WO2015053326A1 - 応力発光シート及び応力発光積層体並びにその利用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、応力発光可能な単層のシート又はその積層体に関する。本発明の応力発光シート、又は、本発明の応力発光積層体中の応力発光層は、応力発光材料と共に、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子を含んでいるので、外力を応力発光材料に効果的に伝達することができる。また、本発明のスレッドは外力により自ら発光するので、例えば、手で力を加えることによってスレッドの発光を目視により簡易に確認することが可能である。したがって、本発明のスレッドを備える偽造防止用紙は真贋判定が容易である。
Description
本願は、2013年10月8日に日本国に出願された特願2013-211124に基づいて優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本発明は、応力発光機能を有するシート及び積層体、並びに、これらからなるスレッド、及び偽造防止用紙に関する。特に、本発明のスレッド及び偽造防止用紙は外力により発光することで、真贋の判定を容易且つ正確に行うことができる。
紙幣、商品券、株券、宝くじ、入場券等には、不正な偽造又は変造を防止するために多種多様の偽造防止対策が施されている。偽造防止対策の1つは、容易に偽造できない高度な製造技術を用いて紙幣、商品券等のベースとなる用紙を製造することである。その一例として、プラスチックフィルム等の基材を幅数mm程度のひも状に切断して得られるスレッドを用紙内に抄き込んだ「スレッド入り紙」と称される偽造防止用紙がある(例えば、特許文献1)。前記スレッドとしては、例えば、ホログラムパターンを有するもの、磁気的情報を記録したもの、特定の波長の光によって発色するもの、微小な文字を記載したもの、等の様々なスレッドが用途に応じて使用されている。
しかしながら、いったん偽造防止の技術を確立したとしても、新たな偽造の手段が次々と生み出されているのが現状であり、新たに出現する偽造手段に対抗すべく、新規の偽造防止技術が常に求められている。加えて、特別な器具を使わずとも簡易的に真贋を判定できる偽造防止技術が真贋判定を可能とする技術が必要とされている。例えば、商品券等を買い取る店において、持ち込まれた商品券を店員がその場で容易に真贋判定できるような技術が要求されている。
一方、機械的な外力によって発光する材料が知られている。これは応力発光と呼ばれ、主に弾性領域や塑性領域での変形により繰り返し発光する現象であり、破壊を伴わない微少な応力によって光が放出されるものである。応力発光を示す材料としては、ユーロピウムを発光中心として添加させたアルミン酸ストロンチウム(SrAl2O4:Eu)やマンガンを発光中心として添加させた硫化亜鉛(ZnS:Mn)等が知られている。
本発明は、偽造防止用の新たな技術を提供することをその課題とする。特に、本発明は、ブラックライト、磁気検出装置等の特別な器具を使わない簡易な真贋判定を可能とする複合材料及び当該複合材料からなるスレッド、及び偽造防止用紙を提供することを課題とする。
本発明の第一の態様は、
少なくとも1種の応力発光材料の微粒子、及び、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子
を含む、応力発光シートである。
少なくとも1種の応力発光材料の微粒子、及び、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子
を含む、応力発光シートである。
前記バインダー高分子はポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂であることが好ましい。
前記ポリウレタン樹脂はポリエステル系ポリウレタンであることが好ましい。
本発明の第二の態様は、
基材、並びに、
少なくとも1種の応力発光材料の微粒子、及び、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子
を含む応力発光層
を備える応力発光積層体である。
基材、並びに、
少なくとも1種の応力発光材料の微粒子、及び、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子
を含む応力発光層
を備える応力発光積層体である。
前記バインダー高分子はポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂であることが好ましい。
前記ポリウレタン樹脂はポリエステル系ポリウレタンであることが好ましい。
前記応力発光積層体は少なくとも1つの接着性層を更に備えることができる。
前記応力発光積層体の最外層が前記接着性層であることが好ましい。
前記基材に前記応力発光材料が含まれてもよい。
前記基材は、フィルム、不織布又は紙であることができる。
本発明の第三の態様は、前記応力発光シート、又は、前記応力発光積層体からなるスレッドである。
前記スレッドは真珠光沢を有することができる。
前記スレッドはマイクロ文字を有することができる。
本発明の第四の態様は、前記スレッドを少なくとも一部に有する偽造防止用紙である。
前記偽造防止用紙は前記スレッドが抄きこまれている紙からなることができる。
前記スレッドは間欠的に表面に露出していてもよい。
なお、本発明の側面は、少なくとも1種の応力発光材料の微粒子を含む応力発光シート又は応力発光層の鮮明な発光のための、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子
の前記応力発光シート又は応力発光層中での使用である。
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子
の前記応力発光シート又は応力発光層中での使用である。
本発明の第一の態様の応力発光シートは単一層からなるシートであり、特定の樹脂からなるバインダー高分子を含むので、応力発光材料に外力を効率的に伝達することができ、鮮やかな応力発光を実現することができる。
本発明の第二の態様の応力発光積層体は複数の層からなるシート状物であり、応力発光層が特定の樹脂からなるバインダー高分子を含むので、応力発光材料に外力を効率的に伝達することができ、鮮やかな応力発光を実現することができる。
また、表面に接着性層を更に形成しても、応力発光材料中のバインダー高分子が応力発光層から流出することがない。
上記応力発光シート及び応力発光積層体はその鮮やかな発光によって偽造防止用の新たな技術を提供することができる。上記応力発光シート及び応力発光積層体は外力を付加することによって稲妻のような輝度の高い発光が可能である。
本発明の第三の態様のスレッドは、上記応力発光シート又は応力発光積層体からなり、外力により自ら発光する応力発光機能を備えているので、ブラックライト、磁気検出装置等の特別な器具を使わない簡易な真贋判定を可能とし、また、高い偽造防止効果を提供することができる。
本発明の第四の態様の偽造防止用紙は、ブラックライト、磁気検出装置等の特別な器具を使わない簡易な真贋判定が可能であり、また、高い偽造防止効果を発揮することができる。
本発明のスレッド及び偽造防止用紙は以下の効果を奏するため、紙幣、商品券、パスポート、株券、身分証明書、カード、入場券、株券、小切手等の偽造防止対策として好ましく使用することができる。
(1)爪で引っ掻く、指で折り曲げる等によりスレッドに外力を付与することで生じる発光を目視で確認でき、容易な真贋判定が可能となる。
(2)真珠光沢を有する場合は、可視光下で見る角度により色相が連続して変化するカラーシフト効果を有しており、目視により更に容易に真贋判定を行うことができる。
(3)マイクロ文字を有する場合は、偽造を更に困難とすることができる。
(4)上記(1)~(3)を兼ね備える場合は、上記(1)~(3)の効果を同時に発揮することが可能であり、その効果の確認には特別な器具を要しないため、特に容易に真贋判定が可能である。
(1)爪で引っ掻く、指で折り曲げる等によりスレッドに外力を付与することで生じる発光を目視で確認でき、容易な真贋判定が可能となる。
(2)真珠光沢を有する場合は、可視光下で見る角度により色相が連続して変化するカラーシフト効果を有しており、目視により更に容易に真贋判定を行うことができる。
(3)マイクロ文字を有する場合は、偽造を更に困難とすることができる。
(4)上記(1)~(3)を兼ね備える場合は、上記(1)~(3)の効果を同時に発揮することが可能であり、その効果の確認には特別な器具を要しないため、特に容易に真贋判定が可能である。
本発明の第一の態様は、
少なくとも1種の応力発光材料の微粒子、及び、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子
を含む、応力発光シートである。本発明の応力発光シートは応力発光機能を有する。
少なくとも1種の応力発光材料の微粒子、及び、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子
を含む、応力発光シートである。本発明の応力発光シートは応力発光機能を有する。
用語「応力発光材料」は、外部から加えられた力によって発光する材料であり、「応力発光性材料」又は「応力発光性物質」と同義である。すなわち、応力発光材料は、外部から加えられた力を受けて材料自体が発光するという性質を有し、かつその力に比例して発光強度が変化する。
応力発光機能は、可逆的な発光であることが好ましい。いったん発光した場合でも、繰り返し使用することができ実用的であるからである。
応力発光機能を発現する前記応力発光材料は、無機蓄光材料と同様に、例えば、ユーロピウム添加アルミン酸ストロンチウム等の基本構造式を有するが、無機蓄光材料と異なる点は、Srへの格子欠陥の与え方等、構造を高度に制御した無機結晶骨格の中に発光中心となる元素を添加することにより発光強度の高い応力発光現象が発現されるというものである。応力発光材料としては、例えば、発光中心の元素としてユーロピウムを添加したアルミン酸ストロンチウム(SrAl2O4:Eu、緑色に発光)、発光中心としてマンガンを添加した硫化亜鉛(ZnS:Mn、黄緑色に発光)、特開2004-43656号公報に開示されているウルツ鉱型構造とせん亜鉛鉱型構造との共存構造を有する複合半導体結晶、特開2004-059746号公報に開示されているストロンチウム及びアルミニウム含有複合金属酸化物、特開2006-124725号公報に開示されているバリウムの複合酸化物等などが挙げられる。特に、10~200nm程度の粒子径である、いわゆるナノ粒子の形状であることが好ましい。また、可視光領域の中で特に人間の視感度が高い500~600nmの緑色領域で発光する前記アルミン酸ストロンチウムを用いると肉眼でも確認しやすいので好ましい。
本発明では、前記応力発光材料を単独で用いることもできるが、異なる2種類以上の応力発光材料を用いると、より偽造防止効果が高まるので好ましい。
本発明の応力発光シートは、少なくとも1種の応力発光材料の微粒子、並びに、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子を、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、ガソリン等の石油系溶剤等の有機溶剤に溶解・分散し、得られた塗料を、基板上に塗布し、その後、有機溶剤を乾燥等により除去し、得られたシートを当該基板から剥離する方法によって製造することができる。
前記塗料は公知の塗工技術を用いて塗布することができる。公知の塗工技術としては、例えば、ロッドコーター、バーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター、ゲートロールコーター等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の応力発光シートに含まれる応力発光材料の微粒子:バインダー高分子の配合重量比は特に限定されるものではないが、1:100~3:1が好ましく、1:50~3:1がより好ましく1:20~3:1が更により好ましく、1:2~3:1が更により好ましい。
本発明の応力発光シートは、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子を含むので、応力発光材料に外力を効率的に伝達することができ、鮮やかな応力発光を実現することができる。
バインダー高分子としては、ポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂が好ましく、熱可塑性ポリウレタン樹脂が好ましく、ポリエステル系ポリウレタンが特に好ましい。
ポリウレタン樹脂、特に熱可塑性ポリウレタン樹脂は、例えば、ジイソシアネート等のポリイソシアネートとジオール等のポリオールと必要により鎖伸長剤との反応により得ることができる。
ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロアルキルメタン-4,4’-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環族ジイソシアネート;フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート等が例示できる。ジイソシアネートとして、アルキル基(例えば、メチル基)が主鎖又は環に置換した化合物を使用してもよい。ジイソシアネートは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ジオールとしては、ポリエステルジオール[脂肪族ジカルボン酸成分(アジピン酸等のC4-12脂肪族ジカルボン酸等)、脂肪族ジオール成分(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等のC2-12脂肪族ジオール等)、ラクトン成分(ε-カプロラクトン等のC4-12ラクトン等)等から得られるポリエステルジオール(脂肪族ポリエステルジオール)、例えば、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,4-ブチレンアジペート)、ポリ(1,6-ヘキシレンアジペート)、ポリ-ε-カプロラクトン等]、ポリエーテルジオール[脂肪族ポリエーテルジオール、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ(オキシトリメチレン)グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)等のポリ(オキシC2-4アルキレン)グリコール、これらのポリ(オキシアルキレン)グリコールのブロック共重合体(ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体等);芳香族ポリエーテルジオール、例えば、ビスフェノールA-アルキレンオキサイド付加体等の芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加体(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のC2-4アルキレンオキサイド付加体等)等];ポリエステルエーテルジオール(ジオール成分の一部として上記ポリエーテルジオールを用いたポリエステルジオール);ポリカーボネートジオール等が利用できる。これらのジオールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのジオールのうち、ポリエステルジオールや、ポリエーテルジオール(ポリテトラメチレンエーテルグリコール等)(例えば、ポリエステルジオール)を用いる場合が多い。ポリエステルジオールが好ましい。
鎖伸長剤としては、グリコール類[短鎖グリコール類、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等のC2-10アルカンジオール;ビスヒドロキシエトキシベンゼン(BHEB)等]の他、ジアミン類[エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC2-10アルキレンジアミン等の脂肪族ジアミン類;イソホロンジアミン等の脂環族ジアミン;フェニレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン類等]も使用できる。鎖伸長剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
熱可塑性ポリウレタン系樹脂のうち、特に、ジオール[ポリエステル単位やポリエーテル単位を有するジオール(前記ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール)等]と、ジイソシアネートと、鎖伸長剤としてのグリコール類(短鎖グリコール類等)とを用いて得られる熱可塑性ポリウレタンエラストマーが好ましい。この熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、グリコール類とジイソシアネートとのポリウレタンで構成されたハードセグメント(ハードブロック)と、ポリエーテルジオール[ポリ(オキシエチレン)グリコール等の脂肪族ポリエーテルジオール等]、ポリエステルジオール(脂肪族ポリエステルジオールなど)等で構成されたソフトセグメント(ソフトブロック)とを含んでいる。ポリウレタンエラストマーには、ソフトセグメントの種類に応じて、例えば、ポリエステルウレタンエラストマー、ポリエステルエーテルウレタンエラストマー、ポリエーテルウレタンエラストマー、ポリカーボネートウレタンエラストマー等が含まれる。ポリウレタンエラストマーのうち、ポリエステルウレタンエラストマー、ポリエステルエーテルウレタンエラストマー、ポリエーテルウレタンエラストマー等が好ましい。なお、前記ポリエーテル(ポリオキシアルキレングリコール)の分子量(又は重量平均分子量)は、例えば、100~10,000程度の範囲から選択でき、好ましくは300~6,000(例えば、300~5,000)、さらに好ましくは500~4,000(例えば、500~3,000)程度であってもよい。
ポリウレタン樹脂としては、一液型又は二液型が挙げられるが、二液型が好ましい。二液型としては、例えば、「サンプレンIB」(三洋化成工業(株)製)、「オレスターQ」(三井化学(株)製)、「クリスボン」(DIC(株)製)、「ニッポラン」(日本ポリウレタン工業(株)製)等を「コロネートHL」(日本ポリウレタン工業(株)製)、「スミジュールN」(住化バイエルウレタン(株)製)の脂肪族多官能イソシアネートからなる硬化剤で硬化させたものを好適に使用することができる。
ポリエステル樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂等の硬化性樹脂の他に、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等の熱可塑性樹脂、或いは、(ポリ)ウレタン変性ポリエステル樹脂のような変性ポリエステル樹脂を挙げることができる。
熱可塑性ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂を使用する場合は、そのガラス転移温度は100℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましく、20℃以下が更により好ましく、0℃以下が更により好ましく、-10℃以下が更により好ましく、-30℃以下が更により好ましい。
前記バインダー高分子の「伸び」は60%以上が好ましく、100%以上がより好ましく、150%以上が更により好ましく、200%以上が更により好ましく、400%以上900%以下が更により好ましい。
前記バインダー高分子の引張強さは20MPa以上が好ましく、30MPa以上がより好ましく、40MPa以上が更により好ましく、50MPa以上が更により好ましい。
本発明の第二の態様は、
基材、並びに、
少なくとも1種の応力発光材料の微粒子、及び、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子
を含む応力発光層
を備える応力発光積層体である。
基材、並びに、
少なくとも1種の応力発光材料の微粒子、及び、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子
を含む応力発光層
を備える応力発光積層体である。
前記基材の材質は特に限定されるものではなく、無機系又は有機系の各種の材料を単独で、或いは、複数種類組み合わせて使用することができる。無機系材料としては、例えば、耐熱性ガラス等の透明若しくは半透明ガラス、インジウムスズ酸化物(ITO)等の金属酸化物、金属、粘土、セラミックス、炭素等が挙げられる。また、有機系材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ボリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、及び、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。耐熱性の点では無機系材料が好ましく、柔軟性の点では有機系材料が好ましい。
基材は少なくともその一部が繊維から構成されていてもよい。繊維としては、既述した各種の無機系又は有機系材料からなる繊維を使用することができ、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、各種樹脂繊維等を使用することができる。
前記基材は、例えば、フィルム、不織布又は紙の形態であることができる。特に、後述するスレッド及び偽造防止用紙に使用する場合、耐熱性の高いフィルムを基材として用いることが好ましい。例えば、フィルムとしては、セロファン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等からなるフィルムを使用することができ、耐熱性の有するものとしてはポリエステルフィルムが好ましく、PETフィルムがより好ましい。
前記基材には必要に応じて種々の処理を施しておいてもよい。例えば、コロナ放電処理、プライマー塗工処理、エンボス処理、透明着色層の設置等を適宜行うことができる。
なお、前記基材に前記応力発光材料が含まれてもよい。この場合は前記基材を構成する材料中に前記応力発光材料を混合・混練し、従来公知の方法により、例えば、フィルム、不織布又は紙の形態とすることが好ましい。
基材上に応力発光層を設ける方法は特には限定されない。例えば、基材上に本発明の第一の態様の応力発光シートを積層してもよい。また、少なくとも1種の応力発光材料の微粒子、並びに、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子を、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、ガソリン等の石油系溶剤等の有機溶剤に溶解し、得られた塗料を、基板上に塗布し、その後、有機溶剤を乾燥等により除去する方法によって製造することができる。
前記塗料は公知の塗工技術を用いて塗布することができる。公知の塗工技術としては、例えば、ロッドコーター、バーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター、ゲートロールコーター等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
応力発光層に含まれる応力発光材料の微粒子:バインダー高分子の配合重量比は特に限定されるものではないが、1:100~3:1が好ましく、1:50~3:1がより好ましく1:20~3:1が更により好ましく、1:2~3:1が更により好ましい。
本発明の応力発光積層体の応力発光層は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子を含むので、応力発光材料に外力を効率的に伝達することができ、鮮やかな応力発光を実現することができる。
バインダー高分子としては、ポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂が好ましく、熱可塑性ポリウレタン樹脂が好ましく、ポリエステル系ポリウレタンが特に好ましい。具体的には、本発明の第一の形態について既述したものを使用することができる。
本発明の第二の態様の応力発光積層体は少なくとも1つの接着性層を更に備えることができ、特に、接着性層として熱溶着性層を備えることができる。前記応力発光積層体の最外層が前記接着性層であることが好ましく、熱溶着性層であることがより好ましい。熱溶着性層は加熱により溶融する性質を備えており、特に、後述するスレッド及び偽造防止用紙に使用する場合、応力発光積層体を紙に強固に固着することができる。
また、応力発光材料は一般に水に弱いので、接着性層により外界の水分から応力発光層中の応力発光材料を保護することもできる。したがって、接着性層を形成する場合は、より長期間に亘って、鮮やかな発光を維持することができる。
接着性層、特に、熱溶着性層の材質は熱により溶融する性質を有する限り特に限定されるものではない。接着性層の材質としては、例えば、有機溶剤中に熱可塑性樹脂を分散した感熱接着剤を使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、酢酸ビニル重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリビニルブチラール、ポリアミド、アクリル樹脂などの従来感熱接着剤のベース樹脂として用いられる熱可塑性樹脂を広く用いることができるが、これらのうちでも、エチレン-酢酸ビニル共重合体が、熱接着性、有機溶剤への分散の容易性の観点から好適に使用でき、更には、酢酸ビニル含有量が5~30重量%のエチレン-酢酸ビニル共重合体が好ましい。
有機溶剤としては、熱可塑性樹脂を分散できるものであれば特に限定されず、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトンなどの従来感熱接着剤の溶媒として用いられる有機溶剤を広く用いることができ、混合溶媒を用いてもよい。これらのうちでも、特に、熱可塑性樹脂がエチレン-酢酸ビニル共重合体である場合には、トルエンと酢酸エチルの混合溶媒が、分散の容易性の観点から好適に使用できる。トルエンと酢酸エチルの混合比は、特に限定されないが、重量比(トルエン/酢酸エチル)60/40~80/20の割合で混合することが好ましい。
有機溶剤中に熱可塑性樹脂を分散させる方法としては、機械的粉砕による方法、溶液から析出させる方法等が挙げられる。機械的粉砕による方法としては、分散力の強い粉砕機を使用して溶剤中で粉砕分散する方法が挙げられる。溶液から析出させる方法としては、分散させようとする熱可塑性樹脂を溶解した溶液に、その樹脂を溶解しない有機溶媒を添加して樹脂を析出させて分散させる方法が挙げられる。これらのうちでも、分散された熱可塑性樹脂の粒径制御の容易性から、機械的粉砕による方法が好適に使用できる。
熱可塑性樹脂は、感熱接着剤100重量部に対して3~20重量部の割合で含有させることが好ましく、熱可塑性樹脂の平均粒径が10~50μm程度となるように分散させることが好ましい。
感熱接着剤には、感熱性を向上させるため、固体可塑剤を含有させることが好ましい。固体可塑剤としては、例えばフタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジヒドロアビエチル、イソフタル酸ジメチル、安息香酸スクロース、二安息香酸エチレングリコール、三安息香酸トリメチロールエタン、三安息香酸グリセリド、四安息香酸ペンタエリトリット、八酢酸スクロース、クエン酸トリシクロヘキシル、N-シクロヘキシル-p-トルエンスルホンアミド等が挙げられる。
また、接着性能を向上させるため、粘着付与剤を含有させても良い。粘着付与剤としては、例えばテルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン-インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン-フェノール樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジンおよびそれらのグリセリン、ペンタエリスリトール等とのエステル、樹脂酸ダイマー等)が挙げられる。
本発明の第二の態様の応力発光積層体において、接着性層を更に形成する場合は、基材の表面及び/又は応力発光層の表面に接着性層を形成することができる。接着性層の形成方法としては、上記感熱接着剤を基材の表面及び/又は応力発光層の表面に塗布し、その後、適宜乾燥する方法が挙げられる。
塗布方法としては特に限定されず、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等を用いて塗布することができるが、生産性に優れるためグラビアコーターを用いて塗布することが好ましい。接着性層の塗布量としては、1.0~5.0g/m2の範囲が好ましい。
本発明の第二の態様の応力発光積層体において、応力発光層に含まれるバインダー高分子は接着性層中の有機溶媒に非混和性又は低親和性であることが好ましい。これにより、応力発光層の表面に接着性層を形成した場合でも、応力発光層からのバインダー高分子の流出を回避乃至低減することができる。
本発明の第三の態様は、前記応力発光シート又は前記応力発光積層体からなるスレッドである。
本発明のスレッドはその少なくとも一部に応力発光機能を有する。前記スレッドは外力により発光するため、目視による真贋判定が可能となる。例えば、スレッドを指で折り曲げたり、爪で圧力を加えたりした際に、その機械的な力で発光するよう設計しておけば、誰でもその真贋の判定を容易に識別することができる。
本発明のスレッドは、手で折り曲げたり、指で擦った程度でも発光することが好ましく、その際の発光強度は少なくとも目視で視認できる程度であることが好ましい。
本発明のスレッドは、異なる2種類以上の応力発光材料を用いてもよい。発光強度や色が異なる2種類の応力発光機能を備えることにより、より複雑な発光特性が得られ、偽造防止効果を高めることができ好ましい。例えば、2種類以上の応力発光機能を設けることにより、波長の異なる発光が視認できるという効果等が得られる。具体的には、応力発光機能を有するスレッドに圧力を加えた際に異なった波長を示す2種類以上の発光が生じるように応力発光材料を配置することで、通常では同一色に見えるが圧を加えることによって異なる色の光を確認できる。
前記の応力発光機能は、スレッドの両面に備えられていても、片面に備えられてもよい。また、側面に備えられていてもよい。
本発明において「スレッド」とは全体の形状が細長いひも状又は板状の長尺部材を意味する。スレッドのサイズは特に限定されるものではないが、ひも状の場合は、断面の直径又は最長辺は、例えば、1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは50μm以上、更により好ましくは100μm以上であり、また、10cm以下、好ましくは1cm以下、より好ましくは5mm以下、更により好ましくは1mm以下である。したがって、例えば、1μm~1cmが好ましく、10μm~5mmがより好ましく、50μm~1mmが更により好ましい。そして、長さは、例えば、1cm以上、好ましくは5cm以上、より好ましくは10cm以上であり、また、5m以下、好ましくは3m以下、より好ましくは1m以下である。なお、直径又は最長辺は長手方向で一定でなくともよく、長手方向に沿って一部変動していてもよい。更に、断面は円形又は正方形でなくともよく、楕円形又は長方形等の他の任意の形状であってよい。厚みは、1~100μmの範囲が好ましく、5~50μmがより好ましく、10~30μmが更により好ましい。
一方、スレッドが板状の場合は、厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは50μm以上、更により好ましくは100μm以上であり、また、10cm以下、好ましくは1cm以下、より好ましくは5mm以下、更により好ましくは1mm以下である。したがって、例えば、1μm~1cmが好ましく、10μm~5mmがより好ましく、50μm~1mmが更により好ましい。また、幅は、例えば、1mm以上、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上であり、また、50cm以下、好ましくは10cm以下、より好ましくは5cm以下である。そして、長さは、例えば、1cm以上、好ましくは5cm以上、より好ましくは10cm以上であり、また、5m以下、好ましくは3m以下、より好ましくは1m以下である。なお、厚みは長手方向で均一でなくともよく、長手方向で一部変動していてもよい。まだ断面は正方形でなくともよく、長方形等の任意の角形であってよい。
前記スレッドの光学特性も特に限定されるものではなく、透明、半透明、又は、不透明であってよい。また、スレッドの全体が同一の光学特性を有する必要はない。したがって、例えば、スレッドの一部の箇所は透明である一方で他の箇所は不透明であってよい。
本発明のスレッドは上記応力発光シート又は上記応力発光積層体を適宜スリット加工することによって製造することができる。スリット加工はマイクロスリッター等の公知の装置を使用して、所定の幅にスリットする工程を含む。
本発明のスレッドは真珠光沢を有することができる。
本発明のスレッドが上記応力発光積層体からなる場合は、前記基材が真珠光沢を有することが好ましい。例えば、真珠光沢を有する透明多層膜を基材に使用すると、反射光下におけるカラーシフト効果と応力発光の効果の両方を組み合わせることができ、その複雑な変化を偽造するのは困難となる。カラーシフト効果とは、対象物との視野角を変化させていくと、反射光が徐々にシフトすることで色が変化することをいう。この透明多層膜は、2種類以上の屈折率の異なるポリマーを複数積層させたものであり、光干渉現象により真珠光沢を呈するフィルムである。例えば、高屈折率と低屈折率のポリマーを繰り返し100層以上積層させたものを用いることができる。真珠光沢は、正反射光で見ると虹彩色に輝いて見えるという特徴があるため、カラーコピーやデジタルスキャナーで読み込んでプリンターで出力するなどの複写方法では再現できないことが知られている。そのため、透明多層膜を用いることにより、カラーシフト効果のみならずこのような複写防止効果をも付与することができる。更には、真珠光沢を有する透明多層膜のフィルム上に着色塗工層を設け、フィルムを介して見ることで、フィルム本来の色相が混合された新たな色相を生み出すことができる。そして、温度変化により着色塗工層の色相が変化する場合は、そのカラーシフト効果は非常に複雑なものとなり、その結果、高度な偽造防止効果を得ることができる。
また、本発明のスレッドは真珠光沢を有する塗工層を有してもよい。これにより、カラーシフト効果を得ることができるため、前記透明多層膜を使用したときと同様の偽造防止効果を得ることができる。前述の真珠光沢を有する透明多層膜を用いた場合、その色相は各層の厚み及び全体の厚みにより変化するため、小ロットでの生産はコスト面での懸念があるが、真珠光沢を有する塗工層を設ける方法は顔料を変更することで足りるので、透明多層膜の生産に比べ低いコストで多岐にわたるバリエーションを増やせるという利点もある。
真珠光沢を有する塗工層に用いることのできる顔料としては、天然パールエッセンス、雲母粉末、塩基性炭酸塩、酸化チタンコート雲母粉末、金属酸化物被覆雲母粉末、ベンガラ被覆雲母等が挙げられる。このような真珠顔料の製造方法は特に限定されるものではなく、従来から既知の製造方法(例えば、特公昭53-47375号、特公昭54-34010号、特開昭58-149959号等の公報に記載されている方法)で得られたものが使用できる。
前記真珠顔料は接着剤と混合してスレッドを構成する層の表面に塗工される。接着剤としては、真珠顔料をスレッドに固着可能にするものであれば特に限定はないが、例えば超微細なフィラーにより複合化されたバインダー粒子の水性分散液が使用できる。超微細なフィラーとしてはコロイダルシリカ、アルミナゾル等が使用でき、バインダーとしてはアクリル系重合体エマルジョン、シラン基付加オレフィン系重合体エマルジョン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合体エマルジョン等が使用できる。
本発明のスレッドにはマイクロ文字が施されてもよい。
マイクロ文字を設ける場合は、例えば、基材上にマイクロ文字を印刷し、それから温度反応性塗工層で覆う構成がある。あるいは、基材上に温度反応性塗工層を設けた後にマイクロ文字を設ける構成が挙げられる。マイクロ文字の印刷方法には特に限定はないが、グラビア印刷、スクリーン印刷が適している。マイクロ文字に使用するインキは、公知のものを用いることができる。
また、本発明では、前記マイクロ文字に使用されるインキに応力発光材料を含ませることもできる。応力発光によりマイクロ文字が判読可能となる特徴を与えることができる。マイクロ文字を2種類以上設けてもよい。
基材上に金属蒸着層からなるマイクロ文字やマイクロ画像を形成する場合には、パスター加工法が好ましく使用できる。パスター加工法そのものはよく知られた方法であり、例えば金属アルミニウムを真空蒸着したポリエステルフィルムの蒸着面に、耐アルカリ性を有するインキで文字や画像を印刷し、次いで水酸化ナトリウム水溶液にフィルムを浸漬して印刷部分以外の露出しているアルミニウム蒸着層を溶解し、次いでフィルムを水洗して水酸化アルミニウムを除去してから乾燥する方法が代表的な例である(特開昭63-216795号公報等を参照)。こうすることで、印刷部分と、印刷部分に同調した下層の金属蒸着部分はフィルム上にそのまま残り、それ以外の部分ではフィルムが露出する。
前記基材上には、真珠光沢、マイクロ文字以外にも、ホログラムパターン層、磁気情報を記録した磁気層等の様々な機能層を用途に応じて形成することができる。これらの機能層によって、前記スレッドは高い偽造防止機能を発揮することができる。
本発明の第四の態様は、前記スレッドを少なくとも一部に有する偽造防止用紙である。例えば。前記スレッドは偽造防止用紙の表面の一部に存在することができる。
前記偽造防止用紙は前記スレッドが抄きこまれている紙からなることが好ましい。すなわち、本発明の偽造防止用紙は前記スレッドを紙中にすき込んだ偽造防止用紙であることが好ましい。このように、スレッドを紙内部に挿入させると、単にスレッドを用紙表面に貼合した場合と異なり、スレッドが脱落しにくくなる。また、悪意を持った者が当該スレッドを剥離し、転用するのを防ぐ効果がある。なお、本発明では、当該スレッドが用紙中にあってもその発光が容易に識別できれば問題なく使用できる。
スレッドを紙中に抄きこむ方法としては、長網抄紙機のスライス部分における紙料の流れの中にノズルを入れ、ノズルに水を流しながらスレッドを繰り出し、抄紙網に形成される紙匹中にスレッドを抄き込む方法(特開昭51-130309号公報)、長網抄紙機のフローボックスから流出する紙料へスレッドの挿入装置を設置し、空気流でスレッドと紙料を非接触状態としながらスレッドを抄き込む方法(特開平2-169790号公報)、多層タイプの円網抄紙機を使用して2層以上の抄き合わせで内壁に凹凸を設けた送管を使用してスレッドを紙層間に送り出し、紙層間にスレッドを抄き込む方法(特公平5-40080号公報)等が挙げられる。
本発明の偽造防止用紙では前記スレッドは間欠的に表面に露出していてもよい。すなわち、前記スレッドを紙中に抄きこむ場合、スレッドが間欠的に用紙表面に露出するようにしてもよい。具体的に説明すると、用紙表面において間欠的に厚みを薄くした窓開き部を形成し、この窓開き部にスレッドが露出している状態にすることである。このようにして作成した紙は、いわゆる「窓開きスレッド用紙」と呼ばれ、スレッドが露出している部分は色相変化の判断やマイクロ文字の判読がより容易になるという利点がある。
前記窓開きスレッド用紙を作成する方法としては、ワイヤー上の紙料懸濁液に、凹凸部を有するガイドの凸部先端にスレッドを通した溝を有するベルト機構を埋没して製造する方法(特公平5-85680号公報)や、凹凸状に加工した網を円網抄紙機の上網に使用し、スレッドを網表面の凹凸部に接触させながら挿入して窓開き部分にスレッドを抄き込む方法(米国特許第4462866号公報)、あるいは長網抄紙機のワイヤー上の回転ドラム内に圧縮空気ノズルを内蔵させ、予め紙匹に挿入したスレッド上のスラリーを圧縮空気で間欠的に吹き飛ばしてスレッドを露出させる方法(特開平6-272200号公報)等が挙げられる。
本発明において、スレッドを抄きこむ紙の原料には特に限定はないが、木材パルプや麻、綿、藁等の非木材パルプ等を適宜配合して叩解し、これに必要に合成繊維、半合成繊維、無機繊維等を混合したものが使用できる。これに填料、紙力増強剤、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、濾水性向上剤、消泡剤、染料、顔料等を適宜添加し、紙料を調製する。
[実施例1]
発光中心としてユウロピウムを添加したアルミン酸ストロンチウム(SrAl2O4:Eu)の粉体を応力発光材料としてポリウレタン樹脂(商品名「サンプレンIB」三洋化成工業(株)製)及びイソシアネート系硬化剤(商品名「コロネート」日本ポリウレタン工業(株)製)と共にトルエンに分散させ、得られた分散液を、厚さ16μmの透明PETフィルム(商品名「ルミラー」東レ(株)製)の基材上に、グラビアコーターで12g/m2の量で塗工して応力発光層を形成した。
発光中心としてユウロピウムを添加したアルミン酸ストロンチウム(SrAl2O4:Eu)の粉体を応力発光材料としてポリウレタン樹脂(商品名「サンプレンIB」三洋化成工業(株)製)及びイソシアネート系硬化剤(商品名「コロネート」日本ポリウレタン工業(株)製)と共にトルエンに分散させ、得られた分散液を、厚さ16μmの透明PETフィルム(商品名「ルミラー」東レ(株)製)の基材上に、グラビアコーターで12g/m2の量で塗工して応力発光層を形成した。
このようにして得られた積層体の表裏に、更に、エチレン-酢酸ビニル系感熱接着剤を5μmの厚みで塗工して感熱接着剤層を形成した。このようにして得られた積層体を幅2.5mmにスリット加工してスレッドを得た。
感熱接着剤塗工時には、応力発光層からの樹脂成分の流出はなく、且つ、スリット加工時の応力発光層のひび割れやスレッドの断線も発生しなかった。
得られたスレッドに爪で外力を加えたところ、外力の印加箇所に鮮やかな発光が観察された。
[実施例2]
発光中心としてユウロピウムを添加したアルミン酸ストロンチウム(SrAl2O4:Eu)の粉体を応力発光材料としてウレタン変性ポリエステル樹脂(商品名「バイロンUR」東洋紡(株)製)及びメラミン系硬化剤(商品名「スミマール」住友化学(株)製)とともにトルエンに分散させ、得られた分散液を、厚さ16μmの透明PETフィルム(商品名「ルミラー」東レ(株)製)の基材上に、グラビアコーターで12g/m2の量で塗工して応力発光層を形成した。
発光中心としてユウロピウムを添加したアルミン酸ストロンチウム(SrAl2O4:Eu)の粉体を応力発光材料としてウレタン変性ポリエステル樹脂(商品名「バイロンUR」東洋紡(株)製)及びメラミン系硬化剤(商品名「スミマール」住友化学(株)製)とともにトルエンに分散させ、得られた分散液を、厚さ16μmの透明PETフィルム(商品名「ルミラー」東レ(株)製)の基材上に、グラビアコーターで12g/m2の量で塗工して応力発光層を形成した。
このようにして得られた積層体の表裏に、更に、エチレン-酢酸ビニル系感熱接着剤を5μmの厚みで塗工して感熱接着剤層を形成した。このようにして得られた積層体を幅2.5mmにスリット加工してスレッドを得た。
感熱接着剤塗工時には、応力発光層からの樹脂成分の流出はなく、且つ、スリット加工時の応力発光層のひび割れやスレッドの断線も発生しなかった。
得られたスレッドに爪で外力を加えたところ、外力の印加箇所に鮮やかな発光が観察された。
[実施例3]
前記ウレタン変性ポリエステル樹脂を、熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名「バイロン」東洋紡(株))に代えた以外は実施例2と同様にスレッドを得た。
前記ウレタン変性ポリエステル樹脂を、熱可塑性ポリエステル樹脂(商品名「バイロン」東洋紡(株))に代えた以外は実施例2と同様にスレッドを得た。
得られたスレッドに爪で外力を加えたところ、外力の印加箇所に鮮やかな発光が観察された。
[実施例4]
<紙料の調製>
NBKP20質量部、LBKP80質量部を350mlC.S.F.に叩解し、これに白土10質量部、紙力増強剤(商品名「ポリストロン191」荒川化学工業(株)製)0.3質量部、サイズ剤(商品名「サイズパインE」荒川化学工業(株)製)1.0質量部、さらに硫酸バンドを適量加え、紙料を調製した。
<紙料の調製>
NBKP20質量部、LBKP80質量部を350mlC.S.F.に叩解し、これに白土10質量部、紙力増強剤(商品名「ポリストロン191」荒川化学工業(株)製)0.3質量部、サイズ剤(商品名「サイズパインE」荒川化学工業(株)製)1.0質量部、さらに硫酸バンドを適量加え、紙料を調製した。
<抄紙網の製造>
短辺10mm、長辺15mm、厚み0.3mmの樹脂板を多数用意した。次いで、円網抄紙機の円網シリンダー上網(幅1300mm)に、樹脂板を紙の流れ方向に対して短辺が位置するようにして10mm間隔で連続的に接着剤で貼りつけた。この列を上網の幅方向に等間隔に6列取り付けた。
短辺10mm、長辺15mm、厚み0.3mmの樹脂板を多数用意した。次いで、円網抄紙機の円網シリンダー上網(幅1300mm)に、樹脂板を紙の流れ方向に対して短辺が位置するようにして10mm間隔で連続的に接着剤で貼りつけた。この列を上網の幅方向に等間隔に6列取り付けた。
<用紙の抄造>
2槽式円網抄紙機の1槽目のシリンダーには前記樹脂板を取り付けた上網を装着し、2槽目の丸網シリンダーには何等細工を施さない上網を装着した。1槽目で形成した第1層目の紙層の上に2槽目で形成した第2層目の紙層が重なるようにして、前記紙料を用い抄紙速度30m/分で2層抄合わせ紙を製造した。この際、第1層目(乾燥重量に換算して33g/m2)と第2層目(同67g/m2)の間に実施例1~実施例3で作成したスレッド(幅2.5mm)を特公平5-40080号公報に記載の方法を用いて型の中央に相当する位置に挿入した。次いで常法に従い湿紙を脱水後、シリンダードライヤーで乾燥し、2層抄合わせ紙からなるスレッド入り紙100g/m2を製造することで、偽造防止用紙を得た。抄造段階での熱やこすれ伸び等による応力発光層のひび割れやスレッドの断線は発生せず、得られた偽造防止用紙のスレッドの応力発光機能は失われることはなく、スレッドの部分に外力を加えたところ、実施例1~実施例3で得られたスレッドと同様の発光性能が確認された。
2槽式円網抄紙機の1槽目のシリンダーには前記樹脂板を取り付けた上網を装着し、2槽目の丸網シリンダーには何等細工を施さない上網を装着した。1槽目で形成した第1層目の紙層の上に2槽目で形成した第2層目の紙層が重なるようにして、前記紙料を用い抄紙速度30m/分で2層抄合わせ紙を製造した。この際、第1層目(乾燥重量に換算して33g/m2)と第2層目(同67g/m2)の間に実施例1~実施例3で作成したスレッド(幅2.5mm)を特公平5-40080号公報に記載の方法を用いて型の中央に相当する位置に挿入した。次いで常法に従い湿紙を脱水後、シリンダードライヤーで乾燥し、2層抄合わせ紙からなるスレッド入り紙100g/m2を製造することで、偽造防止用紙を得た。抄造段階での熱やこすれ伸び等による応力発光層のひび割れやスレッドの断線は発生せず、得られた偽造防止用紙のスレッドの応力発光機能は失われることはなく、スレッドの部分に外力を加えたところ、実施例1~実施例3で得られたスレッドと同様の発光性能が確認された。
[比較例1]
ポリウレタン樹脂に代えてアクリル樹脂を使用した以外は実施例1と同様にスレッドを得た。得られたスレッドに爪で外力を加えたところ、外力の印加箇所に発光が観察されたが、鮮やかさの点で実施例1の発光よりも劣っていた。
ポリウレタン樹脂に代えてアクリル樹脂を使用した以外は実施例1と同様にスレッドを得た。得られたスレッドに爪で外力を加えたところ、外力の印加箇所に発光が観察されたが、鮮やかさの点で実施例1の発光よりも劣っていた。
[比較例2]
ポリウレタン樹脂に代えてポリスチレンを使用した以外は実施例1と同様にスレッドを得た。得られたスレッドに爪で外力を加えたところ、外力の印加箇所に発光が観察されたが、鮮やかさの点で実施例1の発光よりも劣っていた。
ポリウレタン樹脂に代えてポリスチレンを使用した以外は実施例1と同様にスレッドを得た。得られたスレッドに爪で外力を加えたところ、外力の印加箇所に発光が観察されたが、鮮やかさの点で実施例1の発光よりも劣っていた。
[比較例3]
比較例1及び比較例2で得られたスレッドを使用した以外は実施例4と同様に偽造防止用紙を得た。スレッドの部分に外力を加えたところ、発光が確認されたが、鮮やかさの点で実施例4の発光よりも劣っていた。
比較例1及び比較例2で得られたスレッドを使用した以外は実施例4と同様に偽造防止用紙を得た。スレッドの部分に外力を加えたところ、発光が確認されたが、鮮やかさの点で実施例4の発光よりも劣っていた。
Claims (16)
- 少なくとも1種の応力発光材料の微粒子、及び、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子
を含む、応力発光シート。 - 前記バインダー高分子がポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂である、請求項1記載の応力発光シート。
- 前記ポリウレタン樹脂がポリエステル系ポリウレタンである、請求項2記載の応力発光シート。
- 基材、並びに、
少なくとも1種の応力発光材料の微粒子、及び、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のバインダー高分子
を含む応力発光層
を備える応力発光積層体。 - 前記バインダー高分子がポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂である、請求項4記載の応力発光積層体。
- 前記ポリウレタン樹脂がポリエステル系ポリウレタンである、請求項5記載の応力発光積層体。
- 少なくとも1つの接着性層を更に備える、請求項4乃至6のいずれかに記載の応力発光積層体。
- 最外層が前記接着性層である、請求項7記載の応力発光積層体。
- 前記基材に前記応力発光材料が含まれる、請求項4乃至8のいずれかに記載の応力発光積層体。
- 前記基材が、フィルム、不織布又は紙である、請求項4乃至9のいずれかに記載の応力発光積層体。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の応力発光シート、又は、請求項4乃至10のいずれかに記載の応力発光積層体からなるスレッド。
- 真珠光沢を有する、請求項11記載のスレッド。
- マイクロ文字を有する、請求項11又は12記載のスレッド。
- 請求項11乃至13のいずれかに記載のスレッドを少なくとも一部に有する偽造防止用紙。
- 請求項11乃至13のいずれかに記載のスレッドが抄きこまれている紙からなる、偽造防止用紙。
- 前記スレッドが間欠的に表面に露出している、請求項15記載の偽造防止用紙。
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