JP6697603B1 - カバーフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
前記透明基材フィルムの少なくとも一方の面に積層された緩衝層と、
前記緩衝層上に積層され、電離放射線硬化型樹脂で形成されたハードコート層と、
を備え、
前記ハードコート層の膜厚は、50〜250μmであり、
前記緩衝層の膜厚は、5〜75μmである、カバーフィルム。
1Hz、25℃におけるせん断貯蔵弾性率が1.0×105Pa以下である、
項1から3のいずれかに記載のカバーフィルム。
本実施形態に係る基材フィルム1は、透明の種々の材料で形成することができ、例えば、セルロースアシレート、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、アクリレート系ポリマー、ポリエステル、ポリイミドなどで形成することができる。特に、ポリイミドは、屈曲に対して強く、また、屈曲しても癖が付きにくいため、好ましい。また、この基材フィルム1には、必要に応じて種々の添加剤を添加することができる。例えば、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
緩衝層2は、カバーフィルムの屈曲時に、ハードコート層3に作用する応力を吸収し、ハードコート層3にクラックが生じるのを抑制する役割を果たす。また、緩衝層2は、基材フィルム1とハードコート層3とを固定するための粘着剤としても機能する。この緩衝層2は、例えばアクリル系材料、ウレタン系材料、ゴム系材料で形成することができるが、一例として、主成分としてのアクリル酸エステル共重合体と、イソシアネート系架橋剤と、を含有する粘着性組成物を架橋したものとすることができる。以下、詳細に説明する。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、アルキル基の炭素数が2〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、分子内に反応性官能基を有するモノマー(反応性官能基含有モノマー)とを、モノマー単位として含有することが好ましい。
本実施形態に係る粘着性組成物を加熱すると、イソシアネート系架橋剤は(メタ)アクリル酸エステル重合体を架橋し、三次元網目構造を形成する。これにより、得られる緩衝層2の凝集力が向上する。イソシアネート系架橋剤としては、特には限定されない。
緩衝層2には、必要に応じて、アクリル系粘着剤に通常使用されている各種添加剤、例えば、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、粘着付与剤、酸化防止剤、光安定剤、軟化剤、充填剤、屈折率調整剤などを添加することができ、例えば、緩衝層2のせん断貯蔵弾性率を好適な範囲に調整するためにロジンエステル系粘着付与剤を添加することが好ましい。なお、後述の重合溶媒や希釈溶媒は、粘着性組成物を構成する添加剤に含まれないものとする。
<2−4−1.緩衝層の厚み>
緩衝層2の厚みは、5〜75μmであることが好ましく、10〜50μmであることがさらに好ましい。これは、厚みを5μm未満とすると、緩衝効果が低下し、ハードコート層3の屈曲による応力を吸収しづらくなるおそれがある。一方、厚みが75μmを超えると、カバーフィルムを押圧したときに、カバーフィルムが沈み込むため、鉛筆硬度が大きく低下するおそれがある。
本実施形態に係る緩衝層2は、1Hz、25℃におけるせん断貯蔵弾性率が1.0×105Pa以下であることが好ましい。緩衝層2の1Hz、25℃におけるせん断貯蔵弾性率は、より低いことが好ましく、8.0×104Pa以下であることがより好ましく、5.0×104Pa以下であることがさらに好ましく、3.0×104Pa以下であることが特に好ましい。また、低温においても柔らかさを保つため、緩衝層2の1Hz、−20℃における貯蔵弾性率は、1.0×105Pa以下であることが好ましく、7.0×104Pa以下であることがさらに好ましく、5.5×104Pa以下であることが特に好ましい。
次に、ハードコート層3について説明する。ハードコート層3は、電離放射線硬化型樹脂、光重合開始剤などを含有するハードコート層用樹脂組成物を硬化させたものである。また、この組成物には、必要に応じて、後述する添加剤やシリカ等の微粒子を配合することもできる。
電離放射線硬化型樹脂とは、電離放射線(紫外線または電子線)により高分子化または架橋反応するラジカル重合性を有する化合物を含み、例えば、構造単位中にエチレン性の不飽和結合を少なくとも1個以上含む化合物、またはこれらの混合物とすることができる。
重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンジルメチルケタール類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のα−ヒドロキシケトン類、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1等のα−アミノケトン類、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類、2,2‘−ビス(o−クロロフェニル)−4,4‘,5,5‘−テトラフェニル−1,1‘−ビイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール等のビスイミダゾール類、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、4,4‘−ジアジドカルコン等の有機アジド類、3,3‘,4,4‘−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボキシル)ベンゾフェノン等の有機過酸化物類をはじめ、J.Photochem.Sci.Technol.,2,283(1987).に記載される化合物を挙げることができる。
組成物には、必要に応じて添加剤を配合することができる。例えば、レベリング、表面スリップ性、高水接触角性等を付与するシリコーン系、フッ素系の添加剤(例えば、レベリング剤)を挙げることができる。
ハードコート層3の厚みは、50〜250μmであることが好ましく、75〜200μmであることがさらに好ましく、100〜150μmであることが特に好ましい。これは、50μm未満であると、カバーフィルムの表面硬度が不十分になるからである。一方、250μmより大きいとカバーフィルムの硬化収縮が大きくなり、屈曲性が低下する点で好ましくない。
本実施形態に係るハードコート層3は、1Hz、25℃における引張貯蔵弾性率が1.0×109〜1.0×1010Paであることが好ましい。
本実施形態に係るカバーフィルムの製造方法は、特には限定されないが、例えば、次のように行うことができる。
本実施形態に係るカバーフィルムによれば、基材フィルム1とハードコート層3との間に緩衝層2を設けているため、例えば、カバーフィルムが画像表示装置に沿って屈曲したときの応力を緩衝層2によって緩和することができる。そのため、カバーフィルムが屈曲したときに、ハードコート層3にクラックが生じるのを防止することができる。また、ハードコート層3の厚みが50〜250μmであるため、適度な鉛筆硬度と屈曲性能を有することができる。
上述した緩衝層2とハードコート層3の組成は一例であり、種々の材料を用いることができる。緩衝層2は、上記のように、屈曲によってハードコート層3に作用する応力を緩和するため、ハードコート3層よりも柔らかい材料であることが必要である。したがって、例えば、ハードコート層3の1Hz、25℃における引張貯蔵弾性率を1.0×109Pa〜1.0×1010Paとしたとき、緩衝層2のせん断貯蔵弾性率を1.0×105Pa以下とすることが好ましい。
実施例1〜12及び比較例1,2に係るカバーフィルムを準備した。
厚みが50μmのポリエチレンテレフタレートによって形成した。
重量平均分子量40万、水酸基価10〜20であるアクリル酸エステル共重合体100重量部に対し、溶剤(酢酸エチル)にて固形分35%に希釈し、イソシアネート系架橋剤(東ソー社製 型番「コロネートL−55E」)を0.13重量部添加し、撹拌した。こうして、緩衝層用の塗工液を生成した。
ハードコート層は、(A)ポリイソシアネート化合物(但し、脂環構造を有するものを除く。)と水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させてなる多官能ウレタン(メタ)アクリレートと、(B)脂環構造を有する2官能(メタ)アクリレートと、光重合開始剤である成分(C)と、によって調製した。
緩衝層を積層した基材フィルムの緩衝層側に、ハードコート層を貼合により積層し、以下の表1に示すカバーフィルムを作製した。
(1)鉛筆硬度
実施例1〜12及び比較例1,2のハードコート層に対し、JIS−K5600−5−4に準拠する表面鉛筆硬度試験を行った。すなわち、ハードコート層の表面に750gの荷重をかけた硬度Hから9Hの鉛筆(三菱UNI)を順に用い、試験を行った。そして、ハードコート層の表面のキズによる外観の変化を目視で評価した。以下の表2では、キズが生じたときの鉛筆硬度を記載している。
上記実施例1〜12及び比較例1,2に係るカバーフィルムから、レーザーカット装置(GCC社製SpiritGX 30W)によって2×10cmの試験片を切り出し、常温で屈曲試験(マンドレル試験1回曲げ:JIS K5600−5−1)を行った。屈曲試験は図2に示すように、円筒体の外周面に2つ折りになるようにカバーフィルムを巻き付けた後、元の状態に戻した。そして、ハードコート層にクラックが発生するか否かを確認した。以下の表2では、ハードコート層にクラックが生じなかった最小の円筒体の半径を示している。なお、IF屈曲性は、ハードコート層が円筒体に接するように屈曲させたときの結果であり、OF屈曲性は、基材フィルムが円筒体に接するように屈曲させたときの結果である。
2 緩衝層
3 ハードコート層
Claims (2)
- 透明の基材フィルムと、
前記透明基材フィルムの少なくとも一方の面に積層された緩衝層と、
前記緩衝層上に積層され、電離放射線硬化型樹脂で形成されたハードコート層と、
を備え、
前記緩衝層は、前記ハードコート層に屈曲によって作用する応力を吸収するように構成され、
前記ハードコート層の膜厚は、50〜250μmであり、
前記緩衝層の膜厚は、5〜75μmであり、
前記ハードコート層の膜厚に対する前記緩衝層の膜厚が、3〜50%である、カバーフィルム。 - 前記緩衝層は、
1Hz、25℃におけるせん断貯蔵弾性率が1.0×10 5 Pa以下である、
請求項1に記載のカバーフィルム。
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