二つの光(物体光と参照光)を干渉させることによって、物体光の波面が干渉縞として感光材料に記録されたものであり、干渉縞記録時の参照光と同一波長の光が当てられると干渉縞によって回折現象が生じ、元の物体光と同一の波面が再生することが可能である。ホログラムは、外観が美しく、複製が比較的困難である等の利点を有することから偽造防止用途等に多く使用されている。
例えば、特許文献1では、ホログラム層を有するホログラム転写箔が開示されている。
しかしながら、近年の技術進歩により、ホログラムに近似またはホログラム自体の偽造品を容易に作製可能となりつつある。
このような問題に対して、特許文献2〜3では、ホログラムに応力発光粒子を含有する層を組み合わせることが記載されている。具体的には特許文献2〜3には、ホログラムを含有する層と応力発光粒子を含有する層とを有するホログラムラベルが記載され、ホログラムラベルを対象製品等から剥離する際に応力発光粒子を含有する層が発光可能とすることによって偽造防止効果を向上させることが記載されている。
近年のプリンタやスキャナといった電子機器の普及に伴い、有価証券等の偽造品が容易に作製可能となりつつある。
このような問題に対して、特許文献4では、応力発光材料を用いた偽造防止方法が記載されている。具体的には特許文献4には、応力発光材料の微粒子をゴムまたは樹脂等の接合剤に分散した応力発光層が記載され、応力発光層を含む応力発光構造物を有価証券等の偽造防止に用いることが記載されている。
また、特許文献4では、応力発光層をパターン状に形成し、応力発光層の発光を文字、模様等として観察できるようにすることで偽造防止効果を向上することが記載されている。
有価証券、パスポート、証明証等の偽造防止方法として、スレッド基材を紙層中に埋設した偽造防止用紙を用いる方法が知られている。
スレッド基材としては、例えば、ホログラムが記録されたホログラム層を有するもの、磁性体を含む層を有するもの(例えば、特許文献5等)、紫外蛍光発光層を有するもの(例えば、特許文献6等)が知られている。
また、紙層に窓部が設けられ、その窓部からスレッド基材の一部が露出する偽造防止用紙(例えば、特許文献7〜10等)が知られている。
ここで、ホログラムは、波長の等しい二つの光(物体光と参照光)を干渉させることによって、物体光の波面が干渉縞として感光材料に記録されたものであり、干渉縞記録時の参照光と同一波長の光が当てられると干渉縞によって回折現象が生じ、元の物体光と同一の波面が再生することが可能である。このため、ホログラム層を有するスレッド基材が埋設された偽造防止用紙に対して、特定の光を照射して、ホログラム像を確認することにより真贋判断を行うことができる。
また、特許文献5等に記載の磁性体を含む層を有するスレッド基材が埋設された偽造防止用紙に対しては、専用の磁気ヘッドで固有の磁気特性を読み取ることで、真贋判断を行うことができる。
特許文献6等に記載の紫外蛍光発光層を有するスレッド基材が埋設された偽造防止用紙に対しては、例えば、ブラックライト等を用いることで、スレッド基材からの蛍光発光を観察することで、真贋判断を行うことができる。
特許文献7〜10等に記載の窓部から露出するようにスレッド基材が埋設された偽造防止用紙に対しては、窓部から露出するスレッド基材を観察することで、真贋判断に用いることができる。
特開2013−68960号公報 特開2012−150271号公報 特開2012−150272号公報 特開2007−55144号公報 特許第4508674号 特開2012−86473号公報 特公平5−85680号公報 特開平8−311800号公報 特開平10−71759号公報 登録実用新案第3034283号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるようなホログラム層を用いたものでは、例えば、夜間では真贋判定が難しい等の問題があり、十分な偽造防止効果を得ることができない場合がある。
また、特許文献2〜3に記載されるようなホログラムと応力発光粒子を含有する層とを組み合わせたものでは、十分な偽造防止効果を得ることができない場合がある。
さらに、特許文献4に記載されるような応力発光層を用いた場合、応力発光粒子を含有する層を十分に発光させることができず、十分な偽造防止効果を得ることができない場合がある。
例えば、応力発光粒子を含有する層をパターン状に形成し、パターン状の発光による偽造防止対策を図った場合、所望のパターン状の発光が得られない場合があるといった問題がある。
さらにまた、近年の技術進歩により、偽造防止用紙に埋設されるスレッド基材に使用されるホログラム層に関しては、ホログラムに近似またはホログラム自体の偽造品を容易に作製可能となりつつある。また、暗所では真贋判断が困難であるといった問題がある。
また、偽造防止用紙の真贋判断を行う方法として、特許文献5〜6に記載されるような特殊な装置を用いる方法では、真贋判断に要するコストが高くなること、簡便に真贋判断を行うことができない等の問題がある。
特許文献7〜10に記載されるようなスレッド基材の一部を露出させる方法は、近年の技術進歩により偽造品を容易に作製可能となりつつある。例えば、スレッド基材が有する光沢と同様の光沢の転写箔等を偽造防止用紙表面に転写する方法により、容易に偽造品を作製することが可能となりつつある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、偽造防止効果に優れたホログラムシートを提供することを主目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、例えば、応力発光粒子を含有する層自体にレリーフホログラムが記録されているものとすることで、偽造防止性に優れたホログラムシートとすることができることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有し、上記応力発光層にレリーフホログラムが記録されていることを特徴とするホログラムシートを提供する。
本発明によれば、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層にレリーフホログラムが記録されていることにより、ホログラムによる偽造防止および発光による偽造防止を図ることができ、ホログラムシートを偽造防止効果に優れたものとすることができる。
本発明においては、上記応力発光層がパターン状に形成されていることが好ましい。上記応力発光層がパターン状に形成されていることにより、ホログラムシートに応力を加えた際に、応力発光層をパターン状に発光可能なものとすることができる。
このため、上記応力発光層がパターン状に形成されていることで、ホログラムシートを偽造防止効果に優れたものとすることができるからである。
本発明においては、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を有することが好ましい。パターン状に形成されている応力発光層の存在を隠ぺいすることができ、ホログラムシートを偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
また、本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、例えば、応力発光粒子を含有する層をパターン状に形成することで、応力発光粒子を含有する層からのパターン状の発光を利用した偽造防止効果のさらなる向上を検討した。その結果、パターン状の発光により偽造防止効果の向上を図ることができる一方で、応力発光粒子を含有する層のパターンが視認されることで偽造されやすい等、偽造防止効果を十分に得ることができない可能性があることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、ホログラムが記録されたホログラム層と、上記ホログラム層の少なくとも一方の表面側にパターン状に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層と、を有することを特徴とするホログラムシートを提供する。
本発明によれば、上記充填層を有することにより、応力発光層の存在を隠ぺいすることができる。このため、ホログラムシートを応力発光層がパターン状に形成されていることを隠ぺいしつつ、パターン状に発光可能なものとすることができる。
また、ホログラム層に記録されるホログラム像、応力発光層からのパターン状の発光、応力発光層および充填層により表わされる絵柄等を組み合わせることにより、偽造防止効果に優れたものとすることができる。
また、応力発光層がパターン状に設けられている場合であっても、そのパターンの間に充填層が設けられていることにより、本発明のホログラムシートは、応力発光層が配置されている表面を平滑にすることが容易である。このため、応力発光層の一方の表面側に、例えばホログラム層等の他の層を容易に設けることが可能となる。例えば、パターン状の応力発光層および充填層を形成した後に、応力発光層の一方の面上にホログラム層を形成する場合、ホログラム層は、レリーフホログラム層のような、薄く、製造時に形状変化し易いものであっても、その形成面が、パターン状の応力発光層および充填層により平坦面とされていることで、形成容易となる。
本発明においては、上記充填層の色が上記応力発光層の色と同系色であることが好ましい。パターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となり、ホログラムシートを偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
本発明においては、上記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成され、上記応力発光層の存在を隠ぺいする隠ぺい層を有することが好ましい。パターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となり、ホログラムシートを偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
また、本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、例えば、応力発光粒子を含有する層に応力が集中する部位である応力集中部を形成することで、応力集中部が形成された箇所で発光強度を高めることができることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有し、上記応力発光層の表面および側面の少なくとも一方に、凹部および凸部の少なくとも一方を含む応力集中部が形成されていることを特徴とする応力発光シートを提供する。
本発明によれば、応力発光層に応力集中部が形成されていることにより、応力発光シートに応力を付与した際に、応力を応力発光層の応力集中部に集中させることができる。このため、応力発光層を応力集中部が形成された箇所で効率的に発光させることができる。
したがって、応力発光シートを、偽造防止効果に優れたものとすることができる。
本発明においては、上記応力集中部を被覆する被覆樹脂層が形成されていることが好ましい。応力発光シートに応力を付与した際に、応力集中部への応力の集中を効果的に行うことができるからである。
本発明においては、上記応力発光層の上記応力集中部が形成されていない表面に、レリーフホログラムが記録されていることが好ましい。応力発光層からの発光および応力発光層に記録されたレリーフホログラムによる偽造防止を図ることができる。また、上記応力発光層からの発光によって応力発光層に記録されたホログラム像を再生可能なものとすることもできる。このため、応力発光シートを偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
本発明においては、上記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成され、ホログラムが記録されたホログラム層を有することが好ましい。応力発光層からの発光およびホログラム層に記録されたホログラムによる偽造防止を図ることができる。また、上記応力発光層からの発光によってホログラム層に記録されたホログラム像を再生可能なものとすることもできる。このため、応力発光シートを偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
また、本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、例えば、紙層中に埋設されるスレッド基材として、応力発光層を有するスレッド基材を使用することで、暗所等でも真贋判断が容易であることをを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、紙層と、上記紙層内に漉き込まれて埋設された帯状のスレッド基材と、を有し、上記紙層の少なくとも一方の表面には、上記スレッド基材の一部が平面視上露出する開口部が形成され、上記スレッド基材は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有し、上記応力発光層がパターン状に形成され、上記スレッド基材が、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を有することを特徴とする偽造防止用紙を提供する。
本発明によれば、上記スレッド基材が応力発光層を有することにより、偽造防止用紙に応力を加えた際にスレッド基材を発光可能なものとすることができる。このため、暗所でも応力発光層からの発光を用いて真贋判断を行うことができる。
また、上記紙層の少なくとも一方の表面には、上記スレッド基材の一部が平面視上露出する開口部が形成され、スレッド基材が上記開口部のパターン状に露出していることにより、偽造防止用紙に応力を加えた際に、スレッド基材が埋設された領域を上記開口部が形成されたパターン状に発光可能なものとすることができる。
さらに、スレッド基材が紙層内に漉き込まれて埋設されていることにより、上記スレッド基材の一部が平面視上露出する開口部の形成が容易なものとすることができる。
このため、暗所でも真贋判断が容易であり、偽造防止効果に優れた偽造防止用紙を容易に形成することができる。
また、上記応力発光層がパターン状に形成されていることにより、偽造防止用紙に応力を加えた際に応力発光層をパターン状に発光可能なものとすることができる。
さらに、パターン状に形成されている応力発光層の存在を隠ぺいすることができ、偽造防止用紙を偽造防止効果により優れたものとすることができる。
本発明においては、上記応力発光層に、レリーフホログラムが記録されていることが好ましい。応力発光層からの発光および応力発光層に記録されたレリーフホログラムによる偽造防止を図ることができる。また、上記応力発光層からの発光によって応力発光層に記録されたホログラム像を再生可能なものとすることもできる。このため、偽造防止用紙を偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
本発明においては、上記スレッド基材が、ホログラムが記録されたホログラム層を有することが好ましい。応力発光層からの発光およびホログラム層に記録されたレリーフホログラムによる偽造防止を図ることができる。また、上記応力発光層からの発光によってホログラム層に記録されたホログラム像を再生可能なものとすることもできる。このため、偽造防止用紙を偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
本発明は、偽造防止効果に優れたホログラムシートを提供できるという効果を奏する。
本発明のホログラムシートの一例を示す概略断面図である。 本発明のホログラムシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のホログラムシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のホログラムシートの他の例を示す概略平面図である。 図4のA−A線断面図である。 本発明のホログラムシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のホログラムシートの他の例を示す概略平面図である。 図7のB−B線断面図である。 本発明のホログラムシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のホログラムシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のホログラムシートの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明のホログラムシートの一例を示す概略平面図である。 図12のD−D線断面図である。 本発明のホログラムシートの一例を示す概略平面図である。 図14のE−E線断面図である。 本発明のホログラムシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のホログラムシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のホログラムシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のホログラムシートの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の応力発光シートの一例を示す概略平面図である。 図20のG−G線断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 図30のJ−J線断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 図33のL−L線断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の偽造防止用紙の一例を示す概略平面図である。 図36のN−N線断面図である。 図36のO−O線断面図である。 本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略断面図である。 本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略断面図である。 本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略断面図である。 本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略平面図である。 図42のP−P線断面図である。 本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略平面図である。 図44のQ−Q線断面図である。 本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略断面図である。 本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略断面図である。 本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の偽造防止用紙の他の例を示す概略平面図である。 図49のR−R線断面図である。 本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の偽造防止用紙の他の例を示す概略断面図である。 本発明の偽造防止用紙の他の例を示す概略断面図である。 本発明の偽造防止用紙の他の例を示す概略平面図である。 図54のS−S線断面図である。 図54のT−T線断面図である。 本発明の偽造防止用紙の他の例を示す概略平面図および断面図である。
以下、本発明のホログラムシート、応力発光シートおよび偽造防止用紙について詳細に説明する。
I.ホログラムシート
本発明のホログラムシートは、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有するものであるが、応力発光層にレリーフホログラムが記録されている態様(第1実施態様)と、応力発光層が、ホログラムが記録されたホログラム層と、上記ホログラム層の少なくとも一方の表面側にパターン状に形成され、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層と、を有する態様(第2実施態様)と、の2つの実施態様に分けることができる。以下、本発明のホログラムシートについて、各実施態様に分けて説明する。
A.第1実施態様
まず、本発明のホログラムシートの第1実施態様について説明する。
本態様のホログラムシートは、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有し、上記応力発光層にレリーフホログラムが記録されていることを特徴とするものである。
このような本態様のホログラムシートについて図面を参照して説明する。
図1は、本態様のホログラムシートの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本態様のホログラムシート10は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層1を有し、上記応力発光層1にレリーフホログラムが記録されているものである。
なお、この例において、ホログラムシート10は、応力発光層1が基材2の一方の表面上に形成されるものであり、応力発光層1の凹凸のレリーフ11の形成面が、応力発光層1の基材2が形成された側とは反対側の表面であり、応力発光層1の凹凸のレリーフ11の形成面上に蒸着層が形成されていないものである。
本態様によれば、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層にレリーフホログラムが記録されていることにより、ホログラムによる偽造防止および発光による偽造防止を図ることができ、ホログラムシートを偽造防止効果に優れたものとすることができる。
このため、例えば、夜間等において応力発光層に応力を加えることにより、応力発光層に記録されたホログラム像を再生すること等が可能になる。
また、応力発光層の表面にレリーフホログラムが記録されていることにより、例えば、ホログラム層と応力発光層とを別個に形成した場合と比較して、応力発光層の発光を直接凹凸のレリーフに到達させることができ、レリーフホログラムをより高精細に再生することができる。
したがって、上記応力発光層を用いることにより、ホログラムによる偽造防止および発光による偽造防止を図ることができ、ホログラムシートを偽造防止効果に優れたものとすることができる。
また、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層にレリーフホログラムが記録されていることにより、例えば、ホログラム層と、応力発光層とを別個に形成した上で、両層を積層する工程を要しないものとすることができる。このため、形成の容易なホログラムシートとすることができる。
本態様のホログラムシートは、応力発光層を有するものである。
以下、本態様のホログラムシートにおける各構成について説明する。
1.応力発光層
本態様における応力発光層は、レリーフホログラムが記録されたものである。
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(1)応力発光層の構成材料
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(a)応力発光粒子
上記応力発光粒子としては、外部から加えられた歪みエネルギーによって、粒子自体が発光するという性質を有し、かつその歪みエネルギーに比例して発光強度を変化させるという性質を有するものであればよい。
本態様においては、上記応力発光粒子からの発光光の波長(以下、所定の波長と称する場合がある。)が、可視光の範囲内に含まれることが好ましい。観察者が目視にて応力発光層からの発光光を視認でき、真贋判断が容易なものとすることができるからである。
可視光の波長範囲としては、具体的には、400nm〜800nmの範囲内とすることができる。
また、上記所定の波長は、可視光以外の領域を有するものとし、例えば、応力発光層が蛍光材料を含有する蛍光層の発光に用いられるものであってもよい。
なお、上記所定の波長とは、波長200nm〜1000nmの範囲内での応力発光粒子の発光スペクトルの最大ピーク波長をいうものである。
上記応力発光粒子の発光輝度としては、例えば、観察者が目視にて視認可能とするとの観点からは、1.0mcd/cm以上であることが好ましく、なかでも、10mcd/cm以上であることが好ましく、特に、100mcd/cm以上であることが好ましい。発光輝度が上記範囲内であることにより、屋外において、高輝度と認識させ、さらに、応力発光層からの発光を用いた真贋判定の信頼性に優れたものとすることができるからである。
このような応力発光粒子を構成する応力発光材料としては、例えば、高度に構造を制御した無機結晶骨格の中に、発光中心となる元素を添加した材料(セラミックス)を挙げることができる。ここで、無機材料および発光中心となる元素の種類を選択することにより、紫外〜可視〜赤外の様々な波長で発光する材料を用いることができる。
上記応力発光材料は、与えられたエネルギーによる発光の減衰時間により応力発光蛍光材料と応力発光リン光材料とに分けることができる。
上記蛍光発光材料としては、例えば発光中心としてユウロピウムを添加したアルミン酸ストロンチウム(SrAl:Eu、緑色に発光)、マンガンを発光中心として添加した硫化亜鉛(ZnS:Mn、黄緑色に発光)などが挙げられる。
上記応力発光粒子を構成する応力発光材料の種類は、1種類のみを用いるものに限定されず、2種類以上を用いるものであってもよい。
本態様においては、なかでも、上記応力発光材料の種類が2種類以上であることが好ましい。応力発光層を発光色の異なる領域を有するものとすることが可能となる。例えば、図2における応力発光層1について、xで示される領域を第1の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第1の発光色の領域とし、yで示される領域を第2の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第2の発光色の領域とすることができる。このようなことから、ホログラムシートを偽造防止効果に優れたものとすることができる。
さらに、上記応力発光層が同一のホログラムシートに2層以上積層される場合、各応力発光層に含まれる応力発光粒子の種類は同一であってもよく、異なるものであってもよい。
なお、図2中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、本態様においては、応力発光材料を2種類以上用いる場合に、各応力発光材料からなる応力発光粒子を混合して用いるもの、例えば、第1の応力発光粒子からの発光色と第2の応力発光粒子からの発光色とが混合された、1色の発光色の応力発光層とするものであってもよい。
上記応力発光粒子の形状としては、従来公知の形状とすることができる。上記形状は、例えば、略球状、回転楕円体状、多面体状、鱗片状、円盤状、繊維状及び針状等を挙げることができる。
本態様においては、さらに、上記応力発光粒子の表面がランダムに形成された微細凹凸形状を有することが好ましい。応力発光粒子の微細凹凸が形成された箇所に応力が伝わりやすいものとすることができ、応力発光粒子を効率的に発光可能なものとすることができるからである。
上記凹凸形状は、凹凸の周期および深さがナノサイズから数ミクロンメートルサイズのものとすることができる。
上記応力発光粒子の平均一次粒径は、所望の発光強度の応力発光層を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.3μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。上記粒径であることにより発光強度に優れた応力発光層とすることができるからである。
上記平均一次粒径は、レーザー回折散乱法を用いて測定する方法で求めることができる。レーザー回折散乱法は、粒子を分散媒に均一に分散し、次いで、粒子にレーザー光を照射することによる光の回析/散乱現象を利用するもので、その回折/散乱光の強度パターンが、粒子の大きさに依存しており、回析/散乱光の角度により異なる強度パターン(強度分布)が観測されて、フランホーファ回折理論や、ミー散乱理論を用いて、粒子径分布を求める方法である。レーザー回折散乱法を用いて上記平均一次粒径を求める場合、乾式でも湿式でも測定することができる。湿式で測定する場合は水またはエタノールを分散体として測定することができる。
また、レーザー回折散乱法に用いるレーザー光としては、半導体レーザー(波長680nm)等を用いることができる。
上記応力発光粒子は、耐水性向上のための耐水性材料を用いて形成された耐水性被膜によって被覆されていることが好ましい。水による応力発光材料の結晶構造の崩壊や、発光性の喪失を防ぐことができるからである。また、ホログラムシートの耐水性および耐候性等の向上を図ることができるからである。
なお、耐水性の評価方法として、例えば、JIS K 6404−9:1999における、所定の調整をした応力発光層または応力発光層を含むホログラムシートを用いて、指定温度の温水を用いて、水浸試験を行う方法を用いることができる。なお、上記のJIS規格においては、水浸試験を4時間実施することとなっているが、本試験においては、応力発光層単体または応力発光層を含むホログラムシートに含まれる応力発光層からの発光の発光強度が半減するまで、水浸試験を続け、その試験時間(水に浸す時間)を、応力発光粒子の発光強度が半減する時間と設定することで評価する方法を用いることができる。
また、耐水性が向上するとは、耐水性被膜が形成された応力発光粒子を用いた応力発光層等の半減時間と、耐水性被膜が形成されていない応力発光粒子を用いた応力発光層等の半減時間とを比較し、その半減時間が、2.0倍以上となることを意味する。
なお、耐水性被膜の形成回数を増やして、形成される耐水性被膜の厚さを厚くすればするほど、耐水性を向上させることができるが、その作業の煩雑さや、耐水性の向上効果が飽和することを考慮し、目的とする半減時間としては、2.0倍以上10倍以下であることが好ましい。
上記耐水性材料としては、応力発光粒子の耐水性を向上できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、シランカップリング剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属アルコキシド、金属酸化物等を挙げることができる。
これらの耐水性材料については、それぞれ単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。混合して用いる場合、耐水性被膜は、複数の耐水性材料の混合物を用いて形成された1層のみからなるものであってもよく、耐水性材料の異なる層を複数層含むものであってもよい。
上記シランカップリング剤としては、応力発光粒子の耐水性を向上可能なものであれば特に限定されるものではないが、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するもの、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ基を有するものP−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基を有するもの3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル基を有するもの3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリル基を有するもの3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するもの、さらには、トリメチルシリルクルロライド、ヘキサメチルジシラザン、BSTFA(N、O―ビスートリメチルシリルートリフルオロアセトアミド)、トリエチルシリルクロライド、クロロメチルトリメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、ヘキサメチルジシラン、N、N´−ビストリメチルシリル尿素等を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、応力発光粒子の耐水性を向上可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリベンジルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリイソブチルアクリレート等のアクリル酸エステル樹脂、硝酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、アクリルアミド樹脂、およびポリスチレン樹脂等を挙げることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、応力発光粒子の耐水性を向上可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、およびフッ素化樹脂等が挙げられる。
上記金属アルコキシドを構成する金属元素としては、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、および、ケイ素を挙げることができる。
上記アルコキシドの種類としては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、オキシイソプロポキシド、ブトキシド等を用いることができる。
上記金属アルコキシドとしては、具体的には、テトラエトキシシランまたはテトラメトキシシランを部分的に加水分解および縮合することにより得られるエチルシリケートおよびメチルシリケート等を用いることができる。
本態様においては、上記金属アルコキシドが、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエチルシリケート、テトラメチルシリケート、アルミニウムトリイソプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド等であることが好ましい。応力発光粒子を耐水性に優れたものとすることができるからである。
上記金属酸化物としては、アルミナ、二酸化チタン等を挙げることができる。
上記耐水性被膜の厚みは、所望の耐水性を得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜10μmの範囲内とすることができる。
上記耐水性被膜の形成方法としては、応力発光粒子の表面を覆う耐水性被膜を精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではない。
上記形成方法は、例えば、上記耐水性材料と、応力発光粒子とを混合した後、必要に応じて溶媒等を乾燥除去する方法等を用いることができる。
上記耐水性材料と応力発光粒子との混合は、有機溶媒中で行うものであってもよい。
上記形成方法は、上記耐水性材料が金属酸化物である場合には、化学的気相成長法(CVD法等)を用いることができる。
上記有機溶媒としては、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン、オキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等を好ましく用いることができ、なかでも、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤等を好ましく用いることができる。
上記有機溶媒の水分含有量としては、応力発光粒子への耐水性被膜の被覆が可能なものであれば特に限定されるものではないが、0.5質量%未満であることが好ましい。有機溶媒中の水分による応力発光粒子の発光特性の低下を抑制できるからである。
上記応力発光粒子の含有量としては、所望の発光強度の応力発光層を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、応力発光層中に1質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲内であることにより発光強度に優れた応力発光層とすることができるからである。
上記応力発光粒子の含有量の種類が、1種類であること、すなわち、応力発光粒子の含有量が応力発光層内で均一であってもよいが、2種類以上であること、すなわち、上記応力発光層が上応力発光粒子の含有量の異なる部位を有することが好ましい。応力発光層を発光強度の異なる領域を有するものとすることで、ホログラムシートを偽造防止効果に優れたものとすることができるからである。
より具体的には、既に説明した図2における応力発光層1を、xで示される領域とyで示される領域とで応力発光粒子の含有量が異なるものとすることができる。
さらに、上記応力発光層が同一のホログラムシートに2層以上積層される場合、各応力発光層における応力発光粒子の含有量の種類は同一であってもよく、異なるものであってもよい。
上記応力発光粒子の形成方法としては、所望の形状の応力発光粒子を形成できる方法であればよい。上記形成方法は、例えば、応力発光材料を構成する成分を含む応力発光材料組成物を焼成して、シート状の応力発光材料を形成し、次いで、粉砕および分級等することにより、応力発光粒子を得る方法を用いることができる。
シート状の応力発光材料の粉砕方法としては、ボールミル、ロッドミル、自生粉砕ミル、SAG(準自生粉砕)ミル、高圧粉砕ロール、縦軸インパクタ(VSI)ミル等の粉砕機を用いる方法を挙げることができる。
本態様においては、なかでも、上記粉砕方法が縦軸インパクタ(VSI)ミルを用いる方法であることが好ましい。応力発光粒子の形状が複雑な形となりやすく、また、応力発光粒子の表面に粗い凹凸形状を形成し易いからである。
上記縦軸インパクタ(VSI)ミルは、衝撃歯を高速回転させ、衝撃力によって原料を粉砕する微粉砕機であり、例えば、直径100mm〜1000mmの回転盤を500回転/分〜10000回転/分で高速回転させるものを用いることができる。
なお、上記応力発光材料組成物の焼成方法等については、応力発光材料の形成に一般的に用いられる方法を使用できる。
(b)バインダ樹脂
上記バインダ樹脂としては、上記応力発光粒子を安定的に分散および固定でき、応力発光粒子から発光した光を透過可能なものであり、かつ、レリーフホログラムを記録可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂等を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂としては、例えば、上記「(a)応力発光粒子」の項に記載の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
また、上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、シリコン樹脂、フッ素含有樹脂等と共重合させたもの、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の分子内にシロキサン結合やフッ素原子を導入したものも用いることができる。
上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用でき、さらに、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよい。
上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルトもしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合してもよい。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができる。
上記電離放射線硬化性樹脂は、架橋構造を導入するかもしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
上記バインダ樹脂は、1種類のみを用いるものであってもよく、2種類以上を組み合わせて用いるものであってもよい。
上記バインダ樹脂は、例えば、応力発光粒子を覆うように配置された第1バインダ樹脂と、第1バインダ樹脂により覆われた応力発光粒子を分散する第2バインダ樹脂とを有するものとすることができる。
上記バインダ樹脂および上記応力発光粒子の屈折率差としては、応力発光粒子からの発光光をバインダ樹脂が透過できるものであれば特に限定されるものではないが、0.3以下であることが好ましく、なかでも、0.1以下であることが好ましい。上記屈折率差が上述の範囲内であることで、バインダ樹脂および応力発光粒子の界面における応力発光粒子からの発光光の反射率を小さくすることができる。このため、応力発光層を応力発光粒子からの発光光を効率よく透過可能なものとすることができるからである。
また、上記バインダ樹脂が第1バインダ樹脂および第2バインダ樹脂を含む場合には、上記第1バインダ樹脂および第2バインダ樹脂の間の屈折率差も小さいことが好ましい。第1バインダ樹脂と第2バインダ樹脂との界面における応力発光粒子からの発光光の反射率を小さくすることができるからである。具体的には、上記第1バインダ樹脂および第2バインダ樹脂の屈折率差は、上記バインダ樹脂および上記応力発光粒子屈折率の屈折率差と同様とすることができる。
上記バインダ樹脂の体積弾性率は、上記応力発光粒子の体積弾性率より大きいことが好ましい。ホログラムシートに応力を加えた際に、応力発光層に付加された変形を応力発光粒子に効果的に伝えることができ、応力発光層を発光効率に優れたものとすることができるからである。
(c)その他
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を有するものであるが、必要に応じて他の材料を含有するものであってもよい。
上記他の材料としては、顔料等の着色材、硬化促進剤、滑剤、助剤等の添加剤を挙げることができる。
また、上記他の材料は、上記バインダ樹脂が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である場合には、シリコン樹脂、フッ素含有樹脂、シリコンオイル、シリコンパウダー微粒子、フッ素パウダー微粒子を含むことができる。
上記フッ素化樹脂としては、完全フッ素化樹脂として四フッ素化樹脂、部分フッ素化樹脂として三フッ素化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、フッ素化樹脂共重合体としてペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などを用いることができる。
なお、上記他の材料の含有量は、応力発光層を応力発光粒子から発光した光を透過可能なものとすることができる範囲内で調整することができる。
(2)レリーフホログラム
本態様における応力発光層は、レリーフホログラムが記録されているものであり、表面に凹凸のレリーフを有するものである。
上記凹凸のレリーフの深さ、すなわち、隣接する凹部の底部および凸部の頂部の距離としては、所望のレリーフホログラム像が記録可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.01μm程度とすることができる。
また、上記凹凸のレリーフのピッチ、すなわち、隣接する凹部の底部間または隣接する凸部の頂部間の周期としては、所望のレリーフホログラム像が記録可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、1.0μm前後とすることができる。
なお、凹凸のレリーフの深さは、具体的には、図1中のgで示されるものであり、上記凹凸のレリーフのピッチは、具体的には、図1中のhで示されるものである。
上記応力発光層のレリーフホログラムの記録面、すなわち、凹凸のレリーフの形成面は、通常、上記応力発光層の一方の表面上のみである。
上記レリーフホログラムの上記応力発光層内の記録箇所は、例えば、応力発光層の全面であってもよく、応力発光層の一部であってもよい。
また、上記応力発光層が同一のホログラムシートに2層以上含まれる場合、上記レリーフホログラムの記録面は、2層以上の応力発光層のうち少なくとも1層の表面を含むものであればよく、2層以上の全ての応力発光層の表面を含むものであってもよい。より具体的には、応力発光層が同一のホログラムシートに2層含まれる場合、凹凸のレリーフが、2層の応力発光層のそれぞれの表面に形成されるものであってもよく、1層目の応力発光層の表面のみに形成され、2層目の応力発光層の表面には形成されないものであってもよい。
図3は本態様のホログラムシートの他の例を示す概略断面図である。
既に説明した図1は、レリーフホログラムの記録箇所が応力発光層の全面であり、図3は、レリーフホログラムの記録箇所が応力発光層の一部の領域である例を示すものである。
なお、図3中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記応力発光層に記録されるレリーフホログラムの種類は、1種類のみ、すなわち、応力発光層に記録されたレリーフホログラムが1つの像を示すものであってもよいが、2種類以上含まれるもの、すなわち、応力発光層に記録されたレリーフホログラムが2以上の像を示すものであってもよい。
例えば、既に説明した図2においてxで示される領域とyで示される領域とにそれぞれ異なる種類のレリーフホログラムが記録されるものとすることができる。
また、上記応力発光層が同一のホログラムシートに2層以上含まれる場合、各応力発光層に記録されるレリーフホログラムの種類は同一であってもよく、異なるものであってもよい。
上記応力発光層へのレリーフホログラムの記録方法としては、所望のホログラム像を再生可能な凹凸のレリーフを形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、従来既知の方法を用いることができる。
上記記録方法は、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型として用い、上記応力発光粒子およびバインダ樹脂等を含む応力発光層形成用層に上記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸のレリーフを応力発光層形成用層表面に転写することで、表面に凹凸のレリーフを有する応力発光層を形成する方法を挙げることができる。
また、レリーフホログラムの記録箇所が充填層の表面を含む場合には、上記記録方法は、同一平面上に形成された応力発光層形成用層および充填層形成用層に対して、原版を重ねて加熱圧着する方法等を用いることができる。
(3)その他
上記応力発光層は、パターン状に形成されていないもの、すなわち、応力発光層が基材上に形成される場合、応力発光層が基材の全面を覆うように形成されるものであってもよいが、パターン状に形成されることが好ましい。上記応力発光層がパターン状に形成されていることにより、ホログラムシートに応力を加えた際に、応力発光層を平面視上パターン状に発光可能なものとすることができる。このため、上記応力発光層がパターン状に形成されていることで、ホログラムシートを偽造防止効果に優れたものとすることができるからである。
図4は本態様のホログラムシートの他の例を示す概略平面図である。図5は図4のA−A線断面図である。
既に説明した図1は、応力発光層1が基材2の全面に形成される例を示すものであり、図4および図5は、応力発光層1がパターン状に形成される例を示すものであり、応力発光層1がパターン状に形成されている領域以外には、応力発光層1と同一平面上に他の層が形成されていない例を示すものである。
なお、図4および図5中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記応力発光層がパターン状に形成される場合、応力発光層の平面視形状としては、本態様のホログラムシートの種類および用途等に応じて適宜設定することができる。例えば、応力発光層の平面視形状は、ドット状、ライン状等とすることができる。また、ドット状の応力発光層の平面視形状は、円形状、四角形状等の任意の形状とすることができる。
また、応力発光層の平面視形状は、記号、文字等を表わすものとすることができる。上記応力発光層の平面視形状は、例えば、ライン状の応力発光層を用いて文字等を表わすものとしたり、ドット状の応力発光層を用いて文字等を表わすものであってもよい。また、文字等を用いて所定の情報を表わすものであってもよい。
さらに、上記応力発光層が同一のホログラムシートに2層以上含まれる場合、各応力発光層の平面視形状は同一であってもよく、異なるものであってもよい。
既に説明した図4および図5は、応力発光層1の平面視形状がライン状である場合の例を示すものである。
上記応力発光層がパターン状に形成される場合、応力発光層の幅としては、レリーフホログラムを記録することができ、かつ、所望のパターン形状に発光可能なものであれば特に限定されるものではなく、本態様のホログラムシートの種類および用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記応力発光層の厚みは、所望の発光強度の応力発光層であり、かつ、所望のレリーフホログラム像を記録できる程度であれば特に限定されるものではないが、通常、0.1μm〜6μmの範囲内とすることができ、なかでも0.1μm〜4μmの範囲内であることが好ましい。
上記応力発光層は、応力発光粒子から発光する所定の光に対して透明性があることが好ましい。応力発光層を発光強度に優れたものとすることが容易だからである。
ここで、所定の波長の光に対してとは、所定の波長±1%の波長域の光に対して透明性があることをいうものであり、なかでも、所定の波長±5%の波長域の光に対して透明性があることが好ましい。なお、所定の波長が500nmである場合、所定の波長±1%の波長域とは、495nm〜505nmの波長域をいうものである。
また、透明性があるとは、少なくとも所定の波長範囲の光の透過率が50%以上であることをいうものであり、なかでも80%以上であることが好ましい。
本態様においては、所定の波長の光以外の波長域における透過率が50%未満、もしくは、それ以下としてもよい。発光時の意外性を高めることができ、好適であるからである。
例えば、応力発光層をR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の三色の着色材を含むことで墨色または黒色として観察されるものとして、応力発光粒子が発する所定の波長の±1%の波長域のみ透過率を50%以上を確保するように、各色の吸収波長分布(吸収波長曲線)を調整することで、外観上は、黒色と見做される応力発光層から、外力負荷によって所定の波長の光が、いわばその黒色の応力発光層から、漏れ出てくるように光る現象を実現するものであってもよい。
なお、各色の吸収波長分布の調整方法としては、例えば、各色の吸収波長域を隙間なく重複させるのでなく、各色の吸収波長域の低い部分を、重複させず、敢えて残す方法を挙げることができる。
また、上記応力発光層を可視光の波長領域の全域において発光強度に優れたものとする観点からは、上記応力発光層の全光線透過率は、20%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
ここで、上記応力発光層の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
上記応力発光層の形成数としては、1つのホログラムシートに1層以上であればよいが、2層以上であること、すなわち、本態様のホログラムシートが2層以上積層された応力発光層を有するものであってもよい。応力発光粒子の種類および含有量、応力発光層の平面視形状等の異なる応力発光層の形成を容易に行うことが可能となり、ホログラムシートを偽造防止効果に優れたものとすることができるからである。
なお、既に説明した図2および図5のように、同一平面上に形成された複数の応力発光層1は、1層の応力発光層とみなすものである。
上記応力発光層の形成方法としては、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有し、レリーフホログラムが記録されたものとすることができる方法であれば特に限定されるものではない。
上記形成方法としては、例えば、応力発光層の構成材料である応力発光粒子およびバインダ樹脂等を溶媒に分散または溶解することで応力発光インキを形成し、この応力発光インキを塗布し、その応力発光インキの塗膜から溶媒を乾燥により除去することにより応力発光層形成用層を形成した後、応力発光層形成用層に対して、上述のレリーフホログラムの記録方法を用いてレリーフホログラムを記録する方法を挙げることができる。
また、上記応力発光層がパターン状に形成される場合、応力発光層形成用層の形成方法は、応力発光インキを印刷法等を用いてパターン状に塗布する方法を用いることができる。
上記印刷法としては、所望のパターン形状の応力発光層を形成できる印刷法であれば特に限定されるものではないが、例えば、凹版、凸版、オフセット、スクリーン、グラビア、フレキソによる印刷若しくはインクジェット印刷、スプレー印刷またはコーティング等の印刷法を挙げることができる。
上記溶媒としては、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、t−ブチルセルソルブ等)、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール誘導体、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン等)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチルー3−エトキシプロピオネート等)等を挙げることができる。
また、上記バインダ樹脂として、水溶性樹脂を用いた場合には、溶媒として、水および/または、メタノール、エタノール、プロパノール、ブチルアルコール等の低級アルコール、グリコール類、セルソルブ類等を用いることができる。
上記応力発光インキの形成方法としては、応力発光粒子およびバインダ樹脂等を溶媒に安定的に分散または溶解できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、バインダ樹脂を溶媒中に分散または溶解させた後、応力発光粒子を添加して撹拌する方法を挙げることができる。
上記乾燥の方法としては、溶媒を十分に除去できる方法であれば特に限定されるものではないが、自然乾燥、40℃〜80℃の接触加熱乾燥、40℃〜200℃の熱風乾燥、真空乾燥等の方法を用いることができる。また、上記乾燥の方法は、紫外線照射や、電子線照射による硬化反応を利用する乾燥等を単独で用いても、併用してもよい。
2.その他の構成
本態様のホログラムシートは、応力発光層を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであってもよい。
(1)基材
本態様のホログラムシートは、応力発光層を支持する基材を含むことができる。上記基材を有することにより、上記応力発光層等を形成容易なものとすることができるからである。
なお、既に説明した図1〜図5は、ホログラムシートが基材2を有する例を示すものである。
上記基材は、応力発光粒子が発する所定の波長の光に対して透明性を有する透明性基材であっても、所定の波長の光に対して遮光性を有する遮光性基材であってもよいが、透明性基材であることが好ましい。ホログラムシートの両面で応力発光層からの光やホログラム像を認識可能とすることができるからである。
上記基材の全光線透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
なお、透過率の測定方法は、上記「1.応力発光層」の項に記載の方法と同様とすることができる。
また、遮光性基材である場合には、ホログラムシートの応力発光層が形成された側、またはホログラムシートの端部からのみ応力発光層の発光を観察可能なものとすることができ、ホログラムシートを偽造防止効果に優れたものとすることができる。
上記基材の具体例としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフッ化エチレン系フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の樹脂フィルム等を挙げることができる。
上記基材の厚みは、本態様のホログラムシートの用途や種類等に応じて適宜選択されるものであるが、2μm〜200μmの範囲内とすることができ、なかでも10μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。ホログラムシートを可撓性を有するものとすることが容易だからである。
また、応力発光層の厚みに対する基材の厚みの比(基材/応力発光層)としては、1/10〜30/10の範囲内とすることができる。上記厚みの比が上述の範囲内であることにより、ホログラムシートの剛性が大きくなりすぎず、また、応力発光層からの発光光の透過性に優れたものとすることができる。さらに、ホログラムシートの変形応力が、応力発光層の変形応力として、伝わり易いからである。
上記基材は、基材上に形成される他の層との密着性を向上する目的で、基材の表面に例えばコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理、アンカーまたはプライマー処理等の表面処理が施されていてもよい。
上記プライマー処理により用いられるプライマー剤としては例えばウレタン系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の各種のプライマー剤が知られており、これらの中から基材に合わせたものを選んで使用することができる。
(2)蒸着層
本態様のホログラムシートは、応力発光層の凹凸のレリーフの形成面に接するように形成される蒸着層等を含むことができる。蒸着層を有することにより、応力発光層に形成された凹凸のレリーフの形成面が空気と接しないように用いられる場合であっても、応力発光層との間に屈折率差を容易に設けることができ、ホログラム像の再生をより容易に行うことができるからである。
図6は、本態様のホログラムシートの他の例を示す概略断面図である。
図6は、応力発光層1の凹凸のレリーフ11の形成面上にレリーフの凹凸に沿って蒸着層4が形成され、さらに、蒸着層4表面の応力発光層1の凹凸のレリーフに由来する凹凸構造を埋めるように層間接着剤層5が形成されている例を示すものである。また、図6では、応力発光層1の凹凸のレリーフ11の形成面が応力発光層1の基材2側である例を示すものである。
上記蒸着層を構成する材料としては、応力発光層との間で屈折率差を生じる材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Rb、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Au、Pb、もしくはBi等の金属、これらの金属の酸化物、もしくはこれらの金属の窒化物を単独でまたはこれらの材料を組み合わせたものを挙げることができる。
上記蒸着層の厚みは、所望の反射性、色調、デザイン、用途等の観点から適宜に設定でき、例えば、50Å〜1μmの範囲内であることが好ましく、なかでも100Å〜1000Åの範囲内であることが好ましい。
また、上記厚みは、蒸着層に透明性を持たせるとの観点からは、200Å以下であることが好ましく、蒸着層に隠ぺい性を持たせるとの観点からは、200Åを超える厚みであることが好ましい。
上記蒸着層の形成方法としては、一般的な蒸着層の形成方法を用いることができ、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を挙げることができる。
(3)充填層
本態様のホログラムシートは、応力発光層がパターン状に形成されている場合に、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を含むことができる。パターン状に形成されている応力発光層の存在を隠ぺいすることができ、ホログラムシートを偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。また、応力発光層に記録されるホログラム像、応力発光層からのパターン状の発光、応力発光層および充填層により表わされる絵柄等を組み合わせることにより、意匠性に優れたものとすることができるからである。
また、応力発光層がパターン状に設けられている場合であっても、そのパターンの間に充填層が設けられていることにより、本態様のホログラムシートは、応力発光層が配置されている表面を平滑にすることが容易である。このため、応力発光層の一方の表面側に、例えば隠ぺい層等のその他の構成を容易に設けることが可能となる。
図7は、本態様のホログラムシートの他の例を示す概略断面図である。図8は、図7のB−B線断面図である。
図7および図8は、応力発光層1がパターン状に形成され、ホログラムシート10が応力発光層1と同一平面上に形成された充填層3を有する例を示すものである。
上記充填層は、上記応力発光層と同一平面上に形成されるものである。
ここで、同一平面上に形成されるとは、応力発光層が形成されている平面と同一平面上に形成されることをいうものであり、平面視上、応力発光層が形成されていない箇所に形成されることをいうものである。
例えば、既に説明した図7および図8において、応力発光層および充填層の両者が基材の同一表面上に基材と接するように形成されるように、充填層は応力発光層と共に同一の部材の同一表面上に形成されるものとすることができる。
また、充填層は、上記応力発光層の存在を隠ぺいするために用いられるものであり、充填層の形成により、充填層の形成前より応力発光層の存在を目立たないものとするものである。
上記充填層の色は、応力発光層の存在を隠ぺいできるものであればよく、単色であっても、多色であってもよいが、充填層の色を応力発光層の色と同系色、さらには同色とするとの観点からは、単色であることが好ましい。
上記充填層の色は、単色である場合、上記応力発光層の色と同系色であることが好ましく、なかでも、上記応力発光層の色と同色であることが好ましい。上記充填層の色がパターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となる等、偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
同系色であるとは、JISZ8730に規定されるL表色系における色差が20以内の色であることをいうものである。また、同色であるとは、上記色差が0.5以内の色であることをいうものである。また、応力発光層の色は、発光していない状態での色をいうものである。
また、充填層の色は、充填層により絵柄を表わすものとし、応力発光層が形成された領域を絵柄の一部として認識されるもの等とするものであってもよい。意匠性に優れつつ、かつ、パターン状に形成された応力発光層の存在を隠ぺいすることが可能となるからである。
上記充填層の構成材料は、所望の色の充填層を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、樹脂材料を含むものとすることができる。また、上記構成材料は、必要に応じて、白色顔料およびその他の成分を含むものとすることができる。
本態様においては、なかでも、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点から、白色顔料を有することが好ましい。応力発光層に含まれる応力発光粒子は、一般的に、白色であることから、白色顔料を有することで、充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
上記白色顔料としては、応力を加えた際にも発光しない性質を有するものであればよく、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等を挙げることができる。
上記白色顔料の粒子径および含有量としては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることができるものであれば特に限定されるものではない。上記粒子径および含有量は、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載の応力発光粒子の粒子径および含有量の内容と同様とすることができる。
上記樹脂材料は、一般的な樹脂材料を用いることができ、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載のバインダ樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
本態様においては、なかでも、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記樹脂材料が応力発光層に含まれるバインダ樹脂と同一であることが好ましい。充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
また、上記その他の成分としては、樹脂材料と共に一般的に用いられる添加剤等を挙げることができ、上記「1.応力発光層」の項に記載の他の材料と同様の材料を用いることができる。
本態様においては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記その他の成分が、上記応力発光層に含まれる他の材料と同一であることが好ましく、なかでも、上記その他の成分の上記樹脂材料に対する含有比率が、上記応力発光層に含まれる他の材料の上記応力発光層に含まれるバインダ樹脂に対する含有比率と同一であることが好ましい。
より具体的には、例えば上記応力発光層が着色材を含む場合、上記充填層は、上記応力発光層に含まれる着色材と同一の着色材を含むことが好ましく、さらに充填層における着色材の樹脂材料に対する含有比率は、上記応力発光層における着色材の上記バインダ樹脂に対する含有比率と同一であることが好ましい。充填層を応力発光層と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
上記充填層の全光線透過率は、上記応力発光層を隠ぺいできるものであれば特に限定されるものではない。上記透過率は、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。本態様においては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記応力発光層と同一であることが好ましい。
上記充填層の厚みは、上記応力発光層を隠ぺいできるものであれば特に限定されるものではない。上記厚みは、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。本態様においては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記厚みは上記応力発光層の厚みと同一であることが好ましい。充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
上記充填層の平面視上の形成箇所は、応力発光層が形成されていない箇所であれば特に限定されるものではなく、例えば、応力発光層が形成されていない箇所の全てを含むものであってよく、応力発光層が形成されていない箇所の一部を含むものであってもよい。
既に説明した図7および図8は、応力発光層および充填層が直接接するように形成されるものであり、充填層の平面視上の形成箇所が、応力発光層が形成されていない箇所の全てを含む例を示すものである。
上記充填層は、表面にレリーフホログラムが記録されているものであってもよい。ホログラムシートを偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
なお、既に説明した図7および図8は、充填層および応力発光層の両層にレリーフホログラムが記録されている例を示すものである。
なお、凹凸のレリーフの深さおよびピッチ、レリーフホログラムの記録面、記録箇所、レリーフホログラムの種類、レリーフホログラムの記録方法等については、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
上記充填層は、上記応力発光層が同一のホログラムシートに2層以上含まれる場合、一部の応力発光層に対して形成されるものであってもよいが、全ての応力発光層に対して形成されるものであることが好ましい。応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
例えば、ホログラムシートが2層の応力発光層を含む場合、上記充填層は、2層の応力発光層のそれぞれに対して同一平面上に形成され、2層の応力発光層の両者が充填層により隠ぺいされたものとすることが好ましい。
上記充填層の形成方法としては、上記充填層を上記応力発光層と同一平面上に安定的に形成できる方法であればよく、例えば、上記応力発光層の形成方法と同様の方法を用いることができる。
上記形成方法としては、例えば、充填層形成用インクを調製し、印刷法等を用いて充填層形成用インクの塗膜を形成し、次いで、塗膜を乾燥すること等により充填層を得る方法を挙げることができる。
また、応力発光層および充填層の形成順は特に限定されるものではなく、いずれを先に形成するものであってもよく、同時に形成するものであってもよい。
(4)隠ぺい層
本態様のホログラムシートは、上記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成され、上記応力発光層の存在を隠ぺいする隠ぺい層を含むことができる。応力発光層を覆うように形成される隠ぺい層を有することにより、パターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となる等、偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
図9は、本態様のホログラムシートの他の例を示す概略断面図である。
図9は、ホログラムシート10が応力発光層1の一方の表面側に形成された隠ぺい層6を有する例を示すものである。
上記隠ぺい層は、上記応力発光層の存在を隠ぺいするものである。
また、上記隠ぺい層は、上記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成されるものである。
このような隠ぺい層の色としては、例えば、応力発光層の存在を隠ぺいすることができるものであれば特に限定されるものではなく、単色であっても、多色であってもよい。
上記隠ぺい層の色は、上記応力発光層の色と同系色であっても、非同系色であってもよい。例えば、同系色であることで、ホログラムシートを平面視した際に、パターン状に形成された応力発光層およびその周辺の領域間の色差を小さくすることができ、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることを可能とすることができるからである。
本態様においては、なかでも、隠ぺい層の色が、応力発光層の色よりも明度が低いことが好ましい。パターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となる等、偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。上記隠ぺい層の色が応力発光層の色と非同系色であり、かつ、明度が低い場合の例としては、例えば、応力発光層が乳白色である場合に対して、紫色の隠ぺい層を用いる場合を挙げることができる。
また、隠ぺい層の色は、隠ぺい層により絵柄を表わすものとし、パターン状に形成された応力発光層を絵柄の一部として認識されるもの等とするものであってもよい。意匠性に優れつつ、かつ、パターン状に形成された応力発光層の存在を隠ぺいすることが可能となるからである。
上記隠ぺい層の構成材料としては、所望の色の隠ぺい層を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、樹脂材料を含むものとすることができる。また、上記構成材料は、必要に応じて、白色顔料およびその他の成分を含むものとすることができる。
なお、上記樹脂材料、白色顔料およびその他の成分としては、上記「(3)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
上記隠ぺい層は、上記応力発光層を隠ぺいしつつ、応力発光層からの発光光を透過できるものであれば特に限定されるものではない。上記隠ぺい層の全光線透過率は、例えば、上記「(3)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記隠ぺい層の厚みは、所望の色の隠ぺい層を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、上記「(3)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
上記隠ぺい層の平面視上の形成箇所は、上記応力発光層と平面視上重なる箇所を含むものであればよく、上記応力発光層が形成されている箇所の全てを含むものであってもよく、上記応力発光層が形成されている箇所の一部を含むものであってもよい。また、上記平面視上の形成箇所は、上記応力発光層が形成されている箇所および充填層が形成されている箇所の両者を含むものであってもよい。
上記隠ぺい層の応力発光層に対する厚み方向の形成位置は、上記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成されるものであればよく、応力発光層の一方の表面側のみであってもよく、両方の表面側であってもよい。
また、上記隠ぺい層は、応力発光層に接するように形成されるものであってもよく、他の層を介して形成されるものであってもよい。
なお、既に説明した図9は、隠ぺい層が、応力発光層の一方の表面側のみに形成され、かつ、応力発光層および充填層と層間接着剤層等の他の層を介して形成される例を示すものである。また、図9は、隠ぺい層の平面視上の形成箇所が、応力発光層が形成されている箇所および充填層が形成されている箇所の全てを含む場合の例を示すものである。
(5)その他
上記その他の構成は、ホログラムシートに一般的に用いられるものを含むことができる。上記その他の構成としては、例えば、応力発光層および基材の間等の各構成間を接着する層間接着剤層、紫外線吸収層、印刷層、応力発光層からの発光により励起可能な蛍光材料を含む蛍光層、応力発光層を保護する保護層、ホログラムシートを被着体に貼付するために用いられる接着層、上記接着層の表面上に剥離可能に貼付された剥離シート、応力発光層および充填層を覆うように形成され、上記充填層と一体で形成された被覆充填層等を挙げることができる。
なお、上記層間接着剤層は、例えば、応力発光層の凹凸のレリーフ面を平坦化する目的で設けられるものであってもよい。
図10(a)は、ホログラムシート10が、応力発光層1および応力発光層1の厚みと同一の厚みの充填層3を覆うように形成された、接着層としてのヒートシール層7を有する例を示すものである。
また、図10(b)は、ホログラムシート10が、応力発光層1および充填層3を覆うように形成され、充填層3と一体で形成された被覆充填層8を有する例を示すものである。このような被覆充填層を、例えば、保護層として用いることにより、本態様のホログラムシートは、耐擦過性に優れ、ホログラムシート製造時や使用時に応力発光層に傷が付き難いものとすることができる。また、充填層と一体で形成されたものであることにより、被覆充填層は、形成容易なものとなる。
なお、上記その他の構成は、2種類以上を兼ねるものであってもよい。例えば、図10(a)では接着層としてヒートシール層7を有する例を示したが、図10(a)におけるヒートシール層7は、例えば、隠ぺい層、保護層、蛍光層、印刷層等として使用されるものであってもよい。また、図10(b)では、被覆充填層8を保護層として用いる例を示したが、図10(b)における被覆充填層8は、ヒートシール層等の接着層や、隠ぺい層等として使用されるものであってもよい。
3.ホログラムシートの製造方法
本態様のホログラムシートの製造方法としては、上記各構成を含むホログラムシートを精度良く製造できる方法であれば特に限定されるものではない。
上記製造方法としては、例えば、基材、応力発光層形成用層をこの順で積層し、次いで、応力発光層形成用層に対してホログラムの記録を行い応力発光層を形成し、基材および応力発光層がこの順で積層したホログラムシートを得る方法を挙げることができる。
また、上記製造方法は、基材および応力発光層がこの順で積層した積層体を形成した後、この積層体から基材を剥離して、応力発光層のみを含むホログラムシートを得る方法であってもよい。
また、上記製造方法としては、第1の基材および応力発光層形成用層が積層したホログラム形成用積層体を準備し、ホログラム形成用積層体の応力発光層形成用層に対してホログラムの記録を行うことで応力発光層を形成し、次いで、応力発光層の凹凸のレリーフの形成面を覆うように上記蒸着層を形成し、さらに蒸着層上に接着剤を塗布することで、第1の基材、応力発光層、蒸着層および層間接着剤層がこの順で積層した応力発光層積層体を形成し、次いで、第2の基材と、上記応力発光層積層体と、を第2の基材および層間接着剤層が対向するように配置し、両積層体同士を接触させることで、第1の基材、応力発光層、蒸着層、層間接着剤層および第2の基材がこの順で積層したホログラムシートを得る方法を挙げることができる。
さらに、上記製造方法は、第1の基材、応力発光層、蒸着層、層間接着剤層および第2の基材がこの順で積層した積層体を形成した後、この積層体から第1の基材を剥離することにより、第2の基材、層間接着剤層、蒸着層および応力発光層がこの順で積層したホログラムシートを得る方法であってもよい。
4.用途
本態様のホログラムシートの用途としては、偽造防止用途に用いられるものとすることができ、クレジットカード、キャッシュカード等のカード等を挙げることができる。
また、ホログラムシートを他の被着体に接着可能な接着層を有するものとし、被着体に貼付可能なホログラムシートラベル等として用いられるものであってもよい。
さらに、ホログラムシートとして、ヒートシール層を有するものとし、被着体に転写可能なホログラムシート転写箔等として用いられるものであってもよい。
具体的には、本態様のホログラムシートをホログラムシート転写箔として用い、これを被着体に転写して偽造防止媒体を形成した場合、図11に例示するように、偽造防止媒体100としては、被着体101およびヒートシール層7が被着体101と対向するように配置されたホログラムシート10を有するものを挙げることができる。
上記ヒートシール層の構成材料としては、転写箔に一般的に用いられるものと同様とすることができ、例えば加熱により溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤を好ましく用いることができる。感熱接着剤としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
また、上記被着体としては、偽造防止が要求されるものを挙げることができ、例えば、後述するホログラムシートの具体例として記載されるものを挙げることができる。
なお、図11は、上記偽造防止媒体が紙幣として用いられる例を示す概略平面図であり、図11(b)は、図11(a)のC−C線断面図である。図11では、ホログラムシート10は、基材2、パターン状の応力発光層1および充填層3、およびヒートシール層7をこの順で積層した構造を有し、ヒートシール層7を介して被着体101に転写したものである。したがって、図11では、ホログラムシート10は、そこに含まれる基材2および応力発光層1のうち、応力発光層1が被着体101側に配置され、基材2が偽造防止媒体100の表面側に配置されるものである。このように、ホログラムシートして、基材、応力発光層およびヒートシール層がこの順で積層した構造を有するものを使用した場合には、通常、基材よりも応力発光層が被着体側に配置され、基材が偽造防止媒体の表面側に配置されるものである。また、図11では、ライン状の応力発光層1が数字「123」を表わすようにパターン状に形成され、上記偽造防止媒体100が、数字「500」を表わす印刷層104を有する例を示すものである。さらに図11(a)では説明の容易のため、基材の記載を省略するものである。
ホログラムシートのより具体的な用途としては、例えば、債権、預金証書、受取証書、手形、小切手、通帳、磁気帳票、振込カード、商品券、クーポン券、籤、ギフト券、映画券、会員券、ビール券などの有価証券や、証拠証券などとして証券分野での用途、カタログ、チラシ、パンフレット、リーフレット、ポスター、POP、グリーティングカード、絵はがき、ステッカー、案内状、招待状、報告書、議事録、名簿、ネームカード、名刺、参加証、説明書、マニュアル、社史、広報誌、社内報、料金表、振込用紙、注文書、生産指示書、納品書、売上伝票などの各種伝票、通話料金明細書、給与明細書、取引明細書などの各種明細書、各種請求書、ビジネスフォーム、はがきや封書となるフォーム、ノート、封筒、便箋、手帳、ダイアリー、はがき、圧着はがき、切手、ダイレクトメール、シークレットメール、包装紙、軟包装、プラスチック容器、紙器、玩具などの商業分野での用途、または小説、絵本、事典、その他の書籍、新聞、雑誌、業界紙、地図、電話帳、教科書、参考書、楽譜などの出版分野での用途が挙げられる。
また、上記用途としては、運転免許証、社員証、会員証等の身分証明書、入学試験用の受験票、パスポート等、紙幣、商品券、ポイントカード、株券、抽選券、馬券、預金通帳、乗車券、通行券、航空券、種々の催事の入場券、遊戯券、交通機関用の金券等の証券等の偽造されて使用されると、証券の保持者や発行会社等に損害を与え得るものを挙げることができる。
さらに、上記用途としては、高額商品、例えば、高級腕時計、高級皮革製品、貴金属製品、もしくは宝飾品等の、しばしば、高級ブランド品と言われるものに付してその証明をするもの、または、それら高額商品の収納箱やケース等を挙げることができる。
さらにまた、上記用途としては、有名ブランドのもの、例えば、オーディオ製品、電化製品等に付してその証明をするもの、または、それらに吊り下げられるタグ等;著作物である音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、もしくはゲームソフト等が記録された記憶体に付してその証明をするもの、または、それらのケースそのもの等;プリンター用のトナー、用紙など、交換する備品を純正材料に限定している製品などに付して用いられるもの等を挙げることができる。
B.第2実施態様
次に、本発明のホログラムシートの第2実施態様について説明する。
本態様のホログラムシートは、ホログラムが記録されたホログラム層と、上記ホログラム層の少なくとも一方の表面側にパターン状に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層と、を有することを特徴とするものである。
このような本態様のホログラムシートについて図面を参照して説明する。
図12は本態様のホログラムシートの一例を示す概略平面図である。図13は図12のD−D線断面図である。図12および図13に示すように、本態様のホログラムシート10は、ホログラムが記録されたホログラム層9と、上記ホログラム層9の少なくとも一方の表面側にパターン状に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層1と、上記応力発光層1と同一平面上に形成された充填層3と、を有するものである。
なお、この例において、ホログラムシート10は、基材2を有し、基材2の一方の表面上に応力発光層1および充填層3が形成されるものであり、充填層3は、平面視上、応力発光層1の形成されていない領域の全てに形成されるものである。
図12では、説明の容易のため、ホログラム層および基材の記載を省略するものである。
本態様によれば、上記充填層を有することにより、応力発光層の存在を隠ぺいすることが可能となる。
例えば、上記充填層の色を上記応力発光層の色と同系色とすることで、パターン状に形成された応力発光層の存在を隠ぺいすることが可能となる。
また、例えば、充填層により絵柄を表わすものとし、応力発光層が形成された領域を絵柄の一部として認識されるもの等とすることで、パターン状に形成された応力発光層の存在を隠ぺいすることができる。
このため、ホログラムシートを応力発光層がパターン状に形成されていることを隠ぺいしつつ、パターン状に発光可能なものとすることができる。
また、ホログラムシートは、夜間等において応力発光層をパターン状に発光させ、そのパターン状の光によりホログラム層の特定箇所に記録されたホログラム像を再生すること等が可能になる。
このようなことから、パターン状に形成された応力発光層、充填層およびホログラム層を有することにより、ホログラム層に記録されるホログラム像、パターン状に形成されていることが隠ぺいされた応力発光層からのパターン状の発光、応力発光層および充填層により表わされる絵柄等を組み合わせることにより、ホログラムシートを偽造防止効果に優れたものとすることができる。
さらに、ホログラム層に記録されるホログラム像、応力発光層からのパターン状の発光、応力発光層および充填層により表わされる絵柄等を組み合わせることにより、意匠性に優れたものとすることができる。
したがって、パターン状に形成された応力発光層、充填層およびホログラム層を有することで、偽造防止効果に優れたものとすることができ、さらに、意匠性に優れたものとすることができる。
また、応力発光層がパターン状に設けられている場合であっても、そのパターンの間に充填層が設けられていることにより、本態様のホログラムシートは、応力発光層が配置されている表面を平滑にすることが容易である。このため、応力発光層の一方の表面側に、例えばホログラム層等の他の層を容易に設けることが可能となる。例えば、パターン状の応力発光層および充填層を形成した後に、応力発光層の一方の面上にホログラム層を形成する場合、ホログラム層は、レリーフホログラム層のような、薄く、製造時に形状変化し易いものであっても、その形成面が、パターン状の応力発光層および充填層により平坦面とされていることで、形成容易となる。
本態様のホログラムシートは、ホログラム層、応力発光層および充填層を有するものである。
以下、本態様のホログラムシートにおける各構成について説明する。
1.応力発光層
本態様における応力発光層は、上記ホログラム層の少なくとも一方の表面側にパターン状に形成されるものである。
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(1)応力発光層の構成材料
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(a)応力発光粒子
上記応力発光粒子としては、外部から加えられた歪みエネルギーによって、粒子自体が発光するという性質を有し、かつその歪みエネルギーに比例して発光強度を変化させるという性質を有するものであればよい。
上記応力発光粒子を構成する応力発光材料の種類は、1種類のみを用いるものに限定されず、2種類以上を用いるものであってもよい。
例えば、既に説明した図13に示されるホログラムシートの応力発光層1を、xで示される領域が第1の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第1の発光色の領域であり、yで示される領域が第2の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第2の発光色の領域とすることができる。
上記応力発光粒子の含有量の種類が、1種類であること、すなわち、応力発光粒子の含有量が応力発光層内で均一であってもよいが、2種類以上であること、すなわち、上記応力発光層が上記応力発光粒子の含有量の異なる部位を有することが好ましい。
より具体的には、既に説明した図13における応力発光層1を、xで示される領域とyで示される領域とで応力発光粒子の含有量が異なるものとすることができる。
なお、応力発光粒子についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(a)応力発光粒子」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(b)バインダ樹脂
上記バインダ樹脂としては、上記応力発光粒子を安定的に分散および固定でき、応力発光粒子から発光した光を透過可能なものであれば特に限定されるものではない。
このようなバインダ樹脂としては、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(b)バインダ樹脂」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(c)その他
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を有するものであるが、必要に応じて他の材料を含有するものであってもよい。
このような他の材料については、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(c)その他」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)応力発光層
上記応力発光層はパターン状に形成されるものである。
このような応力発光層の平面視形状としては、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(3)その他」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
図14は本態様のホログラムシートの他の例を示す概略平面図である。図15は図14のE−E線断面図である。
既に説明した図12および図13は、応力発光層1の平面視形状がライン状である場合の例を示すものである。また、図14および図15は、応力発光層1の平面視形状が正方形状のドット状であり、ドット状の応力発光層1により長方形状の模様を表わす例を示すものである。
なお、図14および図15中の符号については、図12および図13のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記応力発光層の幅としては、所望のパターン形状の発光を認識可能なものであれば特に限定されるものではなく、本態様のホログラムシートの種類および用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記応力発光層の厚みは、所望の発光強度の応力発光層を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、1μm〜50μmの範囲内とすることができる。上記厚みが上述の範囲内であることにより、発光強度に優れた応力発光層とすることができるからである。
上記応力発光層の形成数が2以上である場合、応力発光層の形成態様としては、応力発光層がホログラム層の少なくとも一方の表面側に形成されるものであればよく、例えば、全ての応力発光層がホログラム層の一方の表面側上のみに形成される態様であってもよく、応力発光層がホログラム層の両方の表面上に形成される態様であってもよい。
応力発光層のホログラム層に対する積層状態としては、応力発光層およびホログラム層が直接接するように積層される積層状態であってもよく、他の層を介して積層される積層状態であってもよい。
図16、図17および図18は本態様のホログラムシートの他の例を示す概略断面図である。
既に説明した図13および図15、ならびに図17は、応力発光層およびホログラム層が直接接するように積層される例を示すものである。図16は、応力発光層1およびホログラム層9が層間接着剤層5および蒸着層4を介して積層される例を示すものである。また、図18は、応力発光層1およびホログラム層9が隠ぺい層6を介して積層される例を示すものである。
なお、図16〜図18中の符号については、図13のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記応力発光層の形成方法としては、所望のパターン形状の応力発光層を形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、公知の形成方法を用いることができる。
上記形成方法としては、例えば、応力発光層の構成材料である応力発光粒子およびバインダ樹脂等を溶媒に分散または溶解することで応力発光インキを形成し、この応力発光インキを印刷法によりパターン状に塗布し、その応力発光インキの塗膜から溶媒を乾燥により除去する方法等を挙げることができる。
なお、パターン状に形成される応力発光層についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(3)その他」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.充填層
本態様における充填層は、上記応力発光層と同一平面上に形成されるものである。
上記充填層の平面視上の形成箇所は、応力発光層が形成されていない箇所であれば特に限定されるものではなく、例えば、応力発光層が形成されていない箇所の全てを含むものであってよく、応力発光層が形成されていない箇所の一部を含むものであってもよい。
既に説明した図13は、応力発光層および充填層が直接接するように形成されるものであり、充填層の平面視上の形成箇所が、応力発光層が形成されていない箇所の全てを含む例を示すものである。
また、既に説明した図15は、応力発光層および充填層が直接接しないように形成され、応力発光層および充填層も存在しない空洞部を有するものであり、充填層の平面視上の形成箇所が、応力発光層が形成されていない箇所の一部を含む例を示すものである。また、図15は、応力発光層および充填層がそれぞれドット状に形成される例を示すものである。
上記充填層は、上記応力発光層の形成数が2以上である場合、一部の応力発光層に対して形成されるものであってもよいが、全ての応力発光層に対して形成されるものであることが好ましい。応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
例えば、ホログラムシートが2層の応力発光層を含む場合、上記充填層は、少なくともいずれか1層の応力発光層と同一平面上に形成されるものであればよいが、2層の応力発光層のそれぞれについて同一平面上に形成され、2層の応力発光層の両者が充填層により隠ぺいされたものとすることが好ましい。
なお、充填層についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(3)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.ホログラム層
本態様におけるホログラム層は、ホログラムが記録されたものである。
このようなホログラム層としては、本態様のホログラムシートの種類および用途等に応じて適宜選択することができ、例えば、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層またはレリーフホログラムが記録されたレリーフホログラム層を用いることができる。
このような体積ホログラム層およびレリーフホログラム層としてはホログラム層として一般的に用いられるものと同様とすることができる。
具体的には、上記体積ホログラム層を構成する材料としては、光重合性材料を用いることができる。上記光重合性材料としては、所定の光が照射されることによって重合反応を進行させることができ、体積ホログラム層に干渉縞を形成することが可能なものであれば特に限定されるものではない。上記光重合性材料は、例えば、少なくともラジカル重合性化合物またはカチオン重合性化合物の少なくとも一方が用いられることが好ましく、コントラストの高いホログラム像を記録することが可能になるという観点から、特にラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物とを併用することが好ましい。
また、上記体積ホログラム層への体積ホログラムの記録方法としては、上記材料等を含む体積ホログラム層形成用層に所定の干渉縞を記録できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、体積ホログラム層形成用層の一方の表面側から参照光を入射し、体積ホログラム層形成用層の他方の表面側から物体光を入射し、上記体積ホログラム層形成用層内においてこれらの光を干渉させることにより体積ホログラム層を形成する方法や、体積ホログラム層形成用層上にホログラム原版を配置し、体積ホログラム層形成用層のホログラム原版が配置された側とは反対側から光を入射することによって、当該入射光と上記ホログラム原版によって反射された反射光とを上記体積ホログラム層形成用層内において干渉させることにより体積ホログラム層を形成する方法等を挙げることができる。
上記体積ホログラム層の厚みは、所望のホログラム像を記録できる程度であれば特に限定されるものではないが、通常、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、なかでも3μm〜40μmの範囲内であることが好ましく、さらに5μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
上記レリーフホログラム層を構成する材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂等を含むものを挙げることができる。
このような熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂については上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。また、上記材料は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂等をそれぞれ単独で、または混合して用いることもできる。
また、上記レリーフホログラム層へのレリーフホログラムの記録方法としては、上記の材料を用いて、従来既知の方法を用いることができる。上記記録方法は、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表す凹凸のレリーフとして形成する場合は、回折格子やホログラムの干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型として用い、上記材料等を含むレリーフホログラム層形成用層に上記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸のレリーフをレリーフホログラム層形成用層表面に転写することによりレリーフホログラム層を形成する方法を挙げることができる。
なお、上記凹凸のレリーフの深さ、ピッチについては、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(2)レリーフホログラム」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記レリーフホログラム層の厚さは、所望のホログラム像を記録できる程度であれば特に限定されるものではないが、通常、0.1μm〜6μmの範囲内とすることができ、なかでも0.1μm〜4μmの範囲内であることが好ましい。
上記レリーフの形成面は、ホログラム層の応力発光層側表面であってもよく、応力発光層が形成された面とは反対側表面であってもよい。
なお、既に説明した図16および図17は、ホログラム層がレリーフホログラム層であり、凹凸のレリーフ11が図16では応力発光層側表面に形成され、図17では応力発光層が形成された面とは反対側表面である例を示すものである。
また、凹凸のレリーフの深さは、具体的には、図16中のgで示されるものであり、上記凹凸のレリーフのピッチは、具体的には、図16中のhで示されるものである。
上記ホログラム層は、可視光を透過可能なものとすることができる。
上記ホログラム層の全光線透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
なお、透過率の測定方法は、上記「1.応力発光層」の項に記載の方法と同様とすることができる。
上記ホログラム層は、必要に応じて、顔料等の着色材を含むものであってもよい。
4.その他の構成
本態様のホログラムシートは、ホログラム層、応力発光層および充填層を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであってもよい。
(1)基材
本態様のホログラムシートは、ホログラム層、応力発光層および充填層を支持する基材を含むことができる。上記基材を有することにより、上記応力発光層等を形成容易なものとすることができるからである。
上記基材、応力発光層およびホログラム層との厚み方向の積層順としては、応力発光層およびホログラム層を用いて偽造防止効果を示すことができるものであれば特に限定されるものではなく、基材、応力発光層およびホログラム層の積層順であってもよく、基材、ホログラム層および応力発光層の積層順であってもよい。また、上記積層順は、応力発光層、基材およびホログラム層の積層順であってもよい。
既に説明した図13は、基材2、応力発光層1およびホログラム層9の積層順である場合の例を示すものである。また、既に説明した図17は、基材2、ホログラム層9および応力発光層1の積層順である場合の例を示すものである。
なお、基材についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(1)基材」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)蒸着層
本態様のホログラムシートは、ホログラム層がレリーフホログラム層である場合において、レリーフホログラム層の凹凸のレリーフの形成面に接するように形成される蒸着層等を含むことができる。蒸着層を有することにより、ホログラム層が凹凸のレリーフの形成面が空気と接しないように用いられる場合であっても、レリーフホログラム層との間に屈折率差を容易に設けることができ、ホログラム像の再生をより容易に行うことができるからである。
上記蒸着層の形成箇所は、レリーフホログラム層の凹凸のレリーフの形成面に直接接するように形成されるものであればよい。
なお、既に説明した図16は、ホログラム層がレリーフホログラム層であり、凹凸のレリーフの形成面がホログラム層の応力発光層側である場合の例を示すものである。この例では、ホログラム層の凹凸のレリーフの形成面上にレリーフの凹凸に沿って蒸着層が形成されるものである。また、図16は、レリーフホログラム層の凹凸のレリーフおよび蒸着層を平坦化するように形成された層間接着剤層5を有する例を示すものである。
なお、蒸着層についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(2)蒸着層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(3)隠ぺい層
本態様のホログラムシートは、上記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成され、上記応力発光層の存在を隠ぺいする隠ぺい層を含むことができる。応力発光層を覆うように形成される隠ぺい層を有することにより、パターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となる等、ホログラムシートを偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
上記隠ぺい層の平面視上の形成箇所および上記隠ぺい層の応力発光層に対する厚み方向の形成位置は、上記「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(4)隠ぺい層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、既に説明した図18は、隠ぺい層6が、応力発光層1の一方の表面側のみに形成され、かつ、応力発光層1および充填層3の両者に接するように形成される例を示すものである。また、図18は、隠ぺい層の平面視上の形成箇所が応力発光層が形成されている箇所および充填層が形成されている箇所の全てを含む場合の例を示すものである。
なお、隠ぺい層についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(4)隠ぺい層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(4)その他
上記その他の構成は、ホログラムシートに一般的に用いられるものを含むことができる。上記その他の構成としては、上記「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(5)その他」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、上記その他の構成としては、ホログラム層および応力発光層の間等の各構成間を接着する層間接着剤層、ホログラム層および応力発光層を保護する保護層等も挙げることができる。
なお、上記その他の構成として用いられる層間接着剤層は、例えば、ホログラム層がレリーフホログラム層である場合において、ホログラム層の凹凸のレリーフ面を平坦化する目的で設けられるものであってもよい。
5.ホログラムシートの製造方法
本態様のホログラムシートの製造方法としては、上記各構成を含むホログラムシートを精度良く製造できる方法であれば特に限定されるものではない。
上記製造方法としては、例えば、基材と、応力発光層および充填層と、ホログラム層形成用層と、をこの順で積層し、次いで、ホログラム層形成用層に対してホログラムの記録を行いホログラム層を形成することで、基材と、応力発光層および充填層と、ホログラム層とがこの順で積層したホログラムシートを得る方法を挙げることができる。
また、上記製造方法としては、支持基材およびホログラム層形成用層が積層したホログラム形成用積層体を準備し、ホログラム形成用積層体のホログラム層形成用層に対してホログラムの記録を行うことでホログラム層を形成し、さらにホログラム層上に接着剤を塗布することで、支持基材、ホログラム層および層間接着剤層がこの順で積層したホログラム層積層体を形成し、次いで、基材上に応力発光層および充填層が形成された応力発光層積層体と、上記ホログラム層積層体と、を応力発光層および充填層と層間接着剤層とが対向するように配置し、両積層体同士を接触させることで、基材と、応力発光層および充填層と、層間接着剤層と、ホログラム層と、がこの順で積層したホログラムシートを得る方法を挙げることができる。
また、ホログラム層がレリーフホログラム層である場合には、上記ホログラム層積層体として、ホログラム層のレリーフ形成面上に蒸着層を形成し、支持基材、ホログラム層、蒸着層、層間接着剤層がこの順で積層したホログラム層積層体を用いてもよい。
6.用途
本態様のホログラムシートの用途としては、偽造防止用途に用いられるものとすることができ、クレジットカード、キャッシュカード等のカード等を挙げることができる。
また、ホログラムシートを他の被着体に接着可能な接着層を有するものとし、被着体に貼付可能なホログラムシートラベル等として用いられるものであってもよい。
さらに、ホログラムシートとして、ヒートシール層を有するものとし、被着体に転写可能なホログラムシート転写箔等として用いられるものであってもよい。
具体的には、本態様のホログラムシートをホログラムシート転写箔として用い、これを被着体に転写して偽造防止媒体を形成した場合、図19に例示するように、偽造防止媒体100としては、被着体101およびヒートシール層が被着体101と対向するように配置されたホログラムシート10を有するものを挙げることができる。
上記ヒートシール層の構成材料および被着体としては、上記「A.ホログラムシート」の「4.用途」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、図19は、上記偽造防止媒体が紙幣として用いられる例を示す概略平面図であり、図19(b)は、図19(a)のF−F線断面図である。図19では、ホログラムシート10は、基材2、パターン状の応力発光層1および充填層3、ホログラム層9およびヒートシール層7をこの順で積層した構造を有し、ヒートシール層7を介して被着体101に転写したものである。したがって、図19では、ホログラムシート10は、そこに含まれる基材2および応力発光層1のうち、応力発光層1が被着体101側に配置され、基材2が偽造防止媒体100の表面側に配置されるものである。このように、ホログラムシートして、基材、応力発光層およびヒートシール層がこの順で積層した構造を有するものを使用した場合には、通常、基材よりも応力発光層が被着体側に配置されるものである。また、図19では、ライン状の応力発光層1が数字「123」を表わすようにパターン状に形成され、上記偽造防止媒体100が、数字「500」を表わす印刷層104を有する例を示すものである。さらに図19(a)では説明の容易のため、基材の記載を省略するものである。
ホログラムシートのより具体的な用途としては、上記「A.ホログラムシート」の「4.用途」の項に記載の内容と同様とすることができる。
II.応力発光シート
次に、本発明の応力発光シートについて説明する。
本発明の応力発光シートは、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有し、上記応力発光層の表面および側面の少なくとも一方に、凹部および凸部の少なくとも一方を含む応力集中部が形成されていることを特徴とするものである。
このような本発明の応力発光シートについて図面を参照して説明する。
図20は、本発明の応力発光シートの一例を示す概略平面図である。図21は、図20のG−G線断面図である。図22は、本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。
図20〜図22に示すように、本発明の応力発光シート20は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層1を有し、上記応力発光層1の表面に、応力集中部12(12a、12b)が形成されているものである。
なお、この例において、応力発光シート20は、応力発光層1の一方の表面上に配置される基材2、および他方の表面上に配置されるレリーフホログラムが記録されたホログラム層9を有するものであり、上記ホログラム層9は、応力発光層1の応力集中部12が形成されている表面側に応力発光層1と接するように形成され、上記応力集中部12を被覆する被覆樹脂層13としても用いられるものである。
図21は、応力集中部12が凹部12aのみを含む例を示すものであり、図22は、応力集中部12が凸部12bのみを含む例を示すものである。
また、図20では、説明の容易のため、ホログラム層9の記載を省略するものである。
本発明によれば、応力発光層に凹部および凸部の少なくとも一方を含む応力集中部が形成されていることにより、応力発光シートに応力を付与した際に、応力を応力発光層の応力集中部に集中させることができる。このため、応力発光層を応力集中部が形成された箇所で効率的に発光させることができる。
このため、応力集中部をパターン状に形成することにより、応力発光層を応力集中部が形成されたパターン状に容易に発光可能なものとすることができる。また、暗所でも応力発光層からの発光を用いて真贋判断を行うことができる。
したがって、応力発光シートを、偽造防止効果に優れたものとすることができる。
本発明の応力発光シートは、応力発光層を有するものである。
以下、本発明の応力発光シートにおける各構成について説明する。
1.応力発光層
本発明における応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
また、上記応力発光層の表面および側面の少なくとも一方に凹部および凸部の少なくとも一方を含む応力集中部が形成されているものである。
(1)応力発光層の構成材料
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(a)応力発光粒子
上記応力発光粒子としては、外部から加えられた歪みエネルギーによって、粒子自体が発光するという性質を有し、かつその歪みエネルギーに比例して発光強度を変化させるという性質を有するものであればよい。
上記応力発光粒子を構成する応力発光材料の種類は、1種類のみを用いるものに限定されず、2種類以上を用いるものであってもよい。
本発明においては、なかでも、上記応力発光材料の種類が2種類以上であることが好ましい。応力発光層を発光色の異なる領域を有するものとすることが可能となる。例えば、図23に示される応力発光シートの応力発光層1を、xで示される領域を第1の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第1の発光色の領域とし、yで示される領域を第2の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第2の発光色の領域とすることができる。このようなことから、応力発光シートを偽造防止効果に優れたものとすることができる。
また、上記応力発光層が同一の応力発光シートに2層以上積層される場合、各応力発光層に含まれる応力発光粒子の種類は同一であってもよく、異なるものであってもよい。
なお、図23中の符号については、図21のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、本発明においては、応力発光材料を2種類以上用いる場合に、各応力発光材料からなる応力発光粒子を混合して用いるもの、例えば、第1の応力発光粒子からの発光色と第2の応力発光粒子からの発光色とが混合された、1色の発光色の応力発光層とするものであってもよい。
上記応力発光粒子の含有量の種類が、1種類であること、すなわち、応力発光粒子の含有量が応力発光層内で均一であってもよいが、2種類以上であること、すなわち、含有量の異なる部位を有することが好ましい。応力発光層を発光強度の異なる領域を有するものとすることで、応力発光シートを偽造防止効果に優れたものとすることができるからである。
より具体的には、既に説明した図23における応力発光層1を、xで示される領域とyで示される領域とで応力発光粒子の含有量が異なるものとすることができる。
なお、応力発光粒子についてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(a)応力発光粒子」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(b)バインダ樹脂
上記バインダ樹脂としては、上記応力発光粒子を安定的に分散および固定でき、応力発光粒子から発光した光を透過可能なものであれば特に限定されるものではない。
このようなバインダ樹脂としては、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(b)バインダ樹脂」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(c)その他
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を有するものであるが、必要に応じて他の材料を含有するものであってもよい。
このような他の材料については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(c)その他」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)応力集中部
本発明における応力集中部は、応力発光層の表面および側面の少なくとも一方に形成されるものである。
上記応力集中部の形成箇所は、応力発光層の表面および側面の少なくとも一方を含むものであるが、応力発光層の表面を含むことが好ましい。上記形成箇所であることにより、例えば、応力集中部をパターン状に形成することが容易だからである。このため、応力発光シートを偽造防止効果に優れたものとすることができるからである。
なお、応力集中部の形成箇所が表面を含む場合、上記形成箇所は、応力発光層のいずれか一方の表面を含むものであればよく、両方の表面を含むものであってもよい。
なお、既に説明した図21および図22は、応力集中部12が応力発光層1の一方の表面のみに形成される例を示すものである。
上記応力集中部は、凹部および凸部の少なくとも一方を含むものであり、凹部のみを含むものであってもよく、凸部のみを含むものであってもよく、凹部および凸部の両者を含むものであってもよい。
既に説明した図21は、応力集中部12が凹部12aのみを含む例を示すものであり、既に説明した図22は、応力集中部12が凸部12bのみを含む例を示すものである。
応力集中部の形状、すなわち、凹部である場合には応力発光層の表面に設けられた溝の形状および応力集中部が凸部である場合には応力発光層の表面に設けられた突出部の形状は、応力発光層を応力集中部において効率的に発光させることができるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の応力発光シートの用途および種類等に応じて適宜設定されるものである。上記形状は、例えば、錘状、半球状、同一の断面形状の断面が断面に垂直方向に連続的に形成された柱状等とすることができる。
上記錘状としては、例えば、三角錐状、四角錐状等の角錐状、円錐状、楕円錐状等を挙げることができる。
上記半球状としては、例えば、半円球状、半楕円球状等を挙げることができる。
上記柱状としては、同一の断面形状の断面が断面に垂直方向に連続的に形成されたものを挙げることができ、上記断面形状としては、例えば、三角形状、四角形状等の多角形状、半円形状、半楕円形状等を挙げることができる。
本発明においては、応力集中部の形状が、錘状または断面形状が三角形状である柱状であることが好ましく、なかでも、応力集中部の頂点の角度、すなわち、上記応力集中部の凹部の最も深い箇所または凸部の最も高い箇所の頂点の角度が、10°〜170°の範囲内であることが好ましい。上記形状が上述の形状であることにより、応力発光層を応力集中部の頂点部分で効率的に発光可能なものとすることができるからである。また、応力集中部の形成が容易であり、さらに、応力発光層を応力が応力集中部に集中することによる破損等の少ないものとすることができるからである。
なお、既に説明した図20〜図22は、上記応力集中部12の形状が断面形状が三角形状である柱状、すなわち、楔形状である例を示すものである。
また、図24は、上記応力集中部12(12a)の形状が、断面形状が底部が平坦な四角形状である柱状、すなわち、直方体形状である例を示すものである。
また、応力集中部の幅は、応力発光層の応力集中部が形成されていない平坦部と同一平面における応力集中部の幅のうち最短の幅をいうものであり、具体的には、図21および図22中のcで示されるものである。応力集中部の断面形状は、応力集中部の断面のうち、上記応力集中部の幅が測定される断面の形状をいうものである。上記応力集中部の頂点の角度は、具体的には、図21および図22中のαで示されるものである。
上記応力集中部の断面形状としては、応力集中部が凹部である場合、応力発光層の一方の表面から他方の表面まで貫通する形状とすることもできる。本発明においては、なかでも、応力集中部が応力発光層を貫通する凹部である場合、応力集中部により隔てられた応力発光層同士が接していることが好ましい。応力集中部の周辺において応力発光層が効率的に発光可能となるからである。
なお、図25は、応力集中部12(12a)が応力発光層1を貫通する凹部であり、断面視上、応力集中部12(12a)により隔てられた応力発光層1同士が三角形状の応力集中部12(12a)の底部の頂点部分で接している例を示すものである。
応力集中部の形状の種類は、1種類のみを用いるものに限定されず、2種類以上を用いるものであってもよい。
本発明においては、なかでも、上記応力集中部の形状の種類が2種類以上であることが好ましい。発光状態の異なる応力集中部を有することにより、応力発光シートを偽造防止効果に優れたものとすることができるからである。
さらに、上記応力発光層が同一の応力発光シートに2層以上積層される場合、各応力発光層に含まれる応力集中部の形状の種類は同一であってもよく、異なるものであってもよい。
応力集中部の凹部の深さまたは凸部の高さとしては、応力発光層を応力集中部において効率的に発光させることができるものであれば特に限定されるものではなく、応力発光層の厚み、応力発光シートの用途および種類等に応じて適宜設定されるものである。
上記深さまたは高さの、応力発光層の厚みに対する割合(深さまたは高さ/応力発光層の厚み)が、1/100〜4/5の範囲内であることが好ましい。上記割合が上述の範囲内であることにより、応力発光層を応力集中部において効率的に発光させることができるからである。また、応力発光層を応力が応力集中部に集中することによる破損等の少ないものとすることができるからである。
上記応力集中部の凹部の深さまたは凸部の高さは、具体的には、0.01μm〜40μmの範囲内とすることができる。上記凹部の深さまたは凸部の高さが上述の範囲内であることにより、応力発光層を応力集中部において効率的に発光させることができるからである。
なお、応力集中部の凹部の深さまたは凸部の高さは、応力発光層の応力集中部が形成されていない平坦部からの深さまたは高さをいうものであり、具体的には、図21中のd1および図22中のd2で示されるものである。また、応力発光層の厚みは、応力集中部が形成されていない平坦部での厚みをいうものであり、具体的には、図21および図22中のeで示されるものである。
応力集中部の幅としては、応力発光層を応力集中部において効率的に発光させることができるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の応力発光シートの種類および用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記幅は、例えば、0.1μm〜100μmの範囲内とすることができる。
上記応力集中部の平面視形状、すなわち、応力発光層の表面に形成された応力集中部のパターン形状としては、本発明の応力発光シートの種類および用途等に応じて適宜設定することができる。応力集中部の平面視形状は、例えば、ドット状、ライン状等とすることができる。また、ドット状の応力集中部の平面視形状は、円形状、四角形状等の任意の形状とすることができる。
また、応力集中部の平面視形状は、記号、文字等を表わすものとすることができる。上記応力集中部の平面視形状は、例えば、ライン状の応力集中部を用いて文字等を表わすものとしたり、ドット状の応力集中部を用いて文字等を表わすものであってもよい。また、文字等を用いて所定の情報を表わすものであってもよい。このような応力集中部の平面視形状をパターン状にすることにより、本発明の応力発光シートは、例えば、応力発光層をパターン状に配置するよりも、容易にパターン状の発光が可能となる。
さらに、応力集中部の平面視形状は、ドット状またはライン状の応力集中部を応力発光層の表面の全面に所定の間隔で配置し、応力発光層を全面で発光しているように表現するものであってもよい。上記平面視形状は、例えば、ライン状の応力集中部を縦方向および横方向にそれぞれ一定の間隔で格子状に配置したもの、ドット状の応力集中部を縦方向および横方向にそれぞれ一定の間隔で配置したもの等とすることができる。また、上記間隔は、応力発光層を全面で発光しているように表現するとの観点からは、例えば、0.1μm〜100μmの範囲内とすることができる。上記間隔は、隣接する上記応力集中部の凹部の最も深い箇所間の距離または隣接する凸部の最も高い箇所間の距離とすることができる。
本発明においては、上記応力集中部の平面視形状がライン状である場合、上記平面視形状は、ライン状の応力集中部の長手方向が本発明の応力発光シートの曲げ方向に直交する方向となる形状であることが好ましい。例えば、既に説明した図20および図21に示すように、応力集中部12がライン状であり、ライン状の応力集中部12が図20中のG−G線断面に直交するように配置されている場合、応力発光シート20が図20中のG−G線の端部同士を近づけるように曲げて用いられることが好ましい。上記平面視形状が上記形状であることにより、応力集中部で効率的に発光させることが可能となるからである。
さらに、上記応力発光層が同一の応力発光シートに2層以上含まれる場合、各応力発光層に形成される応力集中部の平面視形状は同一であってもよく、異なるものであってもよい。
図26は、本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。
既に説明した図20は、応力発光層1に形成された応力集中部12の平面視形状がライン状である例を示すものである。図26は、応力集中部12の平面視形状がドット状に、縦方向および横方向に同一間隔fで形成され、応力集中部12の形状が正四角錐状である例を示すものである。また、図26中のH−H線断面図は既に説明した図21と同様とすることができる。
なお、図26中の符号については、図20および図21のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記応力集中部としては、凹部または凸部であるもの以外に、他の態様も用いることができる。
このような他の態様としては、応力集中部が、図27(a)および(b)に例示するように、応力発光層1と同一平面上に形成され、上記応力発光層1より硬度の高い応力発光層(高硬度応力発光層21)であるものを挙げることができる。
このような高硬度応力発光層としては、応力発光シートに応力を付与した際に、応力発光層より変形しにくいものであればよく、例えば、高硬度応力発光層を構成するバインダ樹脂として、応力発光層に用いられるバインダ樹脂より体積弾性率が大きいものを含むものとすることができる。
また、高硬度応力発光層の形成方法としては、上記高硬度応力発光層を上記応力発光層と同一平面上に安定的に形成できる方法であればよく、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(3)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、高硬度応力発光層の平面視形状等については、上記凹部または凸部の応力集中部と同様とすることができる。
なお、図27(a)は、本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図であり、図27(b)は、図27(a)のI−I線断面図である。
(3)レリーフホログラム
本発明における応力発光層は、表面および側面の少なくとも一方に応力集中部を有し、応力集中部において応力発光層を効率的に発光させるものであれば特に限定されるものではないが、他の機能を有するものであってもよい。
例えば、上記応力発光層は、応力発光層の表面のうち、上記応力集中部が形成されていない表面にレリーフホログラムが記録され、表面に凹凸のレリーフを有するものとすることができる。応力発光層からの発光および応力発光層に記録されたレリーフホログラムによる偽造防止を図ることができ、さらに、上記応力発光層からの発光によって応力発光層に記録されたホログラム像を再生可能なものとすることもできる。
また、応力発光層の表面にレリーフホログラムが記録されていることにより、応力発光層の発光を直接凹凸のレリーフに到達させることができ、レリーフホログラムをより高精細に再生することができる。
このため、応力発光シートを偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
図28および図29は、本発明の応力発光シート20の他の例を示す概略断面図であり、応力発光層1の一方の表面に応力集中部12が形成され、他方の表面にレリーフホログラム11が記録されている例を示すものである。
なお、図28および図29中の他の符号については、図21のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記凹凸のレリーフの深さおよびピッチについては、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(2)レリーフホログラム」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、凹凸のレリーフの深さは、具体的には、図21中のgで示されるものであり、上記凹凸のレリーフのピッチは、具体的には、図21中のhで示されるものである。
上記応力発光層のレリーフホログラムの記録面、すなわち、凹凸のレリーフの形成面は、応力発光層の上記応力集中部が形成されていない表面であればよく、応力発光層の一方の表面にのみ応力集中部が形成されている場合には、他方の表面のみである。
また、応力集中部が応力発光層の側面にのみ形成され、応力発光層の表面に応力集中部が形成されていない場合には、上記凹凸のレリーフの形成面は、応力発光層の少なくとも一方の表面とすることができるが、通常、応力発光層のいずれか一方の表面のみである。
上記レリーフホログラムの上記応力発光層内の記録箇所は、例えば、平面視上、応力発光層の全面であってもよく、応力発光層の一部であってもよい。
既に説明した図28および図29では、応力発光層1の応力集中部12が形成されている表面と反対側の表面に凹凸のレリーフ11が形成されるものであり、図28では、平面視上レリーフホログラムの記録箇所が応力発光層1の全面であり、図29では、平面視上レリーフホログラムの記録箇所が応力発光層1の一部の領域である例を示すものである。
上記応力発光層に記録されるレリーフホログラムの種類は、1種類のみ、すなわち、応力発光層に記録されたレリーフホログラムが1つの像を示すものであってもよいが、2種類以上含まれるもの、すなわち、応力発光層に記録されたレリーフホログラムが2以上の像を示すものであってもよい。
例えば、既に説明した図28においてxで示される領域とyで示される領域とにそれぞれ異なる種類のレリーフホログラムが記録されるものとすることができる。
また、上記応力発光層が同一の応力発光シートに2層以上含まれる場合、各応力発光層に記録されるレリーフホログラムの種類は同一であってもよく、異なるものであってもよい。
上記応力発光層へのレリーフホログラムの記録方法としては、所望のホログラム像を再生可能な凹凸のレリーフを形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(2)レリーフホログラム」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、上記応力発光シートが、パターン状に形成された応力発光層と同一平面上に形成され、かつ、レリーフホログラムが記録された充填層を有する場合には、応力発光層および充填層に同時にレリーフホログラムの記録を行うものであってもよい。工程の簡略化を図ることができるからである。具体的には、上記記録方法は、同一平面上に形成された応力発光層形成用層および充填層形成用層に対して、原版を重ねて加熱圧着する方法等を用いることができる。
なお、応力発光層に記録されるレリーフホログラムについてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(2)レリーフホログラム」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(4)その他
上記応力発光層は、パターン状に形成されていないもの、すなわち、応力発光層が基材上に形成される場合、応力発光層が基材の全面を覆うように形成されるものであってもよいが、パターン状に形成されることが好ましい。上記応力発光層がパターン状に形成されていることにより、応力発光シートに応力を加えた際に、応力発光層を平面視上パターン状に発光可能なものとすることができる。このため、上記応力発光層がパターン状に形成されていることで、応力発光シートを偽造防止効果に優れたものとすることができるからである。
図30は本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図であり、図31は図30のJ−J線断面図である。
既に説明した図20および図21は、応力発光層1が基材2の全面に形成される例を示すものであり、図30および図31は、応力発光層1がパターン状に形成される例を示すものである。また、図30および図31では、応力発光層1がパターン状に形成されている領域以外には、応力発光層1と同一平面上に他の層が形成されていない例を示すものである。
なお、図30および図31中の符号については、図20および図21のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、図32(a)は、本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図であり、図32(b)は、図32(a)のK−K線断面図であり、応力発光層1が、応力集中部12(12a)と平面視上重なる箇所にのみパターン状に形成される例を示すものである。また、図32(a)および(b)では、応力発光シート20が、応力発光層1が形成されている領域以外には、応力発光層1と同一平面上に形成された充填層3が形成されている例を示すものである。
上記応力発光層がパターン状に形成される場合、応力発光層の平面視形状としては、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(3)その他」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
既に説明した図30および図31は、応力発光層1の平面視形状がライン状である場合の例を示すものである。
上記応力発光層がパターン状に形成される場合、応力発光層の幅としては、所望のパターン形状に発光可能なものであれば特に限定されるものではなく、本発明の応力発光シートの種類および用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記応力発光層の厚みは、所望の発光強度の応力発光層とすることができるものであれば特に限定されるものではないが、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、発光強度に優れた応力発光層とすることができるからである。
上記応力発光層の形成方法としては、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有し、かつ、上記応力集中部が形成されているものとすることができる方法であれば特に限定されるものではない。
上記形成方法としては、例えば、応力発光層の構成材料である応力発光粒子およびバインダ樹脂等を溶媒に分散または溶解することで応力発光インキを形成し、この応力発光インキを塗布し、その応力発光インキの塗膜から溶媒を乾燥により応力発光層形成用層を形成し、次いで、応力集中部の形状に対応する凹凸が形成された転写用原版を、応力発光層形成用層に重ねて押圧して転写用原版の凹凸を転写することで、応力集中部が形成された応力発光層を形成する方法を挙げることができる。
また、上記応力発光層にレリーフホログラムが記録される場合、上記形成方法は、上記応力発光層形成用層を形成した後、応力発光層形成用層に対して、上記応力集中部の形成と同時に、上述のレリーフホログラムの記録方法を用いてレリーフホログラムを記録する方法を挙げることができる。
なお、応力集中部が形成される応力発光層についてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(3)その他」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.その他の構成
本発明の応力発光シートは、上記応力発光層を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであってもよい。
(1)基材
本発明の応力発光シートは、応力発光層を支持する基材を含むことができる。上記基材を有することにより、上記応力発光層等を形成容易なものとすることができるからである。
なお、既に説明した図21および図22は、応力発光シート20が基材2を有する例を示すものである。
上記基材は、応力発光粒子が発する所定の波長の光に対して透明性を有する透明性基材であっても、所定の波長の光に対して遮光性を有する遮光性基材であってもよいが、発光強度に優れた応力発光シートとする観点および応力発光シートの両面で応力発光層からの光やホログラム像を認識可能とすることができるとの観点からは、透明性基材であることが好ましい。
上記透明性基材の透明性としては、「1.応力発光層」の項に記載の応力発光層の透明性と同様とすることができる。
また、上記応力発光層からの発光を基材側から観察する際に、可視光の波長領域の全域において発光強度に優れたものとする観点からは、上記透明性基材の全光線透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
なお、基材についてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(1)基材」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)被覆樹脂層
本発明の応力発光シートは、上記応力集中部を被覆する被覆樹脂層が形成されているものとすることができる。応力発光シートに応力を付与した際に、応力発光層の応力集中部への応力の集中を効果的に行うことができるからである。
ここで、応力集中部を被覆するとは、応力集中部が凹部である場合、凹部内の少なくとも一部を埋めるように形成されることをいうものであり、上記被覆樹脂層は、凹部の深さ以上の厚みで形成され、凹部内を応力発光層の平坦部の表面まで埋めるように形成されるものとすることができる。また、応力集中部が凸部である場合、凸部の少なくとも一部を埋設するように形成されることをいうものであり、上記被覆樹脂層は、凸部の高さ以上の厚みに形成されるものとすることができる。
既に説明した図21は、被覆樹脂層13が応力集中部12である凹部12aの深さ以上の厚みで形成され、凹部12a内を平坦部表面まで埋めるように形成される例を示すものであり、図22は、被覆樹脂層13が応力集中部12である凸部12bの高さ以上の厚みに形成される例を示すものである。
上記被覆樹脂層の構成材料としては、樹脂系材料を含むものであれば特に限定されるものではない。
このような樹脂系材料としては、一般的な樹脂材料を用いることができ、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載のバインダ樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
本発明においては、上記樹脂系材料の体積弾性率が、上記応力発光層に含まれるバインダ樹脂の体積弾性率より大きいことが好ましい。応力発光シートに応力を加えた際に、応力発光層に付加された変形を応力集中部に効果的に伝えることができ、応力発光層を発光効率に優れたものとすることができるからである。
上記被覆樹脂層は、応力集中部を被覆し、応力発光層の応力集中部への応力の集中を効果的に行うことができるものであればよいが、必要に応じて、他の機能を有するもの、すなわち、他の層と兼用されるものであってもよい。
例えば、上記被覆樹脂層は、後述するホログラム層、隠ぺい層等として用いられるものであってもよい。また、上記被覆樹脂層は、層間接着剤層として用いられるものであってもよい。
なお、既に説明した図21〜図23は、応力発光シート20が被覆樹脂層13を有する例であり、被覆樹脂層13がホログラム層9でもある例を示すものである。
(3)ホログラム層
本発明の応力発光シートは、応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成され、ホログラムが記録されたホログラム層を含むことができる。応力発光層からの発光およびホログラム層に記録されたホログラムによる偽造防止を図ることができる。また、上記応力発光層からの発光によってホログラム層に記録されたホログラム像を再生可能なものとすることもできる。このため、応力発光シートを偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
既に説明した図21〜図23は、基材2、応力発光層1およびホログラム層9がこの順で積層した応力発光シート20の例を示すものである。
なお、ホログラム層についてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「B.第2実施態様」の「3.ホログラム層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(4)蒸着層
本発明の応力発光シートは、レリーフホログラムが記録された応力発光層または上記ホログラム層の凹凸のレリーフの形成面に接するように形成される蒸着層等を含むことができる。蒸着層を有することにより、応力発光層等に形成された凹凸のレリーフの形成面が空気と接しないように用いられる場合であっても、応力発光層等との間に屈折率差を容易に設けることができ、ホログラム像の再生をより容易に行うことができるからである。
既に説明した図28および図29は、基材2、層間接着剤層5、蒸着層4、応力発光層1、隠ぺい層6(被覆樹脂層13)がこの順で積層する例を示すものである。また、図28および図29では、応力発光層1の応力集中部12が形成された表面とは反対側の表面に凹凸のレリーフ11が形成され、レリーフの凹凸に沿って蒸着層4が形成されるものである。
なお、蒸着層についてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(2)蒸着層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(5)充填層
本発明の応力発光シートは、応力発光層がパターン状に形成されている場合に、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を含むことができる。パターン状に形成されている応力発光層の存在を隠ぺいすることができ、応力発光シートを偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。また、応力集中部によるパターン状の発光、応力発光層およびホログラム層等に記録されるホログラム像、応力発光層からのパターン状の発光、応力発光層および充填層により表わされる絵柄等を組み合わせることにより、意匠性に優れたものとすることができるからである。
図33は、本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図であり、図34は、図33のL−L線断面図である。図33および図34では、応力発光層1がパターン状に形成され、応力発光シート20が応力発光層1と同一平面上に形成された充填層3を有する例を示すものである。
なお、図33および図34中の符号については、図20および図21のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。また、図33では、説明の容易のため、基材、層間接着剤層および蒸着層ならびに凹凸のレリーフの記載を省略するものである。
上記充填層の平面視上の形成箇所は、応力発光層が形成されていない箇所であれば特に限定されるものではなく、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(3)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
既に説明した図33および図34は、応力発光層1および充填層3が直接接するように形成されるものであり、充填層3の平面視上の形成箇所が、応力発光層1が形成されていない箇所の全てを含む例を示すものである。
上記充填層は、表面にレリーフホログラムが記録されているものであってもよい。応力発光シートを偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
なお、既に説明した図33および図34は、充填層3および応力発光層1の両層にレリーフホログラムが記録されている例を示すものである。
上記充填層は、表面に応力集中部が形成されているものであってもよい。応力集中部の形成箇所が観察者から視認できる場合、応力発光シートを、応力集中部が形成されているにもかかわらず応力発光しないパターンを有するものとすることができ、偽造防止効果に優れたものとすることができるからである。
上記充填層の形成方法としては、上記充填層を上記応力発光層と同一平面上に安定的に形成できる方法であればよく、上記「I.ホログラムシート」の「B.第2実施態様」の「2.充填層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
充填層に応力集中部が形成されている場合、上記形成方法は、上記塗膜を乾燥すること等により充填層形成用層を形成し、次いで、上記応力発光層への応力集中部の形成方法と同様の方法により応力集中部を形成する方法とすることができる。また、充填層への応力集中部の形成は、応力発光層への応力集中部の形成と同時に行うものであってもよい。
なお、充填層についてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(3)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(6)隠ぺい層
本発明の応力発光シートは、上記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成され、上記応力発光層の存在を隠ぺいする隠ぺい層を含むことができる。応力発光層を覆うように形成される隠ぺい層を有することにより、パターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となる等、応力発光シートを偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
既に説明した図28および図29は、応力発光シート20が、基材2、層間接着剤層5、蒸着層4、応力発光層1および隠ぺい層6を有し、応力発光シート20が応力発光層1の一方の表面側に形成された隠ぺい層6を有する例を示すものである。
上記隠ぺい層の平面視上の形成箇所および上記隠ぺい層の応力発光層に対する厚み方向の形成位置は、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(4)隠ぺい層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、既に説明した図28は、隠ぺい層6が、応力発光層1の一方の表面側のみに形成され、かつ、応力発光層1と接するように形成される例を示すものである。また、図28は、隠ぺい層6の平面視上の形成箇所が応力発光層1が形成されている箇所の全てを含む場合の例を示すものである。
なお、隠ぺい層についてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(4)隠ぺい層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(7)その他
上記その他の構成は、応力発光シートに一般的に用いられるものを含むことができる。上記その他の構成としては、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(5)その他」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.応力発光シートの製造方法
本発明の応力発光シートの製造方法としては、上記各構成を含む応力発光シートを精度良く製造できる方法であれば特に限定されるものではない。
上記製造方法としては、例えば、基材、応力発光層をこの順で積層する方法を挙げることができる。
また、上記製造方法は、基材および応力発光層がこの順で積層した積層体を形成した後、この積層体から基材を剥離して、応力発光層のみを含む応力発光シートを得る方法であってもよい。
また、上記製造方法としては、第1の基材および応力発光層形成用層が積層した応力発光層形成用積層体を準備し、応力発光層形成用積層体の応力発光層形成用層に対して応力集中部を形成することで応力発光層を形成し、次いで、応力発光層の応力集中部が形成された表面上に接着剤を塗布することで、第1の基材、応力発光層および層間接着剤層がこの順で積層した応力発光層積層体を形成し、次いで、第2の基材と、上記応力発光層積層体と、を第2の基材および層間接着剤層が対向するように配置し、両積層体同士を接触させることで、第1の基材、応力発光層、層間接着剤層および第2の基材がこの順で積層した応力発光シートを得る方法を挙げることができる。
さらに、上記製造方法は、第1の基材、応力発光層、層間接着剤層および第2の基材がこの順で積層した積層体を形成した後、この積層体から第1の基材を剥離することにより、第2の基材、層間接着剤層および応力発光層がこの順で積層した応力発光シートを得る方法であってもよい。
4.用途
本発明の応力発光シートの用途としては、偽造防止用途に用いられるものとすることができ、クレジットカード、キャッシュカード等のカード等を挙げることができる。
また、応力発光シートを他の被着体に接着可能な接着層を有するものとし、被着体に貼付可能な応力発光シートラベル等として用いられるものであってもよい。
さらに、応力発光シートとして、ヒートシール層を有するものとし、被着体に転写可能な応力発光シート転写箔等として用いられるものであってもよい。
具体的には、本発明のホログラムシートをホログラムシート転写箔として用い、これを被着体に転写して偽造防止媒体を形成した場合、図35に例示するように、偽造防止媒体100としては、被着体101およびヒートシール層が被着体101と対向するように配置されたホログラムシート10を有するものを挙げることができる。
上記ヒートシール層の構成材料および被着体としては、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「4.用途」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、図35は、上記偽造防止媒体が紙幣として用いられる例を示す概略平面図であり、図35(b)は、図35(a)のM−M線断面図である。図35では、ホログラムシート10は、基材2、応力発光層1およびヒートシール層7をこの順で積層した構造を有し、ヒートシール層7を介して被着体101に転写したものである。したがって、図35では、ホログラムシート10は、そこに含まれる基材2および応力発光層1のうち、応力発光層1が被着体101側に配置され、基材2が偽造防止媒体100の表面側に配置されるものである。このように、ホログラムシートして、基材、応力発光層およびヒートシール層がこの順で積層した構造を有するものを使用した場合には、通常、基材よりも応力発光層が被着体側に配置されるものである。また、図35では、応力発光層1に形成されたライン状の応力集中部12が数字「123」を表わすように平面視上パターン状に形成され、上記偽造防止媒体100が、数字「500」を表わす印刷層104を有する例を示すものである。さらに図35(a)では説明の容易のため、基材の記載を省略するものである。
応力発光シートのより具体的な用途としては、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「4.用途」の項に記載の内容と同様とすることができる。
III.偽造防止用紙
次に、本発明の偽造防止用紙について説明する。
本発明の偽造防止用紙は、紙層と、上記紙層内に漉き込まれて埋設された帯状のスレッド基材と、を有し、上記紙層の少なくとも一方の表面には、上記スレッド基材の一部が平面視上露出する開口部が形成され、上記スレッド基材は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有することを特徴とするものである。
このような本発明の偽造防止用紙について図面を参照して説明する。
図36は、本発明の偽造防止用紙の一例を示す概略平面図である。図37は、図36のN−N線断面図であり、図38は、図36のO−O線断面図である。
図36〜図38に示すように、本発明の偽造防止用紙40は、紙層31と、上記紙層31内に漉き込まれて埋設された帯状のスレッド基材32と、を有し、上記紙層31の一方の表面には、上記スレッド基材32が平面視上露出する開口部33が形成され、上記スレッド基材32は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層1を有するものである。
なお、この例において、スレッド基材32は、基材2および上記基材2上に形成された応力発光層1を有するものであり、基材2側が紙層31の開口部33から露出するように紙層31内に埋設されるものである。
また、この図では、スレッド基材32は、偽造防止用紙40内において、基材2および応力発光層1のうち基材2が露出するように配置される例を示すもの、すなわち、基材2よりも応力発光層1が紙層31側に配置され、基材2が偽造防止用紙40の表面側に配置される例を示すものである。
本発明によれば、上記スレッド基材が応力発光層を有することにより、偽造防止用紙に応力を加えた際にスレッド基材を発光可能なものとすることができる。このため、暗所でも応力発光層からの発光を用いて真贋判断を行うことができる。
また、上記紙層の少なくとも一方の表面には、上記スレッド基材の一部が平面視上露出する開口部が形成され、スレッド基材が上記開口部のパターン状に露出していることにより、偽造防止用紙に応力を加えた際に、スレッド基材が埋設された領域を上記開口部が形成されたパターン状に発光可能なものとすることができる。
また、上記スレッド基材の一部が平面視上露出する開口部をスレッド基材が埋設されている領域に沿って形成した場合には、スレッド基材が埋設されている領域の一方の端部から他方の端部に向かって帯方向に応力を加えることにより、帯方向にパターン状の発光を順次生じさせることで、発光パターンの軌跡を観察することによる真贋判断等を行うことも可能となる。
したがって、暗所でも真贋判断が容易であり、偽造防止効果に優れた偽造防止用紙とすることができる。
さらに、スレッド基材が紙層内に漉き込まれて埋設されていることにより、上記スレッド基材の一部が平面視上露出する開口部の形成を容易なものとすることができる。
例えば、帯状のスレッド基材を準備し、凸部を有する原版をスレッド基材に押し当て、スレッド基材に原版を押し当てた状態で紙層内に漉き込むことで、原版の凸部が押し当てられた箇所に開口部が形成された紙層を有する偽造防止用紙を容易に得ることができる。また、原版の凸部の形状を変更することのみで、所望のパターン形状の開口部を容易に形成することができる。つまり、スレッド基材が埋設されている領域が所望のパターンで発光可能な偽造防止用紙を容易に形成することができるのである。
以上のことから、暗所でも真贋判断が容易であり、偽造防止効果に優れた偽造防止用紙を容易に形成することができる。
本発明の偽造防止用紙は、紙層およびスレッド基材を有するものである。
以下、本発明の偽造防止用紙における各構成について説明する。
1.スレッド基材
本発明におけるスレッド基材は、上記紙層内に漉き込まれて埋設された帯状のものである。
上記スレッド基材は、応力発光層を有するものである。
ここで、上記紙層内に漉き込まれて埋設されるとは、紙層を形成可能な紙料を用いて紙層を形成する際に、スレッド基材を上記紙料内に配置した状態で紙層が形成される結果、紙層内にスレッド基材が埋設されることをいうものである。
(1)応力発光層
本発明における応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(a)応力発光層の構成材料
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(i)応力発光粒子
上記応力発光粒子を構成する応力発光材料の種類は、1種類のみを用いるものに限定されず、2種類以上を用いるものであってもよい。
本発明においては、なかでも、上記応力発光材料の種類が2種類以上であることが好ましい。応力発光層を発光色の異なる領域を有するものとすることが可能となる。例えば、図39に示されるスレッド基材32の応力発光層1を、xで示される領域が第1の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第1の発光色の領域であり、yで示される領域が第2の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第2の発光色の領域とすることができる。このようなことから、偽造防止用紙を偽造防止効果に優れたものとすることができる。
また、上記応力発光層が同一のスレッド基材に2層以上積層される場合、各応力発光層に含まれる応力発光粒子の種類は同一であってもよく、異なるものであってもよい。
なお、図39中の符号については、図38のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、本発明においては、応力発光材料を2種類以上用いる場合に、各応力発光材料からなる応力発光粒子を混合して用いるもの、例えば、第1の応力発光粒子からの発光色と第2の応力発光粒子からの発光色とが混合された、1色の発光色の応力発光層とするものであってもよい。
上記応力発光粒子の平均一次粒径は、所望の発光強度の応力発光層を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜50μmの範囲内とすることができ、なかでも、5.0μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。上記粒径であることにより発光強度に優れた応力発光層とすることができるからである。
上記応力発光粒子は、耐水性向上のための耐水性材料を用いて形成された耐水性被膜によって被覆されていることが好ましい。スレッド基材を紙層に漉き込む際における水処理等によって応力発光粒子の発光性能の低下、具体的には、水による応力発光材料の結晶構造の崩壊や、発光性の喪失を防ぐことができるからである。また、偽造防止用紙の耐水性および耐候性等の向上を図ることができるからである。
なお、耐水性の評価方法として、例えば、JIS K 6404−9:1999における、所定の調整をした偽造防止用紙またはスレッド基材を用いて、指定温度の温水を用いて、水浸試験を行う方法を用いることができる。なお、上記のJIS規格においては、水浸試験を4時間実施することとなっているが、本試験においては、スレッド基材または偽造防止用紙に含まれる応力発光層からの発光の発光強度が半減するまで、水浸試験を続け、その試験時間(水に浸す時間)を、応力発光粒子の発光強度が半減する時間と設定することで評価する方法を用いることができる。
上記応力発光粒子の含有量としては、所望の発光強度の応力発光層を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、応力発光層を印刷法を用いて形成する場合には、印刷方法によっても異なるものである。上記含有量は、例えば、応力発光層中に1質量%〜50質量%の範囲内とすることができる。
上記応力発光粒子の含有量の種類が、1種類であること、すなわち、応力発光粒子の含有量が応力発光層内で均一であってもよいが、2種類以上であること、すなわち、上記応力発光層が上記応力発光粒子の含有量の異なる部位を有することが好ましい。応力発光層を発光強度の異なる領域を有するものとすることで、偽造防止用紙を偽造防止効果に優れたものとすることができるからである。
より具体的には、既に説明した図39における応力発光層1を、xで示される領域とyで示される領域とで応力発光粒子の含有量が異なるものとすることができる。
なお、スレッド基材に含まれる応力発光層に含有される応力発光粒子についてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(a)応力発光粒子」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(ii)バインダ樹脂
上記バインダ樹脂としては、上記応力発光粒子を安定的に分散および固定でき、応力発光粒子から発光した光を透過可能なものであれば特に限定されるものではない。
このようなバインダ樹脂については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(b)バインダ樹脂」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(iii)その他
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を有するものであるが、必要に応じて他の材料を含有するものであってもよい。
このような他の材料については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(c)その他」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、上記他の材料としては、光安定剤、酸化安定剤、香料、紫外線吸収剤等の添加剤を挙げることができる。
(b)レリーフホログラム
本発明における応力発光層は、応力が加えられた際に発光する機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、他の機能を有するものであってもよい。
例えば、上記応力発光層は、応力発光層にレリーフホログラムが記録されているものであり、表面に凹凸のレリーフを有するものとすることができる。応力発光層からの発光および応力発光層に記録されたレリーフホログラムによる偽造防止を図ることができ、さらに、上記応力発光層からの発光によって応力発光層に記録されたホログラム像を再生可能なものとすることもできる。
また、応力発光層の表面にレリーフホログラムが記録されていることにより、応力発光層の発光を直接凹凸のレリーフに到達させることができ、レリーフホログラムをより高精細に再生することができる。
このため、偽造防止用紙を偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
図40および図41は、本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略断面図であり、レリーフホログラムが記録された応力発光層を有する例を示すものである。
なお、図40および図41中の符号については、図39のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記凹凸のレリーフの深さおよびピッチについては、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(2)レリーフホログラム」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、凹凸のレリーフの深さは、具体的には、図40中のgで示されるものであり、上記凹凸のレリーフのピッチは、具体的には、図40中のhで示されるものである。
上記応力発光層のレリーフホログラムの記録面および上記レリーフホログラムの上記応力発光層内の記録箇所については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(2)レリーフホログラム」の項に記載の内容と同様とすることができる。
既に説明した図40および図41では、応力発光層1の基材2が形成されている面と反対側の表面に凹凸のレリーフ11が形成されるものであり、図40では、レリーフホログラムの記録箇所が応力発光層1の全面であり、図41では、レリーフホログラムの記録箇所が応力発光層1の一部の領域である例を示すものである。
上記応力発光層に記録されるレリーフホログラムの種類は、1種類のみ、すなわち、応力発光層に記録されたレリーフホログラムが1つの像を示すものであってもよいが、2種類以上含まれるもの、すなわち、応力発光層に記録されたレリーフホログラムが2以上の像を示すものであってもよい。
例えば、既に説明した図40においてxで示される領域とyで示される領域とにそれぞれ異なる種類のレリーフホログラムが記録されるものとすることができる。
なお、応力発光層に記録されるレリーフホログラムについてのその他の事項については、上記「II.応力発光シート」の「1.応力発光層」の「(3)レリーフホログラム」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(c)その他
上記応力発光層は、パターン状に形成されていないもの、すなわち、応力発光層が基材上に形成される場合、応力発光層が基材の全面を覆うように形成されるものであってもよいが、パターン状に形成されることが好ましい。上記応力発光層がパターン状に形成されていることにより、偽造防止用紙に応力を加えた際に、応力発光層を平面視上パターン状に発光可能なものとすることができる。例えば、紙層に形成された開口部から露出するスレッド基材をその開口部内でパターン状に発光可能なものとすることができる。また、スレッド基材の開口部から露出する領域以外の領域において応力発光層がパターン状に形成されたものとすることで、紙層を透過する光をパターン状とすることができる。このため、上記応力発光層がパターン状に形成されていることで、偽造防止用紙を偽造防止効果に優れたものとすることができるからである。
図42は本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略平面図であり、図43は図42のP−P線断面図である。また、図44は本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略平面図であり、図45は図44のQ−Q線断面図である。
既に説明した図38は、応力発光層1が基材2の全面に形成される例を示すものであり、図42〜図45は、応力発光層1がパターン状に形成される例を示すものである。また、図42および図43では、応力発光層1がパターン状に形成されている領域以外には、応力発光層1と同一平面上に他の層が形成されていない例を示すものであり、図44および図45では、応力発光層1がパターン状に形成されている領域以外に、応力発光層1と同一平面上に他の層が形成されている例を示すものである。
なお、図42〜図45中の符号については、図38のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記応力発光層がパターン状に形成される場合、応力発光層の平面視形状としては、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(3)その他」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
既に説明した図42および図43は、応力発光層1の平面視形状がライン状である場合の例を示すものであり、図44および図45は、応力発光層1の平面視形状がドット状である場合の例を示すものである。
上記応力発光層がパターン状に形成される場合、応力発光層の幅としては、所望のパターン形状に発光可能なものであれば特に限定されるものではなく、本発明の偽造防止用紙の種類および用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記応力発光層は、応力発光粒子が発する所定の波長の光に対して透明性があればよい。
上記応力発光層の全光線透過率は、20%以上であることが好ましく、60%以上であることが好ましく、特に、90%以上であることが好ましい。応力発光層を発光強度に優れたものとすることが容易だからである。
ここで、上記応力発光層の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
上記応力発光層の形成数としては、1つのスレッド基材に1層以上であればよいが、2層以上であること、すなわち、本発明におけるスレッド基材が2層以上積層された応力発光層を有するものであってもよい。
図46は、本発明におけるスレッド基材の概略断面図であり、スレッド基材32が、基材2と基材2の表面に形成された2層の応力発光層1と、を有する例を示すものである。応力発光層の形成数が2層以上であることで、例えば図46のように基材を介して両面に応力発光層が形成されるものとした場合には、偽造防止用紙の一方の表面側と他方の表面側とで異なる発光色に発光するもの等とすることができ、偽造防止効果に優れたものとすることができるからである。
なお、既に説明した図39および図43のように、同一平面上に形成された複数の応力発光層は、1層の応力発光層とみなすものである。
また、図46中の符号については、図38のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記応力発光層の形成方法としては、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものとすることができる方法であれば特に限定されるものではない。
上記形成方法としては、例えば、応力発光層の構成材料である応力発光粒子およびバインダ樹脂等を溶媒に分散または溶解することで応力発光インキを形成し、この応力発光インキを塗布し、その応力発光インキの塗膜から溶媒を乾燥により除去することにより応力発光層を形成する方法を挙げることができる。
また、上記応力発光層にレリーフホログラムが記録される場合および上記応力発光層がパターン状に形成される場合の形成方法としては、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(4)その他」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、スレッド基材に形成される応力発光層についてのその他の事項については、上記「II.応力発光シート」の「1.応力発光層」の「(3)その他」の項に記載の内容と同様とすることができる。
(2)その他の構成
本発明におけるスレッド基材は、上記応力発光層を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであってもよい。
(a)基材
本発明におけるスレッド基材は、応力発光層を支持する基材を含むことができる。上記基材を有することにより、上記応力発光層等を形成容易なものとすることができるからである。
なお、既に説明した図36〜図46は、スレッド基材32が基材2を有する例を示すものである。
上記基材は、応力発光粒子が発する所定の波長の光に対して透明性を有する透明性基材であっても、所定の波長の光に対して遮光性を有する遮光性基材であってもよいが、発光強度に優れたスレッド基材とする観点および偽造防止用紙の両面で応力発光層からの光やホログラム像を認識可能とすることができるとの観点からは、透明性基材であることが好ましい。
上記透明性基材の透明性としては、「(1)応力発光層」の項に記載の応力発光層の透明性と同様とすることができる。
また、上記応力発光層からの発光を基材側から観察する際に、可視光の波長領域の全域において発光強度に優れたものとする観点からは、上記透明性基材の全光線透過率は、20%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
また、遮光性基材である場合には、スレッド基材の応力発光層が形成された側、またはスレッド基材の端部、すなわち偽造防止用紙の端部からのみ応力発光層の発光を観察可能なものとすることができ、偽造防止用紙を偽造防止効果に優れたものとすることができる。
上記基材の構成材料は、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、スレッド基材を製造する際の加工に耐える耐溶剤性および耐熱性を有するもの、さらには、応力発光層との接着性が良好なものが好ましい。
上記基材の構成材料は、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、トリアセチルセルロース(TAC)等を挙げることができる。
上記基材の厚みは、本発明の偽造防止用紙の用途や種類等に応じて適宜選択されるものであるが、1.0μm〜50μmの範囲内とすることができ、なかでも1.0μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。偽造防止用紙を可撓性を有するものとすることが容易だからである。
なお、スレッド基材に用いられる基材についてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(1)基材」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(b)ホログラム層
本発明におけるスレッド基材は、ホログラムが記録されたホログラム層を含むことができる。応力発光層からの発光およびホログラム層に記録されたレリーフホログラムによる偽造防止を図ることができる。また、上記応力発光層からの発光によってホログラム層に記録されたホログラム像を再生可能なものとすることもできる。このため、偽造防止用紙を偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
図47は、本発明におけるスレッド基材を示すものであり、基材2、応力発光層1およびホログラム層9がこの順で積層したスレッド基材32の例を示すものである。
本発明におけるホログラム層は、ホログラムが記録されたものである。
このようなホログラム層としては、本発明の偽造防止用紙の種類および用途等に応じて適宜選択することができ、例えば、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層またはレリーフホログラムが記録されたレリーフホログラム層を用いることができる。
上記ホログラム層は、可視光を透過可能なものとすることができる。
上記ホログラム層の全光線透過率は、20%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
なお、ホログラム層についてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「B.第2実施態様」の「3.ホログラム層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(c)蒸着層
本発明におけるスレッド基材は、レリーフホログラムが記録された応力発光層または上記ホログラム層の凹凸のレリーフの形成面に接するように形成される蒸着層等を含むことができる。蒸着層を有することにより、応力発光層等に形成された凹凸のレリーフの形成面が空気と接しないように用いられる場合であっても、応力発光層等との間に屈折率差を容易に設けることができ、ホログラム像の再生をより容易に行うことができるからである。
図48は、本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略断面図であり、基材2、応力発光層1、ホログラム層9および蒸着層4がこの順で積層する例を示すものである。また、図48では、ホログラム層9がレリーフホログラム層であり、ホログラム層9の応力発光層1が形成された面とは反対側の表面に凹凸のレリーフ11が形成され、レリーフの凹凸に沿って蒸着層4が形成されるものである。
なお、蒸着層についてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(2)蒸着層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(d)充填層
本発明におけるスレッド基材は、応力発光層がパターン状に形成されている場合に、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を含むことができる。パターン状に形成されている応力発光層の存在を隠ぺいすることができ、偽造防止用紙を偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。また、応力発光層に記録されるホログラム像、応力発光層からのパターン状の発光、応力発光層および充填層により表わされる絵柄等を組み合わせることにより、意匠性に優れたものとすることができるからである。
既に説明した図44および図45は、応力発光層1がパターン状に形成され、スレッド基材32が応力発光層1と同一平面上に形成された充填層3を有する例を示すものである。
上記充填層の平面視上の形成箇所は、応力発光層が形成されていない箇所であれば特に限定されるものではなく、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(3)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
図49は、本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略平面図である。図50は、図49のR−R線断面図である。
既に説明した図44および図45は、充填層の形成箇所が、応力発光層が形成されていない箇所の一部を含む例を示すものである。また、図49および図50は、応力発光層および充填層が直接接するように形成されるものであり、充填層の平面視上の形成箇所が、応力発光層が形成されていない箇所の全てを含む例を示すものである。
上記充填層は、表面にレリーフホログラムが記録されているものであってもよい。偽造防止用紙を偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
なお、既に説明した図49および図50は、充填層および応力発光層の両層にレリーフホログラムが記録されている例を示すものである。
なお、スレッド基材に形成される充填層についてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(3)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(e)隠ぺい層
本発明におけるスレッド基材は、上記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成され、上記応力発光層の存在を隠ぺいする隠ぺい層を含むことができる。応力発光層を覆うように形成される隠ぺい層を有することにより、パターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となる等、偽造防止効果により優れたものとすることができるからである。
図51は、本発明におけるスレッド基材の他の例を示す概略断面図である。
図51は、スレッド基材32が応力発光層1の一方の表面側に形成された隠ぺい層6を有する例を示すものである。
また、図51は、スレッド基材32が、基材2、応力発光層1、蒸着層4、層間接着剤層5および隠ぺい層6と、応力発光層1と同一平面上に形成された充填層3とを有するものであり、応力発光層1がパターン状に形成され、さらにレリーフホログラムが記録された例を示すものである。
上記隠ぺい層の平面視上の形成箇所および上記隠ぺい層の応力発光層に対する厚み方向の形成位置は、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(4)隠ぺい層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、既に説明した図51は、隠ぺい層が、応力発光層の一方の表面側のみに形成され、かつ、応力発光層および充填層と層間接着剤層等の他の層を介して形成される例を示すものである。また、図51は、隠ぺい層の平面視上の形成箇所が応力発光層が形成されている箇所および充填層が形成されている箇所の全てを含む場合の例を示すものである。
なお、隠ぺい層についてのその他の事項については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(4)隠ぺい層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(f)その他
本発明におけるスレッド基材は、さらに、偽造防止用紙に一般的に用いられるものを含むことができる。また、スレッド基材が含むことができるその他の構成については、2種類以上を兼ねるものであってもよい。このようなスレッド基材が含むことができるその他の構成については、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「2.その他の構成」の「(5)その他」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、上記スレッド基材は、例えば、応力発光層以外からの発光により励起可能な蛍光材料を含む蛍光層等を含むことができる。
また、上記スレッド基材が被覆充填層を保護層として用いた場合、耐擦過性に優れ、偽造防止用紙製造のためスレッド基材を紙層内に漉き込む場合に応力発光層に傷が付き難いものとすることができる。また、充填層と一体で形成されたものであることにより、被覆充填層は、形成容易なものとなる。
(3)スレッド基材
本発明におけるスレッド基材は、帯状のものである。
ここで、帯状であるとは、紙層内に平面視上直線状に配置されることをいうものである。
スレッド基材の幅は、本発明の印刷層の種類および用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、1mm〜10mmの範囲内とすることができる。
なお、偽造防止用紙の幅とは、偽造防止用紙のスレッド基材の幅方向の長さをいうものである。
上記スレッド基材の厚みは、紙層内に埋設可能なものであればよく、本発明の偽造防止用紙の種類および用途等に応じて適宜設定されるものである。
具体的には、1μm〜250μmの範囲内とすることができる。
上記スレッド基材の剛性の偽造防止用紙の剛性に対する割合(スレッド基材の剛性/偽造防止用紙の剛性)は、1/10〜50/10の範囲内とすることができる。
なお、上記割合は、比較的薄い紙に適用される剛性の指標であるクラークこわさ(クラーク剛度(JIS P 8143))の値を、スレッド基材単体値と、スレッド基材を含まない偽造防止用紙の値とで、比較するものである。
したがって、上記割合が1/10〜50/10の範囲内であるとは、偽造防止用紙のスレッド基材が埋設されていない部分の剛性に対する、スレッド基材が埋設されている部分の剛性が1.1倍〜6.0倍の範囲内にあることをいうものである。
なお、剛性の指標として、他の指標、例えば、JIS−P8125(テーバー法)等を採用することも可能である。
上記範囲内であることにより、スレッド基材および紙層の材料選択の自由度に優れ、スレッド基材を漉き込む際に、数百m〜千m長さのリボン等として巻き上げる処理等を容易に行うことができるからである。また、偽造防止用紙へのミシン目加工やスリッター加工等の、種々の加工適性や、種々のプリンターに対する印字適正に優れたものとすることができるからである。
上記スレッド基材の配置箇所としては、紙層内に埋設されるものであれば特に限定されるものではないが、通常、紙層の一方の端部から他方の端部まで形成されるものである。
上記スレッド基材の配置数としては、紙層内に1本以上であれば特に限定されるものではなく、2本以上であってもよい。
既に説明した図36は、スレッド基材が、紙層の一方の端部から他方の端部まで形成され、その配置数が1本である場合の例を示すものである。
上記スレッド基材の上記開口部から露出する面は、スレッド基材のいずれの面であってもよいが、スレッド基材が、上記基材を有する場合には、基材が形成された面であることが好ましい。基材により応力発光層が保護されるため、損傷が少ない偽造防止用紙とすることができるからである。
なお、既に説明した図36〜図38は、スレッド基材32の基材2が形成された面が紙層31の開口部33から露出する例を示すものである。
上記スレッド基材の製造方法としては、上記各構成を含むスレッド基材を精度良く製造できる方法であれば特に限定されるものではない。
上記製造方法としては、例えば、基材上に応力発光層等を順次積層する方法を挙げることができる。
また、上記製造方法は、基材および応力発光層がこの順で積層した積層体を形成した後、この積層体から基材を剥離して、応力発光層のみを含むスレッド基材を得る方法であってもよい。
上記製造方法は、大面積のスレッド基材用基板を形成し、次いで、スレッド基材用基板から所定の幅のスレッド基材を切り出す切り出し工程を有するものであってもよい。
2.紙層
本発明における紙層は、スレッド基材が埋設されるものである。
また、上記紙層の少なくとも一方の表面には、上記スレッド基材の一部が露出する開口部が形成されるものである。
(1)開口部
本発明における開口部は、上記紙層の少なくとも一方の表面に形成されるものであり、上記スレッド基材の一部が露出するものである。
ここで、スレッド基材の一部が露出するとは、上記スレッド基材の一部は上記紙層により覆われていることをいうものであり、上記紙層の一方の表面に形成された開口部により、スレッド基材の全表面が露出するものは含まないことをいうものである。
上記開口部は、紙層の少なくとも一方の表面に形成されるものであればよく、紙層の両方の表面に形成されるものであってもよい。
なお、既に説明した図36〜図38は、上記開口部が紙層の一方の表面にのみ形成される例を示すものである。
また、図52および図53は、上記開口部が紙層の両方の表面に形成される例を示すものである。
なお、図52および図53中の符号については、図36のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記開口部の平面視形状、すなわち、紙層の開口部から露出しているスレッド基材の平面視形状としては、本発明の偽造防止用紙の種類および用途等に応じて適宜設定できるものであり、例えば、正方形状、長方形状等の矩形状とすることができる。
上記開口部の平面視形状の種類は、1種類であってもよく、2種類以上含むものであってもよい。
また、開口部が紙層の両方の表面に形成される場合、紙層の一方の表面に形成された開口部の平面視形状と、他方の表面に形成された開口部の平面視形状とは、同一であってもよく、異なるものであってもよい。
既に説明した図36は、上記開口部の平面視形状が正方形状の1種類である場合の例を示すものである。
図54は、本発明の偽造防止用紙の他の例を示す概略平面図であり、図55は図54のS−S線断面図であり、図56は図54のT−T線断面図である。図54〜図56は、開口部33の平面視形状が2種類の長方形である場合の例を示すものである。
なお、図54〜図56中の符号については、図36のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記開口部のスレッド基材に対する形成箇所は、スレッド基材の一部が平面視上露出するものであれば特に限定されるものではない。
上記形成箇所は、上記スレッド基材と平面視上重なる箇所のみを含むものであってもよく、上記スレッド基材に隣接する領域を含むものであってもよい。
なお、既に説明した図36〜図38は、上記開口部のスレッド基材に対する形成箇所が、上記スレッド基材と平面視上重なる箇所のみを含むものであり、上記開口部の幅が上記スレッド基材の幅と同一である場合を示すものである。
また、既に説明した図54〜図56は、上記開口部のスレッド基材に対する形成箇所が、上記スレッド基材に隣接する領域を含むものである。
上記開口部の平面視上の形成箇所は、上記スレッド基材が露出するように形成されるものであれば特に限定されるものではない。上記開口部の平面視上の形成箇所は、例えば、開口部が紙層の両方の表面に形成される場合、紙層の一方の表面に形成された開口部の平面視上の形成箇所と、他方の表面に形成された開口部の平面視上の形成箇所とは、同一であってもよく、異なるものであってもよい。
なお、既に説明した図52は、両方の面に形成された開口部の形成箇所が同一である例、より具体的には、スレッド基材の長手方向の開口部の形成箇所が同一である例を示すものであり、図53は、両方の面に形成された開口部の形成箇所が異なる例、より具体的には、スレッド基材の長手方向の開口部の形成箇所が異なる例を示すものである。
(2)紙層
紙層を構成する材料は、スレッド基材を漉き込むことができるものであればよく、繊維材料を含むものである。
上記繊維材料としては、植物繊維を挙げることができる。また、上記繊維材料は、合成繊維、金属繊維等であってもよい。
上記植物繊維としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファィトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP) 等の木材パルプや麻、綿、藁を原料とした非木材パルプを挙げることができる。
上記繊維材料の形状については、所望の材質の紙層を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、太さに対する長さの比が大きいものを用いることができ、例えば、太さ:長さが、1:50〜1:2000程度のものを用いることができる。
また、上記繊維材料のサイズとしては、所望の材質の紙層を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の場合には、太さが30μm〜50μm程度であり、長さが1.0mm〜6.0mm程度のものを用いることができる。
上記紙層は、上記繊維材料を含むものであるが、必要に応じて、填料、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、定着剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、消泡剤、染料、着色顔料、蛍光剤等を含むものであってもよい。
上記紙層の厚みは、本発明の偽造防止用紙の種類および用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記紙層の厚みは、例えば、50μm〜300μmの範囲内とすることができる。
なお、上記紙層の厚みは、具体的には、図37中のaで示されるものである。
3.偽造防止用紙
本発明の偽造防止用紙は、紙層およびスレッド基材を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであってもよい。
このような他の構成としては、例えば、紙層の表面上に形成される印刷層、印字層、保護層、ホログラム層、箔層等を挙げることができる。
なお、このような印刷層等については、偽造防止用紙等に一般的に用いられるものと同様とすることができる。
また、既に説明した図36は、偽造防止用紙40が印刷層34を有する例を示すものである。
本発明の偽造防止用紙の製造方法は、紙層の少なくとも一方の表面に、上記スレッド基材の一部が平面視上露出する開口部が形成されるように、スレッド基材が紙層内に漉き込まれて埋設された偽造防止用紙を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。上記製造方法は、例えば、上記開口部のパターン状に形成された凸部を有する原版を準備し、スレッド基材に原版の凸部を押し当てた状態で、紙層の構成材料をスラリー状に調製した紙料を供給する方法を挙げることができる。より具体的には、上記製造方法は、抄紙機のすき網部上に凸部を設け、この凸部の上にスレッドを載せた状態で紙料を供給する方法を挙げることができる。このようにすれば、凸部のない位置ではスレッド基材が紙料で挟まれるので上記スレッド基材を覆う紙層(被覆部)が形成され、凸部の位置では紙料が供給されないので、スレッド基材が露出する開口部が形成された紙層が形成される。
漉き込み工程において、紙料およびスレッド基材の供給に用いる抄紙機としては、公知の抄紙機を用いることができ、例えば、長網抄紙機や円網抄紙機等を挙げることができる。
また、上記製造方法は、必要に応じて紙料中の水分を除去する乾燥工程、マシンカレンダー、スーパーカレンダー処理を行うカレンダー工程等を有するものであってもよい。
本発明の偽造防止用紙の用途としては、偽造防止用途に用いられるものとすることができる。
このような用途およびより具体的な用途としては、上記「I.ホログラムシート」の「A.第1実施態様」の「4.用途」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記偽造防止用紙の用途としては、偽造防止分野に使用される「用紙」であって、具体的には、証券等の偽造されて使用されると、証券の保持者や発行会社等に損害を与え得るもの、運転免許証、社員証、会員証等の身分証明書、入学試験用の受験票、パスポート等、紙幣、商品券、ポイントカード、株券、抽選券、馬券、預金通帳、乗車券、通行券、航空券、種々の催事の入場券、遊戯券、交通機関用の金券等が挙げられる。
図57(a)は、本発明の偽造防止用紙が紙幣として用いられる例を示す概略平面図であり、図57(b)は、図57(a)のU−U線断面図である。
なお、図57中の符号については、既に説明した図36〜図38のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
1.スレッド基材の作製
透明基材として準備した透明な厚さ16μmの東レ製ルミラーの片面に、グラビア印刷機にて応力発光インキを星柄の絵柄に10μmの厚さで印刷した。
その後、応力発光インキの絵柄をポジとしたときにネガとなるような絵柄を大日精化製KR−V02ハーフマット(NT)で印刷することにより、充填層を形成した。応力発光インキとKR−V02ハーフマット(NT)は同系色である。
その上からさらに、大日精化製ラミックSR701R白で全面に印刷し、白色の隠ぺい層を形成した。これを4mmの巾でスリットすることにより、基材と、基材上に形成された応力発光層および充填層と、応力発光層および充填層を覆うように形成された隠ぺい層と、を有するスレッド基材を作製した。
2.抄紙
透明基材が開口部側になるように、抄紙機にて3列のスレッド基材を抄きこみ、厚さ約120μmの用紙を作製し、シート状に断裁した。
3.印刷
シート状の用紙表面に絵柄を印刷することで印刷層を形成した後、小切れに断裁し、偽造防止用紙を得た。
4.評価
偽造防止用紙を開口部が形成された側から目視により観察したところ、開口部内が単一色として観察され、星柄の絵柄は観察されなかった。
断栽した偽造防止用紙を湾曲させて目視により観察したところ、偽造防止用紙の紙層の開口部内に星柄の絵柄の発光が観察された。
1 … 応力発光層
2 … 基材
3 … 充填層
4 … 蒸着層
5 … 層間接着剤層
6 … 隠ぺい層
7 … ヒートシール層
8 … 被覆充填層
9 … ホログラム層
10 … ホログラムシート
11 … 凹凸のレリーフ
12、12a、12b … 応力集中部
13 … 被覆樹脂層
20 … 応力発光シート
31 … 紙層
32 … スレッド基材
33 … 開口部
40 … 偽造防止用紙

Claims (7)

  1. 応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有し、
    前記応力発光層にレリーフホログラムが記録されており、
    前記応力発光層がパターン状に形成されていることを特徴とするホログラムシート。
  2. 前記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を有することを特徴とする請求項1に記載のホログラムシート。
  3. 応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有し、
    前記応力発光層の表面および側面の少なくとも一方に、凹部および凸部の少なくとも一方を含む応力集中部が形成されており、
    前記応力発光層の前記応力集中部が形成されていない表面に、レリーフホログラムが記録されていることを特徴とする応力発光シート。
  4. 前記応力集中部を被覆する被覆樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の応力発光シート。
  5. 前記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成され、ホログラムが記録されたホログラム層を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の応力発光シート。
  6. 紙層と、
    前記紙層内に漉き込まれて埋設された帯状のスレッド基材と、
    を有し、
    前記紙層の少なくとも一方の表面には、前記スレッド基材の一部が平面視上露出する開口部が形成され、
    前記スレッド基材は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層を有し、
    前記応力発光層がパターン状に形成され、
    前記スレッド基材が、前記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を有し、
    前記応力発光層に、レリーフホログラムが記録されていることを特徴とする偽造防止用紙。
  7. 前記スレッド基材が、ホログラムが記録されたホログラム層を有することを特徴とする請求項6に記載の偽造防止用紙。
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