JP4577117B2 - 偽造防止策を施した中間転写シートの製造方法 - Google Patents

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本発明は、クレジットカードや商品券等有価証券類またはパスポートや身分証明書等に画像データにより形成された画像パターンやホログラム等OVD媒体を転写する中間転写シート及びその製造方法並びにそれが転写された画像表示体に関するものであり、特に、エネルギーの消費量と製造コストの削減に寄与する偽造防止策を施した中間転写シート及びその製造方法並びに画像表示体に関する。
従来、画像データにより形成された画像パターン(顔写真など)やホログラム等OVD(Optical Variable Device)媒体を、IDカードや商品券等有価証券類あるいはパスポートや通帳等冊子類に間接的に(転写で)施すための中間転写シートが知られ、広く使用されている。
このように、IDカード等画像表示体に転写で間接的に画像パターンを施すことは、例えば、画像パターンを付与したい最終画像表示体に直接に画像を形成することが技術的に困難であるとか、量産性に欠けるとか、あるいはコストが嵩むとかの問題が伴う場合、上記のような中間転写シートにひとまず画像を形成しておき、しかる後に熱ローラーや熱圧板による転写によってその画像を最終製品である画像表示体へ再転写するという方法がとられている。
上記中間転写シートの1事例として、例えば、図6の側断面概略図に示すように、ポリエチレンテレフタレート等からなる耐熱性ベースシート(f)と、この上に設けられた熱可塑性アクリル樹脂等からなる剥離性保護層(g)と、被転写体(図示せず)に対して熱接着性を有する樹脂からなる受像兼接着層(l)とでその主要部が構成されている中間転写フィルム(a)がある。
そして、この中間転写フィルム(a)を、例えば、図7の側面概略図に示すように、ドラム(h)とサーマルヘッド(i)とで、その主要部が構成される画像転写装置(j)へ搬送し、色材が顔料でなる転写リボン(k)の色材層(図示せず)を、図6に示す中間転写フィルム(a)の受像兼接着層(l)に当接させるとともに、転写リボン(k)側からサーマルヘッド(i)を圧接し、かつ画像データに基づきサーマルヘッド(i)の発熱素子群を適宜発熱させて画像パターンを上記受像兼接着層(l)に形成する。
なお、上記画像データが多色の場合には、色調の異なる転写リボンを適用し、同様の操作を繰り返して上記受像兼接着層(l)に多色の画像パターンを形成するもので、これら画像パターンを受像兼接着層とともに加熱媒体(c)によってIDカード等の基材(b)に転写するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、ホログラムや回折格子画像で代表されるOVD画像を具備する中間転写シートの事例として、例えば、図8の側断面模式図に示すように、耐熱性ベースシート(f)上に、剥離可能に設ける剥離性保護層(g)と、ホログラムまたは回折格子のレリーフパターンを有するレリーフ形成層(m)と、このレリーフパターン上に真空蒸着等薄膜形成手段により形成される透過性薄膜層(n)と、被転写体(図示せず)に対して熱接着性を有する樹脂からなる受像兼接着層(l)とで構成されている中間転写フィルム(a)がある(例えば、特許文献2参照。)。
そして、上記のような中間転写フィルム(a)に偽造防止策を付与する手段として、例
えば、図8の側断面模式図に示すように、レリーフ形成層(m)に形成されている透過性薄膜層(n)と受像兼接着層(l)との間に蛍光インキまたは赤外線吸収インキによる印刷層(e)を設けたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
上記印刷層(e)として、蛍光物質(顔料)(例えば、Zn2 SiO4 :Mn、Ca2 5 9 Cl:Eu2+、CawO4 、ZnO:Zn、Y2 2 S:Ag、YVO4 :Eu、Gd2 2 S:Tb、LaO2 S:Tb、Y3 Al5 12:Ceなど、または、芳香族ヘテロ環誘導体などの蛍光染料の樹脂固溶体であり、その樹脂としてはポリメタクリル酸エステル、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂、塩化ビニル、塩ビ・酢ビ共重合体、アルキッド樹脂およびそれらを変性したもの)を含む蛍光インキ、あるいは蛍光染料(例えば、芳香族ヘテロ環誘導体としてのフルオレセン、エオシン、ローダミンB、ローダミン6G、チオフラビンなどの色素、ジアミノスチルベンジスルホン酸、イミダゾール、クマリン、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロンなどの誘導体、アントラセンなどのベンゼン環を有する化合物など)を含む蛍光インキで印刷されているものは、その検証時にブラックランプの照射により印刷層(e)が発光するため、その印刷層(e)が隠し文字の効果があり、ホログラムなどに加え、偽造防止性を一層向上させることができる。
また、上記印刷層(e)として、赤外線吸収材料(例えば、五二酸化リンを主成分とし酸化鉄或いは酸化銅或いは両者を含むリン酸結晶粉末、五二酸化リンを主成分としFe2+またはCu2+イオンを含むガラス系粉末、金属錯体の赤外線吸収材、シアニン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アントラキノン系、コロニックメチン系、アズレオニオム系、ピリリウム系等)を含む赤外線吸収インキで印刷されているものは、肉眼では読み取りが困難であるが、赤外線による機械読み取りが可能となり、よって、専用の赤外線モニターによる真偽判定を可能にし、偽造防止性を付加することができる。
以下に、上記先行技術文献を示す。
特開2000−43458号公報(図4等) 特開平7−199781号公報(図8、P8等)
しかしながら、上記の従来技術における偽造防止策は、中間転写フィルムのレリーフ形成層等に蛍光インキや赤外線吸収インキで印刷して印刷層を形成するという工程が増え、そのためのエネルギーの消費量と製造コストが増大するという問題点があった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、支持体上の片面に、少なくとも剥離可能に設けられた剥離性保護層と、この剥離性保護層上に設けられ、画像データに基づいて画像を設けるとともに、画像表示体の基材に対し熱接着性を有する受像兼接着層を備えた中間転写シートにおいて、この中間転写シートの偽造防止策として従来のような蛍光インキや赤外線吸収インキで印刷層を形成する工程を省き、エネルギーの消費量と製造コストの削減に寄与することのできる偽造防止策を施した中間転写シート及びその製造方法並びにその中間転写シートを用いた画像表示体を提供することにある。
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、支持体上の片面に、少なくとも剥離可能に設けられた剥離性保護層と、この剥離性保護層上に設けられ、画像データに基づいて画像を設けるとともに、画像表示体の基材に対し熱接着性を有する受像兼接着層を設ける中間転写シートの製造方法において、前記受像兼接着層の前記剥離性保護層側とは反対側の面にパターン状の厚み差を設けることにより、光学的干渉現象による認識色の違いを生じさせ、前記受像兼接着層をグラビア印刷方式により形成することを特徴とした中間転写シートの製造方法としたものである。
また、請求項2の発明では、前記受像兼接着層をコンベンショナルグラビア印刷方式により形成することを特徴とした請求項1に記載の中間転写シートの製造方法としたものである。
さらにまた、請求項3の発明では、前記受像兼接着層の厚み200nm〜1400nmあることを特徴とする請求項1または2に記載の中間転写シートの製造方法としたものである。
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち支持体上の片面に、少なくとも剥離可能に設けられた剥離性保護層と、この剥離性保護層上に設けられ、画像データに基づいて画像を設けるとともに、画像表示体の基材に対し熱接着性を有する受像兼接着層を備えた中間転写シートにおいて、前記受像兼接着層が部分的に厚み差を有しているので、その部位において光学的干渉現象による認識色の違いを生じさせるようになるものである。
即ち、この偽造防止策を施した中間転写シートが転写される画像表示体の基材とこの受像兼接着層に有する厚み差の部位に部分的な光学的干渉現象が発現し、特定の波長を有する光源下で光学的干渉現象により、異なる角度に対して認識色に違いを発生せしめるようになり、よって偽造防止策として、従来の蛍光インキや赤外線吸収インキによる印刷層を付加するのに比べ、エネルギーの消費量と製造コストの低減に寄与する偽造防止策を施した中間転写シートとすることができる。
上記受像兼接着層に設けられたパターン状の厚み差が好ましくは200〜1400nm程度とし、その厚み差が200nmに満たないと、厚み差の形成が困難となるのに加え、光学的干渉現象による特定の波長を有する光源下での色違いが少なくなり、逆にその厚み差が1400nmを越えると画像表示体の基材との加熱加圧による接着性がこのパターン状の部分で劣るようになり、かつ色シフト現象も少なくなるので好ましくない偽造防止策を施した中間転写シートとなる。
また支持体上の片面に、少なくとも剥離可能に設けられた剥離性保護層と、この剥離性保護層上に設けられ、画像データに基づいて画像を設けるとともに、画像表示体の基材に対し熱接着性を有する受像兼接着層を設ける中間転写シートの製造方法において、前記受像兼接着層に部分的に厚み差を設け、その部位において光学的干渉現象による認識色の違いを生じさせる中間転写シートの製造方法とするものである。
即ち、この偽造防止策を施した中間転写シートが転写される画像表示体の基材とこの受像兼接着層の厚み差の部位に部分的の光学的干渉現象が発現し、特定の波長を有する光源下で光学的干渉現象により、異なる角度に対して認識色に違いを発生せしめるようになり、よって偽造防止策として、従来の蛍光インキや赤外線吸収インキによる印刷層を付加す
る製造方法に比べ、エネルギーの消費量と製造コストの低減に寄与する偽造防止策を施した中間転写シートの製造方法とすることができる。
上記受像兼接着層に設けるパターン状の厚み差を200nmに満たないようにすると、光学的干渉現象による特定の波長を有する光源下での色違いが少なくなり、さらに200nmに満たないようにすること自体が困難となり、逆にその厚み差を1400nmを越えるようにすると画像表示体の基材との加熱加圧による接着性がこの厚み差のある部分で劣るようになり、かつ色違い現象も少なくなるので好ましくない偽造防止策を施した中間転写シートの製造方法となる。
さらにまた偽造防止策を施した中間転写シート上に画像を形成し、その画像が、基材の片面に、受像兼接着層面と重ね合わせ加熱加圧されて、前記受像兼接着層とともに転写された画像表示体とすることによって、受像兼接着層に施された厚み差の部分にパターン状の光学的干渉現象が発現し、上記の画像表示体の表面から特定の波長を有する光源下で、異なる角度から目視すると、認識色にシフトを発生せしめるようになり、偽造防止策として優れた中間転写シートとなる。
かつ上記中間転写シート上に形成された画像の改ざんや偽造を困難にした画像表示体とするもので、よって偽造防止策としての従来の蛍光インキや赤外線吸収インキによる印刷層を付加した画像表示体に比べ、エネルギーの消費量と製造コストの低減に寄与する画像表示体とすることができる。
従って本発明は、クレジットカードやパスポート等にセキュリティ性を有する画像データにより形成された画像パターンやホログラム等を転写する中間転写シートおよびその製造方法並びに画像表示体において、優れた実用上の効果を発揮するものである。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1、2は、本発明の偽造防止策を施した中間転写シートの事例を側断面模式図で表したもので、図3、4は、本発明の画像表示体の事例を側断面模式図で表したものである。また、図5は、本発明の偽造防止策を施した中間転写シートを構成する受像兼接着層の厚み差のパターンの事例を説明するものである。
例えば、図1の側断面模式図に示すように、本発明の偽造防止策を施した中間転写シート(1)は、ポリエチレンテレフタレート等でなる支持体(10)の片面に、この支持体(10)と剥離可能で被転写体(図示せず)に転写された際の保護層となる剥離性保護層(12)と、この剥離性保護層(12)上に設けられ、画像データに基づいて顔写真等画像(図示せず)を設けるとともに画像表示体の被転写体(図示せず)に対し熱接着性を有する受像兼接着層(14)とが積層されていて、請求項1に係る発明では、この受像兼接着層(14)にパターン状の厚み差(D)を設けたもので、好ましくは、このパターン状の厚み差(D)を200〜1400nm程度とするものである。
このように、受像兼接着層(14)の厚み差(D)を設け、この厚み差(D)を200〜1400nmの範囲とすることによって、例えば、図3の側断面模式図に示すように、偽造防止策を施した中間転写シートが転写される画像表示体(2)の被転写体(20)とこの受像兼接着層(14)の厚み差(D)の部分にパターン状の光学的干渉現象が発現し、例えば、三波長タイプの蛍光灯(図示せず)の下で表面から目視すると、受像兼接着層(14)に形成されている転写画像(22)の上に、異なる角度に対して認識色にシフト
を発生せしめるようになり、この厚み差(D)の部分に視認されるパターン状の色違い現象は、優れた偽造防止策となる中間転写シートとするものである。
よって偽造防止策として、図8に示すような従来の蛍光インキや赤外線吸収インキによる印刷層(e)を付加するのに比べ、図1に示すようなエネルギーの消費量と製造コストの低減に寄与する偽造防止策を施した中間転写シート(1)およびその製造方法とすることができる。
また、本発明の偽造防止策を施した中間転写シート(1)の他の事例として、例えば、図2の側断面模式図に示すように、ポリエチレンテレフタレート等でなる支持体(10)の片面に、この支持体(10)と剥離可能な剥離性保護層(12)と、この剥離性保護層(12)上に、ホログラムや回折格子のレリーフパターンを形成するレリーフ形成層(13)と、このレリーフパターンが形成されている面に真空蒸着法等による透過性薄膜層(15)と、この透過性薄膜層(15)上に、被転写体(図示せず)に熱接着性を有する受像兼接着層(14)とが積層されている中間転写シートで、上記請求項1に係る発明では、この受像兼接着層(14)にパターン状の厚み差(D)を設けたものであり、好ましくは、具体的にはこのパターン状の厚み差(D)を200〜1400nm程度とするものである。
このように、レリーフ形成層(13)上に設けられた受像兼接着層(14)の厚み差(D)を設け、その厚み差(D)を200〜1400nm程度とすることによって、例えば、図4の側断面模式図に示すように、偽造防止策を施した中間転写シートが転写される画像表示体(2)の被転写体(20)とこの受像兼接着層(14)の厚み差(D)の部分にパターン状の光学的干渉現象が発現し、例えば、三波長タイプの蛍光灯(図示せず)の下で表面から目視すると、ホログラムや回折格子のパターンを通して、異なる角度に対して認識色に色違い(シフト)を発生せしめるようになり、よってその偽造防止策として、例えば、図8に示すような従来の蛍光インキや赤外線吸収インキによる印刷層(e)を付加するのに比べ、図2に示すように、ホログラム等に加え、エネルギーの消費量と製造コストの低減に寄与し、一層の偽造防止性を付加した中間転写シート(1)とすることができる。
また受像兼接着層(14)に厚み差(D)を施す方法として、グラビア版を用いたグラビア印刷方式で形成することができる。
上記グラビア印刷方式では、網点(面積)の大小で階調(濃度差)を表現するオフセット印刷方式や凸版印刷方式に比べ、版の凹部(セル)によって、階調(濃度差)を表現するもので、このセルの形状の違いは、表面積は同一でセルの深さによって階調(濃度差)を表現するコンベンショナルグラビア方式と、またこの深さは一定で表面の大小で階調(濃度差)を表現する網グラビア方式と、あるいはこの両方式を併用した電子彫刻グラビア方式とがある。このように版の凹部(セル)から転移されるインキ量(インキの厚み)によって階調(濃度差)を表現するため、受像兼接着層(14)に施すパターン状の厚み差(D)を施すには、好適な印刷方式であり、中でもインキの厚みがベタ状(印刷面に濃淡の差や白く抜けた部分がなく、印刷インキで完全に覆われている部分)でより均一となるコンベンショナルグラビア方式がより好適な印刷方式である。
また以上のような製造方法で得られた偽造防止策を施した中間転写シート(1)を用い、例えば、図3に示すように、IDカード等を構成する被転写体(20)上に、パターン状の厚み差(D)を有する受像兼接着層(14)に転写リボン(図示せず)の画像がサーマルヘッドで熱圧転写された転写画像(22)を、剥離性保護層(12)と受像兼接着層(14)とともに加熱加圧で転写した偽造防止策が施された画像表示体(2)とするものである。
また、上記請求項3に係る発明は、以上のような製造方法で得られたホログラム等を含む偽造防止策を施した中間転写シート(1)を用い、例えば、図4に示すように、IDカード等を構成する被転写体(20)上に、パターン状の厚み差(D)を有する受像兼接着層(14)を剥離性保護層(12)とホログラム等のレリーフパターンが形成されているレリーフ形成層と受像兼接着層(14)とともに加熱加圧で転写した偽造防止策が付加された画像表示体(2)とするものである。
上記受像兼接着層(14)の厚み差(D)のパターンとして、例えば、図5(a)に示すように、市松模様状のパターンとすることもでき、あるいは、図5(b)に示すように、商品名、企業名、雑誌の誌名などの一塊の文字群をデザイン化したロゴ「POP」や企業等のマーク、あるいは絵柄などとすることもできる。
例えば、パスポートに用いる場合などでは、各国のロゴやマークなどをパターンとし、セキュリティ性にデザイン効果をも付与することができる。なお、上記図5(b)に示すロゴ「POP」のような文字と面積のある背景とでなる場合、その背景部(25)を厚みのある部分とし、ロゴ「POP」の部分を、デザイン面を含め背景部(25)での光学的干渉現象を発現する部分が被転写体に接着して少なくなる可能性があるので、厚みのない部分とする方が好ましい。
以下に、本発明の偽造防止策を施した中間転写シート(1)および画像表示体(2)を構成する各層の材料や製法等について説明する。
まず、本発明の偽造防止策を施した中間転写シート(1)を構成する支持体(10)としては、熱転写による熱圧に対し変形等のない耐熱性が要求され、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等合成樹脂、紙、合成紙などから単独で選択されたもの、あるいはこれらから選択された複合体が挙げられる。また、その厚みは、操作性、加工性を考慮し2〜100μmのものが使用可能であるが、被転写体(22)への転写適性等のハンドリング性の点から6〜50μm程度のものが好ましい。
また、剥離性保護層(12)は、ホログラムや受像兼接着層(14)等をより効果的に被転写体(20)に転写するために設けられるもので、さらに最終製品となる画像表示体(2)の保護層として機能するもので、容易に支持体(10)から剥離される材料であれば如何なる樹脂でも構わないが、柔軟性、箔切れ性を考慮し、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、熱可塑性ポリアクリル酸エステル、塩化ゴム系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、塩素化ポリプロン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート等を単独あるいは複合して用いることができ、さらに箔切れや耐磨耗性を考慮して、石油系ワックス、植物系ワックス等各種ワックス、ステアリン酸等高級脂肪酸の金属塩、シリコンオイル等の滑剤や、フッ素樹脂系パウダー、ポリエチレンパウダー、シリコン系微粒子等を添加することもできる。
上記剥離性保護層(12)の形成は、上記樹脂群から選択された単独あるいは複合物にワックス等を添加し、トルエン、メチルイソブチルケトン等溶剤に溶解および分散した塗布液をグラビアコート法、ロールコート法、ナイフコート法、カーテンコート法、ダイコート法等で厚み0.5〜50μmの範囲で形成することができる。
また、ホログラム等の微細な凹凸パターンが形成されるレリーフ形成層(13)は、エンボス成形性が良好で、プレスムラが生じ難く、明るい再生像が得られ、かつ剥離性保護層(12)及び透過性薄膜層(15)との接着性が良好な樹脂がよく、例えば、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなど熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレートなどの熱硬化性樹脂あるいはこれら混合物などが使用可能である。
上記レリーフ形成層(13)の形成は、上記樹脂群から選択された単独あるいは複合物をそれら樹脂に適合する溶剤に溶解および分散した塗布液を用い、グラビア法、ロールコート法、ナイフコート法、カーテンコート法、ダイコート法等で厚み0.5〜50μmの範囲で形成することができる。
また、このレリーフ形成層(13)に形成するレリーフ型ホログラムや電子線描画で原画像を形成したクリスタグラム等を構成する微細な凹凸パターンは、これら微細な凹凸パターンが形成されたプレス版を上記レリーフ形成層(13)上に加熱加圧することによって形成することができる。
また、上記ホログラム等微細な凹凸パターン上に設ける透過性薄膜層(15)としては、上記レリーフ形成層(13)の屈折率(1.3〜1.7)よりも高い透明材料であって、例えば、Sb2 3 、Fe2 3 、TiO2 、CdS、CeO2 、ZnS、SiO、Si2 3 、ZnO等無機材料を用い、その形成方法は、真空蒸着法の他、スパッタリング法、イオンプレーティング法等公知の成膜手段が適用可能であり、その膜厚は、10nm〜1000nmの範囲とすることが好ましい。
また、受像兼接着層(14)としては、例えば、線状飽和ポリエステル等のポリエステル、ポリ塩化ビニルや塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸−2−ナフチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸−2−メトキシエチル、ポリアクリル酸イソボルニル、ポリメタクリロメチル、ポリアクリロニトリル、ポリメタアクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、スチレン−ブタジエン共重合体等のビニル系樹脂が挙げられる。
上記受像兼接着層(14)の形成は、上記樹脂群から選択された単独あるいは複合物をそれら樹脂に適合する溶剤に溶解および分散した塗布液を用い、上記請求項3に係る発明として上述したようにグラビア印刷法により、例えば、図5(b)のB−B面を表す図5(c)の断面模式図に示すように、厚み差(D)が200nm〜1400nmの範囲とすることが好ましく、背景部(25)の部分の厚み(H)が0.5〜50μmsなるように形成することができる。
また、転写画像(22)としては、転写リボンによる他に、電子写真方式(トナーの転写等)、インクジェット法、光重合記録材等を用いた各種転写記録法も適用可能であるが、本発明の中間転写シートには、上記転写リボンによる方法が好適で、その転写リボンには、昇華性(熱移行性)染料や、顔料を分散させた樹脂型溶融タイプや、ワックス溶融タイプの転写リボンがあり、いずれの方式でもよいが、最近では、耐熱性や耐候性に優れる顔料を分散させた樹脂型溶融タイプが主流となっている。
本発明の中間転写シートの製造方法を代表して、この顔料分散タイプの転写リボンを説明すると、まず、4つの色の顔料(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)を各々塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂に分散させて顔料インキを調合し、グラビアコーターを用いて厚み6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に各色が交互に配置されるよう
に塗布し、嵌装して4色の顔料層を有する樹脂型溶融転写リボンを製造する。
なお、上記ブラックの色で形成される文字や図形、バーコード等は光学式文字識別(OCR)として使用されることもあるため、最終製品となったときのPCS(Print Contrast Signal)値が0.6以上となるようにブラック顔料濃度および膜厚を適宜調整することが要求されている。また、磁性材料を添加して磁性インキ文字識別(MICR)として使用してもよい。
本発明の偽造防止策を施した中間転写シートの一実施の形態を説明する側断面の模式図である。 本発明の偽造防止策を施した中間転写シートの他の実施の形態を説明する側断面の模式図である。 本発明の偽造防止策を施した中間転写シートを用いた画像表示体の一実施の形態を示す側断面の模式図である。 本発明の偽造防止策を施した中間転写シートを用いた画像表示体の他の実施の形態を示す側断面の模式図である。 本発明の偽造防止策を施した中間転写シートを構成する受像兼接着層のパターン形状を説明するもので、(a)は、その一種を示す斜視図であり、(b)は、ロゴの事例を示す正面図であり、(c)は、(b)のB−B面の断面図である。 従来の中間転写フィルムの一事例の側断面図である。 中間転写フィルムを用いて、画像表示体を作製するための装置の説明図である。 従来の偽造防止策を施した中間転写シートの一事例の側断面図である。
符号の説明
1‥‥偽造防止策を施した中間転写シート
2‥‥画像表示体
10‥‥支持体
12‥‥剥離性保護層
13‥‥レリーフ形成層
14‥‥受像兼接着層
15‥‥透過性薄膜層
20‥‥被転写体
22‥‥転写画像
25‥‥受像兼接着層の背景部
D‥‥受像兼接着層の厚み差
H‥‥受像兼接着層の厚み
a‥‥中間転写フィルム
b‥‥基材
c‥‥加熱媒体
e‥‥印刷層
f‥‥耐熱性ベースシート
g‥‥剥離性保護層
h‥‥ドラム
i‥‥サーマルヘッド
j‥‥画像転写装置
k‥‥転写リボン
l‥‥受像兼接着層
m‥‥レリーフ形成層
n‥‥透過性薄膜層

Claims (3)

  1. 支持体上の片面に、少なくとも剥離可能に設けられた剥離性保護層と、この剥離性保護層上に設けられ、画像データに基づいて画像を設けるとともに、画像表示体の基材に対し熱接着性を有する受像兼接着層を設ける中間転写シートの製造方法において、
    前記受像兼接着層の前記剥離性保護層側とは反対側の面にパターン状の厚み差を設けることにより、光学的干渉現象による認識色の違いを生じさせ、
    前記受像兼接着層をグラビア印刷方式により形成することを特徴とした中間転写シートの製造方法。
  2. 前記受像兼接着層をコンベンショナルグラビア印刷方式により形成することを特徴とした請求項1に記載の中間転写シートの製造方法。
  3. 前記受像兼接着層の厚み200nm〜1400nmあることを特徴とする請求項1または2に記載の中間転写シートの製造方法。
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