JP6705448B2 - 応力発光シート - Google Patents

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Description

本発明は、偽造防止効果および意匠性に優れた応力発光シートに関するものである。
近年のプリンタやスキャナといった電子機器の普及に伴い、有価証券等の偽造品が容易に作製可能となりつつある。
このような問題に対して、特許文献1では、応力発光材料を用いた偽造防止方法が記載されている。具体的には特許文献1には、応力発光材料の微粒子をゴムまたは樹脂等の接合剤に分散した応力発光層が記載され、応力発光層を含む応力発光構造物を有価証券等の偽造防止に用いることが記載されている。
また、特許文献1では、応力発光層をパターン状に形成し、応力発光層の発光を文字、模様等として観察できるようにすることで偽造防止効果を向上することが記載されている。
特開2007−55144号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるような応力発光層を用いた場合、応力発光粒子からの発光光を観察者側に十分に届けることができず、十分な偽造防止効果を得ることができない場合がある。
例えば、応力発光粒子を含有する層をパターン状に形成し、パターン状の発光による真贋判定を可能とする偽造防止対策を図った場合、所望のパターン状の発光を観察者が十分に観察することができない結果、十分な偽造防止効果を得られない場合があるといった問題がある。
また、パターン状の発光による意匠性の付与を図った場合に、所望のパターン状の発光を観察者が観察することができない結果、十分な意匠性を付与できない場合があるといった問題がある。
また、特許文献1に記載されるような応力発光シートでは、単一の発光強度のパターン発光が可能であるのみである等、偽造防止効果および意匠性が十分ではないといった問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり偽造防止効果および意匠性に優れた応力発光シートを提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基材と、上記基材の一方の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層と、上記再帰反射層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、を有することを特徴とする応力発光シートを提供する。
本発明によれば、再帰反射層を有することにより、応力発光層からの発光光のうち、応力発光層から再帰反射層側に発光された発光光を効率的に反射することができ、応力発光粒子からの発光光を観察者側に十分に届けることができる。
このため、応力発光シートを、偽造防止効果および意匠性に優れたものとすることができる。
本発明においては、上記基材の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層の上記基材とは反対側の表面上に形成された第2基材と、上記第2基材の上記脆質層とは反対側の表面上に形成された接着層と、を有することが好ましい。
上記基材および上記第2基材の間に上記脆質層を有することにより、応力発光シートを上記基材および上記第2基材の間で容易に剥離可能なものとすることができる。
また、上記基材および上記第2基材の間を剥離する際に応力発光層に加わる応力により応力発光層を発光させることで、応力発光シートを偽造防止効果および意匠性等を発揮するものとすることができる。
このようなことから、上記応力発光シートを、上記基材および上記第2基材の間で容易に分離および剥離するとともに、上記応力発光層を発光可能なものとすることができ、偽造防止効果および意匠性に優れたものとすることができるからである。
本発明においては、上記基材の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層と同一平面上に形成された第1接着層と、上記脆質層および上記第1接着層の上記基材とは反対側の表面上に形成された第2基材と、上記第2基材の上記脆質層および上記第1接着層とは反対側の表面上に形成された第2接着層と、を有し、上記基材を切断する切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層と平面視上重なるように形成され、上記切れ込み部が、上記第1接着層を平面視上囲むように形成されていることが好ましい。
上記基材に上記切れ込み部が形成されていることにより、上記応力発光シートを上記切れ込み部の形成箇所に沿って容易に分離することができる。また、上記応力発光層を上記切れ込み部の形成箇所に沿って容易に発光可能なものとすることができる。
また、上記切れ込み部が、上記接着層を平面視上囲むように形成されていることにより、上記切れ込み部の形成箇所に沿って分離された応力発光シートのうち、上記接着層が形成されている部位のみを被着体に残し、上記脆質層が形成されている部位のみを容易に剥離可能なものとすることができる。
さらに、上記切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層の両者と平面視上重なるように形成されていることにより、上記切れ込み部の存在を上記応力発光層および上記再帰反射層により隠ぺいすることができるからである。したがって、応力発光シートを偽造防止効果等により優れたものとすることができる。
このようなことから、上記応力発光シートを、上記切れ込み部の形成箇所に沿ってパターン状に容易に分離および剥離するとともに、上記切れ込み部の形成箇所に沿って発光可能なものとすることができ、偽造防止効果および意匠性に優れたものとすることができるからである。
また、上記目的を達成するために、本発明は、透明基材と、上記透明基材の一方の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、上記応力発光層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層と、を有することを特徴とする応力発光シートを提供する。
本発明によれば、再帰反射層を有することにより、応力発光層からの発光光のうち、応力発光層から再帰反射層側に発光された発光光を効率的に反射することができ、応力発光粒子からの発光光を透明基材側から観察者側に十分に届けることができる。
このため、応力発光シートは、偽造防止効果および意匠性に優れたものとなる。
本発明においては、上記応力発光層がパターン状に形成されていることが好ましい。上記応力発光層がパターン状に形成されていることで、応力発光シートは、偽造防止効果等により優れたものとなるからである。
本発明においては、上記透明基材の上記応力発光層とは反対側の表面上に形成された接着層を有すること、または、上記再帰反射層の上記応力発光層とは反対側の表面上に形成された接着層を有することが好ましい。
上記接着層を有することにより、応力発光シートは、偽造防止効果または意匠性が要求される被着体に容易に貼付可能となるからである。
また、被着体に貼付した応力発光シートを剥離する際に応力発光層に加わる応力により応力発光層が発光可能となる。
このようなことから、応力発光シートは、偽造防止効果および意匠性に優れたものとなるからである。
本発明においては、上記応力発光層および上記再帰反射層の間に形成された中間透明基材と、上記再帰反射層の上記応力発光層とは反対側の表面上に形成された保護層と、を有し、カードとして用いられることが好ましい。上記応力発光シートは、偽造防止効果および意匠性に優れたカードとなるからである。
また、上記目的を達成するために、本発明は、透明基材と、上記透明基材の一方の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層と、上記再帰反射層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、を有し、上記再帰反射層がパターン状に形成され、上記応力発光層が上記再帰反射層の形成領域および非形成領域の両者を覆うように形成されていることを特徴とする応力発光シートを提供する。
本発明によれば、上記再帰反射層がパターン状に形成され、上記応力発光層が上記再帰反射層の形成領域および非形成領域の両者を覆うように形成されていることにより、上記応力発光シートは、上記応力発光層をパターン状に形成することなく、上記再帰反射層のパターン形状によって、上記応力発光層の上記再帰反射層とは反対側(以下、単に表面側と称する場合がある。)および上記応力発光層の上記再帰反射層側(以下、単に裏面側と称する場合がある。)で異なるパターン発光と、上記表面側で発光強度の異なるパターン発光とが可能となる。
よって、本発明の応力発光シートは、偽造防止効果および意匠性に優れたものとなる。
本発明においては、上記応力発光層がパターン状に形成されていることが好ましい。上記応力発光層がパターン状に形成されていることで、応力発光シートを偽造防止効果等により優れたものとすることができるからである。
本発明においては、上記透明基材の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成された第2透明基材と、上記第2透明基材の上記脆質層とは反対側の表面上に形成された接着層と、を有することが好ましい。
上記透明基材および上記第2透明基材の間に上記脆質層を有することにより、応力発光シートは、上記透明基材および上記第2透明基材の間で容易に剥離可能となる。また、上記応力発光シートは、上記透明基材および上記第2透明基材の間を剥離する際に応力発光層に加わる応力により応力発光層を発光可能となる。
このようなことから、上記応力発光シートは、上記透明基材および上記第2透明基材の間で容易に分離および剥離するとともに、上記応力発光層を発光可能なものとすることができ、偽造防止効果および意匠性に優れたものとなるからである。
本発明においては、上記透明基材の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層と同一平面上に形成された第1接着層と、上記脆質層および上記第1接着層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成された第2透明基材と、上記第2透明基材の上記脆質層および上記第1接着層とは反対側の表面上に形成された第2接着層と、を有し、上記透明基材を切断する切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層と平面視上重なるように形成され、上記切れ込み部が、上記第1接着層を平面視上囲むように形成されていることが好ましい。
上記透明基材に上記切れ込み部が形成されていることにより、上記応力発光シートは上記切れ込み部の形成箇所に沿って容易に分離可能となる。また、上記応力発光シートは、上記応力発光層を上記切れ込み部の形成箇所に沿って容易に発光可能なものとなる。さらに、上記切れ込み部の形成箇所の周辺の応力発光層も発光可能とすることができ、その際には、上記再帰反射層および上記応力発光層のパターン形状により両面で異なるパターン発光と発光強度の異なるパターン発光とが可能となる。
また、上記切れ込み部が、上記第1接着層を平面視上囲むように形成されていることにより、上記切れ込み部の形成箇所に沿って分離された応力発光シートのうち、上記第1接着層が形成されている部位のみを被着体に残し、上記脆質層が形成されている部位のみを容易に剥離可能なものとすることができる。
さらに、上記切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層の両者と平面視上重なるように形成されていることにより、上記切れ込み部の存在を上記応力発光層および上記再帰反射層により隠ぺいすることができる。
このようなことから、上記応力発光シートは、隠蔽された上記切れ込み部の形成箇所に沿ってパターン状に容易に分離および剥離するとともに、上記切れ込み部の形成箇所に沿って発光可能なものとすることができ、偽造防止効果および意匠性に優れたものとなるからである。
本発明においては、上記再帰反射層および上記応力発光層の間に形成された中間透明基材と、上記応力発光層の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された透明保護層と、を有し、カードとして用いられることが好ましい。上記応力発光シートは、偽造防止効果および意匠性に優れたカードとなるからである。
本発明は、偽造防止効果および意匠性に優れた応力発光シートを提供できるという効果を奏する。
本発明の応力発光シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 図4のA1−A1線断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 図6のA2−A2線断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 図12のA3−A3線断面図である。 応力発光シートの分離方法を説明する説明図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 図15のA4−A4線断面図である。 本発明の応力発光シートを用いた偽造防止媒体の一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の応力発光シートを用いた偽造防止媒体の一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の応力発光シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 図22のB1−B1線断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 図24のB2−B2線断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 図31のB3−B3線断面図である。 応力発光シートの分離方法を説明する説明図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 図34のB4−B4線断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートを用いた偽造防止媒体の一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の応力発光シートを用いた偽造防止媒体の一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の応力発光シートの一例を示す概略平面図である。 図39のC1−C1線断面図である。 本発明の応力発光シート内における応力発光層からの発光光の光路を説明する説明図である。 本発明の応力発光シートの発光状態を説明する説明図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 図44のC2−C2線断面図である。 本発明の応力発光シートの発光状態を説明する説明図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 図51のC3−C3線断面図である。 応力発光シートの分離方法を説明する工程図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略平面図である。 図54のC4−C4線断面図である。 本発明の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。 本発明の応力発光シートを用いた偽造防止媒体の一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の応力発光シートを用いた偽造防止媒体の一例を示す概略平面図および断面図である。
本発明は、応力発光シートに関するものである。
以下、本発明の応力発光シートについて詳細に説明する。
本発明の応力発光シートは、基材と、上記基材の一方の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層と、上記再帰反射層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、を有する態様(第1実施態様)と、透明基材と、上記透明基材の一方の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、上記応力発光層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層と、を有する態様(第2実施態様)と、透明基材と、上記透明基材の一方の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層と、上記再帰反射層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、を有し、上記再帰反射層がパターン状に形成され、上記応力発光層が上記再帰反射層の形成領域および非形成領域の両者を覆うように形成されている態様(第3実施態様)と、の3つの実施態様に分けることができる。以下、本発明の応力発光シートについて、各実施態様に分けて説明する。
A.第1実施態様
まず、本発明の応力発光シートの第1実施態様について説明する。
本態様の応力発光シートは、基材と、上記基材の一方の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層と、上記再帰反射層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、を有することを特徴とするものである。
このような本態様の応力発光シートについて図面を参照して説明する。
図1は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、本態様の応力発光シート10は、基材1と、上記基材1の一方の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層2と、上記再帰反射層2の上記基材1とは反対側の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層3と、を有することを特徴とするものである。
本態様によれば、再帰反射層を有することにより、応力発光層からの発光光のうち、応力発光層から再帰反射層側に発光された発光光を効率的に反射することができ、応力発光粒子からの発光光を観察者側に十分に届けることができる。
このため、例えば、応力発光層がパターン状に形成されている場合、所望のパターン状の発光を観察者が十分に観察可能なものとすることができる。
したがって、応力発光シートを、偽造防止効果および意匠性に優れたものとすることができる。
また、再帰反射層は、樹脂材料内に再帰反射用粒子が分散されたものであるため箔切れ性に優れる。このため、上記再帰反射層は、例えば、金属箔等と比較して、任意の形状に切断することが容易である。
また、応力発光層も、バインダ樹脂内に応力発光粒子が分散されたものであるため箔切れ性に優れ、任意の形状に切断することが容易である。
このため、上記応力発光層および上記再帰反射層を任意の形状に容易に切断し、さらにその切断箇所に沿って応力発光層を発光可能なものとすることができる。
このようなことから、応力発光シートを偽造防止性および意匠性に優れたものとすることができる。
本態様の応力発光シートは、基材、再帰反射層および応力発光層を有するものである。
以下、本態様の応力発光シートにおける各構成について説明する。
1.応力発光層
本態様における応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
上記応力発光層は、上記再帰反射層上に形成されるものである。
ここで、応力発光層が再帰反射層上に形成されるとは、再帰反射層および応力発光層が別層として形成されるものに限定されず、再帰反射用粒子および応力発光粒子が同一層内で、再帰反射用粒子が基材側に高濃度となるように含まれ、応力発光粒子が基材側とは反対側に高濃度となるように含まれるものも含むものである。
なお、既に説明した図1は、再帰反射層2および応力発光層3が別層として形成される例を示すものである。図2は、再帰反射層2および応力発光層3が同一層として形成され、再帰反射用粒子12が基材1側に高濃度となるように含まれ、応力発光粒子13が基材側とは反対側に高濃度となるように含まれる例を示すものである。
なお、図2中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
(1)応力発光層の構成材料
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(a)応力発光粒子
上記応力発光粒子としては、外部から加えられた歪みエネルギーによって、粒子自体が発光するという性質を有し、かつその歪みエネルギーに比例して発光強度を変化させるという性質を有するものであればよい。
本態様においては、上記応力発光粒子からの発光光の波長(以下、所定の波長と称する場合がある。)が、可視光の範囲内に含まれることが好ましい。観察者が目視にて応力発光層からの発光光を視認でき、真贋判断が容易なものとすることができるとの本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
可視光の波長範囲としては、具体的には、400nm〜800nmの範囲内とすることができる。
また、上記所定の波長は、可視光以外の領域を有するものとし、例えば、応力発光層が蛍光材料を含有する蛍光層の発光に用いられるものであっても良い。
なお、上記所定の波長とは、波長200nm〜1000nmの範囲内での応力発光粒子の発光スペクトルの最大ピーク波長をいうものである。
上記応力発光粒子の発光輝度としては、例えば、観察者が目視にて視認可能とするとの観点からは、1.0mcd/cm以上であることが好ましく、なかでも、10mcd/cm以上であることが好ましく、特に、100mcd/cm以上であることが好ましい。発光輝度が上記範囲内であることにより、屋外において、高輝度と認識させ、さらに、応力発光層からの発光を用いた真贋判定の信頼性に優れたものとすることができるからである。
このような応力発光粒子を構成する応力発光材料としては、例えば、高度に構造を制御した無機結晶骨格の中に、発光中心となる元素を添加した材料(セラミックス)を挙げることができる。ここで、無機材料および発光中心となる元素の種類を選択することにより、紫外〜可視〜赤外の様々な波長で発光する材料を用いることができる。
上記応力発光材料は、与えられたエネルギーによる発光の減衰時間により応力発光蛍光材料と応力発光リン光材料とに分けることができる。
上記蛍光発光材料としては、例えば発光中心としてユウロピウムを添加したアルミン酸ストロンチウム(SrAl:Eu、緑色に発光)、マンガンを発光中心として添加した硫化亜鉛(ZnS:Mn、黄緑色に発光)などが挙げられる。
上記応力発光粒子を構成する応力発光材料の種類は、1種類のみを用いるものに限定されず、2種類以上を用いるものであっても良い。
本態様においては、なかでも、上記応力発光材料の種類が2種類以上であることが好ましい。応力発光層を発光色の異なる領域を有するものとすることが可能となる。例えば、図3に示される応力発光層3を、xで示される領域が第1の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第1の発光色の領域であり、yで示される領域が第2の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第2の発光色の領域とすることができる。このようなことから、本態様の応力発光シートを偽造防止効果等に優れたものとすることができる。
また、上記応力発光層が同一の応力発光シートに2層以上積層される場合、各応力発光層に含まれる応力発光粒子の種類は同一であっても良く、異なるものであっても良い。
なお、図3中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、本態様においては、応力発光材料を2種類以上用いる場合に、各応力発光材料からなる応力発光粒子を混合して用いるもの、例えば、第1の応力発光粒子からの発光色と第2の応力発光粒子からの発光色とが混合された、1色の発光色の応力発光層とするものであっても良い。
上記応力発光粒子の形状としては、従来公知の形状とすることができる。上記形状は、例えば、略球状、回転楕円体状、多面体状、鱗片状、円盤状、繊維状及び針状等を挙げることができる。
本態様においては、さらに、上記応力発光粒子の表面がランダムに形成された微細凹凸形状を有することが好ましい。応力発光粒子の微細凹凸が形成された箇所に応力が伝わりやすいものとすることができ、応力発光粒子を効率的に発光可能なものとすることができるからである。
上記凹凸形状は、凹凸の周期および深さがナノサイズから数ミクロンサイズのものとすることができる。
上記応力発光粒子の平均一次粒径は、所望の発光強度の応力発光層を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜50μmの範囲内とすることができ、なかでも、5.0μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。上記粒径であることにより発光強度に優れた応力発光層とすることができるからである。
上記平均一次粒径は、レーザー回折散乱法を用いて測定する方法で求めることができる。レーザー回折散乱法は、粒子を分散媒に均一に分散し、次いで、粒子にレーザー光を照射することによる光の回析/散乱現象を利用するもので、その回折/散乱光の強度パターンが、粒子の大きさに依存しており、回析/散乱光の角度により異なる強度パターン(強度分布)が観測されて、フランホーファ回折理論や、ミー散乱理論を用いて、粒子径分布を求める方法である。レーザー回折散乱法を用いて上記平均一次粒径を求める場合、乾式でも湿式でも測定することができる。湿式で測定する場合は水またはエタノールを分散体として測定することができる。
また、レーザー回折散乱法に用いるレーザー光としては、半導体レーザー(波長680nm)等を用いることができる。
上記応力発光粒子は、耐水性向上のための耐水性材料を用いて形成された耐水性被膜によって被覆されていることが好ましい。水による応力発光材料の結晶構造の崩壊や、発光性の喪失を防ぐことができるからである。また、応力発光シートの耐水性および耐候性等の向上を図ることができるからである。
なお、耐水性の評価方法として、例えば、JIS K 6404−9:1999における、所定の調整をした応力発光シートを用いて、指定温度の温水を用いて、水浸試験を行う方法を用いることができる。なお、上記のJIS規格においては、水浸試験を4時間実施することとなっているが、本試験においては、応力発光シートに含まれる応力発光層からの発光の発光強度が半減するまで、水浸試験を続け、その試験時間(水に浸す時間)を、応力発光粒子の発光強度が半減する時間と設定することで評価する方法を用いることができる。
また、耐水性が向上するとは、耐水性被膜が形成された応力発光粒子を用いた応力発光シートの半減時間と、耐水性被膜が形成されていない応力発光粒子を用いた応力発光シートの半減時間とを比較し、その半減時間が、2.0倍以上となることを意味する。
なお、耐水性被膜の形成回数を増やして、形成される耐水性被膜の厚さを厚くすればするほど、耐水性を向上させることができるが、その作業の煩雑さや、耐水性の向上効果が飽和することを考慮し、目的とする半減時間としては、2.0倍以上10倍以下であることが好ましい。
上記耐水性材料としては、応力発光粒子の耐水性を向上できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、シランカップリング剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属アルコキシド、金属酸化物等を挙げることができる。
これらの耐水性材料については、それぞれ単独で用いても良く、混合して用いても良い。混合して用いる場合、耐水性被膜は、複数の耐水性材料の混合物を用いて形成された1層のみからなるものであっても良く、耐水性材料の異なる層を複数層含むものであっても良い。
上記シランカップリング剤としては、応力発光粒子の耐水性を向上可能なものであれば特に限定されるものではないが、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するもの、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ基を有するもの、P−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基を有するもの、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル基を有するもの、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリル基を有するもの、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するもの、さらには、トリメチルシリルクルロライド、ヘキサメチルジシラザン、BSTFA(N、O―ビスートリメチルシリルートリフルオロアセトアミド)、トリエチルシリルクロライド、クロロメチルトリメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、ヘキサメチルジシラン、N、N´−ビストリメチルシリル尿素等を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、応力発光粒子の耐水性を向上可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリベンジルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリイソブチルアクリレート等のアクリル酸エステル樹脂、硝酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、アクリルアミド樹脂、およびポリスチレン樹脂等を挙げることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、応力発光粒子の耐水性を向上可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、およびフッ素化樹脂等が挙げられる。
上記金属アルコキシドを構成する金属元素としては、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、および、ケイ素を挙げることができる。
上記アルコキシドの種類としては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、オキシイソプロポキシド、ブトキシド等を用いることができる。
上記金属アルコキシドとしては、具体的には、テトラエトキシシランまたはテトラメトキシシランを部分的に加水分解および縮合することにより得られるエチルシリケートおよびメチルシリケート等を用いることができる。
本態様においては、上記金属アルコキシドが、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエチルシリケート、テトラメチルシリケート、アルミニウムトリイソプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド等であることが好ましい。応力発光粒子を耐水性に優れたものとすることができるからである。
上記金属酸化物としては、アルミナ、二酸化チタン等を挙げることができる。
上記耐水性被膜の厚みは、所望の耐水性を得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜10μmの範囲内とすることができる。
上記耐水性被膜の形成方法としては、応力発光粒子の表面を覆う耐水性被膜を精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではない。
上記形成方法は、上記耐水性材料と、応力発光粒子とを混合する方法を用いることができる。
上記形成方法は、必要に応じて有機溶媒中で混合するものであっても良い。
上記形成方法は、上記耐水性材料が金属酸化物である場合には、化学的気相成長法(CVD法等)を用いることができる。
上記有機溶媒としては、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン、オキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等を好ましく用いることができ、なかでも、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤等を好ましく用いることができる。
上記有機溶媒の水分含有量としては、応力発光粒子への耐水性被膜の被覆が可能なものであれば特に限定されるものではないが、0.5質量%未満であることが好ましい。有機溶媒中の水分による応力発光粒子の発光特性の低下を抑制できるからである。
上記応力発光粒子の含有量としては、所望の発光強度の応力発光層を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、応力発光層を印刷法を用いて形成する場合には、印刷方法によっても異なるものである。上記含有量は、例えば、応力発光層中に1質量%〜50質量%の範囲内とすることができる。
上記応力発光粒子の含有量の種類が、1種類であること、すなわち、応力発光粒子の含有量が応力発光層内で均一であっても良いが、2種類以上であること、すなわち、上記応力発光層が上記応力発光粒子の含有量の異なる部位を有することが好ましい。応力発光層を発光強度の異なる領域を有するものとすることで、応力発光シートを偽造防止効果等に優れたものとすることができるからである。
より具体的には、既に説明した図3における応力発光層3を、xで示される領域とyで示される領域とで応力発光粒子の含有量が異なるものとすることができる。
さらに、上記応力発光層が同一の応力発光シートに2層以上積層される場合、各応力発光層における応力発光粒子の含有量の種類は同一であっても良く、異なるものであっても良い。
上記応力発光粒子の形成方法としては、所望の形状の応力発光粒子を形成できる方法であればよい。上記形成方法は、例えば、応力発光材料を構成する成分を含む応力発光材料組成物を焼成して、シート状の応力発光材料を形成し、次いで、粉砕および分級等することにより、応力発光粒子を得る方法を用いることができる。
シート状の応力発光材料の粉砕方法としては、ボールミル、ロッドミル、自生粉砕ミル、SAG(準自生粉砕)ミル、高圧粉砕ロール、縦軸インパクタ(VSI)ミル等の粉砕機を用いる方法を挙げることができる。
本態様においては、なかでも、上記粉砕方法が縦軸インパクタ(VSI)ミルを用いる方法であることが好ましい。応力発光粒子の形状が複雑な形となりやすく、また、応力発光粒子の表面に粗い凹凸形状を形成し易いからである。
上記縦軸インパクタ(VSI)ミルは、衝撃歯を高速回転させ、衝撃力によって原料を粉砕する微粉砕機であり、例えば、直径100mm〜1000mmの回転盤を500回転/分〜10000回転/分で高速回転させるものを用いることができる。
なお、上記応力発光材料組成物の焼成方法等については、応力発光材料の形成に一般的に用いられる方法を使用できる。
(b)バインダ樹脂
上記バインダ樹脂としては、上記応力発光粒子を安定的に分散および固定でき、応力発光粒子から発光した光を透過可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂等を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂としては、例えば、上記「(a)応力発光粒子」の項に記載の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
また、上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂等と共重合させたもの、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の分子内にシロキサン結合やフッ素原子を導入したものも用いることができる。
上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用でき、さらに、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよい。
上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルトもしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができる。
上記電離放射線硬化性樹脂は、架橋構造を導入するかもしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
上記バインダ樹脂は、1種類のみを用いるものであっても良く、2種類以上を組み合わせて用いるものであっても良い。
例えば、上記バインダ樹脂が、応力発光粒子を覆うように配置された第1バインダ樹脂と、第1バインダ樹脂により覆われた応力発光粒子を分散する第2バインダ樹脂とを有するものとすることができる。
上記バインダ樹脂および上記応力発光粒子の屈折率差としては、応力発光粒子からの発光光をバインダ樹脂が透過できるものであれば特に限定されるものではないが、0.3以下であることが好ましく、なかでも、0.1以下であることが好ましい。上記屈折率差が上述の範囲内であることで、バインダ樹脂および応力発光粒子の界面における応力発光粒子からの発光光の反射率を小さくすることができる。このため、応力発光層を応力発光粒子からの発光光を効率よく透過可能なものとすることができるからである。
また、上記バインダ樹脂が第1バインダ樹脂および第2バインダ樹脂を含む場合には、上記第1バインダ樹脂および第2バインダ樹脂の間の屈折率差も小さいことが好ましい。第1バインダ樹脂と第2バインダ樹脂との界面における応力発光粒子からの発光光の反射率を小さくすることができるからである。具体的には、上記第1バインダ樹脂および第2バインダ樹脂の屈折率差は、上記バインダ樹脂および上記応力発光粒子屈折率の屈折率差と同様とすることができる。
上記バインダ樹脂の体積弾性率は、上記応力発光粒子の体積弾性率より大きいことが好ましい。応力発光シートに応力を加えた際に、応力発光層に付加された変形を応力発光粒子に効果的に伝えることができ、応力発光層を発光効率に優れたものとすることができるからである。
(c)その他の成分
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を有するものであるが、必要に応じて他の材料を含有するものであっても良い。
上記他の材料としては、顔料等の着色材、硬化促進剤、滑剤、光安定剤、酸化安定剤、香料、紫外線吸収剤等の添加剤を挙げることができる。
また、上記他の材料は、上記バインダ樹脂が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である場合には、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、シリコーンオイル、シリコーンパウダー微粒子、フッ素パウダー微粒子を含むことができる。
上記フッ素化樹脂としては、完全フッ素化樹脂として四フッ素化樹脂、部分フッ素化樹脂として三フッ素化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、フッ素化樹脂共重合体としてペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などを用いることができる。
なお、上記他の材料の含有量は、応力発光層を応力発光粒子から発光した光を透過可能なものとすることができる範囲内で調整することができる。
(2)その他
上記応力発光層は、パターン状に形成されていないもの、すなわち、応力発光層が基材の全面を覆うように形成されるものであっても良いが、パターン状に形成されることが好ましい。上記応力発光層がパターン状に形成されていることにより、応力発光シートに応力を加えた際に、応力発光層を平面視上パターン状に発光可能なものとすることができる。このため、上記応力発光層がパターン状に形成されていることで、応力発光シートを偽造防止効果等に優れたものとすることができるからである。
図4は本態様の応力発光シートの他の例を示す概略平面図であり、図5は図4のA1−A1線断面図である。
既に説明した図1は、応力発光層3が基材1の全面に形成される例を示すものであり、図4および図5は、応力発光層3がパターン状に形成される例を示すものである。また、図4および図5では、応力発光層3がパターン状に形成されている領域以外には、応力発光層3と同一平面上に他の層が形成されていない例を示すものである。
なお、図4および図5中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記応力発光層がパターン状に形成される場合、応力発光層の平面視形状としては、本態様の応力発光シートの種類および用途等に応じて適宜設定することができる。
例えば、応力発光層の平面視形状は、ドット状、ライン状等とすることができる。また、ドット状の応力発光層の平面視形状は、円形状、四角形状等の任意の形状とすることができる。
また、応力発光層の平面視形状は、記号、文字等を表わすものとすることができる。上記応力発光層の平面視形状は、例えば、ライン状の応力発光層を用いて文字等を表わすものとしたり、ドット状の応力発光層を用いて文字等を表わすものであっても良い。また、文字等を用いて所定の情報を表わすものであっても良い。
さらに、上記応力発光層が同一の応力発光シートに2層以上含まれる場合、各応力発光層の平面視形状は同一であっても良く、異なるものであっても良い。
既に説明した図4および図5は、応力発光層3の平面視形状がライン状である場合の例を示すものである。
上記応力発光層がパターン状に形成される場合、応力発光層の幅としては、所望のパターン形状に発光可能なものであれば特に限定されるものではなく、本態様の応力発光シートの種類および用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記応力発光層の厚みは、所望の発光強度の応力発光層とすることができるものであれば特に限定されるものではないが、通常、0.1μm〜6μmの範囲内とすることができ、なかでも0.1μm〜4μmの範囲内であることが好ましい。
上記応力発光層は、応力発光粒子が発する所定の波長の光に対して透明性があればよい。
上記応力発光層の全光線透過率は、20%以上であることが好ましく、なかでも、60%以上であることが好ましく、特に、90%以上であることが好ましい。応力発光層を発光強度に優れたものとすることが容易だからである。
ここで、上記応力発光層の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
上記応力発光層の形成数としては、1つの応力発光シートに1層以上であればよいが、2層以上であること、すなわち、本態様の応力発光シートが2層以上積層された応力発光層を有するものであっても良い。応力発光粒子の種類および含有量、応力発光層の平面視形状等の異なる応力発光層の形成を容易に行うことが可能となり、応力発光シートを偽造防止効果等に優れたものとすることができるからである。
なお、既に説明した図3、図4および図5のように、同一平面上に形成された複数の応力発光層は、1層の応力発光層とみなすものである。
上記応力発光層の形成方法としては、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有されているものとすることができる方法であれば特に限定されるものではない。
上記形成方法としては、例えば、応力発光層の構成材料である応力発光粒子およびバインダ樹脂等を溶媒に分散または溶解することで応力発光インキを形成し、この応力発光インキを再帰反射層上に塗布し、その応力発光インキの塗膜から溶媒を乾燥により応力発光層を形成する方法を挙げることができる。
さらに、上記形成方法は、応力発光層および再帰反射層を同時に形成する方法であっても良い。応力発光層および再帰反射層を同時に形成する方法としては、より具体的には、応力発光粒子、バインダ樹脂および再帰反射用粒子等を溶媒に分散または溶解することで混合インキを形成し、この混合インキを基材上に塗布し、その混合インキの塗膜から溶媒を乾燥すると同時に、再帰反射用粒子を塗膜内で沈殿させることで、再帰反射用粒子が基材側に高濃度となるように含まれ、応力発光粒子が基材側とは反対側に高濃度となるように含まれる混合層を形成する方法を挙げることができる。
また、上記応力発光層がパターン状に形成される場合、上記形成方法は、応力発光インキを印刷法等を用いてパターン状に塗布する方法を用いることができる。
上記印刷法としては、所望のパターン形状の応力発光層を形成できる印刷法であれば特に限定されるものではないが、例えば、凹版、凸版、オフセット、スクリーン、グラビア、フレキソによる印刷もしくはインクジェット印刷、スプレー印刷またはコーティング等の印刷法を挙げることができる。
上記溶媒としては、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、t−ブチルセルソルブ等)、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール誘導体、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン等)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチル−3−エトキシプロピオネート等)等を挙げることができる。
また、上記バインダ樹脂として、水溶性樹脂を用いた場合には、溶媒として、水および/または、メタノール、エタノール、プロパノール、ブチルアルコール等の低級アルコール、グリコール類、セルソルブ類等を用いることができる。
上記応力発光インキの形成方法としては、応力発光粒子およびバインダ樹脂等を溶媒に安定的に分散または溶解できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、バインダ樹脂を溶媒中に分散または溶解させた後、応力発光粒子を添加して撹拌する方法を挙げることができる。
上記乾燥の方法としては、溶媒を十分に除去できる方法であれば特に限定されるものではないが、自然乾燥、40℃〜80℃の接触加熱乾燥、40℃〜200℃の熱風乾燥、真空乾燥等の方法を用いることができる。また、上記乾燥の方法は、紫外線照射や、電子線照射による硬化反応を利用する乾燥等を単独で用いても、併用してもよい。
2.再帰反射層
本態様における再帰反射層は、上記基材の一方の表面上に形成されるものである。
上記再帰反射層は、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有するものである。
(1)再帰反射層を構成する構成材料
上記再帰反射層は、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有するものである。
上記再帰反射用粒子としては、応力発光層からの発光光を再帰反射させることが可能なものであれば特に限定されるものではなく、再帰反射層の形成に一般的に用いられるものを使用することができ、具体的には、ガラスビーズを用いることができる。
上記再帰反射用粒子の平均一次粒径としては、例えば、1μm〜300μmの範囲内とすることができ、なかでも、20μm〜300μmの範囲内であることが好ましく、特に、75μm〜110μmの範囲内であることが好ましい。応力発光粒子からの発光光を効率的に反射できるからである。
なお、平均一次粒径の測定方法は、上記応力発光粒子の平均一次粒径の測定方法と同様の方法を用いることができる。
上記再帰反射用粒子の形状としては、通常、入射光をビーズ内で屈折させてビーズ球面に焦点を結ばせ、反射光となって再帰させることが可能なものであれば特に限定されるものではないが、通常、球形である。
上記再帰反射用粒子の屈折率は、入射光をビーズ内で屈折させてビーズ球面に焦点を結ばせ、反射光となって再帰させることが可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、1.5〜2.5の範囲内とすることができる。上記屈折率が上述の範囲内であることにより、入射光を同一方向に再帰反射することが容易だからである。
上記再帰反射用粒子の含有量としては、再帰反射層内に30質量%〜85質量%の範囲内とすることができる。
上記樹脂材料は、上記再帰反射用粒子を分散し、保持することができ、上記応力発光粒子からの発光光を透過できるものであれば特に限定されるものではない。上記樹脂材料としては、再帰反射用粒子との接着性に富み、透明な膜を形成し得る樹脂材料であれば良く、例えば、アクリル系、ウレタン系、ビニル系、エポキシ系、シリコーン系、ポリエステル系、オレフィン系、ゴム系等の樹脂材料を挙げることができる。
上記樹脂材料の含有量としては、再帰反射層内に5質量%〜30質量%の範囲内とすることができる。
上記再帰反射層は、上記再帰反射用粒子および上記樹脂材料を少なくとも含むものであるが、必要に応じてその他の成分を含有するものであってもよい。
上記その他の成分としては、例えば、顔料、染料等の着色剤、マイカ、アルミニウム粒子等の反射性無機粒子、上記再帰反射用粒子および上記樹脂材料の接着性を向上するシランカップリング剤、分散剤等を挙げることができる。
(2)再帰反射層
上記再帰反射層の厚みは、応力発光層からの発光光を再帰反射させることが可能なものであれば特に限定されるものではない。上記厚みは、例えば、1μm〜500μmの範囲内とすることができる。
上記再帰反射層は、パターン状に形成されていないもの、すなわち、再帰反射層が基材の全面を覆うように形成されるものであっても良いが、パターン状に形成されることが好ましい。上記再帰反射層がパターン状に形成されていることにより、応力発光シートに応力を加えた際に、応力発光層からの発光光の発光強度を再帰反射層のパターン状に上げることが可能となる。このため、上記再帰反射層がパターン状に形成されていることで、応力発光シートを偽造防止効果等に優れたものとすることができるからである。
また、再帰反射層がパターン状に形成されている場合の再帰反射層の平面視形状およびその幅としては、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
なお、既に説明した図4および図5は、上記再帰反射層がパターン状に形成されている例を示すものであり、再帰反射層および応力発光層が平面視上同一のパターン形状に形成されるものである。
上記再帰反射層の平面視上の面積と、上記応力発光層の平面視上の面積は、同一であってもよく、いずれかが大きいものであってもよい。例えば、平面視上、再帰反射層の面積は、応力発光層の面積よりも大きく、再帰反射層が応力発光層から露出するものであってもよい。
上記再帰反射層の形成方法としては、上記再帰反射用粒子および樹脂材料が含有されているものとすることができる方法であれば特に限定されるものではなく、上記「1.応力発光層」の項に記載の応力発光層の形成方法と同様の方法を用いることができる。
具体的には、上記形成方法は、再帰反射層形成用インキを印刷法等を用いて上記再帰反射層を形成する方法を挙げることができる。
また、上記再帰反射層形成用インキとしては、上記再帰反射用粒子および上記樹脂材料等の再帰反射層を構成する構成材料を溶媒等に分散または溶解したものを用いることができる。上記再帰反射層形成用インキの市販品としては、具体的には、十条ケミカル株式会社製COLOSER再帰反射性インキを挙げることができる。
3.基材
本態様における基材は、応力発光層および再帰反射層を支持するものである。
上記基材は、応力発光粒子が発する所定の波長の光に対して透明性を有する透明性基材であっても、所定の波長の光に対して遮光性を有する遮光性基材であっても良いが、通常、遮光性基材が用いられる。
上記基材の構成材料は、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、応力発光層および再帰反射層を製造する際の加工に耐える耐溶剤性および耐熱性を有するもの、さらには、応力発光層との接着性が良好なものが好ましい。
上記基材の構成材料は、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、トリアセチルセルロース(TAC)等を挙げることができる。
上記基材の厚みは、本態様の応力発光シートの用途や種類等に応じて適宜選択されるものであるが、1.0μm〜50μmの範囲内とすることができ、なかでも1.0μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。応力発光シートを可撓性を有するものとすることが容易だからである。
上記基材は、基材上に形成される他の層との密着性を向上する目的で、基材の表面に例えばコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理、アンカーまたはプライマー処理等の表面処理が施されていてもよい。
上記プライマー処理により用いられるプライマー剤としては例えばウレタン系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系等の各種のプライマー剤が知られており、これらの中から基材に合わせたものを選んで使用することができる。
4.その他の構成
本態様の応力発光シートは、上記基材、上記応力発光層および上記再帰反射層を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
(1)充填層
本態様の応力発光シートは、応力発光層がパターン状に形成されている場合に、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を含むことができる。パターン状に形成されている応力発光層の存在を隠ぺいすることができ、応力発光シートを偽造防止効果等により優れたものとすることができるからである。
図6は、本態様の応力発光シートの他の例を示す概略平面図であり、図7は、図6のA2−A2線断面図である。図6および図7では、応力発光層3がパターン状に形成され、応力発光シート10が応力発光層3と同一平面上に形成された充填層4を有する例を示すものである。
なお、図6および図7中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記充填層は、上記応力発光層と同一平面上に形成されるものである。
ここで、同一平面上に形成されるとは、応力発光層が形成されている平面と同一平面上に形成されることをいうものであり、平面視上、応力発光層が形成されていない箇所に形成されることをいうものである。
例えば、既に説明した図6および図7において、応力発光層3および充填層4の両者が再帰反射層2の同一表面上に再帰反射層2と接するように形成されるように、充填層4は応力発光層3と共に同一の部材の同一表面上に形成されるものとすることができる。
また、充填層は、上記応力発光層の存在を隠ぺいするために用いられるものであり、充填層の形成により、充填層の形成前より応力発光層の存在を目立たないものとするものである。
上記充填層の色は、応力発光層の存在を隠ぺいできるものであれば良く、単色であっても、多色であっても良いが、充填層の色を応力発光層の色と同系色、さらには同色とするとの観点からは、単色であることが好ましい。
上記充填層の色は、単色である場合、上記応力発光層の色と同系色であることが好ましく、なかでも、上記応力発光層の色と同色であることが好ましい。上記色が上述の色であることにより、上記充填層の色がパターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となる等、応力発光シートを偽造防止効果等により優れたものとすることができるからである。
同系色であるとは、JISZ8730に規定されるL表色系における色差が20以内の色であることをいうものである。また、同色であるとは、上記色差が0.5以内の色であることをいうものである。
また、応力発光層の色は、発光していない状態での色をいうものである。
また、充填層の色は、充填層により絵柄を表わすものとし、応力発光層が形成された領域を絵柄の一部として認識されるもの等とするものであっても良い。応力発光シートを意匠性に優れたものとしつつ、かつ、パターン状に形成された応力発光層の存在を隠ぺいすることが可能となるからである。
上記充填層の構成材料は、所望の色の充填層を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、樹脂材料を含むものとすることができる。また、上記構成材料は、必要に応じて、白色顔料およびその他の成分を含むものとすることができる。
本態様においては、なかでも、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点から、上記構成材料が白色顔料を有することが好ましい。応力発光層に含まれる応力発光粒子は、一般的に、白色であることから、白色顔料を有することで、充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
上記白色顔料としては、応力を加えた際にも発光しない性質を有するものであればよく、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等を挙げることができる。
上記白色顔料の粒子径および含有量としては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることができるものであれば特に限定されるものではない。上記粒子径および含有量は、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載の応力発光粒子の粒子径および含有量の内容と同様とすることができる。
上記樹脂材料は、一般的な樹脂材料を用いることができ、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載のバインダ樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
本態様においては、なかでも、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記樹脂材料が応力発光層に含まれるバインダ樹脂と同一であることが好ましい。充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
また、上記その他の成分としては、樹脂材料と共に一般的に用いられる添加剤等を挙げることができ、上記「1.応力発光層」の項に記載の他の材料と同様の材料を用いることができる。
本態様においては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記その他の成分が、上記応力発光層に含まれる他の材料と同一であることが好ましく、なかでも、上記その他の成分の上記樹脂材料に対する含有比率が、上記応力発光層に含まれる他の材料の上記応力発光層に含まれるバインダ樹脂に対する含有比率と同一であることが好ましい。
より具体的には、例えば上記応力発光層が着色材を含む場合、上記充填層は、上記応力発光層に含まれる着色材と同一の着色材を含むことが好ましく、さらに充填層における着色材の樹脂材料に対する含有比率は、上記応力発光層における着色材の上記バインダ樹脂に対する含有比率と同一であることが好ましい。充填層を応力発光層と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
上記充填層の可視光領域における透過率としては、上記応力発光層を隠ぺいできるものであれば特に限定されるものではない。上記透過率は、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。本態様においては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記応力発光層と同一であることが好ましい。
上記充填層の厚みは、上記応力発光層を隠ぺいできるものであれば特に限定されるものではない。上記厚みは、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。本態様においては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記厚みは上記応力発光層の厚みと同一であることが好ましい。充填層の色を応力発光層の色と同系色とすることが容易であり、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
上記充填層の平面視上の形成箇所は、応力発光層が形成されていない箇所であれば特に限定されるものではなく、例えば、応力発光層が形成されていない箇所の全てを含むものであって良く、応力発光層が形成されていない箇所の一部を含むものであっても良い。
図8は、応力発光層および充填層が直接接するように形成されるものであり、充填層の平面視上の形成箇所が、応力発光層が形成されていない箇所の全てを含む例を示すものである。既に説明した図6および図7は、応力発光層および充填層が直接接しないように形成されるものであり、充填層の平面視上の形成箇所が、応力発光層が形成されていない箇所の一部を含む例を示すものである。
なお、図8中の符号については、図7のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記充填層は、上記応力発光層が同一の応力発光シートに2層以上含まれる場合、一部の応力発光層に対して形成されるものであっても良いが、全ての応力発光層に対して形成されるものであることが好ましい。応力発光層の存在を効果的に隠ぺいできるからである。
例えば、応力発光シートが2層の応力発光層を含む場合、上記充填層は、2層の応力発光層のそれぞれに対して同一平面上に形成され、2層の応力発光層の両者が充填層により隠ぺいされたものとすることが好ましい。
上記充填層の形成方法としては、上記充填層を上記応力発光層と同一平面上に安定的に形成できる方法であればよく、例えば、上記応力発光層の形成方法と同様の方法を用いることができる。
上記形成方法としては、例えば、充填層形成用インクを調製し、印刷法等を用いて充填層形成用インクの塗膜を形成し、次いで、塗膜を乾燥すること等により充填層を得る方法を挙げることができる。
また、応力発光層および充填層の形成順は特に限定されるものではなく、いずれを先に形成するものであっても良く、同時に形成するものであっても良い。
(2)隠ぺい層
本態様の応力発光シートは、上記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成され、上記応力発光層の存在を隠ぺいする隠ぺい層を含むことができる。応力発光層を覆うように形成される隠ぺい層を有することにより、パターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となる等、応力発光シートを偽造防止効果等により優れたものとすることができるからである。
既に説明した図8は、応力発光シート10が、基材1、再帰反射層2、応力発光層3、充填層4および隠ぺい層5を有し、応力発光シート10が応力発光層3の上記再帰反射層2とは反対側の表面上に形成された隠ぺい層5を有する例を示すものである。
上記隠ぺい層は、上記応力発光層の存在を隠ぺいするものである。
また、上記隠ぺい層は、上記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成されるものである。
このような隠ぺい層の色としては、例えば、応力発光層の存在を隠ぺいすることができるものであれば特に限定されるものではなく、単色であっても、多色であっても良い。
上記隠ぺい層の色は、上記応力発光層の色と同系色であっても、非同系色であっても良い。上記隠ぺい層の色が、例えば、同系色であることで、応力発光シートを平面視した際に、パターン状に形成された応力発光層およびその周辺の領域間の色差を小さくすることができ、応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることを可能とすることができるからである。
本態様においては、なかでも、隠ぺい層の色が、応力発光層の色よりも明度が低いことが好ましい。パターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となる等、応力発光シートを偽造防止効果等により優れたものとすることができるからである。上記隠ぺい層の色が応力発光層の色と非同系色であり、かつ、明度が低い場合の例としては、例えば、応力発光層が乳白色である場合に対して、紫色の隠ぺい層を用いる場合を挙げることができる。
また、隠ぺい層の色は、隠ぺい層により絵柄を表わすものとし、パターン状に形成された応力発光層を絵柄の一部として認識されるもの等とするものであっても良い。意匠性に優れつつ、かつ、パターン状に形成された応力発光層の存在を隠ぺいすることが可能となるからである。
上記隠ぺい層の構成材料としては、所望の色の隠ぺい層を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、樹脂材料を含むものとすることができる。また、上記構成材料は、必要に応じて、白色顔料およびその他の成分を含むものとすることができる。
なお、上記樹脂材料、白色顔料およびその他の成分としては、上記「(1)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
上記隠ぺい層の可視光領域における透過率としては、上記応力発光層を隠ぺいしつつ、応力発光層からの発光を透過できるものであれば特に限定されるものではない。上記透過率は、例えば、上記「(1)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記隠ぺい層の厚みは、所望の色の隠ぺい層を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、上記「(1)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
上記隠ぺい層の平面視上の形成箇所は、上記応力発光層と平面視上重なる箇所を含むものであればよく、上記応力発光層が形成されている箇所の全てを含むものであっても良く、上記応力発光層が形成されている箇所の一部を含むものであっても良い。また、上記平面視上の形成箇所は、上記応力発光層が形成されている箇所および充填層が形成されている箇所の両者を含むものであっても良い。
上記隠ぺい層の応力発光層に対する厚み方向の形成位置は、上記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成されるものであればよく、応力発光層の一方の表面側のみであっても良く、両方の表面側であっても良い。
また、上記隠ぺい層は、応力発光層に接するように形成されるものであっても良く、他の層を介して形成されるものであっても良い。
なお、既に説明した図8は、隠ぺい層が、応力発光層の一方の表面側のみに形成され、かつ、応力発光層と接するように形成される例を示すものである。また、図8は、隠ぺい層の平面視上の形成箇所が応力発光層が形成されている箇所の全てを含む場合の例を示すものである。
(3)その他
上記その他の構成は、応力発光シートに一般的に用いられるものを含むことができる。上記その他の構成としては、例えば、再帰反射層および基材の間等の各構成間を接着する層間接着剤層、紫外線吸収層、印刷層、応力発光層からの発光により励起可能な蛍光材料を含む蛍光層、応力発光層以外からの発光により励起可能な蛍光材料を含む蛍光層、応力発光層を保護する保護層、上記再帰反射層がパターン状に形成される場合に上記再帰反射層と同一平面上に形成される再帰反射層用充填層等を挙げることができる。
上記再帰反射層用充填層としては、透明樹脂層、着色樹脂層等を用いることができる。また、上記再帰反射層用充填層としては、上記再帰反射層上に形成される応力発光層と同一組成の層や上記応力発光層と同一平面上に形成される充填層と同一組成の層を用いるものであっても良い。
また、上記その他の構成としては、応力発光層および充填層を覆うように形成され、上記充填層と一体で形成された被覆充填層、再帰反射層および再帰反射層用充填層を覆うように形成され、上記再帰反射層用充填層と一体で形成された被覆再帰反射層用充填層を挙げることができる。上記被覆充填層および再帰反射層用被覆充填層は、それぞれ、充填層および再帰反射層用充填層を応力発光層および再帰反射層よりも厚みが厚く、これらを覆うように形成されたものとすることができる。
図9(a)は、応力発光シート10が、応力発光層3および応力発光層3の厚みと同一の厚みの充填層4を覆うように形成された、接着層6aとしてのヒートシール層を有し、さらに、再帰反射層2および再帰反射層2の厚みと同一の厚みの再帰反射層用充填層4aを覆うように形成された、接着層6bとしてのヒートシール層を有する例を示すものである。
また、図9(b)は、応力発光シート10が、応力発光層3および充填層4を覆うように形成され、充填層4と一体で形成された被覆充填層4bを有し、さらに、再帰反射層2および再帰反射層用充填層4aを覆うように形成され、再帰反射層用充填層4aと一体で形成された再帰反射層用被覆充填層4cを有する例を示すものである。
このような被覆充填層および再帰反射層用被覆充填層を、例えば、保護層として用いることにより、本態様の応力発光シートは、耐擦過性に優れ、応力発光シート製造時や使用時に応力発光層や再帰反射層に傷が付き難いものとすることができる。また、充填層または再帰反射層用充填層と一体で形成されたものであることにより、被覆充填層および再帰反射層用被覆充填層は、形成容易なものとなる。
なお、上記その他の構成は、2種類以上を兼ねるものであってもよい。例えば、図9(a)では接着層6としてヒートシール層を有する例を示したが、図9(a)におけるヒートシール層6は、例えば、隠ぺい層、保護層、蛍光層、印刷層等として使用されるものであってもよい。また、図9(b)では、被覆充填層4bおよび再帰反射層用被覆充填層4cを保護層として用いる例を示したが、図9(b)における被覆充填層4bおよび再帰反射層用被覆充填層4cは、ヒートシール層等の接着層や、隠ぺい層等として使用されるものであってもよい。
5.応力発光シート
本態様の応力発光シートは、応力発光シートを単独で使用するものであってもよいが、被着体に接着して使用するものであってもよい。
上記被着体に接着して使用する態様としては、被着体との接着に用いられる接着層を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、上記基材の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された接着層を有する態様(第1使用態様)、上記基材の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層の上記基材とは反対側の表面上に形成された第2基材と、上記第2基材の上記脆質層とは反対側の表面上に形成された接着層と、を有する態様(第2使用態様)、上記基材の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層と同一平面上に形成された第1接着層と、上記脆質層および上記第1接着層の上記基材とは反対側の表面上に形成された第2基材と、上記第2基材の上記脆質層および上記第1接着層とは反対側の表面上に形成された第2接着層と、を有し、上記基材を切断する切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層と平面視上重なるように形成され、上記切れ込み部が、上記第1接着層を平面視上囲むように形成されている態様(第3使用態様)等を挙げることができる。
(1)第1使用態様
本態様の応力発光シートの第1使用態様は、上記基材の再帰反射層とは反対側の表面上に形成された接着層を有する態様である。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図10は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略断面図である。図10に例示するように、本態様の応力発光シート10は、上記基材1の上記再帰反射層2とは反対側の表面上に形成された接着層6を有するものである。
なお、図10中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例においては、上記接着層6の基材1とは反対側の表面上に形成された剥離シート7を有するものである。
本態様によれば、上記接着層を有することにより、応力発光シートを偽造防止効果または意匠性が要求される被着体に容易に貼付可能とすることができる。
また、被着体に貼付した応力発光シートを剥離する際に応力発光層に加わる応力により応力発光層を発光させることで、応力発光シートを偽造防止効果および意匠性等を発揮するものとすることができる。
このような本態様の応力発光シートの具体的な用途としては、チケットやブランド品等に貼り付けて、応力を付与した際または剥離する際の発光により真贋判定を行う用途、意匠性を付与する用途等を挙げることができる。
上記接着層に含まれる接着成分としては、応力発光シートに一般的に用いられるものを使用することができ、例えば、圧力を付与することで接着効果を発揮する感圧接着剤、加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤等を挙げることができる。
上記感圧接着剤としては、上記応力発光シートを被着体等に安定的に貼付することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム系樹脂、合成ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリル、炭化水素樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン系樹脂を挙げることができる。
上記感熱接着剤としては、上記応力発光シートを被着体等に安定的に貼付することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。
上記接着層は、上記接着成分以外に必要に応じて他の成分を含むものであっても良い。
上記接着層の厚みとしては、所望の接着性を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、本態様の応力発光シートの用途および種類等に応じて適宜設定されるものである。
上記接着層の平面視上の形成箇所としては、応力発光シートを被着体に安定的に貼付することができるものであれば特に限定されるものではない。
上記形成箇所は、上記基材の全面を含むもの、上記基材の一部を含むもの等とすることができる。
本態様の応力発光シートは、上記接着層の上記基材とは反対側の表面上に形成された剥離シートを有するものであっても良い。上記剥離シートが形成されていることにより、上記応力発光シートを目的の被着体に接着させる前に、目的外の被着体に接着すること等を防止することができるからである。
上記剥離シートとしては、紙層または樹脂層等の支持基材上にシリコーン層の離形層が形成されたものを挙げることができる。
(2)第2使用態様
本態様の応力発光シートの第2使用態様は、上記基材の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層の上記基材とは反対側の表面上に形成された第2基材と、上記第2基材の上記脆質層とは反対側の表面上に形成された接着層と、を有する態様である。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図11は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略断面図である。図11に例示するように、本態様の応力発光シート10は、上記基材1の上記再帰反射層2とは反対側の表面上に形成された脆質層8と、上記脆質層8の上記基材1とは反対側の表面上に形成された第2基材1bと、上記第2基材1bの上記脆質層8とは反対側の表面上に形成された接着層6と、を有するものである。
なお、図11中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例においては、上記接着層6の上記基材1とは反対側の表面上に剥離シート7を有するものである。
本態様によれば、上記基材および上記第2基材の間に上記脆質層を有することにより、応力発光シートを上記基材および上記第2基材の間で容易に剥離可能なものとすることができる。
また、上記基材および上記第2基材の間を剥離する際に応力発光層に加わる応力により応力発光層を発光させることで、応力発光シートを偽造防止効果および意匠性等を発揮するものとすることができる。
このようなことから、上記応力発光シートを、上記基材および上記第2基材の間で容易に分離および剥離するとともに、上記応力発光層を発光可能なものとすることができ、偽造防止効果および意匠性に優れたものとすることができるからである。
このような本態様の応力発光シートの具体的な用途としては、チケットやブランド品等に貼り付けて、応力を付与した際の発光により真贋判定を行う用途、意匠性を付与する用途等を挙げることができる。
また、例えば、PETボトルのキャップ上面等に剥離可能に接着されたポイントシール等や、くじ等として貼り付けて、容易に剥離可能であるとともに、剥離の際の発光により真贋判定等を行う用途等を挙げることができる。
さらに、他の具体的な用途としては、化粧品、薬品等のパッケージに貼り付けることにより、上記応力発光シートを剥離する際に発光することで真贋判定等を行う用途等を挙げることができる。
上記脆質層としては、応力発光シートを上記基材および上記第2基材の間で容易に剥離できるものであればよく、例えば、特開2008−139716号公報に記載されるような、剥離層および凝集破壊性層等を用いることができる。
上記脆質層が、剥離層である場合、上記脆質層は、離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、電離放射線で架橋する硬化性樹脂などが適用できる。
上記離型性樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン、メラミン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、繊維素系樹脂等を挙げることができる。
上記離型剤を含んだ樹脂は、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン、各種のワックスなどの離型剤を、添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂等を挙げることができる。
上記電離放射線で架橋する硬化性樹脂は、例えば、紫外線(UV)、電子線(EB)などの電離放射線で重合(硬化)する官能基を有するモノマーやオリゴマーなどを含有させた樹脂等を挙げることができる。
上記脆質層が、凝集破壊性層である場合、上記脆質層の構成材料としては、天然ゴム系樹脂、ブチルゴム、ポリクロロプレンやスチレン−ブタジエン共重合樹脂などの合成ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジンや水素化ロジンなどのロジン系樹脂、ポリ酢酸ビニルやエチレン−酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリル、炭化水素樹脂などを挙げることができる。
上記脆質層の平面視上の形成箇所としては、応力発光シートを上記基材および上記第2基材の間で容易に剥離可能とするものであれば特に限定されるものではない。
上記脆質層の厚さとしては、通常は0.5μm〜15μmの範囲内、好ましくは1μm〜10μmの範囲内である。上記厚さが上述の範囲内であることにより、上記基材および上記第2基材の間で容易に剥離できるものとすることができるからである。
上記第2基材としては、上記脆質層等を安定的に形成でき、さらに、それを支持できるものであれば特に限定されるものではない。
また、上記接着層は、上記第2基材の上記脆質層とは反対側の表面上に形成され、被着体に接着可能なものであれば特に限定されるものではない。
このような第2基材および接着層は、具体的には、上記「3.基材」の項に記載の基材および上記「(1)第1使用態様」の項に記載の接着層の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(3)第3使用態様
本態様の応力発光シートの第3使用態様は、基材の再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層と同一平面上に形成された第1接着層と、上記脆質層および上記第1接着層の上記基材とは反対側の表面上に形成された第2基材と、上記第2基材の上記脆質層および上記第1接着層とは反対側の表面上に形成された第2接着層と、を有し、上記基材を切断する切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層と平面視上重なるように形成され、さらに、上記切れ込み部が上記第1接着層を平面視上囲むように形成されている態様である。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図12は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略平面図であり、図13は図12のA3−A3線断面図である。図12および図13に例示するように、本態様の応力発光シート10は、基材1の再帰反射層2とは反対側の表面上に形成された脆質層8と、上記脆質層8と同一平面上に形成された第1接着層6aと、上記脆質層8および上記第1接着層6aの上記基材1とは反対側の表面上に形成された第2基材1bと、上記第2基材1bの上記脆質層8および上記第1接着層6aとは反対側の表面上に形成された第2接着層6bと、を有し、上記基材1を切断する切れ込み部11が、上記再帰反射層2および上記応力発光層3と平面視上重なるように形成され、さらに、上記切れ込み部11が上記第1接着層6aを平面視上囲むように形成されるものである。
なお、図12および図13中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。また、図12では、説明の容易のため、再帰反射層および応力発光層の記載を省略するものである。
また、この例においては、第2接着層6bの基材1とは反対側の表面上に剥離シート7を有するものである。
本態様によれば、上記再帰反射層および上記応力発光層は箔切れ性に優れるため、上記基材に上記切れ込み部が形成されていることにより、上記基材を切断分離する際に、上記再帰反射層および上記応力発光層も容易に切断分離することが可能となる。
このため、上記基材に上記切れ込み部が形成されていることにより、上記応力発光シートを上記切れ込み部の形成箇所に沿って容易に分離することができる。また、上記応力発光層を上記切れ込み部の形成箇所に沿って容易に発光可能なものとすることができる。
また、上記切れ込み部が、上記接着層を平面視上囲むように形成されていることにより、上記切れ込み部の形成箇所に沿って分離された応力発光シートのうち、上記接着層が形成されている部位のみを被着体に残し、上記脆質層が形成されている部位のみを容易に剥離可能なものとすることができる。
さらに、上記切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層の両者と平面視上重なるように形成されていることにより、上記切れ込み部の存在を上記応力発光層および上記再帰反射層により隠ぺいすることができる。
このようなことから、上記応力発光シートを、上記切れ込み部の形成箇所に沿ってパターン状に容易に分離および剥離するとともに、上記切れ込み部の形成箇所に沿って発光可能なものとすることができ、偽造防止効果および意匠性に優れたものとすることができる。
このような本態様の応力発光シートのより具体的な用途としては、上記第2使用態様同様にポイントシール、くじ等として貼り付けたり、化粧品、薬品等のパーケージに貼り付けたりして、上記応力発光シートを剥離する際の発光により真贋判定等を行う用途を挙げることができる。
ここで、上記用途に用いた場合には、上記切れ込み部に沿って応力発光層をパターン状に発光させることが可能であることから、ポイントシール等をより高度な真贋判定等が可能なものとすることができる。
また、上記切れ込み部の形成箇所に沿って分離および剥離されることで、ポイントシール等をいったん剥離した後は剥離前の箇所への再貼付を困難なものとすることができる。このようなことからも、ポイントシール等をより高度な真贋判定等が可能なものとすることができる。
図14は、被着体に接着している本態様の応力発光シートの分離方法を説明する説明図であり、被着体20の表面に接着した応力発光シート10に対して、応力発光シート10の切れ込み部11の周囲の部位10bを所定の引っ張り力pで引っ張ることで(図14(a))、応力発光シート10の上記接着層6aが形成された部位10aを被着体20上に接着した状態で残し、応力発光シート10の切れ込み部11の周囲の部位10bを上記基材および上記第2基材の間で剥離して分離する例を示すものである(図14(b))。
なお、図14中の符号については、図13のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。また、この例では、上記脆質層8が、上記脆質層8および上記第2基材1bの間で剥離するものである例を示すものである。
上記切れ込み部は、上記基材を切断するものである。
ここで、上記切れ込み部の切断深さは、上記基材を厚み方向に貫通しないものであっても良いが、上記基材の厚みと同じ、すなわち、上記基材を厚み方向に貫通していることが好ましい。上記応力発光シートをより容易に分離可能なものとすることができるからである。
なお、既に説明した図13は、上記切れ込み部の基材に対する切断深さが上記基材の厚みと同じ、すなわち、上記基材を厚み方向に貫通する例を示すものである。また、既に説明した図14では、上記切れ込み部の上記基材、上記再帰反射層および上記応力発光層に対する切断深さが、それぞれの厚みと同じである例を示すものである。
上記切れ込み部の平面視上の形状としては、上記応力発光シートを容易に分離可能なものであれば特に限定されるものではないが、切れ込みが断続的に形成された破線状、点線状等、切れ込みが連続的に形成されたライン状等とすることができる。
既に説明した図12は、上記切れ込み部の平面視上の形状が直線状である例を示すものである。
上記切れ込み部の平面視上の形成箇所、すなわち、上記切れ込み部のパターン形状は、上記接着層を平面視上囲むものである。
ここで、上記接着層を平面視上囲むとは、上記切れ込み部が、上記接着層の端部と平面視上重なるように形成され、上記接着層が形成されている領域と同一箇所を囲むこと、または上記接着層の端部の外周を囲むように形成されることで、上記領域とその周辺領域を囲むことをいうものである。
また、切れ込み部が囲むとは、切れ込み部のみによって囲まれるもの以外に、切れ込み部および基材の端部によって囲まれるものも含むものである。
上記切れ込み部の形成方法は、上記基材に安定的に切れ込み部を形成可能な方法であれば特に限定されるものではない。上記形成方法は、上記基材に対して、切れ込み部を形成したい箇所に凸状の刃物が配置された原版を押し付けて、次いで、原版を剥離する方法を挙げることができる。
上記第1接着層は、上記脆質層と同一平面上に形成されていること以外は、上記「(1)第1使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、上記第2基材および上記脆質層としては、具体的には、上記「3.基材」および「(2)第2使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(4)その他の使用態様
本態様の応力発光シートを単独で使用する場合、上記応力発光シートを分離することなく使用するものであってもよいが、上記応力発光シートを分離し、その分離の際に応力発光層を発光させて使用するものであってもよい。
上記応力発光シートを分離し、その分離の際に応力発光層を発光させる使用態様としては、例えば、応力発光シートを平面視上切断するように設けられた切れ込み部を有する態様を挙げることができる。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図15は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略平面図であり、図16は図15のA4−A4線断面図である。
図15および図16に例示するように、本態様の応力発光シートは、上記切れ込み部が、上記基材1、再帰反射層2および応力発光層3の全ての層に形成されるものである。
なお、図15および図16中の符号については、図13のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例においては、上記切れ込み部11の平面視上の形状が破線状であるものである。
本態様によれば、上記切れ込み部を有することにより、上記応力発光シートを上記切れ込み部で容易に切断し、分離可能なものとすることができるとともに、上記切れ込み部で切断および分離する際に、上記切れ込み部の形成箇所に沿って上記応力発光層を容易に発光可能なものとすることができる。
このような本態様の応力発光シートのより具体的な用途としては、映画やコンサートのチケット等を挙げることができる。上記用途に用いた場合には、上記切れ込み部をチケットの半券を切断および分離する箇所に形成することで、チケット等を、半券の切断および分離と同時に、応力発光層の発光を確認可能とすることができ、真贋判定等を容易に実施可能なものとすることができる。
上記切れ込み部が形成される層としては、上記応力発光シートを構成する少なくとも一層であればよく、上記基材、上記再帰反射層および上記応力発光層の全てに形成されるものであっても良く、上記基材、再帰反射層および応力発光層の一部の層に形成されるものであっても良い。
上記切れ込み部が形成される層が、上記基材、上記再帰反射層および上記応力発光層の全てを含むことにより、上記応力発光シートで上記切れ込み部に沿って切断分離の容易なものとすることができるからである。
また、上記切れ込み部が形成される層が、上記基材、再帰反射層および応力発光層の一部の層に形成される例として、上記基材、再帰反射層および応力発光層のうち上記基材のみであり、上記基材を切断する切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層の両者と平面視上重なるように形成されている場合には、上記切れ込み部の存在を上記応力発光層および上記再帰反射層により隠ぺいすることができる。したがって、応力発光シートを偽造防止効果等により優れたものとすることができるからである。
上記切れ込み部の平面視上の形成箇所、すなわち、上記切れ込み部のパターン形状としては、本態様の応力発光シートの種類および用途に応じて適宜設定されるものである。
上記切れ込み部の平面視上の形状、応力発光シートの各構成に対する切断深さ、形成方法等については、上記「(3)第3使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
6.応力発光シートの製造方法
本態様の応力発光シートの製造方法としては、上記各構成を含む応力発光シートを精度良く製造できる方法であれば特に限定されるものではない。
上記製造方法としては、例えば、基材、再帰反射層および応力発光層をこの順で積層する方法を挙げることができる。
また、上記基材に切り込み部が形成されている応力発光シートの製造方法としては、まず、剥離シート、第1の接着層、第2基材、脆質層および第2接着層、ならびに基材がこの順で積層した積層体を準備し、上記積層体の上記基材側から、切り込み部を形成したい箇所に凸状の刃物が配置された原版を押し付けて、上記基材に切れ込み部を形成し、次いで、原版を剥離した後、上記積層体の上記基材上に、再帰反射層および応力発光層をこの順で形成する方法を挙げることができる。
7.用途
本態様の応力発光シートの用途としては、偽造防止用途および意匠性が求められる用いられるものとすることができ、クレジットカード、キャッシュカード等のカード等を挙げることができる。
また、応力発光シートを他の被着体に接着可能な接着層を有するものとし、被着体に貼付可能な応力発光シートラベル等として用いられるものであっても良い。
さらに、応力発光シートとして、ヒートシール層を有するものとし、被着体に転写可能な応力発光シート転写箔等として用いられるものであっても良い。
具体的には、本態様の応力発光シートを応力発光シート転写箔として用い、これを被着体に転写して偽造防止媒体を形成した場合、図17に例示するように、偽造防止媒体100としては、被着体101および接着層6としてのヒートシール層が被着体101と対向するように配置された応力発光シート10を有するものを挙げることができる。
また、上記被着体としては、偽造防止が要求されるものを挙げることができ、例えば、後述する応力発光シートの具体例として記載されるものを挙げることができる。
なお、図17(a)は、上記偽造防止媒体が紙幣として用いられる例を示す概略平面図であり、図17(b)は、図17(a)のA5−A5線断面図である。図17では、応力発光シート10は、接着層6としてのヒートシール層、基材1、再帰反射層2、パターン状の応力発光層3および充填層4、および隠ぺい層5をこの順で積層した構造を有し、接着層6を介して被着体101に転写したものである。また、図17では、ライン状の応力発光層3が数字「123」を表わすようにパターン状に形成され、上記偽造防止媒体100が、数字「500」を表わす印刷層104を有する例を示すものである。さらに図17(a)では説明の容易のため、隠ぺい層の記載を省略するものである。
また、本態様の応力発光シートは、紙層内に漉き込まれて埋設されるスレッド基材として用いてもよい。
本態様の応力発光シートをスレッド状に形成し、これを紙層内に漉き込んで埋設することで偽造防止媒体としての偽造防止用紙を形成した場合、図18に例示するように、偽造防止用紙200としては、紙層201と、上記紙層201内に漉き込まれて埋設された帯状のスレッド基材202と、を有し、上記紙層201の一方の表面には、上記スレッド基材202が平面視上露出する開口部203が形成され、上記スレッド基材202が応力発光シート10であるものとすることができる。
図18(a)は、偽造防止用紙が紙幣として用いられる例を示す概略平面図であり、図18(b)は、図18(a)のA6−A6線断面図である。図18では、スレッド基材としての応力発光シート10は、基材1、再帰反射層2、パターン状の応力発光層3および充填層4、および隠ぺい層5を有し、応力発光シート10に含まれる基材1および応力発光層3のうち、応力発光層3が開口部203から露出する側に配置され、基材1が紙層201内部側に配置される例を示すものである。
なお、上記紙層内に漉き込まれて埋設されるとは、紙層を形成可能な紙料を用いて紙層を形成する際に、スレッド基材を上記紙料内に配置した状態で紙層が形成される結果、紙層内にスレッド基材が埋設されることをいうものである。
また、上記スレッド基材は、通常、上記紙層内に漉き込まれて埋設される帯状のものである。
本態様の応力発光シートの偽造防止媒体内の平面視上の形成位置としては、偽造防止媒体が変形等を生じ易い位置や、応力が加わり易い位置であることが好ましい。このような形成位置としては、例えば、偽造防止媒体の中心に近い中央部や、ホログラム層等の他のセキュリティ部材が配置された部位の近傍を挙げることができる。
応力発光シートのより具体的な用途としては、例えば、債権、預金証書、受取証書、手形、小切手、通帳、磁気帳票、振込カード、商品券、クーポン券、籤、ギフト券、映画券、会員券、ビール券などの有価証券や、証拠証券などとして証券分野での用途、カタログ、チラシ、パンフレット、リーフレット、ポスター、POP、グリーティングカード、絵はがき、ステッカー、案内状、招待状、報告書、議事録、名簿、ネームカード、名刺、参加証、説明書、マニュアル、社史、広報誌、社内報、料金表、振込用紙、注文書、生産指示書、納品書、売上伝票などの各種伝票、通話料金明細書、給与明細書、取引明細書などの各種明細書、各種請求書、ビジネスフォーム、はがきや封書となるフォーム、ノート、封筒、便箋、手帳、ダイアリー、はがき、圧着はがき、切手、ダイレクトメール、シークレットメール、包装紙、軟包装、プラスチック容器、紙器、玩具などの商業分野での用途、または小説、絵本、事典、その他の書籍、新聞、雑誌、業界紙、地図、電話帳、教科書、参考書、楽譜などの出版分野での用途が挙げられる。
また、上記用途としては、運転免許証、社員証、会員証等の身分証明書、入学試験用の受験票、パスポート等、紙幣、商品券、ポイントカード、株券、抽選券、馬券、預金通帳、乗車券、通行券、航空券、種々の催事の入場券、遊戯券、交通機関用の金券等の証券等の偽造されて使用されると、証券の保持者や発行会社等に損害を与え得るものを挙げることができる。
さらに、上記用途としては、高額商品、例えば、高級腕時計、高級皮革製品、貴金属製品、もしくは宝飾品等の、しばしば、高級ブランド品と言われるものに付してその証明をするもの、または、それら高額商品の収納箱やケース等を挙げることができる。
さらにまた、上記用途としては、有名ブランドのもの、例えば、オーディオ製品、電化製品等に付してその証明をするもの、または、それらに吊り下げられるタグ等;著作物である音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、もしくはゲームソフト等が記録された記憶体に付してその証明をするもの、または、それらのケースそのもの等;プリンター用のトナー、用紙など、交換する備品を純正材料に限定している製品などに付して用いられるもの等を挙げることができる。
さらにまた、上記用途としては、パスポートのデータページ等のカード等も挙げることができる。また、紙幣としては、紙を用いて形成されるものに限定されず、例えば、ポリマー製紙幣も含むものである。
B.第2実施態様
次に、本発明の応力発光シートの第2実施態様について説明する。
本態様の応力発光シートは、透明基材と、上記透明基材の一方の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、上記応力発光層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層と、を有することを特徴とするものである。
このような本態様の応力発光シートについて図を参照して説明する。
図19は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略断面図である。
図19に示すように、本態様の応力発光シート10は、透明基材1aと、上記透明基材1aの一方の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層3と、上記応力発光層3の上記透明基材1aとは反対側の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層2と、を有することを特徴とするものである。
本態様によれば、再帰反射層を有することにより、応力発光層からの発光光のうち、応力発光層から再帰反射層側に発光された発光光を効率的に反射することができ、応力発光粒子からの発光光を透明基材側から観察者に十分に届けることができる。
このため、例えば、応力発光層がパターン状に形成されている場合、所望のパターン状の発光を観察者が十分に観察可能なものとすることができる。
したがって、応力発光シートは、偽造防止効果および意匠性に優れたものとなる。
また、上記透明基材および上記再帰反射層により上記応力発光層を保護することができる。例えば、上記応力発光層の傷付き防止、および応力発光粒子の水分による劣化の抑制等を図ることができる。
このため、応力発光シートは、長期間にわたり、偽造防止効果等を発揮可能なものとなる。
また、再帰反射層は、樹脂材料内に再帰反射用粒子が分散されたものであるため箔切れ性に優れる。このため、上記再帰反射層は、例えば、金属箔等と比較して、任意の形状に切断することが容易である。
また、応力発光層も、バインダ樹脂内に応力発光粒子が分散されたものであるため箔切れ性に優れ、任意の形状に切断することが容易である。
このため、上記応力発光層および上記再帰反射層を任意の形状に容易に切断し、さらにその切断箇所に沿って応力発光層を発光可能なものとすることができる。
このようなことから、応力発光シートを偽造防止性および意匠性に優れたものとすることができる。
本態様の応力発光シートは、透明基材、応力発光層および再帰反射層を有するものである。
以下、本態様の応力発光シートにおける各構成について説明する。
1.応力発光層
本態様における応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
上記応力発光層は、上記透明基材の一方の表面上に形成されるものである。
また、上記再帰反射層は、上記応力発光層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成されるものである。
ここで、再帰反射層が応力発光層上に形成されるとは、応力発光層および再帰反射層が別層として形成されるものに限定されず、再帰反射用粒子および応力発光粒子が同一層内で、応力発光粒子が透明基材側に高濃度となるように含まれ、再帰反射用粒子が透明基材側とは反対側に高濃度となるように含まれるものも含むものである。
なお、既に説明した図19は、応力発光層3および再帰反射層2が別層として形成される例を示すものである。図20は、応力発光層3および再帰反射層2が同一層として形成され、応力発光粒子13が透明基材1a側に高濃度となるように含まれ、再帰反射用粒子12が透明基材1a側とは反対側に高濃度となるように含まれる例を示すものである。
なお、図20中の符号については、図19のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
(1)応力発光層の構成材料
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(a)応力発光粒子
上記応力発光粒子としては、外部から加えられた歪みエネルギーによって、粒子自体が発光するという性質を有し、かつその歪みエネルギーに比例して発光強度を変化させるという性質を有するものであればよい。
上記応力発光粒子を構成する応力発光材料の種類は、1種類のみを用いるものに限定されず、2種類以上を用いるものであっても良い。
本態様においては、なかでも、上記応力発光材料の種類が2種類以上であることが好ましい。応力発光層を発光色の異なる領域を有するものとすることが可能となる。例えば、図21に示される応力発光層3を、xで示される領域が第1の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第1の発光色の領域であり、yで示される領域が第2の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第2の発光色の領域とすることができる。このようなことから、本態様の応力発光シートを偽造防止効果等に優れたものとすることができる。
上記応力発光粒子の含有量の種類が、1種類であること、すなわち、応力発光粒子の含有量が応力発光層内で均一であっても良いが、2種類以上であること、すなわち、上記応力発光層が上記応力発光粒子の含有量の異なる部位を有することが好ましい。応力発光層を発光強度の異なる領域を有するものとすることで、応力発光シートを偽造防止効果等に優れたものとすることができるからである。
より具体的には、既に説明した図21における応力発光層3を、xで示される領域とyで示される領域とで応力発光粒子の含有量が異なるものとすることができる。
さらに、上記応力発光層が同一の応力発光シートに2層以上積層される場合、各応力発光層における応力発光粒子の含有量の種類は同一であっても良く、異なるものであっても良い。
なお、応力発光粒子についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(a)応力発光粒子」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(b)バインダ樹脂
上記バインダ樹脂としては、上記応力発光粒子を安定的に分散および固定でき、応力発光粒子から発光した光を透過可能なものであれば特に限定されるものではない。
このようなバインダ樹脂としては、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(b)バインダ樹脂」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(c)その他の成分
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を有するものであるが、必要に応じて他の材料を含有するものであっても良い。
このような他の材料については、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(c)その他の成分」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)その他
上記応力発光層は、パターン状に形成されていないもの、すなわち、応力発光層が透明基材の全面を覆うように形成されるものであっても良いが、パターン状に形成されることが好ましい。上記応力発光層がパターン状に形成されていることにより、応力発光シートに応力を加えた際に、応力発光層を平面視上パターン状に発光可能なものとすることができる。このため、上記応力発光層がパターン状に形成されていることで、応力発光シートは偽造防止効果等により優れたものとなるからである。
図22は本態様の応力発光シートの他の例を示す概略平面図であり、図23は図22のB1−B1線断面図である。
既に説明した図19は、応力発光層3が透明基材1aの全面に形成される例を示すものであり、図22および図23は、応力発光層3がパターン状に形成される例を示すものである。また、図22および図23では、応力発光層3がパターン状に形成されている領域以外には、応力発光層3と同一平面上に他の層が形成されていない例を示すものである。
なお、図22および図23中の符号については、図19のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。また、図22は、説明の容易のため、再帰反射層2の記載を省略するものである。
このような応力発光層のその他の内容については、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(2)その他」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.再帰反射層
本態様における再帰反射層は、上記応力発光層の一方の表面上に形成されるものである。
上記再帰反射層は、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有するものである。
(1)再帰反射層を構成する構成材料
上記再帰反射層は、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有するものである。
このような再帰反射層を構成する構成材料については、上記「A.第1実施態様」の「2.再帰反射層」の「(1)再帰反射層を構成する構成材料」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)再帰反射層
上記再帰反射層の厚みは、応力発光層からの発光光を再帰反射させることが可能なものであれば特に限定されるものではない。
このような再帰反射層については、上記「A.第1実施態様」の「2.再帰反射層」の「(2)再帰反射層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、既に説明した図22および図23は、上記再帰反射層2がパターン状に形成されている例を示すものであり、再帰反射層2および応力発光層3が平面視上同一のパターン形状に形成されるものである。
3.透明基材
本態様における透明基材は、応力発光層および再帰反射層を支持するものである。
上記透明基材は、応力発光粒子が発する所定の波長の光に対して透過性を有するものである。
上記透明性基材の透明性としては、「(1)応力発光層」の項に記載の応力発光層の透明性と同様とすることができる。
また、上記応力発光層からの発光を透明基材側から観察する際に、可視光の波長領域の全域において発光強度に優れたものとする観点からは、上記透明基材の全光線透過率は、20%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
なお、透過率の測定方法は、上記「(1)応力発光層」の項に記載の方法と同様とすることができる。
上記透明基材の構成材料は、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、応力発光層および再帰反射層を製造する際の加工に耐える耐溶剤性および耐熱性を有するもの、さらには、応力発光層との接着性が良好なものが好ましい。
上記透明基材の構成材料は、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、トリアセチルセルロース(TAC)等を挙げることができる。
上記透明基材は、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層またはレリーフホログラムが記録されたレリーフホログラム層等のホログラム層であっても良い。
なお、透明基材についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「3.基材」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
4.その他の構成
本態様の応力発光シートは、上記透明基材、上記応力発光層および上記再帰反射層を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
(1)充填層
本態様の応力発光シートは、応力発光層がパターン状に形成されている場合に、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を含むことができる。パターン状に形成されている応力発光層の存在を隠ぺいすることができ、応力発光シートを偽造防止効果等により優れたものとすることができるからである。
図24は、本態様の応力発光シートの他の例を示す概略平面図であり、図25は、図24のB2−B2線断面図である。図24および図25では、応力発光層3がパターン状に形成され、応力発光シート10が応力発光層3と同一平面上に形成された充填層4を有する例を示すものである。
なお、図24および図25中の符号については、図19のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記充填層は、例えば、既に説明した図24および図25において、応力発光層3および充填層4の両者が透明基材1aの同一表面上に透明基材1aと接するように形成されるように、充填層4は応力発光層3と共に同一の部材の同一表面上に形成されるものとすることができる。
上記充填層の平面視上の形成箇所は、応力発光層が形成されていない箇所であれば特に限定されるものではなく、例えば、応力発光層が形成されていない箇所の全てを含むものであって良く、応力発光層が形成されていない箇所の一部を含むものであっても良い。
図26は、応力発光層3および充填層4が直接接するように形成されるものであり、充填層4の平面視上の形成箇所が、応力発光層3が形成されていない箇所の全てを含む例を示すものである。既に説明した図24および図25は、応力発光層3および充填層4が直接接しないように形成されるものであり、充填層4の平面視上の形成箇所が、応力発光層3が形成されていない箇所の一部を含む例を示すものである。
なお、図26中の符号については、図25のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
なお、充填層についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「4.その他の構成」の「(1)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)隠ぺい層
本態様の応力発光シートは、上記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成され、上記応力発光層の存在を隠ぺいする隠ぺい層を含むことができる。応力発光層を覆うように形成される隠ぺい層を有することにより、パターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となる等、応力発光シートを偽造防止効果等により優れたものとすることができるからである。
既に説明した図26は、応力発光シート10が、透明基材1aの応力発光層3とは反対側の表面上に形成された隠ぺい層5を有する例を示すものである。
なお、既に説明した図26は、隠ぺい層5が、応力発光層3の一方の表面側のみに形成され、かつ、上記透明基材1aを介して形成される例を示すものである。また、図26は、隠ぺい層5の平面視上の形成箇所が応力発光層3の形成されている箇所の全てを含む例を示すものである。
なお、隠ぺい層についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「4.その他の構成」の「(2)隠ぺい層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(3)その他
上記その他の構成は、応力発光シートに一般的に用いられるものを含むことができる。上記その他の構成としては、例えば、透明基材および応力発光層の間等の各構成間を接着する層間接着剤層を挙げることができる。
また、上記その他の構成としては、上記「A.第1実施態様」の「4.その他の構成」の「(3)その他」の項に記載の内容と同様のものを用いることができる。
さらに、上記その他の構成は、応力発光層がパターン状に形成されている場合に、上記応力発光層と同一平面上に形成された側面側再帰反射層を含むことができる。側面側再帰反射層は、パターン状に形成されている応力発光層を保護し、また、応力発光層側面からの発光を反射することで、発光効率を上げることができるからである。上記側面側再帰反射層の構成材料等については、上記「2.再帰反射層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、このような側面側再帰反射層の形成方法としては、例えば、再帰反射層が応力発光層の側面も覆うように形成する方法を挙げることができる。より具体的には、上記形成方法は、再帰反射層形成用インキを応力発光層の透明基材とは反対側の表面および応力発光層と同一平面上にも塗布し、その再帰反射層形成用インキの塗膜から溶媒を乾燥除去することで、側面側再帰反射層を再帰反射層と一体として形成する方法とすることができる。
なお、図27は、応力発光シート10が、側面側再帰反射層2aを有する例を示すものであり、側面側再帰反射層2aが、再帰反射層2と一体として形成されている例を示すものである。
5.応力発光シート
本態様の応力発光シートは、応力発光シートを単独で使用するものであってもよいが、被着体に接着して使用するものであってもよい。
上記被着体に接着して使用する態様としては、被着体との接着に用いられる接着層を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、上記透明基材の上記応力発光層とは反対側の表面上に形成された接着層を有する態様(第1使用態様)、上記再帰反射層の上記応力発光層とは反対側の表面上に形成された接着層を有する態様(第2使用態様)、上記透明基材の上記応力発光層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成された第2透明基材と、上記第2透明基材の上記脆質層とは反対側の表面上に形成された接着層と、を有する態様(第3使用態様)、上記透明基材の上記応力発光層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層と同一平面上に形成された第1接着層と、上記脆質層および上記第1接着層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成された第2透明基材と、上記第2透明基材の上記脆質層および上記第1接着層とは反対側の表面上に形成された第2接着層と、を有し、上記透明基材を切断する切れ込み部が、上記応力発光層および上記再帰反射層と平面視上重なるように形成され、上記切れ込み部が、上記第1接着層を平面視上囲むように形成されている態様(第4使用態様)等を挙げることができる。
(1)第1使用態様
本態様の応力発光シートの第1使用態様は、上記透明基材の応力発光層とは反対側の表面上に形成された接着層を有する態様である。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図28は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略断面図である。図28に例示するように、本態様の応力発光シート10は、上記透明基材1aの上記応力発光層3とは反対側の表面上に形成された接着層6を有するものである。
なお、図28中の符号については、図19のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例においては、上記接着層6の透明基材1aとは反対側の表面上に形成された剥離シート7を有するものである。
本態様によれば、上記接着層を有することにより、応力発光シートを偽造防止効果または意匠性が要求される被着体に容易に貼付可能とすることができる。
また、被着体に貼付した応力発光シートを剥離する際に応力発光層に加わる応力により応力発光層を発光させることで、応力発光シートを偽造防止効果および意匠性等を発揮するものとすることができる。
このような本態様の応力発光シートの具体的な用途としては、透明性を有する被着体に対して貼り付ける用途が挙げられ、具体的には透明性を有する被着体として、ペットボトルに巻きつけられる装飾用のシュリンクフィルム等のパッケージフィルムに貼り付け、透明基材側を外側に向けて用いることにより、例えば、ペットボトル等のパッケージを変形させたり潰す際の発光により、意匠性を付与する用途、透明窓部を一部に有する封筒に対して、封筒の内部側から透明窓部に貼り付け、封筒の変形による発光により、真贋判定を行う用途、意匠性を付与する用途等を挙げることができる。
また、透明性を有する被着体としてのチケットやブランド品等に貼り付けて、応力を付与した際または剥離する際の発光により真贋判定を行う用途、意匠性を付与する用途等を挙げることができる。
なお、透明性を有する被着体とは、上記応力発光シートを上記被着体に接着した際に、上記応力発光シートの裏面側からの発光を観察できるものであることをいうものであり、全面が透明であるものに限定されず、上記応力発光シートを貼付する箇所に上記応力発光層からの発光光が透過可能な透過部を有するものであればよい。
上記接着層の平面視上の形成箇所としては、応力発光シートを被着体に安定的に貼付することができるものであれば特に限定されるものではない。
上記形成箇所は、上記透明基材の全面を含むもの、上記透明基材の一部を含むもの等とすることができる。本態様においては、なかでも、上記形成箇所が、上記透明基材の一部を含むものであること、すなわち、上記接着層がパターン状に形成されることが好ましい。上記接着層がパターン状に形成されることにより、上記接着層の形成されていない領域において上記応力発光層からの発光光を透過させることができる。したがって、上記応力発光シートは、上記透明基材側における発光の観察容易なものとなるからである。
なお、接着層についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「5.応力発光シート」の「(1)第1使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様の応力発光シートは、上記接着層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成された剥離シートを有するものであっても良い。上記剥離シートが形成されていることにより、上記応力発光シートを目的の被着体に接着させる前に、目的外の被着体に接着すること等を防止することができるからである。
上記剥離シートとしては、上記「A.第1実施態様」の「5.応力発光シート」の「(1)第1使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)第2使用態様
本態様の応力発光シートの第2使用態様は、上記再帰反射層の上記応力発光層とは反対側の表面上に形成された接着層を有する態様である。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図29は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略断面図である。図29に例示するように、本態様の応力発光シート10は、上記再帰反射層2の上記応力発光層3とは反対側の表面上に形成された接着層6を有するものである。
なお、図29中の符号については、図19のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例においては、上記接着層6の再帰反射層2とは反対側の表面上に形成された剥離シート7を有するものである。
本態様によれば、上記接着層を有することにより、応力発光シートを偽造防止効果または意匠性が要求される被着体に容易に貼付可能とすることができる。
また、被着体に貼付した応力発光シートを剥離する際に応力発光層に加わる応力により応力発光層を発光させることで、応力発光シートを偽造防止効果および意匠性等を発揮するものとすることができる。
このような本態様の応力発光シートの具体的な用途としては、段ボール等の梱包材に貼り付ける封緘シールを挙げることができ、例えば、応力発光シートに応力を付与したり剥離する際の発光により、未開封であることを確認する用途、真贋判定を行う用途等を挙げることができる。
また、チケットやブランド品等に貼り付けて、応力を付与した際または剥離する際の発光により真贋判定を行う用途、意匠性を付与する用途等を挙げることができる。
なお、本態様における被着体としては、透明性を有するものに限定されず、遮光性を有するものであっても良い。
(3)第3使用態様
本態様の応力発光シートの第3使用態様は、上記透明基材の上記応力発光層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成された第2透明基材と、上記第2透明基材の上記脆質層とは反対側の表面上に形成された接着層と、を有する態様である。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図30は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略断面図である。図30に例示するように、本態様の応力発光シート10は、上記透明基材1aの上記応力発光層3とは反対側の表面上に形成された脆質層8と、上記脆質層8の上記透明基材1aとは反対側の表面上に形成された第2透明基材1abと、上記第2透明基材1abの上記脆質層8とは反対側の表面上に形成された接着層6と、を有するものである。
なお、図30中の符号については、図19のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例においては、上記接着層6の上記透明基材1aとは反対側の表面上に剥離シート7を有するものである。
本態様によれば、上記透明基材および上記第2透明基材の間に上記脆質層を有することにより、応力発光シートを上記透明基材および上記第2透明基材の間で容易に剥離可能なものとすることができる。
また、上記透明基材および上記第2透明基材の間を剥離する際に応力発光層に加わる応力により応力発光層を発光させることで、応力発光シートを偽造防止効果および意匠性等を発揮するものとすることができる。
このようなことから、上記応力発光シートを、上記透明基材および上記第2透明基材の間で容易に分離および剥離するとともに、上記応力発光層を発光可能なものとすることができ、偽造防止効果および意匠性に優れたものとすることができるからである。
このような本態様の応力発光シートの具体的な用途としては、透明性を有する被着体としてのチケットやブランド品等に貼り付けて、応力を付与した際の発光により真贋判定を行う用途、意匠性を付与する用途等を挙げることができる。
さらに、他の具体的な用途としては、透明性を有する被着体としての化粧品、薬品等のパッケージに貼り付けることにより、上記応力発光シートを剥離する際に発光することで真贋判定等を行う用途等を挙げることができる。
上記脆質層としては、応力発光シートを上記透明基材および上記第2透明基材の間で容易に剥離できるものであればよい。
上記脆質層の平面視上の形成箇所としては、応力発光シートを上記透明基材および上記第2透明基材の間で容易に剥離可能とするものであれば特に限定されるものではない。
なお、脆質層についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「5.応力発光シート」の「(2)第2使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記第2透明基材としては、上記脆質層等を安定的に形成でき、さらに、それを支持できるものであれば特に限定されるものではない。
また、上記接着層は、上記第2透明基材の上記脆質層とは反対側の表面上に形成され、被着体に接着可能なものであれば特に限定されるものではない。
このような第2透明基材および接着層は、具体的には、上記「3.透明基材」の項に記載の透明基材および上記「(1)第1使用態様」の項に記載の接着層の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(4)第4使用態様
本態様の応力発光シートの第4使用態様は、透明基材の応力発光層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層と同一平面上に形成された第1接着層と、上記脆質層および上記第1接着層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成された第2透明基材と、上記第2透明基材の上記脆質層および上記第1接着層とは反対側の表面上に形成された第2接着層と、を有し、上記透明基材を切断する切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層と平面視上重なるように形成され、さらに、上記切れ込み部が上記第1接着層を平面視上囲むように形成されている態様である。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図31は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略平面図であり、図32は図31のB3−B3線断面図である。図31および図32に例示するように、本態様の応力発光シート10は、透明基材1aの応力発光層3とは反対側の表面上に形成された脆質層8と、上記脆質層8と同一平面上に形成された第1接着層6aと、上記脆質層8および上記第1接着層6aの上記透明基材1aとは反対側の表面上に形成された第2透明基材1abと、上記第2透明基材1abの上記脆質層8および上記第1接着層6aとは反対側の表面上に形成された第2接着層6bと、を有し、上記透明基材1aを切断する切れ込み部11が、上記再帰反射層2および上記応力発光層3と平面視上重なるように形成され、さらに、上記切れ込み部11が上記第1接着層6aを平面視上囲むように形成されるものである。
なお、図31および図32中の符号については、図19のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。また、図31では、説明の容易のため、再帰反射層および応力発光層の記載を省略するものである。
また、この例においては、第2接着層6bの透明基材1aとは反対側の表面上に剥離シート7を有するものである。
本態様によれば、上記再帰反射層および上記応力発光層は箔切れ性に優れるため、上記透明基材に上記切れ込み部が形成されていることにより、上記透明基材を切断分離する際に、上記再帰反射層および上記応力発光層も容易に切断分離することが可能となる。
このため、上記透明基材に上記切れ込み部が形成されていることにより、上記応力発光シートを上記切れ込み部の形成箇所に沿って容易に分離することができる。また、上記応力発光層を上記切れ込み部の形成箇所に沿って容易に発光可能なものとすることができる。
また、上記切れ込み部が、上記接着層を平面視上囲むように形成されていることにより、上記切れ込み部の形成箇所に沿って分離された応力発光シートのうち、上記接着層が形成されている部位のみを被着体に残し、上記脆質層が形成されている部位のみを容易に剥離可能なものとすることができる。
さらに、上記切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層の両者と平面視上重なるように形成されていることにより、上記切れ込み部の存在を上記応力発光層および上記再帰反射層により隠ぺいすることができる。
このようなことから、上記応力発光シートを、上記切れ込み部の形成箇所に沿ってパターン状に容易に分離および剥離するとともに、上記切れ込み部の形成箇所に沿って発光可能なものとすることができ、偽造防止効果および意匠性に優れたものとすることができる。
このような本態様の応力発光シートのより具体的な用途としては、上記第3使用態様と同様に透明性を有する被着体としてのポイントシール、くじ等として貼り付けたり、化粧品、薬品等のパーケージに貼り付けたりして、上記応力発光シートを剥離する際の発光により真贋判定等を行う用途を挙げることができる。
ここで、上記用途に用いた場合には、上記切れ込み部に沿って応力発光層をパターン状に発光させることが可能であることから、ポイントシール等をより高度な真贋判定等が可能なものとすることができる。
また、上記切れ込み部の形成箇所に沿って分離および剥離されることで、ポイントシール等をいったん剥離した後は剥離前の箇所への再貼付を困難なものとすることができる。このようなことからも、ポイントシール等をより高度な真贋判定等が可能なものとすることができる。
図33は、被着体に接着している本態様の応力発光シートの分離方法を説明する説明図であり、被着体20の表面に接着した応力発光シート10に対して、応力発光シート10の切れ込み部11の周囲の部位10bを所定の引っ張り力pで引っ張ることで(図33(a))、応力発光シート10の上記接着層6aが形成された部位10aを被着体20上に接着した状態で残し、応力発光シート10の切れ込み部の周囲の部位10bを上記透明基材1aおよび上記第2透明基材1abの間で剥離して分離する例を示すものである(図33(b))。
なお、図33中の符号については、図32のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。また、この例では、上記脆質層8が、上記脆質層8および上記第2透明基材1abの間で剥離するものである例を示すものである。
上記切れ込み部は、上記透明基材を切断するものである。
ここで、上記切れ込み部の切断深さは、上記透明基材を厚み方向に貫通しないものであっても良いが、上記透明基材の厚みと同じ、すなわち、上記透明基材を厚み方向に貫通していることが好ましい。上記応力発光シートをより容易に分離可能なものとすることができるからである。
なお、既に説明した図32は、上記切れ込み部11の透明基材1aに対する切断深さが上記透明基材1aの厚みと同じ、すなわち、上記透明基材1aを厚み方向に貫通する例を示すものである。
既に説明した図31は、上記切れ込み部11の平面視上の形状が直線状である例を示すものである。
上記切れ込み部の形成方法は、上記透明基材に安定的に切れ込み部を形成可能な方法であれば特に限定されるものではない。上記形成方法は、上記透明基材に対して、切れ込み部を形成したい箇所に凸状の刃物が配置された原版を押し付けて、次いで、原版を剥離する方法を挙げることができる。
なお、切れ込み部についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「5.応力発光シート」の「(3)第3使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記第1接着層は、上記脆質層と同一平面上に形成されていること以外は、上記「(1)第1使用態様」の項に記載の接着層の内容と同様とすることができる。
また、上記第2透明基材および上記脆質層としては、具体的には、上記「3.透明基材」および「(3)第3使用態様」の項に記載の透明基材および脆質層の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(5)その他の使用態様
本態様の応力発光シートを単独で使用する態様としては、上記応力発光シートを分離し、その分離の際に応力発光層を発光させて使用する態様(第5使用態様)、上記応力発光シートを分離することなく使用する態様(第6使用態様)等を挙げることができる。
(a)第5使用態様
本態様の応力発光シートの第5使用態様としては、例えば、応力発光シートを平面視上切断するように設けられた切れ込み部を有する態様を挙げることができる。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図34は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略平面図であり、図35は図34のB4−B4線断面図である。
図34および図35に例示するように、本態様の応力発光シート10は、上記切れ込み部11が、上記透明基材1a、応力発光層3および再帰反射層2の全ての層に形成されるものである。
なお、図34および図35中の符号については、図32のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例においては、上記切れ込み部11の平面視上の形状が破線状であるものである。
本態様によれば、上記切れ込み部を有することにより、上記応力発光シートを上記切れ込み部で容易に切断し、分離可能なものとすることができるとともに、上記切れ込み部で切断および分離する際に、上記切れ込み部の形成箇所に沿って上記応力発光層を容易に発光可能なものとすることができる。
このような本態様の応力発光シートのより具体的な用途としては、映画やコンサートのチケット等を挙げることができる。上記用途に用いた場合には、上記切れ込み部をチケットの半券を切断および分離する箇所に形成することで、チケット等を、半券の切断および分離と同時に、応力発光層の発光を確認可能とすることができ、真贋判定等を容易に実施可能なものとすることができる。
上記切れ込み部が形成される層としては、上記応力発光シートを構成する少なくとも一層であれば良く、上記透明基材、上記応力発光層および上記再帰反射層の全てに形成されるものであっても良く、上記透明基材、上記応力発光層および上記再帰反射層の一部の層に形成されるものであっても良い。
上記切れ込み部が形成される層が、上記透明基材、上記応力発光層および上記再帰反射層の全てを含むことにより、上記応力発光シートで上記切れ込み部に沿って切断分離の容易なものとすることができるからである。
また、上記切れ込み部が形成される層が、上記透明基材、上記応力発光層および上記再帰反射層の一部の層に形成される例として、上記透明基材、上記応力発光層および上記再帰反射層のうち上記透明基材のみであり、上記透明基材を切断する切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層の両者と平面視上重なるように形成されている場合には、上記切れ込み部の存在を上記応力発光層および上記再帰反射層により隠ぺいすることができる。したがって、応力発光シートを偽造防止効果等により優れたものとすることができるからである。
上記切れ込み部の平面視上の形成箇所、すなわち、上記切れ込み部のパターン形状としては、本態様の応力発光シートの種類および用途に応じて適宜設定されるものである。
上記切れ込み部の平面視上の形状、応力発光シートの各構成に対する切断深さ、形成方法等については、上記「(4)第4使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(b)第6使用態様
本態様の応力発光シートの第6使用態様としては、例えば、上記応力発光層および上記再帰反射層の間に形成された中間透明基材と、上記再帰反射層の上記応力発光層とは反対側の表面上に形成された保護層と、を有し、カードとして用いられる態様が挙げられる。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図36は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略断面図である。図36に例示するように、カードとして用いられる本態様の応力発光シート10は、上記応力発光層3および上記再帰反射層2の間に形成された中間透明基材1cと、上記再帰反射層2の上記応力発光層3とは反対側の表面上に形成された保護層14と、上記透明基材1aの上記応力発光層3とは反対側の表面上に形成された印刷層15と、を有するものである。
なお、図36中の符号については、図19および図20のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例では、上記応力発光シート10は、中間透明基材1cとして、応力発光層3側に形成された第1の中間透明基材1cと、再帰反射層2側に形成された第2の中間透明基材1cとの2層の中間透明基材1cを有するものである。
本態様によれば、上記応力発光シートは、上記応力発光層および上記再帰反射層を有するものであるため、偽造防止効果および意匠性に優れたカードとなる。
このような本態様の応力発光シートのより具体的な用途としては、カードとして用いられるものであれば良く、クレジットカード、キャッシュカード、ポイントカード、社員証等を挙げることができる。
上記中間透明基材の構成材料としては、応力発光層からの発光光を透過可能なものであれば特に限定されるものではないが、カードにおいて透明コアシートとして用いられるものを使用することができ、例えば、ポリ塩化ビニルやPET−G(ポリエチレンテレフタレートにおけるエチレングリコール成分の一部をシクロヘキサンジメタノールで置換した共重合ポリエステル樹脂)、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、ポリプロピレン、トリアセテートなどの透明性の高い樹脂を挙げることができる。上記構成材料が上述の樹脂であることにより、例えば、中間透明基材と中間透明基材上に形成された応力発光層とを有する第1積層体と、透明基材、再帰反射層および中間透明基材がこの順で積層した第2積層体とを準備し、両積層体を加熱圧着する方法で上記応力発光シートを容易に形成できるからである。
上記中間透明基材の厚みは、単層の場合は、0.54mm〜0.65mmの範囲内、既に説明した図36に示すように、上記中間透明基材1cが2層用いられる場合は、それぞれの厚みは、0.27mm〜0.30mmの範囲内とすることができる。
上記保護層としては、上記再帰反射層を保護可能なものであれば特に限定されるものではないが、カードにおいて、透明オーバーシートとして用いられるものを使用することができ、具体的には、上記中間透明基材と同様とすることができる。
上記印刷層としては、カード表面の修飾に一般的に用いられるものと同様とすることができる。上記印刷層の構成材料としては、例えば、上記隠ぺい層と同様とすることができる。
上記応力発光シートは、カードとして使用されるために必要となる機能層を含むことができる。
上記機能層としては、アンテナを含むアンテナ層、磁気テープを含む磁気テープ層、集積回路(IC)チップを含むICチップ層等を挙げることができる。
上記機能層の形成箇所としては、上記機能層の機能に応じて異なるものであり、例えば、上記機能層が上記磁気テープ層である場合には、上記再帰反射層の上記応力発光層とは反対側の表面上等とすることができる。また、上記機能層が、上記アンテナ層、上記ICチップ層である場合には、上記形成箇所は、2層の中間透明基材の間等とすることができる。
6.応力発光シートの製造方法
本態様の応力発光シートの製造方法としては、上記各構成を含む応力発光シートを精度良く製造できる方法であれば特に限定されるものではない。
上記製造方法としては、例えば、透明基材、応力発光層および再帰反射層をこの順で積層する方法を挙げることができる。
また、上記透明基材に切り込み部が形成されている応力発光シートの製造方法としては、まず、剥離シート、第1の接着層、第2透明基材、脆質層および第2接着層、ならびに透明基材がこの順で積層した積層体を準備し、上記積層体の上記透明基材側から、切り込み部を形成したい箇所に凸状の刃物が配置された原版を押し付けて、上記透明基材に切れ込み部を形成し、次いで、原版を剥離した後、上記積層体の上記透明基材上に、応力発光層および再帰反射層をこの順で形成する方法を挙げることができる。
7.用途
本態様の応力発光シートの用途としては、偽造防止用途および意匠性が求められる用いられるものとすることができ、クレジットカード、キャッシュカード等のカード、パッケージフィルム等を挙げることができる。
また、応力発光シートを他の被着体に接着可能な接着層を有するものとし、被着体に貼付可能な応力発光シートラベル等として用いられるものであっても良い。
さらに、応力発光シートとして、ヒートシール層を有するものとし、被着体に転写可能な応力発光シート転写箔等として用いられるものであっても良い。
具体的には、本態様の応力発光シートを応力発光シート転写箔として用い、これを被着体に転写して偽造防止媒体を形成した場合、図37に例示するように、偽造防止媒体100としては、被着体101および接着層6としてのヒートシール層が被着体101と対向するように配置された応力発光シート10を有するものを挙げることができる。
また、上記被着体としては、偽造防止が要求されるものを挙げることができ、例えば、後述する被着体の具体例として記載されるものを挙げることができる。
なお、図37(a)は、上記偽造防止媒体が紙幣として用いられる例を示す概略平面図であり、図37(b)は、図37(a)のB5−B5線断面図である。図37では、応力発光シート10は、透明基材1a、パターン状の応力発光層3および充填層4、再帰反射層2、および接着層6としてのヒートシール層をこの順で積層した構造を有し、接着層6を介して被着体101に転写したものである。また、図37では、ライン状の応力発光層3が数字「123」を表わすようにパターン状に形成され、上記偽造防止媒体100が、数字「500」を表わす印刷層104を有する例を示すものである。
上記被着体としては、上記応力発光シートの透明基材側が貼付されるものとしては、透明性を有するものとすることができ、例えば、水槽、高速道路等に配置される防音壁、スマートフォンパネル、薬品瓶、眼鏡、ボールペン筐体等を挙げることができる。
また、上記被着体の材質としては、透明性を有するものであればよく、ガラス、アクリル樹脂、PET樹脂等を挙げることができる。
また、本態様の応力発光シートは、紙層内に漉き込まれて埋設されるスレッド基材として用いてもよい。
本態様の応力発光シートをスレッド状に形成し、これを紙層内に漉き込んで埋設することで偽造防止媒体としての偽造防止用紙を形成した場合、図38に例示するように、偽造防止用紙200としては、紙層201と、上記紙層201内に漉き込まれて埋設された帯状のスレッド基材202と、を有し、上記紙層201の一方の表面には、上記スレッド基材202が平面視上露出する開口部203が形成され、上記スレッド基材202が応力発光シート10であるものとすることができる。
図38(a)は、偽造防止用紙が紙幣として用いられる例を示す概略平面図であり、図38(b)は、図38(a)のB6−B6線断面図である。図38では、スレッド基材としての応力発光シート10は、透明基材1a、パターン状の応力発光層3および充填層、および再帰反射層2を有し、応力発光シート10に含まれる透明基材1aおよび再帰反射層2のうち、透明基材1aが開口部203から露出する側に配置され、再帰反射層2が紙層201内部側に配置される例を示すものである。
本態様の応力発光シートの偽造防止媒体内の平面視上の形成位置としては、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本態様の応力発光シートのより具体的な用途としては、上記「A.第1実施態様」の項に記載の用途にも用いることができる。
C.第3実施態様
次に、本発明の応力発光シートの第3実施態様について説明する。
本態様の応力発光シートは、透明基材と、上記透明基材の一方の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層と、上記再帰反射層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、を有し、上記再帰反射層がパターン状に形成され、上記応力発光層が上記再帰反射層の形成領域および非形成領域の両者を覆うように形成されていることを特徴とするものである。
このような本態様の応力発光シートについて図を参照して説明する。
図39は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略平面図であり、図40は図39のC1−C1線断面図である。
図39および図40に示すように、本態様の応力発光シート10は、透明基材1aと、上記透明基材1aの一方の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層2と、上記再帰反射層2の上記透明基材1aとは反対側の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層3と、を有し、上記再帰反射層2がパターン状に形成され、上記応力発光層3が上記再帰反射層2の形成領域21および非形成領域22の両者を覆うように形成されているものである。
なお、図39では、説明の容易のため、応力発光層の記載を省略するものである。
本態様によれば、上記再帰反射層がパターン状に形成され、上記応力発光層が上記再帰反射層の形成領域および非形成領域の両者を覆うように形成されていることにより、上記非形成領域では、上記応力発光層からの発光を上記表面側および上記裏面側の両面側で観察することができる。
また、上記形成領域では、応力発光層からの発光光のうち、応力発光層から再帰反射層側に発光された発光光を効率的に反射することができるため、上記表面側でのみ、上記非形成領域で観察される発光より高発光強度の発光を観察できる。
ここで、図41は、本態様の応力発光シート内における応力発光層からの発光光の光路を説明する説明図であり、図42は、本態様の応力発光シートの発光状態を説明する説明図である。なお、図41および図42は、既に説明した図39および図40に示す応力発光シートにおける光路および発光状態を説明するものである。また、図42(a)は、応力発光シートの表面側の発光状態を示し、図42(b)は、応力発光シートの裏面側の発光状態を示すものである。
図41および図42に例示するように、応力発光シートの表面側では、図39および図40の形成領域21に対応する箇所では、応力発光層3の再帰反射層2側に発光された発光光Lが再帰反射層2により表面側に反射されるため、発光強度の高い高発光強度領域31が形成され、図39および図40の非形成領域22に対応する箇所では、発光光Lが表面側および裏面側にそれぞれ分散されてしまうため、発光強度の低い低発光強度領域32が形成される。また、応力発光シート10の裏面側では、図39および図40の非形成領域22に対応する箇所に低発光強度領域32が形成され、形成領域21に対応する箇所では発光が観察されない非発光領域33が形成される。
このように、上記応力発光シートは、上記応力発光層をパターン状に形成しない場合であっても、上記再帰反射層のパターン形状によって、表面側および裏面側で異なるパターン発光と、上記表面側で発光強度の異なるパターン発光とが可能となる。
また、応力発光層をパターン状に形成して、上記応力発光層のパターンと上記再帰反射層のパターンとの組み合わせにより、さらに複雑なパターン発光等が可能となる。
よって、本態様の応力発光シートは、偽造防止効果および意匠性に優れたものとなる。
また、再帰反射層は、樹脂材料内に再帰反射用粒子が分散されたものであるため箔切れ性に優れる。このため、上記再帰反射層は、例えば、金属箔等と比較して、任意の形状に切断することが容易である。
また、応力発光層も、バインダ樹脂内に応力発光粒子が分散されたものであるため箔切れ性に優れ、任意の形状に切断することが容易である。
このため、上記応力発光層および上記再帰反射層を任意の形状に容易に切断し、さらにその切断箇所に沿って応力発光層を発光可能なものとすることができる。
このようなことから、応力発光シートは、偽造防止性および意匠性に優れたものとなる。
さらに、特許文献1に記載されるようなパターン状に形成された応力発光層によるパターン発光を利用して、両面で異なるパターン発光および発光強度の異なるパターン発光を達成するためには、それぞれ、遮光性の基材の両面にそれぞれパターン状の応力発光層を形成する工程等および厚みや応力発光粒子の含有量の異なるパターン状の応力発光層を複数形成する工程等が必要になる。さらに、両面で異なるパターン発光および発光強度の異なるパターン発光の両者を同時に達成するためには、上記両工程が必要になる。
このようなことから、偽造防止効果および意匠性により優れた応力発光シートは、その形成が煩雑であるといった問題がある。
これに対して、本態様によれば、上記応力発光層をパターン状に形成しない場合でも、上記再帰反射層のパターン形状によって、表面側および裏面側で異なるパターン発光と、上記表面側で発光強度の異なるパターン発光とが可能となるため、偽造防止性および意匠性に優れた応力発光シートを容易に形成できる。
本態様の応力発光シートは、透明基材、再帰反射層および応力発光層を有するものである。
以下、本態様の応力発光シートにおける各構成について説明する。
1.応力発光層
本態様における応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
上記応力発光層は、上記再帰反射層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成されるものである。
上記応力発光層は、上記再帰反射層の形成領域および非形成領域の両者を覆うように形成されているものである。
(1)応力発光層の構成材料
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(a)応力発光粒子
上記応力発光粒子としては、外部から加えられた歪みエネルギーによって、粒子自体が発光するという性質を有し、かつその歪みエネルギーに比例して発光強度を変化させるという性質を有するものであればよい。
上記応力発光粒子を構成する応力発光材料の種類は、1種類のみを用いるものに限定されず、2種類以上を用いるものであっても良い。
本態様においては、なかでも、上記応力発光材料の種類が2種類以上であることが好ましい。応力発光層を発光色の異なる領域を有するものとすることが可能となる。例えば、図43に示される応力発光層3を、xで示される領域が第1の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第1の発光色の領域であり、yで示される領域が第2の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第2の発光色の領域とすることができる。このようなことから、本態様の応力発光シートを偽造防止効果等に優れたものとすることができる。
上記応力発光粒子の含有量の種類が、1種類であること、すなわち、応力発光粒子の含有量が応力発光層内で均一であっても良いが、2種類以上であること、すなわち、上記応力発光層が上記応力発光粒子の含有量の異なる部位を有することが好ましい。応力発光層を発光強度の異なる領域を有するものとすることで、応力発光シートを偽造防止効果等に優れたものとすることができるからである。
より具体的には、既に説明した図43における応力発光層3を、xで示される領域とyで示される領域とで応力発光粒子の含有量が異なるものとすることができる。
なお、応力発光粒子についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(a)応力発光粒子」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(b)バインダ樹脂
上記バインダ樹脂としては、上記応力発光粒子を安定的に分散および固定でき、応力発光粒子から発光した光を透過可能なものであれば特に限定されるものではない。
このようなバインダ樹脂としては、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(b)バインダ樹脂」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(c)その他の成分
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を有するものであるが、必要に応じて他の材料を含有するものであっても良い。
このような他の材料については、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(1)応力発光層の構成材料」の「(c)その他の成分」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)その他
上記応力発光層は、パターン状に形成されていないもの、すなわち、応力発光層が透明基材の全面を覆うように形成されるものであっても良いが、パターン状に形成されることが好ましい。上記応力発光層がパターン状に形成されていることにより、応力発光シートに応力を加えた際に、応力発光層を平面視上パターン状に発光可能なものとすることができる。このため、上記応力発光層がパターン状に形成されていることで、応力発光シートを偽造防止効果等により優れたものとすることができるからである。
また、上記応力発光層のパターンと上記再帰反射層のパターンとの組み合わせにより、応力発光シートは、発光強度の異なる複雑なパターン形状の発光や、裏面側の発光パターンの形状を表面側の発光パターンの形状の反転形状以外の形状とすることが可能となる等、偽造防止効果等により優れたものとすることができるからである。
図44は本態様の応力発光シートの他の例を示す概略平面図であり、応力発光層3が2つの正方形状と2つの円形状とを含むパターン状に形成され、再帰反射層2が、応力発光シート10の中央に円形状に形状される例を示すものである。図45は図44のC2−C2線断面図である。また、図46は、図44および図45に示す応力発光シートに応力を付与し発光させた場合の発光状態を説明する説明図であり、図46(a)は、応力発光シートの表面側の発光状態を示し、図46(b)は、応力発光シートの裏面側の発光状態を示すものである。
図46に例示するように、応力発光層がパターン状に形成されることにより、上記応力発光シート10は、表面側に非発光領域33を含むことが可能となり、表面側において、非発光領域33および低発光強度領域32、非発光領域33および高発光強度領域31、低発光強度領域32および高発光強度領域31等の発光領域の組み合わせによるパターン発光が可能となる。このため、既に説明した図42に示すような再帰反射層のみがパターン状に形成され、表面側において低発光強度領域32および高発光強度領域31の発光領域の組み合わせのみによるパターン発光と比較して、発光強度の異なる複雑なパターン形状の発光が可能となる。
また、既に説明した図42に示すような再帰反射層のみがパターン状に形成される場合には、裏面側の発光パターンの形状が表面側の発光パターンの形状の反転形状となるのに対して、応力発光層がパターン状に形成されることにより、図46に例示するように、裏面側の発光パターンの形状を表面側の発光パターンの形状の反転形状以外の形状とすることが可能となる。
なお、図44〜図46中の符号については、図39〜図42のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、図44(a)では、説明の容易のため再帰反射層の記載を省略するものであり、図44(b)では、説明の容易のため応力発光層の記載を省略するものである。
図44(a)および図45では、上記応力発光シート10は、応力発光層3と同一平面上に形成された他の層を含まないものである。
図44(b)および図45では、応力発光シート10は、再帰反射層2と同一平面上に形成された、すなわち、上記非形成領域22に形成された再帰反射層用充填層4aを有するものである。
既に説明した図44および図45は、応力発光層3の平面視形状が四角形状および円形状の両者を含むパターン形状である場合の例を示すものである。
上記応力発光層は、上記再帰反射層の形成領域および非形成領域の両者を覆うように形成されているものである。
ここで、上記形成領域は上記再帰反射層が形成されている領域であり、その平面視形状は、上記再帰反射層の平面視形状である。また、上記非形成領域は上記再帰反射層が形成されていない領域であり、その平面視形状は上記再帰反射層の平面視形状の反転形状である。
また、上記形成領域および非形成領域の両者を覆うとは、上記応力発光層が、上記形成領域の少なくとも一部および非形成領域の少なくとも一部を含むことをいうものであり、上記形成領域および上記非形成領域の両領域の全てを含むものであっても良く、上記形成領域の一部および上記非形成領域の一部を含むものとすることができる。
既に説明した図39および図40は上記応力発光層3が、上記形成領域21および上記非形成領域22の両領域の全てを含む例を示すものであり、既に説明した図44および図45は、上記応力発光層3が、上記形成領域21の一部および上記非形成領域22の一部を含む例を示すものである。
このような応力発光層のその他の内容については、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の「(2)その他」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.再帰反射層
本態様における再帰反射層は、上記透明基材の一方の表面上に形成されるものである。
上記再帰反射層は、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有するものである。
上記再帰反射層は、パターン状に形成されるものである。
(1)再帰反射層を構成する構成材料
上記再帰反射層は、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有するものである。
このような再帰反射層を構成する構成材料については、上記「A.第1実施態様」の「2.再帰反射層」の「(1)再帰反射層を構成する構成材料」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)再帰反射層
上記再帰反射層の厚みは、応力発光層からの発光光を再帰反射させることが可能なものであれば特に限定されるものではない。上記厚みは、例えば、1μm〜500μmの範囲内とすることができる。
上記再帰反射層は、パターン状に形成されるものである。
上記再帰反射層の平面視形状、すなわち、上記再帰反射層の形成領域の平面視形状およびその幅としては、本態様の応力発光シートの用途および種類等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記再帰反射層の平面視上の面積と、上記応力発光層の平面視上の面積は、同一であってもよく、いずれかが大きいものであってもよい。例えば、平面視上、再帰反射層の面積は、応力発光層の面積よりも大きく、再帰反射層が応力発光層から露出するものであってもよい。
上記再帰反射層の形成方法としては、上記再帰反射用粒子および樹脂材料が含有されているものとすることができる方法であれば特に限定されるものではなく、上記「A.第1実施態様」の「2.再帰反射層」の「(2)再帰反射層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.透明基材
本態様における透明基材は、応力発光層および再帰反射層を支持するものである。
このような透明基材については、上記「B.第2実施態様」の「3.透明基材」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
4.その他の構成
本態様の応力発光シートは、上記透明基材、上記応力発光層および上記再帰反射層を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
(1)充填層
本態様の応力発光シートは、応力発光層がパターン状に形成されている場合に、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を含むことができる。パターン状に形成されている応力発光層の存在を隠ぺいすることができ、応力発光シートを偽造防止効果等により優れたものとすることができるからである。
図47は、本態様の応力発光シートの他の例を示す概略断面図である。図47では、応力発光層3がパターン状に形成され、応力発光シート10が応力発光層3と同一平面上に形成された充填層4を有する例を示すものである。
なお、図47中の符号については、図45のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記充填層は、例えば、既に説明した図47において、再帰反射層2および再帰反射層用充填層4aの両者が上記透明基材1aの同一表面上に上記透明基材1aと接するように形成されるのと同様に、上記充填層4は、応力発光層3と共に同一の部材の同一表面上に形成されるものとすることができる。
また、既に説明した図47において、応力発光層3および充填層4の両者が上記再帰反射層2および再帰反射層2と同一平面上に形成された再帰反射層用充填層4aの同一表面上に、上記再帰反射層2および上記再帰反射層用充填層4aと接するように形成されるように、上記充填層4は、上記応力発光層3と共に、同一平面上に形成された部材の同一表面上に形成されるものとすることができる。
上記充填層は、上記応力発光層を隠ぺいできるものであれば特に限定されるものではない。上記充填層の全光線透過率は、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。本態様においては、充填層の色を応力発光層の色と同系色とするとの観点からは、上記応力発光層と同一であることが好ましい。
上記充填層の平面視上の形成箇所は、応力発光層が形成されていない箇所であれば特に限定されるものではなく、例えば、応力発光層が形成されていない箇所の全てを含むものであって良く、応力発光層が形成されていない箇所の一部を含むものであっても良い。
既に説明した図47は、応力発光層3および充填層4が直接接するように形成されるものであり、充填層4の平面視上の形成箇所が、応力発光層3が形成されていない箇所の全てを含む例を示すものである。
なお、充填層についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「4.その他の構成」の「(1)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)再帰反射層用充填層
本態様の応力発光シートは、再帰反射層と同一平面上に形成された再帰反射層用充填層を含むことができる。
上記応力発光層を均一な厚みで形成することが容易となるからである。
上記再帰反射層用充填層としては、再帰反射性を有しないものであれば良く、透明樹脂層、着色樹脂層等を用いることができる。
また、上記再帰反射層用充填層としては、上記再帰反射層上に形成される応力発光層と同一組成の層や上記応力発光層と同一平面上に形成される充填層と同一組成の層を用いるものであっても良い。
上記再帰反射層用充填層の厚み、平面視上の形成箇所および形成方法については、上記「(1)充填層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
(3)隠ぺい層
本態様の応力発光シートは、上記応力発光層の少なくとも一方の表面側に形成され、上記応力発光層の存在を隠ぺいする隠ぺい層を含むことができる。応力発光層を覆うように形成される隠ぺい層を有することにより、パターン状に形成された応力発光層の存在を効果的に隠ぺいすることが可能となる等、応力発光シートを偽造防止効果等により優れたものとすることができるからである。
図48は、応力発光シート10が、応力発光層3および応力発光層3と同一平面上に形成された充填層4の上記再帰反射層2とは反対側の表面上に形成された隠ぺい層5を有する例を示すものである。
なお、既に説明した図48は、隠ぺい層5が、応力発光層3の一方の表面側のみに形成され、かつ、応力発光層3と接するように形成される例を示すものである。また、図48は、隠ぺい層5の平面視上の形成箇所が応力発光層3の形成されている箇所の全てを含む場合の例を示すものである。
なお、隠ぺい層についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「4.その他の構成」の「(2)隠ぺい層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(4)その他
上記その他の構成は、応力発光シートに一般的に用いられるものを含むことができる。上記その他の構成としては、例えば、上記「A.第1実施態様」の「4.その他の構成」の「(3)その他」の項に記載の内容と同様のものを用いることができる。
また、上記その他の構成は、体積ホログラムが記録された体積ホログラム層およびレリーフホログラムが記録されたレリーフホログラム層等のホログラム層、上記レリーフホログラム層の凹凸のレリーフの形成面に接するように形成される蒸着層等を含むことができる。
なお、これらのその他の構成は、応力発光シート等の偽造防止用の部材、意匠性付与を目的とする印刷物等に一般的に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
5.応力発光シート
本態様の応力発光シートは、応力発光シートを被着体に接着せずに単独で使用するものであってもよいが、被着体に接着して使用するものであってもよい。
上記被着体に接着して使用する態様としては、被着体との接着に用いられる接着層を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、上記透明基材の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された接着層を有する態様(第1使用態様)、上記透明基材の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成された第2透明基材と、上記第2透明基材の上記脆質層とは反対側の表面上に形成された接着層と、を有する態様(第2使用態様)、上記透明基材の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層と同一平面上に形成された第1接着層と、上記脆質層および上記第1接着層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成された第2透明基材と、上記第2透明基材の上記脆質層および上記第1接着層とは反対側の表面上に形成された第2接着層と、を有し、上記透明基材を切断する切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層と平面視上重なるように形成され、上記切れ込み部が、上記第1接着層を平面視上囲むように形成されている態様(第3使用態様)等を挙げることができる。
(1)第1使用態様
本態様の応力発光シートの第1使用態様は、上記透明基材の再帰反射層とは反対側の表面上に形成された接着層を有する態様である。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図49は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略断面図である。図49に例示するように、本態様の応力発光シート10は、上記透明基材1aの上記再帰反射層2とは反対側の表面上に形成された接着層6を有するものである。
なお、図49中の符号については、図39のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例においては、上記応力発光シート10は、上記接着層6の透明基材1aとは反対側の表面上に形成された剥離シート7を有するものである。
本態様によれば、上記接着層を有することにより、応力発光シートを偽造防止効果または意匠性が要求される被着体に容易に貼付可能とすることができる。
また、被着体に貼付した応力発光シートを剥離する際に応力発光層に加わる応力により応力発光層を発光させることで、応力発光シートを偽造防止効果および意匠性等を発揮するものとすることができる。
このような本態様の応力発光シートの具体的な用途としては、透明性を有する被着体としてのチケットやブランド品等に貼り付けて、応力を付与した際または剥離する際の発光により真贋判定を行う用途、意匠性を付与する用途等を挙げることができる。
なお、透明性を有する被着体とは、上記応力発光シートを上記被着体に接着した際に、上記応力発光シートの裏面側からの発光を観察できるものであることをいうものであり、全面が透明であるものに限定されず、上記応力発光シートを貼付する箇所に上記応力発光層からの発光光が透過可能な透過部を有するものであればよい。
上記接着層の平面視上の形成箇所としては、応力発光シートを被着体に安定的に貼付することができるものであれば特に限定されるものではない。
上記形成箇所は、上記透明基材の全面を含むもの、上記透明基材の一部を含むもの等とすることができる。本態様においては、なかでも、上記形成箇所が、上記透明基材の一部を含むものであること、すなわち、上記接着層がパターン状に形成されることが好ましい。上記接着層がパターン状に形成されることにより、上記接着層の形成されていない領域において上記応力発光層からの発光光を透過させることができる。したがって、上記応力発光シートは、上記裏面側におけるパターン発光の観察容易なものとなるからである。
なお、接着層についてのその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「5.応力発光シート」の「(1)第1使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様の応力発光シートは、上記接着層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成された剥離シートを有するものであっても良い。上記剥離シートが形成されていることにより、上記応力発光シートを目的の被着体に接着させる前に、目的外の被着体に接着すること等を防止することができるからである。
上記剥離シートとしては、上記「A.第1実施態様」の「5.応力発光シート」の「(1)第1使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)第2使用態様
本態様の応力発光シートの第2使用態様は、上記透明基材の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成された第2透明基材と、上記第2透明基材の上記脆質層とは反対側の表面上に形成された接着層と、を有する態様である。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図50は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略断面図である。図50に例示するように、本態様の応力発光シート10は、上記透明基材1aの上記再帰反射層2とは反対側の表面上に形成された脆質層8と、上記脆質層8の上記透明基材1aとは反対側の表面上に形成された第2透明基材1abと、上記第2透明基材1abの上記脆質層8とは反対側の表面上に形成された接着層6と、を有するものである。
なお、図50中の符号については、図49のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例においては、上記接着層6の上記透明基材1aとは反対側の表面上に剥離シート7を有するものである。
本態様によれば、上記透明基材および上記第2透明基材の間に上記脆質層を有することにより、応力発光シートは、上記透明基材および上記第2透明基材の間で容易に剥離可能となる。また、上記応力発光シートは、上記透明基材および上記第2透明基材の間を剥離する際に応力発光層に加わる応力により応力発光層を発光可能となる。
このようなことから、上記応力発光シートは、上記透明基材および上記第2透明基材の間で容易に分離および剥離するとともに、上記応力発光層を発光可能なものとすることができ、偽造防止効果および意匠性に優れたものとなるからである。
上記脆質層の平面視上の形成箇所としては、応力発光シートを上記透明基材および上記第2透明基材の間で容易に剥離可能とするものであれば特に限定されるものではない。
上記形成箇所は、上記透明基材の全面を含むもの、上記透明基材の一部を含むもの等とすることができる。本態様においては、なかでも、上記形成箇所が、上記透明基材の一部を含むものであること、すなわち、上記脆質層がパターン状に形成されることが好ましい。上記脆質層がパターン状に形成されることにより、上記脆質層の形成されていない領域において上記応力発光層からの発光光を透過させることができる。したがって、上記応力発光シートは、上記裏面側で発光観察の容易なものとなるからである。
このような本態様の応力発光シートの具体的な用途、脆質層についてのその他の事項、第2透明基材および接着層については、上記「B.第2実施態様」の「5.応力発光シート」の「(3)第3使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(3)第3使用態様
本態様の応力発光シートの第3使用態様は、透明基材の再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、上記脆質層と同一平面上に形成された第1接着層と、上記脆質層および上記第1接着層の上記透明基材とは反対側の表面上に形成された第2透明基材と、上記第2透明基材の上記脆質層および上記第1接着層とは反対側の表面上に形成された第2接着層と、を有し、上記透明基材を切断する切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層と平面視上重なるように形成され、さらに、上記切れ込み部が上記第1接着層を平面視上囲むように形成されている態様である。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図51は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略平面図であり、図52は図51のC3−C3線断面図である。図51および図52に例示するように、本態様の応力発光シート10は、透明基材1aの再帰反射層2とは反対側の表面上に形成された脆質層8と、上記脆質層8と同一平面上に形成された第1接着層6aと、上記脆質層8および上記第1接着層6aの上記透明基材1aとは反対側の表面上に形成された第2透明基材1abと、上記第2透明基材1abの上記脆質層8および上記第1接着層6aとは反対側の表面上に形成された第2接着層6bと、を有し、上記透明基材1aを切断する切れ込み部11が、上記再帰反射層2および上記応力発光層3と平面視上重なるように形成され、さらに、上記切れ込み部11が上記第1接着層6aを平面視上囲むように形成されるものである。
なお、図51および図52中の符号については、図39のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。また、図51では、説明の容易のため、再帰反射層および応力発光層の記載を省略するものである。
また、この例においては、第2接着層6bの透明基材1aとは反対側の表面上に剥離シート7を有するものである。
本態様によれば、上記再帰反射層および上記応力発光層は箔切れ性に優れるため、上記透明基材に上記切れ込み部が形成されていることにより、上記透明基材を切断分離する際に、上記再帰反射層および上記応力発光層も容易に切断分離することが可能となる。
このため、上記透明基材に上記切れ込み部が形成されていることにより、上記応力発光シートを上記切れ込み部の形成箇所に沿って容易に分離することができる。また、上記応力発光層を上記切れ込み部の形成箇所に沿って容易に発光可能なものとすることができる。さらに、上記切れ込み部の形成箇所の周辺の応力発光層も発光可能とすることができ、その際には、上記再帰反射層および上記応力発光層のパターン形状により両面で異なるパターン発光と発光強度の異なるパターン発光とが可能となる。
また、上記切れ込み部が、上記接着層を平面視上囲むように形成されていることにより、上記切れ込み部の形成箇所に沿って分離された応力発光シートのうち、上記接着層が形成されている部位のみを被着体に残し、上記脆質層が形成されている部位のみを容易に剥離可能なものとすることができる。
さらに、上記切れ込み部が、上記再帰反射層および上記応力発光層の両者と平面視上重なるように形成されていることにより、上記切れ込み部の存在を上記応力発光層および上記再帰反射層により隠ぺいすることができる。
このようなことから、上記応力発光シートを、隠蔽された上記切れ込み部の形成箇所に沿ってパターン状に容易に分離および剥離するとともに、上記切れ込み部の形成箇所に沿って発光可能なものとすることができ、偽造防止効果および意匠性に優れたものとすることができる。
図53は、被着体に接着している本態様の応力発光シートの分離方法を説明する工程図であり、被着体20の表面に接着した応力発光シート10に対して、応力発光シート10の切れ込み部11の周囲の部位10bを所定の引っ張り力pで引っ張ることで(図53(a))、応力発光シート10の上記接着層6aが形成された部位10aを被着体20上に接着した状態で残し、応力発光シート10の切れ込み部の周囲の部位10bを上記透明基材1aおよび上記第2透明基材1abの間で剥離して分離する例を示すものである(図53(b))。
なお、図53中の符号については、図52のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。また、この例では、上記脆質層8が、上記脆質層8および上記第2透明基材1abの間で剥離するものである例を示すものである。
既に説明した図51は、上記切れ込み部の平面視上の形状が直線状である例を示すものである。
このような本態様の応力発光シートのより具体的な用途、切れ込み部、第1接着層、第2透明基材および脆質層についてのその他の事項については、上記「B.第2実施態様」の「5.応力発光シート」の「(4)第4使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(4)その他の使用態様
本態様の応力発光シートを単独で使用する態様としては、上記応力発光シートを分離し、その分離の際に応力発光層を発光させて使用する態様(第4使用態様)、上記応力発光シートを分離することなく使用する態様(第5使用態様)等を挙げることができる。
(a)第4使用態様
本態様の応力発光シートの第4使用態様としては、例えば、応力発光シートを平面視上切断するように設けられた切れ込み部を有する態様を挙げることができる。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図54は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略平面図であり、図55は図54のC4−C4線断面図である。
図54および図55に例示するように、本態様の応力発光シートは、上記切れ込み部が、上記透明基材1a、再帰反射層2および応力発光層3の全ての層に形成されるものである。
なお、図54および図55中の符号については、図52のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例においては、上記切れ込み部11の平面視上の形状が破線状であるものである。
本態様によれば、上記切れ込み部を有することにより、上記応力発光シートを上記切れ込み部で容易に切断し、分離可能なものとすることができるとともに、上記切れ込み部で切断および分離する際に、上記切れ込み部の形成箇所に沿って上記応力発光層を容易に発光可能なものとすることができる。
また、上記切れ込み部の形成箇所の周辺の応力発光層も発光可能とすることができ、その際には、上記再帰反射層および上記応力発光層のパターン形状により両面で異なるパターン発光と発光強度の異なるパターン発光とが可能となる。
このような本態様の応力発光シートのより具体的な用途および切れ込み部については、上記「B.第2実施態様」の「5.応力発光シート」の「(5)その他の使用態様」の「(a)第5使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(b)第5使用態様
本態様の応力発光シートの第5使用態様としては、例えば、上記再帰反射層および上記応力発光層の間に形成された中間透明基材と、上記応力発光層の上記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された透明保護層と、を有し、カードとして用いられる態様が挙げられる。
このような本態様の応力発光シートを図を参照して説明する。図56は、本態様の応力発光シートの一例を示す概略断面図である。図56に例示するように、カードとして用いられる本態様の応力発光シート10は、上記再帰反射層2および上記応力発光層3の間に形成された中間透明基材1cと、上記応力発光層3の上記再帰反射層2とは反対側の表面上に形成された透明保護層14aと、上記透明保護層14aの上記応力発光層3とは反対側の表面上に形成された印刷層15と、を有するものである。
なお、図56中の符号については、図39および図40のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、この例では、上記応力発光シート10は、中間透明基材1cとして、応力発光層3側に形成された第1の中間透明基材1cと、再帰反射層2側に形成された第2の中間透明基材1cとの2層の中間透明基材1cを有するものである。
本態様によれば、上記応力発光シートは、上記応力発光層および上記再帰反射層を有するものであるため、偽造防止効果および意匠性に優れたカードとなる。
上記応力発光シートは、カードとして使用されるために必要となる機能層を含むことができる。
このような本態様の応力発光シートのより具体的な用途、中間透明基材、透明保護層、印刷層および機能層としては、上記「B.第2実施態様」の「5.応力発光シート」の「(5)その他の使用態様」の「(b)第6使用態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、上記機能層の形成箇所としては、上記機能層の機能に応じて異なるものであり、例えば、上記機能層が上記磁気テープ層である場合には、上記応力発光層の上記再帰反射層とは反対側の表面上等とすることができる。
6.応力発光シートの製造方法
本態様の応力発光シートの製造方法としては、上記各構成を含む応力発光シートを精度良く製造できる方法であれば特に限定されるものではない。
上記製造方法としては、例えば、透明基材、再帰反射層および応力発光層をこの順で積層する方法を挙げることができる。
また、上記透明基材に切り込み部が形成されている応力発光シートの製造方法としては、まず、剥離シート、第1の接着層、第2透明基材、脆質層および第2接着層、ならびに透明基材がこの順で積層した積層体を準備し、上記積層体の上記透明基材側から、切り込み部を形成したい箇所に凸状の刃物が配置された原版を押し付けて、上記透明基材に切れ込み部を形成し、次いで、原版を剥離した後、上記積層体の上記透明基材上に、再帰反射層および応力発光層をこの順で形成する方法を挙げることができる。
上記中間透明基材を有する応力発光シートの製造方法としては、例えば、透明基材、再帰反射層、中間透明基材および応力発光層をこの順で積層する方法を挙げることができる。本態様においては、上記製造方法は、中間透明基材と中間透明基材上に形成された応力発光層とを有する第1積層体と、透明基材、再帰反射層および中間透明基材がこの順で積層した第2積層体とを準備し、両積層体を加熱圧着する方法であることが好ましい。同程度の厚みの積層体同士を加熱圧着することで安定的に積層体同士を密着させることができるからである。なお、この製造方法で製造される場合、上記応力発光シートは、既に説明した図56に示すように、中間透明基材1cとして、上記第1積層体由来のものと、上記第2積層体由来のものとの2層の中間透明基材1cを有するものとなる。
7.用途
本態様の応力発光シートの用途としては、偽造防止用途および意匠性が求められる用いられるものとすることができ、クレジットカード、キャッシュカード等のカード等を挙げることができる。
また、応力発光シートを他の被着体に接着可能な接着層を有するものとし、被着体に貼付可能な応力発光シートラベル等として用いられるものであっても良い。
さらに、応力発光シートとして、ヒートシール層を有するものとし、被着体に転写可能な応力発光シート転写箔等として用いられるものであっても良い。
具体的には、本態様の応力発光シートを応力発光シート転写箔として用い、これを被着体に転写して偽造防止媒体を形成した場合、図57に例示するように、偽造防止媒体100としては、被着体101および接着層6としてのヒートシール層が被着体101と対向するように配置された応力発光シート10を有するものを挙げることができる。
また、上記被着体としては、偽造防止が要求されるものを挙げることができ、例えば、後述する被着体の具体例として記載されるものを挙げることができる。
なお、図57(a)は、上記偽造防止媒体が紙幣として用いられる例を示す概略平面図であり、図57(b)は、図57(a)のC5−C5線断面図である。図57では、応力発光シート10は、接着層6としてのヒートシール層、透明基材1a、パターン状の再帰反射層2および再帰反射層用充填層4a、応力発光層3、および隠ぺい層5をこの順で積層した構造を有し、接着層6を介して被着体101に転写したものである。また、図57では、ライン状の再帰反射層2が数字「123」を表わすようにパターン状に形成され、上記偽造防止媒体100が、数字「500」を表わす印刷層104を有する例を示すものである。さらに図57(a)では説明の容易のため、応力発光層および隠ぺい層の記載を省略するものである。
上記被着体としては、上記「B.第2実施態様」の「7.用途」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、本態様の応力発光シートは、紙層内に漉き込まれて埋設されるスレッド基材として用いてもよい。
本態様の応力発光シートをスレッド状に形成し、これを紙層内に漉き込んで埋設することで偽造防止用紙を形成した場合、図58に例示するように、偽造防止用紙200としては、紙層201と、上記紙層201内に漉き込まれて埋設された帯状のスレッド基材202と、を有し、上記紙層201の一方の表面には、上記スレッド基材202が平面視上露出する開口部203が形成され、上記スレッド基材202が応力発光シート10であるものとすることができる。
図58(a)は、偽造防止用紙が紙幣として用いられる例を示す概略平面図であり、図58(b)は、図58(a)のC6−C6線断面図である。図58では、スレッド基材としての応力発光シート10は、透明基材1a、パターン状の再帰反射層2および再帰反射層用充填層、応力発光層3、および隠ぺい層5を有し、応力発光シート10の応力発光層3が開口部203から露出する側に配置され、透明基材1aが紙層201内部側に配置される例を示すものである。
本態様の応力発光シートの偽造防止媒体内の平面視上の形成位置としては、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本態様の応力発光シートのより具体的な用途としては、上記「A.第1実施態様」の項に記載の用途にも用いることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
1.印刷
基材、接着層および剥離紙(剥離シート)がこの順で積層したタック紙の基材側(剥離紙とは反対側)に、シルクスクリーン印刷機にて十条ケミカル製COLOSER再帰反射インキを厚さ約20μmで直径2cmの円状に塗布し、再帰反射層を形成した。
その後、上記再帰反射層上に、グラビア印刷機にて応力発光インキを星柄の絵柄に約10μmの厚さで印刷し、星柄の絵柄の応力発光層を形成した。応力発光層の星柄の絵柄は上記の直径2cmの円に収まるサイズとした。
さらに、応力発光層の絵柄をポジとしたときにネガとなるような絵柄を大日精化製KR−V02ハーフマット(NT)で印刷することにより、充填層を形成した。
なお、応力発光インキとKR−V02ハーフマット(NT)は同系色である。
2.加工
タック紙に対して、タック紙の応力発光層が形成された側から、基材がせん断され、剥離紙には到達しない深さまで刃型を入れ、シール状に加工した。なお、刃型は、上記再帰反射層の外周に相当する上記の直径2cmの円の円周に該当する部分に入れた。
その後、上記刃型により基材が切断されている上記の直径2cmの円を分断しないようなサイズで、小切れに断裁し、剥離紙、接着層、基材、再帰反射層および応力発光層がこの順で積層した応力発光シートを作製した。
3.評価
直径2cmの円の内部に該当する領域の基材を、剥離紙から剥がし、医薬品包装箱に貼り付けた。箱から剥離する際に、星柄の絵柄の発光が観察された。
[実施例2]
1.印刷
透明基材、接着層および剥離紙(剥離シート)がこの順で積層したタック紙の透明基材側(剥離紙とは反対側)に、グラビア印刷機にて応力発光インキを星柄の絵柄に約10μmの厚さで印刷し、星柄の絵柄の応力発光層を形成した。
さらに、応力発光層の絵柄をポジとしたときにネガとなるような絵柄を大日精化製KR−V02ハーフマット(NT)で印刷することにより、充填層を形成した。
なお、応力発光インキとKR−V02ハーフマット(NT)は同系色である。
次いで、上記応力発光層上に、シルクスクリーン印刷機にて十条ケミカル製COLOSER再帰反射インキを厚さ約20μmで直径2cmの円状に塗布し、再帰反射層を形成した。
なお、上記応力発光層の星柄の絵柄は上記の直径2cmの円に収まるサイズとした。
2.加工
タック紙に対して、タック紙の応力発光層が形成された側から、透明基材がせん断され、剥離紙には到達しない深さまで刃型を入れ、シール状に加工した。なお、刃型は、上記再帰反射層の外周に相当する上記の直径2cmの円の円周に該当する部分に入れた。
その後、上記刃型により透明基材が切断されている上記の直径2cmの円を分断しないようなサイズで、小切れに断裁し、剥離紙、接着層、透明基材、応力発光層および再帰反射層がこの順で積層した応力発光シートを作製した。
3.評価
直径2cmの円の内部に該当する領域の透明基材を、剥離紙から剥がし、透明フィルムに貼り付けた。透明フィルムを変形すると、星柄の絵柄の発光が観察された。
[実施例3]
1.印刷
透明基材、接着層および剥離紙(剥離シート)がこの順で積層したタック紙の透明基材側(剥離紙とは反対側)に、シルクスクリーン印刷機にて十条ケミカル製COLOSER再帰反射インキを厚さ約20μmで、既に説明した図44(b)に示すように、直径3cmの円状に塗布し、再帰反射層を形成した。
次いで、再帰反射層の絵柄をポジとしたときにネガとなるような絵柄を透明樹脂材料(株式会社セイコーアドバンス社製 厚盛りメジューム)を用いて印刷することにより、再帰反射層用充填層を形成した。
その後、上記再帰反射層上に、グラビア印刷機にて応力発光インキを、既に説明した図44(a)に示すように、1辺3cmの正方形状を2つと、直径1cmの円形状を2つと、を1セットとして有する絵柄に、約10μmの厚さで印刷し、上記絵柄の応力発光層を形成した。
さらに、応力発光層の絵柄をポジとしたときにネガとなるような絵柄を大日精化製KR−V02ハーフマット(NT)で印刷することにより、充填層を形成した。
なお、応力発光インキとKR−V02ハーフマット(NT)は同系色である。
2.加工
応力発光層の1セットの絵柄を分断しないようなサイズで、小切れに断裁し、剥離紙、接着層、透明基材、再帰反射層および応力発光層がこの順で積層した応力発光シートを作製した。
3.評価
応力発光シートの透明基材を、剥離紙から剥がし、透明なアクリルフィルムに貼り付けた。
透明なアクリルフィルムを湾曲させると、表面側および裏面側で、それぞれ図46(a)および(b)に示す発光が観察された。
1、1b … 基材
1a、1ab … 透明基材
1c … 中間透明基材
2 … 再帰反射層
3 … 応力発光層
4 … 充填層
5 … 隠ぺい層
6、6a、6b … 接着層
7 … 剥離シート
8 … 脆質層
10、10a、10b … 応力発光シート
11 … 切れ込み部
12 … 再帰反射用粒子
13 … 応力発光粒子
14 … 保護層
14a … 透明保護層
15 … 印刷層

Claims (12)

  1. 基材と、
    前記基材の一方の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層と、
    前記再帰反射層の前記基材とは反対側の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、を有
    前記基材の前記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、
    前記脆質層の前記基材とは反対側の表面上に形成された第2基材と、
    前記第2基材の前記脆質層とは反対側の表面上に形成された接着層と、
    を有することを特徴とする応力発光シート。
  2. 基材と、
    前記基材の一方の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層と、
    前記再帰反射層の前記基材とは反対側の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、を有する応力発光シートであって、
    前記基材の前記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、
    前記脆質層と同一平面上に形成された第1接着層と、
    前記脆質層および前記第1接着層の前記基材とは反対側の表面上に形成された第2基材と、
    前記第2基材の前記脆質層および前記第1接着層とは反対側の表面上に形成された第2接着層と、
    を有し、
    前記基材を切断する切れ込み部が、前記再帰反射層および前記応力発光層と平面視上重なるように形成され、
    前記切れ込み部が、前記第1接着層を平面視上囲むように形成されていることを特徴とする応力発光シート。
  3. 透明基材と、
    前記透明基材の一方の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、
    前記応力発光層の前記透明基材とは反対側の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層と、を有することを特徴とする応力発光シート。
  4. 前記応力発光層がパターン状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の応力発光シート。
  5. 前記透明基材の前記応力発光層とは反対側の表面上に形成された接着層を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の応力発光シート。
  6. 前記再帰反射層の前記応力発光層とは反対側の表面上に形成された接着層を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の応力発光シート。
  7. 前記応力発光層および前記再帰反射層の間に形成された中間透明基材と、
    前記再帰反射層の前記応力発光層とは反対側の表面上に形成された保護層と、
    を有し、カードとして用いられることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の応力発光シート。
  8. 透明基材と、
    前記透明基材の一方の表面上に形成され、再帰反射用粒子および樹脂材料を含有する再帰反射層と、
    前記再帰反射層の前記透明基材とは反対側の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、を有し、
    前記再帰反射層がパターン状に形成され、
    前記応力発光層が前記再帰反射層の形成領域および非形成領域の両者を覆うように形成されていることを特徴とする応力発光シート。
  9. 前記応力発光層がパターン状に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の応力発光シート。
  10. 前記透明基材の前記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、
    前記脆質層の前記透明基材とは反対側の表面上に形成された第2透明基材と、
    前記第2透明基材の前記脆質層とは反対側の表面上に形成された接着層と、
    を有することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の応力発光シート。
  11. 前記透明基材の前記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された脆質層と、
    前記脆質層と同一平面上に形成された第1接着層と、
    前記脆質層および前記第1接着層の前記透明基材とは反対側の表面上に形成された第2透明基材と、
    前記第2透明基材の前記脆質層および前記第1接着層とは反対側の表面上に形成された第2接着層と、
    を有し、
    前記透明基材を切断する切れ込み部が、前記再帰反射層および前記応力発光層と平面視上重なるように形成され、
    前記切れ込み部が、前記第1接着層を平面視上囲むように形成されていることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の応力発光シート。
  12. 前記再帰反射層および前記応力発光層の間に形成された中間透明基材と、
    前記応力発光層の前記再帰反射層とは反対側の表面上に形成された透明保護層と、
    を有し、カードとして用いられることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の応力発光シート。
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