JP2016215517A - スクラッチシート - Google Patents

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Yuko Aoyama
祐子 青山
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博孝 増山
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Abstract

【課題】本発明は、娯楽性に優れたスクラッチシートを提供することを主目的とする。【解決手段】本発明は、基材と、上記基材の一方の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、上記応力発光層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、剥離剤を含む剥離層と、上記剥離層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、隠ぺい性およびスクラッチ性を有するスクラッチ層と、を有することを特徴とするスクラッチシートを提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、娯楽性に優れたスクラッチシートに関するものである。
宝くじカード、抽選くじカード、プリペイドカードなどの各種カードとして、くじ結果や個別情報等を隠ぺいするためのスクラッチ層が設けられたスクラッチシートが知られている。
ここで、スクラッチ層は硬貨等で擦ることにより剥離除去され、下層の文字、記号などの印刷された情報を表示させることが可能となる(例えば、特許文献1〜2)。
実開平6−42229号公報 特開2003−72268号公報
しかしながら、特許文献1〜2に記載されるようなスクラッチ層は、十分な隠ぺい効果を持たせるために、通常は厚い銀インキ層として印刷により形成されたものが知られているが、削り取り作業が地味で娯楽性が低いといった問題がある。
このため、例えば、スクラッチシートが、開封率、既読率の向上のため、くじ付きのダイレクトメール、チラシ等に用いられた場合でも、十分な開封率を得ることができないといった問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり娯楽性に優れたスクラッチシートを提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基材と、上記基材の一方の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、上記応力発光層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、剥離剤を含む剥離層と、上記剥離層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、隠ぺい性およびスクラッチ性を有するスクラッチ層と、を有することを特徴とするスクラッチシートを提供する。
また、本発明は、基材と、上記基材の一方の表面上に形成され、応力発光粒子、バインダ樹脂および剥離剤を含有する応力発光層と、上記応力発光層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、隠ぺい性およびスクラッチ性を有するスクラッチ層と、を有することを特徴とするスクラッチシートを提供する。
本発明によれば、上記応力発光層を有することにより、上記スクラッチ層を削り取る際に発光可能となる。
このため、上記スクラッチシートは、娯楽性に優れたものとなる。
本発明においては、上記応力発光層がパターン状に形成されていることが好ましい。上記スクラッチ層を削り取る際にパターン状に発光可能となり、上記スクラッチシートは、娯楽性により優れたものとなるからである。
本発明においては、上記応力発光層と同一平面上に形成され、剥離剤を含有する剥離性充填層を有することが好ましい。上記剥離層が上記応力発光層上に形成される場合、上記応力発光層の形成されていない箇所に上記剥離層の形成に用いられる剥離層形成用インキが流れ込むことを防止不要とすることができる。このため、上記剥離層の形成が容易となるからである。また、上記応力発光層が上記剥離剤を含み、上記剥離層が上記応力発光層と別体として形成されない場合であり、上記スクラッチ層が上記応力発光層の形成されていない箇所を覆うように形成される場合でも、安定的に上記スクラッチ層が削り取り可能となるからである。
本発明は、娯楽性に優れたスクラッチシートを提供できるという効果を奏する。
本発明のスクラッチシートの一例を示す概略断面図である。 本発明のスクラッチシートの他の例を示す概略平面図である。 図2のA−A線断面図である。 本発明のスクラッチシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のスクラッチシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のスクラッチシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のスクラッチシートの他の例を示す概略平面図である。 本発明のスクラッチシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のスクラッチシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のスクラッチシートの他の例を示す概略断面図である。 本発明のスクラッチシートの他の例を示す概略断面図である。
本発明は、スクラッチシートに関するものである。
以下、本発明のスクラッチシートについて詳細に説明する。
本発明のスクラッチシートは、基材と、上記基材の一方の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、上記応力発光層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、剥離剤を含む剥離層と、上記剥離層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、隠ぺい性およびスクラッチ性を有するスクラッチ層と、を有することを特徴とする、上記応力発光層および上記剥離層が別体として形成される態様(第1実施態様)と、基材と、上記基材の一方の表面上に形成され、応力発光粒子、バインダ樹脂および剥離剤を含有する応力発光層と、上記応力発光層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、隠ぺい性およびスクラッチ性を有するスクラッチ層と、を有することを特徴とする、上記応力発光層および上記剥離層が一体で形成される態様(第2実施態様)と、を有するものである。
以下、本発明のスクラッチシートを、各実施態様に分けて説明する。
A.第1実施態様
本発明のスクラッチシートの第1実施態様は、基材と、上記基材の一方の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、上記応力発光層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、剥離剤を含む剥離層と、上記剥離層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、隠ぺい性およびスクラッチ性を有するスクラッチ層と、を有することを特徴とするものであり、上記応力発光層および上記剥離層が別体として形成されるものである。
このような本態様のスクラッチシートについて図面を参照して説明する。
図1は、本態様のスクラッチシートの一例を示す概略断面図である。図2は、本態様のスクラッチシートの他の例を示す概略平面図であり、図3は図2のA−A線断面図である。
図1〜図3に示すように、本態様のスクラッチシート10は、基材1と、上記基材1の一方の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層2と、上記応力発光層2の上記基材1とは反対側の表面上に形成され、剥離剤を含む剥離層3と、上記剥離層3の上記基材1とは反対側の表面上に形成され、隠ぺい性およびスクラッチ性を有するスクラッチ層4と、を有するものである。
なお、図1では、上記スクラッチシート10は、上記基材1および上記応力発光層2の間に形成された印刷層5として、印字層5aを有するものである。
図2および図3では、上記スクラッチシート10は、上記印刷層を含まない例であり、上記応力発光層2がパターン状に形成され、上記応力発光層2と同一平面上に形成される充填層6として、上記剥離層3と一体で形成された剥離性充填層6aを有するものである。
また、図2では、説明の容易のため、上記剥離層、充填層および上記スクラッチ層の記載を省略するものである。
本態様によれば、上記応力発光層を有することにより、上記スクラッチ層を削り取る際に発光可能となる。
上記応力発光層の発光により、上記スクラッチシートは、例えば暗所においても、上記スクラッチ層を削り取りと同時に上記スクラッチ層により隠ぺいされていた情報が読み取り可能となる。
また、上記スクラッチ層により隠ぺいされる情報の表示方法のバリエーションの多いものとなる。例えば、上記応力発光層の発光パターンにより上記スクラッチ層により隠ぺいされる情報を表示するもの、上記発光パターンと上記基材上に形成された印刷層との組み合わせにより情報を表示するもの等とすることができる。
このため、上記スクラッチシートは、娯楽性に優れたものとなる。
また、このような本態様のスクラッチシートは、くじ付きのダイレクトメール、チラシ等に用いられた場合、開封率等の向上を図ることができる。
さらに、上記応力発光層の発光の有無、上記応力発光層の発光パターン等により、真贋判断を行うことが可能となる。
このため、上記スクラッチシートは、偽造防止効果に優れたものとなる。
さらにまた、上記応力発光層および上記剥離層が別体で形成されることにより、上記応力発光層をパターン状に形成するか否かに影響を受けることなく、上記剥離層を、上記スクラッチ層と平面視上重なるように形成することが可能となる。
このため、上記スクラッチシートは、上記応力発光層をパターン状に形成容易なものとなる。
本態様のスクラッチシートは、基材、応力発光層、剥離層およびスクラッチ層を有するものである。
以下、本態様のスクラッチシートにおける各構成について説明する。
1.応力発光層
本態様における応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(1)応力発光層の構成材料
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有するものである。
(a)応力発光粒子
上記応力発光粒子としては、外部から加えられた歪みエネルギーによって、粒子自体が発光するという性質を有し、かつその歪みエネルギーに比例して発光強度を変化させるという性質を有するものであればよい。
本態様においては、上記応力発光粒子からの発光光の波長(以下、所定の波長と称する場合がある。)が、可視光の範囲内に含まれることが好ましい。観察者が目視にて応力発光層からの発光光を視認でき、娯楽性に優れたものとなるとの本態様の効果をより効果的に発揮できるからである。
可視光の波長範囲としては、具体的には、400nm〜800nmの範囲内とすることができる。
また、上記所定の波長は、可視光以外の領域を有するものとし、例えば、応力発光層が蛍光材料を含有する蛍光層の発光に用いられるものであっても良い。
なお、上記所定の波長とは、波長200nm〜1000nmの範囲内での応力発光粒子の発光スペクトルの最大ピーク波長をいうものである。
上記応力発光粒子の発光輝度としては、例えば、観察者が目視にて視認可能とするとの観点からは、1.0mcd/cm以上であることが好ましく、なかでも、10mcd/cm以上であることが好ましく、特に、100mcd/cm以上であることが好ましい。発光輝度が上記範囲内であることにより、上記スクラッチシートの娯楽性、情報の視認性等の向上を図ることができるからである。
このような応力発光粒子を構成する応力発光材料としては、例えば、高度に構造を制御した無機結晶骨格の中に、発光中心となる元素を添加した材料(セラミックス)を挙げることができる。ここで、無機材料および発光中心となる元素の種類を選択することにより、紫外〜可視〜赤外の様々な波長で発光する材料を用いることができる。
上記応力発光材料は、与えられたエネルギーによる発光の減衰時間により応力発光蛍光材料と応力発光リン光材料とに分けることができる。
上記蛍光発光材料としては、例えば発光中心としてユウロピウムを添加したアルミン酸ストロンチウム(SrAl:Eu、緑色に発光)、マンガンを発光中心として添加した硫化亜鉛(ZnS:Mn、黄緑色に発光)などが挙げられる。
上記応力発光粒子を構成する応力発光材料の種類は、1種類のみを用いるものに限定されず、2種類以上を用いるものであっても良い。
本態様においては、なかでも、上記応力発光材料の種類が2種類以上であることが好ましい。応力発光層を発光色の異なる領域を有するものとすることが可能となる。例えば、図4に示される応力発光層2を、xで示される領域が第1の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第1の発光色の領域であり、yで示される領域が第2の応力発光材料からなる応力発光粒子を含有する第2の発光色の領域とすることができる。このようなことから、スクラッチシートは、娯楽性、情報の視認性等に優れたものとなるからである。
また、上記応力発光層が同一のスクラッチシートに2層以上積層される場合、各応力発光層に含まれる応力発光粒子の種類は同一であっても良く、異なるものであっても良い。
なお、図4中の符号については、図1〜図3のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、本態様においては、応力発光材料を2種類以上用いる場合に、各応力発光材料からなる応力発光粒子を混合して用いるもの、例えば、第1の応力発光粒子からの発光色と第2の応力発光粒子からの発光色とが混合された、1色の発光色の応力発光層とするものであっても良い。
上記応力発光粒子の形状としては、従来公知の形状とすることができる。上記形状は、例えば、略球状、回転楕円体状、多面体状、鱗片状、円盤状、繊維状及び針状等を挙げることができる。
本態様においては、さらに、上記応力発光粒子の表面がランダムに形成された微細凹凸形状を有することが好ましい。応力発光粒子の微細凹凸が形成された箇所に応力が伝わりやすいものとすることができ、応力発光粒子を効率的に発光可能なものとすることができるからである。
上記凹凸形状は、凹凸の周期および深さがナノサイズから数ミクロンサイズのものとすることができる。
上記応力発光粒子の平均一次粒径は、所望の発光強度の応力発光層を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜50μmの範囲内とすることができ、なかでも、5.0μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。上記粒径であることにより発光強度に優れた応力発光層とすることができるからである。
上記平均一次粒径は、レーザー回折散乱法を用いて測定する方法で求めることができる。レーザー回折散乱法は、粒子を分散媒に均一に分散し、次いで、粒子にレーザー光を照射することによる光の回析/散乱現象を利用するもので、その回折/散乱光の強度パターンが、粒子の大きさに依存しており、回析/散乱光の角度により異なる強度パターン(強度分布)が観測されて、フランホーファ回折理論や、ミー散乱理論を用いて、粒子径分布を求める方法である。レーザー回折散乱法を用いて上記平均一次粒径を求める場合、乾式でも湿式でも測定することができる。湿式で測定する場合は水またはエタノールを分散体として測定することができる。
また、レーザー回折散乱法に用いるレーザー光としては、半導体レーザー(波長680nm)等を用いることができる。
上記応力発光粒子は、耐水性向上のための耐水性材料を用いて形成された耐水性被膜によって被覆されていることが好ましい。水による応力発光材料の結晶構造の崩壊や、発光性の喪失を防ぐことができるからである。また、スクラッチシートの耐水性および耐候性等の向上を図ることができるからである。
なお、耐水性の評価方法として、例えば、JIS K 6404−9:1999における、所定の調整をしたスクラッチシートを用いて、指定温度の温水を用いて、水浸試験を行う方法を用いることができる。なお、上記のJIS規格においては、水浸試験を4時間実施することとなっているが、本試験においては、スクラッチシートに含まれる応力発光層からの発光の発光強度が半減するまで、水浸試験を続け、その試験時間(水に浸す時間)を、応力発光粒子の発光強度が半減する時間と設定することで評価する方法を用いることができる。
また、耐水性が向上するとは、耐水性被膜が形成された応力発光粒子を用いたスクラッチシートの半減時間と、耐水性被膜が形成されていない応力発光粒子を用いたスクラッチシートの半減時間とを比較し、その半減時間が、2.0倍以上となることを意味する。
なお、耐水性被膜の形成回数を増やして、形成される耐水性被膜の厚さを厚くすればするほど、耐水性を向上させることができるが、その作業の煩雑さや、耐水性の向上効果が飽和することを考慮し、目的とする半減時間としては、2.0倍以上10倍以下であることが好ましい。
上記耐水性材料としては、応力発光粒子の耐水性を向上できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、シランカップリング剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属アルコキシド、金属酸化物等を挙げることができる。
これらの耐水性材料については、それぞれ単独で用いても良く、混合して用いても良い。混合して用いる場合、耐水性被膜は、複数の耐水性材料の混合物を用いて形成された1層のみからなるものであっても良く、耐水性材料の異なる層を複数層含むものであっても良い。
上記シランカップリング剤としては、応力発光粒子の耐水性を向上可能なものであれば特に限定されるものではないが、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するもの、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ基を有するもの、P−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基を有するもの、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル基を有するもの、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリル基を有するもの、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するもの、さらには、トリメチルシリルクルロライド、ヘキサメチルジシラザン、BSTFA(N、O―ビスートリメチルシリルートリフルオロアセトアミド)、トリエチルシリルクロライド、クロロメチルトリメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、ヘキサメチルジシラン、N、N´−ビストリメチルシリル尿素等を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、応力発光粒子の耐水性を向上可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリベンジルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリイソブチルアクリレート等のアクリル酸エステル樹脂、硝酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、アクリルアミド樹脂、およびポリスチレン樹脂等を挙げることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、応力発光粒子の耐水性を向上可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、およびフッ素化樹脂等が挙げられる。
上記金属アルコキシドを構成する金属元素としては、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、および、ケイ素を挙げることができる。
上記アルコキシドの種類としては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、オキシイソプロポキシド、ブトキシド等を用いることができる。
上記金属アルコキシドとしては、具体的には、テトラエトキシシランまたはテトラメトキシシランを部分的に加水分解および縮合することにより得られるエチルシリケートおよびメチルシリケート等を用いることができる。
本態様においては、上記金属アルコキシドが、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエチルシリケート、テトラメチルシリケート、アルミニウムトリイソプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド等であることが好ましい。応力発光粒子を耐水性に優れたものとすることができるからである。
上記金属酸化物としては、アルミナ、二酸化チタン等を挙げることができる。
上記耐水性被膜の厚みは、所望の耐水性を得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜10μmの範囲内とすることができる。
上記耐水性被膜の形成方法としては、応力発光粒子の表面を覆う耐水性被膜を精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではない。
上記形成方法は、上記耐水性材料と、応力発光粒子とを混合する方法を用いることができる。
上記形成方法は、必要に応じて有機溶媒中で混合するものであっても良い。
上記形成方法は、上記耐水性材料が金属酸化物である場合には、化学的気相成長法(CVD法等)を用いることができる。
上記有機溶媒としては、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン、オキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等を好ましく用いることができ、なかでも、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤等を好ましく用いることができる。
上記有機溶媒の水分含有量としては、応力発光粒子への耐水性被膜の被覆が可能なものであれば特に限定されるものではないが、0.5質量%未満であることが好ましい。有機溶媒中の水分による応力発光粒子の発光特性の低下を抑制できるからである。
上記応力発光粒子の含有量としては、所望の発光強度の応力発光層を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、応力発光層を印刷法を用いて形成する場合には、印刷方法によっても異なるものである。上記含有量は、例えば、応力発光層中に1質量%〜50質量%の範囲内とすることができる。
上記応力発光粒子の含有量の種類が、1種類であること、すなわち、応力発光粒子の含有量が応力発光層内で均一であっても良いが、2種類以上であること、すなわち、上記応力発光層が上記応力発光粒子の含有量の異なる部位を有することが好ましい。応力発光層を発光強度の異なる領域を有するものとすることで、スクラッチシートは、娯楽性、情報の視認性等に優れたものとなるからである。
より具体的には、既に説明した図4における応力発光層2を、xで示される領域とyで示される領域とで応力発光粒子の含有量が異なるものとすることができる。
さらに、上記応力発光層が同一のスクラッチシートに2層以上積層される場合、各応力発光層における応力発光粒子の含有量の種類は同一であっても良く、異なるものであっても良い。
上記応力発光粒子の形成方法としては、所望の形状の応力発光粒子を形成できる方法であればよい。上記形成方法は、例えば、応力発光材料を構成する成分を含む応力発光材料組成物を焼成して、シート状の応力発光材料を形成し、次いで、粉砕および分級等することにより、応力発光粒子を得る方法を用いることができる。
シート状の応力発光材料の粉砕方法としては、ボールミル、ロッドミル、自生粉砕ミル、SAG(準自生粉砕)ミル、高圧粉砕ロール、縦軸インパクタ(VSI)ミル等の粉砕機を用いる方法を挙げることができる。
本態様においては、なかでも、上記粉砕方法が縦軸インパクタ(VSI)ミルを用いる方法であることが好ましい。応力発光粒子の形状が複雑な形となりやすく、また、応力発光粒子の表面に粗い凹凸形状を形成し易いからである。
上記縦軸インパクタ(VSI)ミルは、衝撃歯を高速回転させ、衝撃力によって原料を粉砕する微粉砕機であり、例えば、直径100mm〜1000mmの回転盤を500回転/分〜10000回転/分で高速回転させるものを用いることができる。
なお、上記応力発光材料組成物の焼成方法等については、応力発光材料の形成に一般的に用いられる方法を使用できる。
(b)バインダ樹脂
上記バインダ樹脂としては、上記応力発光粒子を安定的に分散および固定でき、応力発光粒子から発光した光を透過可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂等を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂としては、例えば、上記「(a)応力発光粒子」の項に記載の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
また、上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂等と共重合させたもの、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の分子内にシロキサン結合やフッ素原子を導入したものも用いることができる。
上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用でき、さらに、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよい。
上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルトもしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができる。
上記電離放射線硬化性樹脂は、架橋構造を導入するかもしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
上記バインダ樹脂は、1種類のみを用いるものであっても良く、2種類以上を組み合わせて用いるものであっても良い。
例えば、上記バインダ樹脂が、応力発光粒子を覆うように配置された第1バインダ樹脂と、第1バインダ樹脂により覆われた応力発光粒子を分散する第2バインダ樹脂とを有するものとすることができる。
上記バインダ樹脂および上記応力発光粒子の屈折率差としては、応力発光粒子からの発光光をバインダ樹脂が透過できるものであれば特に限定されるものではないが、0.3以下であることが好ましく、なかでも、0.1以下であることが好ましい。上記屈折率差が上述の範囲内であることで、バインダ樹脂および応力発光粒子の界面における応力発光粒子からの発光光の反射率を小さくすることができる。このため、応力発光層を応力発光粒子からの発光光を効率よく透過可能なものとすることができるからである。
また、上記バインダ樹脂が第1バインダ樹脂および第2バインダ樹脂を含む場合には、上記第1バインダ樹脂および第2バインダ樹脂の間の屈折率差も小さいことが好ましい。第1バインダ樹脂と第2バインダ樹脂との界面における応力発光粒子からの発光光の反射率を小さくすることができるからである。具体的には、上記第1バインダ樹脂および第2バインダ樹脂の屈折率差は、上記バインダ樹脂および上記応力発光粒子屈折率の屈折率差と同様とすることができる。
上記バインダ樹脂の体積弾性率は、上記応力発光粒子の体積弾性率より大きいことが好ましい。スクラッチシートのスクラッチ層を削り取る際等に、応力発光層に付加された変形を応力発光粒子に効果的に伝えることができ、応力発光層を発光効率に優れたものとすることができるからである。
(c)その他の成分
上記応力発光層は、応力発光粒子およびバインダ樹脂を有するものであるが、必要に応じて他の材料を含有するものであっても良い。
上記他の材料としては、顔料等の着色材、硬化促進剤、滑剤、光安定剤、酸化安定剤、香料、紫外線吸収剤等の添加剤を挙げることができる。
また、上記他の材料は、上記バインダ樹脂が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である場合には、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、シリコーンオイル、シリコーンパウダー微粒子、フッ素パウダー微粒子を含むことができる。
上記フッ素化樹脂としては、完全フッ素化樹脂として四フッ素化樹脂、部分フッ素化樹脂として三フッ素化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、フッ素化樹脂共重合体としてペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などを用いることができる。
なお、上記他の材料の含有量は、応力発光層を応力発光粒子から発光した光を透過可能なものとすることができる範囲内で調整することができる。
(2)その他
上記応力発光層の形成態様は、パターン状に形成されていないもの、すなわち、応力発光層が基材の全面を覆うように形成されるものであっても良いが、パターン状に形成されることが好ましい。上記応力発光層がパターン状に形成されていることにより、スクラッチシートのスクラッチ層を削り取る際等に、応力発光層を平面視上パターン状に発光可能なものとすることができる。このため、スクラッチシートは、娯楽性、情報の視認性等に優れたものとなるからである。
なお、既に説明した図1は、応力発光層2が基材1の全面に形成される例を示すものであり、図2および図3は、応力発光層2がパターン状に形成される例を示すものである。
また、図2および図3では、応力発光層2がパターン状に形成されている領域以外には、応力発光層2と同一平面上に形成され、上記剥離層3と同一組成の充填層6(剥離性充填層6a)が形成されている例を示すものである。
上記応力発光層がパターン状に形成される場合、応力発光層の平面視形状としては、本態様のスクラッチシートの種類および用途等に応じて適宜設定することができる。
例えば、応力発光層の平面視形状は、ドット状、ライン状等とすることができる。また、ドット状の応力発光層の平面視形状は、円形状、四角形状等の任意の形状とすることができる。
また、応力発光層の平面視形状は、記号、文字等を表わすものとすることができる。上記応力発光層の平面視形状は、例えば、ライン状の応力発光層を用いて文字等を表わすものとしたり、ドット状の応力発光層を用いて文字等を表わすものであっても良い。また、文字等を用いて所定の情報を表わすものであっても良い。
さらに、上記応力発光層が同一のスクラッチシートに2層以上含まれる場合、各応力発光層の平面視形状は同一であっても良く、異なるものであっても良い。
既に説明した図2および図3は、応力発光層2の平面視形状がライン状である場合の例を示すものである。
上記応力発光層がパターン状に形成される場合、応力発光層の幅としては、所望のパターン形状に発光可能なものであれば特に限定されるものではなく、本態様のスクラッチシートの種類および用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記応力発光層の厚みは、所望の発光強度の応力発光層とすることができるものであれば特に限定されるものではないが、通常、1μm〜100μmの範囲内とすることができる。
上記応力発光層は、応力発光粒子が発する所定の波長の光に対して透明性があればよい。
上記応力発光層の全光線透過率は、20%以上であることが好ましく、なかでも、60%以上であることが好ましく、特に、90%以上であることが好ましい。応力発光層を発光強度に優れたものとすることが容易だからである。また、上記応力発光層の上記基材側に上記スクラッチ層により隠ぺいされる情報を示す印刷層が配置される場合、上記スクラッチシートは、上記印刷層に印字された情報の視認性に優れたものとなるからである。
ここで、上記応力発光層の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
上記応力発光層の形成数としては、1つのスクラッチシートに1層以上であればよいが、2層以上であること、すなわち、本態様のスクラッチシートが2層以上積層された応力発光層を有するものであっても良い。応力発光粒子の種類および含有量、応力発光層の平面視形状等の異なる応力発光層の形成を容易に行うことが可能となり、スクラッチシートは、娯楽性、情報の視認性等に優れたものとなるからである。
なお、既に説明した図2、図3および図4のように、同一平面上に形成された複数の応力発光層2は、1層の応力発光層2とみなすものである。
上記応力発光層の形成方法としては、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有されているものとすることができる方法であれば特に限定されるものではない。
上記形成方法としては、例えば、応力発光層の構成材料である応力発光粒子およびバインダ樹脂等を溶媒に分散または溶解することで応力発光インキを形成し、この応力発光インキを基材上に塗布し、その応力発光インキの塗膜から溶媒を乾燥により応力発光層を形成する方法を挙げることができる。
また、上記応力発光層がパターン状に形成される場合、上記形成方法は、応力発光インキを印刷法等を用いてパターン状に塗布する方法を用いることができる。
上記印刷法としては、所望のパターン形状の応力発光層を形成できる印刷法であれば特に限定されるものではないが、例えば、凹版、凸版、オフセット、スクリーン、グラビア、フレキソによる印刷もしくはインクジェット印刷、トナー印刷、スプレー印刷またはコーティング等の印刷法を挙げることができる。
上記溶媒としては、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、t−ブチルセルソルブ等)、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール誘導体、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン等)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチル−3−エトキシプロピオネート等)等を挙げることができる。
また、上記バインダ樹脂として、水溶性樹脂を用いた場合には、溶媒として、水および/または、メタノール、エタノール、プロパノール、ブチルアルコール等の低級アルコール、グリコール類、セルソルブ類等を用いることができる。
上記応力発光インキの形成方法としては、応力発光粒子およびバインダ樹脂等を溶媒に安定的に分散または溶解できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、バインダ樹脂を溶媒中に分散または溶解させた後、応力発光粒子を添加して撹拌する方法を挙げることができる。
上記乾燥の方法としては、溶媒を十分に除去できる方法であれば特に限定されるものではないが、自然乾燥、40℃〜80℃の接触加熱乾燥、40℃〜200℃の熱風乾燥、真空乾燥等の方法を用いることができる。また、上記乾燥の方法は、紫外線照射や、電子線照射による硬化反応を利用する乾燥等を単独で用いても、併用してもよい。
2.剥離層
本態様における剥離層は、上記応力発光層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、剥離剤を含むものである。
上記剥離層は、上記応力発光層と別体として形成されるものである。
上記剥離層は上記剥離剤を含み、上記スクラッチ層に対する剥離性を有するものであり、上記スクラッチ層および上記剥離層の界面で上記スクラッチ層を容易に削り取ることができるものである。
上記剥離層の構成材料としては、上記剥離剤を含むものであればよく、通常、上記剥離剤を分散し保持するバインダ樹脂を含むものとすることができる。
上記剥離剤としては、上記スクラッチ層に対する剥離性を付与できるものであれば良く、例えば、シリコーンオイル、シリコーンパウダー等を挙げることができる。
上記剥離剤の上記剥離層中の含有量としては、上記スクラッチ層に対する剥離性を付与できるものであればよく、例えば、0.1質量%〜80質量%の範囲内とすることができる。
上記バインダ樹脂としては、上記剥離剤を安定的に分散し保持できるものであれば良く、例えば、ゴム系樹脂(天然ゴム、塩酸ゴム、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等)、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂等を用いることができる。
また、上記バインダ樹脂は、上記「1.応力発光層」の項に記載のバインダ樹脂を用いるものであってもよい。
上記剥離層を形成可能な剥離層形成用インキの市販品としては、SICPA社製scratch−off ink UV FLEXO UV RELEASE VARNISH等を挙げることができる。
上記剥離層の全光線透過率としては、上記スクラッチ層を削り取った後に、上記情報を視認可能なものであれば良く、例えば、上記「1.応力発光層」の項に記載の応力発光層の全光線透過率と同様とすることができる。
上記剥離層の厚み方向の形成箇所は、上記応力発光層の上記スクラッチ層側の表面上であれば良く、上記スクラッチ層と接しない箇所であってもよいが、通常、上記スクラッチ層と接する箇所である。
上記剥離層の平面視上の形成箇所としては、上記スクラッチ層が安定的に削り取られるものであれば良く、上記基材の全面を覆う箇所であっても、上記基材の一部を覆う箇所、すなわち、上記剥離層が平面視上パターン状に形成されるものあってもよいが、少なくとも上記スクラッチ層の全てと平面視上重なる箇所を含むことが好ましい。上記スクラッチシートは、上記スクラッチ層を安定的に削り取り可能なものとなるからである。
上記剥離層の厚みは、所望の剥離性を付与できるものであれば特に限定されるものではないが、スクラッチ層と共に形成される剥離層の厚みと同様とすることができる。
上記剥離層の厚みは、具体的には、0.1μm〜100μmの範囲内とすることができる。
上記剥離層の形成方法としては、所望の剥離性を有する剥離層を形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、上記剥離層の構成材料である剥離剤およびバインダ樹脂等を溶媒に分散または溶解することで、剥離層形成用インキを形成し、この剥離層形成用インキを塗布し、その剥離層形成用インキの塗膜から溶媒を乾燥により除去することにより剥離層を形成する方法を挙げることができる。
上記剥離層形成用インキの塗布方法としては、公知の印刷方法等を用いることができ、例えば、オフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、活版印刷法、シルクスクリーン印刷法、凹板印刷法等を用いることができる。
上記溶媒および上記乾燥の方法としては、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、上記剥離層形成用インキの塗布工程および乾燥工程の実施回数は、上記剥離層の厚みに応じて2回以上であっても良く、例えば、2回〜10回の範囲内とすることができる。
3.スクラッチ層
本態様におけるスクラッチ層は、上記剥離層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、隠ぺい性およびスクラッチ性を有するものである。
ここで、スクラッチ性を有するとは、くじ等に用いられるコイン等で削り取ることが可能であることをいうものである。
また、隠ぺい性を有するとは、上記スクラッチ層の上記基材側に配置された情報を覆い隠すことができることをいうものである。
なお、上記情報としては、上記スクラッチ層の上記基材側に配置されるものであればよく、具体的には、上記基材の上記スクラッチ層側に形成された印刷層、応力発光層、または、印刷層および応力発光層の組み合わせにより表示される記号、文字等を挙げることができる。
また、上記情報は、例えばくじの場合には、印刷層等により示される「あたり」の文字以外に、はずれの場合を意味する無地等の「あたり」の文字がないものも含むものである。
上記スクラッチ層としては、所望の隠ぺい性およびスクラッチ性を付与可能なものであれば特に限定されるものではなく、スクラッチ層として一般的に用いられるものを使用でき、例えば、顔料および上記顔料を分散し保持するバインダ樹脂を有するものとすることができる。
上記顔料としては、様々な色の顔料を用いることができ、例えば、カラーインキ層を形成可能なカラー顔料、メタリックインキ層を形成可能なメタリック顔料等を挙げることができる。
上記カラー顔料としては、赤色、緑色、青色等の顔料、カーボンブラック等の黒色顔料、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン等の白色顔料等を挙げることができる。
上記メタリック顔料としては、アルミニウム粉、真鍮粉等の金属粉を挙げることができる。
上記顔料は1種類のみを含むものであってもよく、2種類以上を混合して含むものであってもよい。
上記バインダ樹脂としては、上記顔料を安定的に分散し保持できるものであれば良く、例えば、スチレン−ブタジエンラテックス、塩化ビニル−アセテートラテックス等を挙げることができる。
上記メタリックインキ層を形成可能なメタリックインキの市販品としては、SICPA社製scratch−off inkを挙げることができる。
また、黒色インキ層を形成可能な黒色インキの市販品としては、SICPA社製scratch−off ink FLEXO 7UG SCRATCH OFF BLACKを挙げることができる。
上記スクラッチ層は、上記カラー顔料を含むカラーインキ層、上記メタリック顔料を含むメタリックインキ層、上記カラー顔料および上記メタリック顔料の両者を含むカラーメタリックインキ層等とすることができる。
本態様においては、なかでも、上記スクラッチ層が上記メタリックインキ層を含むことが好ましい。上記スクラッチ層は、隠ぺい性に優れたものとなるからである。
上記スクラッチ層の層構造は、所望の隠ぺい性を有するものであれば特に限定されるものではなく、単層構造であってもよく、2層以上が積層した積層構造であってもよい。例えば、上記スクラッチ層の層構造は、上記カラーインキ層または上記メタリックインキ層の単層構造、上記基材側から上記カラーインキ層および上記メタリックインキ層がこの順で積層した積層構造、上記基材側から上記メタリックインキ層および上記カラーインキ層がこの順で積層した積層構造等であってもよい。
既に説明した図1と図4とは、上記スクラッチ層4の層構造が、上記基材1側から上記カラーインキ層4aおよび上記メタリックインキ層4bがこの順で積層した積層構造と、上記メタリックインキ層4bおよび上記カラーインキ層4aがこの順で積層した積層構造とである例を示すものである。
また、図5および図6は、それぞれ、上記スクラッチ層4が上記カラーインキ層4aのみおよび上記メタリックインキ層4bのみである例を示すものである。
上記スクラッチ層の形成箇所は、所望の隠ぺい性を有するものであれば特に限定されるものではなく、上記基材の全面を含むものであってもよく、上記基材の一部のみを含むもの、すなわち、上記スクラッチ層が平面視上パターン状に形成されるものであってもよい。
既に説明した図1〜図6は、上記スクラッチ層4が上記基材1の全面を覆うように形成される例を示すものである。
また、図7は本態様のスクラッチシートの他の例を示す概略平面図であり、図7(a)および(b)は円形状および矩形状のスクラッチ層4がパターン状に形成される例を示すものであり、図7(c)は、複数の矩形状のスクラッチ層4がパターン状に形成される例を示すものである。
上記スクラッチ層の厚みとしては、所望の隠ぺい性およびスクラッチ性を付与できるものであれば良く、例えば、1μm〜100μmの範囲内とすることができる。
上記スクラッチ層の形成方法としては、所望のスクラッチ層を精度よく形成できる方法であれば特に限定されるものではないが、上記スクラッチ層の構成材料である上記顔料および上記バインダ樹脂等を溶媒に分散または溶解することで、スクラッチ層形成用インキを形成し、このスクラッチ層形成用インキを塗布し、そのスクラッチ層形成用インキの塗膜から溶媒を乾燥により除去することによりスクラッチ層を形成する方法を挙げることができる。
上記スクラッチ層形成用インキの塗布方法としては、公知の印刷方法等を用いることができ、例えば、上記「2.剥離層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記溶媒および上記乾燥の方法としては、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、上記スクラッチ層形成用インキの塗布工程および乾燥工程の実施回数は、上記スクラッチ層の厚みに応じて2回以上であっても良い。例えば、上記スクラッチ層が上記カラーインキ層および上記メタリックインキ層を有する場合、上記塗布工程および上記乾燥工程の実施回数は、それぞれの層について、1回〜10回の範囲内とすることができる。
4.基材
本態様における基材は、上記応力発光層、上記剥離層および上記スクラッチ層を支持するものである。
上記基材は、上記スクラッチシートを上記基材側から観察した際に上記情報を隠ぺいすることができるものであれば良く、通常、遮光性基材が用いられる。
上記基材は、上記応力発光層等を支持することができ、上記情報を隠ぺいすることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、紙材料を用いて形成された紙基材、樹脂材料を用いて形成された樹脂基材等とすることができる。また、上記基材は、上記紙基材および上記樹脂基材の複合材料を用いて形成された複合材料基材であっても良い。
上記紙材料としては、具体的には、板紙、上質紙、アート紙、コート紙、マットコート紙、キャストコート紙等を挙げることができる。また、上記紙材料は、合成樹脂を用いて形成された合成紙等も用いることができる。
また、上記樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等のポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。
上記基材の厚みは、本態様のスクラッチシートの用途や種類等に応じて適宜選択されるものであるが、10μm〜500μmの範囲内とすることができ、なかでも40μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。スクラッチシートを可撓性を有するものとすることが容易だからである。
上記基材は、基材上に形成される他の層との密着性を向上する目的で、基材の表面に例えばコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理、アンカーまたはプライマー処理等の表面処理が施されていてもよい。
上記プライマー処理により用いられるプライマー剤としては例えばウレタン系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系等の各種のプライマー剤が知られており、これらの中から基材に合わせたものを選んで使用することができる。
5.その他の構成
本態様のスクラッチシートは、上記基材、上記応力発光層、上記剥離層および上記スクラッチ層を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
(1)印刷層
本態様において、上記スクラッチシートは上記基材と上記応力発光層の間に形成された印刷層を含むものであってもよい。
上記印刷層により、上記スクラッチ層により隠ぺいされる情報を表示できるからである。
なお、既に説明した図1および図4〜図6は、上記スクラッチシート10が上記印刷層5を含む例を示すものである。
このような印刷層としては、情報を印刷された印字層および下地の模様等が印刷された絵柄層を挙げることができる。
上記印字層としては、上記情報を表示するものであれば良く、例えば、くじの当否、くじの番号、個別情報、シリアルナンバー、可変ナンバー、文字データ、画像、コード、マーク等を含む情報が印刷された層とすることができる。
上記絵柄層としては、下地の模様等が印刷された層とすることができる。
このような印字層および絵柄層の構成材料についてはそれぞれスクラッチ層を削り取った後に所望の情報を視認可能に印刷されたものおよび所望の模様等を視認可能に印刷されたものとすることができるものであれば良く、スクラッチシートの印刷層として一般的に用いられるものと同様とすることができる。
上記印刷層は、上記印字層および上記絵柄層の両者を含むものであってもよく、上記印字層および上記絵柄層の一方を含むものであってもよい。
既に説明した図1は上記印刷層5として上記印字層5aのみを含む例である。
また、図8は、本態様のスクラッチシートの他の例を示す概略断面図であり、上記印刷層5として上記絵柄層5bおよび上記印字層5aの両者を含む例を示すものである。
上記印刷層の厚みは、0.1μm〜10μmの範囲内とすることができる。
上記印刷層の形成方法としては、一般的な印刷層の形成方法を用いることができ、インキ組成物を、公知の印刷方法を用いて印刷する方法を用いることができ、例えば、上記「1.応力発光層」および上記「2.剥離層」等に記載の印刷方法を用いることができる。
(2)修飾層
本態様において、上記スクラッチシートは上記スクラッチ層上に形成された修飾層を含むものであってもよい。
上記修飾層を含むことにより、上記スクラッチシートは、娯楽性および偽造防止効果により優れたものとなるからである。
図9は本態様のスクラッチシートの他の例を示す概略断面図であり、上記スクラッチシート10が上記スクラッチ層4上に形成された修飾層7を含む例を示すものである。
上記修飾層としては、上記スクラッチシートを修飾可能なものであれば特に限定されるものではなく、液晶インキを用いて形成される液晶インキ層、視認する角度により色味が変化する特性を持つOVI(Optical Variable Ink)インキを用いて形成されるOVIインキ層等とすることができる。
上記液晶インキおよび上記OVIインキとしては、スクラッチシートの修飾層の形成に一般的に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上記修飾層の平面視上の形成箇所は、上記スクラッチシートを修飾可能なものであれば特に限定されるものではなく、上記スクラッチ層の全面を含むものであってもよく、上記スクラッチ層の一部のみを含むもの、すなわち、上記修飾層が平面視上パターン状に形成されるものであってもよい。
既に説明した図9は、上記修飾層7が上記スクラッチ層4の全面を覆うように形成される例を示すものである。
上記修飾層の厚みとしては、所望の修飾性を付与できるものであれば特に限定されるものではなく、1μm〜100μmの範囲内とすることができる。
上記修飾層の形成方法としては、所望の修飾性を有する修飾層を形成可能な方法であればよく、例えば、修飾層形成用インキを塗布し、塗膜を乾燥する方法を挙げることができる。また、上記修飾層形成用インキの塗布方法および乾燥方法等については、上記「2.剥離層」の項に記載の方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(3)充填層
本態様のスクラッチシートは、上記応力発光層がパターン状に形成されている場合に、上記応力発光層と同一平面上に形成された充填層を有するものであっても良い。
既に説明した図3は、応力発光層2がパターン状に形成され、充填層6として、応力発光層2と同一平面上に形成され、剥離剤を含有する剥離性充填層6aを有する例を示すものである。
上記充填層は、上記応力発光層と同一平面上に形成されるものである。
ここで、同一平面上に形成されるとは、応力発光層が形成されている平面と同一平面上に形成されることをいうものであり、平面視上、応力発光層が形成されていない箇所に形成されることをいうものである。
例えば、既に説明した図3において、応力発光層2および充填層6の両者が基材1の同一表面上に基材1と接するように形成されるように、充填層6は応力発光層2と共に同一の部材の同一表面上に形成されるものとすることができる。
上記充填層の構成材料としては、上記充填層を上記応力発光層と同一平面上に所望の形状で形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、剥離剤を含むこと、すなわち、上記充填層として剥離性充填層を有することが好ましい。
上記応力発光層がパターン状に形成される場合、上記応力発光層の形成されていない箇所に上記剥離層の形成に用いられる剥離層形成用インキが流れ込むことを防止不要とすることができる。このため、上記剥離層の形成が容易となるからである。
上記剥離性充填層の構成材料としては、より具体的には、上記「2.剥離層」の項に記載の剥離層の構成材料と同様とすることができる。
本態様においては、なかでも、上記剥離性充填層の構成材料が上記剥離層の構成材料と同一であることが好ましい。パターン状の応力発光層を形成した後、上記剥離層形成用インキを上記応力発光層を覆うように塗布し乾燥することで、上記剥離性充填層および上記剥離層を同時に形成することができる。このようなことから、上記剥離性充填層および上記剥離層を容易に形成できるからである。
上記充填層の厚みとしては、上記「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができる。本態様においては、上記充填層の形成容易の観点から、特に、上記剥離性充填層および上記剥離層の形成容易の観点から、上記厚みは上記応力発光層の厚みと同一であることが好ましい。
上記充填層の平面視上の形成箇所は、応力発光層が形成されていない箇所であれば特に限定されるものではないが、応力発光層が形成されていない箇所の全てを含むものであることが好ましい。上記剥離性充填層および上記剥離層を容易に形成できるからである。
なお、既に説明した図2および図3は、応力発光層2および充填層6が直接接するように形成されるものであり、充填層6の平面視上の形成箇所が、応力発光層2が形成されていない箇所の全てを含む例を示すものである。
上記充填層の形成方法としては、上記充填層を上記応力発光層と同一平面上に安定的に形成できる方法であればよく、例えば、上記剥離層の形成方法と同様の方法を用いることができる。
(4)その他
上記その他の構成は、スクラッチシートに一般的に用いられるものを含むことができ、例えば、上記基材および上記応力発光層の間等の各構成間を接着する層間接着剤層、紫外線吸収層、応力発光層からの発光により励起可能な蛍光材料を含む蛍光層、応力発光層以外からの発光により励起可能な蛍光材料を含む蛍光層、応力発光層を保護する保護層、スクラッチ層を保護する保護層、修飾層を保護する保護層等を挙げることができる。
6.スクラッチシートの製造方法
本態様のスクラッチシートの製造方法としては、上記各構成を含むスクラッチシートを精度良く製造できる方法であれば特に限定されるものではない。
上記製造方法としては、例えば、基材、応力発光層、剥離層およびスクラッチ層をこの順で積層する方法を挙げることができる。
7.用途
本態様のスクラッチシートの用途としては、娯楽性が求められる用途に用いられるものとすることができ、宝くじカード、プリペイドカード、くじ付きのダイレクトメール、くじ付きのチラシ、くじ付きのはがき、くじ付きのカード、くじ付きの帳票、くじ付きの台紙等を挙げることができる。
B.第2実施態様
本発明のスクラッチシートの第2実施態様は、基材と、上記基材の一方の表面上に形成され、応力発光粒子、バインダ樹脂および剥離剤を含有する応力発光層と、上記応力発光層の上記基材とは反対側の表面上に形成され、隠ぺい性およびスクラッチ性を有するスクラッチ層と、を有することを特徴とするものであり、上記応力発光層および上記剥離層が一体で形成されるものである。
このような本態様のスクラッチシートについて図面を参照して説明する。
図10および図11は、本態様のスクラッチシートの他の例を示す概略断面図である。
図10および図11に示すように、本態様のスクラッチシート10は、基材1と、上記基材1の一方の表面上に形成され、応力発光粒子、バインダ樹脂および剥離剤を含有する応力発光層2と、上記応力発光層2の上記基材1とは反対側の表面上に形成され、隠ぺい性およびスクラッチ性を有するスクラッチ層4と、を有するものである。
なお、図10では、上記スクラッチシート10は、上記基材1および上記応力発光層2の間に形成された印刷層5として、印字層5aを有するものである。
また、図11では、上記スクラッチシート10は、上記印刷層を含まない例であり、上記応力発光層2がパターン状に形成され、さらに、上記応力発光層2と同一平面上に形成される充填層6として、剥離剤を含有する剥離性充填層6aを有するものである。
本態様によれば、上記応力発光層を有することにより、上記スクラッチ層を削り取る際に発光可能となる。
上記応力発光層の発光により、上記スクラッチシートは、例えば暗所においても、上記スクラッチ層を削り取ると同時に上記スクラッチ層により隠ぺいされていた情報が読み取り可能となる。
また、上記スクラッチ層により隠ぺいされる情報の表示方法のバリエーションの多いものとなる。例えば、上記応力発光層の発光パターンにより上記スクラッチ層により隠ぺいされる情報を表示するもの、上記発光パターンと上記基材上に形成された印刷層との組み合わせにより情報を表示するもの等とすることができる。
このため、上記スクラッチシートは、娯楽性に優れたものとなる。
また、このような本態様のスクラッチシートは、くじ付きのダイレクトメール、チラシ等に用いられた場合、開封率等の向上を図ることができる。
さらに、上記応力発光層の発光の有無、上記応力発光層の発光パターン等により、真贋判断を行うことが可能となる。
このため、上記スクラッチシートは、偽造防止効果に優れたものとなる。
さらにまた、上記応力発光層が上記剥離剤を有すること、すなわち、上記応力発光層および剥離層が一体で形成され、上記応力発光層が上記スクラッチ層に対する剥離性を有するものであることで、上記応力発光層と別体として形成される剥離層を不要とすることができる。このため、上記スクラッチシートは、簡便に形成可能なものとなる。
本態様のスクラッチシートは、基材、応力発光層およびスクラッチ層を有するものである。
以下、本態様のスクラッチシートにおける各構成について説明する。
なお、上記基材および上記スクラッチ層については上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
1.応力発光層
本態様における応力発光層は、応力発光粒子、バインダ樹脂および剥離剤を含有するものである。
上記応力発光層は上記剥離剤を含み、上記スクラッチ層に対する剥離性を有するものであり、上記スクラッチ層および上記応力発光層の界面で上記スクラッチ層を容易に削り取ることができるものである。
(1)応力発光層の構成材料
上記応力発光層の構成材料としては、応力発光粒子、バインダ樹脂および剥離剤を含有し、上記スクラッチ層に対する剥離性を有する応力発光層を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じてその他の成分を含むことができる。
なお、上記応力発光粒子、上記バインダ樹脂および上記その他の成分については、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の項、上記剥離剤については、上記「A.第1実施態様」の「2.剥離層」の項に記載の内容と同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
(2)その他
上記応力発光層の形成態様、平面視形状、幅、厚み、透明性、形成数および形成方法等については、上記「A.第1実施態様」の「1.応力発光層」の項に記載の内容と同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
また、上記応力発光層の形成方法に用いられる上記応力発光層形成用インキとしては、例えば、上記応力発光粒子、上記バインダ樹脂および上記剥離剤を含有するものを挙げることができる。
2.その他の構成
本態様のスクラッチシートは、上記基材、上記応力発光層および上記スクラッチ層を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
このようなその他の構成については、上記「A.第1実施態様」の「5.その他の構成」の項に記載の内容と同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
本態様においては、上記応力発光層がパターン状に形成されている場合に、上記応力発光層と同一平面上に形成され、剥離剤を含有する剥離性充填層を有することが好ましい。
上記スクラッチ層が上記応力発光層の形成されていない箇所を覆うように形成される場合でも、安定的に上記スクラッチ層が削り取り可能となるからである。
なお、既に説明した図11は、上記スクラッチシート10が、上記応力発光層と同一平面上に形成される充填層6として、剥離剤を含有する剥離性充填層6aを有する例を示すものである。
3.スクラッチシートの製造方法および用途
本態様のスクラッチシートの製造方法および用途としては、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
基材として準備した三菱製紙製マットコート紙SWORDMに、インクジェットプリンターにて7桁の数字を印字し、印刷層を形成した。また、スクラッチ層が形成される領域の周囲の領域に、オフセット印刷にて絵柄の印刷層を形成した。
その後、7桁の数字が覆われるように、フレキソ印刷にて、応力発光インキを厚さ約8μmで縦15mm、横40mmの長方形状に塗布し、応力発光層を形成した。
その後、上記応力発光層上に、フレキソ印刷にてSICPA社製scratch−off ink UV FLEXO UV RELEASE VARNISHを厚さ約5μmで縦17mm、横42mmの長方形状に塗布し、剥離層を形成した。
さらに、上記剥離層の上に、フレキソ印刷にてSICPA社製scratch−off ink FLEXO 7UG SCRATCH OFF BLACKを厚さ約8μmで縦15mm、横40mmの長方形状に塗布した後、同じくフレキソ印刷にてSICPA社製scratch−off ink(銀色)を厚さ約5μmで縦13mm、横38mmの長方形状に塗布し、黒インキ層および銀インキ層の2層構造のスクラッチ層を形成した。
このようにして、スクラッチシートを作製した。
[評価]
実施例1のスクラッチシートのスクラッチ層を硬貨で削り取ると同時に、スクラッチシートの観察を行った。
その結果、スクラッチ層を硬化で削り取っている間、応力発光層の発光が観察された。また、スクラッチ層を削り取った後、7桁の数字を確認することができた。
1 … 基材
2 … 応力発光層
3 … 剥離層
4 … スクラッチ層
5 … 印刷層
6 … 充填層
10 … スクラッチシート

Claims (4)

  1. 基材と、
    前記基材の一方の表面上に形成され、応力発光粒子およびバインダ樹脂を含有する応力発光層と、
    前記応力発光層の前記基材とは反対側の表面上に形成され、剥離剤を含む剥離層と、
    前記剥離層の前記基材とは反対側の表面上に形成され、隠ぺい性およびスクラッチ性を有するスクラッチ層と、
    を有することを特徴とするスクラッチシート。
  2. 基材と、
    前記基材の一方の表面上に形成され、応力発光粒子、バインダ樹脂および剥離剤を含有する応力発光層と、
    前記応力発光層の前記基材とは反対側の表面上に形成され、隠ぺい性およびスクラッチ性を有するスクラッチ層と、
    を有することを特徴とするスクラッチシート。
  3. 前記応力発光層がパターン状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスクラッチシート。
  4. 前記応力発光層と同一平面上に形成され、剥離剤を含有する剥離性充填層を有することを特徴とする請求項3に記載のスクラッチシート。
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